兄「こんな妹は可愛い」(1000)

 
兄「……」ボー

TV「こんな○○は嫌だ!」ジャーン

ガヤガヤ

兄「あははは……こういう系のネタってシンプルだけど結構面白いよな」

ガチャ

妹「お兄ちゃーん、お風呂空いたから次入っていいよー」

兄「……分かったけど……あのなぁ、一応何回も言ってあると思うんだが人の部屋開ける時はノックの一つくらい……」

妹「あーそうだったね忘れてたー。ごめーん次から気をつけるー」スタスタ

兄「お、おい! 謝りながら立ち去るなよ! 誠意のかけらも感じないぞ!?」

妹「もー、ごめんってばー。でもお兄ちゃんもいきなり開けられて困るような事しないでしょ? ていうかしないでよー? 気まずいから」

兄「……ぐ、うぐぐ」チラッ


TV「ワハハハハッ」ドッ


兄「……こんな妹は可愛くないっ!」

妹「……は?」

 
兄「兄の部屋のドアをノックもせず開けちゃう」

妹「……え、え?」

兄「謝る時も誠意ある謝罪が出来ない」

妹「……お、大げさじゃない? なんか」

兄「むしろ俺の方に行動の自粛を投げかけてくる。俺の部屋で俺が何しようと勝手な筈なのに」

妹「う……ご、ごめん。ちょっと調子乗ってたよ……うん」

兄「……あと俺の買ってきたアイスとかたまに勝手に食う」

妹「うぇっ!? い、今このタイミングで言うのそれ!?」

兄「友達を家に呼ぶ時はやたら俺を出掛けさせようとする……」

妹「そ、それ気にしてたんだ……」

 
兄「こんな妹は……可愛くないっ」

妹「わ、分かった……お兄ちゃんの言い分は分かったよ……まさかいきなりまくし立てられるとは思わなかったけど」

兄「……」

妹「ああー……まぁ、アレだ。とりあえず今言われた事は気をつけるよ。いや本当に。あと他に嫌な事があったらそれも言ってくれれば直すし」

兄「特に……」

妹「そう? じゃあもうこの話はおしまいね。あ、この間のアイスはちゃんと買っておくから……じゃ、おやすみー」

兄「え、あ、ちょ……」



兄「……こんな兄妹関係は……えと……面白くないっ!」

妹「ええーっ!? まだ続くのぉ!?」

 
兄「関係が何か……希薄!」

妹「いや毎日顔合わせてるし希薄ってことはないと思うけど」

兄「そうだけど……兄妹って感じの関係じゃない!」

妹「何でよ? 私達かなり普通の兄妹関係築けてると思うけどなー」

兄「な、何か普通すぎるっていうか……適当っていうか……妹ってもっとお兄ちゃんにべたべたしてくるもんなんじゃねーの?」

妹「えー、こんなもんでしょー? むしろ友達の話とか聞いてると私達仲良し兄妹の方だと思うけど」

兄「こ、これで!? これで仲良しなのか俺達!」

妹「い、いや仲良しっていうか……だから、普通の兄妹関係だよ! 多分」

兄「……」ジー

妹「な、何?」

兄「こんな妹は可愛くない……」ボソッ

妹「」ムカッ

 
妹「さっきから可愛くない可愛くないって……ちょっと失礼じゃない!?」

兄「だって可愛くねーんだもん」

妹「じゃあお兄ちゃんにとって可愛い妹ってのはどんななのよ?」

兄「そりゃ勿論……えーと」

妹「ほら、すぐに出てこないんじゃない」

兄「ぐ……そうやって痛いところをついてこない妹は可愛いかな」

妹「何それ!? 要するに自分にとって都合のいい妹が可愛いって訳!?」

兄「あ、いや……そういう訳じゃ……」

 
妹「はぁ……じゃもういいよ。私みたいな可愛くない妹と喋ってても不快なだけだよね。私もう行くね」

兄「い、妹……悪い、俺も調子に乗ってた……」

妹「知らない」

バタンッ


兄「しまった……怒らせるつもりじゃなかったのに……むしろ俺が妹に一喝入れるターンだった筈なのに……」

兄「い、妹に嫌われた……確実に……」ガクッ
 

 


兄の部屋―

兄「ああああー何で喧嘩になっちゃったんだあああーいや俺が余計な事言っちゃったからなんだけどさああああー」ゴロゴロゴロ

兄「……けどさ、けどさ、やっぱ妹にも非はあると思うんだよ」

兄「アイツはたまにウザい事もしてくるけど、基本的にはいい奴なんだよ。それは分かってる」

兄「けど、何か冷めてるっていうか適当っていうか……俺の事なんてどうでもいいと思ってるっぽいんだよ」

兄「それってやっぱ“可愛くない”よなぁ」


『じゃあお兄ちゃんにとって可愛い妹ってのはどんななのよ?』


兄「可愛い妹か……確かにいざ聞かれるとちょっと答えに詰まっちゃうなー」

兄「……そうだ」

 

兄「最近パラパラ漫画流行中のあの芸人っぽく、イラストも交えて色々考えてみるか!」

兄「お、今適当に思いついただけだけど何か楽しそう! よし、やってみよう」


兄「えーと、書くものと、スケッチブック……スケッチブック……」

兄「……よく考えたら俺スケッチブックとか持ってなくね……」

兄「…………あーあ、何だよ企画倒れかよー! しらけるわー」ゴロン

ゴンッ!

兄「イタッ!? 本棚に頭ぶつけたっ!?」

バサバサバサッ

男「ギャー! 本の雪崩があああー!」

言われるまで気付かなかった
>>20
男「ギャー! 本の雪崩があああー!」

兄「ギャー! 本の雪崩があああー!」

 


兄「いててて……今日は厄日だなマジで……ってあれ」


兄「おおっ! 本の山の中にスケッチブックが! 俺ってばちゃんと持ってたんだなー!」

兄「結構立派な感じだし、ページも相当多い……中は未使用か……」

兄「ここの片づけは……まぁ後でやるとして……よし、では早速!」

ペラッ


兄「こんな妹は可愛い!」

 

兄「えっとー……とりあえずはやっぱり今のアイツに絶対ない面だよな……といえば」

兄「甘える……そう、アイツは小さい頃からあんな感じだったからな。兄である俺にほとんど甘えてきたことがない」

兄「やっぱさー、妹の鉄板と言えばお兄ちゃん大好きで、お兄ちゃんにべたべた甘えてくる娘だよなー!」

兄「という訳で……」カキカキ



兄「……できた! こんな妹は可愛い!」


スケッチブック『甘えん坊でお兄ちゃん大好き』


兄「……思った以上にそのまんまになってしまったな……」

兄「いやいや、別に誰かに見せる訳じゃないし? 俺一人の妄想ワールドなんだからこんなもんだろ、うん!」

 
兄「それにしても……我ながらイラストがなかなかいい感じに描けたな……」

兄「アイツがこのイラストみたいに甘えてきてくれたらなぁ……うはっ」

兄「テンション上がってきた……よし、どんどん行こう、どんどん!」




数時間後―

兄「ふあああぁあ……ありゃ、もうこんな時間かよ? やべー、妄想にハマり過ぎた……」

グチャーッ


兄「おーぅ……現実に帰ってきた早々散らかった本を見せつけられるとは……」

兄「まずはこれ片付けないと……はぁ」

 

パサッ

兄「あーあ、めんどー……さっきまで楽しく妄想してたのに、現実は冷たいぜ」

兄「……そう、だ……いくら妄想で逃避したって、現実で妹と喧嘩してしまったという事実は変わりはしないんだ……」

兄「くそ……始めはちょっとノックをしなかった事を注意したかっただけなんだ……なのに妹がやっぱり冷たいからムカついて……」

兄「思い切って普段の関係性に対する不満を色々口走ってしまった……ああ、思い切り過ぎたあああ」

兄「……あー……怒ってるよなー妹ー……あー……明日顔合わせづれー……」

兄「……朝なんかこなければいいのに」




チュンチュン



兄「ま、当然きますけどね! ……がくっ」

飯休憩
人がいないと気楽でいいぜと強がり

 


兄「ああ……このベッドから出たくないよー……今日は一日ここで過ごそうか」

コンコン

兄「ちっ……邪魔者……もとい母親が起こしにきやがったか……寝たふり寝たふり」



妹「……お兄ちゃん?」


兄「…………はっ? あ、あれ? い、いい、妹!?」

妹「うん……入っていい?」

兄「ええええええ!? そっちからきちゃうの!? 予想外!」

 
妹「ノックしたし……開けてもいい?」

兄「あ、うん、いいけど……しかしまだ心の準備が」

ガチャ


妹「……」

兄「う……」

兄(まさか妹の方から乗り込んでくるとは……! こりゃ相当怒ってるって事か!? 一体何を言われるんだろう……)

兄(まさか……絶交とか!? 嫌だ、それは嫌だぁ!)


兄「あ、あの、妹、昨日のはその……
妹「ごめんなさいお兄ちゃんっ!」



兄「……はい?」

  
妹「私、どうかしてたよ……“大好き”なお兄ちゃん相手に今まであんなそっけない態度取ってて……」

妹「お兄ちゃんが可愛くない妹だと思っても当たり前だよね……それなのに私ったら逆上しちゃって……本当ばか」


兄「…………ん? き、気のせいかな……何か今、ありえない単語が聞こえたような気が……」

妹「昨日のは全部私が悪かったの! だからお兄ちゃん……すいませんでしたっ!」ペコッ


兄「え……ええー……?」

兄(ど、どうなってんの? 何で妹が俺に謝ってんの? いや謝られた事くらいあるけど、でも昨日の感じからして……えー?)

 
兄(あ、あれ、罠? そ、そうか何かの罠だなこれ。コイツ昨日のが相当ムカついててただ怒るだけじゃなく俺を騙して何らかの復讐を考えてるに違いない)

兄(そうだそうに決まってる、そうじゃなきゃ……俺の事……だ、大好きだなんて……)

妹「……お兄ちゃん? やっぱりまだ怒ってる?」ウルッ

兄「えっあっいやっ! 怒ってないよ、全然! むしろ昨日のは俺が調子乗って言いすぎたのが悪いし、妹が謝る事じゃないよ!」

妹「……ほんと?」

兄「ああ! 本当だ……それより俺の方こそごめん! 気軽にお前の事可愛くないとか言っちゃって……」

兄「そんな事言われたら誰だって傷つくよな……考えなしすぎた……もう絶対言わないから!」

兄(これが罠だとしても関係無いか……どの道俺は謝るつもりだったんだし)

 

妹「……お、お兄ちゃん」プルプル

兄「……い、妹? ど、どうし……」



妹「大好きっ!!」ギュー



兄「…………っ!?!?!?!?」


妹「えへへぇ……お兄ちゃんは優しいね……私の心配してくれるなんてっ」ギュー

兄「い、いもいもいもいも妹さんんっ!?」

兄(わーわざわざ抱きつきまでサービスしてくれるなんて随分手のこんだ罠だこと。ああ妹のいい匂いが俺の鼻を刺激して……)クラッ

ゴンッ!

男(あ……またまた本棚に頭がヒット……さっきより当たり所が悪いや、あはははははははは)バタッ

男「」チーン

妹「お、お兄ちゃん!? わーん、しっかりしてー!」

ほんとだ
我ながらワロタ
>>48
男のセリフ→兄のセリフです

 

兄「う、うーん……」

母「あ、起きた」

兄「母さん……おはよう」

母「はい、おはよう」

兄「あー……俺さ、今おかしな夢見てたよ」

母「へー、どんな?」

兄「なんか……妹が俺に抱きついて『大好き』とかいう夢……はは、あの妹がだぜ?」

母「それだったら多分夢じゃないよ」

兄「え?」

母「足元見てみ」チョイチョイ

兄「……」チラッ

妹「お兄ちゃん、お兄ちゃん……」ギュウウウ

兄「……これも夢か」

母「現実だよ、そろそろ起きろ」

食卓―

妹「えっへへ、お兄ちゃんと一緒に朝ご飯っ♪」

兄「これは一体どういう事だろうか」

母「私が聞こうと思ってた事を先に言われるとは」

母「っていうか本当に何も心当たりないの? 何で妹がアンタの事大好きになってんのよ。もはやアレ誰?」

兄「あんたの娘だよ。心当たりは……あるつもりだったけど……流石にここまでくると……」

兄(最初は俺を騙して何らかの復讐って線だと思ったけど……コイツがここまで演技をするとか……あるか? いやしかし……)

妹「はいっ、お兄ちゃんっ! あーんっ」

兄「……え!? きゅ、急にどうした!? サラダをこっちに向けて」

 
妹「私が食べさせてあげる! あーんして!」

兄「ええっ!? あ、あーんって……お前が……俺に!?」

妹「……嫌だった?」ウルッ

兄「いいい、嫌とかじゃないけど、いきなりは恥ずかしいっていうか、母さんの前だし……!」

母「あー大丈夫大丈夫。私すみっこの方向いてるから……ぷふぅぅっ!!」

兄「おい、今何で笑った!? あんた何面白がってんだ、おい!」

妹「お母さんは向こう向いてるよ。ほらお兄ちゃん、あーん」

兄「ぅぐっ……あ…………ああーん」

 

兄「」パクッ

妹「どう? 美味しい?」

兄「う、うん……美味いよ」

兄(何かもう味とかよく分かんねーよ! これ演技!? 演技なのか!?)



妹「あ、そうだ! お兄ちゃん、さっきの頭の傷はもう大丈夫なの!?」

兄「え? あ、ああ。ちょっとたんこぶになっただけだから心配ないよ」

妹「もし、ちょっとでも身体に異変を感じたらすぐに言ってね! 我慢はダメだよ!」

兄「あ、あはは。大袈裟だなぁ。心配無いって」

妹「心配だよぉ! さっきだってお兄ちゃんが気絶しちゃった時とってもとっても心配だったんだよ!? このままお兄ちゃんが起きなかったらどうしようって……」

妹「お兄ちゃんがいなくなっちゃったら私……私……うぅ」ポロポロ

兄「…………スミマセンデシタ」

 


 
兄の部屋―

兄「……判決が下りました」

兄「アレは演技じゃない! 流石に!」

兄「いくら妹でも俺を騙すために抱きついてきたり、あーんしてきたり、たんこぶ程度でボロボロ泣いたりしねーって!」

兄「アレが素だとすると……一体何故突然あんなに……何というか……可愛くなったんだ!?」

兄「もしかしてアイツ何か新手の精神寄生体にでもやられてるんじゃ……」


コンコン

妹「……おにいちゃーん」

兄「噂をすればまたまたやってこられましたよ……」

 
兄「ん……今度はどうした、妹よ?」

妹「えっとー……そのぉ……」

兄(何か歯切れが悪いな……)

兄「もしかして少し頼みづらい用事でもあるのか?」

妹「んーん……そういうのじゃなくて……」

兄「じゃあ何だ? 遠慮しないで何の用事か言ってみな」

妹「……用事が無いと来ちゃダメだった?」

兄「え?」

妹「別に何か頼みたいとか用事がある訳じゃないの……ただ、お兄ちゃんのそばにいたいなぁって思ったから来たんだけど……」モジモジ

妹「迷惑だったかなぁ?」

兄「」ズキューン

 
兄「め、め、迷惑なんて事ある訳ないぞ! た、ただ俺のそばにきても別に面白い事とか無いけど! だ、大丈夫か?」

妹「えへへ……お兄ちゃんだけいれば十分だよ」スタスタ

妹「横……座るね?」

兄「お、おうっ」

妹「……」

兄「……」ドキドキ

妹「……えへへ」スリスリ

兄「…………!!」

兄(ぬおおおおおおお!? 妹が……俺にすり寄ってきてるううううううう)

 
妹「お兄ちゃん……温かい」

兄「……っ……い、妹……わ、悪いんだけど……一個……聞いていいか?」

妹「なぁに?」

兄「どうしてお前急に……こ、こんな甘えてくるんだよ? あ、嫌って訳じゃないからな!? ただ昨日までと全然対応が違うのが気になって……」

妹「……どうしてだろ? 何かね、前は思わなかったんだけど、今はお兄ちゃんに甘えたくて甘えたくてしょうがないのっ」

妹「どうしてかっていうと……私もよく分かんないや。えへへ」

兄「そっかー分かんないかー、じゃあしょうがないなー。あはは」




兄(うん……もう理由とかどうでもいいや)

兄(妹はめちゃくちゃ可愛い! その事実だけあれば十分じゃありませんかぁ!)

 



夕食時―

妹「お兄ちゃん、はいっ、あーん!」

兄「ああーん」パクッ

妹「美味しい? お兄ちゃん」

兄「ああ! 妹に食べさせてもらうと、普段の平凡なご飯が豪華フルコースのディナーに感じられるよ!」

妹「もーっ、お兄ちゃんってばー……それじゃあ私にも食べさせてほしいなっ」

兄「お安い御用だよ……あーん」

妹「あーん……ん」アムッ

兄「美味いか?」

妹「うん、ほっぺが落ちちゃいそう!」

兄「あはははは」

母「笑ってないでさっさとご飯食えよ」

 
兄「あれ、いたの母さん?」

母「最初からいたよね。普段の平凡なご飯作ってるの私だもんね」

兄「あ、ごめんごめん。悪気があって言った訳じゃないんだけど」

母「それはもうどうでもいいけど……それよりアンタ適応するの早すぎでしょう。お母さんびっくりしちゃったよ」

兄「そりゃ……妹が俺に甘えてきてくれてるのに……兄である俺が恥ずかしがってたらみっともないだろ?」

母「今のアンタのしまりのない顔もかなりみっともないけど」

兄「言っとくけど、俺までどうかしちまった、と思ってるならそれは間違いだぜ? 俺は初めからこういうのもやぶさかではないと思ってたからね!」

母「あ、うん。そこは知ってたけど」

兄「え、マジで?」

 
母「だってアンタからは隠しきれないシスコン臭が常に漂ってたし。よかったね、堂々と妹とイチャイチャできて」

兄「……」ズーン


妹「お、お兄ちゃんお兄ちゃんっ」

兄「うぅ……何だい妹よ……」

妹「わ、私もね……ブラコンだよっ!」

兄「……へ?」

妹「シスコンとブラコンでお揃い……なんてっ、えへ」

兄(……妹ちゃんマジ天使)

 


その夜―


TV「ドーモー」ワーワー

妹「あっ、この芸人さん今ウチの学校で流行ってるんだよ! すごい面白いんだってー!」

兄「へぇ、そうなんだ」

TV「ナンデヤネンッ」ビシッ

妹「あははは、面白いねー」

兄「……ああ、そうだな」

兄(……ぶっちゃけTVがどうとか、どうでもいいです、はい)

兄(それよりも、兄妹で仲良く肩を並べ合って楽しく談笑しながらTVを見る、という……この昔から夢見ていたシチュを叶えられている感動がすごい……!)

 
妹「お兄ちゃん?」ジー

兄「な、何?」

兄(顔近いな!)アセッ

妹「何だか深刻そうな表情してたから……大丈夫かなって」

兄「ああうん、何でもないよ」

妹「そっかぁ」

兄「……」

妹「……」ジー

兄「……ど、どした?」

妹「……何でもないよっ」ニコー




兄(…………ぁぁぁぁああああああ何だコレ!? 幸せすぎるだろおおおおおお!!)

 

母「妹ー、お風呂沸いたから入りなさいよー」


妹「あっ、はーい」

妹「……」チラッ

兄「っ!」ドキッ

妹「私お風呂行かなきゃ……お兄ちゃんとずっと一緒にいたいけど……」

妹「流石にお風呂はね……色々恥ずかしいっていうか……」

兄「は……ははは……そ、そりゃそうだよー! いくら兄妹でもお互いこの歳で一緒にお風呂入るのは……なー?」

妹「え、えへへ……それじゃ急いで行ってくるから……ちょっとの間待っててねっ」

タタタタ..



兄「ふー……どうやら風呂まではべたべたしてこないようだな。ホッとしたような残念なようn……ホッとした! ホッとしたぞおおお」

 


兄「しかし……今日は朝からほとんど妹と一緒にいたな」

兄「幸せな一日だった……今日の妹は可愛過ぎだ」

兄「そう、まるで昨日妄想していた『こんな妹は可愛い』みたいな……」

兄「…………ん?」


兄「まさか……いやいや……そんな訳無い……うん、気のせいだ……」

兄「……まぁでも一応確認してみるか」



兄「昨日のスケッチブックは…………あった、コレだ」

兄「コレの一番最初のページ……」ペラッ

 

『甘えん坊でお兄ちゃん大好き』


兄「……一緒だ……今日の妹とまるっきり一緒」

兄「今のアイツのキャラを一言で表すなら正しくコレ……ぐ、偶然か?」

兄「このイラスト……妹が俺の腕にすり寄ってきてる絵……」

兄「コレと全く同じ行動をアイツもとった……」

兄「妹が実はコレを読んでて、その上でキャラを合わせて俺をからかってるとかは……」

兄「ない、な。可能性的にソレはない。演技って路線もさっきほぼ消滅したし……」

兄「残る可能性は……」

兄「……」ゴクッ

湯船の中での会話

妹「そういえば兄ちゃん毛生えてないよね?」
俺「なんだよ急に」
妹「別に~ でも前ちょっと生えてるところ見たことあるからどうしたのかなと思ってさ」
俺「覚えてないな」
妹「もしかして剃ってる?」
俺「な、、、いや、なんだか恥ずかしくってさ」
妹「ふーん、そうなんだw」
俺「そういうお前はどうなんだよ?」
妹「なにが?」
俺「毛だよ、まだ生えてないの?」
妹「ちょっとは、、、生えたよ」
俺「でも今ないじゃん」
妹「なんかなーと思って剃っちゃったw」
俺「お前もかよw」
妹「なんか兄ちゃんに見られるのやだなーと思って」

 
兄「正直こっちの考えも相当あり得ない……っていうかこっちの方があり得ないんだけど」

兄「あってるかどうか、簡単に確かめられる方法が一つある」

兄「それは……」


ペラッ





数十分後―

妹「……」スタスタスタ

兄「……」

妹「あっ、お風呂上がったから次入っていいよ――」


妹「――兄貴」


兄「…………っっ!!」

誤爆した、失礼

 
兄「あ、兄貴って言ったか? 今」

妹「言ったけど、それがどうかしたの?」

兄「いや……」

妹「……? 変な兄貴。まあいいや」スタスタスタ

兄「ちょ、ちょっと待ってくれ妹! まだ確かめさせてくれ!」

妹「確かめるって何を?」

兄「それは気にしなくていいから……それより……ちょっとこっちおいで?」

妹「は……はぁ!?」

 
妹「な、何で私がアンタの近くに行かなきゃいけないのよ! 冗談でしょ?」

兄「そうか、じゃあ俺がそっちに行こう」

妹「そ、そういう問題じゃないわよ! あ、アンタとのきょ、距離が近づくのが問題だって言ってんの!」

兄「どうして?」

妹「そ……そんなのアンタが気持ち悪いからに決まってるでしょ! ふんっ」

兄「そっか……仕方ないけど結構傷つくな……」ショボン

妹「あっ……」

即興で始めた事を後悔している俺がいる
体力的問題で

  
妹「で、でもまぁ! アンタが変な気を起こさないってんなら……少しくらい近寄ってあげても……いいけど?」

兄「……本当か!? ありがとう! 妹は優しいなぁ!」

妹「か、勘違いしないでよねっ! 私がこう言ってるのは気持ち悪いアンタに少しでも免疫をつけておこうと思っただけなんだからねっ!」

兄(ザ・テンプレ……)

兄「……どんな理由でも嬉しいよ……さぁ……近くに来て」

妹「う、うぅー……一体何だってのよー……」スタスタ



妹「……はい、来てやったわよ? これが何なの!?」

兄「やっぱりそうだ……」

妹「何?」

兄「妹って近くで見ると、より一層……可愛いな」

妹「……ひゃっ!?」ビクッ

 
妹「な、な、いきなり何言いだす訳!?」

兄「ごめん……けど、妹を見てたらどうしても我慢できなくて」

妹「あ、ああ、アンタねぇ、ちょっとは恥じらい、とか……」アタフタ

兄「ははっ、照れて焦る妹も……可愛い」ナデナデ

妹「ぅひゃぁあああぅぅ!?」

妹「にゃ、にゃに、勝手に……頭……撫でてんのよぉ……」

兄「ごめん、気持ち悪いよな……」

妹「ぅにゃ……そ……そうよ……いや……そうでもない……かも……知れない……わよ……?」ボソボソ

 
兄「でもっ!」ガシッ

妹「はぁあうう……! い、いきなり肩掴むのもやめてよぉ……」カアアア..

兄「胸の底から湧き続ける感情のせいで、自分で自分を制御出来ないんだ!」

妹「胸の底から……湧き続ける感情……?」




兄「妹が……可愛くて可愛くてしょうがなくて」

妹「はうっ!」ドキッ


兄「どんな宝物よりも大切に思えて」

妹「も、もう分かった……分かったからぁぁー……」ドキドキドキッ


兄「そして……世界中の誰よりも好きだという事だ」

妹「……………………きゅぅ」ボンッ

 

兄「お前は気持ち悪いって言うかも知れない……だけど」

妹「気持ち悪くなんかない……」

兄「……ん?」



妹「わひゃし……私も好き……!」

妹「兄貴が…………ううん、お兄ちゃんが、大、大、だーい好きなのぉ!」


ダキッ

兄「うおっと! 妹……でもさっきは俺の事……」

妹「ごめんなさぁい! 私、あんまりお兄ちゃんが近くにいるとドキドキして緊張しちゃって……だから、あんな嘘ついたのぉ」

妹「本当はお兄ちゃんぜぇんぜん気持ち悪くないもん! むしろ……はふぅ……気持ちいいもん……」スリスリ

バァァァァーーン       \(`・ω・´ )      /
 (`/ω・´)>       \(⊃⌒*⌒⊂)  /    (`・ω・´)/
  \   ヽ           \/__ノωヽ__)/      く\   ヽ
    >ωく          ∧∧∧∧∧          >ωく

                  < の モ チ>
───────────< 予  ミ ン>──────────
.                < 感 モ コ>

                 < !!! ミ  >
(`・ω・´)チンコモーミモミ!!!/∨∨∨∨∨\    (`・ω・´)
 \ヽ/ヽ         /          .\  く\   ヽ>
.  >ωく       . /   く(`・ω・´)>    .\  ノ ω  \
.           /    ..\(  ω )/     \

パンツが殉職した

 
妹「ごめんね……こんな素直じゃない私なんて……お兄ちゃん面倒臭いよね?」

兄「おいおい、さっきの俺の言葉聞いてたか? 俺は、お前が、世界中の誰より好きだ」

妹「はぅう……お兄ちゃん……私、嬉しすぎてどうにかなっちゃうよぉ……」

兄「……妹」


兄(…………いやそれこっちのセリフだからね)

兄(お前が可愛過ぎてどうにかなっちゃいそうなのは、こっちだからねえええええ!!)



妹「お兄ちゃぁん……」スッ

兄「い、妹……」スッ





母「おーい兄よ、早く風呂に入りなさい」
妹「うわあああああああああああああ!」ドーン

兄「ぼふっ!? 頭突き!?」

妹「お兄ちゃぁん……」ヌギッ パサ

兄「い、妹……」ジー ポロンッ

 
母「あれ? 二人して何やってんの?」

妹「こ、ここここ、コイツがっ! しゃっくり止まらないっていうから協力してあげてただけよっ!」

母「……そうなの? 随分過激な止め方ねー。兄悶絶してるけど」

妹「ふ、ふんっ! あ、あ、アイツにはこのやり方で十分なのよっ!」

母「何か妹今日は情緒不安定ね……まぁ何でもいいわ、要件は伝えたからねー」



兄「……」

妹「ぁ……その……私……ご……ごめんなさ……あう」

妹「わ、私ももう部屋に戻るわねっ!」ソソクサー



兄「……ぐふ」

ほっしゅっしゅっしゅ





・・・ふぅ

ほしゅ

 


兄「ふぅ……なんやかんやとあったが」

兄「これではっきり確信した」

兄「このスケッチブックの“力”……本物だ」

兄「このスケッチブックに描いた『妹象』は……現実の俺の妹に反映されるようになってる!」

兄「最初に描いた絵で『甘えん坊でお兄ちゃん大好き』になり、その絵をめくったら現れる二枚目の絵……」



兄「こんな妹は可愛い」

『ツンツンデレデレのギャップが凄い』


兄「……これにより妹は、風呂から出てきた瞬間俺が思い描いた通りの“可愛い妹”に変わった」

 
兄「二つの例を踏まえて分かってきた事がいくつかある」

兄「まず、妹に変化を要求するすべはこのスケッチブック一枚の中に“一言”と“イラスト”を載せるだけのアバウトなものだけど」

兄「それだけでしっかりと明確に、俺の望む可愛い妹になってくれた……つまりスケッチブックに勘違いって概念はない」

兄「それと……妹は現状二回の変化を遂げている訳だが、どうやら“前の状態”の記憶を失っている訳じゃないっぽい」

兄「だけど、変化する前の自分がした行動や言動は“気にしない”もしくは“気にならない”ようになっているようだ」

兄「まぁ妹が混乱を起こさない為にスケッチブックが用意した措置……なんだろうか。そく分からんけど」

兄「他にも分かった事はいくつかある……まぁそれは……ともかくとして……」

 
兄「ふ……ふふ……うふふふふっ!」

兄「……あははははははぁっ! もう冷静モードは終わりだー! ひゃっはー!」

兄「……やべぇ……これは……やべぇアイテムを手に入れちまったぞぉ!」

兄「このスケッチブックに俺が考えた“可愛い妹”を描けば……」

兄「アイツが……いつも適当に俺をあしらっていた俺の妹が……!」

兄「完全再現してくれる! うおおおおおおやべええええええ!」

兄「ああ一体どんな風に接してもらおうかなああ! 悩むううう」

兄「あーっ、しかも昨日の内に描いた分のストックもまだあるんだったぁー……いやぁ参っちゃうなああああ」

兄「うへ……うへへ……うへへへっ」

妹が欲しかった。姉ちゃんいらない交換してくれ

 



次の日―

母「おーい、起きろ兄ー。今日は休みじゃないぞー……って」

兄「おはよう母さん」キリッ

母「あら珍しい。アンタがこんな時間にもう準備万端だなんて」

兄「ふっ、まぁたまにはね」

兄(アレが楽しみすぎてうかうか寝てられないよ!)

母「ん、じゃあすぐ下おりておいで。ご飯も出来てるし。妹ももういるよ」

兄「」ピクッ

兄「妹の様子はどう?」

母「今日は……やけに大人しいというか……おどおどしてたね」

兄「ふーん……そっか」ニヤ

>>236
姉妹に上下挟まれてる俺からすると
どっちもクソ

 

 
とうこうちゅう―

妹「あー、今日も寒いねお兄ちゃん」ハー

兄「……ん、ああ、そうだな」

妹「……どうしたのお兄ちゃん? 何だかそわそわしてるみたいだけど」

兄「え、そうか? そんな事ないと思うけど……あーっ、今日も寒いな妹!」

妹「それ今私が言ったよー!」

兄「あれ、そうだったっけ? ごめんごめん」

妹「ふふふっ、変なお兄ちゃん」

ザッザッザッ

妹「……ん?」


友「――ういーっす! 男、妹ちゃん、おはよーさん」


兄「……!」キラーン

 
兄「おう、おはよう友! 今日はいい天気だなー!」

友「何かお前急にご機嫌だな……ねぇ妹ちゃん、こいつ何かあった……」


妹「……っ!」ヒョコッ


友「い、妹ちゃん……? それ何かの遊び? 急に兄の体に隠れたりして……」

妹「お、おはおは、おはようございますっ……友さん……」

友「え……お、おはよう……どうしたの? 大丈夫?」スッ

妹「ぁ……ご、ごめんなさいごめんなさい!」

友「ええええ? あ、兄、俺何かしちゃったのかな?」オロオロ

 
兄「さぁ……お前のごつい顔が妹をびびらせたんじゃね?」

友「ばかやろっ。普段から見慣れてる顔にいきなりびびるかっ。ねぇ妹ちゃん?」

妹「……ご、ごめんなさいー……」

友「あ、謝られたー!?」ガーン


友「あ、兄……悪い……俺はここにいたらどうやら危ないようなので……先に……行くな……」

兄「お、おう」

友「……」フラフラ




兄「悲しい背中を揺らしながら……行ったか」

妹「お兄ちゃーん! 緊張したよおおおお!」ギュウウウ

兄「ぐえっ」

PC重すぎ笑えない遅筆に磨きがかかる
それより可愛い妹の属性他に何かありますか

 

兄「ほんっとお前はしょうがないなー」

妹「ごめんね……だけどどうしても人前だと緊張して……全然喋れなくなっちゃうの……」

妹「友さんが良い人だって事は分かってるんだよ? 分かってるんだけどおおお」ギュウウウ

兄「よしよし、分かった分かった。段々慣れていこう、な?」

妹「うん……へへ、私が緊張しないでいられるのはお兄ちゃんだけだ……」

妹「世界にいるのが私とお兄ちゃんだけだったら楽なのになぁ……ふふっ、言いすぎかっ」

兄(……か)

兄(かわえええええ)





兄「こんな妹は可愛い」

『とっても人見知り(兄以外)』

 

兄(しかしこれは……可愛いが、ちょっと人見知りの度合いが強すぎるからな。何せ母親に人見知りしてるレベルだし)

兄(一応思惑通り友に狙いをつけて実験したが……このまま学校行くのは妹の人間関係に支障が出る)

兄(ここからはモード変えといた方がいいな)

兄(それにしても……友には悪い事したな。あの背中見たら罪悪感湧いたわ)


妹「……?」キョトン

兄「……」ヨシヨシ

妹「……♪」

何かあんまピンと来る属性が思いつかないし
書きたいとこ以外はダイジェスト的でいいかな

 



それから数日後―

兄「ただいまー」

シーン

兄「……あれ? 誰もいないのか?」

兄「でも靴はある……見慣れないデザインと一緒に」

兄「あー今妹友達呼んでんのか」



兄「挨拶したらまずいかな……」

兄「いや、今なら大丈夫だろ、うん!」

とりあえずパンツ履き替えてきた

 

トントン

兄「妹ー、俺だけど。友達来てるのか?」


妹「あっ、はい!」


ガチャ

妹「いつの間に帰ってきてたんですか? ――兄さん」

兄「……ついさっきだよ」

妹「出迎えもできずすいませんでした……」

兄「いやそんなんいいって。それよりお客様は……」

妹友「あっ、初めまして! 私、妹ちゃんの友達の妹友です!」

 
兄「初めまして。兄です」

妹友「ふえー、私妹ちゃんにお兄さんがいるの初めて知ったよー」

妹「あれ? 言ってなかったっけ?」

妹友「聞いてないよー、サプライズだよー」

妹「隠してたつもりはなかったんだけど……あはは」

兄(前の君は隠してたように思うけどね!)


兄「んー、それじゃ俺は何か軽くつまめるものでも持ってこようかな」

妹「あっ、そんなわざわざいいですよ兄さん! それくらい私がやります」

兄「そう? じゃ代わりに飲み物用意するよ。それならいい?」

妹「うーん……ではお願いしますね」

妹友「……ん?」ジー

 
妹友「ねぇねぇ妹ちゃん」

妹「どうしたの妹友ちゃん」

妹友「何でお兄さんに対して敬語使ってんの?」

妹「何でって……何か変?」

妹友「いや変っていうか……非常に興味深いというか?」

妹「んんー、特に深い意味はないけど……ただ兄さんは尊敬できるとっても素敵な人だと思うから使ってるだけ……だよ?」

妹友「むむっ?」







兄「こんな妹は可愛い」

『兄に敬語を使いとても尊敬している』

 


妹「はい、妹友ちゃん。お菓子、甘いものだけど大丈夫だよね?」

妹友「もち! むしろ大好物さ!」

兄「はい、こっちはジュースね」

妹友「あっ、お兄さんありがとうございます!」

兄「いえいえ……それじゃ俺はお客様に挨拶も済ませたし……そろそろ部屋に戻るかな」

妹「あっ……そ、そうですか」シュン

妹友「……!」

 
妹友「いやいや、お兄さん! ちょいと待ってください!」

兄「ん、どうしたの?」

妹友「せっかく出会えたのも何かの縁なんで、少しお話していきませんか?」

兄「え、でも……いいのか? 妹」

妹「わ、私は……! 全然かまいませんがっ!」フンス

兄「そう? じゃあちょっとだけ……お呼ばれしようかな」

妹友「はいはい、どうぞー♪」

ほす

 



妹「……それでね、その時兄さんったら寝言で反応したんだよー」

兄「お前その話あんま広めんなよー」

妹友「こいつぁ驚いたよ」

妹「……え? そ、そんな驚く内容だったかな?」

妹友「いやそっちじゃなくて妹ちゃんの方」

妹「私?」

妹友「まさかこんなに饒舌な妹ちゃんを拝める日が来るなんてね」

妹「え、嘘? 私そんなに喋ってました?」

兄「うん、めっちゃ」

 
妹友「ふっふっふ、しかしこりゃ間違いないだろうね」

妹「な、何が?」

妹友「妹ちゃん……アンタ、お兄さんにホの字だね!」

妹「ほ……のじ?」キョトン


妹友「……」

男(……この子ちょいちょい言い方が古いな……)


妹友「えーとつまり……ラヴ! って事ね。おーけー?」

妹「ラヴ……私が……兄さんに?」

妹「…………」

妹「……」

妹「」ボッ!

妹友「うわぁ真っ赤」

 
妹「そ、そんな、そんな事ある訳ないじゃん! 私達兄妹なんだよ! ラヴとかそんな……あり得ないよぉ!」ワタワタ

妹友「うむうむ、もう何も言うな」

妹「何それ……に、兄さんからも何か言ってやってください!」

兄「……もし仮に俺達が兄妹なのにそういう関係だったら……君はどういう反応をするのかな?」

妹「に、兄さぁん!? 何ですかその質問!」カアアア

妹友「そりゃ勿論……」


妹友「応援しますよー。もうガンガン応援しますよー」

妹「ふぇ……」

 
兄「へぇ、友達思いだね」

妹友「妹ちゃんの為ってのも勿論ありますけど、一番は私の為ですよ」

兄「妹友ちゃんの為? どうして?」

妹友「あなた達を見てますとね、創作意欲が湧いてくるんですよー!」

妹友「リアルで兄妹アベックなんてレアなケース、間近で見られるチャンス滅多にありませんからねー♪」

妹(アベック……?)

兄「創作意欲……ってのは」

妹「あっ、妹友ちゃんはですね、何と漫画を描いているんですよ、兄さん」

妹友「へへ、まだまだ駆け出しですけどねー」

兄「なるほど……」

 
妹友「それで? どうなんですかお兄さん」

兄「……残念ながら君のネタになるような事はないかなぁ」

妹友「……本当ですかぁ?」

兄「やけに疑うねぇ」

妹友「お兄さんからはシスコンの匂いがしますから」

兄「……ははは、面白いなそれ」

兄(…………またぁ!? 俺そんな匂う!?)









兄(――なんて出会いとかも交えながら)

 

兄(俺は毎日を……スケッチブックを手にしてからの毎日を)


兄(それはそれは充実した思いで過ごしていった――)






――――――――



妹「お兄ちゃん!」

兄「どうした妹」

妹「そ……その、このスカート……どうかな?」

兄「おおー、どうしたんだその格好? 女の子みたいだぞ?」

妹「なっ……! ボ、ボクは女の子だって言ってるだろ!? この……」グワッ

兄「おいおい、その格好でいつもの蹴りしようとすると中が……」

 
妹「あっ、しまっ……!」

フワリッ


妹「…………」

兄「…………」


妹「……み、見えた?」

兄「……もっと女性らしくするなら縞パンも卒業した方が
妹「ばかぁっ!」

 


兄「機嫌直せよー」

妹「どうせボクには女らしさはないですよーだ」ムスッ

兄「ごめんごめん、お前と接してるとついついからかいたくなるんだよー」

妹「どーしてからかうの!?」

兄「可愛いから」

妹「かわ……っえ!?」

兄「からかった時のお前が最高に可愛いから」

妹「そ……それがすでにもうからかってるんでしょ!?」

兄「本当にそう思うか?」ズッ

妹「……あぅ!?」ドキ

 
兄「お前は自分の事どう思ってるか知らないけど」

兄「俺はお前の事、すごい可愛い乙女だとおもうぞ?」ズズ

妹「あう……あうううううー……」プルプル


妹「」バッ

妹「~~~~~っ!!」ダダダッ

兄「あっ、おい何処に」



妹「…………もうっ♪ んもうっ♪ お兄ちゃんってばっ♪ もうっ♪」バフッ、ボフッ、バフッ


兄「…………あと、照れたらすぐ愛用のぬいぐるみ達を殴っちゃうくせも卒業した方がいいかも」






兄「こんな妹は可愛い」

『ボーイッシュだけど乙女に憧れるボクっ娘』
 

――――――――



水族館―

兄「どうだ妹? 魚がいっぱいいるだろ」

妹「魚いっぱい……すごい……」

兄「お前は騒がしい場所よりこういう落ち着いたところの方がいいだろ?」

妹「兄と一緒なら……どこでもいいよ……?」

兄「そ、そっか、あはは……よっし、じゃ何見る? ペンギン?それともイルカ?」

妹「兄の見たいもので……いい」

兄「ふーむ……じゃあ……あそこ行くか?」ニヤァ

 

サメ「……」ユラァ

妹「……」

兄「……ふふふ、生のサメさんはどうだ妹? 普段は物静かなお前でもこれは結構ビビっただろ?」

妹「かわいい……」

兄「うそぉー?」

妹「兄はかわいいと思わないの……? びび……った?」

兄「うっ、いやっ」

妹「そっか……」

兄(……何か悔しい)

 
兄「……」

妹「……」


兄「……」チョンチョン

妹「……どうしたの?
兄「がおおおおおおおおっ!!」


妹「……」

兄「……」


妹「………………がおお?」

兄「……すいませんでした俺の負けです」

 

兄「何かもうはずいわ、もう行こう妹」スタスタ

妹「あっ……! 兄、待って……」

兄「……ん?」

ギュッ


妹「……私と手をつないでれば……怖いことなくなる……かも」ニコッ

兄「……お前には敵わないわ」ニコッ








兄「こんな妹は可愛い」

『大人しくて口数少ない純粋娘』

やっぱ話の進展欲しいよね
もう2パターンくらいこういうのやろうかと思ったけどもう進んだ方がよろしいか

 



――――――――

兄(正直これはやりすぎたって反省したのもあった……)




妹「ほーっほっほっほ! ねぇ、そこの下僕!」

兄「……俺の事?」

妹「アンタの他に誰がいるっていうの? こんな簡単な事も分からないなんてアンタの脳みそは飾り?」

兄「……」イラッ

兄「……で? 俺に何の用?」

妹「ちょっと待ちなさい何その口の聞き方? 何の用ですか、でしょう?」

兄「……」イライラッ

 
妹「何の用、ですか」

妹「そうね、小腹が空いたので何か食べるものを作りなさい」

妹「それとこの部屋、汚れてるわね……後で綺麗にしておいて」

妹「ああ、後……」

兄「ちょっと待ったちょっと待った!」

兄「そんな一気に……どうして俺がやらなきゃならないん……ですか」

妹「はぁ? 下僕のくせにそんな事気にするんじゃないわよ!」

妹「全く……口答えしてる暇があったらさっさと行動に移りなさいっていうの」

妹「これだからアンタは下僕なのよ……どこまでも使えない奴っ」

兄「」プチッ

最初のは兄の間違い?

 
妹「分かったらさっさと……」

兄「嫌だね」

妹「何? もう一度言ってみ……」

兄「嫌だっつったんだよ!」

妹「……ひっ!?」


兄「さっきから黙って聞いてりゃ偉そうに……」

妹「だ、だって私は、え、偉いんだから……」

兄「俺達は兄妹だ! どっちが偉いとか偉くないとか、そんな考えがおかしいだろうが!」

妹「で、でも……でもぉ……」

兄「とにかく! 俺はお前の命令なんか聞かない! その偉ぶった態度ももうさせない!」

兄「分かったな!?」キッ

>>412
その通りですねすいません

 
妹「はひっ、すいませんっ!」ガクガク

兄「……!」


妹「私ちょ、ちょ、調子に乗ってましたぁっ、もう二度とあんな大それた事言いませんんんっ」プルプル

兄「ちょ、ちょっと……あの」


妹「なんでも、なんでもしますから……」ガタガタ

兄「……」


妹「……いじめないでぇ」ウルッ

兄「……つっ!」ゾクゾクッ

兄(この癖になりそうな感覚はまずい……そう思った)

兄(これ以上続けてヤバい事になる前にこれは封印した)



兄「こんな妹は可愛い……?」

『メンタル最弱の高飛車お嬢様』

ヤンデレ行こうとしたけど諦めた
進めます

  

――――――


――――――――――――


――――――――――――――――――






兄「よっしゃー学校終わりー! さあ家帰るかー!」

友「何だ兄今日も速攻帰宅か」

兄「当然だろー? 可愛い可愛い妹が俺の事待ってんだからな!」

兄(今日の可愛い妹は『クールだけど怖がり』だ! 一緒に観るホラー映画も用意してあるぜ)

友「まーた妹ちゃんか……本当お前ら仲良し兄妹だなー」

兄「へっへっへ。羨ましいだろー」

友「まぁな。でも……何かお前ら元から仲悪くはないと思ってたけど、“ある時期”を境に一気に異常なほど親密になったよな」

 

 
兄「そうか?」

友「ああ」

兄(そりゃ当然……なぁ?)


友「はふぅ……あの頃の妹ちゃんは何処行っちまったんだか」


兄「」ピクッ

兄「ど、どういう事だ?」

兄「お前は前の妹の方が良かったってか?」
 

 
友「ん? ああ、変な風に聞こえたんなら悪い。ただ前とのギャップが凄すぎるんでそう言っただけだ。深い意図はないぜ」

兄「……あ、ああ」

友「心配しなくとも別にお前らに嫉妬したとかじゃないから安心しろって。ははは」

兄「そ、そんな心配してねーっつの」



兄「……それじゃ校門で妹待ってると思うし、俺先行くわ」

友「おうっ、じゃあなっ」

兄「また明日」
 

 






兄「……」

妹「……」ボー

兄「…………」ソローリソローリ

妹「……」ボー


兄「………………わっっっ!!!」

妹「うひゃああっっっ!?」ビクーッ


兄「あはははは! びっくりした!? びっくりした!?」

 
妹「ひゃ……はぁ、はぁ、はぁ……はぁ……はぁ……」バクバク

兄「……」


妹「はぁ…………はぁ…………ふぅ……」

兄「……」


妹「…………ふっ」


妹「こんな幼稚な事をするなんて、相変わらずおちゃめだね――――兄くん」

兄(頑張ってクールに整えたぁぁぁかわええええええええ)
 

 

妹「こほん、だけれどね。人を待たせていた場合、まずは言うべき事があるんじゃないかい?」

兄「あ、待たせてごめん妹。ていうかいつも待っててくれてありがとな」

妹「……ふふっ、そういう言葉がすぐに出てくる兄くんが私は好きだよ。撫でてあげようか?」

兄「……い、いいわ。ってか俺の方がかなり背高いから撫でづらいだろ」

妹「私が頑張って不格好ながらナデナデする姿に、グッとくるんじゃないか?」

兄(分かってるねぇ……じゃなくて)

兄「それはいいから、さっさと帰ろうぜ」

妹「ふふ……ああ、そうだね」

 

 



妹「あ……そういえば、今日も妹友ちゃんが遊びに来ると言っていたよ」

兄「またか。最近さらによく来るようになったな」

兄(ホラー映画はまた今度だな……)

妹「私達といると本当に執筆が捗るそうだ」

妹「漫画家のあれこれは私にはよく分からないが、作品のインスピレーションは何気ない日常に潜んでいるのかもね」

兄「はは、そうかもな」

兄(俺達の日常は何気ないものじゃないけどな)

妹「それと、私の雰囲気がころころ変わるのも創作意欲を刺激する……とも言っていたな。よく分からないが」

兄「……あぁー……なるほど……」
 

 



家―

妹友「さぁさぁ今日も仲良くお話しようお二人さん!」

妹「ふふっ、見てるこっちが元気になるぐらいイキイキしているね妹友ちゃん」

妹友「おうともさ! 妹ちゃんは今日はそのキャラでいくんだね!」

妹友「いろんな角度からお兄さんを攻めてるんだね! いいよいいよー、その意気だよー」

妹「……? 何だか知らないが楽しそうで何よりだ」

兄「妹友ちゃん、最近漫画の方は調子いいの?」

妹友「……んんー……熱意も妄想も勿論絵の練習も……かなりいい具合なんですけどねぇ」
 

 
妹友「ただ……何だろう……何か……何かがあと少し足りない感じですね」

妹友「それこそ1%のひらめき的な……ビビビっとくるもんが欲しいとこですかねー」

兄「そうかー……漫画を描くのも大変だね」

妹友「はい……で、す、か、ら」

妹友「私への協力だと思って、妹ちゃんとイチャイチャしてくださいっお兄さん!」



兄(…………そういや、妹友ちゃんってどんな漫画描いてるんだろ)

兄(……いや、考えなくても大体想像はつくけど)

兄(何しろ俺と妹がネタって言ってるぐらいだからなぁ……)
 

 
妹友「いやーそれにしても本当妹ちゃんってばお兄さん大好きで!」

妹友「前は全然素振り見せなかったのに“ある時期”から学校でもお兄さんの話ばかりするようになって!」

兄「……!」

妹友「きっと溜まりに溜まったお兄さんへの想いが急に爆発したんでしょうね!」


妹友「お兄さんの存在を私に隠していたあの頃の妹ちゃんはもういない……」


兄「」ピクッ

妹友「……って感じですよぉ! 新生妹ちゃんですね!」


兄(…………また……この感じ)

妹友「……お兄さん?」
 

 
兄「……ごめん、俺用事思い出しちゃったから悪いんだけど二人で遊んでてくれる?」

妹友「あ……そうなんですか……残念ですね」

妹「それじゃ……私達は学校から今日出された宿題でもやろうか」

妹友「……げっ」







兄の部屋―


兄「……ふー」

兄「何か……何だろ……」

兄「友と妹友ちゃんから続けざまに同じような事言われたってのもあるけど……すげぇ胸がざわつく……」


兄「あの頃の妹はもういない…………か」
 

てす

あ、やっと書きこめた
さるさん怖いよ

 

兄「ふっ……なんてな」

兄「そーんな深刻に考えるような事じゃないない!」

兄「あの可愛くない妹にまた会いたいとか別に俺は思わねえけど……」

兄「ま、久しぶりにちょっと懐かしむってのもまた一興ってやつだし……」

兄「ちょっくら呼び戻してやるかー」

兄「このスケッチブックに……こう書いて……」

兄「……これでいいか」







兄「こんな妹は可愛い」

『可愛い妹になる前のアイツ』

 

 
兄「よし……様子を見に行くか……へへ」




兄「おーい、妹ー」

妹友「あれっ? お兄さん用事はもういいんですか?」

兄「あ、それは……ね。そ、それより、妹――」


妹「――――どうしたんだい? 私に何か用か? 兄さん」




兄「……あ…………れ…………?」

兄(ど、どういう事だ!? 変化無し!?)
 

>>499
×妹「――――どうしたんだい? 私に何か用か? 兄さん」
○妹「――――どうしたんだい? 私に何か用か? 兄くん」

 



再び兄の部屋―

兄(こんな……スケッチブックに描いた事が不発に終わるなんて……初めてだ!)

兄(偶然じゃ……ない。これは恐らく……俺の望んだ可愛い妹が『可愛い妹になる前のアイツ』だったから)



兄(……これは実は結構前から思ってた事だが)

兄(このスケッチブックは……妹そのものと考える事ができるのではないだろうか)

兄(白紙の状態のスケッチブック=何の変化もしていない素の妹……そう仮定すると)

兄(今までのは色々な絵を描いて、白紙だった妹に付け加えていくだけだったから良かったけど)

兄(今俺が行ったのは、既に絵を描かれたスケッチブックのページに白色で強引に塗り潰して「白紙です」というようなもの)

兄(当然それが本当の意味の白紙となる訳がない。スケッチブックの効果が発動しなくても不思議ではない……)
 

 
兄(つまり妹を……『可愛い妹になる前のアイツ』の状態にするには……)

兄(スケッチブックを本当に白紙に戻すしかないって事になるけど……)

兄「要するに今まで描いた絵を全部消さなきゃなんないのかよ……めんどくさっ」


兄「…………ま……また一から描いていくのも面白そうだし……しょうがないからやるかー」

兄「消しゴム消しゴム……っと」



ゴシゴシ

兄「……あれ」

ゴシゴシ

兄「……嘘だろ」


ゴシゴシ


兄「…………消えねえ……一枚も」
 

 
兄「あれ、あれ? おかしい、描いてる途中は何度も描き直しできてたのに!」

兄「……完成して現実に反映された絵は消せない……のか?」

兄「……ど、どうしよ」


兄「……そ、そうだ! 紙を破いて取り外せば!」

兄「すげぇ勿体無いけど……ま、まぁまだいっぱいページあるし……と、とにかく今はアイツに逢わなきゃ……」


グッ

兄「くぅっ……!」ギリギリ

兄「……っ!!」



兄「…………ぷはっ! ……か、かてぇ! 全然破れねぇ!」
 

 
兄「……はーっ……はーっ……」

兄「……これって……もしかして」


兄(……もう一生あの頃のアイツには逢えない……って事か?)

兄(一生…………イッショウ…………?)


兄(あ……胸がまたざわついてきた……ふぅ……ふぅ……)

兄(これ……いいのか? 俺なんかとんでもない事をしでかしたんじゃいやでも可愛い妹はたくさんいる訳だしでもしかし元の妹も一応一人の妹だった訳で馬鹿アイツが全然可愛くなかったから俺がこうして大体アイツはあの時もそれは今関係無いような)





妹友「……お兄さんっ! 大丈夫ですか!?」

兄「…………妹友ちゃん?」

 
兄「どうして妹友ちゃんがここに……」

妹友「えっと……トイレを借りにきただけだったんですけど……開いてたドアから顔色の悪いお兄さんが見えたので」

兄「あ……ごめんごめん。心配かけちゃったね。もう大丈夫だから」

妹友「本当ですか? ならいいんですけど……」チラッ

妹友「あれ? 何ですかそのスケッチブック……」

兄「え……こ、これは、別に何でもない普通のスケッチブックだよ」



妹友「何だかそのスケッチブック……いいですね」

兄「……え?」
 

 
妹友「何だか……ビビビってきました……ちょっとお願いがあるんですけど……そのスケッチブック貸してもらえませんか?」

兄「だ……ダメだ! えっと……ごめん、実はこのスケッチブックは俺にとって大切なものなんだ。だから人に貸したりする訳には……」

妹友「どうしてもダメですか? ほんのちょっとでいいんですけど」

兄「ダメだってばっ」

妹友「ええー、お願いしますよー!」

兄「どうしてそんなに粘るのっ!?」

妹友「私もよく分かりませんが……私……きっとそのスケッチブックに描けば……足りない何かを見つけられるような……そんな気がするんですよー!」

兄「……っ」
 

 




その夜―


兄(ふう……今日の妹友ちゃんのあの強引さはちょっと変だった)

兄(まぁ結局最後は諦めてくれたけど……普段なら物一つにあんなに固執して俺達を困らせるような娘じゃない)

兄(あのスケッチブック……人を惹きつける力もあるのか?)


 
妹「兄くん、何を一人でたそがれているんだい?」

兄「妹……」

兄「いや、妹友ちゃんは相変わらず元気だったなって考えてただけだよ」

妹「ふふ、あの子はいつでもあんな感じの可愛い子だからね」

兄「……」
 

 
兄「……なぁ妹、聞いていいか」

妹「何だい?」

兄「もし……もしもさ、“昔の自分”に戻れるとしたら……お前は戻りたいか?」

妹「昔の自分、か……ふむ」

妹「あまり興味ないかな」

兄「……そ、そう?」

妹「私はできれば前だけを見て進んでいきたいので……ね」

 
兄「そ、そっか」

兄「……」ホッ

兄(…………って何ホッとしてんだ俺……アホか……)

兄(妹に聞いたってしょうがないだろ……)

兄(この妹は…………アイツとは……違う妹なんだから……)

妹「……兄くん?」



兄(俺……どうしたらいいんだろう……)

兄(俺に……何ができる……?)

兄(俺は……)
 

  




数日後―



兄「……」ピコピコ

友「な、なぁ」

兄「……何だよ」

友「お前……帰らなくていいのか?」

兄「は? 何だよそれ」

兄「せっかく家に遊びに来てる友達に向かってそんな事いきなり言わなくてもいいだろ」
 

 
友「いや、お前と遊びたくないから言ってる訳じゃなくてさ……」

兄「じゃ何だよ」

友「お前……妹ちゃんはどうしたんだよ?」

兄「……!」

友「ついこの間までずっと妹ちゃん優先で行動してたじゃねえか。どうして急にここ数日妹ちゃんを避けたりしてるんだよ」

兄「別に……避けたりしてねぇし……お前との友情も大切にしてるだけだよ」

友「その言葉自体はとってもありがたいが……」

友「残念なのはさっきからゲームをするお前の顔が死んでるって事だな」

男「……ちっ」
 

>>546の一番下のセリフは兄です
男しゃしゃり出てこないでマジで

 
兄(しょうがないだろ……)

兄(妹といると……罪悪感みたいなもので胸がざわついてくるんだから)

兄(アイツを呼び戻す方法も分かんねえし……)

兄(結局俺にできることなんて何もなかったよ……)



兄「このゲームがつまんないだけだっ! アレやるぞ、モンスター狩るやつ!」

友「…………ま、俺もお前と遊ぶの楽しいし? お前がそれでいいならいいけどな」

兄「早く用意しろ」

友「へーい」
 

 


兄「……」ピコピコ

友「……」ピコピコ


兄「……そういやこのゲームさ」

友「……んー?」

兄「改造して装備とかお供とか最強にしてる友達がいたんだけどさ」

友「あーあるねー」

兄「あれ面白そうだよなー」

友「……いや、俺は全く興味ないな」
 

 
兄「え!? 何でだよ!?」


兄「自分のキャラクターの能力を自由自在に……変えられるん……だ、ぞ……? お、お好みで……色んなバリエーション作るのも……お……面白い、じゃん」

兄(喋りながら気付いた)

兄(あのスケッチブックも……改造みたいなものだなって)



友「何の努力もせず強くしたって面白くないじゃん」

兄「……!」

友「やっぱ自分でコツコツとゲームを進めて、自分の力で強くなってかなきゃ……それが一番楽しいと思うぜ?」
 

 
兄「けど!」

兄「普通にやってても……全然攻略できない事とかだってあるだろ!? そういう時、ちょっとズルしてでも強くなりたい奴はいるんだよ!」

兄(俺は何をムキになってるんだろう)

兄(友が、スケッチブックを使った俺を責めてる訳じゃない事くらい……分かってるのに)



友「別に……」

友「改造がダメとは言ってないだろ……俺は興味無いけど」

友「いいじゃん改造……確かにお前の言い分も分かるよ」
 

 
兄「……」


兄「も、もしお前が……好きなゲームがあって……それを……間違えて、改造しちまったら……どうする?」

友「は? 何だその訳分からん質問は」

兄「い、いいから! 考えてみてくれ!」

兄「あ、ちなみに新しくゲームを用意したりはできないぞ……」

友「ふーむ……」

友「だったら……」



友「――もうとことん改造を楽しんじゃうんじゃねえ?」

兄「……え?」
 

 
友「だってお前のその説明だと、もう未改造の状態のゲームはできないんだろ?」

友「ならせめて、改造したゲームを楽しむしかないだろ」

友「そして、どうせ改造ゲームで遊ぶんなら、とことんメチャクチャな遊び方をするね!」

兄「と、とことん……?」

友「ああ、普通にプレイしたんじゃできない芸当をやりつくす!」

友「それが改造ゲームに対する俺なりの礼儀だ!」


兄「……そ」


兄「……そうか」


兄「それ……いいな」
 

 
兄(そうだ……)

兄(それが一番賢い考えだ……)

兄(どれだけ罪悪感に胸をざわつかせたところで……)

兄(スケッチブックを使った事実は無くならないし……アイツももう戻ってこない)

兄(だったらもう……悩まなくていいじゃないか)

兄(友の言う通り、とことん改造を……可愛い妹との生活を楽しめばいい……)

兄(そうしよう……スケッチブックなら……妹とどんな事だってできるんだから……)


兄(俺は友の言葉を勝手に自分の都合のいいように解釈し、少しでも自己の正当化を図ろうとしていた)

兄(――つまりは、屑だった)
 

本当に本当に本当に申し訳ない
実はこれから10時までバイトなんです
残ってたらありがたいが落ちてもまた立てます

残ってた
ありがたやありがたや

家―


兄「ただいま!」

母「お帰りー」

兄「母さん! 妹は?」

母「帰ってきていきなり妹かシスコン野郎。あの子はまだ帰ってきてないよ」

兄「何!? 何処行ったの!?」

母「さぁ……最初は妹友ちゃんと家で遊んでたんだけど、途中でいつの間にか出て行っちゃって……行き先は分からないよ」


兄「……そう」スタスタ

母「まあその内帰ってくるでしょ……って聞いてんの?」

兄「……」スタスタ

母「……なんだ兄のやつ」
 

今日明日で終わらなければ次スレ次回たててもいいんだぜ?

やばいひといなくなってきた

いるぞ

>>689
いるなら保守しとけよあと10ぐらい>>1こねーぞ

ミス
あと10分ぐらいしないと

 



妹の部屋―

兄「……」

兄(俺は……決めた)

兄(俺は……妹を……完全に俺のものにする!)

兄(今までは妹を変えつつも、どこかで遠慮や罪悪感や理性なんかが俺にストップをかけていたが)

兄(今日からはもう気にしない……一線引いていたラインを飛び越える)

兄(大丈夫だ……俺がたとえどんな事をしても……)

兄(嫌がる妹はいない……傷つく妹はいないんだから……)
 

ヤフオクで十万になった

 
兄(妹が帰ってきたらすぐにでも行動開始だ。その為に妹の部屋で待ってるが……)


兄「さて、妹とはどんな事をしようか……」

兄「友も言っていた。どうせするならとことん、と」

兄「俺だってしてやるさ。普通に兄妹でいるだけじゃ絶対にできない事……」

兄「キスだってできるし……その先だってできる……」


兄「ふ……ははは……」



兄「ふっ切れちまうと……色々分かるな」

兄「俺ってばシスコンの自覚はそれなりにあったが、妹とそういう事がしたい訳ではないと思ってたんだがな」

兄「口に出してはっきりイメージしちまえば……なんて事ねぇ……」

兄「普通に興奮している自分がいる……」
 

俺「う…う…おれはいつも傍観者よ…なにもできねぇ なにもしてやれねぇ」
?「保守があるじゃないか!」

世界は平和になった

まだぁー

 

チッ..チッ..チッ

兄「それにしても……」

チッ..チッ..チッ..

兄「妹のやつ……おっせーな」



兄「ああもー……早く帰ってこいよ。俺の揺るぎない決意が揺るいじゃったらどうすんだよー」ゴロン

ゴン!

兄「イタッ!? 妹の部屋の本棚に頭ぶつけたっ!?」

バサバサバサッ

兄「ギャー! 本の雪崩があああー! ……って何かデジャブだしー!」
 

 
兄「いててて……このパターン、スケッチブック拾った時と同じじゃねぇか」

兄「まあ今回は無駄に部屋が散らかっただけだけど……ん?」


兄「何だこのノート……表にでっかく『秘』って書いてある……」


兄「これ……逆効果だろ。読んでくださいって言ってるようなもんな気が……」

兄「……」


兄「まだ妹帰ってきてないし……いいや、コレ読んで待ってよう」
 

 
ペラッ


○月○日
今日はとてもいい天気だ。こういうよく晴れた日には外に出て運動でもすればいいのに、お兄ちゃんは一日中家でごろごろしていた。勿体無い。



兄「何だこれ……日記……?」

兄「日付は結構前だな……妹のやつこんなのつけてたのか」

兄「あんまり面白いものでもなさそうだけど……」


兄「……どうせ暇つぶしだし、もうちょっと読もう」
 

 

○月×日
今日は体育でスポーツテストがあった。お兄ちゃんの持久走のタイムはなんと私とぴったり同じ。妹と一緒なんて情けないなぁ。
けど少しだけ運命じみたものも感じたりした。


○月△日
今日はお母さんが遅いので二人で食事の用意をしたんだけど、お兄ちゃんの料理センスの無さにはほとほと呆れてしまう。
お嫁さんも貰えそうにないし、私が作ってあげる事になるのかも。世話の焼けるお兄ちゃん。


×月○日
お兄ちゃんは洋服のセンスも無いようだ。着ている服がいちいちダサい。髪だって整えてないし、油断すると髭も生やしちゃう。
人に好かれるにはまず見た目というのをお兄ちゃんは知らないのか。せっかく中身はいいのにね。





兄「何この日記……何で俺の事ばっか……しかも辛辣な事も結構書かれてるし……」

兄「あれ、ていうかこの二人で食事の用意とかいつしたっけ? 結構前に一回か二回あった気がするけど……」

兄「確かその時もアイツは特に俺と大した絡みもしてくれなかった筈だが」

兄「アイツはちゃんとそれすらも日記に残したのか……」
 

 

×月×日
今日は私の誕生日。0時と同時に大量のおめでとうメールがきた。嬉しかった。けれど、それと同時に私の部屋にも何かきた。
何かというのは勿論お兄ちゃんで、私の誕生日をお祝いしてくれた。嬉しいというか、安心に近い気持ちだった。

兄「……」



×月△日
長らく“兄観察日記”なるものをつけてきた私だが、そんな私じゃなくても気付ける事がある。お兄ちゃんはシスコンだという事だ。

兄「……!?」ブフウッ

でもここで重要なのはその気持ちは家族愛なのか、女性愛なのかという事。恐らくは前者だろう。
だってそうだよね。普通は兄妹同士で本気で恋したりなんてしない筈なのだから。


△月○日
普通の兄妹関係ってなんだろう。最近私はそればかりが気になる。という事で周りの友人などの兄妹関係、家族関係をリサーチしてみた。
もしかして、と思っていた私が甘かった。どうやら普通の兄妹関係は今の私とお兄ちゃんより冷めているようだ。

兄「……」
 

 
△月×日
私はどうやら普通じゃないようだ。

私はお兄ちゃんに恋している。多分。



兄「……は…………はっ!?」


一応多分とつけたのは、私が恋をするのはこれが初めてなので、果たしてこれが本当に異性への恋なのか確信が持てないから。
けれどきっとこれは恋だ。ううん、恋であってほしいと思っている。


△月△日
最近お兄ちゃんの観察記録をつけていないけど、書き記さなくても脳が明確に記憶している。恋の力ってすごい。



□月○日
今までの私のお兄ちゃんへの対応のお陰か、お兄ちゃんに私の気持ちは気付かれていない。気付かれたらお兄ちゃんはどんな反応をするだろうか。
怖い。シスコンのお兄ちゃんに嫌われたらどうしよう。それだけは絶対避けなきゃ。
何としても普通の兄妹でいる事に全力で努めよう。大丈夫、演技力には自信がある。
 

 
□月×日
お兄ちゃんと友達を会わせたくない。
理由は二つあって、一つはお兄ちゃんを取られたくないから。無いとは思うけど、いきなり現れたライバルに持って行かれちゃうなんて絶対嫌。
もう一つはお兄ちゃんを馬鹿にされたくないから。もし友達がお兄ちゃんの事を気に入らなくて暴言を吐いたりしたら私耐えられない。
結論、お兄ちゃんと友達を合わせてもいい事が無いので、会わせたくない。



□月△日
お兄ちゃんに「可愛い」ってはっきりと言ってもらいたい。
私可愛くないから難しいお願い。



□月□日
お兄ちゃんは昔からカップアイスなんかを一回で食べきらず、食べかけをもう一度冷凍室に戻す変わった癖がある。
この間我慢できずにそれを食べてしまった。お兄ちゃんの味がする気がした。
あんまりこれをやるとお兄ちゃんに本気で怒られかねないので、たまにする事にしとこう。



●月○日
お兄ちゃん、好きだよ。

書いてみただけ。
 

 


兄「な、な……何だこれ……は……マジ? これマジ?」

兄「妹は……俺の事が……好きだった?」

兄「ははは……嘘……だろ? 何かの間違い……だよなぁ……え?」

兄「……」

ペラッ

兄「このページも……」

ペラッ

兄「このページも……みんな……」

兄「俺の事が……書いてある……全部……全部!」



ペラッ..

兄「……このページで最後……ここ以降は白紙だ」
 

 
☆月○日


兄「これは……俺がスケッチブックを手に入れた日……」




今日お兄ちゃんと喧嘩をしてしまった。普通の兄妹関係を意識しすぎたのが裏目に出たみたいだ。

お兄ちゃんがあんなに私に色々文句を言ってきたのは初めてぐらいだったからちょっとびっくりした。お兄ちゃんも溜まってたんだね。

それよりも問題なのは、私が怒っちゃった事。「可愛くない」っていうのが自分でも思った以上にショックだったみたい。

逆ギレだよね。お兄ちゃんは事実を言っただけなのにね。

明日の朝、すぐお兄ちゃんに謝ろう。それで、許してもらえたら、これからはもうちょっと素直になろう。

そしたらお兄ちゃんも「可愛い」って言ってくれるよね。

そう考えたら明日を迎えるのが少し楽しみになった。今日はもう寝よう。
 

 
兄「これで最後……この日で……最後……」ポロッ


兄「日記の中の妹が“明日”を迎える事はもう無い……この日記が更新される事は……もう無い!」ポロポロ


兄「アイツは……もういなくなっちまった……」ポロポロ


兄「いや……」ポロポロ



兄「俺が…………ごろじたんだっ!」ポロポロ




兄「うわあああああああああああっっっ!!!」


 

 

兄「俺がっ! 俺が死ねばよかったのにっ! 俺みたいな屑っ!」

兄「何が妹を完全に俺のものにするだっ! こんな酷いことを既にしておいて、更に罪を、恥を上塗りする気だったのかっ!」

兄「最低だっ! 最悪だっ!」


兄「俺は……どうすればいい!? どうすれば償える!?」

兄「死かっ!? 俺が死ねば償いになるかっ!? 妹は戻ってくるのか!?」



兄「ひゅー……ふひゅー……」

兄「馬鹿か……俺が一人死んだところで地球のゴミが一つ掃除されるだけだ! 償いにも解決にもなりはしねえっ!」


兄「だがじゃあどうする!? スケッチブックなんて得体の知れないもんに関わって起きた現象に俺なんかが出る隙なんて……!」

兄「……いや」

兄「俺は諦めねぇ……諦めねぇぞっ!」
 

 

兄「スケッチブック……!」

兄「あれの不思議な力によってアイツが死んじまったってんなら、同じ不思議な力で何とかしてくれるかも知れねぇっ!」

兄「消しゴムや破るのは試したが、まだ他にも試せる事は沢山あるっ!」

兄「とにかくまずあのスケッチブックを持ってきて……絶対に元の妹を取り戻すっ!」






兄の部屋―


兄「……は?」

兄「…………ない」

兄「スケッチブックが……ないっ!?」
 

 
兄「何で!? 確かにいつもここにしまっといた筈なのに……!」

兄「そんな……嘘? うそうそうそ!?」

兄「…………マジで無い」



兄「……」ガクッ

兄「……俺は……屑で……ごみで……最低で……最悪で……その上……」

兄「いざっていう時にもやっぱり役に立たないクソ野郎だ……!」グッ




妹「お兄ちゃんはクソ野郎なんかじゃないよ」


兄「…………妹? いつの間に……」
 

 
妹「ついさっき帰ってきたんだよ」テクテク


妹「えへへっ、お兄ちゃんただいまっ」ギュッ

兄「お帰り……」

兄(確か今の妹は『甘えん坊でお兄ちゃん大好き』だった筈)


妹「お兄ちゃん何か辛い事がああったの?」

兄「……! いや、大丈夫……俺は平気だから」

兄「それより用が無いなら部屋に戻ったら?」

兄(俺なんかコイツに甘えられる資格はない)
 

 
妹「お兄ちゃんやっぱり……最近冷たい」

兄「……そんな事ないよ」

妹「そんな事あるよっ!」ギュウウ

兄「……くっ!」


妹「最近一緒に帰ってもくれなかったし、家でも今みたいにあんまり受け入れてくれないし……ねぇ」

妹「もっと私の方見て……」プニッ


兄「う……あ、あ、ああ……妹、近いっ! それに……ちょっと……胸が……あ、当たってるっ」

妹「当ててるんだよ……」

兄「…………はいっ!?」
 

 
妹「えへへ……ハァ……私ね……お兄ちゃんにくっついてるとね……ハァ……胸が……ドキドキしてくるの……ハァ……」

兄「妹……お、お前一体何を言って……」

妹「フゥ……フゥ……あ、ああーダメだ……我慢出来なくなってきたよ……」

兄「な、何をっ!?」


妹「お兄ちゃん……私……私ねぇ……」ハァハァ

兄「や……やめろっ……その先を言うな……! 嫌な予感しかしない!」


妹「お兄ちゃんの事が……好きぃ! 家族としてじゃなくて……女の子として!」

兄「なっ……」


妹「だからお願い……」


妹「…………抱いて?」ギュッ

兄「」チュドーン
 

     \丶 r⌒ヽ (⌒⌒)  r⌒ヽ/,  / /,
  ヽ  、、;(⌒ヾ . (((⌒⌒)))  /⌒) ),  ,
   、ヾ (⌒ ファビョ━ l|l l|l ━ン!⌒⌒);;)/,

 、\(⌒ゝ;(⌒ヾ    ∧_∧    ⌒)/)) .,  /
((⌒-丶(;;;(⌒ゝ;;(⌒∩#`Д´>'') ,⌒⌒);;;;;)))⌒)

 (;;;;(⌒(⌒;;;(⌒   ヽ    ノ / ))⌒));;;;)-⌒))
ゞ (⌒⌒=─      (,,フ .ノ    ─=⌒⌒)ノ;;ノ;;;::)
((⌒≡=─.       レ'    ─=≡⌒)丿;;丿ノ

 

兄「あ、あががが」ドキドキ


兄(……って馬鹿俺! ドキドキすんな! これは絶対おかしい!)

兄(これは甘えん坊の妹じゃない! あいつはベタベタしてくるが、エロい事は絶対しようとはしなかった)

兄(つまり……妹がいつの間にか変わってる……それも、俺すら知らないようなタイプに!)

兄(スケッチブックが俺の手元から消えてる事も合わせて考えれば……これはつまり……)



兄「…………妹、妹友ちゃんは今何してるか分かるか?」


妹「……ふぇ? ……んー、多分いつもの場所でお絵かきしてる筈だけど……」

兄「……やっぱりそうか」
 

 



その頃―

妹友「……ふ、ふふ、ふふふふ」

妹友「このスケッチブック……素晴らしいっ!」ハァハァ

妹友「これに書こうとすると、今まで出そうで出なかった私の力が全部出し切れるっ! そんな気がするっ!」ハァハァ

妹友「捗る……兄妹同士の禁断の恋愛漫画製作が……捗るわあああっ」


妹友「それはそうとお兄さん……」

妹友「やっぱり筋金入りのシスコンだったんだね……」

妹友「あんな落書きをスケッチブックに残してるなんて……そりゃ渡したくないよねスケッチブック……」
 

 


再び兄の家―


妹「お兄ちゃん……私といる時に他の女の子の話しちゃいやぁ……」ギュッ

兄「妹、悪い……俺、行かなきゃいけないところできたから……どいてくれるか?」

妹「やなのぉ……私もうスイッチ入っちゃってるんだから……離さないよぉ?」ギュウウウ

兄「あ……うぅ……」


兄(くそ……何故か……妹にギュッと抱きしめられると……頭がボーっとしてきて……体に力が入らなくなる……)クラッ


妹「大丈夫……きーっと、とーっても気持ち良くて、幸せな時間になるから……ね?」

兄「……た、頼む……妹……俺の……言う事……聞いて……くれ……」


妹「むぅ……往生際が悪いお兄ちゃんはぁ…………脱ぎ脱ぎしちゃいましょうねぇ」

兄「あうう……やめろ……こんな事……してる場合、じゃ……」スルスル
 

 
妹「えへへぇ……私も……そろそろ……脱ぐね」スルッ

(くそっ! くそっ! ……こうなったらっ!)


兄「……やめろって……言ってんだろ、バカッ!」

妹「…………え?」


兄「いいか! 俺は正直お前に触られたくもないんだよっ! 何を勘違いしたか知らねえが、俺に夢見るのはやめやがれっ!」


妹「……ご」

妹「……ごめんなさい……私……お兄ちゃんの事も考えずに自分の気持ちばっかりで……」

兄(……よしっ!)


兄「分かったらさっさと……」


妹「お詫びに私の身体でご奉仕します……ね?」ギュウウウ

兄「かっ……な……なんで……そう……なる……」クラッ
 

寝てないよ!
スレの残り考えてある程度まとまってから投下するスタイルにしただけだよ!

 
妹「ごめんね……もうどう足掻いても自分の衝動を抑えられないの……」

妹「お互いに……諦めましょ?」

兄「……」ギリッ

妹「……大人しくなったって事は……潔く私に身を任せてくれるってサインだと……みなすよ?」


妹「…………それじゃ……いただきます」スッ


兄「……やめろ」

兄「…………やめろぉ」

兄「…………やめ

チュッ




妹「……ん」
 

 
妹「ん……ちゅ……んむ……ちゅぷっ……んちゅぁ……んんんん…………ぷはぁっ」


妹「はーっ……えへへぇ……初めてのちゅー……だね」

妹「どう? 結構上手だったでしょ?」

妹「舌と唾液と愛を精いっぱいお兄ちゃんの口の中に送り込んだよぉ」

妹「私……幸せだよ……」

妹「お兄ちゃんは…………お兄ちゃん……も……幸せ……感じ……た……?」

妹「ねぇ……お兄ちゃん……お兄ちゃんってばぁ……」

妹「……どうして……」



妹「……どうして泣いてるのぉ……?」


兄「グスッ……ヒクッ……」
 

 

兄「ごめん……!」グスッ

兄「妹……ごめんっ!」ポロポロ


妹「お兄ちゃん? な、何で謝るのぉ? 私、幸せなんだよ?」


兄「俺……お前の日記読んで……ヒック……ぜってー……もうお前の想いに背く事はしねーって決めたのに……」ポロポロ

兄「お前じゃない状態で……グスッ……キスしちまったっ!」


妹「な……何言ってるか全然分かんないよ……私にも分かるように言ってよ……」

兄「うぅ……ごめん……!」ポロポロ


妹「何よ……何なのぉ……」
 

 
妹「何でお兄ちゃんは泣いてるの……?」

妹「お兄ちゃんは一体何に謝ってるの……?」

妹「日記って何? 私じゃない状態って……?」

妹「……もう分かんない」

妹「……訳分かんないよぉ……!」



妹「訳分かんない筈なのに……」


妹「どうして私も泣いてるのぉ……?」ポロポロ

 

 

妹「なんで私まで……この涙は何なのぉ……」ポロポロ

兄「……! 妹……」

妹「…………グスッ……」ゴシゴシ


妹「…………はー……」


妹「…………何か…………もう……いいや」


スッ

妹「……はい……これで自由に動けるでしょ?」

兄「……妹」

妹「お兄ちゃんは……私とイチャイチャするより大事な用があるんでしょ? ……さっさと行っちゃえば?」
  

 
兄「……あ……ありがとう」

妹「……」


妹「…………三丁目の神社」


兄「……え?」

妹「妹友ちゃんのところ行くんでしょ? 多分あの娘そこでお絵かきしてると思う」

兄「何で……」

妹「……何となく」

兄「…………本当にありがとう」
 

 


兄「それじゃ……行ってくる」

クルッ


妹「……おにいちゃんっ」

兄「……ん?」


妹「――――私の事……忘れないでね」


兄「……えっ……」

兄「…………うん……! 忘れないよ……絶対」

 


――――――――



兄「……」

妹友「……すいませんでした」

兄「うん、人のものを勝手に持ち去って使うのは、いけない事だよね」

妹友「ど、どうしてもこのスケッチブックで一度絵を描いてみたくて……予想通り素晴らしかったですけどっ」

兄「他に言う事は?」

妹友「……すいませんでした。これ、お返しします」

兄「うむ」

スッ

兄「やっと……」

兄「スケッチブックに辿り着いた……」ギュウウ

妹友「わ、わー……抱きしめるほどスケッチブックが恋しかったんですか?」
 

 
兄「ん……スケッチブックっていうか」

兄「妹友ちゃんに言ってもちんぷんかんぷんかも知れないけど、これは鍵なんだ」

兄「妹に……」

兄「俺の最も大切な妹に逢う為のね」

兄「俺はこれで必ず妹に逢って、開口一番言ってやるんだ」

兄「お前は可愛い……すごく可愛い……って」

兄「そのためには必ず、どんな事をしてでもスケッチブックに不思議な力を発揮してもらうしかない」

兄「妹に逢えるまで絶対俺は諦めない! このスケッチブックだって抱きしめて絶対離しはしないから……」




妹友「…………あ…………あのー……」
 

 


妹友「お兄さんが今抱きしめてるのスケッチブックじゃないですよ……?」



妹友「というか……私も自分の目を疑ってる最中なんですけど……その」

妹友「今お兄さんが長い事お喋りしている間に……」

妹友「スケッチブックが……」

妹友「……い、妹ちゃんにすり替わりました…………閉じてる目を開けてみてください」



兄「…………は? 一体何を言って……」パチクリ


妹「……お兄ちゃん、恥ずかしいんだけど……」

兄「……」
 

 

兄(え……え!? ナニコレ!? 何でスケッチブックが妹に!? どういう事!?)

兄(まさか、さっき喋ってた間のセリフが何かキーワードか何かになっててそれが引き金で……)

兄(いや今すべき考察はそこよりも……)

兄(この妹は……“元の状態”の妹なのかどうか……)


兄「」チラリッ

妹「……」ドキドキ



兄(……本物だ)

兄(……根拠なんかないけど…………何か分かる)





兄「…………本物だぁ」ウルウル
 

 
妹「お、お兄ちゃん!?」

兄「本物の妹だ……やっと逢えたぁー」ウルウル

妹「……ちょ、ちょっと! 泣かないでよー!」

兄「ごめん……でもさ……でもさぁ」ウルウル

妹「あーあー……ったくもー……」


妹「はぁ…………開口一番の言葉はどうしたのよー」

兄「あ……忘れてたぁ」ウルウル


兄「可愛いよぉ……妹は……可愛いよぉ……」ウルウル

妹「…………えへへ」





妹友「……何が起こってるかさっぱり分からないけど、そんな事はどうでもいい」

妹友「……イチャイチャ兄妹……ぐっじょぶ」
 

ぐっじょぶ

>>876まだなんだなぁ・・・それが・・・

つまり、何がいいたいかというと

>>879こんな感じ?
兄「どうせなら・・・」
『過剰に兄の世話をやく妹』
兄「今日は妹と二人っきりだし・・・・ドキドキするな」
妹「お兄ちゃーん」
兄「来た」
コンコン
妹「お兄ちゃん?入るよ?」
兄「おう」
ガチャ
兄「どうした?妹」
妹「なんか最近お兄ちゃん元気無かったから、マッサージしてあげようかと思って」
兄(うぉぉきたぁああ)
兄「そ、そうか?まぁ確かに最近色々悩んでいたからな、お願いしようかな?」
妹「うん!まかせて」
兄「よし、じゃあ頼むな!」
椅子に座って背中を妹に向ける兄
妹「どうしたの?お兄ちゃん?」
兄「えっ?だって肩揉みしてくれるんだろ?」
妹「やだなぁ肩揉みじゃなくてマッサージだよ?お兄ちゃん」
兄「えっ?」
妹「だから・・・ベッドに横になって?」
兄「えっ?」

>>881MOTTO!MOTTOだ

>>886
仕事が始まるからダイジェストで

妹に言われるままベッドに俯せに寝るあに
妹は兄足首から太ももに血液を送りのこと込むようにふくらはぎに手を滑らす
ハッキリ言って妹の弱い力ではマッサージとしては物足りないが・・・
冷たいスベスベした妹の手が、ふくらはぎを撫でるたびゾクゾクする感じがたまない兄
左右のふくらはぎのマッサージが終わったのか
次は太ももを撫でる妹
兄のふくらはぎに跨がる妹の足が兄の素肌と触れ合う
また妹の手は太ももから上に上がってくる
そのさい・・・妹の手が股間に当たり
兄が反応するたび
楽しそうに微笑む妹
全身のマッサージが終わった後妹が一言

妹「お兄ちゃん私も少し疲れっちゃっあ・・・私にもマッサージして」

あ、あとちょっとだけあるんで
ちょっとだけ

 


―――――――――



そしてそして―


兄(……あれからまた数十日が経った)

兄(妹が戻ってきてからの三日間は事ある度に様子を伺っていたが、最近ようやく安心していられるようになってきた)

兄(妹に変化していた間の事を聞いてみると、恐ろしい事に全て記憶にあるそうだ)

兄(……つまりは俺の欲望まみれの日々も全て覚えているという事である)

兄(これを聞いて俺は比喩抜きで青くなったが、何と妹は過ぎた事だから、と許してくださった)

兄(広すぎるその心に俺は、妹教なるものがあればすぐ入信してしまえるくらい妹を崇拝した)


兄(それと、スケッチブックが妹に変わる大マジックについては、妹もよく分からないそうだ)

兄(家に一人でいた筈だったのに、気付いたら俺に抱きしめられていたそうな)

兄(結局あのスケッチブックは全てが謎のままだったな……)
 

 

兄(……最近になって考えるのは)

兄(“可愛い属性”を持った彼女達の事)

兄(“元の状態”の妹が帰ってきてからは、当然彼女達は現れなくなった)

兄(これは予想できていた事だし、これが本来あるべき現実なのだから、おかしい事は何もない……のだが)

兄(どうしてもこう考えてしまう)


兄(……俺は“元の状態”の妹を取り戻すために、あの彼女達を犠牲に消滅させたんじゃないか……って)

兄(……だけどもう、今の妹を彼女達のための犠牲にするなんて愚かな真似は絶対しない)
 

 
兄(あの時『エッチな妹』に言われた言葉……)

「――――私の事……忘れないでね」


兄(……俺は彼女達の事は忘れない。絶対に)

兄(消えてから数十日たった今でも鮮明に思い出せる)


兄(……ほら。目を瞑ってイメージすればすぐにでもあの甘えん坊な妹が飛びついてくるような……
妹「お兄ちゃーん!」ギュウウウ


兄「そうそう、こんな感じでお兄ちゃんって……え?」



妹「えへへー、お兄ちゃんあったかーい」スリスリ



兄「…………えっ!?」
 

 
兄「ななな、何で甘えん坊の妹が……ここに……」

兄「はっ……まさか……なんか……フラッシュバック的な感じで……再び目覚めてしまったのか!?」

兄「そ、その場合……元の妹は!? まさかまた消えちゃうなんてこと無いよな!?」


兄「お、おい妹! 元の状態のやつな! 聞こえてるなら戻ってこい!」


兄「お願いだから……お願いだからもう消えないでくれえええええっ!」

妹「お、お兄ちゃん! しっかりして! ごめん、私はちゃんとここにいるからっ!」


兄「……あれ?」
 

 



兄「……俺を驚かそうとした?」

妹「ごめんなさい……まさかあんなに取り乱すと思わなくて……」

妹「その……甘えん坊妹キャラで登場しようと思ったの」

兄「いや……でもあの甘えん坊妹は……演技にしては似すぎっつーか……もうそのまんま甘えん坊妹だったというか」


妹「……お兄ちゃんはちょっと勘違いをしてるけど」

妹「お兄ちゃんが勝手に描き足した色んな私は、それぞれ別人の如き性格をしてるけれど、どれも間違いなく“私”なの」

妹「お兄ちゃんは“可愛い属性”の私を消してしまったと考えてるかもしれないけど……それは違う」

妹「私が今生きてるんだから……“可愛い属性”の私も生きてるんだよ」

兄「え……って事は……」

妹「まぁ……たまには甘えたり、敬語使ったり、クールになったりするかもね」

兄「……そっか」

兄「…………そっかぁ……はは」
 

 





兄「……」

妹「……」

兄「……あー幸せだ」

妹「……何急に」

兄「……だって……妹と両想いなんだもの」

妹「な! な、何でいきなりそんな事言うかなー?」

兄「えー、だって両想いだよ? これってすげーよ」


兄「スケッチブックも使ってないのに……俺が……大好きな妹から……大好きだと思ってもらえてるんだよ?」

妹「……」ポッ



妹「……うん……確かにすげー……両想い」
 

まだあったのか・・・(´;ω;`)ヨカタ・・・

 

妹「……あ」

妹「今ので、すごい重要な確認しなきゃいけない事思い出した」

兄「なになに?」


妹「私とお兄ちゃんって……付き合ってるの?」


兄「つ……!」


兄「…………付き合ってるかな?」

妹「私に聞かないでよ!」

妹「だ、大体付き合ってるカップルって、始まりは告白からなんじゃないの!?」

兄「告白……してない……」

兄「俺、まだ妹に告白してないわ!」

妹「知ってるよ! してよ!」

兄「うん、する!」
 

 

兄「……えー……ごほん」

兄「本日はお日柄もよく……」

妹「お兄ちゃーん……私が聞きたいのは愛の告白だよ?」

兄「わ、わ、分かってるけど……何かこういうのって緊張しちゃって……」

妹「……お兄ちゃんが私に抱いてる想いを単刀直入に伝えてくれればいいから」

兄「わ、分かった……!」


兄「……」スー







兄「…………妹……お前が死ぬほど好きだ……一生俺のそばにいてください」



妹「…………あ…………は、はひ……喜んで……」ポー
 

 

兄「……」

妹「……」

兄「……は、あはは」

妹「……えへ、えへへぇ」


兄「……ちゅーしていい?」

妹「えぇっ!?」


妹「…………い、いいよぉ」


チュッ

 



兄「あー……妹可愛いよ……」









兄「こんな妹は可愛い」

『俺の妹』
 

終わりじゃ

>>1もそうだが、このスレ落とさなかった人、乙!!

1000まで完走か。@50(´・ω・`)

>>1000なら闇落ちした兄ルート

1000なら可愛い義妹ができる

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