白望「勉強とか…ダル…」(112)
シロ母「ちょっと白望!何なのこの成績は!」
白望「ダル…インハイ終わったばっかりなんだからちょっとぐらいいいじゃん…」
白望(勉強する気おきないな…そうだ、胡桃と遊ぼう)ピッピッ
プルルルルルル
白望「胡桃…ヒマ…」
胡桃『シロ?悪いけど今日これから塾だから!また今度ね!』
白望「えっ…塾…?」
胡桃『もうすぐ受験なんだからシロもそろそろ本気で勉強しないと危ないよ!それじゃ!』ガチャッ
白望「あっちょっ…」ツー…ツー
白望(胡桃が…塾…?)
白望(何で急にそんな……まだ夏休みなのに…)
白望「……いいや、それなら塞と遊ぼう」プルルルルル
塞『何よシロ、暇なの?』
白望「うん暇…」
塞『しょうがないわねー、それじゃいつもの駅前で集まりましょ』
白望(塞はいつもどおり…やっぱり胡桃が焦ってるだけだったんだ…)ホッ
-駅前-
塞「遅いよシロ!」
白望「ダル…」
キョウドコイク? サエガキメテ…
ヨンデオイテ!?
ダル…
・ ・ ・
・ ・
・
-新学期-
豊音「みんなーちょーひさしぶりだよー!」
胡桃「先週会ったばっかりでしょ!」
豊音「だって今までは部活で毎日会ってたから…」
塞「確かにあの頃と比べたらあんまり会わなくなったわねー」
白望「クラスが違うからしょうがない…」
エイスリン「シロ!授業ハジマル!教室モドル!」
白望「ダル…」
先生「えー、ここがこうなるため2項分布がー……」
白望(あれ…全然分からない…)
白望(まあいいや…後で塞に聞いてみよう…)
先生「そしてこれがこうなり―――」
・ ・ ・
・ ・
・
-部室-
白望(…授業中はああ思ったけどまだ受験まで半年弱あるんだし)
白望(後で自分で復習すればいいや…ダルいし…)
塞「そういや来週は実力テストだね。シロちゃんと勉強してる?」
白望「ぼちぼちかな…」
塞「あはは、シロでもやっぱりこの時期はちゃんと勉強するんだ。安心したよ」
白望「……」
白望(塞までこんなこと言うなんて、みんな焦りすぎ…)
白望(高校受験だって直前に頑張ればなんとかなったしなあ…大学受験もそれでいけるって…)
白望(ダル…)
先生「この間の実力テストを返すぞー」
先生「臼沢は相変わらずやるな。その調子でいけば志望校も楽勝だろ」
塞「あはは…だといいんですけどね」
白望(流石塞だな…まあでも私も平均点は取れてるはず…)
先生「小瀬川、お前大分成績下がってるぞ。このままじゃ志望校も変えないとまずいんじゃないか」
白望「えっ…」
白望(そんな…平均点より20点も下…?得意科目の国語まで平均レベルなんて…)
白望(どうしよう…このままじゃみんなと同じ大学に行けない…)
-放課後-
塞「あれ?胡桃、もう帰っちゃうの?」
胡桃「これから塾だから!それじゃまた明日!」
豊音「またねー!」
エイスリン「イッテラッシャイ!」
白望「……」
白望(塾…塾か……やっぱりそれしか…)
白望「…ダル」
塞(………?)
白望「…お母さん、私塾行きたい」
シロ母「なぁに?塾?」
白望「うん…この間の実力テストの結果が思ったより悪くて…胡桃も行ってるし…それで…」
シロ母「…あんた高校受験のときもそういって冬期講習受けたけど結局ほとんどサボったじゃない」
白望「…っ、そ、それは…」
シロ母「どうせ今回も満足に行きやしないでしょ。お金の無駄だからやめときなさい」
白望「あ…」
-数日後-
白望(どうしよう…)
塞「シロ…最近どうしたの?」
エイスリン「シロ!元気ダス!」
白望「…なんでもない」
塞「なんでもないってこたないでしょうに――」
白望「なんでもない!!!」バン!
エイスリン「ヒッ!?」
塞「シ、シロ?」
白望「…っ、あ…」
白望「…ごめん、しばらく一人にして」
胡桃「あんなシロはじめてみたよ…」
豊音「ちょーこわかったよー」
エイスリン「シロ……」
塞「………」
白望(自分ひとりで勉強しようとしたけど全然分からない…)
白望(みんなも受験生なんだから教えてもらうのにも限界がある…)
白望(塾にも行かせてもらえないし…)
白望「……みんなと同じ大学、行きたいな」
塞「やっぱり勉強のことで悩んでたのね」
白望「! 塞…!?」グシ
塞「悩んでるんなら相談してくれたらいいのに」
白望「塞…」
白望「………」
白望「……塞には分からないよ、勉強のできる塞には」
塞「…分かるよ」
白望「そんなこと――」
塞「これ、私の1年の頃の成績」ペイッ
白望「え、でもこれ…」
塞「酷いでしょ?」
白望「え、えっと…」
塞「気なんて使わなくていいわよ。自覚してるし」
白望「…塞はここからどうやってあんなに勉強できるようになったの?」
塞「…それはね」
塞「進研ゼミよ」
白望「進研…ゼミ…?」
白望「小学生の頃見たことあるあれのこと…?あれっていわゆる小中学生のお受験用なんじゃ…」
塞「と、思うじゃん?今テキスト持ってきてるんだけど、ほら、見てみ」
白望「ダル……」
白望「っ!?これは…っ」
白望「1回分1時間なのに充実した問題…」
塞「他にもこの『ニガテ克服シリーズ』ってのもあるわよ」
白望「これは……っ」
白望(英文法に三角関数…どれも私がニガテな分野ばっかりだ)
白望(これをピンポイントで対策できるなんて…)
塞「あとこれはオマケだけど友人紹介キャンペーンでなんか図書券とかもらえるみたい」
白望「へえ…」
塞「どう?今からでも始めてみない?」
白望「…ちょいタンマ」
塞「あはは、麻雀じゃなくてもそれあるんだ」
白望「……」
白望「ちょっと考えてみる」
塞「ん、そうしな」
タダイマ…
白望(…晩成ゼミか)
白望「…お母さん」
シロ母「何?今晩御飯の準備で忙しいんだけど」
白望「…大事な話」
シロ母「…なに?」
白望「お母さん、私晩成ゼミやりたい」
シロ母「晩成ゼミ?そんなのより参考書のほうがいいんじゃないの?」
白望「そんなことない…参考書だと範囲が広すぎて私のニガテなところの対策がうまくできないし」
白望「…お母さん」
シロ母「でも高いんじゃ…あら、一教科でこの値段?意外と安いじゃない」
白望「……」ジッ
シロ母「…分かったわ、やってみなさい。 でもサボったりしたらすぐ契約解除するからね」
白望「ダr……ちゃんとやる」
ピーンポーン タクハイビンデース
白望「ついに来た…晩成ゼミ…」
シロ母「頑張りなさいね」
白望「…うん」
白望「…よし、やろう」
カリカリ…カリ…
白望「…!これは…!」
白望(…今までは受験まで時間がないからって焦って満遍なく勉強しようとしてて)カリカリ
白望(いつも途中で分からなくなって投げ出してた。でもこの『ニガテ克服シリーズ』なら…!)カリカリ
スラスラ
白望(――解ける!今までどうして解けなかったのかの原因、『ニガテのもと』がどんどん明らかになってく…!)
白望(いまいち自信の持てない問題も――)バッ
白望(この詳しい解説付きの解答を見れば完全に理解できる!)
豊音ちゃんのワンポイントチェック☆
. /:::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::/::::::::/::ィ::::::::::::::::::::::ヽ:::::::.
わ 対 ′:::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::/::::/:::::/ |:::::::::::::::::::::::::ハ::::::::.
か 策 i :::::::::::::::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::{:::/_|:/ .|::::::::::::::::::::::::::::::::::::::i
ら .の | ::::::::::::::::::::::::::::::{:::::::::::::::::::∧{ レ ≧{:i:::::::::::::/}::::::::::}::::::::|
な 仕 ′:::::::::::::::::/`:::::::\:::::::::: / ,斗f气ト、 ヽ:::::::::::'-、:::::::/:::::::::
い 方 ′.::::::::::::::::{ /}::::::::::ヽ:::::::{ _{{ .んJハ` 乂::::::レ':::::::::::::/}:/
よ が /::::::::::::::::::::八ゝ j::::::::::::::ハ::::| `ヾVン >、:::::::::::/.〃 先輩たちの多くが総復習のときに
l ./::::::::::::::::::::::::::::>i::::::i::::::::::: 八 (ソ:::::<リ / 『ニガテ』にあたって
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::l::::::|:::::へ::::::::ヽ V }:|イ つまづいてるんだー
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/:::::j ヽ:::l:::::.. ィ′从:! その割合は84%まで
. /::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::::/::::::/\ }::l::::::} _ _ /´ ノ:ハ::| いくんだって
/7::/}::::::::::::::::::::::::::::/:::::/::::::/ ヽj:::l::::リ ⌒~ ` ' , :::/ ::| ちょーこわいよー
./://::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/\ ノ:/:::::ト /- '" /:/
白望(これでニガテな英語と数学の成績を上げて…みんなと同じ大学に行くんだ―――)
・ ・ ・
・ ・
・
-部室-
胡桃「じゃ、私は塾行って来るね!」
塞「いってらー」
豊音「私たちも勉強するよー」
白望「ダル…いけど頑張る…」ゴソゴソ
エイスリン「シロガガンバル…!?」
塞「あ、やっぱりシロもはじめたんだ」
白望「うん」
豊音「?それってひょっとして晩成ゼミ?」
白望「豊音も知ってるの…?」
豊音「知ってるも何も小学生のころからずっとやってるよー!今でも付録の目覚まし時計使ってるんだー」
白望「付録…?」
豊音「オハヨー!サア、アサダヨー!オキテ!オキテー!ってやつだよー」
白望「こないだ始めたばっかりだから分かんない…」
豊音「そっかー…」ショボン
塞「さ、雑談はそれぐらいにして始めるわよ」
豊音「おー!」
白望「あれ?塞のと内容が違う…」
塞「あー、これね。 これはニガテの度合いによって内容が違うのよ」
塞「私の場合英語は大丈夫だけど漢文がニガテだからそっちが重点的になってるの ほら、カリキュラムも違うでしょ?」
白望「そこまでしてくれるんだ…」
豊音ちゃんのワンポイントチェック☆
__
...-...::::::::::::::::......、
/:::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
...:::::::::::::!::::::::::::::::::::::::::::::::::',
. /::::::::::::::/ :::::::::::|ヽ:::::::::::::::::::::,
'::::::斗‐/- |::::::::::',―ト:::::::::::::::}
{:::::::::::::/ ,::::::::::::', l:::::::::::::::::! ニガテの度合いに応じたテキストを
!:::::::::=== ヽ::::::::::,==::::::::::::! 選べるんだよー
l::::::,' \::::::'., l::::::::::::::! これで「ちょっとニガテ」だったり
. l:::从 l´ ̄ }\:::ヽ、:::::::::| 「ちょーニガテ」だったりしても
!::::::::>-....ゝ -'_ ヽ;ヽ::!:::::! 安心だねー
/:::::::::_:_:_:_/´ 爪 〉:::ヽ:::)):l:::::::',
/:::::::::/::..::/:::! V.イ丶::::!〃:|::::::::∨
./::/::,'::,,::〈::::::!〃ヾ|:::::〉:::!::::::!:::::::::::∨
塞「ん――今日は頑張ったしこれぐらいにして帰ろっか」
エイスリン「ソウスル…」フラフラ
豊音「また明日だよー…」プスプス
塞「今日は疲れたねー」
白望「ダルい…」
塞「そういえば友人紹介キャンペーンの景品何にした?私は図書券にしたけど」
白望「……アイス券にした」
塞「え?シロってそんなに甘い物好きだったっけ?」
白望「………て」
塞「…?」
白望「……塞と、一緒に食べに行こうとおもって」
塞「なっ…」
白望「…」
塞「も、もうシロってば!」//// バシバシ
白望「ちょ、塞、痛い…」
・ ・ ・
・ ・
・
-数週間後-
先生「この間の試験の結果を返すぞー」
先生「小瀬川!最近頑張ってるな!この調子で頑張れよ!」
白望(…!上がってる!得意の国語も、ニガテな英語も全部…!)
白望「」バッ
塞「」ニッ
白望(よかった…)
白望(晩成ゼミを始めてよかった…!)
-部室-
白望「…?今日も胡桃いないの?」
塞「塾が忙しいんだってさ…」
白望「そっか…」
豊音「寂しいよー…」
エイスリン「ウン…」
・ ・ ・
・ ・
・
塞「それじゃ、また明日ね」
白望「うん」
白望(今日も頑張ったな…)
白望(ん?公園に誰かいる?ってあれは―――)
胡桃「…」キィ… キィ…
白望「何してるの」ピトッ
胡桃「あっつい!?ななな何!?ってシロ!?」
白望「落ち着いて。はい、コーヒー」
胡桃「それやっていいのアイスだけだから!ホットコーヒーでやらないでよ!」
白望「―――そっか、塾の講義が…」
胡桃「最近付いていけなくて…」
白望「………」
胡桃「………」
白望「…胡桃」ヒョイッ
胡桃「わっちょっ急に何!?」
白望「」ポフン
胡桃「あっ…」
白望「……充電」
胡桃「…もう」
胡桃「…」
白望「…」
胡桃「…シロ」
白望「ん」
胡桃「…ありがとね」
白望「…ん」
白望「…胡桃も晩成ゼミ始めてみたらいいんじゃないかな」
胡桃「晩成ゼミ?」
白望「うん、私も塞も豊音もやってるし」
胡桃「えっ」
白望「?」
胡桃「き、聞いてないよそれ!何で教えてくれないの!」
白望「塾に行ってて部室来ないから…」
胡桃「そういうのはちゃんと教えてくれないと!」プンプン
白望「ダル…」
――こうして胡桃も晩成ゼミを始め、
みんなで受験勉強を進めていくことになった
塞「このセンター演習パックっていうのがさ――」
白望「この有料オプション教材みんなでまわしっこしない…?」
胡桃「ちゃんと買う!そこ!」
豊音「地理難しいよー…」
――勉強
塞「ロン!6400!」
胡桃(久しぶり過ぎて勘が戻らない…!)
エイスリン「ダブルリーチ!」
豊音「追っかけるけどー!」
――部活
白望「塞はいつも私を支えてくれて…」
白望「私は塞がいないと駄目…だと思う」ギュッ
塞「シロ…」
白望「だから―――」
――そして恋愛に
―そして
そしてそして―――
白望(6400…6400…)
白望「…!」
6389 6390 6398 6399 6400 6402 ……
白望「あった…!」
塞「やったよシロ!私もあったよ!!」ギュー
胡桃「そこいちゃいちゃしない!私も受かったけど!」
豊音「やったよエイスリンさーん!私も合格だよー!」ピョンピョン
エイスリン「ゴーカク!」ピョンピョン
私たちはみんなで同じ大学に入ることができたんだ―――
さあ次は君の番だ!
今からニガテを克服して総復習を完成させれば
4月からの大学合格に向けて一気に伸びていける!
スタートを切るなら今だ!
カン!
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