咲「私たちがアイドル?」(154)
代行 ID:Q4syLAQC0
今
清澄
久「ええ、日本麻雀教会からのお達しでね。頼まれたのよ」
久「インハイ優勝校の私たちが、全国からメンバーを集めてアイドルグループを結成してくれって」
久「打って歌って踊るアイドル……それで麻雀業界を活性化させてほしいって」
和「そんな勝手な……」
優希「おもしろそうだじぇ!」
和「ゆ、優希!?」
咲「アイドルかぁ……ずっと憧れだったんだ~」ポワワン
和「宮永さん……」
まこ「そこまで言うなら仕方ないけぇ……ちょいと一肌脱いでやるかのう」
和「えっ、染谷先輩もやるんですか……?」
久「ふふ……決まりね」
謎の部長爆売れ
同じ頃・阿知賀
穏乃「私たちがアイドルゥ!?」
赤土「そう! インハイ準優勝校ってことで麻雀教会に頼まれちゃってさ」
灼「ハルちゃん、話が全く読めな……」
赤土「つまり、アイドルグループ結成して麻雀界隈を盛り上げようってわけ」
憧「ずいぶんざっくりいったわね」
宥「それで、私たちは何をすれば……」
赤土「とりあえずメンバー集めね。全国から選りすぐりのメンバーを集めてほしいんだって」
赤土「ただし、清澄含む東日本の高校以外から!」
玄「え、どうしてですか?」
赤土「うん、それはね……」
和「東日本と西日本で別のアイドルグループを作る……?」
久「そうらしいの。だから、私たちがメンバーとして集めることができるのは東日本にある高校の子たちだけ」
まこ「なるほど……2つのグループを作ることで、お互いに切磋琢磨し合い、よりいっそうこの企画を盛り上げていこうというわけじゃな」
久「そういうことよ」
京太郎「東日本っていうと、つまりどこら辺までですか?」
久「ええと……愛知や岐阜、富山までが西日本。新潟や静岡、そして長野より以東は東日本みたいね」
まこ「そう考えると、うちの県はギリギリ東日本という区分なんじゃな」
咲「でも、いざメンバーを集めるといっても、これだけ範囲が広いと大変ですね……」
久「大丈夫、その辺りはもう手配済みよ」ニヤリ
咲「?」
もこたそのふしぎなおどり
数時間前・龍門渕
透華「やります! やりますわ!」
久『そう? 嬉しいわ。それじゃ詳細は追って連絡するわね』
透華「ええ、それでは失礼しますわ」ガチャン
純「どうした透華、そんな鼻息荒くして」
透華「フフ……ついに……ついにこの時がやってきましたわ!」ドンッ
智樹「……前置きが長そう。要点だけ話して」
透華「むっ……仕方ないですわね」
透華「みなさん、アイドルをやりますわよ!」
純「はぁ?」
一「ど、どうしたのいきなり……?」
透華「ええ、実は……」
鶴賀
加治木「アイドル、だと……?」
蒲原「ああ、うん。清澄の部長から電話があってなー」
桃子「先輩がアイドルやるんすか!?」
加治木「なっ……ま、まだ私は一言もっ!」
蒲原「でも、誘いがきたんだぞー。さすがにうちからも何人か出さないと」
桃子「私は先輩が適任だと思うっす!」
加治木「や、やめろ! 私はアイドルなんて……っ!」
蒲原「私もゆみちんでいいと思うけどなー。あとはむっきと佳織でいいかー」カキカキ
睦月「はい……って、なんで私まで!?」
佳織「あ、アイドルなんて無理だよ~!」
風越
美穂子「……ということなの」
未春「アイドルですか……」
池田「まったく馬鹿らしいし! もちろん断りますよね? キャプテン」
美穂子「わ、私はちょっと興味が……っ///」
池田「えっ……」
未春「華菜ちゃんも出なよ! きっと似合うと思うなぁ……」ニヘラ
ドム「……私も出たい」フンッ
池田「そ、それは無理あると思うし……」
バァアアアン!!
池田「っ!?」ビクッ
久保「池田ァ! アイドルに推薦しといたぞォ!!」
池田「そ、そんなぁ……」ガックシ
未春「やったね、華菜ちゃん!」
東日本というより長野のアイドルになりそうな勢い
白糸台
淡「アイドル? やるやるー!」
菫「……そういうと思ったよ。だから、白糸台からはお前を推薦することにした」
淡「ええー! テルーとスミレは?」
菫「なっ……わ、私がやるわけないだろう! それに照だってそんなの似合わな……」チラッ
照「……」ジー
菫「な、なんだその目は……?」
照「……私もアイドルやりたい」
菫(え、ええええええええっ!?)
淡「ほらー! テルーもこういってるよ!」
照「……で、でもさっき菫が似合わないって」ポロポロ
菫「え……えっ?」オロオロ
淡「あーあ! スミレが泣ーかしたー!」
菫「なっ……わ、私は別に……っ!」
尭深「……罰として弘世先輩も立候補ですね」カキカキ
亦野「部長がアイドル……ププ」
菫「や、やめろぉぉおおおおお!!」
宮守
塞「各校から何人か推薦して、その中から選抜を行うんだって」
白望「ダル……」
豊音「あ、アイドル……っ!」ガタンッ
胡桃「っ!? ……ど、どうしたのトヨネ?」
豊音「私、ちょーやりたいよー!」キラキラ
塞「と、トヨネにちゃんとできるかなぁ……ま、いっか」カキカキ
胡桃「あと一人くらい推薦しとく?」
塞「そうね。って言っても私はやりたくないし、胡桃も身長的にナイし」
胡桃「うるさいそこ!」
豊音「あとはエイスリンさんかシロだねー」
エイスリン「シロ!」
白望「やだ」
エイスリン「ダメ!」カキカキ
白望「……エイスリン、やめて」
エイスリン「ヤダ!」カキカキ
豊音「シロ、絶対いけると思うよー!」
胡桃「うんうん」
塞「ふふ……観念しなさい、シロ」ニヤッ
白望「……」
某会場
久「それでは、遠い所からお集まりいただきありがとうございます。清澄の竹井久です」
久「みなさんは各校から立候補ないし推薦された方々と思いますが、これからさらにその数を絞るために選抜を行いたいと思います」
透華「選抜とは、具体的にどのようなことをなさるんですの?」
久「そうね、初めは歌唱力とか運動能力で決めようかと思ったんだけど……」
久「アイドルをやるうえで一番大事な要素……それは、『アイドルになりたい』って言う強い想いだと思うの!」
豊音「たしかにそう通りだよー!」
久「そして、ここにいる人たちはみんなその想いを平等に持ってるはず」
菫「おい、ちょっと待……」
加治木「それは違……」
久「だから、ここは公平にクジ引きで決めることにするわ!」
菫・加治木「……」
永水
小蒔「巴さん……これは?」
巴「タレントの募集要項よ」
小蒔「私どもを……芸能人にするというのですか?」
霞「行儀見習いにぴったりね」
春「興味ないな」
初美「そのオーディション……姫様も出るのですか~?」
小蒔「むしろ、あなたが出るべきでは?」
春「同感だ」
霞「わたしもそう思うわ」
初美「巴ちゃん、出ていいですか~?」
巴「構わないわよ」
初美「みんなに推されてよかったです~」
クジ引き参加者一覧
清澄・・・咲、和、優輝、まこ
龍門渕・・・透華、衣、純
鶴賀・・・加治木、桃子、佳織
風越・・・美穂子、池田
白糸台・・・照、淡、菫
宮守・・・豊音、白望
久「今から、この参加者17人の中から10人に絞ります」
美穂子(じ、10人……狭き門ね)
加治木「10人か……」
加治木(あぶれるのは7人……なんとかその7人の中に滑り込めれば……)
桃子「これだと、先輩と一緒にアイドルやれないっていう可能性もあるんすね……」
加治木「あ、あぁ……そうだな」
久「クジの方法は、この箱にそれぞれ名前を書いた紙を入れて、それを私が10枚抜きます。その抜かれた10枚に書かれてる人が……」
久「東日本のアイドルよ!」バァンッ
美穂子(なんとしても……)ゴクリ
加治木(なんとしても……っ!)ゴクリ
久「それじゃ、自分の名前を書いた紙を入れてってちょうだい」
透華「絶対にアイドルになってやりますわ!! そして今度こそ原村和より目立ってみせますわァ……!!」ゴゴゴ
和「っ!」ゾクッ
和(さ、殺気が……)
衣「クッジ引きだぁー!」
純「くそっ……なんで俺がこんなこと」
一「じゃんけんで負けたんだから仕方ないでしょ」←付き添い
優輝「部長はなんでやらないんだじょ?」
久「わ、私はほら! プロデューサーとかやらないといけないし」
まこ「そんなこと言って逃げようとしてるのが見え見えじゃぁ」
久「う、うるさいわね! 別にいいでしょ、こんだけ集まってくれたんだから」
久「みんな入れたわね? それじゃ今から一枚ずつ引いて読み上げます」
久「まず一人目は……」ガサゴソ
久「……片岡優輝!」
優輝「やったじぇ!」
京太郎「い、一発目かよ……すげえ引きのよさ」
優輝「当然だじぇ! なにせ私は東場の神だからな!」ドヤァ
和「……意味が分かりません」
咲「うぅ……緊張するなぁ」
豊音「あ、あと9枚だよー」
塞「まだまだチャンスはあるわよ」
胡桃「そそ、だからシロもさりげなく帰らないよーに」ガシッ
白望「うっ……」
白望(……早く岩手に帰りたい)
誰か部長のこっそり入れちくり~
久「二人目……弘世菫さん!」
淡「わぉ! おめでと、スミレ!」
菫「」
照「……羨ましい」ジー
菫「……て、照! 私と代われ!」
淡「ダメだよスミレ! そんなのずるい!」
菫「……もうやだ死にたい」
久「三人目は……東横桃子さん!」
桃子「き、きちゃったっす!」
加治木「よ、よかったなモモ!(私じゃなくてよかった……)」
佳織(うぅ……ど、どうか外れますように……)
久「四人目……原村和!」
透華「さ、先を越されましたわ~っ!!」ギリリ
純「いいから席に座れって」
和「……」
優輝「やったじぇのどちゃん!」
京太郎「よかったなぁ!(これで和のエロエロな衣装が拝めるぜ!)」
和「……全然よくありません」プイッ
咲「そんな……原村さん、絶対アイドル似合うよ!」
和「えっ……」
咲「私、当選しなくても原村さんのこと応援する! だから頑張って!」
和「み、宮永さん……///」
久「五人目は、龍門渕透華さん!」
透華「き、きましたわァ! 打倒・原村! 打倒・原村ですわ~っ!!」ゴゴゴ
一「お、落ち着いて透華……」
久「六人目は、池田華菜さん!」
久保「ッシャアアアアアアアアアアアアアアア!!」
池田「っ!?」ビクッ
美穂子「華菜、おめでとう!」
久保「がんばって来い池田ァ!!」
池田「……な、なんで私がこんな目に」
久「七人目は……大星淡さん!」
淡「やったー! お先だよ、テルー!」
照「うぅ……私だけなんで……」ポロポロ
菫「……泣くなよ」
菫(泣きたいのはこっちだよまったく……)
桃子「先輩こないっすね……」
加治木(頼むからこのままこないでくれ……)
久「八人目は……妹尾佳織さん!」
佳織「え、えええええ~!」
加治木「や、やったな妹尾!」
佳織「ぜ、全然よくないですよ~……うぅ」
加治木(残り2枚……)ゴクリ
久「九人目は……井上純くん!」
純「くんとか言うな! ってか当選しちまったよ……」ガックシ
透華「純、なにをしょぼくれてますの! 一緒に頑張りますわよ!」
衣「衣もトーセンしたいー!!」ジタバタ
一「純くんのアイドルコスかぁ……これは楽しみだね」ニヤニヤ
純「……国広くん、君はマジで嫌な女だな」
エイスリン「フセイ! インチキ!」プンプン
久「えっ?」
塞「あ、ごめんなさい。私たちの高校からはまだ一人も当選していないものだから……」
まこ「あぁ、たしかにそうじゃの」
胡桃「エイちゃん、落ち着いて」
エイスリン「……」フンッ
久「ごめんなさい、でもほんとに不正なんてしてないの。申し訳ないけど最後の一枚にかけてちょうだい」
エイスリン「……っ」
塞「ほんとにすみません、当選会を中断してしまって」
久「それは構わないんだけど……」
豊音「エイスリンさんは、シロに当選してもらいたかっただけなんだよね?」
エイスリン「……トヨネモダヨ」
豊音「ふふ、ちょーうれしいよー!」ニコッ
久「さぁ、それじゃ最後の一人を引くわよ!」
豊音「きてきてー!」
白望「……」
美穂子「……っ」
加治木(くるなくるな……!)
衣「こいこい!」
照「……」ブツブツ
咲(お、お姉ちゃん怖い……)
まこ(アイドルグループに緑髪は欠かせんじゃろ……っちゅうわけじゃから来い!)
久「十人目は……臼沢塞さん!」
豊音「……えっ?」
塞「は、はぁ!?」
久「あれ、どうしたの?」
豊音「塞は立候補なんてしてないよー?」
久「あら、ほんとだ……名簿に書いてないわね」
純「クジは自分で書いて入れたはずだろ? それじゃ誰かが故意にそいつの名前を書いたとしか……」
塞「で、でも誰がそんなこと……」
エイスリン「……」ギロッ
白望「……」タラタラ
エイスリン「……シロ」
白望「……は、はい」
エイスリン「……」ジー
白望「……」アセアセ
塞「シロ……あんたまさか」
豊音「ええーっ! シロの仕業だったのー!?」
胡桃「往生際悪すぎでしょ」
白望「……だって塞の方が向いてると思ったし」
塞「だからって勝手に名前書くとかありえないでしょーが!」バシッ
白望「あ痛……」
シロ「……っ、ゲンメツシタ!」プンプン
白望「……ご、ごめん」
胡桃「んー……じゃあ、これはシロの当選でいいってこと?」
塞「あ、当たり前でしょっ!」
久「……別に臼沢さんでもいいと思うけど。あなたスタイルとてもいいし」
塞「は、はぁっ!? な、なに言ってんですか……っ///」
豊音「私も塞でいいと思うなー」
胡桃「うん、シロはこの通りやる気ないみたいだし」
エイスリン「……」コクコク
白望「……がんばれ」グッ
塞「し、シロ……あんたねぇ……」プルプル
豊音「ほら、塞! ファイトっ!」
エイスリン「っ!」カキカキ
胡桃「おお、塞がダンス踊ってる絵」
塞「や、変なの描かないでよ!」
久「……それで、決まったかしら?」
塞「……っ、もうしょうがないなぁっ! やるわよ、やればいいんでしょ!」
久「ふふ、それじゃ決まりね」ニコッ
久「それじゃ、選ばれたメンバー10人のみんなはおめでとう。これからは私があなたたちを補佐していきます。よろしくね」
パチパチパチ
久「惜しくも当選しなかった人たちは残念だわ。でも、みんなにはどうか、今日この時の気持ちを忘れないでほしいの」
久「アイドルになりたいって強い想いさえあれば、誰だってその資格を持ってるはずなんだから。夢を捨てないで、これからも頑張って」
豊音「うぅ……っ」ポロポロ
照「……っ」グジュ
久「そして、今だけはどうか私たちのことを応援してほしい。これからは、ここにいる全員の代表として精いっぱい頑張っていくつもりだから」
パチパチパチ
久「ありがとう、それじゃ選抜メンバー10人は残ってください。これからの方針を決めます」
久「集まってくれたわね。改めて、これからよろしく。清澄の竹井久よ」
透華「一ついいかしら?」
久「どうぞ」
透華「竹井さんはグループの一員として活動なさるの?」
久「えっとね、私はわかりやすく言えばプロデューサーのようなものよ。練習メニュー考えたり、ライブ会場を手配したり」
菫「ち、ちなみにダンスの振り付けや曲はどうするんだ……?」
久「それは心配いらないわ。強力な助っ人がいるから」
はやり「こんにっちはー!!」
優輝「瑞原プロだじぇ!」
久「ダンス指導はこちらの瑞原はやりプロにしていただきます。ちなみに、曲は私とここにいる染谷まこが担当するわ」
和「え……先輩方、作曲できるんですか?」
まこ「こう見えてもわしゃ音楽の成績は5じゃ」
和「……」
久「心配しなくても大丈夫よ。まこはともかく私はそういうのの経験ちゃんとあるから」
和(じゃあなんで染谷先輩も一緒に……?)
純「信用していいんだな?」
久「ええ、もちろん」
久「それと練習を始める前に、まずグループのリーダーを決めたいと思うの」
池田「たしかにまとめ役は必要だし」
久「それで、みんなのパーソナルデータを総合考慮した結果……」
佳織(で、データってなんのでしょう……?)
久「臼沢塞さん、あなたが適任だと思うの」
塞「え、私!?」
久「ええ、どうかしら?」
塞「ん、んー……まぁ、他にいないんなら」
久「ふふ、ありがとう」
久「それじゃさっそく今から練習ね。まずは……」
透華「ぜぇ……はぁ……っ」
和「はひっ……く、くるし……っ」
優輝「のどちゃん、遅すぎだじぇ!」
和「ぶ、部長……なんで私たちが、こんなこと……っ」
久「和……アイドルたちがあれだけ歌って踊りながらも笑顔を絶やさないでいられるのはなぜだと思う?」
和「そ、それが……これですか……っ」
久「そう、体力ってのもアイドルに欠かすことのできない大切な要素なのよ。歌唱力やダンス技術と同じくらいにね」
桃子「……っ、はぁ……はぁ……」
桃子(ほ、ほんとに……なんで私がこんなこと……先輩もいないのに……っす)
純「……っ、まぁ、勝負事なら負けるわけにはいかねえよな……っ!」
優希「わ、私だって体力には自信あるじょ……っ!」
池田「はぁ、はぁ……くっそぉおおおおお!! 意地でも頑張って見せるし!」ダダッ
久保「がんばれぇえええええええええええ!! 池田ァぁああああ!!」
久(やる気のある子もちゃんといる……その気持ちが周りにもいい影響を与えてくれればいいけど)
純「……っ、ふひぃ……終わったぜ」
優輝「……っ……や、やるなノッポ」
純「へっ、お前もな……」
久「みんな、ご苦労様」
まこ「お茶じゃぁ、好きなだけ飲め」
純「ぐびっ……ぷはぁ、生き返るっ!」
優希「京太郎、タコスはまだか!」
京太郎「ねーよ!」
塞「はぁ、はぁ……も、もうダメ……」
池田「あ、足が動かないし……」ガク
淡「あんたたちだらしないなぁ! こんなのなんともないじゃん!」
純「ここにも体力バカが一人……」
淡「なっ……バカとはなんだバカとはー!」プンプン
久「終わったのはこれだけ? 他の子たちは大丈夫かしら……?」
>>56
シロ「ゲンメツシタ!」にわろた
佳織「……はぁ……はぁ……っ」
佳織「も、もう……ダメ……」ガク
佳織(うぅ……もう一歩も動けないよ……)
和「だ、大丈夫……ですか?」
佳織「ぇ……あ、えっと……あなたはたしか、原村さん?」
和「え、ええ……原村和です」
佳織「わ、私……妹尾佳織って言います」
和「妹尾さんですか……よろしくお願いしますね」
佳織「い、いえ……こちらこそっ!」
佳織(たしか麻雀の中学生大会で優勝した方、ですよね……)
和「……」
佳織「……」
佳織(な、なんだか気まずい……)
和「……こんなの、無茶ですよ」
佳織「……えっ?」
和「文化部の私たちが、寄せ集めでアイドルやるなんて……」
佳織「た、たしかにそうですよね……」
和「まったく部長は何を考えているんだか……」ブツブツ
佳織「はは……」
佳織(この人も、麻雀じゃなくなれば普通の人と同じなんだなぁ……)
和「私、もうやめたいです……こんな下らないこと」
佳織「……」
和「あなたも、そう思いませんか……?」
佳織「わ、私は……」
佳織(……っ、本当にそれで、いいのかな……)
佳織「……」スクッ
和「……せ、妹尾……さん?」
佳織「……私は、もうちょっと頑張ってみます」
和「……えっ」
佳織「ご存知かもしれませんが、私は麻雀があまり上手ではないんです……」
佳織「けど、麻雀のおかげで鶴賀のみなさんと出会うことができました……だからそのことにはすごく感謝してるんです」
佳織「その恩返しと言ってはなんですけど……こんな私にもできることがあるなら、少しでも力になりたい。そう思うんです」ニコッ
和「……」
らららー
佳織「原村さんは……どうですか?」
和「わ、私は……」
和(私だって麻雀に出会えたことを感謝している……)
和「……っ、で、でも! こんなのがほんとに役に立つんですか!? こんなアイドルごっこをすることが……!」
佳織「……わかりません。でも、あの人は本気みたいです」
和「部長のこと……ですか」
和「ほんと私には理解できません、あの人の考えていることが……」
佳織「ふふ……でも、なんだか不思議です。あの人になら付いていってもいいと思える……加治木先輩に似ています」
和「たしかにそうですけど……っ!」
佳織「私にはまだ、原村さんの質問に答えることはできません」
和「……」
佳織「……けど、いつか答えが見つかる日がくる。そう思ってます」
佳織「とにかく私は行きますね。ゴールのところで待ってます」
ダダッ
和「……」
透華「はぁ……はぁ……っ」
和「……?」
透華「……っ、あ、あなたは……原村和っ!」
和「そ、そうですけど……」
透華「やっと追いつきましたわよ~っ!!」
和「……いえ、競ってませんし」
透華「あなたがそうでなくても、私はそうなんですのよ!!」
久(なにも考えてなかったとはいえない・・・)
和「……龍門渕さん……でしたか?」
透華「そ、そうですわよ……なんですのいきなり」
和「あなたは……なぜそんなに頑張るんですか?」
透華「は、はぁ? 決まってますわ! ステージの上であなたより目立つためですわ!!」
和「……」
透華「そのためには、たとえ練習であれあなたに負けるわけにはいきませんのよ!」
和「……そうですか」
透華「そ、そうですかって……まったく、張り合いがありませんわね」
和「……だって、私は別にアイドルになりたいとかそういうのないですし」
透華「っ、なにを腑抜けたことを言ってますの!」
透華「私たちはもう、アイドルなんですのよ!!」
和「えっ……」
透華「あの選抜で選ばれた時から、どんな形であれ、私たちはアイドルになったんですの!」
透華「それなのに、アイドルだとかアイドルじゃないとか……いつまでそんなことを言ってるおつもりなんですの! もっとピシャッとしなさいですわ!」
和「……」
透華「っ、原村和! あの選抜会で当選しなかった方々の気持ちを少しは考えなさい!」
和「っ! と、当選しなかった人の……気持ち……」
透華「そうですわ! 私たち10人は、あの会場にいた……いえ、麻雀が好きな高校生すべての想いを背負っていますのよ!」
和「……っ!」
和(そう……でしたね。私、咲さんの言葉をすっかり忘れていました……)
咲『私、当選しなくても原村さんのこと応援する! だから頑張って!』
和「……ありがとうございます、龍門渕さん。私も、もう少しだけ頑張ってみます」
透華「あ、当たり前ですわっ!///」
イイハナシダナー?
菫「っ……はぁ、はぁ……」
久「弘世さん、お疲れ様」
淡「スミレ遅すぎ!」
菫「……っ、うる……さいっ」
和「はぁ、はぁ……」
透華「や、やっとゴールですわ……っ」
久「あら、和と龍門渕さんもおかえり」
和「……っ、は、はい」
佳織「原村さん……よかった」
和「……せ、妹尾さん……先ほどはありがとうございました……っ」
佳織「……私は何も」ニコッ
久「東横さんだけがまだみたいね」
佳織(も、桃子さん……)
純「俺が探してくるよ」
??「いや、私が行こう」
久「あら、あなたは……ゆみ」
加治木「モモを見つけるのは容易いことではないからな。幸い、ここに鼻の利くヤツもいる」
蒲原「ワハハー、任せろー」
久「じゃあ、お願いするわね」
加治木「ああ、すぐに連れ戻してくる」
桃子「……っ、はぁ、はぁ……もうお腹が痛くて走れないっす」
桃子「後ろを走ってたあのアンテナさんももう見えなくなっちゃいましたし……」
桃子「……はぁ、なんでこんなとこにいるんすかね、私」
桃子「そもそも存在感の薄い私がアイドルなんて……っ!」
??「モモ、そんなこと言うなんてお前らしくないぞ」
桃子「っ! か、加治木先輩……」
蒲原「ワハハ、私もいるぞー」
加治木「なにそんなところで座ってるんだ。みんなのところへ行かなくていいのか?」
桃子「……いいんすよ、私。もう走れないですし」
加治木「……」
桃子「それに私は先輩とアイドルやりたかったんす。だからもう私が頑張る意味なんてないんすよ」
加治木「……モモ、あのな」
桃子「?」
加治木「私は、本当はアイドルなんてやりたくなかったんだ」
桃子「……それくらい気づいてたっす」
加治木「気づいていながら一緒にやりたいとか言ってたのか……まったく」
桃子「私としては先輩だけがアイドルでも十分よかったっすけどね……怒ってるっすか?」
加治木「怒ってないよ……結果として私はアイドルにならなかったわけだしな」
桃子「……ずるいっすよ、先輩」
加治木「ごめんな……だが、私は嬉しいよ」
加治木「私が落選したことよりも、モモがアイドルになってくれたってことが」
桃子「……え?」
加治木「だって、お前は傍目から見てもかわいいし、アイドルのコスチュームなんかも十分に似合いそうだしな」
桃子「なっ……せ、先輩なに言ってんすか!?///」
加治木「私だけじゃない。他の人間だって今にきっとそう思うはずだ」
加治木「私はそんなお前を心から応援したいと思ってるよ。ここにいる蒲原や、睦月だってそうだ」
桃子「そ、そんな……私には……」
加治木「……さっきお前は頑張る意味がなくなったといったな?」
桃子「……」コクッ
加治木「なら、私たちのために頑張ってはくれないか?」
桃子「……っ!」
加治木「私たちは全力でお前をサポートするよ。だからモモには最後までやり遂げてほしい、自分が誇れるようなアイドルを」
桃子「……っ、せ、先輩……っ!」ダキッ
蒲原(ワハハ……お邪魔虫だなー)
メシ食ってきます
桃子「……」トコトコ
久「あら、遅かったわね。東横さん」
桃子「……ご、ごめんなさいっす」ボソッ
加治木「どうか許してやってくれ。その代り、明日の練習メニューは倍にするそうだ」
桃子「なっ……せ、先輩!」
久「ふふ、元気そうで何よりだわ。とにかく、大丈夫なのね?」
桃子「……はい、大丈夫っす!」
久「それじゃ全員そろったようだし……」
久「今日はメンバー全員で親睦会を開くわよぉ!」
純「なっ、マジかよ!」
優希「部長のおごりか!? 部長のおごりか!?」
久「さすがにそこまでの経済的余裕はないけど……」
久「こちらにいらっしゃる協会代表代理の藤田プロがおごってくれるそうよ!」
藤田「……一人一杯だけだからな、飯は自分で払え」
池田「なんだしそれ!」
淡「ケチィ!」
純「それに俺たちは未成年だぞぉ!」
藤田「うるさいなぁ! だったら連れて行かんぞ!」
久「まぁまぁみんな。アイドルとして成功すればきっともっとちゃんとしたもの奢ってくれるわよ」
優希「むぅ……仕方ないじぇ。甘んじてやるじょ」
純「今度はでっかいステーキ奢ってもらうからな」
藤田(な、何様のつもりだこいつら……)
とある定食屋
純「なんだよー、こんな庶民的なところかよー」
透華「まぁいいではありませんの。たまにはこういう質素な料理も味わい深いですわ」
藤田(ここけっこう高いんだぞ……)
優希「私はこれにするじょ! スペシャルタコス丼!」
京太郎「ここでもタコスかよ」
優希「な、なんで貴様がいるじょ! 犬!」
京太郎「俺と咲はマネージャーだよ」
咲「そうなの、ごめんね。一応アイドルの子たちとも仲良くなっておきたいと思って」
優希「咲ちゃんは許すが、犬はいらないじょ」
京太郎「なっ、てめー!」
久「はいはい、さっさと注文決める!」
純「お前の髪の毛すごいな」
淡「え、なにがー?」
純「いやフワフワ浮いてるみたいだから」
淡「ふふん、羨ましいでしょー? よかったら触らせてあげてもいいよ~?」
純「いや全然。つーか邪魔なんだよ」
淡「なっ、練習のときも思ったけど失礼なヤツ!」ムキー
佳織「あ、あのぉ……喧嘩は……」
池田「おいそこの、バカは放っておけばいいし」
純・淡「お前に言われたくない!」
池田「なっ、華菜ちゃんバカにすんなだしー!」
桃子「……なんかうるさい人ばっかっすね」モグモグ
佳織「あはは……」
「ご注文は?」
和「えっと、この海鮮丼セットをお願いします」
透華(……ふむ、海鮮丼)
「そちらのお客様は?」
透華「原村和よりもデリィシャス! なものをお願いいたしますわ」
「で、でり……?」
和「……はぁ、私と同じものでけっこうです」
「あ、かしこまりました」
透華「な、原村和! 何を好き勝手に注文してるんですの!」
和「……ならちゃんと注文してください」
透華「ちゃんと注文したではありませんの! ねぇ、そこのあなた!」
塞「……これはどう返答したらいいの?」ボソッ
菫「……無視でいいと思うぞ」ボソッ
透華「そこ、何をボソボソ言い合ってますのー!!」
久「ふふ、みんなそれぞれ打ち解けあってるようね」
まこ「わしにはとてもそうは思えないんじゃが……」
藤田「……んぐ……どうなんだ、こいつらの将来性は?」
久「……まだわからないわ、けど」
久「みんなそれぞれ、何か光るものを感じる……囁くのよ、私のシックスセンス的な何かが」
まこ「……」
藤田「……お前、酔ってるか?」
久「なっ、別に酔ってないわよ! ち、ちょっとカッコつけてみたかっただけですー!」
塞「……あの、竹井さん」
久「えっ……な、なに?」
塞「こんな場でどうかと思うんだけど、私たちグループ名とかないの?」
久「あぁ、そのこと。それならピッタリなものを用意してるわ」
菫「ふむ、ぜひ聞かせてもらいたいな」
久「ええ、それじゃみんなにも聞いてもらおうかしら……リーダー、頼める?」
塞「うん……みんなー、いったん話すのやめてこっち注目してー!」パンパンッ
ザワザワ...
久「ありがとう、すぐ終わるからちょっと我慢して聞いてちょうだい」
久「今から我がアイドルグループのグループ名を発表します」
純「そういや決まってなかったな」
優希「チームタコスでいいんじゃないか?」
淡「いやそこはダイナミックスターダストでしょ」
菫「……バカなのかお前らは」
久「ごほん!」
久「我らがチーム名……それは>>122よ!!」
リーチ一発屋
久「我らがチーム名……それは『リーチ一発屋』よ!!」
シーン...
久「え……あれ?」
まこ「……どんなセンスじゃぁ」
純「ないな」
淡「ないない」
優希「ないじぇ」
久「う、うるさーい!」
和「い、一応意味をうかがっても……?」
久「い、意味……ねぇ」
久「……あ、そうよ! 『リーチ一発! あなたの心をドッキューン射止める!』ってね!」
菫「もはやわけがわからんな……」
塞「ていうか最後の屋ってなに……」
久「と、とにかく! もうこれで決まり! 文句は受け付けないわよ!」
桃子「せめて最後の屋だけでも外してくださいっす」
透華「そうですわ! あまりにもお粗末でしてよ!」
久「ぐっ……仕方ないわね、じゃあ『リーチ一発's』でどう?」
塞「読み方はそのまんま『りーちいっぱつ』か……いいんじゃない?」
優希「まぁそれなら納得だじょ」
佳織「ま、麻雀部の私たちにすごく合ってるかも……」
菫「あいかわらず意味は分からないけどな」
久「よし、それじゃ『リーチ一発's』で決定よ!」
純「ふぅ……食った食った」
藤田「ぐっ……2000円も持って行かれた……」
久「それじゃ家の近い人はこのまま解散。駅はすぐ近くにあるから」
久「遠くから来てもらってる方は、協会の方で下宿所を用意してるから、今後はずっとそこで寝泊まりよ」
久「ちなみに私もそこに行きます」
咲「あの、それなんですけど……」
久「ん、なに?」
咲「私たちマネージャーも含め、そこで一緒に生活した方がいいんじゃないでしょうか?」
透華「……たしかにそうですわね、その方が団結力も高まりそうですし」
藤田「でも、あたしらが用意した場所はこんな大人数おさまり切らないよ?」
久「うーん……困ったわね」
純「なら、うちでいいんじゃないか? スペースなら余るほどあるし」
透華「たしかに、それは名案ですわね!」
塞「……ほんとにいいの?」
透華「ええ、もちろんですわよ! 衣もお客様が増えて嬉しがるでしょうし」
久「それじゃお言葉に甘えさせていただこうかしら?」
透華「ええ……ハギヨシ!」パチンッ
...ブゥウウウン! キキーッ!
ハギヨシ「……お嬢様、お待たせいたしました」
淡「リムジンだー! かっこいー!」
池田「ど、どっから現れたんだし……」
純「俺も未だによくわからねえ……」
透華「ハギヨシ、皆様方をお屋敷まで運んでちょうだい」
ハギヨシ「かしこまりました。それでは皆様、お乗りください」
久「り、龍門渕さんにはいっつも驚かされるわね……」
まこ「ま、まったくじゃの……」
龍門渕家
衣「わぁー! お客さんがいっぱいだー!」
咲「衣ちゃん、これからよろしくね」
衣「うん! ののかもゆっくりしていけ!」
和「あ、ありがとうございます……」
塞「すご……長野にこんな豪邸があるんだ……」
菫「いや、東京にだってあるかどうかわからんぞ……」
純「まぁゆっくりしていけよ」ドサッ
桃子「……ここ、あんたの家じゃないっすよね?」
純「まぁな~♪」
桃子「……」
久「厚かましいんだけど、お風呂借りていいかしら?」
透華「ええ、大浴場がありますわ。一、案内してあげてくださいまし」
一「うん……それじゃ、お風呂入りたい人は荷物おいたら僕についてきて」
久「さすがに浴場もすごいわね……」
衣「ジャグジーもあるぞー」
淡「ジャグジー!? やるやるー!」
佳織「わぁ、泡風呂なんて初めて見ました……」
塞「なんか入るのすら躊躇するわ……」
一「まぁ遠慮せずに浸かりなよ。今日はみんなお疲れでしょ?」
久「ええ、そうね。それじゃ失礼……」
まこ「ふぃ~……極楽極楽じゃぁ……」ザブーン
和「お湯加減もちょうどいいですね……ふぅ」
純「ところでプロデューサーさんよ。明日はどんなメニュー用意してるんだ?」
久「ふふ、それは内緒よ」
優希「えー! なんでだじぇ!」
久「だって、聞いただけであなたたち体調悪くしそうだし」
一(ど、どんな恐ろしいメニューを用意しているんだろう……)
透華「ほとんどみなさん行ってしまいましたわね」
菫「君は行かなくていいのか?」
透華「私はメイドたちに色々と指示を与えないといけませんし。今後も我が家を下宿所として使うんですから」
菫「そうか……なんだか申し訳ないな」
透華「な、何を謝ってますの!? すべて私が好きでやっていることですわ!」
菫「ふふ……そうか。それじゃ、“ありがとう”だな」
透華「なっ……お、お礼を言われる筋合いなんてありませんのよ!///」
池田「……照れてるし」
透華「て、照れてませんのよ! ていうかあなた、入浴に行ったんじゃありませんでしたの!?」
池田「もう上がってきたし」テカテカ
透華「なっ……それならこんなところでうかうかしていられませんわ! 早く寝室の準備に取り掛からないと!」
ダダッ
菫「まったく、せわしないヤツだな……」
池田「まったくだし」
透華「一人一室をご用意できましたわ……といいたいところですが」
久「みんなには二人で一部屋使ってもらうわ。より親睦を深めてもらうためにね」
久「今から読み上げる順番に手前の部屋から順番に詰めていって」
久「まずは優希と妹尾さん」
優希「お、よろしくだじぇ」
佳織「あ、あの……こちらこそ」
久「それから弘世さんと龍門渕さん」
透華「よ、よろしくですわ」
菫「ああ、よろしく」
久「井上くんと東横さん」
純「だからくん付けすんなってーの!」
桃子「……よ、よろしくっす」
純「あぁ、よろしくな」
桃子「……どこ見てんすか。こっちっすよ」
純「えっ……」
久「次は大星さんと池田さん」
池田「よ、よりによってお前かだし……」
淡「なによその不満げな顔はー!」
久「はいはい、仲良くね……そんで最後に臼沢さんと和」
塞「よ、よろしく……」
和「……こちらこそ」
久「ちなみに残りは私とまこ、咲と天江さんね」
京太郎「あの、俺は……?」
久「あぁ、須賀君はそうねぇ……」
ハギヨシ「よろしければお付き合いしますよ」ニコッ
京太郎「あ、ええ……ども」
久「よし、決まりね」
久「みんな、明日は6時起床よ! 各自体調を万全にして練習に臨むこと! いいわね?」
「「「「「「「「はーい!」」」」」」」」」
翌日
池田「むにゃむにゃ……」
淡「ぐびー……」
ガンガンガンガン!
池田「にゃっ!?」
淡「な、なに~……」
久「朝よー! 起きなさーい!」
池田「ま、まったく寝た気がしないし……」
淡「池田~……あと5分したら起こして……」バタッ
池田「おい、自分だけ寝るなし」
ドンドンッ!
久「二人とも、15分後には朝食前のランニングよ!」
淡「ええ~……」
池田「あいつ、コーチより鬼だし……!」
和「はぁ、はぁ……」
塞「うぅ……な、なんで運動部でもないのにこんなこと……」
久「ほら、つべこべ言わずに走る! 臼沢さん、あなたリーダーでしょう?」
塞「す、すみません……」
優希「……っ、……っ」ガクッ
ガンガンガンッ!
優希「っ!?」ビクッ
久「優希! 寝ながら走らない!」
優希「そ、そんな……あんまりだじぇ」
佳織「ゆ、優希ちゃん器用なことするね……」
純「へっ、まだまだ甘いなぁタコス女! 俺レベルになると目開けたままでも寝て走れるんだぜ?」
純「……ぐごご」タッタッ
優希「の、ノッポのやつ……! 白目向いて寝ながらランニングしてるじぇ!」
佳織「ひ、ひぃいいいいっ!」
久「こーら、下らないことで競い合ってないでちゃんとやる!」
透華「うぅ……し、食事が喉を通りませんわ……」
菫「だがしかし、少しでも食べておかないと後半バテるぞ?」
久「弘世さんのいう通りよ。龍門渕さん、途中で戻してもいいからいったんは口に入れておきなさい」
池田「お、鬼……いや悪魔だし」
淡「~~♪ すっごいおいしい!」
菫「……お前は相変わらず元気だな」
淡「あ、スミレそれ食べないの? じゃ、もーらい!」
菫「あ、こら!」
桃子「……っ」
桃子(き、きついっす……けど、先輩のためなら……)モグモグ
佳織「……」チラッ
佳織(桃子さん、がんばってる……わ、私もがんばらなきゃ!)モグモグッ
佳織「っ……!!」
...オロオロ
佳織「うぅ……」
優希「大丈夫か?」サスサス
桃子「かおりん先輩、無茶するから……」
佳織「……っ、ご、めんね……」
優希「気にするな。気分が楽になるまで安静にしてろって部長も言ってたじょ」
佳織「……ぅん、ごめん」
咲「優希ちゃん、東横さん。あとは私に任せて?」
優希「おう、咲ちゃん。後は頼んだじぇ!」
咲「うん」
桃子「……かおりん先輩、先に言ってるっすよ?」
佳織「うん……桃子さん、がんばって……すぐ行くから」
桃子「……はいっす!」
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