信「だから羌瘣のことが好きだって言ってんだろ!」羌瘣「…は?」 (36)

キングダムSSです。
時系列は対魏国大攻略戦後から羌瘣が旅立つまでの自作エピソードとなってます。
短いです。

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羌瘣「貴様は何を言っている…?」


信「だぁー!ったく…俺もよぉ、よくわかっちゃいねぇんだが…お前と一緒にいたいと思ってる」


羌瘣「いつもいるが…?」


信「…羌瘣、手を出してくれ」


羌瘣「何故だ?」


信「俺がお前のこと好きだってことを行動で示す」


羌瘣「………断る」


信「理由を教えてくれないか?」


羌瘣「好きという感情は私にはわからない」


信「ーーっ!」


羌瘣「今日はもう遅い。早く寝ろ」クルッスタスタ


信「………」


翌日


信「はぁァァァ!!!」ザシュ


敵兵1「ぎゃァァァ!!」バタッ


信「はぁっ、はぁっ!敵の頭はどこだ!?」キョロキョロ


敵兵2「隙有りィィィ!!!」ブンッ


信「雑魚は引っ込んでろォ!!!」ズシャァ


敵兵2「ぎゃァァァ!!!秦国軍なんかにィィ!!!」バタッ


羌瘣「信、あそこだ」スッ


信「羌瘣!!っしゃあ!野郎共!!俺に付いて来い!!!!」


飛信隊「オオオオオオオオオオ!!!!!!」


敵弓兵「ククク…前しか見えていない馬鹿な奴め……死ね」


ビュッ


羌瘣「!」


楚水「信殿!!!危な…!(間に合わない!!)」


ドッ


楚水「信殿ォォォォォ!!」


信「ーーっ!?」


羌瘣「…くっ!」ズシャァァァァァ


羌瘣「そこかっ!!!」ザシュ


敵弓兵「クソッ!邪魔しやがっぐぎゃァァァ!!!!」バタッ


信「きょ、羌瘣!!!!」


楚水「羌瘣殿!よくぞ信殿を守られ……っ!お怪我を!おい救護班を呼べ!」


羌瘣「騒ぐな。これくらい対したことな…ぐっ」フラッ


信「羌瘣!大丈夫か!?」


楚水「羌瘣殿、もしや…」


羌瘣「あぁ、毒だ。矢の先端にどうやら毒が塗られていたらしい」


信「クソッ!俺がしっかりしていれば!」


羌瘣「煩い、喚くな。それよりも早く敵大将の首をとって来い。話はそれからだ」フラッ


飛信隊救護班「救護班到着しました!羌瘣副長!こちらへ!」


信「うおおおおおおおお羌瘣の仇ィィィィィ!!!!」ドドドドドド


羌瘣「…勝手に殺すな」


終戦後


信「羌瘣ッッッ!!!」バッ


羌瘣「……」


魯延「フォッフォ、信隊長殿、羌瘣殿は心配いらんよ。自身で解毒草の調合をしよったようでの。わしらの出る幕なぞなかったようじゃ。今は安静にして寝ておるだけじゃ」


信「そうか…よかった。すまねぇ魯延のじいさん、あんがとよ」


魯延「では儂は席を外すことにするかの」スッ スタスタ


信「………怪我させちまって悪かった」


羌瘣「…」


信「言われた通り大将首は取ったぜ。約束は守った」


信「…だが好きな女一人も守れやしねぇ。クソッ!もっと…!もっと強くなりてぇ…!」ギリッ


羌瘣「…」


信「いつまでもお前に守られてるようじゃ天下の大将軍になれるわけがねぇ…!」


信「俺はお前を超えて俺の手でお前を守ってやる。俺の女として隣にずっといさせてやる。生涯ずっとだ!」


羌瘣「…(っ!)」ドクン


信「……ハッ、寝てる奴に言っても聞こえねぇのに俺は何言ってんだ」


信「………ゆっくり休めよ」スクッ


スタスタ


パチッ


羌瘣「………なんて恥ずかしいことを言って去るんだ馬鹿者め////」カァァ


羌瘣「象姉の仇を取るまではそのつもりは無いのだがな…」


羌瘣「……っ!?」


羌瘣(私は…今まで象姉の仇のことしか頭に無かった。それなのに…今私は仇を取ったあとのことを考えている…。何も無い空っぽの頭の中に……信がいる。飛信隊の仲間がいる。私は………飛信隊の………信のーーーーー)


数日後


信「行くのか?」


羌瘣「あぁ」


尾平「俺は!いや、俺たちはずっと羌瘣ちゃんの帰りを待ってるぜ!」


澤圭「いつでも帰ってきておいで」


渕「我らは心で繋がってます!」バシッ


沛浪「途中で落っ死ぬんじゃねぇぞ」


崇原「帰ってきたら一戦交えてもらうからな」


田永「……フン、気をつけろよ」


松左「みんな羌瘣ちゃんのこと忘れないよ!」


田有「美味い飯作って待ってる」


慶「俺らも強くなるからな!帰ってきて驚くなよ!」


昴「羌瘣副長!僕も!僕も飛信隊です!ずっと待ってます!」


魯延「儂が死ぬ前には帰って欲しいのぉ…」


羌瘣「みんな……」


信「ハハッ、羌瘣が行くって伝えたらみんな来やがった。これだけお前は飛信隊にとってでっけぇ存在になっちまったんだよ」


羌瘣「…」


信「俺だってそうだ。羌瘣は俺の知らない世界の強さを持ってる。お前は周りに頼ろうとせず自分の力だけでやっちまう。なまじその実力があるからこなせちまう」


信「だがな」


信「お前は力があっても中身は空っぽなんだ。中身が空っぽの人間なんぞ生きる目的が無いのと一緒だ」


信「俺は、俺たち飛信隊はその空っぽの中身になりてぇんだ」


羌瘣「…っ」


信「そしてここからは個人的なことだが…」


羌瘣「…?」


信「羌瘣、俺の女になるまで死ぬんじゃねぇぞ」グッ(拳を突き出す


羌瘣「ーーっ!?」ドクン


信「…どうした?今更寂しくなったとか言うんじゃねぇだろーな?」


羌瘣「冗談を言うな…」フッ


尾平「うぉ!?羌瘣ちゃんが消えた!!」


松左「…行っちまったか」


渕「ご武運を!」バシッ


信「…あいつらしい別れ方だぜ」


フッ


信「!?」


羌瘣「…………」ボソッ


フッ


信「おい羌瘣今なんて!!!」バッ


信「………いねぇ」


尾平「うおーーん羌瘣ちゅわーーーん!!!」


慶「いつまでも引きずんじゃねーぞ尾平」


信「…ハハッ!おいてめえら!!!!次の戦の準備するぞォォォ!!!」


飛信隊「オオオオオオオオオオ!!!!!」


ーーーーーーーーーーー


タッタッタッタ


羌瘣(また信の言葉で胸の辺りが苦しくなった…)


羌瘣(俺の女…か)


ドクン


羌瘣(!?)


ピタッ


羌瘣「…………きっとこれが信が言っていた好きということなのだろうな」


羌瘣「フッ、心なしかいつもより気分がいい。好きというものも悪くないな…」


フッ


こうして羌瘣は象姉の仇討ちの旅に出た。
その後の行方は信たちにも知る由もない。


以上で終わりです。
羌瘣編をやってみたかっただけなので。
次があるとすれば河了貂編かな。では。

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