美琴「白いのが出て行った」インデックス「短髪のバカバカバカ……」 (100)

1作目
美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」
美琴「なんか白いのに慰められた」インデックス「白いの言うな!」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1376320209/l50)

2作目
美琴「白いのと沖縄行った」インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」
美琴「白いのと沖縄行った」インデックス「短髪、パンツ見えてるよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389529569/l50)

3作目
美琴「白いのがメイドになった」インデックス「お茶入れてみたんだよ」
美琴「白いのがメイドになった」インデックス「お茶入れてみたんだよ」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389607853/l50)

4作目
美琴「白いのが、お、おっぱいを吸ってくる」インデックス「記憶にないんだよ?」
美琴「白いのが、お、おっぱいを吸ってくる」インデックス「記憶にないんだよ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1389882069/)



5作目
美琴「白いのが出て行った」インデックス「短髪のバカ!」

今回はシリアス、百合。書き溜めないので、亀。意味わからんところは脳内補完してください。




インデックス、美琴の部屋を掃除中。

インデックス「ふんふん……」

インデックス「どこもかしこも綺麗すぎるんだよ……ぶっちゃけ私が掃除しなくてもいいような……決してめんどくさくなったとかじゃなく……」

インデックス「……ベッドの下もっと……ん?」

ベッドの下には可愛らしい人形がいくつか置いてあった。

インデックス「クマに、ウサギに、カエルに……ふッ……こんな所に隠してあるなんてお子ちゃま過ぎるかも」

ゴソゴソ

インデックス「んしょ……んしょ」

インデックス「どれもこれも埃がすごいんだよ……あ……これは綺麗」

インデックスが手にとったのは包帯に巻かれたクマの人形だった。

インデックス「こんな悪趣味なのも持ってるんだね……あれ、何か挟まってる?」

ガサガサ――ペラ

インデックス「絶対能力進化(レベル6シフト)計画?」

ペラペラ――ペラペラ

インデックス「……何なのかなこれ……クローン……?」

ペラペラ――

インデックス「帰ったら美琴に聞いてみよ」

パサッ






SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391046472

5作目
美琴「白いのが出て行った」インデックス「短髪のバカ!」

訂正「短髪のバカバカバカ……」です

とある教室――

光子「あ、あのお白井さん?」

黒子「何ですの呼び止めて?」

光子「この間のシスターさんとはどういうご関係なんですか?」

黒子「……そんなことを聞いてどうするんですの?」

光子「い、いえ別にお友達になって仲良くなれればなんて別に思ってなどいないのですけれど、ちょっと気になりましてッ……」

黒子「そこまで言っておきながら、意地を張る必要はないのでは……」

光子「意地なんて張って……」

黒子「あなたも面倒くさい方ですわね。あの方とは……そうですね、友達ですの。遊ぶ機会がありましたら、またお誘いしますわ」

光子「あ、あらそうですか、それなら出向かせて頂きます」

黒子「あなたもミーハーですわね……」

光子「どういう意味かしら?」

黒子「なんでもないですの」




とある高校――


上条「やばい……不幸だ」

青ピ「どないしたん?」

上条「財布落とした」

青ピ「そないなことかい、大丈夫大丈夫! パン食べるか?」

上条「何でだよ! 生活費その他個人情報などなどが入ってんだぞ?!」

青ピ「だって、かみやん今さら晒すもんもないやろ? それに、お金言うても今日1日しのげるかしのげないかくらいのはした金ちゃうん?」

上条「お前は、俺を何だと思ってるんですか……」

青ピ「なーんて、冗談冗談! ボクも一緒に探すから」

上条「……いや、大丈夫。ちょっと当てがあるから」

青ピ「当て?」

上条「ああ、そいつら守備範囲が広いから……もしかしたら」

青ピ「ら? 女の子か?」

上条「は? そうだけど、とにかく、この昼休みの間になんとかしなければ……」

ガタ――タタタタタ

青ピ「頑張ってなー」

上条「おう!」

ガララ――

青ピ「……女の子と聞いて動かんボクやあらへんで!」

ガタッ

青ピ「いざ、目の保養へ!」

コソコソコソ――

ガララ――




数分後、

ガラ――

土御門「お待た……あいつらどこに行ったにゃー?」

ポツン――

上条「えーっと、確かアドレスが」

ピピピ――

上条「あったあった」

ピピピ――


件名:ミサカ10032号へ
本文:悪いんだけど、もし暇なやついたら俺の財布探すの手伝って欲しいって伝えてくれないか。頼む。見つけた奴は、何でも言うこと聞きませう。


上条「っと、こんなもんでいいか。頼む、この恵まれない上条さんに救いの手を差し伸べてくれ……」

ブーブー

上条「お、返信はや」


件名:了解です
本文:目下、全力で捜索に当たらせて頂きます。約束、くれぐれも忘れないように。


上条「おお!! 心強い! 涙が出てきますことよ……!」




上条「とにかく上条さんは、思い当たる所を全力で探すしかない……」

上条「昨日は、確か自宅、学校、スーパー、そして、青ピに無理やり連れられて行ったいかがわしい店……くらいか」

上条「まず、家が一番怪しいよな……」

上条「あのガールズバー……で落としてたら……夜まで待たないと……」

上条「あそこに一人で行くのは……さすがに」

上条「小萌先生が見たら、あの人、卒倒するよな……」

上条「ええい、立ち止まってる場合じゃねえ! 進め、俺!」

ダダダダ――!


とある公園――


ミサカ10032号「……」

クルッポー、クルッポ―

ミサカ10032号「……」ニヤ

ミサカ10088号「そうやって、無言でにやつくとキモイことこの上無いですね、とミサカはやや引き気味に伝えます」

ミサカ10032号「笑っていましたか? とミサカは自分の頬を触って確認してみます」

ミサカ10088号「まあいいです。それより、上条条例1、略して上条1がこんな所で役に立つなんて」

ミサカ10032号「上条1、上条当麻の身の安全を確保するためミサカネットワークを駆使して24時間体制で監視下に置く……我ながら恐ろしい条例です」

ミサカ10088号「めんどくさいことこの上ない、とミサカは吐露します」

ミサカ10032号「しかし、彼に恩を返すチャンスです。一人ひとりが彼に接触する機会など滅多にないのですから、とミサカは早く行動に映りたくてうずうずしています」

ミサカ10088号「上条2、抜け駆け禁止」

ミサカ10032号「わかってますが、何か」

ミサカ10088号「私はどうでもいいのですが、他のミサカにどやされますよとミサカは親切に助言します」

ミサカ10032号「あと、2分待ちます。それが来たらミッションスタートです」

ミサカ10088号「一人の人をみんなで奪い合う気持ちがミサカにはまったく理解できません」

ミサカ10032号「それもまた、欠陥かもしれませんね……ですが、それも彼からもらった個性かもしれませんとミサカは伝えます」

ミサカ10088号「……」



2分後――

ミサカ10032号「さて……」

ミサカ10088号「みなが彼を追うのは、もともとあった感情がそうさせるのでしょうか」

ミサカ10032号「まだその話をしていたのですか、とミサカは呆れます」

ミサカ10088号「やる気が出ないので、とミサカは素直に申告します」

ミサカ10032号「では、あなたが財布を見つけて、その時彼に何をさせたいのか考えてみてはどうですか、とミサカはそんなことさせませんが、と内情をもらします」

ミサカ10088号「なるほど、あなた達のように上条当麻とイチャイチャエロエロしたいという感情が芽生えるか芽生えないか試してみます」

ミサカ10032号「どうぞご勝手に、では先手必勝です」

タタタタ――

クルッポ―――バサバサバサ!!

ミサカ10088号(ずっと引っかかっていました。ミサカには上条当麻に対する想いが少ない。命の恩人の彼に対する恩義はあるのですが……。彼が誰とどうなろうがどうでも良い……こういうのを冷血と言うのでしょうか)




いったん抜けます

おおこのシリーズ好きだ
頑張れ

>>10
ありがとう。モチベあがる

ミサカ10088号(ミサカも他のミサカと同じだと思っていましたが、上条当麻の言う通り一つの違う生物なのですね……)

ミサカ10088号(だから、彼を好きにならないという異種も存在する……)

ミサカ10088号(ミサカは自由が好きです。奔放でありたい。彼に縛られたまま生きるのは嫌だと言っているのかもしれません……我がままな性格が備わっているようです)

ミサカ10088号(そこはお姉様に似て非なる……そう言えば、最近、お姉様はあまり上条上条と言わなくなりましたね……彼に接触する機会も減っているような)

ミサカ10088号(シスターと寝食をともにするようになってから、お姉様は変わりつつあるような気がします……)

ミサカ10088号(どうか、お姉様を縛るものから解放してあげて欲しいと……ミサカは思います)


クルッポー、クルッポ―


ミサカ10088号(……)

ミサカ10088号(……そろそろ行きますか)

ミサカ10088号(24時間体制で監視しているのに、財布を落として見過ごすわけがないと思うのですが……筋金入りの不幸体質ですね……)

ミサカ10088号(いや……でも、やはり……誰かが気付くはずでは)

ミサカ10088号(……さて、どういうことでしょう)

ジャリ――

打ち止め「そこに気が付くとは、さすがだねってミサカはミサカはニヒルに笑ってみる!」

ミサカ10088号「やっと来たかと思えば……打ち止め、泥棒は犯罪です。早く自主しろ、とミサカは他人のフリをします」プイ

打ち止め「や、違うの! 聞いてほしいの! するつもりはなかったのってミサカはミサカはお決まりの台詞を言ってみる!」

一方通行「ンン? 言い訳は見苦しいぜえェ?」

ミサカ10088号「一方通行がなぜここに」

一方通行「保護者代表でース」

打ち止め「あ、あのね、昨日の夜の監視当番ってミサカだったの……」

ミサカ10088号「ああ、そう言えば月初にやったくじ引きでそうなってましたね」

打ち止め「で、でね……昨日の夜……彼がいかがわしいお店に入っていって……」

ミサカ10088号「そんな記録、共有されていませんが」

打ち止め「みんなには精神衛生というか、教育上よろしくないと思って……」

ミサカ10088号「シャットダウンしたんですか?」

打ち止め「うん」コク

ミサカ10088号「また、危険なことを……」

打ち止め「あー、それがね……昨日お家を抜け出そうとお風呂場の窓から出ようとしたら……急に一方通行が入って来て……どこ行くのか根掘り葉掘り聞かれて……ずっと一緒にいてくれたのってミサカはミサカはその時のあなたの形相を思い出して背筋がヒヤッとしちゃう」

一方通行「けッ」

ミサカ10088号「どこから突っ込めばいいのか……あー、結局財布は?」

打ち止め「それがね、ミサカもこの人もいかがわしいお店の中でもみくちゃになって……」

ミサカ10088号「よく入店できましたね……」

打ち止め「えへ。一方通行が黒いカードを見せたらみんな目の色変えてたよってミサカはミサカはちょっと優越感に浸れて新鮮だったかも……と、それでね、財布を落としたのを見たんだけど……次の瞬間にはもう無くなってしまってて……今にいたります」ペコ

ミサカ10088号「結局、持ってないんですね。使えない幼女ですね、とミサカは一蹴します」

打ち止め「うう、ごめんなさい……ミサカはミサカは自分の未熟さに嘆いてみる」ガク

ミサカ10088号「一方通行は何か見てないんですか?」

一方通行「ヒーローの財布の行方とかどうでもいいンですがァ」

打ち止め「そんなこと言わずに……」

一方通行「……はァ、仮に俺が見つけたら何かしてくれるんですかァ?」

ミサカ10088号「体で払えとは……善処しましょう」

打ち止め「あなたなら別に……ミサカは」

一方通行「……クソガキどもォよォ」ピキ

打ち止め「肩もみとかなら……って言うつもりだったんだけど」キュルン

ミサカ10088号「ミサカも……」キュルン

一方通行「……」ヒク

打ち止め「これ以上は、超がつく短気だからダメかもってミサカはミサカは耳打ちする」コソコソ

ミサカ10088号「のようですね、とミサカも手を引くことを提案します」コソコソ

一方通行「チッ……いいかァガキども……ああいう所で盗まれたもンっつーのは返ってくる見込みはゼロだ」

打ち止め「そ、そんな」

一方通行「ただ、まァ盗んだもんは早めに使っちまわないと足が出る。使えば、すぐに捨てるだろ。ケチな盗みをやるやつはろくに後先考えちゃあいないだろうから、まずは、あの店の周辺を洗えばいいんじゃねェんですかァ」

打ち止め「でも、もっと遠くに行って捨てるかもしれないよってミサカは途方もない捜索劇が始まりそうな予感がして、目まいがしそう」

一方通行「まずはって言っただろォが……学生証やクレジットカードなら例え折られたりしていても、お掃除ロボットが拾えば、必ず戻ってくる。だが、なんの連絡もないっつーことは、犯人が持っているかお掃除ロボットが入れない所に捨ててあるか、だ。仮に犯人が持っていれば、お前らのお姉様に頼めばなんとかなるだろ。金だけとって、あとはまとめて捨てるパターンが高いからな。学生証かクレジットの磁気パターンをお前らのお姉様に調べてもらって、探してもらえばいいんじゃねえの。それから、お掃除ロボットが入れない場所で可能性があるとしたらスキルアウトのたまり場くらいじゃないのか。とにかく、あの店の客ならこの学区に住んでるはずだろォが。昨日今日で遠くに行くとは思えんがねェ。そんな感じで探してみたらどうですかァ?」

打ち止め「……」ウトウト

ミサカ10088号「お子ちゃまが、話が長くて眠そうですよ」

一方通行「クソガキィ?!」


打ち止めの夢の中――

打ち止め「アイスがない」

一方通行「ほらよ」

打ち止め「ケーキが」

一方通行「ほらよ」

打ち止め「お家」

一方通行「ほらよ」

打ち止め「旦那さん」

一方通行「そんなの探さなくなっていいだろォが」

打ち止め「……うん!」二へ

現実――

打ち止め「うん…幸せはいつもここにあったよって」二へ

一方通行「……」

パアンパアンパアン!(打ち止めのお尻を叩く音)

打ち止め「あ、いたいいたたた! やめ、なに何のプレイってミサカはミサカはちょっと感じちゃった自分が悔しい!」

10088号「一方通行、あなたは一体打ち止めにどんな教育的指導を施しているんですか……」

一方通行「お前らいちいち言い方が紛らわしいんだよォ……さすがのオレも反射仕切れねェわ」

打ち止め「ごめんごめん! よし、とにかくお店周辺を探せばいんだよね! 他のミサカもお願いね!」

10088号「では、ミサカはお姉様にこの件を話して協力してもらいます、とミサカは迅速に行動に移ります」

シュタタタ――

打ち止め「あ、よろしくー」

一方通行「なンだかンだで、お前ら毎日楽しそうだなァ……」

打ち止め「うん!」

その頃――

とある高校の寮

上条「ふんふんふん、ないないないないづくしー♪」

上条「まずいよやばいよ不幸だよ! ふんふんふん♪」

バサバサ!
ガサガサ!

上条「冷蔵庫の中には、カビた南瓜しかねえし! でも、切って中だけ食うけどな♪」

ガサガサ!

上条「昨日安売りで買ったTシャツは猫に破かれるし! けど、安いからいいけどさ♪」

ガタガタガタ!

上条「俺って、作詞作曲のセンスが実はあるんじゃ……バンド始めようかな……」

上条「って、アホな歌作ってる間に昼休みが終わっちまう! くそお、放課後に持ち越しだああああ!」

タタタタ――ガチャ、バタン!

コソ――

――ヒョコ

青ピ「ボクは影が薄いとは思っていたのですが、まさか、こっそりかみやんの家に潜入して、こっそりし過ぎて気づかれず
鍵を閉められるとは思ってもみませんでした」

ガタ!

ダダダ!

バンバンバン!

青ピ「い、いやや! ここから出して! お願いやああ! 堪忍やああああ!」

青ピ「女の子にも会えんかったし、不幸やあああ!」

バンバンバン!

青ピ「かみやああああん!」



ちょこっと抜けます

所変わって、常盤台女子――中庭にて

インデックス「これはどれが食べられるのかな?」

用務員「どれも食べれないねー」

インデックス「葉っぱも球根も、根も茎も?」

用務員「どこも食べれないねー」

インデックス「観賞用?」

用務員「そうだねー」

インデックス「とうまだったら絶対全部食べちゃうんだよ」

用務員「それは、困った人だねー」





光子「あら……あの方はシスターさんではございませんか」

光子「用務員の方と、お花のお世話をされているのですね……可憐な方ですわ」

光子「この間のケーキを食べている姿も可愛らしかった……はッ……何か愛玩動物を見るような気持ちになってしまうのはなぜなのでしょう」

ツンツン――

光子「はい?」

インデックス「みつこ、どうしたのかな?」

光子(ああ、この少し平仮名っぽい感じがどことなく……そう、エカテリーナちゃんのような愛らしさ)

インデックス「みつこー?」

光子「あ、すいません。私としたことがトリップしておりました……」


インデックス「みつこ授業は?」

光子「ああ、今日は昼まででしたので……御坂さんももうすぐ戻られるんじゃないかしら。それより、そのメイド服は……」

インデックス「あー、くろこが着てくださいってしつこくって……。みこと戻ってくるんだ、じゃあ、戻らなくっちゃなんだよ」

光子(グっジョブ……)

光子「あ、あの……シスターさん」

インデックス「インデックス」

光子「え」

インデックス「友達なんだから、そう呼んで欲しいんだよ」ニコ

光子「あ…そう、そうですわね! インデックスさん!」ニコ

インデックス「なあに?」ニコ

光子「うッ……」

なでなでなで――

インデックス「おうおうおうッ?!」

光子「あ、あのぉ撫でてもよろしいでしょうか」

インデックス「も、もう撫でてるんだけど……」

光子「あ、あら?」アセ

インデックス「……?」

光子「な、なんでもございませんことよ……! おほ、ほほほほ! それでは私はこれで」

ササ――

インデックス「熱でもあったのかな……」

てこてこてこ――

インデックス(……この学校はやっぱり変態ばかりなんだよ)フッ


常盤台女子寮――美琴達の部屋

ガチャ――

美琴「……あー、疲れた」

インデックス「お帰り!」

美琴「おー……」

フラフラ――バタム(ベッドに突っ伏した)

美琴「……うーん、何か風邪っぽくてさ」

インデックス「バカは風邪ひかないって言うのに」

美琴「言わせてもらうけど、私がバカなら……いったいどれだけの奴がバカじゃないのかと」

インデックス「むー……それだけ言い返せるなら、大丈夫かも。あ、そうそう」

美琴「あによ……」

インデックス「ベッドの下掃除してたらさ……これが」

パサッ

美琴「!?」

ガサガサッ

インデックス「短髪?」

美琴「み、見たの?」

インデックス「え、あ、うん……ごめん、見たらいけないものだったのかな?」

美琴「あ……いやー、別に大したものじゃないんだけどねー! あはは」

インデックス「そうなんだ。それに短髪のクローンを量産して……20000通りの戦闘環境で量産能力者(レディオノイズ)を20000回殺害するって書いてあったんだけど……途中までしか読んでないんだけど、レ、レポートか何かなのかな? とうまもよく、こういうの書いてたけど。けっこう過激な内容もあるんだね……」

美琴「これは……」

インデックス「そういう実験を……してるわけじゃないよね……?」

美琴「……」

インデックス「短髪?」

美琴「あんたには関係ないことよ……」

インデックス「……関係ないって」

美琴「その実験のことも知らなくていいし、忘れろって言ってんの」

インデックス「……私、何を言われても短髪を嫌いになったりしないよ?」

美琴「……ッ」

インデックス「ねえってば……」

美琴「今さら昔のこと掘り返すつもりはないつってんのよ!」ビリッ

インデックス「……」ビクッ

美琴(あ……私、しんどいからって何八つ当たりを……)

美琴「白いの……あのごめ」

インデックス「バカ……」ボソ

美琴「へ」

インデックス「短髪のバカバカバカバイタッ……舌噛んだ」

美琴「ちょ、大丈夫」

インデックス「カバカバカバ! 確かに勝手に読んで、過去のトラウマ的な何かに触れちゃった私が悪いけど! 話してくれたっていいかも!! 私、そんなに信用されてないのかな?!」

美琴「だ、誰にだって話したくないことはあるでしょ?!」

インデックス「……蚊帳の外はもうたくさんなんだよ。私だって、少しでも力になりたいのに……」グスッ

美琴「は、はあ? あんた、何を」

インデックス「ううッ……うわああああん!」

テテテテテ――ガチャ、バン!

美琴「ち、ちょっと待ちなさいよ?!」



うわぁああん!



美琴「あんたは……何のトラウマに触れたってのよ……」



美琴「頭いた……はあ、ガキ臭いことしちゃったわ」

美琴(でも、まさかあれを見られるなんて……何て言えばいいの)

美琴(私、言い訳しようとしてた……はっきり言えなかった)

美琴(全然、吹っ切れてない……ははッ、当たり前じゃん。あいつとシスターズがいて、この学園都市がある限り、この計画は死ぬまで私を責め続ける……でも)

美琴「……何だかな」

美琴「急に話してとか言われても困るんですけど……」ズキズキ

美琴(黒子にだって話してないのよ……なのに、どうして、私……ちゃんと言えなかったことがこんなに悔しいんだろう……)

美琴(白いのに……言ったってしょうがない事なのに)

美琴「……はあ」

コンコン――

美琴「インデックス?!」

10088号「お姉様」

美琴「なんだ、あんたか……よく入って来れたわね」

10088号「反応が薄いのでつまらないなあ、とミサカは拗ねます」

美琴「もう、なによ」

10088号「今、メイドさんが叫びながら外に出て行かれましたが」

美琴「あー、うん。お腹空いたらそのうち帰ってくるんじゃない」

10088号「そうでしょうか……」

美琴「……うッ」ズキ

10088号「そうでしょうか」

美琴「二回も言わなくていいから。で、要件は?」

10088号「上条当麻の財布が盗まれたみたいなので、お姉様なら彼の学生証の磁気パターンをご存知かと」

美琴「……知らないけど、調べれないことはないわ」

10088号「おお、そうですか。では、いざ行かん」

美琴「……ちょ、ちょっと」

10088号「インデックスさんが心配でしょうから、彼女を追いかける傍ら調べてください」

美琴「……その見透かした感じ腹立つわね」

10088号「え、やっぱり心配だったんですか? 喧嘩? 痴話喧嘩? とミサカは煽ります」

美琴「煽るなバカ! 頭が余計に痛くなるわ……」

10088号「風邪ですか? それは、安静にしていなくてはいけませんね。じゃあ、お姉様に頼らずに、このミサカ一人で財布もインデックスさんも探し出すとしますか、ああ骨が折れるなあとミサカはお姉様の方をちらりと見ます」

美琴「それが病人に対する態度か!」

10088号「おお、こわいこわい」

美琴「ちょっと、着替えるからそこで待ってなさいよ!」

バタバタバタ!

10088号(ちょろいお姉様も可愛らしいですね……)

とある街中――

テクテクテク――

インデックス「実家に帰らせて頂きます、の方が良かったかな」ブツブツ

インデックス「とうまなら、短髪のこと知ってるかも。助けられた口って、前にも言ってたし……あ」ズキッ

インデックス(とうまが知ってるのに……私が知らないことなんて言うのは……よくあること。それが、今は……寂しい気がするんだよ)

インデックス(私の方こそ、待ってるだけでいいなんて嘘なんだよ……少しでも役に立ちたい)

インデックス(何も知らないんだよ。私、短髪の事何にも知らないだよ……)

10060号「あらあら、さっそく発見してしまいました、とミサカは10088号に連絡します」

インデックス「わ!」ビクッ

10066号「こちとら財布も探さないといけないんですから、手間をかけさせないでください」

ジリッ

インデックス「な、何かな」

10066号「お姉様から捜索願いが出ておりますので」

ジリジリッ

インデックス「ほっといてほしいかも!」

10066号「そういうわけには、あなたにもしものことがあればお姉様だけでなく、上条当麻も悲しみますから」

インデックス「なら、教えて欲しいことがあるんだよ! 絶対能力進化計画って何なのかな?!」

10066号「……お姉様に、それを聞いて答えてもらえなかったのなら、私たちが言うべきことは何もありません、とミサカはきっぱりと口を噤みます」

インデックス「む、むうッ……」

↑10060号に訂正

10060号「大人しくお縄につきなさいな」

インデックス「私は、美琴にとって何なのかな……」

10060号「メイドでは」

インデックス「友達じゃなくて?」

10060号「それこそ、直接聞いてください」

インデックス「……今は、顔を見ると怒鳴っちゃいそうなんだよ」

10060号「……これからどこに行こうというのですか」

インデックス「とうまの家に帰ろうかなって、思うんだけど」

10060号「……鍵は?」

インデックス「合鍵持ってるかも」

ジャラ――

10060号「……私も行っていいですか?」

インデックス「いいけど、そっちの仕事はいいのかな?」

10060号「一度、お家へ行ってみたかったので」

インデックス「? かまわないんだよ」




とある街角――

10088号「おっと、通信が途絶えた……とミサカは突然の裏切りに驚きを隠せません」

美琴「はあ? どういうことよ」

10088号「10060号が何らかの形でほだされてしまったようです」

美琴「……たくッ、まあ任せるわそいつに。私も、今さっきのできっと喧嘩腰になっちゃうだろうから」

10088号「では、まずは銀行か、彼の通う高校にアクセスして……」

美琴「あんたしれっとお姉様に犯罪行為しろとか言ってんじゃないわよ」

10088号「おや?」

美琴「おや? じゃないわッ」

ピ――ピピピピ

10088号「とか言って、しっかり調べてくれるお姉様大好き」

美琴「へーへー……」

今日はここまでです

美琴「ピッピッピと……ヒットした……今日の10時に使用されてるわね」

10088号「おお、さすが人間レーダー」

美琴「あんた、人のこと言えないでしょ」

10088号「お姉様程ではないです、と羨望の眼差しでミサカは見つめます」

美琴「いや、これ言っとくけど犯罪だからね……」

10088号「しー」

美琴「しー、じゃないわよ……可愛らしく口元に人差し指当てるな……えっと、場所は……風俗店が跋扈してる所じゃん。キャッシュの暗証番号が誕生日だったみたい……呆れた」

10088号「そういうのに無頓着なんですかね彼は、とミサカは上条当麻の将来を思うと不安でなりません」

美琴「ホントにね……」

10088号「仮に彼の財産が無くなったとしても、周りの人間に食べさせてもらえそうですよね、とミサカは彼の影響力に感嘆します」

美琴「それだけのことをあいつはしてきたから……」

美琴(それこそ、私と同じように白いのだって同じように助けられてる……それは、私と白いのの共通点。でも、白いのが知らなくてもいいこと、私が知らなくていいこと……それもあるわけで、踏み込んで欲しくないことがある……)

10088号「お姉様?」

美琴(……それは、嫌われたくないから? 言えなかった後悔はそんな私も認めて欲しいから? ……バカらしい。今日はやっぱり頭おかしいわ……)

10088号「……お姉様、やっぱり今日は本当に調子が悪いようですね」

美琴「え? あ、いや、大丈夫大丈夫……はは」ヒラヒラ

10088号「ふ……では、さっそくその風俗街に行きますが」

美琴「おうおう、行ったろうじゃんか。あいつに恩を売ってやるのも面白そうだしね」ニヤ

10088号「まあ、ひどいとミサカは姉の非道に心を痛めます」

美琴「そんなことより、さすがに制服ではまずいわ。どっかで服買っていくわよ」

10088号「お姉様」

美琴「何よ」

10088号「お願いします」ペコリ

美琴「はいはい」

美琴「どんなのがいいのよ」

10088号「そーですね、お姉様とペアルックで」

美琴「……じ、じゃあしょうがないからゲコ太の」

10088号「ごめんなさい」ペコリ

美琴「ちょっとおおッ」

10088号「風俗街に行くのにそれはねえわ、とミサカはお姉さまの少女趣味の貫きっぷりに驚きを隠せません」

美琴「言ってみただけよ……」シュン

10088号「……」

美琴「じゃあ……」

10088号「ですが、またの機会にお願いしたいです、とミサカはさりげなく姉想いをアピールします」

美琴「……期待せずに待ってる」

10088号「フフフ……」

所変わって――

上条当麻の住む部屋の前――


インデックス「久しぶりに戻ってきたら、短髪の所が豪華すぎてここがとてもボロく見えるんだよ」

10060号「ここが、上条当麻の……ごくり」

インデックス「カギは……っと」

10060号「合鍵……羨ましいですと、ミサカは物欲しそうに見つめます」

インデックス「……この鍵が無くなると、日本での私の家が失くなっちゃうからダメかも」

10060号「あなたには、お姉様がいるじゃないですか」

インデックス「あれは、恩返しに行ってたからで」

10060号「お姉様の隣は、上条当麻の隣よりも居心地悪かったですか?」

インデックス「そんなことはないんだよ」

10060号「それは良かった。お姉様も、あなたのことを好いているので丁度いいです」

インデックス「?」

10060号「両思いということです」

インデックス「それはどういう意味なのかな?」

10060号「互いに認め合い敬い合う関係であるということです、とミサカは説明します」

インデックス「それって、友達とどうちが」


バンバン!!


インデックス「ひえ?!」

青ピ「か、かみやんか?! お助けや!?」


インデックス「だ、誰なのかな?」

青ピ「君こそ誰や! いや、この際誰でもええ、ここ開けてくれ!」

インデックス「中にいるのにどうして開けられないの?」

青ピ「立て付けわるくて、なんや押しても引いてもびくともせんのや!」

10060号「不法侵入で訴えてきますからしばしお待ちを」

青ピ「待て待て待て! ボクは上条君のお友達ですって!」

インデックス「……どうしよう」

10060号「ミサカはとりあえず上条当麻本人に確認をとった方がいいと思うのですが」

インデックス「そうだね」

インデックス確認中――


インデックス「というわけで……何か関西弁の人が不法侵入してるんだよ」

上条『なぜそうなったのかは後で問いただすとして……心当たりはあると言えばあるが……ちょっとそいつに女の子のタイプを聞いてみてくれませんか?』

インデックス「う、うん」

青ピ「かみやん何て?」

インデックス「えっと、あなたの女の子のタイプは?」

青ピ「なるほど……よお聞いててや、ボクぁ落下型ヒロインのみならず、義姉義妹義母義娘双子未亡人先輩後輩同級生女教師幼なじみお嬢様金髪黒髪茶髪金髪ロングへ」

インデックス「うへえ……」

上条『オッケ、確認した。そいつは間違いなく俺の友人だ』

10060号「そのうち別の罪で問われそうですが」

上条『いいやつなんだ。心の中で思ってる分には自由だろ』

インデックス「じゃ、じゃあ、外から引っ張るから、中から押してもらえるかな?」

青ピ「おお! 女神! おおきに」

インデックス「3人でせーので」

10060号「せーの」グッ

青ピ「せーの」グッ

インデックス「せーの」グッ


バゴォン!

インデックス「ひゃ?!」ドサッ

青ピ「うおっとと……?!」トサッ

ガシッ

10060号「……」

インデックスは青ピの下敷きになり、加えてその小ぶりな胸を鷲掴みされた。

10060号「これがラッキースケベというやつですね。さすが、上条当麻のご友人です、とミサカは頷きます」

青ピ「ち、違うんや?! こ、これはほんまに幸せな事故や?!」

インデックス「早く、退いてくれないと、噛み付くかも……」プルプル

青ピ「……す、すんまへん!」

10060号(この男か、お姉様とこのシスターがくっつけばミサカの地位も安泰……)

10060号(ああ、ダメダメ何を考えているのです)

10060号(そんな腹黒い女になびくような男ではないです……でも、思うだけなら自由だと言ってもらえましたし)

青ピ「ほんまに、ありがとうな! 授業いかなあかんから、お礼もできひんけど、ほなさよなら!」

タタタタ――

インデックス「……」

10060号「どうされましたか」

インデックス「当麻の不幸が移ったのかな……」

10060号「少なくとも彼にとっては幸運だったのですから、あなたは良いことをしたと考えてみては」

インデックス「それは無理かも……」

10060号「そんなことより、早く入りましょう。さあさあさあ」

インデックス「お、押さないで欲しいんだよ」

カチャ――

10060号「ここが、彼の部屋……」

インデックス「お水くらいなら出せるけど」

10060号「いえ、お構いなく」

インデックス「なんだか、どっと疲れた……」ウトウト

10060号「今からお昼寝ですか? どうぞどうぞ、それまでこの部屋はミサカが責任を持って物色しておきます」

インデックス「私は別に構わないけど、当麻も健全な男の子だから見られたくないものも」

10060号「あるんですか!?」

インデックス「かもしれないんだよ……なんでそんなに嬉しそうなの?」

10060号「いえいえ気にしないでください、とミサカは自分の頬を捻ります」

インデックス「大丈夫?」

10060号「いえ、今すぐにでもあそこの枕に顔をうずめてペロペロしたいです」

インデックス「ペロ……?」

10060号「それか、彼のコップに口をつけて間接キッスとか、干してある洗濯物の一つ一つの匂いを嗅いだりとか……あ」クルッ

インデックス「わわ……」ガクガク

10060号「……聞きましたね? ミサカの妄想を」

インデックス「き、聞いてないんだよ」ブンブン

10060号「嘘……言ってサカは微笑みます」ニコ

インデックス「と、当麻のこと、す、好きなんだね?」

10060号「ええまあ」

インデックス「色々問題があるけど、頑張って……」

10060号「恋に障害はつきものです。例えば、あなた」ビシッ

インデックス「わ、私?」ビクッ

10060号「今、まさにあなたが一番の障害です」

インデックス「ど、どうしてそうなるのか教えて欲しいかも……」

10060号「あなたが、彼に一番近いところにいるからです」

インデックス「今はそうでもないんだよ?」

10060号「NO! 物理的なものではなく、心の距離を言っているのです、とミサカは憤慨します」

インデックス「……心の距離?」

10060号「それは、互いが一緒にいたいと思えば思うほど近くなる。場所なんて関係ないのです、とミサカは力説します」

インデックス「何それ呪い?」

10060号「……まあ、呪いみたいなものですかね」

インデックス「一緒にいたいと思えば思うほど……」

10060号「現にあなたはこうして、ここに戻ってきている。それはやはり呪いの力なのでしょう」

インデックス「私がここに戻ってきたのは……当麻に会いたいからだってこと?」

10060号「そうじゃないんですか?」

インデックス「……そうなのかな?」

10060号「違うんですか? 違うならそれはそれでいいのですが」

インデックス「……私、短髪と喧嘩して出てきただけだと思ってた」

10060号「それはそうなんですが……」

インデックス「そう言えば、私が戻る場所って当麻の所だったんだよね……」

10060号「……」

インデックス「でも、短髪の所にも戻りたいって思ってるんだよ……」

10060号「……あなたは友人として、上条当麻とお姉様を好いているのですか?」

インデックス「そうだよ?」

10060号「……本当に?」

インデックス「そうなんだよ……あれ……? 変なの、もやもやする……」

10060号「もやもやなんて誤魔化さないで……本当のことを教えてください。ほとんどのミサカはその辺りを知りたがっています」

インデックス「えっと、そんなこと言われても……困るかも」

10060号「なぜです」

インデックス「優劣なんて……友達につけられないんだよ」

10060号「それは友達として考えているからです。恋人として考えてください」

インデックス「あ、あのー」

10060号「なんですか」

インデックス「短髪は女の子で合ってる?」

10060号「ええ、そうですが」

インデックス「むむ?」

10060号「まさか、女と女同士の恋愛が世界にないと思っているのですか」

インデックス「へ、あ、いやーそうではないんだけれども……そんな風に見たことなかったから」

10060号「じゃあ、今すぐその視点を加えて考えてください。恋人にするならどっちですか?」

インデックス「ド直球過ぎるんだよ……」

10060号「……さあ」

インデックス「ちょ、ちょっと待って欲しいかも……」

10060号「……あなたは何を迷っているんですか?」

インデックス「へ?」

10060号「普通に考えて、男でずっと守ってもらってきた上条当麻の方を選べばいいのに……」

インデックス「そう……だね。うん、確かに……なんでかな」

10060号「……分かっていないようだから言いますが、それはあなたが二人に同じ感情を抱いているからではないでしょうか」

ちょっと抜けます

シスターの同性愛って許されてんのかな

>>48,49
うろ覚えだけど、神様に色々捧げてるから恋愛できないし、同性愛は異端で魔女狩り
禁書で恋愛まで発展しないのはそのせいなのかな。とは言っても、嫉妬したりしてるけど

ssだから気にしてなかったけど
ちょっとその辺りも考慮してみる

>>50
ただし、その方面は全くわからないし、禁書世界の教えや洗礼も知らないから
こっからは独自解釈です

インデックス「同じ感情……」

10060号「まあ、ミサカの妄想に過ぎませんが、と言葉を濁してみます」

インデックス「ぜひ、妄想のままであって欲しいかも……そんなの認められないんだよ」

10060号「神に誓いを立てているシスター様だからですか?」

インデックス「う、うん」

10060号「聖書に罪と定めてあるからですか?」

インデックス「そう……だね」

10060号「……それがあなたの答えなら、ミサカは安心して上条当麻の枕にかぶりつきます」ハムハム

インデックス「……」

10060号「さて、今のあなたはミサカの敵ではなかったようです」ハムハム

インデックス「ヨダレでまくらがテカってるんだよ……」

10060号「黙らっしゃい、とミサカは枕を投げつけます」

バシッ

インデックス「うひゃ?! ばっちいんだよ!?」ヒョイッ

10060号「ふう……いいですか、シスターさん」

インデックス「何かな……?」

10060号「あなたは逃げているだけです。私の質問は遅かれ早かれあなたに突きつけられるものだったのです」

元の英国協会は結婚しないでパートナーならおkだったはず

インデックス「……」

10060号「あなたは前に、上条当麻を好きになっている、とミサカはまたもや妄想をつらつらと述べます。そう、これはミサカの推測……だから、そんなに固くならないでください」

インデックス「……」

10060号「……きっと、あなたの中に芽生えた初めての感情だったのでしょう。だから、確証がない、と恋愛経験ほぼ0のミサカが言います」

インデックス「少し違うんだよ……」

10060号「ほう。では、真相は?」

インデックス「とうまと……恋人になりたかったんじゃないんだよ」

10060号「では、何になりたかったのですか?」

インデックス「対等でいたかったのかな……いっつもいつもいつも……守られてばかりだからか……相棒になりたかったんだよ。私だって、とうまを守れるんだって……言ってやりたかった」

10060号「……恋愛感情はなかったと」

インデックス「……それに関しては自分でもよく分からないかも」

10060号「あなたは、聖書や主の教えに背くつもりはないと言いましたね」

インデックス「うん」

10060号「では、それを盾にして自分の使命や運命を濁し、否定するのですね」

インデックス「え……?」

10060号「教えにはこうある、とは言うけれど自分の言動の責任をそれに押し付けているにほかならない。それは、つまりは主や主の教えへの冒涜ではないでしょうか」

インデックス「確かに責任転嫁や自己保身のためならそうだけど……私は別に」

10060号「……では、お姉様のことはどうお思いですか?」

インデックス「だから、短髪はそんな風に」

10060号「あなたは先ほど自分で、もやもやすると仰いました、とミサカは言及します」

インデックス「確かに……言ったんだよ」

10060号「なぜ、そう言ってしまったのか、自分自身への疑問は湧きませんか?」

インデックス「そんな……そんなこと言われたって……」

10060号(イケる、あとひと押し……)

10060号「それはつまり」

インデックス「てい!!」

バシッ!!

10060号「うぼあば!?」ガホッ!(枕が当たった)

インデックス「それ以上何も言わないで欲しいかも! 私だって、分からないんだよ! 最初は、とうまのパートナーを短髪にお願いするつもりだった……でも、短髪は私と友達になった、私の無茶なお願いも聞いてくれて、優しくしてくれた……考えてみたら、私はとうまにも同じことをさせていた……そして、また同じ気持ちを繰り返そうとしているんだよ……」

10060号「それのどこがいけないんですか」

インデックス「私は、短髪にそんな感情を押し付けるために近づいたんじゃないんだよ……ッ」

>>54
ありがと

10060号「……誰もそんな風に思いませんよ。というか、それは自然なことなのです」

インデックス「……ひどいんだよ。こんな気持ちに気付きたくなかったのに……」

10060号「どうぞ、恨むならご自由に」

インデックス「ううん、ごめん……結局、素直になれない私が原因なんだね」

10060号「……素直になりたいですか?」

インデックス「なりたくない……かも」

10060号(上条当麻への恋愛感情がすでにこのシスターから無くなっていると分かった今、ミサカの取るべき行動は一つ)

10060号「……シスターさん」

インデックス「なにかな」

10060号「お茶入れましょうか」

インデックス「下手な慰めなんだよ……もらうけど」

10060号「台所お借りしますね」

インデックス「ねえ」

10060号「はい」

インデックス「……結局、あの計画はなんなのかな」

10060号「……あなたが素直になるなら教えましょう」

インデックス「……」

10060号「その知りたい気持ちはどこから? とミサカは尋ねます」

インデックス「……脳みそ」

10060号「小学生の回答を期待しているわけではありませんが、とミサカは冷静に返します」

インデックス「短髪を知りたい気持ちから……」

10060号「よくできました。所で、お姉様を名前で呼ばないのですか?」

インデックス「だって、みことって呼ぶと恥ずかしがるし……」

10060号「……あなたは、呼びたいのですか? 呼びたくないのですか?」

インデックス「……」

10060号「分からないは無しです。思考を停止せずに、諦めず先へ進んでください」

インデックス「…………よ、びたいんだよ」

10060号「合格です……では説明させて頂きます」

10060号説明中――

インデックス「……」

10060号「というわけで、現在もお姉様は上条当麻に恩義を感じているし、一方通行に複雑な感情を抱いているし、私たちに後ろめたい想いがあるし、自分自身を許せないでいるのです。もちろん、いくらかマシになってきてはいますが」

インデックス「……そんな大変こと、とうまもみこともどうして黙ってるのかな……」

10060号「あなたを巻き込みたくないということでは? 一応すでに片は付いていますし」

インデックス「そうだよね……」

10060号「ですが、お姉様はやはり今だにどこか、誰かに許され認められることを望んでいるような気がします」

インデックス「それがとうまなんだね……」

10060号「……そんなこと一言も言ってませんが」

インデックス「え? くろこ?」

10060号「……まあ、それは置いといて」

インデックス「ちょ、ちょっと気になるところで止めないないで欲しいかもッ」

10060号「自分で考えてくださーい、とミサカはいそいそと立ち上がりお風呂場へ向かいます」

インデックス「何するの?」

10060号「帰る前に、彼が裸になる場所を共有させて頂きます」

インデックス「お、おう」

インデックス「って、もう帰っちゃうの? もう少し教えて欲しいかも……」

10060号「その前にお風呂」

インデックス「……」

10060号「ふん、ふんふん」ヌギヌギ

インデックス「……タオルはたぶん、タンスの一番下にあると思うけど」

10060号「どれどれ」

ゴソゴソ――

10060号「お、ありましたありました。ミサカ、イッキマース、とミサカは全裸で風呂場に突入します」

ガラガラ――

インデックス「短髪そっくりな顔で、こんなに傍若無人だと返って清々しさを覚えるんだよ……」

10060号「我々シスターズにだって、一人一人個性があるんですよ」

――ガラガラ




インデックス(じゃあ、仮にこれが短髪だったら?)

インデックス(……そもそも、短髪が我侭を言ってるの、とうまくらいなんじゃ)

インデックス(何を考えてるの……私、我侭を言われてみたいのかな)

インデックス(どうしてこんなに短髪のこと考えなくちゃいけないんだよ……)

インデックス(……これは、きっと全部……)

インデックス「……」ぐうー(お腹の音)

インデックス(お腹が空いたからむしゃくしゃもやもやするんだよ!)

――午後7時頃

とある風俗街――


美琴「これ、変じゃないわよね」

10088号「あれから服を選ぶだけで3時間も費やす羽目になるとは……」

美琴「こういう所初めてなんだからしょうがないでしょ。それに、変にからまれても嫌だしね」

10088号「男装姿もとってもお似合いですよ、とミサカはお姉様の中性的な魅力を褒めちぎります」

美琴「あんたも、どこからどう見ても男にしか見えないわ」

10088号「この髭もつけたいのですが」

スッ

美琴「それはだめ」

10088号「えー」

美琴「いや、さすがに自分の顔に髭がある所は見たくないから……」

10088号「しょうがありません……と、ミサカは髭を然るべき場所に戻します」

ゴソゴソ――

美琴「ちょ、何で私の方のポケットに入れるのよ」

10088号「ええ? 買ったのはお姉様ですし」

美琴「ねだったのはあんたでしょうが!」

10088号「い・け・ず」

美琴「こんなの、使い道ないんだから……たくッ……さて、あの店かしら。あいつが行ったっていうのは……」チラ

10088号「はい。そのようです」

美琴(……)

10088号「お姉様……」

美琴「何よ」

10088号「いつもなら、あのウニ頭の彼に対して、もっと罵詈雑言があってもおかしくないのに、何も仰らないんですね」

美琴「あいつがどこに行こうがあいつの勝手でしょ……なんて、そうね。こんな風に嫉妬してない自分に驚いてる」

10088号「あらあら、彼は捨てられたんですか?」

美琴「捨てたも何も、もとから何もなかったんだから」

10088号「彼は、あなたのヒーローではないんですか」

美琴「……何よ、それはあんた達だってそうでしょ」

10088号「確かに、彼は救世主です。ただ、私は、他のミサカ達のように彼に対して胸が高鳴るなどの現象はないですが、とミサカは不思議に思います。それは、何故か。それがミサカの個性だから、それから……」

美琴「それから?」

10088号「ヒーローにはずっと誰かを救い続けて欲しい、そんな夢物語を抱いているのです、とミサカはメルヘン調で答えます」

美琴「それって、どうせ付き合えないならずっと独り身でいて欲しいってこと?」

10088号「お姉様ってば、どうしてそう下世話な話にもっていこうとするんですか、とミサカはお姉様の感性を疑います」

美琴「なによ、悪かったわね……」

10088号「だいたい、それはお姉様の方じゃないんですか」

美琴「……私守られるのは性に合わないから……だから、ヒーローなんてこっちから願い下げよ」

10088号「……そうなんですか」

美琴「そうよ」

10088号「なら、ミサカはお姉様に守られてるなあ、と常々感じていますし嬉しいですよ、とミサカはさり気なくシスコンアピールします」

美琴「……そういうのは黒子だけにして欲しいんだけど。いや、あれもあれで良いってわけでもないが……」

10088号「安心してください、その道に進むことはありませんので」

美琴「そうしてちょうだい……」

10088号「お姉様も様々な人間にとってヒーローなのでしょう」

美琴「かっこつけて、首突っ込んで喧嘩してるだけよ」

10088号「お姉様は本当にカッコいいですよ」

美琴「……あんたも相当変な妹ね」

10088号「でも、ミサカはお姉様にもっと自由に生きて欲しいんです」

美琴「自由?」

10088号「お姉様自分が悪役だと思っていませんか? シスターさんに対して、私たちに対して、何をそんなに遠慮しているんですか?」

美琴「……」

10088号「お姉様が幸せにならないと私たちも幸せになれない。自由になれない」

美琴「あんたたちは自由よ……」

10088号「では、お姉様も自由なはずです。お姉様のその固定概念は、ミサカが先ほど発言した、ヒーローへの願望と同じなのです。ただの妄想。お姉様は、悪役やヒーローでもなければ、ヒロインでもない、インデックスという人間に何ら遠慮することもない。そして、上条当麻という人間にいつまでも縛られなくてもいいのです。そうやって、自分で自分を縛らないでください」

美琴「……大げさね」

10088号「これくらい言わないと、お姉様は頑固でツンデレですから、シスターさんと上手く仲直りできないかと思いまして」

美琴「……何よ、それ。壮大な前ふりだったってわけ」

10088号「ええ、まあ。せっかくできた友達を大事にしてあげてください」

美琴「……あんたに言われなくたって……分かってるわよ」

10088号「それなら、いいのですが」

今日はここまで

キリスト教は自慰はだめ
同性愛も否定 去年の
アメリカの銃乱射のあと
アメリカのキリスト教会
が同性結婚を認めるから
起きたのだと発言 小学校狙ったやつだ

堕胎は禁止 多少調べたら堕胎を行った医師を抹殺したキリスト教過激思想の主とか南米でレイプされたあげくに妊娠された小学生を妊娠状態が続けば死亡するかもしれないのに堕胎するなと高官が発言

オナニの語源になった聖書の話だが外出しはダメで中だししないとだめ

当然ながらシスタや神父は不犯

アナルセックスも確かだめだったような

>>71
参考にします

時間できたので少し続けます

美琴「ねえ」

10088号「何ですか?」

美琴「なんでそこまで言ってくれるの?」

10088号「それはお姉様が好きだからですよ、とミサカは再三言ってるのにこの姉は何を言ってるんだと思いながら、なんの照らいもなく言ってのけます」

美琴「……ッ」カア

10088号「え、今さら恥ずかしがるとか遅すぎるんですけど」

美琴「……と」

10088号「ん? 何と言われたんですか?」

美琴「あり……がと」

10088号「いえいえ」ニヤニヤ

美琴「くッ……」

10088号「これはほぼ全てのミサカが心から思っていることなのです。だから、信じてくださいね」

美琴「……うん」

10088号「さて、お姉様、そろそろ財布を探す作業にもどりましょうか」

美琴「そうね……」

―――

―――――


美琴「念のため……もっかい調べておくか」ビリビリ

ピピピ、ピピ――

(端末を使って、上条のクレジットカードの使用履歴を調べている)

10088号「どうですか? 近辺に、それらしい記録はありますか?」

美琴「……ぬ? あらあら、ついさっき使ったみたいね」

ピピ――

美琴「20分前くらいに、そこのコンビニでお金降ろしてる……」

10088号「おお、では急行しましょう」


―――

――――――

とあるコンビニ――

店員「え? 20分前くらいにお金降ろしてた人?」

美琴「そうなんですう、もしかしたらあ、そに人にいお財布とられちゃったかもしれなくってえ……もしよければ、特徴とか教えて欲しいなあってえ」

10088号(なぜ、ぶっりこ?)

美琴(こっちの方が口割ってくれそうでしょ)

10088号(いえ全く思いません)

店員「そっか、そりゃ大変だ。店の監視カメラちょっと見てみるから待っててね」

美琴「はあい」ニコ

10088号「……」

美琴「ほら」

10088号「ホワイ……」

ウイーン(コンビニの自動ドア開く音)

ピロピロリーン――


店員「……てな感じの黒いコート着た、若いスキンヘッドの男性だったよ」

美琴「ありがとうございますう。助かりますぅ」

10060号「ああ、いたいた、とミサカはお姉様と10088号に手を振ります」

インデックス「短髪!? ちょ、ちょっとこれはどういうことなのかな?」

10060号「うふふ」

美琴「な、どうして白いのがここに……」

10088号「あはは」

インデックス・美琴「騙したんだね(わね)?!」

10088号「人聞きの悪いことを言わないでください。さて、我々は我々の任務を続行しましょうか」

10060号「ええ、そうですね。誰にも彼の財布は渡しませんが」

10088号「どうでもいいのですが、一応私も彼にどんな感情を抱けるか興味がありますので譲れませんね」

10060号「ということで、お二人とも」

10088号「お先に失礼します」


ウイーン

ピロピロリーン――

10060号「所で」

10088号「なんですか?」

10060号「どうして、お姉様との会話の途中でネットワークから外れたんですか?」

10088号「それは聞かれると恥ずかしい内容でしたので」

10060号「我々に今さら恥ずかしいもくそもないでしょう、とミサカは不思議がります」

10088号「プライバシーというものです、とミサカは自身の人権を主張します」

10060号「普段、この地区にいないミサカはお姉様と会話する機会がないのですから、少しは楽しませてください」

10088号「そうですね、次からは気を付けます」

10060号「所で、さっきの店員と話している時、お姉様完全に自分が男装してること忘れてましたね」

10088号「一応お止めしたんですがね。お姉様は気づいていなかったみたいですが、あの店員が裏に回るときに笑いを堪えているのを目撃しています、とミサカは苦笑交じりに説明します」

10060号「やっぱりお姉様は面白いですね。……そうそう……その服、買ってもらったんですよね」

10088号「ええ」

10060号「……着回しを提案します」

10088号「構いません、とミサカは親指を立てます」

とあるコンビニ店内――


インデックス「その恰好……どうしたの?」

美琴「い、一応変装だけど……あんたこそ、そのメイド服でこの辺りうろちょろしたら危ないじゃない」

インデックス「あ、ごめん……て、それより、早く言って欲しかったかも。当麻の財布にはお世話になってるんだから。あれがないと私も帰った時大変なことになってしまうんだよ」

美琴「や、それは私もあんたが去った後に知ったのよ」

美琴(帰る……そっか、いつかはあいつの所に戻るんだよね)

インデックス「そうなんだ」

美琴「……うん」

インデックス「……あのさ、隠すのは良くないから言うけど、短髪のこと聞いちゃったんだよ」

美琴「……あ」ビクッ

美琴(同情される? 怖がられる? 罵られる? こいつが何を思っているのか……)

インデックス「それで、その」

美琴(聞くのが…………)

インデックス「わたし」

美琴(怖い…?)

インデックス「短髪?」

美琴「……なに」ビクッ

インデックス「……?」

美琴(……あ、これか……これが嫌なんだ。こいつが私を否定することに……耐え……られないんだ)

美琴「……」ズキッ

動悸と頭痛に、美琴は少し顔を歪めた。

インデックス「ぁ……ごめんなんだよ……やっぱり怒ったよね……」

美琴「いいの……いつか、分かることだったと思うし」

インデックス「ホントは短髪に聞かなきゃいけなかったのに……」

美琴「……私からはきっと言えなかった」

インデックス「……それでも、私嬉しかったんだよ。短髪の事ちゃんと知ることができて」

美琴「……そう」トクンッ

インデックス「怖かったんだよね……? 私に知られるの?」

美琴「……なッ」ドキッ

インデックス「……とうまもね、同じようなことあったの。私に知られたら、私を傷つけるかもしれないって隠し事してた」

美琴「わたしはッ……そんなんじゃないのよ。もっと勝手……自分が傷つきたくないから、だから言えないの……」

インデックス「ううん、きっと短髪はそれだけじゃないよ……」

美琴「……なに?」

インデックス「短髪は傷つけたくない人がたくさんいて……その人たちが穢されないように、自分自身が傷つくようにしてるんだよ……それが」

美琴「それが……罪滅ぼしになるって思ってるわよ……私が傷つけば傷ついた分、幸せになる人がいるって……本気で思ってる、頭がおかしいでしょ? 変でしょ?」

美琴(……なんで、こんなことまで私話してるの……)

インデックス「うん」

美琴(ほら、きた……だから、言わなくていいことをなんで私は……)

インデックス「それが短髪にとっての最善だったんだよね」

美琴「え……」

インデックス「今まで、命がけで逃げないで一生懸命やってきたからこそ……今さら、どうやって力を抜けばいいのか分からないよね」

美琴「……」

インデックス「誰も短髪を否定することなんてできないかも…………だから、私、短髪の邪魔はしない……」

美琴「白いの……?」

インデックス「た……みことが毎日笑っていられるように、傍で祈ってるんだよ」ニコ

美琴「……なんで、私のエゴにあんたが付き合うのよ」トクン

インデックス「友達……だから」

美琴「友達って……そんなの、そんなことできるの……あんたくらいよ……」

インデックス「私、我がままなの知ってるよね?」ニコ

美琴「……ッちょ、ちょっと……何なのよ、あんたホントに」ポロ

インデックス「た、短髪?」

美琴「トイレ……」ポロポロ

インデックス「へ?」

美琴「トイレ行くッ……から着いて来て……ッ」」ポロポロ

ガシ――

インデックス「ふえ?」

ずるずるずる――

美琴「……ッ」

コンビニ女子トイレ――

カツカツカツ――

バタン!

――ガチャ

インデックス「た、短髪? ど、どうして個室に入って鍵まで閉めるのかな?」ビクビクッ

美琴「……ッ」ボロボロ

美琴は泣き顔を隠すように、インデックスに背を向ける。

インデックス「……た、短髪?」

美琴「……美琴」

インデックス「……いいの?」

美琴「うん……」

インデックス「みこと……」

舌足らずにインデックスは名を呼んだ。

美琴「……うん」

インデックス「……」

インデックスはややあって、自分よりも少し背の高い少女の小さな背中を抱きしめてやった。
細い印象だった。嗚咽が、身体を小さく揺らしている。

美琴「……ッ……ッ」

インデックス「ねえ、私のことは呼んでくれないのかな」

美琴「……ィ……ン……デックス」

インデックス「よくできましたなんだよ……」

インデックスは少し強く抱きしめてあげた。回した腕に、美琴がおそるおそる手を重ねてきた。
それから、ゆっくりと握りしめる。

美琴「……」

インデックス「……こっち向いて欲しいかも」

美琴「……いや」

インデックス「なんでかな」

美琴「恥ずかしいからよ……察しなさい」

インデックス「……みことの顔が見たいんだよ」

美琴「恥ずかしいつってんのに、どんなサドよッ」

インデックス「むう、じゃあもう抱きしめるの止めちゃうから」

パッ――

美琴「……」ヒヤッ

インデックス「ついでに……短髪って呼んじゃうから」

美琴「わ、わかったわよ」ゴシゴシ

インデックス「よろしい」ギュウ

美琴「……ほら」クル

インデックス「……えへへ」ニコ

美琴「……顔、近いんですけど」ドキッ

インデックス「目、真っ赤かも」

美琴「でしょうね……」

インデックス「……みこと」ボソッ

美琴「こっち見るな……」ゾクッ

インデックス「ひどいかも……」

美琴「目閉じてって言ってんの……」

インデックス「え、こう?」パチッ

美琴「……」

美琴は自分の奥から湧き上がってくる感情を止めることができなかった。
それだけ、自分は目の前の少女に寄りかかってしまっているのだ。
それは美琴にとって許せないことだった。しかし、少女は美琴だけの現実をかいくぐって、懐に潜り込んできた。

美琴「……えい」

ピコン――(でこピンした)

インデックス「あいたッ?!」

美琴「……仕返し」

インデックス「なんの?!」

美琴「……色々よ」

インデックス「むー! やっぱり、みことには品がないんだよ!」

美琴「インデックスに言われたくないわね」

インデックス「泣いてた美琴が何とやらかも……」サスリサスリ

美琴「……さて、あいつの財布でも探しにいってやるか」

インデックス「そう言えば、忘れてたけど、そのために来たんだった」

美琴「そうよ、出るわよ」

インデックス「自分でトイレに連れ込んでおいて……」

美琴「わ、悪かったわよ。でも、さすがに、店の中で泣けないわよ」

ガチャ――

インデックス「あ、待って」

ギュ――

美琴「……なぜ、手を繋ぐ」

インデックス「だめ?」

美琴「だめ」

インデックス「だめ?」

美琴「……だめ」

インデックス「いや……かも」ニコ

美琴「……うッ」ドキッ

コンビニの外――

タタタ――

美琴「……ちょっと、歩幅合わせなさいよ」

インデックス「早く探しにいかないと、帰って黒子に心配されちゃうんだよ」

美琴「そんなに引っ張ったら腕がもげちゃうでしょ」

インデックス「もげないもげない」

美琴「あんたがこけたら私も一緒にこけちゃうんだから」

インデックス「はーい」

美琴「……」

プルルル――

美琴「ん?」

10088号『あ、お姉様、お楽しみの所すいません。今、犯人らしき男を追ってるんですが、どうもスキルアウトみたいで』

美琴「……あんたら、まだふっかけてないでしょーね?」

10088号『まだ何も仕掛けてないですよ。人数が多いので、ヘルプミーです、とミサカは位置情報を送ります』

美琴「分かったわ、私が行くまで大人しくしておきなさいよ!」

10088号『了解です』

ピッ――

美琴「うしッ、インデックス」

インデックス「合点承知なんだよ!」

美琴「なにがよ、危ないからあんたはコンビニの前で待ってなさい」

インデックス(とうまと同じようなことを……)

美琴「それが嫌なら……私の傍から離れんじゃないわよ?」ニコ

インデックス「……あ」ドキッ

美琴「返事は」

インデックス「う、うん!」

美琴「行くわよ、インデックス」

インデックス「了解なんだよ、みこと!」

今日はここまでです

おつ! にやにやしながら読ませてもらった

>>71 それはカトリックだと思うんだが……

普通に考えてイギリスならプロテスタントだし、
保守的な教派じゃなければ堕胎とかも許されてるよ

まぁ、厳密に言えばとあるの十字教と現実のキリスト教は別物だし……

>>89
ありがと
>>90~92
混乱するw

翌日――

とある高校の正門

シュン――


黒子「お姉様方、ここでよろしいのですか?」

美琴「ええ」

インデックス「ありがとなんだよ」

タタタタ――

上条「おーい! 悪い!遅くなった!」

インデックス「とうま! 遅いかも」

美琴「いや、今着いたところでしょうがッ」ビシッ

インデックス「あたッ」

上条「途中で小萌先生に捕まってしまったんですよ……と、ところで私めの財布が見つかったって」

インデックス「ふっふーん! そうだよ!」

美琴「感謝しなさいよ。スキルアウトに盗まれたのを取り返してやったんだから、はいこれ」ヒョイ

ポスッ――

上条「な、なんと……この上条当麻、感謝してもしきれませぬ……」ウルウル

インデックス「……そう言えば、見つけた人には何でもするって」

美琴「あ、この場合は……誰になるのかしら」

上条「……そ、そう言えばそんな約束もあったな。お、男に二言はありません!」ビクビク

インデックス「あの二人に譲ってもいいけど」

美琴「ああ……そうね」チラ

上条「……二人?」

美琴「うちの小うるさい妹達が、今回の功労者だから……」

上条「シスターズも協力してくれたのか……しかし、上条さんの身体がいくつあったら……」

美琴「そんな全員がってわけじゃないわよ……二人って言ったでしょ。連絡入れとくから、頼んだわよ」

上条「ああ、分かった」




とある高校のとある教室の窓際―――


青ピが指で望遠鏡を作って外を眺めている。

青ピ「……あーあ、制服、ツンデレ、シスターメイドに、銀髪、ツインテール……うらやまけしからんとはこのことかいな」

土御門「そーか?」

青ピ「シスコンにはわかるまい」

土御門「否定はしないにゃー」

青ピ「はあー……えーなー」

土御門「それでも、結局一人に絞れなければ、ただのいい人で終わるぜよ」

青ピ「それでも、選択肢は多ければ多い方がロマンがあるんや……どの子にしようかっていうワクワク感が!」

土御門「ギャルゲのし過ぎだな」

その夜――

上条当麻の部屋にて――


上条「……あ、あのその恰好は」

10060号「え、裸エプロンですが」ピラッ

10088号「どSな女王様のコスプレですが」ピシッ

上条「確かに何でもしますとは言ったけど、そういう個人的な趣味嗜好のお手伝いをするのはさすがに上条さんにも抵抗と抵抗と抵抗しかないと言うか……!?」

10060号「裸の方がいいんですか?」シュル

10088号「私がMの方がいいってことですか」ヌギヌギ

上条「や、止めてくれ! 年頃の女の子のがすぐに肌を見せるなんてダメです! お父さんは、許しませんよ!」

10060号「何でもするって言ったじゃありませんか、とミサカは10032号から送られてきた文面を思い出しほくそ笑みます」

上条「限度って、あるだろ?」

10060号「ないですね」

上条「おいおい!」

10088号「大人しく実験台になってください、とミサカはやはりSのままでいくため極太の蝋燭を取り出します」

10060号「優しくしてくださいね?」

上条「や、やめ……ア―――!」





終わり


5作目終わりです。読んでくれてありがと
早く本番までいきたいのにのろのろですわ

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