唯「完全犯罪かー」 (56)

梓「唯先輩。おはようございます!」
唯「あ、おはようあずにゃん」
梓「あれ、先輩何読んでるんですか?」
唯「あ、これ~?和ちゃんから借りたんだ。ミステリーだよミステリー」
梓「先輩も本とか読むんですねー」
唯「これおもしろいんだよ~特にね・・・」
律「お~い!唯~梓~」
唯「あ、律ちゃん澪ちゃんおはよう!」
律「なんの話してたんだ?」
梓「唯先輩がミステリー読んでるんですって」
律「ミステリー・・・人が殺されて・・・わあああ!!」ポカッ
澪「脅かすな!」
律「ごめんごめんwあ、ムギだ」
紬「みんなおはよ~。む、唯ちゃんそれは・・・」
唯「あ、これ~?ミステリーだよ!」
紬「アガサクリスティね!」
澪「ああ、ムギはこういうの好きなんだよな」
紬「うふふ」
唯「ムギちゃん!これからはミステリーを語り合おう!」フンス!
梓「唯先輩がムギ先輩と同じレベルで話せますかね~?」
唯「え~ひどいよあずにゃ~ん」
一同「ははははwww」

2年教室にて

梓「唯先輩がミステリー読んでるんだってね」
憂「そうなんだよー。ギー太と同じぐらいはまってるよ♪お姉ちゃんったら私が読む前に全部犯人言っちゃうんだから。」
梓「それは・・・」
純「本当、憂のお姉ちゃんておもしろいよね~」
憂「自慢のお姉ちゃんだよ!」


放課後

梓「唯先輩、また本読んでるんですか?」
澪「授業中や休み時間もずっとな」
律「唯はのめり込むとすごい集中力を発揮するからなあ」
唯「えへへ~」
紬「すごいわね!唯ちゃん!」
澪「まあ授業中はどうかと思うけど・・・」
唯「ミステリーは魂だよ!」フンス
律「魂って・・・」
梓「さ、本なんて読んでないで・・・」

唯「お茶にしよっか~」

平沢家

唯「ねー憂ー」
憂「何?お姉ちゃん」
唯「完全犯罪ってあると思う?」
憂「え?」
唯「ミステリーのラストってみんな犯人が捕まっちゃうんだよ。どんな巧妙なトリックを使っても」
憂「それはそうしないとお話にならないからじゃないかなー?」
唯「あと、動機もないのに人を殺しちゃう人がたまに出てくるんだけど、どうしてもその気持ちがわからないんだよねー」
憂「あんまり変なこと考えてないで今日はもう遅いから寝たほうがいいよ!」
唯「うん。そうだねー。おやすみ憂」
憂「おやすみ。お姉ちゃん。」

唯(完全犯罪かー)


翌日学校

律「合宿をします!」
澪「え?」
梓「え?先輩達もう3年生で受験もあるのに合宿なんて行ってていいんですか!?」
律「だって~ムギが地下室つきの別荘借りれるって言うからさ~」
唯「地下室!?」
紬「うん!防音設備が整ってるから大音量で練習しても平気よ!まあ田舎だから近所にお家もないんだけどね~」
澪「おお!」
律「お!?澪も行く気になったか?」
澪「まあ、息抜きも必要だしな!」
紬「それじゃあ決まりね!」

唯「・・・」

平沢家

憂「梓ちゃんに聞いたよ~合宿いくんだって?」
唯「そだよ~」
憂「来週でしょ?早めに準備しなくちゃね!手伝うよ!」
唯「ありがとう憂~」
憂「なんか買っておくものとかある?」
唯「ゴクリ・・・」
憂「お姉ちゃん?」
唯(人里離れた地下室付きの別荘・・・今日昼間考えた計画なら・・・完全犯罪・・・やっぱりみんなに協力してもらうしかない!)
唯「あのね憂!」
憂「?」
唯「ここに書いてるもの、来週までに用意できないかな?」ペラ
憂「え?これって・・・?」ゴクリ
憂「わかった!できるだけ頑張って集めてみるよ!」
唯「本当!?ありがとう憂~」
憂「明日から忙しくなりそうだから今日はもう寝るね」
唯「うん!おやすみ憂。」
憂「おやすみ。お姉ちゃん。」

憂(お姉ちゃん・・・)

合宿当日

律「あ、唯だ!」
澪「おはよう唯」
唯「おはよう」
澪「珍しいな。唯が一番に来てるなんて」
律「それにどうしたんだその荷物?2泊にしては多すぎないか?」
唯「え、えーとねーこれは秘密だよ!」
律・澪「??」
紬「みんなおはよー」
律「お、ムギおはー。これであとは梓だけだな」
紬「それが、今朝梓ちゃんから連絡があって、少し遅れるから先に行っててって」
澪「え?そうなのか」
唯「・・・」
紬「夕方には着くらしいから場所は教えておいたわ」
律「そっか、じゃあ出発するか!」

電車内

澪「4人で電車に乗ってると修学旅行を思い出すな」
律「そうだなーあれ?どうした唯?元気ないな」
唯「え?そんなことないよ!」
澪「梓がいないから寂しいのか?」
紬「唯ちゃんと梓ちゃんって仲良しだもんねー」ポッ
唯「ベ、別にそういうわけじゃないよアハハハ」

澪・律・紬「???」

別荘到着

律「おお!駅から結構歩いたけど静かでいいところじゃん!」
澪「そしてでかい!」
唯「ゴクリ」
紬「気に入ってもらってよかった」
律「さーて荷物おいて早速遊ぶか!」
澪「練習が先だ!」
律「なにー!?遊びたいよな?唯!」
唯「今日は練習しようよ。地下室も見てみたいし」
澪「ゆ、唯が練習を選んだ・・・だと?」
紬「じゃあ地下室に行きましょうか」

地下室前

紬「今鍵開けるわねー」ガチャガチャ
鍵「ガチャリ」
紬「開いたわよー」ビリリッ!ドサッ
律「む、ムギ・・・?」
澪「ゆ、唯・・・それってスタンガ・・・」ビリリ!ドサ
律「澪!?澪!!」
唯「はぁはぁ」
律「唯!お前!」ビリリ!ドサ

数時間後

律「ん・・・ここは?」
律「澪!?おい澪起きろ!」
澪「ん?あれ、私達唯に眠らされて・・・あれ?手錠?」
律「ああ、私もだ・・・後ろ手にされてしかも壁際のパイプに繋がれてる・・・」
澪「唯は一体なんでこんなことを・・・」
律「わからない・・・それよりムギがいないんだ・・・」
澪「どうして・・・どうして・・・」ブワァ
律「携帯もポケットから抜かれてる・・・」
澪「唯!おい唯!」
律「唯!!返事しろ唯!」
澪「ここは・・・地下室なんだよな?」
律「たぶん・・・楽器もあるし」
澪「私達は何時間ぐらい気絶してたんだ?」
律「時計もないし外も見えないから今何時かもわからないな・・・」
スピーカー「ザザザ」
唯「澪ちゃーん、律ちゃーん、おはよー」
澪・律「唯??」
律「どこにいるんだ!唯!」
澪「なんでこんなことを!」
唯「まあまあ落ち着いてよ二人とも」
律「落ち着いていられるか!ムギはどうした!」
唯「ムギちゃんは私の隣でまだ寝てるよー。ムギちゃんだけは私にスタンガンで攻撃されたこと知らないから二人とは離しておこうと思ってねー」
澪「意味がわからない・・・お前は一体何をしてるんだ・・・?」
唯「じゃあ、さっきの質問から順番に答えるね。今は昼の3時。二人が気絶してたのは1時間ちょっとだよ。二人がいる場所は地下室。私は1階にあるモニター室でそこについてる数台のカメラを見て監視してるよ。」
律「カメラなんてどこに!?」
唯「最近のカメラはそんなわかりやすくついてたりしないよー。ほら、カラオケとかにもカメラってついてるんだよ?律ちゃんも少しは本とか読んだほうがいいよ」
律「うるさい!」

唯「そうそう。なんでこんなことをするかって話だったね。私ミステリーにはまってたでしよ?それでさ、どうしても気になることがいくつかあったの。
一つは完全犯罪について。小説の中ではほとんどの事件が解決されちゃうんだ。それで私は絶対に捕まらない殺人事件について考えてたの。これについてはあとで詳しく話すね。」
澪「何を言って・・・」
唯「もう一つは殺人者と殺されるとわかってる人の心理状態。小説でもよく描かれてるんだけど実際どうなのかってわかんないじゃん?
犯罪者の手記みたいなのも読んだんだけどやっぱり実感わかなくて。というわけでみんなに協力してもらおうと思ったの。だからね。澪ちゃん律ちゃん」
唯「私の研究のために死んで欲しいの」
律「ふざけるな!」
唯「あ、そのリアクションは小説に出てきたのと同じだ」
澪「唯・・・なんで私達なんだ?」
唯「んとねー、やっぱり友達だからかな。心理状態観察するには普段を知ってるみんなのほうがわかりやすいし、友達のままお別れするってなんか素敵じゃない?
どうせみんなバラバラの大学に行ってしまうならここで殺して私のためになってもらおうかと思って。」
律「狂ってる・・・なんでそんなに冷静でいられるんだお前は!」
唯「私もね、ここに来るまではすごい緊張してたんだ。でも、みんなをスタンガンで倒してそこに運び終わったら落ち着いちゃって。本当、これから殺人をする人の心理っておもしろいよ」
澪「お前に・・・殺人なんてできるわけない!いざ殺そうと思ったら怖くなるに決まってる!」
唯「私ってそんなに信用ないんだー。じゃあちょっと待っててね。簡単に人を殺せる道具見せてあげるから」

階段「コッコッコッ」
ドア「キィィィィ」
澪・律「唯・・・」
唯「じゃじゃーん♪」
律「拳銃・・・」
澪「嘘だ・・・偽物に決まって」
拳銃「バキューン」
澪「ひいいい!」
唯「どう?これがあれば怖くなんてなくない?引き金引くだけでいいんだから」
律「お前そんなものどこで・・・」
唯「憂に用意してもらったんだ。うちって親がいないことが多いでしょ?でも生活費はもらってて、憂は節約してるし今月分も合わせたら結構なお金があるんだ。
拳銃なんて日本で手に入らないと思ってるかもしれないけどそんなことないよ。スタンガンもこれから使ういろんな道具も全部憂に用意してもらったよ。憂の仕事だからもちろん足なんてつかない。」
律「憂ちゃんまでこんな計画に・・・」
唯「憂は私のいうことならなんでも聞いてくれるからね。でも憂には辛い思いさせれないから準備してもらって終わり。詳しい話もしてないよ。」
澪「じゅ、銃口を向けるなああああ!!」
唯「ごめんごめん♪しまっとくよ。あ、私もさすがにこれずっと持ってると物騒だからここのテーブルに置いとくね。
自分が殺される道具を眺めてしばらく生活してね。」
律「生活・・・だと?」
唯「うん。すぐ殺しちゃってもつまんないからさ、ここでしばらく生活してもらう。何日になるかはわからないけどね。
二人の携帯から二人のお母さんには一週間帰らないって連絡しておいたから心配しないで♪ 通報される心配もなくなったね!テヘペロ(・ω<)」
澪「一週間・・・」
唯「どのくらいになるかはわかんないけどねー。もしかしたらすぐ終わるかもしれないし。しばらくはご飯なし。お水はペットボトルにストロー差しとくから二人で適当に飲んで。
おしっこしたくなったらその辺で適当にして。床コンクリだからいい感じになるよ。嫌だったら我慢してね。大きい方もしたくなったらそこにしてね。何か質問とかある?」
澪「・・・」
律「ねえよ!今すぐ消えろ!」
唯「わかったよー。晩御飯食べる時にまた来るね。何も食べれない人がご馳走を食べる人をどんな目で見るのか興味あるし。」
澪「くっ・・・!」
唯「じゃあねー。監視してるけど何しても怒らないから手錠で繋がれて不便だろうけどできる範囲で頑張ってね!」

扉「バタン」

澪「どうしよう・・・律・・・」
律「とりあえず落ち着こう。そしてここからは小声で喋ろう。たぶんあそこにあるのがスピーカーだから小声で話せば拾われないと思う。そしてさりげなくカメラを探すんだ」
澪「え?そんなことしてどうする・・・」
律「脱出するんだよ」
澪「脱出?」
律「ああ、机にある拳銃さえ奪ってしまえば鍵を破壊して逃げれる」
澪「手錠はどうするんだよ」
律「だからそれを気付かれないように外すんだ。後ポケットに刺してたヘアピンが一個残ってる。それをうまく使って・・・」
澪「映画の見過ぎだ!そんなんでうまくいくわけないだろ!」
律「やってみる価値はある」
澪「まあ何もしないよりはいいか・・・カメラの位置知ってるにこしたことはないしな。何もすることがないしキョロキョロしても怪しまれないだろう。むしろ何も会話しないほうが怪しいからこっからは普通に会話してカメラ探ししよう。」
律「わかった。会話を全部聞かれるのは嫌だけどな・・・」

3時間後

澪「あったか?」
律「ない・・・最近のカメラはほんと小さいんだろうな・・・」
澪「私も見つけられなかった」
律「こうなったら見られてるの覚悟で手錠はずすか。背中越しだし見られる可能性も低いんじゃないかな」
澪「そうだな・・・何もしないよりましか・・・」

ガチャ

唯「やっほ~晩ご飯の時間だよ~ステーキあったよ~」
唯「あれ~?もしかしてお腹空いた?やっぱりご飯抜きは1日でもきついか~。わかった。一口ずつあげるよ。やっぱ私友達の辛そうな顔には弱いみたい♪」
律「毒でも入ってるんじゃないだろうな」
唯「そんなことしないよ~律ちゃんからあーんして♪」
律「あ・・・ーん」
おでこ「ジュー」
律「熱っ!!!」
唯「はははwww一度でいいから律ちゃんのおでこに熱い物をジューってやってみたかったんだwww」
律「てめえ!」
澪「やめろ律!相手にするな!」
律「く・・・」
唯「んふふ♪じゃあ一人でステーキいただくね」
律「くそっ・・・」
唯「ごちそうさまー。あー美味しかった」

ドア「ガチャ」

律・澪「!!」
唯「ムギちゃん!?」
律(チャンスだ!)
律「ムギ!テーブルにある拳銃を奪うんだ!!」
ムギ「え?どういう・・・?みんな何を・・・」
澪「ムギ早く!」
ムギ「う、うん!」タタタタ
律「やった!ムギ、私達は唯に監禁されてたんだ!お前も地下室の前で気絶させられただろ!しかも唯はその拳銃で私達を殺そうとしてる!」
ムギ「え?」
唯「ムギちゃん信じちゃダメ!」
澪「ムギ、本当なんだ。私達のこの姿を見てくれ。唯は頭がおかしくなったんだ!助けてくれ!」
ムギ「唯ちゃん・・・本当に・・・」
唯「・・・」
律「ムギ!唯を撃つんだ!殺さなくてもいい!手でも脚でもいいから!」
唯「ダメ・・・ムギちゃん・・・やめて!!」
律「撃て!今やらないとムギまでこんな目に合わされるぞ!」
ムギ「ゴメン!!唯ちゃん!!」
唯「だめえええええ!」
拳銃「バーン」ドサ

唯「ふふふ・・・」
澪「ムギ・・・??きゃああああああ!」
律「どういうことだ・・・どうしてムギが・・・?」
唯「あれね、銃口をつまらせて暴発する銃なんだ。ご覧の通りムギちゃんの頭も粉々」
律「で、でもさっきは・・・」
唯「すり替えたんだよ。私あの銃を一回ポケットにしまってからテーブルに置いたでしょ?あの時に」
澪「あの時か・・・くっ・・・」
唯「やっぱり最初は殺すの怖いからさ。こういう風にしようかと思って。でもびっくりしたよ。
こんなにうまくいくなんて。律ちゃんが撃てなんて言わなければムギちゃんは死ななくてもすんだのにね。」
律「わ、私が・・・?」
唯「そうだよ~私はちゃんと止めたのに律ちゃんはしつこく撃てって言ってたよね。よかった。これで私はなんの精神的負担も受けずに一人殺せたし、関節的にムギちゃんを殺した律ちゃんの今後も観察できる。」
律「私が・・・ムギを・・・」
澪「落ち着け律!唯の言葉に踊らされるな!」
律「うるさい!私は・・・私はムギを殺してしまったんだぞ!!」
唯「あははwwwなんか疲れちゃったから今日はもうおやすみにしよっか。あ、ムギちゃんどうする?
ここに置いていったほうがいいよね?じゃあ置いていくね。律ちゃんが殺しちゃったんだもんね。そうするべきだよね。じゃあおやすみ~」
律「うわああああああああ!!!」

ドア「バタン」

澪「律・・・」
律「ごめん・・・今日は喋りかけないで・・・おやすみ・・・」
澪「わかった・・・おやすみ。」

律「うわあああ!」
唯「おはよう律ちゃん。嫌な夢でも見たの?殺人者のくせに」
律「消えろ」
唯「あ、澪ちゃんもおはよう」
澪「・・・ムギはどうした?」
唯「え?ムギちゃんなら昨日そこの律ちゃんが殺したじゃん。」
澪「死体をどうしたかって聞いてるんだよ!昨日まではそこにいただろ!」
唯「ああ、それなら澪ちゃん達が寝てる間に運んでおいたよ。」
澪「どうするつもりだ・・・完全犯罪なんて無理だぞ」
唯「それは澪ちゃん達はしらなくていいの♪じゃあね。私お昼ご飯食べてくるから」

澪「もう、昼なのか」
律「みたいだな」
澪「お腹・・・空いたな・・・」
律「言うな・・・」
澪「ごめん・・・」
律「もう、死にたい・・・」
澪「だな・・・」
律「おい唯!聞いてるんだろ!?早く殺せ!もう十分だろ!!」

ガチャ

唯「うふふ、やっぱりお腹がすくと死にたくなるんだねー。それがわかれば十分だよ。おかゆ作ってきたから食べて。
今は胃がびっくりしちゃうと思うからおかゆだけしか食べさせられないけど、夜はお肉でもお魚でも好きなもの食べさせたげる。」
澪「まさか・・・今度こそ毒を・・・」
唯「やだなあ、そんなことするわけないじゃん。拳銃使いたいのに」
律「まあでも、ありがとな、唯」
唯「え?」
律「やっぱりお前は心の底から鬼にはなれないんだ。私達のしってる唯なんだ」
唯「何言って・・・」
澪「そうだ!唯は唯なんだよ!」
唯「なになに?情で訴える作戦?本は読まないくせにドラマの見過ぎなんじゃないの?
実際の犯罪者ならそんなことに心動かされたりしないよ。律ちゃんも殺人者ならわかるでしょ?」
律「ぐ・・・」
澪「いい加減にしろ!律は殺人者なんかじゃない!お前が殺人者だ!」
唯「まあいいよ。おかゆ置いとくから食べてね。手錠は外せないから犬みたいに」

澪「おかゆ・・・おいしいな・・・」
律「うん、あんなやつが作ったものなのにな・・・」
澪「私達はいつまでこんなとこに閉じ込められるんだろう」
律「さあな、てか殺されるんだろ」
澪「・・・」
律「食べたら眠くなってきちゃった。ちょっと昼寝するわ」
澪「私も・・・」



唯「二人とも、おはよう。気持ち良さそうに寝てたね。」
律「・・・」
唯「昼にリクエスト聞くの忘れちゃったからステーキ焼いちゃったけど、二人ともいいよね?」
澪・律「ジュルリ」
唯「じゃまあ、ここに置いとくからまた勝手に食べて眠くなったら寝てね。動物みたいに」
ドア「ガチャン」
律「いちいちうるさいやつだ・・・」
澪「なんであんな風になっちゃったんだよ・・・唯・・・」
律「あいつのこと考えてるとむかつくからさっさと飯にしようぜ」
澪「そうだな・・・」

ムシャムシャ

澪・律「おいしい!」
律「昨日何も食べられなかったからなのか本当にうまい!」
澪「いや、これは本当に今まで食べたことないくらい美味しいぞ!」
律「だよなあ!やっぱりムギの別荘にある食材は高級品なんだなあ」
澪「そっか・・・ここムギの別荘だったんだよな・・・」
律「ああ、でもおかげで死ぬ前にこんなうまい肉が食えてよかったじゃん!ポジティブに考えようぜ!」
澪「そうだな!」
律「あー食った食ったー」
澪「本当おいしかったな」
律「別荘に連れてきてくれたムギに感謝しないとな」
澪「そうだな・・・ありがとう、ムギ」ブワ

スピーカー「ザザッ」

律「?」
唯「本当だよー。二人とももっとムギちゃんに感謝しないとねー」
澪「ムギを殺したお前が言うな!」
唯「えー、ムギちゃんを殺したのは律ちゃんじゃんかー」
澪「その話はもういい!」
唯「はいはい。時間が経てば律ちゃんがショックから立ち直るのは計算済みだよ」
律「立ち直ったわけじゃない!乗り越えたんだ!」
唯「どっちでもいいよ。そんなことよりね。私がムギちゃんに感謝しなきゃって言ったのはそういう意味じゃなくてさあ」
澪「なんだよ」
唯「ほら、澪ちゃん、ムギちゃんの死体のありかを気にしてたでしょ?」
澪「そうだ、どこにやったんだよ!」
唯「お風呂場に運んだんだ」
律「風呂場だと・・・?」
唯「うん。二人とも『埼玉愛犬家連続殺人事件』って知ってる?」
律「知らねーよ」
唯「その事件はね、犯人が何十人も人を殺したんだ。正確な数もわからないの。なんでそんなことになるまで捕まらなかったと思う?」
澪「いちいち私達に質問しなくていい・・・」
唯「死体を見つからないようにしたんだよ。で、どうやったら死体が見つからないかっていうとさ、やっぱりバラバラにするしかないんだよ。
その犯人は『ボディを透明にする』っていう表現を使ってたんだけどね」
唯「具体的には骨と肉を切り分けて焼くの。そうすると匂いがしにくいの。
骨は粉になるまで焼いてお肉は川に流してお魚さんに食べてもらうんだって」
律「お前・・・まさかムギを・・・私達もそうするつもりなのか!」
唯「私はね二人にも感謝してるんだ。お魚さんになってくれてありがとうって」
律「お魚さんに?」
澪「まさか!!!」
唯「そうだよ。二人がさっきおいしいおいしいって食べたのはムギちゃんだよ」

澪「おげええええええ」
唯「やっぱ澪ちゃんは吐いたかあ。律ちゃんは殺人者だから吐かないと思ってたけど」
律「てめえええええ!」
唯「でもやっぱり人のお肉っておいしんだね。カニバリズムがタブーになってる理由がよくわかるよ。おいしいお肉求めて人殺しが起きちゃうもんね」
澪「よくも・・・よくもムギを・・・!!!」
唯「まあこれについてこれ以上二人と話す気はないよ。明日からも食料はムギちゃんしかないからよろしくね」
律「誰が食うか!」
唯「まだ目玉とか臓器とか珍味っぽいとこ残ってるから楽しみにしててよ。じゃあね。」

スピーカー「ブツッ」



唯「おはよう!さすがに昨日は二人とも何も喋らずに寝たみたいだねえ。まあ私からしたら友達を殺しておいて更に食べてすやすや寝れる神経がわからないけどね」
律「言ってろ!全部お前が悪いんだ!」
唯「はいはい。罪の意識から逃れたくて詭弁を言うのも殺人者にありがちだけどまあいいや。
そんなことより約束通り今朝もムギちゃんのフルコースだよ♪ タイトルはムギちゃんのカルビ~ムギちゃんの目玉に眉毛を添えて~かな」
澪「おええええええええ!」
唯「あーあ、また吐いちゃった。まあ今は食べたくなくてもお腹空けば食べたくなるよ。
人間ってそういうものだから。目玉は澪ちゃんのほうに向けておくね。」
澪「やめろ!!」
唯「ほら『天使にふれたよ』を歌おうよ」
澪「は?」
唯「♪卒業はー終わりじゃないーこれーからーもーな・か・ま・だから!!」
律・澪「・・・」
唯「この世から卒業したムギちゃんに贈る歌だよ~ 二人はムギちゃん食べたからずっと仲間でしょ?」
律「てめえ・・・」
唯「まあいいや、じゃーねー」



唯「あれ~二人とも朝ごはんは食べなかったのかあ」
律「誰がムギとわかってて食べるか!」
唯「そのお腹空いても言ってられるかなあ。まあ、そんなことより今日は二人にチャンスを用意したよ」
澪「チャンスだと?」
唯「そうだよ。うまくいけば二人揃ってここから脱出させてあげる」
律「何?」
澪「耳を貸すな律!どうせこいつのことだ・・・」
唯「信用ないなあ。でも二人はお互いを信用してるみたいだからこのゲームは楽勝じゃないかな」
澪「ゲーム?」
唯「うん。名付けて友情ゲーム!」
律「友情ゲームだと・・・?」
唯「うん、本を読まない二人でも囚人のジレンマぐらい聞いたことあるでしょ?それを応用したゲームを作ってみたよ」
律「囚人のジレンマ・・・」
唯「ルール説明するね。今から二人にボタン押すだけで私にメールを遅れる状態にして携帯を返す。で、二人とも私にメールを送らなかったら二人揃ってここから出してあげる。」
澪「どういうことだ?」
唯「もちろんこれだけだと二人ともメールを送らないよね?そこで制限時間30分を設定して、先にメールを送ったほうはその時点でここから出してあげる。
もう一人は出れない。30分の間に二人ともメールを送らなかったら二人とも出れるっていうルール。」
澪「相手を見殺しにして自分だけ助かろうとする弱みにつけこんだゲームってことか」
律「そんなん引っかかるわけないじゃねえか!舐めるな!」
唯「まあゲームやってみたらわかることだよ。早速はじめようか。この紙袋の中にそれぞれの携帯が送信ボタン押すだけで私にメール送れる状態にして入ってる。
疑いあってもらうように30分の間二人は自分の紙袋の中から手をだしちゃいけない。ルールはこれだけ。準備はいい?」
律・澪「コクッ」
唯「じゃあ始めるよ、よーいスタート!」

澪「私達は信じあってる。二人揃ってここから出る!」
唯「ふふふ。あ、メールが着たらすぐわかるように私の携帯は机の上に置いておくね。バイブが鳴ったら送ってないほうは即死亡ってことになるけどね♪」
律「そんなことしなくても二人ともボタンは押さない!」

15分経過
唯「半分経過したけど携帯鳴らないなあ」
澪「だから言っただろ。押すわけないって」
律「そうだそうだ」
律(とは言ったものの、本当に澪はメールを送らないかな・・・ダメだ・・・こんなこと考えたら唯の思うツボ・・・!)
澪(・・・)
唯「あれー?律ちゃんどうしたのー?汗書いて顔も険しいよ?もしかして澪ちゃんのこと疑ってる?
でもそんな顔に出しちゃったら澪ちゃんだって押しちゃうかもしれないよ?」
律「な、何を言ってるんだ!わたしらは信頼しあってる!」
澪「ああ、そうだな」
律(澪も様子が変だ・・・クソ、唯のやつ余計なこと言いやがって)
唯「うふふ」

残り3分

唯「あと3分だよー。でもここからが本番。一番猜疑心が強くなる時間帯だね。」
唯携帯「ブーンブーン」
唯「あれ?鳴っちゃったねえ。どっちからのメールかなあ??」
唯「あははw律ちゃんからだwというわけで」
律「澪・・・すまない!」
唯「脱出できるのは澪ちゃん!」
律「え・・・?」
澪「ふふふ・・・」
唯「実はね、澪ちゃんはゲームが始まって1秒もしないうちにメールを送ってたんだ。テーブルに携帯を置く前だったからバイブ音も聞こえなかったみたいだけど、私は知ってたの。
だから30分間戦ってた気になってたのは間抜けな犯罪者の律ちゃんだけだよ。」
律「澪・・・!てめえ!!」
澪「はははははwwwwお前に怒る権利があるのか?お前もボタン押したじゃないか?」
律「ぐ・・・!」
澪「私はお前が絶対にボタンを押すと思ってた。お前はビビりだしなんだかんだで私を信用してないからな。だから真っ先に押したんだよ」
律「くそおおおお!!」
唯「あははw私はこれが見たかったんだ。このさっきまで仲よかった二人の歪みあい。約束通り澪ちゃんはここから出してあげる。
でも二人が罵り合うのをもっとみたいからもう一晩は一緒にいてね。」
澪「いいとも、脱出できるならなんでもいい。」
律「澪・・・」
唯「ていうか二人ともボタンを押さないんなら袋の中から携帯を投げ出せばよかったんだけどね。ルールは『手を袋から出しちゃいけない』なんだから。
まあ頭の悪い殺人者の律ちゃんには思いつかないよね。澪ちゃんはわかってたんじゃない?」
澪「ふふふ・・・」
律「くそ、くそおおおおおおお!」



澪「律、起きてるか?」
律「なんだよ裏切りもの」
澪「いいから黙って聞いてくれ。唯に喋ってると気付かれたくない。うなずかなくていいから聞いてくれ。」
律(・・・)
澪「私が速攻でボタンを押したのには理由があるんだ。唯の言うとおり、私は袋から携帯を出す裏技にも気付いてた。
でも、私がメールを送ったからってすぐに私をここから出さないことも予想してたんだ。」
律「え・・・」
澪「30分間携帯を袋の中で操作できるなんて絶好のチャンスと思わないか?」
律「じゃあ・・・」
澪「ああ、SOSのメールを送ったよ」
律「本当か!誰に?」
澪「聡だ」
律「聡に?」
澪「ああ、覚えてるアドレスがそれしかなかった」
律「澪・・・」
澪「二人でここを出よう」
律「でも、それだったら別に先にボタン押さなくてもよかったんじゃ?」
澪「あ、ああ、それはあれだよ、もしもの時のためだよ!」
律「おい」
澪「まあまあこの件はお互い様ってことで。とにかく聡にメールが届いてることを祈って今日は寝よう」
律「ふんっ、まあいいよ。おやすみ」
澪「ああ、おやすみ」
律「しゃれこうべ」

翌朝

ドア「ガチャ」
律「むにゃむにゃ」
澪「むにゃむにゃ」
聡「姉ちゃん」
律「聡!」
澪「来てくれたんだな!」
聡「あ、あぁ」
律「机の上にある拳銃でこの鎖を撃ってくれ!」
聡「それはできないんだ」
律「え?」
聡「ねえ、澪さん」
澪「なんだ?」
聡「フェラチオしたことある?」
澪「な、なにを・・・!?」
聡「俺のちんこ咥えてくれよ」
澪「こんな時になにいって・・・嫌に決まってるだろ!」
聡「いいから咥えろっていってるんだよ!!」
澪「ジュブブ・・・」
律「聡!!」

聡「姉ちゃんは黙ってろよ、萎えるだろ」
澪「うっうっ・・・」
聡「フェラチオっつーかイラマチオになっちゃったな、でも気持ちいいや」
澪「うぐっ」
聡「ああ、もう我慢できねえ、入れるよ」
澪「やめて!!」
聡「あれっ、ちょっと濡れてんじゃん。じゃあ失礼して」スブッ
澪「あ、あん」
聡「うおおおおおおおおおお!」
律「や、やめろ・・・」
聡「いぐっいぐっぅぅ・・・!」
澪「やめてえええええ」
聡「澪、膣内に出すぞ!」ドビュュウウウウウ

澪(レイプ目)

スピーカー「ザザザっ」

唯「それでは解説します」
律「唯!」
唯「何が起こったかわからない顔してるね。無理もないか、友達が弟に犯されちゃったんだもんね」
律「てめえ・・・」
唯「実は聡くんは、私達が来る前からここに来てたんだ」
律「なんだと?」
唯「最初から私達は仲間だったってこと。聡くん、お年頃だからエッチさせてあげたら簡単に協力してくれたよ」
聡「ご、ごめんよ姉ちゃん。でも唯はすげえ気持ちいいんだ・・・」
律「お前なに言って・・・」
唯「まあ、そういうこと。じゃあ聡くんは帰ってきてー」
律「待て!」
聡「本当にごめん、おやすみ」

翌朝

聡「おはよう」
律「聡・・・」
澪「あ、あっ・・・」
律「澪??」
澪「聡、こっちにこい」
聡「うん」
澪「早く脱いでくれ、両手使えないんだ」
聡「うん」
澪「ジュブブっ」
聡「おうふ」
律「澪!なにを!」
澪「ずぶっずぶっ、もう我慢できない、早く挿入れてくれ・・・」
聡「ずぼっ」
澪「ああああ、気持ちいい!!」
聡「ずっこん」
澪「はああああああああああ」
聡「ばっこん」
律「やめろ!」
澪「律、ごめん・・・でも気持ちいいんだ・・・!!」
聡「イクよっ」
澪「聡!膣内に!」
聡「ドビュュウウウウウ」

澪「はぁはぁ」

スピーカー「ザザザ」

唯「またまた解説ターイム」
律「唯!てめえ澪になにを!」
唯「澪ちゃんにはなにもしてないよ?聡くんのおちんちんに覚醒剤を塗っただけ」
律「覚醒剤?」
唯「憂が気を利かせて手に入れてくれたんだよ~ で、覚醒剤ってね、最初に吸引した方法と同じ方法で体に欲しくなるの」
律「なにっ?」
唯「だから聡くんの覚醒剤つきのおちんちんを咥えた澪ちゃんはおちんちんが欲しくなるってわけ。おまんこからも吸収されるからエッチも大好きになっちゃうの」
律「ちょっと待て・・・じゃあ聡も・・・」
唯「もちろんクスリ漬けだよ。こんなことに協力するなんて普通やってくれないからね」
律「てめええええええ!!」
唯「そうだ、今日から聡くんもそこで寝泊まりしてもらおう」
聡「え?」
唯「いいでしょ?澪ちゃんとヤりたい放題だよ?」
聡「そりゃいいや」
唯「クスリはたまに塗りにいってあげる」
聡「ありがとう、というわけで二人ともよろしく」

次の日

唯「おはよー。もう、聡くんと澪ちゃん何回エッチすんのよー」
聡「へへへ・・・でもやっぱ処女は最高だわ・・・」
唯「律ちゃんもしたくなってきたんじゃないの?愛液垂れてるよ?」
律「・・・」
唯「あれ、否定しないんだ?じゃあスピーカー切っとくからごゆっくりどうぞ~」
聡「マジかよ?」
律「う、うん・・・澪を見てたら気持ちよさそうで。処女のまま死にたくないし」
聡「おいおい」
律「聡、私にも挿入れてくれ!!」
聡「わかったよ、ちょうど澪さんに飽きてたころなんだ」

スピーカー「ザザザ・・・」

唯「はいはいストーップ」
律「唯・・・」
唯「律ちゃんが弟に懇願する姿だけで十分。律ちゃんがエッチしてるのは別に見たくないからこれで終わり」
律「入れろ聡ぃぃぃぃ!!」
唯「ラリってるやつ3人もいらないと思ってたけど、クスリなしでラリっちゃったね」
律「そんなんじゃねえ!」
唯「もういいや、律っちゃん死んで」
拳銃「カチャリ」
律「やめろおおおおおお!」
唯「どう?処女のまま死ぬ気分は?」
律「嫌だ・・・助けてくれ!聡処女まk」
拳銃「ばあああああん」
肉片「ぐちょ」
聡「姉ちゃん・・・」
唯「聡くんの役目もこれで終わり」
拳銃「ばあああああん」
肉片聡ver「ぐちょ」
唯「ほら澪ちゃん、何やってんの?天使にふれたよを歌うんだよ!♪これーからーも、せーの!」
唯・澪「♪な・か・ま・だから!!」

俺「日曜の夕方にこんなの書いてたら死にたくなった。唯、俺を殺してくれ」
唯「わかった、でも一つだけ教えて」
俺「なんだ」
唯「あずにゃんはどうしたの?」
俺「忘れてた」
唯「え」
俺「思わせぶりにじらしたけど、出すタイミング逃した」
唯「そうなんだ」
俺「うん」
唯「じゃあね」

fin

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