咲「お姉ちゃん、またフラれたの?」照「どうやらそうらしい」(125)

咲「も~、恋人は大事にしなきゃダメだよ? お姉ちゃん?」

照「そうは言ってもだな… 私が振ったわけじゃないんだから仕方ないじゃないか」

咲「そんなこと言ってもう何人目なの?」

照「多分白糸台に入ってから5人目… かな?」

咲「絶対お姉ちゃんに原因があるよ!」

照「そうなの…か?」

咲「絶対そうだね」

照「まぁ… 恋人がいないからって別に何か不都合があるわけじゃないし」

咲「そんなこと言ってると婚期を逃しちゃうよ?」

照「なんで咲が私の婚期を心配しなくちゃいけないの?」

咲「妹だったら姉の婚期を心配するのは当然の義務だと思うけど?」

照「そうなのか?」

咲「そうだと思うよ?」

照「まぁいい、それより…」

咲「うん?」

照「お前の方はどうなんだ?」

咲「和ちゃんとのこと?」

照「あぁ… 原村とは仲良くやれているのか?」

咲「うん! お姉ちゃんとは違うんだよ!」フフン

照「そうか… それはよかったな」

咲「ふふ、羨ましい?」

照「どうだろう?」

咲「羨ましくないの?」

照「さっきも言ったけど恋人に対してそこまで価値観が見い出せない」

咲「ふ~ん、じゃあなんで今まで恋人を作ってきたの?」

照「何でかな? 告白されたから?」

咲「告白されたらだれでも受けちゃうの?」

照「いや、そうじゃない」

咲「?」

照「本当に私のことが好きなんだと感じたら、その娘が私にとって少しでも魅力的なら… 私は受け入れたよ」

咲「そうなの? まぁどうでもいいけど」

照「おい」

咲「ん? なに?」

照「どうでもいいはないだろう?」

咲「う~ん、じゃあ逆に聞くけど」

照「うん?」

咲「私にそんなに気にして欲しいの?」

照「別にそうでもない」

咲「じゃあいいでしょ?」

照「そうだな…」

咲「まぁとりあえずお姉ちゃんも早く落ち着ける人を見つけないとダメだよ?」

照「うるさいな。 まぁ頑張ってみる。 それより今日はどうするの?」

咲「今日は午後から和ちゃんとデートだよ?」

照「そうか。 迷わないように気をつけるんだぞ?」

咲「う… それは自信がないかも…」

照「なんなら私がついていってやろうか?」

咲「うぅ… そんなのなんか恥ずかしいよ…」

照「東京は広いからな、咲が迷ってしまうのも無理はないよ」

咲「うん… 東京はまだ慣れないなぁ… 長野に帰りたい…」

照「そうか? 慣れれば意外と楽しいぞ?」

咲「どこらへんが?」

照「シャンプーの専門店がいっぱいある」

咲「それはいいことなのかな?」

照「少なくとも長野にはない」

咲「そうだね。あ、もうそろそろ出発するよ」

照「そう、行ってらっしゃい、咲」

咲「うん、行ってきます! お姉ちゃん」

照「はいはい、いってらっしゃい、咲」

~ 待ち合わせ場所 ~





和「もう、咲さんまた遅刻ですね…」

咲「ごめん! 和ちゃん! なんか電車が思ってたのと逆方向に動き出しちゃって…」

和「もういいですよ。 過ぎたことより今日を楽しみましょう?」

咲「うん!」ニコッ

和「(もう… そんな素敵な笑顔されたら何にも言い返せないじゃないですか…)」ウットリ

和「と、とりあえず!」

咲「うん?」

和「お洋服でも見に行きましょうか?」

咲「うん!」

和「さぁ! 行きますよ!」テクテク

咲「(和ちゃん怒ってるのかなぁ… 怒ってるよね? やっぱり…)」

咲「(う~ん…)」ガシッ

和「!?」

咲「手、繋いでいこ?」ニコッ

和「うぅ… 咲さんがそうしたいならそうしてあげます…」

咲「うん! ありがとう!」

和「(もう… 変な所で大胆なんですから)…」

咲「? どうかした?」

和「なんでもないです!」

咲「そう? (やっぱりまだ怒ってるのかなぁ…)」

和「(咲さん…)」

~ 洋服屋-trittu-~






咲「う~ん、和ちゃんの趣味は相変わらず凄いなぁ…」

和「咲さん!」

咲「うん?」

和「次はこれを着てみてください!」

咲「うぅ… まだ着るの?」

和「まだまだ! あと5,6着は着て貰います!」フンスッ

咲「はは、分かったよ。でもそんなに買えないからね?」

和「お金なら私が…」

咲「そんなのダメ!」

和「うぅ…」

咲「もぅ… いっつも和ちゃんはそうやって全部買っちゃおうとするんだから…」

和「だって…(咲さんが似合っちゃうからいけないんですよ…)」クスン

咲「まだ私たちは高校生だから…」

和「?」

咲「いつか… これ全部買っても大丈夫なくらいお金を稼げるようになったら… その時にいっぱい買ったらいいでしょ?」

和「!? はい!」

咲「(和ちゃんは本当に可愛いなぁ…)」ナデナデ

和「(うぅ… 咲さんにナデナデされちゃってます…)」






prrrrr

咲「あ、ごめん和ちゃん。電話だ」

和「ん… はい(咲さん…)」

咲「もしもし…… お姉ちゃん?」

照『うぅ… 咲』

咲「どうしたの?」

照『お昼ご飯が食べたい…』

咲「あれ? 作り置きしてた肉じゃががあったよね?」

照『ごめん、咲が行ってからお腹減っちゃったから食べっちゃった…』

咲「もう… しょうがないなぁ…」

照『咲…』





咲「今から帰って作るからそれまで待っててね?」

和「!?」

照『うん、待ってるよ』

咲「はい」ピッ

和「咲さん……」ゴゴゴゴ

咲「うっ… 和ちゃん、ごめん。その…」

和「また『お姉さん』ですか…?」

咲「うん… お姉ちゃんお腹減ってるみたいで…」

和「そんなの… どこかコンビニにでも買いに行ってもらえばいいじゃないですか!」

咲「お姉ちゃん、そういうの食べないんだ…」

和「それにしたって… ひどいです…」ポロポロ



咲「和ちゃん、ごめんね? でもお姉ちゃんがお腹空かせてるから… 帰るね?」

和「(うぅ、… 嘘泣きしても全くひるんでくれないんですね…)」

和「分かりました。咲さんがお姉さんの為に帰るのはいつものことですし、もう慣れましたよ…」ハァ

咲「ごめんね?」

和「謝ってる暇があったら早くお昼ご飯を作りに行ってあげたらどうですか?」

咲「うん! 今日は誘ってくれてありがとう! 和ちゃん!」ダッシュ!

和「はぁ…」

~ 宮永家 ~




咲「お姉ちゃん、お皿とコップ並べて?」

照「分かった」

咲「いただきます!」

照「いただきます」

咲「」モグモグ

照「」モグモグ

咲「お姉ちゃん?」

照「うん?」

咲「おいしい?」

照「とてもよい焼き具合だと思う。サラダのドレッシングもアクセントが効いてる」

咲「うん」

照「やっぱり、咲の作るハンバーグは美味しいよ」

咲「うん!」

照「」モグモグ

咲「」モグモグ

照「……」モグモグ

咲「えへへ…」モグモグ

照「食べながら話すのは行儀が悪いから止めなさい」

咲「は~い」

~ 夜 宮永家 ~





咲「今日も一緒に寝る?」

照「寒くなってきたし、二人で寝れば電気代の節約にもなる」

咲「ふぁ… そうだね。じゃあお姉ちゃんの部屋に行くね?」ファァ…

照「昨日は私の部屋で寝ただろ?」

咲「そうだっけ?」

照「うん」

咲「じゃあ部屋で待ってるよ… ふぁ…」スタスタ

照「うん…」スタスタ

~ 咲の部屋 ~






咲「うぅ… やっぱり私のベッドは狭いなぁ…」

照「咲がこっちに来てから急ごしらえで買ったやつだからしょうがないだろう」

咲「そうだね… それにしても…」タメイキ

照「うん?」

咲「お父さんとお母さんは、今頃どこで、何をしてるんだろうね?」

照「今日、連絡があったよ」

咲「本当!?」

照「ああ。今はリオ・デジャネイロで開かれてる南アメリカのチャンピオンシップに参加してるらしいよ」

咲「あははお母さんらしいね」

照「うん、今は準決勝らしい」

咲「ふふ、お母さん負けちゃえばいいのに」

照「どうして?」



咲「だって、いっつも勝ってばっかりじゃ、きっとつまらなくなっちゃうよ?」

照「そう、だな…」

咲「うん!」

照「…」

咲「…」

照「咲」

咲「えへへ、なに?」

照「目を閉じなきゃ眠れないぞ」

咲「お姉ちゃんだってそうだよ?」

照「む…」









咲「ねぇ、お姉ちゃん」

照「なんだ?」

        ∧_∧
        (´・ω・`)  ちょっと書きためしてくる
       __〃`ヽ 〈_
   γ´⌒´--ヾvーヽ⌒ヽ

  /⌒  ィ    `i´  ); `ヽ
  /    ノ^ 、___¥__人  |
 ̄!  ,,,ノ爻\_ _人 ノr; ̄ ̄ ̄````"""''‐-、、

 (   <_ \ヘ、,, __,+、__rノ}            `ヽ
  ヽ_  \ )ゝ、__,+、_ア:}             ノ
___ヽ、___ ヽ.=┬─┬〈______,,,,,,...,,-‐''

      〈J .〉、|   |, |ヽ-´

咲「お姉ちゃんは、その… 麻雀部の人たちとはそういうことはなかったの?」

照「そういうことっていうのはどういうことだ?」

咲「好き合ったりするとか、ね?」

照「私が恋人の関係になったのはいずれも麻雀部の者だぞ?」

咲「そうなんだ」

照「うん。でも」

咲「?」

照「最後の大会のメンバーは、本当の意味で、私のことを理解してくれていた気がしたよ」

咲「うん」

照「私の中で、そういった関係に対する価値観を理解してくれていた。勿論、お前のことも、ね?」

咲「うん…」

照「あいつらは… きっと私にとって生涯忘れられない仲間になるんだと思う。私も、それだけ彼女らを理解したつもりだよ」

咲「ふふ、よかった」

照「うん?」

咲「お姉ちゃんってば、なんか頑固で偏屈な所あるから、そういう人が出来るか心配だったんだ」

照「それは、まぁ、そうだな。でも咲が心配することじゃない」

咲「どうして?」

照「それじゃあ、まるで私が咲に保護されているみたいだ」

咲「ふふ、それでもいいよ? 私はいつでもお姉ちゃんのことが心配だし」

照「それはなんというか、姉としての矜持が…」グヌヌ…

咲「ご飯作れないでしょ?」

照「む…」

咲「」クスクス

照「でも」




照「こうやって咲を抱きしめることは出来るよ」ギュッ

咲「あっ…」

照「そして、これが今の私にとって、私であるべきために大事なことだ…」ギュー

咲「うん… ありがとう、お姉ちゃん」

照「もう寝る?」

咲「そうだね」

照「あ、でもちょっと待って…」

咲「うん…?」




照「お休みのキスを忘れてる」

咲「んっ…」チュッ

照「んっ… ふ… 」クチュクチュ

咲「……」クチュクチュ

照「……」クチュクチュペロ



咲「…… ふぅ、えへへ、今日はわたしからしちゃったよ」

照「不意を突かれた… でも、気持ちよかったよ」チュッ

咲「ん… お休み、お姉ちゃん…」

照「お休み… 咲…」

~ ある日の夜 ~





照「ごめん… 君とこういったことは出来ない」

後輩「こういったことって… チューするのもダメなんですか?」

照「うん、そういうことじゃないと表せない愛情もあるのは分かってるけど、私の今の気持ちじゃあなたにそういう気持ちを抱くことは出来ないよ」

後輩「うぅ… もう、もういいです!」

照「うん?」

後輩「どうせ、また咲ちゃんが~って言って帰るんでしょう?」

照「咲は今日原村さんとデートに…」




後輩「宮永先輩の……… 宮永先輩のシスコン!」スパァン!

~ 宮永家 ~





咲「で? またフラれたの?」グツグツコトコト

照「どうやらそうらしい」ヒリヒリ

咲「ん、美味しく出来てる!」アジミ

照うん、それは楽しみだ「





咲「それよりお姉ちゃん」

照「なんだ?」

咲「いつか刺されちゃうよ?」

照「今日のは凄く痛かった……」ヒリヒリ

咲「まったく……」

照「というか、咲も人のことは言えないだろう?」

咲「う…?」

照「遂に原村さんが愛想を尽かしたらしいな」

咲「うぅ… そのことを言わないでよ…」

照「なんでもインハイの決勝で出会った幼馴染みとヨリを戻したとか」

咲「えぇ!? それは初耳だよ!」




照「まぁ適当言っただけなんだが」

咲「もう! お姉ちゃん今日ご飯抜きね!」

照「すみませんでしたサキサン」

咲「ふふ、よろしい!」

照「もぅ… でも原村さんとケンカしたんだろう? 大丈夫なのか?」

咲「うぅ…」

咲「分からないよ… でも、きっと、お互い譲れないものがあるんだ」

照「?」

咲「分かんない… ねぇ、お姉ちゃん?」

照「うん?」



咲「デートのたびに、お姉ちゃんの為にお家に帰っちゃうのはいけないことなのかな……?」ウルウル

照「咲……」ヨシヨシ

咲「だって、そんなのしょうがないじゃない!」

照「うん……」

咲「だってお姉ちゃん私がいなかったら本当にお昼何も食べないし!」

照「うっ……」

咲「そんなことをお姉ちゃんにさせてたら妹失格だと思うんだよ!」

照「そう、なのかな…?」

咲「そうだよ! いつかお姉ちゃんが大学にお弁当忘れて行った時はひどかったよ!」

照「あの時は… 何もやる気が起こらなくて… 広場でぼーっとしてたっけ…」

咲「菫さんが私に電話してくれたからいいけど! そうじゃなかったら、おねえちゃん…… おね、ちゃん…」ウルウル

照「ごめん、咲。心配かけて、ごめんね?」





咲「…ヒック… う、ん…… 私もいきなり泣いちゃって、ごめんね?」

照「私がもっとしっかりしないといけないんだよね…?」

咲「うん… そうしてくれると、妹としてはとても助かります」グスッ

照「咲と再会するまではこんなことはなかったんだけど…」

咲「うん…」

照「咲の… 妹の温かみを知ってしまうと、なんだかダメになってしまうんだ」ギュッ

咲「お姉ちゃん……」ギュー

~ 大学卒業後 ~





照「咲、私はドイツに渡ろうと思う」

咲「えぇ!? 急だね!?」

照「うん、大学4年間で気づいたこと、自分がやらなくちゃいけないことが分かったから」

和「私も照さんと一緒に向かわせていただきます!」

咲「和ちゃんも!?」

照「和は大学での優秀な成績が認められて私とともにドイツの研究所に入ることを奨励されたんだ」

和「私も… 咲さんの、いや私のために、学びたいことがあります!」

咲「そ、そうなんだ…」

~その後~


咲は照の海外渡航費を南浦さんの祖父から紹介してもらったヤクザの代打ち稼業で賄い、

照はドイツで4年間和とともに研究し、遂に姉妹で子供が作れるようになる技術を生み出しました。

和は同性婚や姉妹婚の正当性を訴えてIPS党を結成、内閣総理大臣にまで上り詰め、見事に結婚自由化の公約を成し遂げました。

咲は照の生み出した莫大な富を組に譲ることで組を抜け出し、照とともに幸せな家庭を作りました。

照はプロ雀士となり、咲は専業主婦としてお互いを支え合ったり昼ドラ的があったりしたようです。

紆余曲折ありながらも、二人は幸せな人生を送ったそうです。



~ 槓 ~

                    ∩00  ∩         │ やられた……
                 ⊂ニニ ⊃ ⊂ ニ )-- 、       |   キンクリだ……!
                   ,. ---ゝ )   | レ'/⌒ヽヽ     |
                    ( (´ ̄ ̄   / /     ノ.ノ ○ O│ 宮永姉妹の背徳ラブラブを
                 ヾニニ⊃ ,`'∪ ⊂ニ-‐' ` z.  |    書こうとスレ立てしたのに
       _   _         /  yWV∨∨VVv` │
       >  `´  <        |  i' -== u ==ゝ.   |  このフロアーの誰かが……
.     /     M   ミ       |r 、| , =   =、 !   | キンクリをしかけた……!
     l  ,ィ卅ノ uゞト、.ゝ      |!.6||v ー-゚ l   l゚-‐' |  ` ー──────────y─
      |  |「((_・)ニ(・_))!      |ヽ」!  u' L___」 v |   ,'       // イノ  \ ヽ  ゝ
     |(6|! v L_.」 u リ      | /l.  ,.-─--‐-、 |   /      /`/ィ'__> u /∠ヽ! .!
   /| ,イ )⊂ニ⊃( !\     | / l  ー-─‐-‐' ! /     /⌒y' ==== _  ,'== レ、 !
.-‐''7  |/  `ー-、ニ,.-イ  ト.、  /l/   ヽ.   =   /ト7    l.{ヾ!,'  `ー-°' ゙゙ 〈ー°.y/ i
  /  |         |. ⊥ -‐'1_|\   ` ー--‐ ' ノ /      ヽ,リ   u u  r __ ヽ. ,'/ !
    ∩00  ∩   ,イ´     l__l  \     /_,. '-‐''7!     ト、   v  ___ーY1  |
 ⊂ニニ ⊃ ⊂ ニ )-- 、     ヽ、,ゝ、 _,,.ゝ-‐'''"´     /.!     !. \.   └-----' / |\.|
  ,. ---ゝ )   | レ'/⌒ヽヽ     ヽ/ヽ          /, ! i    |   \.    ー /  |.  \
. ( (´ ̄ ̄   / /     ノ.ノ ○ ○ /   l         / 1|! l  |     \    ,イ   !
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