>>2「……」
クリスタ「いくぞ」
なんやて
/FPfxBZU「……」
クリスタ「……」
/FPfxBZU「来て」
クリスタ「……ドラァッ!!」
この日のためにクリスタは己を鍛え上げた
立体起動も座学も馬術も捨て、ただ蹴りの練習とそのためのトレーニングにのみ時間を費やした
はじめはうまくいかなかった
コーチであるアニレオンハート氏は語る
アニ「ええ、はじめはなにを言ってるんだろうと思いました」
アニ「いきなり私のところへ来て『蹴りを教えてほしい』ですからね」
アニ「まあ断る理由もないので了承したんですが、まあセンスのないこと(笑)最初はまともに足もあげられなかったんですよ?」
練習を初めて一年がたったころ
サンドバッグを蹴る音が、変わったことに気付く
アニ「本当に、毎日練習してたんですよ。クリスタ」
アニ「訓練の以外の時間はずっとサンドバッグ蹴ってましたね。休みの日に遊びに誘っても全部ことわって……」
アニ「でもまさか、一年で追い付かれるとは思ってませんでした(笑)」
しかし、彼女の目標はアニレオンハートではなかった
練習を初めて二年が経過したころ、ついにサンドバッグが限界を迎える
キース「ええ、そりゃあ驚きましたよ」
キース「レンズが『教官、すみませんサンドバッグを蹴り破ってしまいました』ですからね」
キース「まあ随分古いものでしたし、しょうがないと思ってすぐ新品を用意したんですが……」
キース「彼女が同じ要件で私のもとをおとずれたのは、その日の夕方でした」
彼女の蹴りは、サンドバッグが耐えられるものではなくなっていた
仕方なく兵舎裏の木に布を巻き付け、それを蹴り続けた
来る日も、来る日も
その頃から彼女は、訓練に参加しなくなった
食事や睡眠以外の全ての時間を蹴りに費やした
目を真っ赤に血走らせ、一心不乱に蹴りを放つ彼女を、誰も止めることは出来なかった
その木が根本から折れたのは、それから半年後のことである
へし折った木が100を越えた頃、彼女が蹴りを練習しはじめて三年がたっていた
ひたすらに鍛え抜かれた右足、太さは彼女自身の胴体を悠に越えていた
そしてこの日がやってくる
クリスタ「……」
/FPfxBZU「……」
/FPfxBZU「来て」
クリスタ「……ドラァッ!!」
放たれた蹴りは、今までで最高の威力を宿していた
この下で告白すれば必ずうまくいくという伝説の木をへし折ったよりも
勝負を挑んできたエレンを蹴り殺したときよりも
更に、いや、比べ物にならないほどの威力と殺気を纏った蹴りが、
/FPfxBZUを襲う
結果
クリスタ「……」
/FPfxBZUは飛散した
クリスタ「……」
ここでこの話は終わる
だが、彼女の物語はまだ終わっていない
彼女がその足でこれからなにを成すのか
なにを蹴り殺すのか
それは、また別の機会に
完
以上です
ありがとうございました
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