美琴「あいつにリングが渡せない・・・」(121)

ファミレス

美琴「はぁぁぁぁ~~~~~~~~~」

黒子「またですの?」

佐天「御坂さんどうしたんだろうね?」

初春「このところずっとこうですよね、突然何かを思い出したかのように突っ伏して大きくため息」

黒子「寮でもこの有様ですし理由を尋ねてもお話してくださいませんの」

初春「相当深い悩みなんでしょうね」

佐天「あたしたちにも言えない悩み、う~~ん」

美琴(いっつも鞄の中に入れてるのにいざあいつを前にすると渡せなくなっちゃうのよね・・・)

佐天「これは ”男” の匂いがしませんか?」ヒソヒソ

黒子「ぶふっ!!」

初春「汚っ!」

黒子「佐天さん、何をおっしゃいますの?」

佐天「いやいや~、近しい女の子にも話せない悩みってなると家族のことか恋の話くらいしかないじゃないですか」

黒子「お姉さまがそうと限ったわけではありませんの」

黒子(またあの類人猿ですわね)

初春「う~ん、あとは家族の問題とか」

佐天「だったらもっと悲しい顔してるもんじゃない?」

初春「言われてみればそうですね」

美琴「はぁぁぁぁ~~~~~~~~~」

美琴(はっきりしたいのになあ、自分の気持ちもあいつの気持ちも)

美琴(ってあいつの周りにはいつも女の子がいてきっと私のことなんて意識して無いんだろうし)

美琴「んんんん」ガシガシガシ

初春「今度は頭かきむしり始めましたね」

黒子「お姉さま、御髪が乱れてしまいますわよ」

美琴「うううう」ガシガシガシ

佐天「やっぱり心ここにあらずですね。これは間違いない」

初春「でも佐天さん、仮に佐天さんの言う通りだったとしても私達に何かできることってありますかね?」

佐天「ぶっちゃけ言うと無いんだよね~、あたしたち何も聞かされてないし」

黒子「ですからそのようなものではないと申しているではありませんか」

黒子(認めません、認めませんわ、お姉さまがあの類人猿となどと)

美琴「・・・」

美琴(だめだだめだ、そもそも意識してもらってないからってネガティブになっちゃだめなんだ)

美琴(もっとこう心をつよくポジティブにいかなきゃだめよね)

佐天「ならばここはずばっと聞いてみようではないか」

初春「え?」

黒子「佐天さん、やぶへびですわよ?」

佐天「このあたしがやぶへびなんて怖がってられますかってんですよー」

初春(佐天さんの瞳がものすごく輝いてますね)

佐天「それに御坂さんと同じくあたしたちの心ももやもやしてきてるじゃないですか。ここはいっちょずばっと聞くべきではないかね?諸君」

黒子「むぅ」

黒子(止めたいところですが確かにはっきりとさせておいたほうがすっきりとしますわね)

佐天「じゃ、いきまーす」

初春「佐天さん、傷つけるような言い方はだめですよ?」

佐天「わかってるって」

美琴(学校帰りを狙って声かけようとして気づかれなくて声荒げちゃったりとかしちゃうし)

美琴(あいつが登校の時に通りそうなとこ早目の時間に歩いてみたりとか)

美琴(あ、だめだ。これ完璧にストーカーじゃない。こんなんじゃだめなのに)佐天「御坂さん」ポンッ

美琴「うわっ!」ビクッ

初春「すごい反応ですね」

黒子「それだけ集中してたということでしょう」

佐天「もう、御坂さん驚きすぎですよ」

美琴「ご、ごめんごめん、佐天さんがいきなり私の肩に手置くから」

佐天「みさかぁ~~ん、このところすごぉ~~く悩んでるじゃないですかぁ~~?」モミモミ

美琴「え?えっと別に大したことじゃないんだけどね」

佐天「そうですかぁ、でも御坂さんが真剣に悩むところを見てると私達ももやもやしちゃうんですよね~~」モミモミ

美琴「あの、佐天さん、どうして私の肩をもんでるの?」

佐天「そのかたぁ~い表情と一緒に御坂さんの心を揉み解してあげようと思ったわけですよ」モミモミ

美琴「う~、ごめんね、何か心配かけちゃって」

佐天「あたしたち三人とも気になって気になってしょうがないでよね」モミモミ

美琴「でもほんとにたいしたことじゃなくって、ん~~と、そのうち話せると思うからさ」

佐天「おや、御坂さんここが凝ってますね」グリグリ

美琴「ひゃっ!」

佐天「肩に力が入りすぎなんじゃないですかぁ~?」グリグリ

美琴「そ、そんなに凝ってる?」

佐天「はい、ものすごく」グリグリ

美琴「そんなに力いれてるつもりないんだけどなぁ」

佐天「考え込んでると身体のことは目を背けがちになりますからね~」グリグリ

美琴「あ、でも何か気持ちいいかも・・」

佐天「少しずつほぐれてきましたね御坂さん」グリグリ

美琴「うん、何かこうほんわかしてくるわ」

佐天「そうでしょそうでしょ。ちなみにここが凝るっていうことは結構厄介なんですよ」グリグリ

美琴「え?もしかして内臓の働きがどうとかってやつ?」

佐天「あはは、さすがにあたしも東洋医学の専門化じゃないからそこはわかりませんよ」モミモミ

美琴「揉むのがうまいから何かこういうの詳しいのかと思っちゃったわよ」

佐天「期待してもらって悪いんですけどあたしにわかることは一つだけなんですよね~」モミモミ

美琴「何?」

佐天「ここが凝るということはぁ~、ずばり、御坂さんは恋の悩みを抱えているとうことです」モミモミ

美琴「ふぇっ!?」ビクッ

佐天「おやおやぁ~~?ここにおもいっきり力が入りましたよ~?」モミモミ

美琴「さ、佐天さんが変なこと言うからよおぉっ!」

佐天(この反応、間違いないね)ニヤリ

佐天「どうしたんですか御坂さん、そんなに焦ることじゃないんじゃないですか?」

美琴「べ、別に焦ってなんか・・・ //////」カァァ

佐天「ふふ~ん」ニヤニヤ

美琴「う・・」

美琴(やばい、あいつのこと考えちゃってる)

佐天「御坂さん、暑いですか?」

美琴「えっ?えっとえっと」アセアセ

佐天「耳まで真っ赤じゃないですかぁ」ニヤニヤ

美琴「こ、これは別にその・・え、えっと佐天さんにマッサージされるのが何か恥ずかしくなって・・・」ゴニョゴニョ

佐天「そうなんですか、あたしは好きな男の人のこと考えてるもんだと」

美琴「ちょっとおぉ!」ガタッ

佐天「ふっふっふ」

美琴「あ・・・えっと・・・」ドキドキ

佐天「御坂さん、いきなり立ち上がってどうしたんですか?」

美琴「えっとええと」

佐天(わかりやすいなぁ、やっぱり御坂さんは恋をしていたんだね)

佐天「まあまあちょっと座りましょうよ。ね?」

美琴「うん・・」

佐天「と、いった具合だよ諸君」

黒子「マッサージでお姉さまの心と身体をほぐしてからとは、やりますわね佐天さん」

初春「まだはっきりと御坂さんの口からは何も聞いてませんけど、これはほぼ間違いないというか」

佐天「ま、それは今からじっくりと話してもらおうではないか」

初春「あの、御坂さん」

美琴「んっと、何?」

初春「差し支えなければでいいんですけど、最近悩んでたのはやっぱり男の人のことなんですか?」

美琴「うぅ、ストレートに聞くわねぇ」

佐天「そりゃ今の反応見れば聞いてみたくなりますよ」

美琴「はぁ~~」

美琴(つまりみんなに心配かけるくらいみんなの前であいつのこと考えてたってことか、もうこれは下手に隠しててもしょうがないか)

美琴「うん、いつまでもこうしててもしょうがないか、はっきり言うわ」

佐天 初春「「どきどき」」

美琴「私の悩みには男の子が関係してるわね」

佐天 初春「「おおぉ・・・」」キラキラ

黒子(お姉さま、黒子は信じていますわよ。お姉さまがお悩みなのは決してあの類人猿などでなくもっと別の素敵な殿方であると)

美琴「で、二人とも何でそんなに目を輝かせちゃうの? 黒子は思いっきり不機嫌そうだし」

黒子「ぐぬぬぬぬぬ」ギリギリ

佐天「そりゃもちろんあたしたちそういうことに興味ありますし」

初春「ですです」

美琴「ってそんなに期待されても面白い話じゃないんだけどね」

佐天「で、その男の人のことはいつから好きなんですか?」

美琴「ひぇっ!?」

初春「毎日メールとかしてるんですか?」

美琴「ちょっと待って、色々誤解されそうだから私から話すわ」

佐天「すみません、ついうずうずしちゃって」

初春「私達経験が無いものですから」

美琴「言っとくけど付き合ってるとか告白するんだとかそういうことじゃないからね?」

佐天 初春「「え?」」

美琴「ただ、その」

美琴(さすがにペアリング渡したいってのは伏せるとして)

美琴「お土産を渡したいなって思ってただけなんだけど」

初春「お土産ですか?」

美琴「うん、渡そうと思うんだけどなんかつい渡しそびれちゃって」

佐天「でもそれだけ悩むってことはそれだけ渡しづらいものってことですよね?」

美琴「え?ま、まあその」

美琴(番外個体にも重いって言われちゃうしね)

初春「何を渡すつもりなんですか?」

美琴「た、大したものじゃないんだけどね」

佐天「気になる男の子に渡しづらい贈り物、それはつまり」

美琴「まあまあまあ、今は何を贈るかってことじゃなくて渡せてないことをどうするかってのが問題なのよ!」

初春「その男の人とはどこで知り合ったんですか?」

美琴「え?えーっと、確か私が変なのに絡まれてて」

佐天「まさか助けに来たとか」

美琴「そうだけど」

初春「何か漫画みたいですね」

佐天「ヒロインのピンチに颯爽と現れてばったばったと悪党どもをなぎ払う、そして恋におちるヒロイン」

美琴「ち、ちがうちがうちがう、そうじゃないのよ!私はただ色々と助けてもらったことがあったからその御礼をしたくて!」

初春「はぁ、これはもう決定的じゃないですか」

佐天「うん、まさかあたし達の知らないところで御坂さんが物語のようなストーリーを繰り広げてるなんてね」

美琴「そんなに大げさなことじゃないんだけど」

初春「ですけど、何かこう甘酸っぱいっていうか」

佐天「青春だねぇ」

美琴「と、とにかく、私が悩んでたのは渡したいけどうまくいかなくてどうしようかなってこと!それだけ!」

美琴(あんまり長引かせると話さなくてもいいことまで話しちゃいそうだからここまでにしないとね)

初春「えー」

佐天「もっと聞きたいですよー」

美琴「だって他に話すことって特に無いし」

佐天「相手の男の人がどんな人ーとか」

初春「みんなで御坂さんがすんなり渡せるように作戦を練るとかあるじゃないですか」

美琴「べ、べつにそう話を大きくすることじゃないんだって!これは私がちゃんとはいって渡せば済むだけなんだから!ね?」

佐天「軽くでいいから相手の人のこと教えてくださいよー」

初春「です!」

美琴「えっと、えーっと、何かいろんなことに首つっこんでなんやかんやで解決しちゃってえっと」

美琴「あと髪はつんつんで背は私より少し高いくらいで顔は・・・」

佐天「ほうほう」

初春「うんうん」

美琴「ってだめ!」

                 ,. ----------.、
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                /:./ /!:.:.:|:.:i:./ィf斤ミ刈/j/ィ斤厂j/!:.ト、:.:.V/ .   まだ付き合ってもいねーそれも野郎に向けて
            /:./ /:.:!:.:.:!:.:|:{{弋少   , ゞ┴彳 !:./:∧:.〈      
              {:.:{ /:.!:.:\|:.:|:.!            j/j/:.:.:.:.:.`ーァ   女の方から指輪を渡すとかチョー重いだろー
              乂_/:./:.:.:.:.:{ヽトゝ r-、_, 、_,.   }ノ:.:.:.:「 ̄´    
           __/ /:八:.:.:.ヽ_,.、  ヽ. ___ノ  人:..ト、八      何で指のサイズ知ってんだよって話にもなりかねないし
             ̄/:/:.:.:.\:.:.:}:.:.:> .,__   _,. イ:i:.:.:.:.{ノ ヽ>
                /イ{ }:.:}ヽ_>、:.:.:}:.:.:_}   {_:.:.:.:ト、:.:.:\        それに、クローンにイロイロ負けてるオリジナルってどうなの存在価値あるの?
          /  |:V:./  }:.:.:.\_ハ〃⌒ヽ〃冫- 、_>、 >                     _  _
               j人{_// ̄ //二// ̄ヽ(´`)、,  ヽ                      r 、 / 〉/ 〉,.-、
        ,.-v-、      イ/   //__/     `~ \}  }                     } }/ // / /
  r- 、   / / } }      } ///         / ⌒ヽ ト、               /〉-/ / /  /
 r‐` -、\_{ {-} ト、二二二 ///     `丶 /      } 〈            /{:.:.{       ノ ̄ )

美琴「この話はおしまい!終わり!いじょお!」

美琴(このまま語りだしたら全部しゃべっちゃいそうな勢いだわ)

佐天「そんなー、すごく中途半端じゃないですか」

初春「せめて年齢とかくらいは」

美琴「高校生よ。私が話すのはここまで!これ以上は一切しゃべりません!」

佐天「あらら、貝がふたをぴっちりと閉じてしまった」

初春「今日はこのくらいにしといたほうがよさそうですね」

佐天「うん、白井さんはさっきから黒いオーラを噴出し続けてるし」

黒子「ぐぬううぅぅ」ギリギリ

黒子(やはりあの類人猿で間違いありませんわねぇ おのれえええええ)

初春「私今の白井さんに声かける勇気ないです」

佐天「同感だね」

翌朝 常盤台

美琴「さて、みんなに少し話したことで気持ちも軽くなったことだし今日こそがんばらないとね」

美琴(って言っても具体的に何をどうするかまでは考えてないのよね)

美琴(気軽にはいって渡してじゃあねっていうものじゃないしなぁ)

婚后「御坂さん、おはようございます」

美琴「あ、婚后さん、おはよう」

婚后「今日もいい天気ですわね」

美琴「そうね、これなら体育のテニスもおもいっきりやれそうだわ」

婚后「まあ、今日はお元気ですわね」

美琴「ん?今日は?」

婚后「ええ、御坂さん最近悩んでらっしゃるようでしたから」

美琴「あー」

美琴(そんなにわかりやすかったのか私は、だめだなぁ、みんなにも婚后さんにも心配かけて)

美琴「うーん、ちょっとしたことなんだけど大きいっていうか」

婚后「私に何かお手伝いできることはありませんの?」

美琴「婚后さん・・・」

婚后「その、すごく心配になったものですから」

美琴(婚后さんがこんな顔するくらいだったなんて)

美琴「私の問題だから婚后さんにあれやってとかってのは無いんだけど」

婚后「そうですの・・・」

美琴「でも少しだけ話聞いてほしいなって思うんだけど、いいかな?」

婚后「はい、私でよろしければ」ニコ

美琴「えっとさ、私ちょっとお土産を渡したいやつがいてさ」

婚后「お土産ですの?」

美琴「うん、そのお土産を渡すことができなくてどうしたらいいのかなって最近やんでたのよね」

婚后「そうでしたの、私てっきり御坂さんが何か大きな病を抱えていたのではとはらはらしてしまいましたわ」

美琴「え?そんなこと考えてたの!?」

婚后「はい、時折苦しそうに顔をゆがめられて胸のあたりに手をあててらっしゃいましたから」

美琴「はぁ~~」

美琴(私って冷静からは程遠かったんだ、今度から自覚持って行動しよう)

美琴「ごめんね、心配かけちゃって」

婚后「いえ、今は私の杞憂だったことがわかってほっとしていますわ」

美琴「今度からはちゃんと婚后さんに相談するわ」

婚后「え?」

美琴「すごく心配かけちゃってたし私一人で悩むと変な行動とっちゃってるみたいだからさ」

婚后「変というわけでなくこう気になるといいますか、えっと、私でよろしいのですか?」

美琴「うん、だって婚后さんは私の親友じゃない」ニコ

婚后「まぁ」パァァ

美琴「それに婚后さんならきちんと秘密守ってくれそうだしね」

婚后「もちろん守りますわ。この命にかえても!」

美琴「命って、それはちょっと大げさよ?」

婚后「嫌ですわ、私ったらつい」

美琴「でもそれくらい真剣に考えてくれるんだから婚后さんには話しちゃうわね」

婚后「はい」

美琴「私のこと何回か助けてくれてる人がいるんだけどさ、その人ってすぐに不幸だ、不幸だって口走ってるのよね」

婚后「不幸、ですか?」

美琴「うん、話を聞いたら笑っちゃうくらい些細なことなんだけど真剣に不幸だって言ってるのよ」

美琴「だっていうのに困ってる人見ると自分のことなんて省みないで馬鹿みたいに突っ走って助けちゃうのよね」

婚后「では、御坂さんも?」

美琴「うん、何度も助けてもらったわ」

婚后「まあ」

美琴「命がけで人助けしたっていうのに恩に着せるわけでも手柄を喜ぶわけでもなく何事も無かったかのように自然に接してきて」

美琴「ほんと、わけのわからないやつなんだけどさ、私・・・」

婚后「ごくっ」

美琴「力になりたいのよね、そいつの」

婚后「すばらしいですわ御坂さん!」ギュッ

美琴「あっ ///////」カァァ

美琴(何話しちゃってるのよ私はああああ!!!ここまで言わなくてもいいでしょおおお!!!)

美琴(自覚持って行動しようって決めたばかりなのにいぃぃ)

婚后「つまり御坂さんはその方のことをお慕いしているのですわよね?」

美琴「べ、べべべべ別にそんなんじゃ!これはそのえっと、貸しっぱなしにしとくのがあれだから返そうってい気持ちっていうか!」

美琴「あいつの周りには他に女の子たくさんいるしでもえっとそのああとにかくそういうことじゃなくて!」

婚后「つまり御坂さんを助けてくださったのは殿方でしたのね」

美琴「あうっ!」

美琴「そう、なんだけど」

婚后「なるほど、確かに殿方へお礼というのは中々難しいことですし私も経験したことはありませんわ」

美琴「うぁぁ」

美琴(あーやばい、ほんとどきどきしてくる、落ち着けってのにもう!)

婚后「御坂さん、私がどれだけ御坂さんのお力になれるかはわかりませんがぜひとも協力させてくださいまし!」

美琴「へっ!? うんうん」

婚后「今は時間を取ることができませんのでまた放課後にもお話しません?」

美琴「あ、じゃあそれで」

婚后「では、授業が終わりましたらお伺いしますわ!」スタスタ

美琴「あ~~ またね~~~」

柵川中学

佐天「昨日の御坂さんの話なんだけどさ、あたし一人だけ思い当たる人がいるんだよね~」

初春「え?誰ですか?」

佐天「薄暗くて顔はよく見えなかったんだけどさ、大覇星祭で御坂さんとフォークダンス踊ってた人いたじゃない」

初春「たしか白井さんが飛び蹴りを入れた」

佐天「そう!その人だよ!あたしその人じゃないかなって思うんだよね」

初春「言われてみれば、どちらが誘ったのか気になりますけど可能性は高いですね」

佐天「でさ、でさ、あたし達でその人に突撃してみない?」

初春「え?」

佐天「もしかしたらもう既に彼女いるかもしれないじゃない?そうなったら御坂さんショックだと思うんだよね~」

初春「でも人のプライバシーを、ましてや知らない人のを詮索するのはよくないですよ」

佐天「初春は気にならないのかい?」

初春「う、なりますけど」

佐天「なら、ちょっとだけでも調べようじゃないか」

初春「いけないことだと思うんですけどぉ」

佐天「ちっちっち、いいかね初春、これは御坂さんのためなのだよ。ひょっとしたら裏ではすっごい女たらしの人かもしれないじゃない?」

初春「む~」

佐天「これも御坂さんを守るため、それに変なことしなきゃいいだけなんだし、ね?」

初春「でも手がかりが少ないじゃないですか、どうやって探すんですか?」

佐天「初春、さっき自分で言ったじゃない。白井さんが飛び蹴りを入れたって」

初春「あ」

佐天「そう、手がかりは白井さんが握っているのだよ」

初春「白井さん協力してくれますかね?」

佐天「するでしょ、御坂さんに関係あることなんだから」

初春「じゃ、放課後三人で会えないかメール送ってみますね」

佐天「おねがいね~」

放課後 喫茶店

婚后「御坂さん、こちらでよろしくて?」

美琴「うん、何かすごく落ち着いた感じの店ね」

婚后「秘密のお話をするにはうってつけではありません?」

美琴「ほんと、いいところ知ってるわね婚后さん」

婚后「私のお気に入りですの」ニコ

美琴「ありがと、気を使ってくれて」

婚后「お友達ですからこのくらい当然ですわ」

婚后「では早速お話したいのですけど」

美琴「まだ話してないこともあるからもう少し話すわね」

婚后「あ、よろしくおねがいしますわ」

美琴「うん、えっと 恥ずかしいんだけど私がその、力になりたいって思ってるとこまで話したわよね?」

婚后「ええ」

美琴「それで私あいつが不幸だ不幸だって言うもんだからその不幸だってやつを何とかしてあげたいなって思ったのね」

婚后「はい」

美琴「で、ちょっと学園都市の外に出た時に幸運のおまじないみたいなアクセサリーを買ったのよ」

美琴(ってアクセサリーって言ったらわかっちゃうかもしれないじゃない。ええいもういいや)

美琴「そのアクセサリーがあれば少しはそいつの不幸を和らげてくれるんじゃないかなって思って、えっと」

美琴(ああぁぁまずいまずい、またどきどきしてきた。落ち着けってのに)

美琴「全然効果とかないかもしれないけどでも、不幸だって口にしなくなるきっかけにでもなればいいかなって」

美琴「そう思ったんだけど」

婚后「いざ渡すとなるとためらってしまわれますの?」

美琴「うん」

美琴(あ、すごく真剣に聞いててくれてる)

婚后「そうですわね、私も御坂さんの立場でしたらそこまで強く想ってる殿方へ何かを渡すとなると緊張して声すら出せなくなってしまいそうですもの」

美琴「普通に話しかけることはできるんだけどこのお土産を渡すってなるとこうどきどきしちゃって」

婚后「相手のことを考えて御坂さんが選んだものですもの、力が入ってしまったりするのは当然のことですわ」

美琴「ほんとはもっと気軽に渡したいんだけど」


すみません、申し訳ないのですが1時間席はずしますので保守していただければありがたいです

保守ありがとうございます。再開します

婚后「それだけ御坂さんのお気持ちが強いということですわ。逆にペンを貸すように渡すものでもないと想いません?」

美琴「う、そういわれると納得せざるを得ないわね」

婚后「ですから今まで悩まれたことも渡せなかったことも恥じることも後悔することもありませんわ。全て御坂さんの感情ですもの」

美琴「婚后さん」

婚后「はい?」

美琴「私婚后さんの優しさに触れて涙出てきそう」

婚后「へっ?」

美琴「なんでこんなにいい子なのよぉ~~」ウルッ

婚后「へっ?へっ?」

婚后「あの、えと、ハンカチをお貸ししましょうか?」

美琴「ん、まだ大丈夫、ちょっとうるってきただけ」

美琴(あー、あったかい、もっと早く相談すればよかったわ)

婚后「では私の意見を言わせていただいてもよろしいでしょうか?」

美琴「お願い」

婚后「今のお話を聞く限りですので至らないところがあるかもしれませんが、普通にお話する分には問題ないのですよね?」

美琴「うん、あいつは私のこと意識したりっていうのは100%無いないから私が焦ったりしなければ大丈夫よ」

婚后「100%ですの?」

美琴「うん」

婚后「そんなにはっきりと?」

美琴「なんか最近会わないなーと思ってたらふいに現れて、うーん、再開したらその時は大抵見たこと無い女の子が一緒にいるわね」

婚后「・・・・・」

婚后(全力で止めてさしあげたほうがよろしいのでしょうか?)

美琴「でもそういう時ってほとんどあいつが困ってる人のために尽力してるのよね」

婚后「あ、そうでしたの」

婚后(てっきり最低な部類の殿方かと思ってしまいましたわ)

美琴「だ、だからその、私はこう何ていうんだろう。告白したいとかそういうことじゃなくて純粋にこう・・・」

美琴(そりゃ、あいつと何かしてるとこを想像したりはするけど、でもきっとあいつは私のことなんて)

婚后(御坂さん、すごく健気ですわ)

美琴「やっぱりその、何かできることあるかなってうん」

美琴(あ、だめだ。思考があっちにいったりこっちにいったりしてる)

婚后「わかりましたわ。私尚更御坂さんを応援したくなりましたの」

美琴「ありがとう、婚后さん」

婚后「とにかく今御坂さんが抱えてる問題はお渡しできないということですから、まずはここを何とかしませんと」

美琴「あれこれ考えたり学校帰りとか見つけたときに今日こそはって思うんだけどね」

婚后「ならばまずは目的のお土産ではなく手軽に渡せるものから、そうですわね、差し入れから初めてみてはいかがでしょうか?」

美琴「差し入れ?」

婚后「殿方がどういうものを好まれるかはわかりませんが飲み物とかお菓子などはいかがでしょうか?」

美琴「飲み物かお菓子かぁ」

美琴(でも夏に佐天さんの部屋借りて手作りクッキー作ったけどあれ結局渡せなかったのよねえ)

婚后「と、言っても気持ちがこもると何ですからそうですわね、ここのクッキー等はいかがでしょうか?」

美琴「あ、それなら何も考えずに渡せそう」

同時刻 ファミレス

黒子「あんの類人猿のことを知りたいいいぃぃぃ?」ギリギリギリ

初春「こわぁぁ」

佐天「うーん、今日も白井さんから黒いオーラが溢れてるねえ」

黒子「あの獣に何の用がありますの?」ギロ

佐天「いや~、もしかしたら御坂さんが気になってる男の人ってそのひ」黒子「きいいいい!!!!」ギリギリギリ

初春「し、白井さん落ち着いてください!!」

黒子「認めませんのおぉ!!お姉さまがあんな野蛮人のことを想うなどとあってはならないことですのおお!!!」

佐天「わぁ~い、平常運転だぁ~」

黒子「お姉さまぁぁああ!!!お姉さまにはこの黒子がいつまでもお側にいぃぃいい!!」

ごつんごつんごつんごつんごつんごつん

初春「始まりましたね」

佐天「ああ、いつものやつだ」

初春「どうします?」

佐天「うーん、甘いもの食べてから考えようか」

初春「そうですね、そうしましょう」

佐天「ではぽちっと」ピンポーン

ウェイトレス「はーい!」

黒子「討つべし類人猿!!この白井黒子の怒りの拳をおおおお!!!」

ごつんごつんごつんごつんごつんごつん

ウェイトレス「お待たせいたしましたぁ~」

佐天「ウェイトレスさんも慣れちゃってますね」

ウェイトレス「ええ、それはもう」

初春「さすが私達の白井さんですね」


数分後

佐天「これおいし~」

初春「こっちもいけますよ」

黒子「ふぅ、私の手でお姉さまをお守りしなくてはなりませんわねえ」

佐天「落ち着いた?」

初春「まだ油断はできませんね。もう少し見守りましょう」

黒子「しかし冷静に考えればお姉さまとあの類人猿は恋仲までは発展していませんの。ということはお姉さまを取り戻すチャンスはいくらでもあるということですわ!」

初春「風が吹いてきましたね。佐天さん」

佐天「ああ、追い風だ」

黒子「初春、佐天さん。私に協力していただきますわ」ニヤァ

初春「はーい」

佐天「よろこんでー」

公園

婚后「いつもこの辺りを通られますの?」

美琴「うん、よく補修で遅くなるって言ってるけどここを通るのは間違いないわ」

婚后「では時間にばらつきがあるのですわね」

美琴「そうね、だから確実に会えるってわけじゃないのよね」

婚后「そうでしたか」

美琴「立って待つのも面倒だしあそこに座りましょ?」

婚后「はい」

美琴「はぁー、何かどきどきしちゃうなー」

婚后「大丈夫ですわ。いつも私とお話している御坂さんでしたらうまくいくに決まってますの」

美琴「うん、婚后さんと一緒だとがんばれる気がする」

婚后「まあ、うれしいですわ」

美琴「んーー」

美琴(でも何かこうじわじわ緊張しちゃうのよねー)

 にゃー

婚后「あら、猫がいますわ」

美琴「あ、ほんとだ」

婚后「真っ白できれいな毛並」

美琴「野良だともう少し毛が荒れてるから誰かの飼い猫かもしれないわね」

 にゃー

美琴「あれ?こっちに来る」

婚后「まあ、人懐っこいのですわね」

美琴「うそうそ、私微弱な電磁波出してるから触りたくても触れないのに」

婚后「案外平気な猫なのではないでしょうか」

 にゃ

美琴「あ、止まっちゃった」

婚后「ですがこちらをじっと見ていますの」

 けりけりけりけり

美琴「顎のあたりかゆいのかな?」

婚后「かもしれませんわね」

美琴「さわりたいよぉ~」ウズウズ

婚后「ですが驚かせてしまっては元も子もありませんわ」

 ごろごろごろごろ

美琴「ああぁぁぁ!!!背中地面にこすりつけてるぅ!!!」

婚后「お腹丸出しで、警戒心が無いようですわね」

 ごろごろごろごろ

美琴「お腹おもいっきりなでなでしたいよぉ」ウズウズ

婚后「すごく気持ちいい手触りでしょうね。私も撫で回してあげたくなってきましたわ」

 しゃきっ じー

美琴「こっち!こっちに来て!お願いだから!!」

婚后「やさしく、やさしく呼びかけますの」

 じー

美琴「こっちよぉ、こっち、こっちにきたら後でおいしいキャットフード買ってあげるから!」コイコイ

婚后「お魚のほうがよろしいのではありませんの?」コイコイ

美琴「えっと何かで読んだんだけど市販の魚って塩分が高いからキャットフードのほうが安全なんだって」コイコイ

婚后「まあ、それは知りませんでしたわ」コイコイ

 とことこ

美琴「来たぁ~~ こっちに歩いてきてるうぅ~」

婚后「そのまま、そのままですわ」

 とことこ

美琴「もうちょと、もうちょっとよ、もう少しで撫でてあげらる」

婚后「近くで見ると目がかがやいてるのがよくわかりますわ」

 にゃ ちょこん

美琴「きた!きたわ婚后さん!この猫私たちの足元まで!」

婚后「冷静に!冷静にですわ!」

 にゃふ くしくし

美琴「顔あらってるうぅ」

婚后「さ、そっと撫でてみてくださいまし」

美琴「うん」ドキドキ

そ~~

 くしくし

美琴「もうちょっとぉ」

そ~~

 「おわあああああっ!!」

どんがらがっしゃあああああああんっ!!!!

 にゃっ!! びくっ

美琴「えっ!?」

 たたたたたっ

美琴「あっ・・・」

婚后「大きな音に驚いて行ってしまいましたわ・・・」

美琴「もうちょっとだったのにぃ・・」

 「不幸だーー!!」

美琴「あの声・・・あいつかぁ・・・・」イライラ

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