れんげ「カラシニコフの裁きの下、BB弾で奴らの顎を食いちぎるのん!!」 (6)

『体を横に曲げる運動~。いちっ、にっ、さんっ、しっ』

れんげ「とう!もっちょろけ~……ダンシンっ!!!」

小鞠・夏海・蛍「「……」」

れんげ「ふふん、どうですか。ウチのダンスは」

夏海「何回も言ってるけど、これダンスじゃなくて体操だけどね。ていうか、毎日躍ってるよね、れんちょん」

ロットン「……華麗にして可憐。流石は宮内家の末子。齢6歳でその舞踊、末恐ろしく思う」

れんげ「おぉ!流石はトンにぃ、わかってるん!」

小鞠「トンにぃ。本気で言ってるの?」

ロットン「俺も負けてはいられないな。同じ音楽性をもつ者同士、高めあうには丁度いい」

蛍「あの……」

ロットン「俺の名はウィザード。ロットン・ザ・ウィザード。夜空の星屑、舞い散るが如く、ステップを踏もう」

夏海「あーあ。はじまった。トンにぃのダンスなんてどうでもいいから、スタンプくれよー。帰れないじゃん」

れんげ(今日も夏休み。朝はみんなでラジオ体操なのん。ちなみにスタンプ係のトンにぃはウチのライバルなのん)

夏海「れんちょん、見てなよ。ライターのガスをこうやって握り拳のなかに溜めてね…」シュゥゥゥ

れんげ「なんなのん?」

夏海「そしたら点火しまーす♪」シュボ

ボウッ!

れんげ「す、すごいのん!なっつん魔法使いみたいなのん!」

夏海「えっへっへ…面白いっしょ?れんちょんもやってみる?」

れんげ「あ、危なそうだからウチはいいのん…」

夏海「大丈夫だって。火傷なんかしないからさ」

れんげ「あ、熱くないのん…?」

ロットン「俺には一分の無駄はない。そう。この烙印を刻むときすらも」

れんげ「おぉー。かっこいいのん」

夏海「いや、そういうのいいから。スタンプおしてって」

小鞠「私たちにも予定があるんだけど」

ロットン「もしや、その予定……」

蛍「な、なんですか?」

ロットン「……妖精たちの集いなのか?」

小鞠「まぁ、私たちが遊ぶ約束してるだけなんだけど」

ロットン「それはすまない。今すぐ、この禊の証を君たちに送ろう」

夏海「はいはい。スタンプね」

れんげ「ウチから!ウチからおしてなのん!!」

ロットン「焦るな。この証明は大切なものだ。1ミリのズレも許されない」ソーッ

小鞠「……神経質なんだから」

蛍「真面目な人なんですね。ロットンさんって」

ロットン「夏海で最後か」

夏海「ここね。ここ」

ロットン「……」ソーッ

夏海「早く!!」

ロットン「これで夏海にも刻まれたな。ウィザードの烙印が」

夏海「ほたるん。今日もウチで朝ごはん食べる?」

蛍「いえ。今日は家で食べてきます。いつもご馳走になってたら悪いですから」

小鞠「そんなこと気にしなくてもいいのに」

夏海「だよねー」

れんげ「ウチ、ねぇねぇが寝てるからこまちゃんと一緒に朝ごはんたべるん」

小鞠「そう?なら、れんげは私たちといこっか」

夏海「トンにぃ、ほたるんを送っていってあげて」

ロットン「……今宵は妖精のナイトになろう」

小鞠「まだ朝だけどね」

蛍「……」

ロットン「蝉時雨が肌を刺すようだ」

蛍(どうしよう……。何を話したらいいのかな……)

ロットン「一条」

蛍「は、はい!!」

ロットン「子犬を飼っているそうだな」

蛍「え、ええ。それがなにか?」

ロットン「……愛でているのか?」

蛍「え?」

ロットン「小さき命を育むのは、人間のエゴではないだろうか」

蛍「……」

ロットン「だが、そのエゴが小さき命を支えているのも確かだ」

蛍「あ、私の家ここですから。ありがとうございました」

ロットン「……こう思うこともまたエゴなのか、一条?」

ロットン「……一条の姿が消えた。そうか。故郷に戻ることができたということか」

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