海未「ストーブ…ですか」真姫「そうね」 (45)
海未「何故石油ストーブを部室に?」
真姫「昔家で使ってたものを持ってきたのよ」
海未「それはいいのですが…危なくはないですか?」
真姫「正しい使い方すれば大丈夫じゃない?」
海未「はぁ…でも灯油はどこから?」
真姫「学校のを使っていいそうよ」
海未「許可は?」
真姫「絵里が取りに行ったわ」
海未「そうですか…」
海未「では使わせていただきますね」
真姫「うん」
ボォォォォ…
海未「……」ヌクヌク
真姫「……」
海未「…それにしても随分と古いストーブですね」
真姫「そうね。何で私の家にあったのか疑問なくらいよ」
海未「私は昔、このタイプのストーブでよくおもちなどを焼いて食べていました」
真姫「おもち…」
海未「はい、とっても美味しかったです」
真姫「……」
真姫「買ってきたわ」
海未「早いですね」
真姫「……」
海未「……」
真姫「何よこれ、全然膨らまないじゃない」
海未「少しおもちが大きいからでしょうね。もう少し待ちましょう」
真姫「そうね」
プクゥ
真姫「膨らんできたわ」
海未「いい感じです」
真姫「金網じゃないとダメなの?アルミホイルは?」
海未「アルミホイルでもいいですけど、引っ付きにくいのは網の方ですね」
真姫「ふぅん…」
真姫「焼けたわね」
海未「頂きましょうか」
海未「」モグモグ
真姫「あちち…」モグモグ
海未「…このままでも美味しいですが、砂糖醤油が欲しくなりますね」
真姫「そうね…買ってくるの忘れてたわ」
海未「でも、素朴な味というものも悪くはないです」
真姫「素材の味って奴かしら」
海未「はい」
真姫「…みんな遅いわね」
海未「そうですね」
-次の日-
海未「おや、今日も真姫だけですか」
真姫「かよちんと凛は用事があるって。三年生は冬期講座で遅れるって聞いたわ」
海未「そうですか」
真姫「穂乃果とことりは?」
海未「美容院に行きました。私はこの前済ませてきたので…」
真姫「そう」
海未「ところで真姫、ここに偶然椎茸があるのですが」
真姫「焼きましょう」
海未「」サクッ プスッ
真姫「串で刺すして焼くの?」
海未「ちょっと試してみようと思いまして」
真姫「ふーん」ガサガサ
海未「そっちはアルミホイルですか?」
真姫「以前ママがやってるの見たことあるわ」
海未「なるほど…」
海未「では焼きます」
真姫「美味しくなりなさいよ」
ボォォォォ…
海未「……」
真姫「…このまま食べるの?」
海未「一応醤油を少し持ってきました」
真姫「ストーブの上に落として焦がさないようにしないといけないわね」
海未「そう考えるとやはり串は失敗でしたね」
真姫「いいじゃない。そっちは浸して食べれば」
海未「そうですね」
海未「あ、ちょっと焦げてしまいました」
真姫「もう食べてもいいかしら?」
海未「いただきます」
真姫「いただきます」
海未「」モグモグ
真姫「」モグモグ
海未「…少し生っぽいです」
真姫「アルミホイルの方はいい感じね」
海未「食べてもいいですか?」
真姫「いいわよ」
海未「…美味しい」モグモグ
真姫「でも、何か足りないような…」
海未「…バターでしょうか?」
真姫「それよ。ホイル焼きには欠かせないわ」
海未「だとするとえのきやしめじ…玉ねぎなども欲しいですね」
真姫「…でもよく考えたら、これって」
海未「お酒のツマミ…ですね」
真姫「何だか親父臭いって思われそう」
海未「そうですね…ではこの事は二人だけの秘密にしておきましょう」
真姫「賛成」
海未「そろそろ穂乃果達が戻ってきますね」
真姫「私こっちを片付けるわ」
海未「では私は部屋の換気をしてきますね」
真姫「うん」
海未「…口の中が椎茸って感じです」
真姫「飲み物買ってくるわね」
-次の日-
真姫「…あれ?他のみんなは?」
海未「穂乃果とことりは昨日の美容院で髪を切られすぎたのでクレームを言いに行ってます」
真姫「ふぅん…」
海未「一年生二人は?」
真姫「デートしに行ったわ。三年生は冬期講座?」
海未「そうですね」
真姫「じゃあまた二人だけね」
海未「はい」
真姫「今日は何持ってきたの?」
海未「パンです」
真姫「パンだけ?」
海未「いえ、それだけでは物足りないと思ったので…」
海未「チーズを持ってきました」
真姫「流石ね」
海未「早速焼いてみましょう」
真姫「今日はパンの上に乗せるだけだから簡単ね」
海未「そうですね」
真姫「あ、パンくずが溢れちゃったわ」
海未「後で掃除しておきましょう」
ボォォォォ…
海未「……」
真姫「…地味ね」
海未「そうですね」
真姫「なんか…オーブンで焼いてるのを黙々と見てるだけっていうか…」
海未「チーズももうちょっととろけるのを想像していたのですが…」
真姫「私もよ」
海未「何かもうちょっと工夫が必要だったかもしれません」
真姫「でも食べるのでしょ?」
海未「当然です」
∧_∧
( ´・ω・) ・・・・。
( つ④O
と_)_)
真姫「いただきます」
海未「いただきます」
真姫「」サクッ
海未「」サクサク
真姫「…パンね」
海未「チーズの乗ったパンですね…」
真姫「まぁ、大体は想像通りだったけど」
海未「両面焼きにすれば少しは変わったのでしょうか?」
真姫「チーズを最初に乗せたのも間違いだったのかもしれないわ」
海未「そうですね」
真姫「そういえば、さっきホットココア買ってきたの」
海未「流石です。真姫」
-次の日-
海未「…おや」
真姫「ん」
海未「穂乃果とことりは美容院を訴えるみたいなので今日は弁護士に相談に行っています」
真姫「かよちんは腰痛で学校休んでるわ…昨日何かあったのかしら?あと三年生は冬期講座」
海未「ではまた二人だけですね」
真姫「最近多いわね」
真姫「で、今日は何を焼くのよ?」
海未「真姫、あなたハマりましたね」
海未「今日はじゃがいもを持ってきました」
真姫「ということは…」
海未「はい。じゃがバターです」
真姫「…いぃ」
海未「今回はちゃんと調べてきました」
海未「アルミホイルのに包んでストーブに乗せるだけです」
真姫「簡単ね。私でもできそう」
海未「では焼いていきましょう」
真姫「そうね」
海未「……」
真姫「…長いわね」
海未「まだ串が刺さりませんね…」
真姫「どのくらいかかるの?」
海未「ざっと30分だと書いてあります」
真姫「…待ち遠しい」
海未「それまで何かしていましょうか」
真姫「そうね、何する?」
海未「あ、ひとつ思いつきました」
海未「バターと塩コショウを忘れたので買い物に行ってきます」
真姫「行ってらっしゃい」
ザッ…
穂乃果「ことりちゃん……準備は出来てる?」
ことり「穂乃果ちゃんこそ……!」
穂乃果「ほのか達はこの怨みを法廷で晴らさねばならない!!」
ことり「この頭……毎朝鏡を見る度に死にたくなる………!」
穂乃果「うん……分かるよ、ことりちゃん」
ことり「行こうか、穂乃果ちゃん……!」
穂乃果「おーっ!!」
真姫「出来たわ!」
海未「ふふっ…すごく嬉しそうですね」
真姫「30分も待たされたもの。嬉しいに決まってるじゃない」
海未「そうですね…ではいただきましょう」ガサッ
真姫「いただきます」
海未「」ホクホク
真姫「…!」ハフハフ
真姫「美味しい…幸せ…」
海未「はい…とっても美味しいです…」
真姫「何これ…殺人的な美味しさじゃない…」ホクホク
海未「立派な男爵芋に…パターと塩がすごくいい感じに合わさって…」
真姫「気分は北海道ね…」
海未「はい…季節感もばっちりです」
真姫「美味しい…」ホクホク
海未「とっても…」ホクホク
真姫「…食べ過ぎたわ。今日晩ご飯入らないかも」
海未「私もです…母に怒られそうですね」
-次の日-
真姫「あ」
海未「はい」
真姫「かよちんは無事治ったみたいよ。凛は今かよちんと病気が治ったお祝いに家デートしてるわ」
海未「穂乃果とことりはどうやら敗訴だったようです。ですが弁護士を変えて控訴するそうです」
真姫「三年生は?」
海未「冬期講座」
真姫「さつまいも持ってきたのだけど」
海未「…!」ガタッ
海未「…とうとうそれを持ってきてしまいましたね」
真姫「えっ?」
海未「さつまいもと石油ストーブは、相離れない関係だと言っても過言ではないでしょう」
海未「しかし…ストーブでさつまいもを作るためには、様々な物が必要となります」
真姫「必要なもの?焼くだけじゃないの?」
海未「はい…正確には蒸す。ですが」
真姫「じゃあ…焼き芋食べれないの?」
海未「残念ですが…」
真姫「……」
真姫「……」シュン
海未「そんな露骨に落ち込まないでください。何とかしますから」
このSSまとめへのコメント
この二人本当大好きです。
もっとこの二人の組み合わせ、ss見たい。