郁乃「ついに来たんやな……この時が!」(127)
代行 ID:ApTnUxksP
洋榎「まぁ、いつかは来ると思ってたわ」
漫「それで、ルールはどないするんですか?」
郁乃「半荘1回勝負、25000持ちで、あとは普段の部活と同じルール……これでええな?」
洋榎「ええんとちゃう? どうせ勝つのはウチやからな」
絹恵「いくらお姉ちゃんでも、今日の勝ちは譲れへんよ?」
漫「みなさんには悪いですけど、今日は爆発させてもらいますんで」
「「「「…………」」」」ゴゴゴゴゴゴゴ
恭子(ど、どうしてこんなことになってもうたんや……)
◇◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
郁乃「~♪」
洋榎「なんや、今日の代行はまた一段と気色悪いなぁ」
絹恵「すっごく機嫌良さそうやね」
漫「またろくでもないこと考えてるんちゃいますか?」
郁乃「ふっふーん、なになに? ヒソヒソ話なんかして、なんかおもろいことでもあったん?」
洋榎「代行がおもろいって話してただけですから」
郁乃「そっか~、確かに私は面白いっていうか、いいことがあったな~」
郁乃「ね~ね~、聞きたい?」
洋榎(うざっ……)
漫「はぁ、何があったんですか?」
郁乃「実はな~、次の休みに末原ちゃんとデートすることになったんよ~」
「「「はぁ!?」」」
郁乃「しかもお泊まりデートやで~、これはもう勝ったも同然やな~」ドヤァ
絹恵「ちょっちょっちょ……待ってください!」
絹恵「え、なんでいきなり!?」
郁乃「別にいきなりやないんやけどな、地道に積み重ねた努力が実を結んだってことかな~」
洋榎「お泊りってどういうことやねん! 淫行で逮捕されたいんか!?」
郁乃「そこに恋愛関係が成立してれば、性交も問題ないんやで~」
郁乃「そもそも婚約してればそんなん関係ないやろ?」
漫「は!? 婚約!?」
郁乃「せやな、実際はデートの時にプロポーズするつもりなんやけどな」
洋榎「はっ、OKされるつもりでいるんか? おめでたい頭やな」
郁乃「お泊りデートOKされる時点で、勝負は決まったようなもんやと思うけどな~」
漫「……なら私はもう勝ったも同然ですね、今すぐプロポーズしてきます」
絹恵「……は?」
郁乃「……ちょっと、どういうことか説明してくれへん?」
漫「先月、末原先輩の家にお泊りしましたから」
洋榎「はぁぁ!?」
漫「しかも一緒の布団で寝ました」
絹恵「……上重さん、冗談も程々にしとかんと、痛い目みるで」
漫「絹恵ちゃん、残念やけどこれが現実なんや」
洋榎「…………」ピッピ
洋榎「……もしもし、恭子か?」
洋榎「……ちょっとな、相談したいことがあんねん」
洋榎「いや……ちょっと特殊なことやから、そういうんやなくてな」
洋榎「その……急なんやけど、恭子の家に今日泊まりに行ってもええ? そこで話すから」
洋榎「うん……堪忍な、たすかるわ…………うん、じゃあ」ピッ
洋榎「ふっ」ドヤァ
郁乃「……何しとるん、洋榎ちゃん」
洋榎「先手必勝やで、恭子はウチが今夜モノにする」
洋榎「まぁそこの三人は、指くわえて見とってや」
絹恵「お姉ちゃん、それだけは許せんよ……」
漫「くっ……」
郁乃「…………わかった」
郁乃「前から思っとたんや、いつかは白黒はっきりさせなあかんって」
郁乃「決めよか、今日」
郁乃「末原ちゃんを手に入れる、その権利を持つものを!」
洋榎「……なんや、ようやくか」
絹恵「ええですよ、このへんで障害は排除しとかんと、私と末原先輩はもう半年くらいしかありませんからね」
漫「言っときますけど、皆さん勝てると思わんといてくださいね」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
恭子「主将、なんかおかしかったな……」ピ
由子「恭子は罪作りなのよー」
恭子「なんやそれ」
由子「そこは自分で気づくしかないところやから……私からはなんとも言えないのよー」
恭子「……まぁええわ」
由子「そういえば、前に漫ちゃんが泊まりに来た時の話を聞いてなかったのよー」
恭子「ああ、そうやったな」
由子「で、どうだったん?」
恭子「別に特別なことは何も……ただ一緒にご飯食べて、そのあと……あ」
由子「ん?」
恭子「そういえば、朝起きたら漫ちゃんが私のベッドに潜り込んどったな」
由子「…………念のため聞いておきたいんやけど、なんかこう、異常はなかった?」
恭子「は?」
由子「こう、服が乱れてたり、ベトベトしてたり……」
恭子「なんやそれ、漫ちゃんはエイリアンかなんかか?」
由子「何もなければそれでいいのよー」
恭子「主将といい由子といい、今日はみんなおかしないか?」
由子「まぁそれは置いておいて、今度の休み、一緒に買い物に行かへん?」
恭子「あ、あー……次の休みは代行と出かけることになっとるんや」
由子「え?」
恭子「麻雀で負けてな、その代償として……」
由子「ちなみに恭子が勝った場合は何をしてもらってたん?」
恭子「変な服を家に送ってくるのをやめてもろてた」
由子(代行……とことん不憫なのよー)
恭子「しかもそのあと、代行の家に泊まることになってるし」
由子「のよっ!?」
由子「ちょ……恭子、正気なん?」
恭子「仕方ないやろ、その条件じゃないと勝負せえへんって言うんやし」
由子「恭子……悪いことは言わんから、その条件は今から撤回してもらうのよー」
恭子「まぁ確かに腐っても監督代行やし、気が引けるんは確かやけど、本人が鬼気迫る勢いで懇願してくるからな……」
由子(まずい、これはまずいのよー……私がなんとかせえへんと…………)
由子「恭子、ちょっと忘れ物したから先に帰っとって」
恭子「え、そうなん? 一緒に取りにいくで?」
由子「いや、ほかに寄りたいところもあるし、遅くなるからいいのよー」
恭子「そう? じゃあ……また明日な」
由子「うん、じゃあまた」
由子(代行を止めるには、私が直接代行と交渉するしかないのよー……)
由子(恭子の貞操を守らんと……)
恭子「はぁ……なんかほんとにおかしなったみたいやな……」
恭子(最近絹ちゃんも私にべったりやし……どうなっとるんやろ)
恭子(あ、そうや、主将が来るんやったら部屋片付けとか プシュー
恭子(え?)ドサッ
恭子(あれ……これ……なに…………g)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
恭子(そんで起きたらこの有様や……)
恭子「あ、あの……」
郁乃「ん? あ、末原ちゃん起きたんやな」
恭子「これは一体……なんで私は縛られとるんですか?」
郁乃「逃げられないようにするために決まっとるやん」
恭子「…………は?」
恭子(待て待て待て、どういうことや一体)
恭子(『逃げられないように』ってことは……私がここから逃げようとするようなことを私にするってことか?)
恭子(なんや……あの4人が麻雀しとることと関係あるんか?)
恭子「あの……どういった目的で私はここにいて、なんでそっちでは麻雀しとるんですか?」
郁乃「案外冷静やね~、ええよ、末原ちゃんは知っておく権利があるやんな」
洋榎「恭子、これは恭子を賭けた闘牌なんや」
恭子「は?」
絹恵「ここにいる4人のうち、誰が末原先輩を手に入れることができるか……そういう勝負なんです」
漫「勝者には、末原先輩を好きにできる権利が与えられるんです」
恭子「な、なんやそれ……おかしいやろ!」
恭子「私の意思はどうなるんや!」
郁乃「大丈夫やで、末原ちゃんが私のこと好きなんは、宇宙の真理や。 絶対勝つからあんしんして~な」
洋榎「何寝ぼけたこと言ってんのや……恭子はうちと相思相愛なんやで?」
絹恵「末原先輩、ここじゃ恥ずかしくて言えないと思いますけど、あとで二人っきりになったら聞かせてくださいね」
漫「待っとってください、必ず勝ちますから!」
末原(あかん……みんな目が逝っとる……)カタカタ
末原(勝負がつく前に、この状況をなんとかせんと……)
郁乃「じゃ、始めよか」
※以下チャチな闘牌描写が続きます
東:洋榎
南:絹恵
西:漫
北:郁乃
一二三 ワンズ
①②③ ピンズ
123 ソーズ
(五)(⑤)(5) 赤
○東1局 ドラ ⑦
洋榎
八九①②③④(⑤)⑦145西西北
洋榎(こりゃ幸先ええスタートやな、ドラも二枚……)
洋榎(やっぱり神様はうちの背中を押してくれとるんやな)トン
打 北
絹恵
一七八④⑤26899白中東 ツモ南
絹恵(これは……)
絹恵(せやけどまだわからん……とりあえずすすめるしかないな)
打 白
漫
漫(末原先輩がかかったこの勝負……爆発しないわけがないんや!)
漫(そう、ばくは……つ)
一三六①⑥⑨(5)79白中西北 ツモ②
漫(…………まだや、導火線に火が付いた状態なんや)
打 北
郁乃
二四五五七八⑧⑧288発発 ツモ発
郁乃(うーん……まぁとりあえずコレやな)
打 2
○5順目
洋榎
①②③④⑤⑥⑦⑨⑨45西西 ツモ(五)
洋榎(あとは⑧が来れば一通やけど……これがなかなか来ないんや)
洋榎(もうちょい様子見か)
ツモ切り
郁乃「ポン」
洋榎(動いたか……)
郁乃
打 四
洋榎(さて……うちのツモは……)
洋榎
ツモ6
洋榎(きた……)
洋榎(ここはダマで通すか……)
洋榎
河
北1九八
打⑨
絹恵
一七八④⑤68999中中南 ツモ白
絹恵(おトーフさん……もうちょい大事にしてやればよかったなぁ……)
絹恵
河
白白東2
打 白
漫
一三四六①②⑤⑥(5)779西 ツモ①
漫(全然手が進まへん……)
漫(たった半荘1回なんに……これはマズイな……)
打 西
○8順目
絹恵
七八④⑤68999中中南南 ツモ八
絹恵(うーん……どないしよ)
絹恵(……八切っとこか)
打 八
郁乃「ロン」
絹恵(しまった……!)
郁乃
八⑧⑧⑧888発発発 ポン五五(五) 八
郁乃「初撃でおっきいのいってまったなぁ~」ニヤニヤ
絹恵「……どうぞ」チャラ
洋榎(代行が⑧握っとったか……一気に引き離されてもうた……)
漫(あぁ……私の末原先輩が……)
洋榎 25000
絹恵 25000→13000
漫 25000
郁乃 25000→37000
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
恭子(代行が絹ちゃんから跳満和了ったか)
恭子(って、そんなこと考えてる暇やない! 何とかして脱出せんと……)
恭子(今私は代行と主将の後ろの方におる)
恭子(部屋のドアは漫ちゃんの後ろ……気づかれずに出てくんは不可能や……)
恭子(なら何とかして外部と連絡を……せやけどどうやって?)
恭子(手は後ろ手に縛られたまま、携帯はカバンの中……)
恭子(壁にかかってる服やバッグを見る限り、ここはおそらく代行の家や)
恭子(代行の家はマンションの8階……トイレに行くふりをして窓から逃げるとかの手段は使えん)
恭子(だめや……何も思い浮かばん……)
恭子(…………そもそも、逃げる必要はあるんやろか?)
恭子(縛られてるせいで危機感持っとったけど、実は景品にされても大したことされへん可能性もあるんとちゃうか?)
恭子(とりあえず今私が置かれている状況を、もっと明確にしとかんと……)
恭子「あの、闘牌中にすいません……」
郁乃「ん~? なんや、おトイレ行きたいん?」
恭子「いえ違いますけど……」
恭子「私を好きにする権利って行ってましたけど、みんなは具体的に私と何をしたいんですか?」
郁乃「え~、それを私の口から言わせるん~?」クネクネ
恭子(まぁ代行は論外か……危険なことしそうなオーラがビンビン出てるしな)
恭子(よー考えると、そこに泊まりに行こうとしてた自分の平和ボケさ加減に呆れるわ)
洋榎「そりゃ……まぁ…………その、な?」モジモジ
恭子「主将、物によってはこんなくだらん勝負せんでも、私に出来ることならしたりますよ?」
洋榎「ほ、ほんまか!?」
恭子「はい」
絹恵「ちょっと! お姉ちゃんフライングは許されへんで!」
漫「なに自分だけイイ思いしようとしてるんですか!」
郁乃「末原ちゃんの優しさにつけこむんはいただけんな~」
洋榎「う、うっさい! 恭子がええ言うとるんや!」
洋榎「あのな……その……」
恭子(あかん……ここまで言いよどむってことは、お断りも考えられんな……)
洋榎「な、名前で呼んで欲しいねん……」
恭子「……は?」
洋榎「い、いや……やっぱなんでもないわ」アセアセ
恭子「…………洋榎」
洋榎「!!」
恭子「洋榎……こんなんでええなら、いくらでもしたるわ」
恭子「だから、今日はもう帰りたいんや……」
恭子「な? お願いだから帰してくれへん? 洋榎……」
洋榎「う、ううぅ…………」カァァ
郁乃「それはあかんな~、今日は末原ちゃんを手にするってことより、自分以外のライバルが末原ちゃんに近寄れないようにする、って意味合いの方が大きいんや」
漫「そうです、せやからこの勝負だけはなんとしても続けないといけないんです」
絹恵「ここで白黒つけとかんと、あとで泥沼の戦争が待ってますんで」
恭子(くっ……もうちょっとやったのに、ダメやったか……)
恭子(でも、主将が勝てば滅多なことはされんってことはわかった)
恭子(他の二人はどうなんやろ)
恭子「なぁ、絹ちゃんと漫ちゃんは私と何がしたいん?」
絹恵「え、何ってそれはもう……ナニ?」
恭子「」
漫「私は……お散歩がしたいです」
恭子「さ、さんぽ? 散歩くらいやったらいくらでも……」
漫「ほんまですか!? 実は今日、首輪持ってきとるんですよ!」
恭子「え、首……え?」
漫「首以外の場所に付けるアクセサリーもたくさんあるんです! 楽しみにしとってくださいね」
恭子「」
恭子(あかん……やっぱりかなりの危機的状況やった)
恭子(ここは主将が勝ってくれることを祈るしか……)
恭子(もしくは、勝者と直接交渉、そこにしか活路はあらへん……)
恭子(とにかく、勝負の行方を見定めんとあかんな)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
点数変動 東2 東2‐1 東3 東4 東4-1
洋榎 25000→25000→31700→31700→29100→30400
絹恵 13000→18200→14900→18800→16200→15800
漫 25000→19800→18100→14200→11600→11200
郁乃 37000→37000→35300→35300→43100→42300
恭子(南入か……漫ちゃんと絹ちゃんはすっかり置いてかれとるな)
恭子(それにしても代行……波にのっとる)
恭子(せやけど、主将も負けとらんし……なんとかまくってもらいたいところやけど)
○南1局 ドラ三
○6順目
洋榎 30400
七七八⑨2333447南南 ツモ九
洋榎(ホンイツ射程内やな)
洋榎(代行が3捨ててるから、これで壁が一つ)
郁乃
河
中西3④六
洋榎(絹はまだ整理終わったところみたいや)
絹恵
河
東西白九6
洋榎(あとは漫やけど……)
漫
河
東⑦②④二
ネキの点数は30700ではないか?
洋榎(まだ六順目やしな……とりあえずここはコレで)
打 七
漫「ロンです」
洋榎「はっ……まいったな」
洋榎(せっかくの親が……代行を何とかするんがちょいと厳しくな…………ぁ)
洋榎「なん……やて……」
漫
一一三三四四五五七八八九九 七
漫「まさか主将から直撃もらえるとは思うとりませんでしたわ」ニヤ
洋榎 30400→6400
絹恵 15800
漫 11200→35200
郁乃 42300
洋榎「す……ずぅうううううううう!!」ギリギリ
漫「勝負は勝負ですから、さ、次行きましょ」
>>53
どこで間違ってっかわからんわ……
そうか1本場の分入れ忘れた
書き直すのめんどいんでみなかったことにしてください
絹恵(お姉ちゃん……この勝負はトップ以下は等しく価値がない)
絹恵(こっから一位になるんは厳しいやんな……ご愁傷様)
絹恵(せやけど、私はまだ終わっとらん!)
絹恵(末原先輩は私が必ず持って帰るんや!)
恭子(あかん……まさかこんなとこで漫ちゃんが爆発するとは……)
恭子(相手が強ければ強いほど爆発力が上がる……せやけど何もこんな時に爆発せんでも……)
恭子(さっきの話から考えると……下手すると代行より漫ちゃんが勝つほうが危険かもしれへん……)
恭子(それに……おそらく漫ちゃんはこれだけでは終わらへん……)
恭子(はっきり言ってもう主将は絶望的や……)
恭子(仮に漫ちゃんか代行が勝ったとして、どんな交渉を展開したらええんやろ……)
恭子(代行に交渉……)
恭子(一見無理ゲーに見えるけど、実は勝機はあるんとちゃうか?)
恭子(例えばこの部屋)
恭子(代行が身につけとる小物で判断できよったねんけど)
恭子(それ以外のインテリアからは、代行のイメージとは少し違うもんを感じた)
恭子(例えばソファーにあるクッションとタオルケット)
恭子(ソファーと揃えてシックな色になっとるから気づきにくいねんけど、あれは間違いなく夢の国のネズミ柄や)
恭子(その他にも、小物やカレンダーにさりげなくキュートなもんを選んどる)
恭子(そして極めつけはそこの本棚や)
恭子(明らかに妙なスペースが空いとる……そしてゴミ箱の中には、この間由子が話しとった少女漫画の帯が!)
恭子(女子中学生以下やないとゲロ甘過ぎて読めんあの漫画……代行が読んどるんも意外やけど……)
恭子(おそらくあのスペースには、そのシリーズが入っとったはずや)
恭子(不自然な空白は、ここに集まることになったから慌てて本を隠した結果生じたもんちゃうか?)
恭子(わざわざ隠すっちゅうことは、見られたくない……自分のイメージを壊さんようにしたいってことや)
恭子(この部屋のインテリアは、可愛いものが好き、せやけどクールな大人にならんとあかんっちゅう代行の妥協点なんやろな)
恭子(善野監督の代わりとして入った名門麻雀部、その監督代行にふさわしい人間になろうとしたんやろか……)
恭子(…………いや、動機は今は関係あらへん)
恭子(とにかく、そういう少女漫画ちっくな展開を心のどこかで渇望してるという前提の上でなら、勝機は十分あるはずや)
恭子(私のことを無理やり組みしだくより、もっとロマンチックな展開を求めてるはず)
恭子(抑圧されてる分、解放された時の満足感はかなりのもんになるんやないか)
恭子(せやったら、うまくやれば今日のところは最悪でもキスぐらいで済ませられる!)
恭子(そのあとはまた時間をかけてゆっくり解決してったらええ……)
恭子(問題は漫ちゃんや……)
恭子(まさか漫ちゃんにあないな趣味があったなんて……)
恭子(負けたらその場で即羞恥プレイって可能性も……)カタカタ
恭子(この椅子に縛り付けられた状態で散らされ……うぁぁああ!)
恭子(なんとか……なんとか交渉できんもんやろか……)
恭子(期限を引き伸ばすんは……望み薄やな……)
恭子(あぁ……麻雀の神様……)
恭子(どうか……どうか漫ちゃんだけは勝たせんといてくd 「ツモ」
漫「2000・3900です」パタン
恭子(あ、ああぁぁぁ…………)カタカタ
恭子(アカン……しかも次は漫ちゃんが親……)カタカタ
恭子(ヤられてまう……誰か……誰かなんとか……)カタカタカタカタ
洋榎 6400→4400
絹恵 15800→11900
漫 35200→43100
郁乃 42300→40300
○南3局 ドラ一
漫(ふ、ふふふ……)
漫(やっぱりや……やっぱり私と末原先輩は結ばれる運命やったんや!)
漫 43100
六六2334668888発発
漫(ここで緑一色を和了れば……文句なしの完勝や!)
漫(じゃあまずは六を…………)ピク
漫(なんやろ……何か……何かがちゃう……)
漫(確かに、確かに役満和了れるような気はするんや……)
漫(せやけど……何なんやろ……これは)
漫(………………)タン
打 4
○4順目
洋榎 4400
四四五(五)①②⑧114669 ツモ東
洋榎(もう南3局、しかも漫の親番や……)
洋榎(恭子が前言っとったな、相手が強ければ強いほど爆発するって……)
洋榎(うちと代行がいるこの卓……爆発すんのは必然だったちゅうことなんか?)
洋榎(まだ爆発するとしたら……漫は何を狙っとるんやろ……)チラ
漫
河
4266
洋榎(高火力……ワンズかピンズのチンイツか?)
洋榎(くそっ……なんとしてもこの局は和了っとかんと)
打 東
河
白九北東
洋榎(絹のやつも点数的にはだいぶヤバイはずや……)
洋榎(このへんであいつも無理をしてくるはず……)
絹恵「……」トン
打 六
河
9②⑥六
漫「カン」
洋榎(カン?)
漫「カン」
郁乃「……ほんまかいな」
漫「カン」
洋榎「嘘……やろ」
漫
ミンカン 六六六六
アンカン 8888
アンカン 発発発発
打 3
漫「ここで、終わらせてもらいます」ゴッ
郁乃(末原ちゃん、やっぱり人を見る目があるんやな……)
郁乃 40300
一九①③④⑤⑥4579中白 ツモ南
郁乃(……逃げててもこの点差やと逃げ切れん)
郁乃(とりあえず攻めて行くしかないやんな!)
打 南
「カン」
絹恵「それ、カンさせてもらいます」
漫「なっ!」
絹恵
ミンカン南南南南
打 二
絹恵「いります? これ」
絹恵「誰も和了らんのやったら……流局ですね」
漫(私の……四槓子がっ…………!)
漫
⑨⑨⑨3
恭子(あ……危なかった……)
恭子(せやけど、漫ちゃんの親はまだ流れとらん……)
恭子(まだまだ気ィ抜けへん……)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
漫「ノーテン……」
郁乃「ノーテン」
洋榎「テンパイ」
絹恵「ノーテン」
洋榎 4400 →7400
絹恵 11900→10900
漫 43100→42100
郁乃 40300→39300
恭子(普通に考えたら、勝者は漫ちゃんか代行のどっちかや)
恭子(代行……どうか勝ったってください……)グ
郁乃(うちの親……そしてオーラス)
郁乃(なんとしても逆転せなあかん、ここまで来て負けるわけには行かへん!)
郁乃(勝って……勝って末原ちゃんとラブラブの新婚生活を送るんや!)
郁乃(そんで、毎晩帰ってくる末原ちゃんを出迎えて、手料理を食べさせてあげて、一緒にお風呂に入って……)
郁乃(ベッドの上で末原ちゃんにたくさん愛してもらうんや!)
絹恵(まだや……まだ希望はある!)
絹恵(役満和了るか上重さんから直撃を取れば、勝てる見込みはある!)
絹恵(やるしかない……やるしかないんや!)
絹恵(勝ったら、一緒にデートして、ご飯食べて……)
絹恵(そんでもって、夜は末原先輩をたくさん鳴かせたるんや)
絹恵(「もう許して」ってお願いされても、ひたすらイカせ続けて)
絹恵(次の日の朝顔を真っ赤にした先輩に怒られたり……)ウヘヘ
絹恵(そんな桃色の毎日がこの先に待っとる! なんとしても勝たなあかん!)
漫(親番流されてもうたけど、私は依然トップや)
漫(買ったも同然……つまりもう末原先輩は私の手の中におるも同然なんや!)
漫(あ~、やりたいプレイが山ほどあって困るわ~)ニヤニヤ
漫(とりあえず、玩具つけて散歩は鉄板やろ……乳首とかクリにアクセサリーつけて、バイブ入れてコートだけ羽織らせてな)
漫(あとは……部員に電話させてる最中に可愛がったるとか)
漫(一晩中一回もイカせんで焦らし続けるとか)
漫(強制オナニーも外せんなぁ……)
漫(あぁ……考えただけで濡れてもうた……)ジュン
漫(とりあえずこれが終わったあとは、あの状態の先輩を堪能しよか)チラ
恭子「!?」ゾク
洋榎(正直言って絶望的……もう可能性はほとんどない……)
洋榎(せやけど、0ではないんや!)
洋榎(恭子とうちの絆は本物や……誰にも破れん)
洋榎(この目をぎらつかせた獣どもに、恭子を渡すことなんてできひん)
洋榎(勝つのはうちや……勝って……)
洋榎(千里山んとこみたいに膝枕してもろうたり)
洋榎(一緒にひとつのアイスを食べさせあったり……)カァ
洋榎(そのためには、なんとしてもここで大逆転を決めるんや!)
洋榎(ダブル……いや、トリプル役満! そんくらいの歴史に残る大逆転を決めたる!!)
麻雀の神に愛されるのは誰なのか
洋榎ルート
絹ルート
漫ルート
いくのんルート
まさかの大逆転、のよールート
2時になって最初のレスで
郁乃「ツモ」
洋榎「…………届かんかった、か」
絹恵「先輩……そんな……」
漫「な……な……」ガクガク
漫「そんな……私の……え……?」
郁乃「約束や、末原ちゃんは私がもらうで」
郁乃「ささ、みんなさっさと家に帰り」
洋榎「……恭子」
恭子「…………しゅし……洋榎」
洋榎「……また、な」
絹恵「上重さん、帰んよ……」ズルズル
漫「私の……私の先輩……」カタカタ
バタン
郁乃「末原ちゃん……」オドオド
恭子「なんでそんなにオドオドしとるんですか……さっきまでの威勢は……」
郁乃「その、やっぱり縛ったんはやりすぎやったかなって……」
恭子「そう思うんでしたら、とりあえずこれ解いてください」
郁乃「あ、うん」スルスル
恭子「はぁ……疲れましたわ」
郁乃「末原ちゃん……あんな」
郁乃「好きなんや、私……末原ちゃんのこと…………」
恭子「そう、ですか」
郁乃「誰よりも善野さんのこと好きやったはずなんに、いきなり現れた私にちゃんと向き合ってくれとった……」
郁乃「ホンマに、感謝してるし、好きなんや」
恭子「……代行は……赤阪さんは無理しすぎなんです」
恭子「いっつも肩肘張って自分で勝手に作った『監督』のイメージを追い求めて」
恭子「大体空回りしとりますけど」
郁乃「うっ……」
恭子「今回のことも、なんやようわからん理由で拉致られましたし」
郁乃「うぅ……」
恭子「せやけど、赤阪さんが頑張ってることくらいは、私にも分かります」
恭子「そういうとこ、嫌いやないですよ」
郁乃「す、末原ちゃん」
恭子「まぁ、まずはちょっと深い付き合いのお友達からってことで……」
郁乃「すえっ……はらちゃぁん」ポロポロ
恭子「ちょ!? な、泣くほど不服やったんですか?」
郁乃「ちゃう……安心したんや……」
郁乃「暴走しとるんは、自分でも分かっとったから……」
郁乃「勝った瞬間、一気に頭が冷えて……もう、話してもらえんかと……」
恭子「……はぁ」ギュ
郁乃「!」ビク
恭子「大丈夫や、嫌ったりなんてせぇへん」ナデナデ
郁乃「うっ……ふぐぅ……」ポロポロ
恭子「……それで、今日は帰らんとあかんのですけど」
郁乃「……親御さんには、今日は帰らんって連絡しといたんや」
恭子「はぁ……準備ええですね」
郁乃「漫ちゃんが勝ったら、帰してもらえんかったやろ?」
恭子「ははは……」
恭子「しゃあない、じゃあ今日はここに泊めてもろてもええですか?」
郁乃「も、もちろん! 大歓迎やで!」
恭子「じゃあまず、夕飯の支度しましょか」
郁乃「材料、無いで?」
恭子「なら買いに行きましょ、一緒に」
郁乃「せやな!」
槓
漫ちゃんがやってた四槓子は、この間おんなじ形で後輩がやってたので使いました
ベロベロに酔った状態で「緑一色とかいうやつの存在忘れてたんすよwwww」とか抜かしてやがりました
しかも俺が切った⑨で嶺上開花しやがりました。責任払いです。今度屠っておきます
暇があったら今度漫ちゃんに陵辱調教される末原さんのSSを書きたいと思います
ご協力ありがとうございました
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません