大人「これやって」

さとり「はい」

大人「あれやって」

さとり「はい」

大人「好きなことしていいよ」

さとり「えっと……」

大人「やりたいようにして良いんだよ？」

さとり「はあ」

大人「あっ、これ忘れてた、やって」

さとり「はい」

大人「言ったことは熟すんだよなぁ」

さとり「妙な責任とか発生しませんし」

大人「酒」

さとり「高いです、友達に好きな人はいますけどジュースにします」

大人「タバコ」

さとり「高いです、友達に吸う人はいますけど吸いません」

大人「ファッション」

さとり「安いとこでそれっぽいの買います、友達にオシャレなひとはいますけど」

大人「ギャンブル」

さとり「お金がないですし、結局負ける人しかいないのに頭おかしい、友達にやってるひとはいますけど」

大人「君はなにかしないの？」

さとり「スマホのゲームで遊びます、タダだから友達もやりますしちょっと課金したらドヤ顔も出来ます」

大人「つまらなくない？」

さとり「そこそこ楽しいです」

さとり「日本が経済成長した頃はお金もたくさんあったそうですね」

大人「あの頃は働けば働くほど国が成長して給料も増えた、やりがいがあったな」

さとり「バブルにはみんなお金を湯水のように使ったそうですね」

大人「あの頃はなにもしなくてもお金持ちって勢いで遊んでいられたからな」

さとり「バブルが弾けた時は大変だったそうですね」

大人「バブルが弾けてから国を立て直すのは大変だったな、その分やりがいがあった」

さとり「その頃からリストラが流行ったそうですね」

大人「使えないと会社のためにならないしな」

さとり「最近はリストラや会社自体倒産したりするから先行きが不安です」

大人「それを支えていくのが君達じゃないか」

さとり「変なミスしてクビになったら嫌なので責任は負いたくないです」

大人「それでもやりがいはあるだろう？」

さとり「やりがいでは生きていけないです」

大人「さとり君は普段なにしてるのかな」

さとり「世界のことを考えています」

大人「じゃあ趣味は？　車とか時計とかステータスになるぞ」

さとり「ステータスなど所詮はこの世のもの。もっと大きな視点で人を見るべきです」

大人「そんなんじゃつまらないだろ？　ほら出掛けたりはするだろう？　みんなで旅行とか」

さとり「いろいろな場所にボランティアに行って見聞を広げさせてもらってます。あとゲーセン」

大人「ゲーセンか！　格ゲーとか熱かったなぁ！」

さとり「いえ、対人は苦手でして、メダルとかです」

大人「もしかして人が嫌いなのか？」

さとり「そういう時期もありあました。でもそれじゃダメなんだって思ったんです。」


こんなイメージなんだけど

大人「これからはグローバル化した社会だ、英語を話そう」

さとり「受験英語しか知らないので話すのはあんまり出来ません」

大人「そうだと思ったからカリキュラムに入れていくことにするよ」

さとり「他の勉強の時間が減って行きます」

大人「ゆとり教育が終わったし大丈夫」

さとり「ゆとり教育しか受けてないです」

大人「塾とか通ったから大丈夫だろ？」

さとり「都会の子は塾行ってますけど大体塾に行かないでゲームの時間が増えました」