森夏「ふふふ。これを飲めば、たちどころにその者は愛の徒となり至上の幸福に包まれながらヴァルハラに昇るでしょう」
森夏「……」
森夏「……なーんてね」
森夏「バカバカしい。占いの範疇越えてるじゃない。中二病じゃあるまいし、こんなもん作って何やってんだか」ハァーァ
森夏「飲ませたい相手がいるわけでもないし。大体、媚薬のレシピなんかが普通に本屋で売ってる時点で子供騙し確定だっつーの」
森夏「アホくさ。宿題して寝よう」
翌日
森夏「凸ちゃん、喉乾いてない?ジュース作って来てあげたからコレ飲みなさいよ」
凸守「え?いいんデスか?飲むデス飲むデス」ワーイ
凸守「では早速」スッ
森夏(まぁあんな本、子供騙しだろうし何ともないわよね。何ともないだろうけど……)
森夏(一応気になるからコイツに飲ませて様子を伺ってみよう……)
凸守「……」
森夏「どうしたの?早く飲みなさいよ」
凸守「……もしかしてコレにあの忌まわしい白き水を混ぜてはいないデスよね?」
森夏「やぁねぇ、そんなわけないでしょ。ほら、ググーっと!一気、一気!」
凸守「むぅ……。怪しいデス。偽モリサマーが凸守に何か作ってくるなんて裏がありそうデス」
森夏「裏なんて無い無い。別にアンタのために作ってきたわけじゃないし。お裾分けみたいなもんよ」
凸守「本当デスね?」
森夏「本当本当」
凸守「……じゃあ飲むデス」グビグビ
森夏「……」ドキドキ
凸守「……」
森夏「ど、どう?」
凸守「……」
凸守「ブフォアッ!!!」ブフーーッ
森夏「」ビシャッ
凸守「な、なななな何デスかこれは!?鼻と喉に変な臭いがぐぁーってくるデス!!マズイなんてレベルじゃないデス!!」
凸守「やっぱり致死性の毒を盛っていたデスね!おのれ偽物!卑怯な手を……!」
森夏「ど、毒なんて入れるわけないでしょ……」フキフキ
凸守「嘘デス!凸守の舌は騙されないデス!だったら偽物も自分で飲んでみるデス!」
森夏(そう言えば味見してなかったわね……)
森夏「わ、わかったわよ。全く大袈裟なんだから。ただのジュースでしょ、こんなの」
森夏「……」スッ
凸守「どうしたデスか偽物。さっさと飲むデス。毒なんて入って無いと言い張るからなら飲めるはずデス」
森夏「わ、わかってるわよ」クンクン
森夏(う……結構ニオイきついわね……)
凸守「さぁ!早く飲むデス!それともやはり毒を……」
森夏「あぁーもう!毒毒うるさいわね!入れてないって言ってんでしょ!飲むわよ!飲めばいいんでしょ!」
森夏「えいっ!」グビグビグビ
森夏「……っぐ」ゴクン
森夏(ま、不味っ!?何これ本当に喉にぐぁーってくるじゃない!)
森夏「……ぷは」
凸守「げ……。あ、あんなマズイ液体を本当に飲みやがったデス……」
森夏「うぷっ……」
凸守「え、ちょっ……ま、まさか吐くつもりデスか!?」
森夏「う、うぐぅー……」
森夏「ーーーーっ……!!」
森夏「……よし!耐えた!危なかった……。本当に吐きそうだった……」
凸守「や、やはり毒を……」
森夏「入れてないって言ってんでしょ。しつこいわよアンタ」
凸守「でも明らかに苦しんでたデス」
一色「おいーす。……うわ、なんだこの部屋!変な臭いがすんぞ!?」プーン
一色…削除…ッッッ!削除……ッッッッ!!削除ぉおおおおおおあああああああああああ!!!!!!!!
凸守「あ、坊主頭」
一色「ん……?なんで丹生谷がビショビショになってんだ?」
森夏「う、うるさいわね。アンタに関係ないでしょ……」
一色「まぁ別にいいけどさ……。……ん?」
森夏「何よ」
一色「ええと……なんて言ったらいいのかな。今の丹生谷、何か……」
森夏「何?」
一色「……色っぽい?」
森夏「うわ、きもっ」
一色「あ、いや、別に変な意味じゃなくてだな。何だコレ……。よくわかんないけど色気があるって言うか」
森夏「ホンットきもいわアンタ」
森夏(……媚薬の効果……?ま、まさかね……)
くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ
まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
ほむら「・・・ありがと」ファサ
では、
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」
終
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり
レスみて考えてた内容変えるようなカスがいると聞いて
一色「しかしスゲェ臭いだな。部室で何があったんだよ。また中二ごっこか?」
凸守「偽モリサマーが卑劣な手で凸守を亡き者にしようとしやがったデス」
一色「なんじゃそりゃ」
森夏「……」
一色「お?どーした丹生谷?具合悪いのか?」
森夏「……」
森夏(……や、やばい。何か身体が火照ってきた……)ハァハァ
一色「……に、丹生谷?」
森夏「……」プチップチッ スルッ
一色「!?な、なないきなり何脱いでんだよオッシャァラッキー!!……じゃなくてどーしたんだよお前!?」
森夏「ハァハァ……身体が熱い……」スルスル
一色「ちょおおおお!?やめろ!やめるんだ丹生谷!お、おおおおお俺にはくみん先輩という人が……」ドキドキ
勇太「……何やってんだ?」
一色「うおっ!?勇太!ナイスタイミング!助けてくれ!丹生谷がいきなり俺を襲おうと……!」
森夏「ち、違うわよ!ただ暑かったから脱いだだけで……誰がアンタなんか……!」ハァハァ
勇太「脱いだ……?」チラッ
凸守「ミョルニルトルネード!!」ベチッ
勇太「いてっ!な、何すんだよ凸守」
凸守「DFMはマスターと契約済みのはずデス!他の女の肌を見るのは契約違反デス!」
一色「お前結構古風なんだな……」
凸守「偽物!早く装束を着るデス!マスターの居ぬ間にDFMにテンプテーションをかけようったって、そうはいかないデスよ!」
森夏「そ、そんなんじゃないわよ……!」ハァハァ
森夏(何コレ……。何なの?まさか本当に媚薬だったの……?)クラクラ
勇太「わけがわからん……。部室の中も変な臭いがするし、誰か説明してくれ……」
凸守「偽モリサマーが凸守を騙して毒のステータス異常に陥れようとしたデス」
森夏「わ……私はただジュースを作ってきただけで……」ハァハァ
凸守「毒を見破った凸守は咄嗟の判断で毒をエーテル変換して自らの魔力に換え、ポイズンミストを偽物に喰らわしてやったデス」
森夏「ジ、ジュースが……私の身体を……」ハァハァ
凸守「愚かな偽モリサマーは毒入りの液体を自ら取り込もうとしたデス。そしたらこの有様デス。策に溺れたデースね」
森夏「も、もうダメ……。立ってられない……」ハァハァ… ペタン
凸守「というわけデース」
勇太「なるほど、つまり丹生谷がジュースを作ってきて凸守に飲ませたら凸守がそれを吐き出したか零したかして部室に臭いが充満、丹生谷はそのジュースを飲んで具合が悪くなった……って事か」
一色「今の説明でよくわかるなお前……」
一時間後
森夏「……もう大丈夫。多分平気……。迷惑かけたわね……」
一色「いやー焦ったぜ。あんな丹生谷は二度と見れないだろうなー」
森夏「うっさい……。忘れなさいよ……」
凸守「汚い手を使おうとするからバチが当たったデス」
森夏「だからそんなんじゃ無いって言ってるでしょ……」
勇太「で、結局丹生谷が作ってきたジュースって何だったんだ?」
森夏「え?それは、ええと……その……」
森夏(媚薬だなんて中二の魔道士臭くて言えないわね……)
森夏「べ、別に?ただの野菜ジュースよ」
勇太「野菜ジュースでこんなんなるのか……?もしかして丹生谷、また魔術とか言って変なモン作ったんじゃ……」
森夏「あああーーーーっ!やめてやめて!そんなわけないでしょ!私はもう卒業したのよ!違う違う違う違う!!」
勇太「……まぁとにかく、丹生谷は保健室行った方がよくないか?今も顔色悪いし」
森夏「……そうね。ただこれだけは言っておく。禁断の魔導書とかそういうの読んで中二病が一瞬ぶり返したわけじゃなくて、本当に本当にほんっとうにただの野菜ジュースを作っただけだから」
勇太「わかったわかった。じゃ、俺は丹生谷を保健室に連れていくから、一色と凸守は部室の掃除をしといてくれ。この臭いを六花が嗅いだら一発でぶっ倒れかねない」
一色「お、おう……」
凸守「そういえばDFMはマスターと一緒じゃなかったデスね?」
勇太「六花は週番の仕事だよ。遅れるから先行っててくれってな」
凸守「結社のリーダーに加えて、更なる使命を背負わされるとは……我がマスターも過酷な運命の下に生まれたデス……」クッ
勇太「じゃ、行ってくるから後よろしくな。丹生谷、立てるか?」
森夏「……うん。悪いわね富樫くん……」
けいおん観てくる
一応最初から最後までの流れは決めてあるから今のところ特に路線変更はしとらんぞえ
勇太「それにしても大丈夫か?フラフラだぞ?」
森夏「ごめんね、冨樫くん…。このことは…」
勇太「言わないから安心しろ」
森夏「よかったぁ…」
六花「ゆうた!」
勇太「六花!遅かったな」
六花「いま終わったとこ。どうしたの」
勇太「いや、いまから保健室に丹生谷連れてくとこだ」
森夏「ちょっと調子悪くて…」
六花「そう、すぐ戻ってくる?」
勇太「いやどうだろ?遅いようなら早く帰っててくれ」
六花「う…、わかった…」
勇太「ごめんな、六花」
ーーー保健室
森夏「ありがとう冨樫くん。先戻っててくれていいわよ?」
Yu-ta「あ?」
森夏「…え?」
Yu-ta「おいおい、こいつぁまじかよ。冗談は程々にしてくれよ?」
森夏「じ、冗談って…」
Yu-ta「チッ…気づいてんだよ。オルァ!!!!」ビリビリィイイ
森夏「キャアアアア!!」
Yu-ta「へっへっへ、こいつぁすげぇ…びっしょびしょのヌッルヌルだぜぇ…。六花なんかとは違う大人の匂いってやつかぁ…?」
森夏「と、冨樫く…や、やめ…」
Yuuuuuuuta「うるせぇあああきえあああああああああ!!!!!!」
Yu-ta 別人ってことで
ーーー部室
六花「!」
凸守「どうしたデースかマスター?」
六花「勇太が…」
凸守「??DFMがどうかしたデスか?」
六花「Yu-taが…!!!」
六花「Yu-taが最高に最低な予感がするぜ!!!!!こうしちゃあいられねぇええええ!!!!!ヒャッハー!!!!!」ダッ
凸守「ど、どうしちゃったですかマスター?!待つデスよー!!!」
一色「や、やめてくれぇ…!!い、いのち、命だけはぁあああああ!!!」
こいつ>>1なの?
>>171
たぶん違う
Yu-ta「中に出すぞ」
森夏「…え? そんな? だm」
ブシャー
END
ーーー廊下
rikka「チッ!保健室ってぇのはどこにあんだぁ…??」
rikka「仕方ねぇ…Yu-taの気を……!!」
rikka「こっちかぁ!!!!」ダッ
ーーー保健室
森夏「や、やめて冨樫くん…怒鳴らないで…」
Yu-ta「うるっせぇんだよぉおおお!!!雌豚風情がぁ!!!誘ってんだろ?誘ってんなら大人しくヤられろってんだよぉおあああああああ!!!!」ムキムキ
森夏「キャアアアアアアア!!!」
バーンッ!
rikka「Yuuuuuutaaaaaaaaaaa!!!!!!!」
一色「あ、う、、あ、が…く、クソぉ…お、俺の、俺のJr.が…持ってかれた……持ってかれちまったよぉ…!!!」
Yu-ta「ッッッ?!?!」
森夏「小鳥遊さん!!!」
rikka「ハァハァ…へっへ…間に合ったか……」
Yu-ta「六花…!な、なん
rikka「耳の穴ァかっぽじってききゃあがれ…!!!!テメェのマンコはここだっつってんだよおおおおあああああ!!!!!」
Yu-ta「……」シンナリ
森夏「た、小鳥遊さ
rikka「うるううううっせぇんだよおおおおお!!!!!!雌豚は黙って自分のお豆ちゃんとでも会話してな!!!!」
森夏「」
rikka「オイ」
勇太「」
rikka「オイィ!!!」バコォン!
勇太「ひっ!!」
rikka「テメェ、耳ついてんのかァ?ついてんだよなァ?なら一回で返事できねぇかァ??なぁあああああ!!!!」
一色「や、やめて……放置しないで……頑張って引き継いでんだよ……やめてくれ……」
一色ってモテるために軽音部に入って
クラスメイトかばって一人で罪背負って
その結果モテようとしてたのに大事な髪を剃られて
その上全校生徒の前で意中の人に告白出来るって
最後は友人のために警察に追われることも厭わないって
ぶっちゃけ勇太より好感もてるよね
>>181
そうです、僕は勇太が大嫌いです
凸ちゃんを泣かせた罪は大きい
けいおんて何時まで?
勇太「ご、ごめんなさ……」
rikka「あああああああああ?!!!!!聞こえねぇなぁ!!!!聞こえねぇよぉ!!!!!!なんだか過疎ってるしよぉ!!!!なんだってんだクソがああああああ!!!!!」
森夏「か、過疎……?」
rikka「うるせぇゴミムシが!!!新参は黙ってろってんだよおおお!!!仕方ねぇから安価出すぜクソ虫共がああああああああ!!!!!」
>>195
そうだな安価の内容忘れてた
じゃあ
勇太「>>195」
でオナシャス
遠くに安価出さずにちゃんと間隔見て保守してろよ
だまれブス
勇太「だまれブス」
rikka「……え?」
勇太「だまれブス」
rikka「……ちょいちょいちょーい!冗談キツイっすよー!勇太さーん!」
勇太「だまれブス」
六花「」
勇太「おいブス、茶ァ沸かせや。」
六花「お、お茶……?」
Yu-ta「頭沸かす前に茶ァ沸かせつってんだよぉ!!!!顔面荒野売女がああああああ!!!!!!」
森夏「>>194」
犯してください
森夏「犯してください」
Yu-ta「んんんんんんん?!!!!!なぁんてぇえええええ?!!!!!!」
森夏「犯してください」
Yu-ta「SaySaySay、お嬢ちゃん、人に頼むときはこーこー(オデコ)をおおおお!!こーこー(床)にぃいいいい!!!Putするんでちゅよおおおおお!!!」
Shinka「Oh yes. I got it, boss!!」
六花「>>196」
あ、お茶入りました
六花「あ、お茶入りました」
勇太「あ、どうも」ズズッ
Shinka「犯してよぉ…犯してよぉお……」
勇太「うわっ…なんだこいつきもちわ
バーンっ!!
凸守「話は聞かせてもらったデース!!」
勇太「凸守?!」
凸守「蛇王真眼と契約したDFMとあろうものが契約を無視しようとするなど許せないデス!!」
Shinka「犯してください犯してください」
六花「お茶、飲む?」
凸守「>>199」
なんかこの勇太のほうが好感持てる気がしたけど多分きのせい
再安価
>>201
みんなこれ飲むデス!
といって例のジュースを全員に飲ませる。
もうちょい、あと5ぐらい安価遠くしたほうがいいよ
凸守「みんなこれ飲むデス!本屋さんで作り方見つけた魔法のジュースデス!!」
六花「魔法…!」
Shinka「犯してぇええええ!犯してくださいよぉおおおお!!ピギィイイイイ!!!」
勇太「また変なもん持ってきたのか…俺は飲まんぞ。六花も
六花「凸守!頂戴!!」
勇太「六花?!」
六花「勇太も!」
勇太「お、俺は…」
六花「私たちの魔法が、と、とけないうちに…///」
勇太「>>209」
>>202
おk
さんくす!
俺だってやめたいさ
>>1が戻ってくるまでハードル下げる作業を続ける(白目)
アバタケダブラ!
勇太「アバダケダブラ!」バシュー!
六花「」ドサッ
勇太「邪魔者は消えた…か……さて」チラッ
凸守「」パクパク
Yu-ta「Show timeの始まりだぜぇええ!!ヒャッハー!!!!」
Shinka「犯してくれるの?!!」
勇太「ちょっと気持ち悪いんでむこういってもらえますか?」アバダケダブラ
森夏「」ドサッ
凸守「」パクパク
勇太「てめぇでラストか」アバダケダブラ
凸守「」ドサッ
勇太「ふぅ…やっと二人きりになれたな……一色……?」
何LVからスレ建てできるの?
>>212
10
保健室
ガチャ
勇太「すみません、女子が具合悪そうなので連れてきたんですけど」
くみん「あ、富樫くんとモリサマちゃん」
勇太「あれ?部室にいないと思ったらここにいたんですか、くみん先輩」
くみん「うん、ここで寝てたよー。部室に行ったら変な臭いがしたからこっちに来ちゃった」
勇太「あぁ、なるほど……。保健の先生は?」
くみん「用事があるからってどこか行っちゃったよー。だから私が番してたの」
勇太「そりゃご苦労さまです」
くみん「モリサマちゃん、具合悪いの?」
勇太「……みたいですね」
森夏「う……な、なんか頭痛くなってきたから早く横にならせて……」
やっと地獄のような寒い時間が終わったか……よかったんだ、これで……
勇太「ああ、悪い悪い。勝手にベッド使っても大丈夫かな……?」
くみん「大丈夫だよー。部を作る前はたまにここで勝手に寝てたから」
勇太「そ……そうですか。じゃあ大丈夫かな……。ほら、丹生谷」
森夏「うぅ……副作用かな……これ……」フラフラ ドサッ
勇太「じゃ、俺は部室に戻るよ。六花もそろそろ来るだろうし」
森夏「うん……助かったわ富樫くん……。ありがとう……」グッタリ
勇太「しかし、ここちょっと暖房効き過ぎだな。喉乾いてきた。このペットボトルの残り貰うぞ」ヒョイ
森夏「うん……」
森夏「……」
森夏「……って駄目!!それ飲んだら危……!!」バッ
勇太「え?」ゴキュゴキュ
森夏「あ……あ……」
勇太「プハーッ!染みるなぁ」
森夏「そ、それ……さっき言ってた私が作った媚……じゃなくて野菜ジュース……」
勇太「え?ああ、これがそうだったのか。何だ、やっぱり野菜ジュースじゃないじゃん」
森夏「そう……だけど……アレ?何とも無いの?」
勇太「いや、別に」
森夏「ウソ……。で、でもそれメチャクチャ不味くない?」
勇太「そんな事ないぞ。俺は全然イケたよ」
森夏「えぇ……?マジで……?」
森夏(なんで……?どう考えても人間の飲み物じゃなかったのに……。中坊だってソッコーで吐き出してたし……)
森夏(それに私みたいに体調がおかしくなる様子も無い……。男には効かないって事……?)
勇太「じゃあ俺はそろそろ。お大事にな」
森夏「う、うん……」
勇太「あ、それとさっきの丹生谷、なかなかエロ可愛かったぜ☆」キラリン スタスタ
森夏「え゛」
森夏「な、何今のキモイ笑顔とセリフ……。富樫くんのキャラ的に絶対有り得ないわよね……」ぞわぞわ
森夏「ね、ねぇ!今の聞いた!?」
くみん「」スヤスヤ
森夏「あんた寝付き良過ぎ!」
森夏(やばい……。さっきのキモ富樫くん、絶対に媚薬のせいだ……)
森夏(……)
森夏(大丈夫よね……?一時間くらいで効果切れるっぽいし……)
森夏(いや、でもあの状態で小鳥遊さんに会わせるのは……)
森夏(……うーん、彼女が相手なら一概にダメとも限らない、かな……?)
森夏(……どっちみち具合悪くてあんまり動けないし……まぁ、いいか)
翌日
一色「おー丹生谷。もう具合は良いのか?」
森夏「おかげさまで。ていうか昨日のアレは忘れなさいよ。いい?わかった?」ギロリ
一色「ははは……善処するよ」
森夏「三秒以内に忘れて。あと誰かに喋ったら呪い殺すから」
一色「へいへい……。ったく、あのあと臭い消すの大変だったんだからな」
森夏「それは……悪かったわ。じゃあこれでアンタが私にゲロかけた事チャラにしてあげる」
一色「そっすか」
六花「丹生谷」チョイチョイ
森夏「あ、おはよう小鳥遊さん」
六花「DFMを覆う闇について極秘の話がある。ここは人目が多い。場所を変えたい。ランデブーポイントは追って連絡する」ササッ
森夏「へ?ちょ、ちょっと」ブブブ
森夏「……ん、メール?」pi
【小鳥遊六花】ゆうたの事で相談があるから屋上前の階段に来てください
見える・・見えるぞ・・・一色勇太エンドが俺には見える
>>227
ホモ展開だけは避けたい
一色は氏ね
ランデブーポイント
森夏「で、富樫くんの事で相談って何?」
六花「……最近ゆうたが怖い」
森夏(げ……。まさか……)
森夏「こ、怖い?どうして?富樫くんって優しそうに見えるけど」
六花「昨日、夜にいつもみたいにゆうたの部屋で遊んでた。そしたらゆうたが……」
森夏「……」ハラハラ
六花「その、えと……い、異能者とは思えないほど酷く世俗にまみれた物言いをしてきて……」ゴニョゴニョ
森夏「……?」
六花「わ、私のブラッディカーニバルの日とか……穢れ覆いし衣の模様を聞いてきたりする……」
森夏「あぁ……生理の日とか下着がどんなかとか聞いてくるって事ね……」
六花「せ、精神攻撃……」
森夏「確かにそれはセクハラね……。相手が恋人でもやっぱり引くよね……」
森夏(ヤバいヤバいヤバい!全然媚薬抜けてないじゃん富樫くん……!)
六花「こういう時はどういう反応をするべきなの……?」
森夏「そ、そうね……。普通に怒っていいんじゃないかな……」
六花「……怒ってはいないけど、そういう話はヤメてとは言った。結構マジメに」
森夏「そしたら?」
六花「何か嬉しそうにニヤニヤしてた……」
森夏(媚薬でヘンタイになっちゃったってこと……?)
六花「どうしよう丹生谷……。ゆうたが好きなのに、ゆうたが怖いよぉ……」
森夏「ええと……」
森夏(困ったわ……。付き合った後の事なんて本には書いてなかったから、さすがに私もアドバイスしにくいし……)
森夏「……」
六花「丹生谷……?」
森夏「ごめんなさい小鳥遊さん。私のせいかも知れない」
六花「え?ど、どういうこと?」
森夏「昨日、私がジュース作ってきたって話は聞いてる?」
六花「うん。それを飲んで丹生谷が体調崩したとも聞いてる。その時の丹生谷が、え、え、えっちぽかったってゆうたは言ってた」
森夏「それは忘れて……。で、そのジュースってのが……実は媚薬だったの」
六花「媚薬……。はっ!もしかして魔術研究の一環?」キラキラ
森夏「それは断じて違うから!!ぶべっ、べべ別につい中二趣味がぶり返したとかじゃないからねっ!?まさか本当に媚薬が作れちゃうなんて思ってなかったし!」
六花「……」
森夏「えーと、とととにかく私が媚薬を作ってきちゃって、昨日富樫くんもそれを飲んじゃったのよ」
六花「つまり、ゆうたは媚薬で精神を損傷して妙な発言をするようになったと……?」
森夏「多分ね。だから私のせいかも知れないの……」
六花「……そう。良かった、安心した」
森夏「安心?」
六花「あれがゆうたがの本性じゃなくて、あくまでも薬のせいで良かった……」
森夏「ああ、そうよね。好きな男の子がいざ付き合ったらとんでもないセクハラ野郎だったなんてイヤよね……」
六花「うん。ゆうたがそうじゃなくて安心した」
六花「それで、媚薬はどうやったら解除されるの?」
森夏「それが……私の時は一時間くらいで効果が切れたのよ」
六花「でもゆうたは昨日の夜、ていうか今日の朝学校に来る時も煩悩のままに発言してた」
森夏「効き目と時間には個人差があるのかも。多分、時間が経てばいつかは元に戻ると思うんだけど……」
六花「いつ?」
森夏「ごめんなさい、私にもわからないの……」
六花「……そう。でも平気。いつかゆうたが戻るなら私はゆうたを信じていつまでも待つ」
森夏「小鳥遊さん……」キュン
森夏(あぁ……いいカップルね……。それだけに罪悪感が重くのしかかるわ……)ウグゥ
森夏「本当にごめんなさい小鳥遊さん。私に出来ることなら何でもするわ。一緒に富樫くんが元に戻るのを待ちましょう」
六花「うん。丹生谷がついてるなら心強い。大丈夫。DFMなら己の闇にもきっと打ち勝つ。DFMは不可視境界線を見つける程の力を持っている。精神キャパシティならこの私よりも上。だから……大丈夫」
森夏「そうね。じゃあそろそろ教室に戻りましょう」
教室
勇太「お、ナナちゃん今日もカワイーねえ!今度合コンしない?」
七瀬「……富樫くん?何言ってるの?」
勇太「やっべ、すかされちったwwwwマジ純だしナナちゃんwww」
一色「お、おい勇太……?お前先生になんて事言ってんだ……?」
六花「……」
勇太「あー、合コンしてぇー。でもぶっちゃけ合コンって組むまでが楽しくて本番は微妙だよなwwwwお持ち帰りとか毎回できるわけでもないしwwwww」
森夏(あ、ダメだこれ。待ってるとか言ってる場合じゃないわ……)
昼休み
勇太「よっ、丹生谷!おっぱいでけーな!ダブルクリックしていい?」
森夏「……」
体育の時間
勇太「丹生谷ぃー!チア部のカッコしてくんねえ?あれマジそそるんだわ」
勇太「ってあれ?見学?あっもしかして血祭りデーか?鉄分いっぱいとって休めよーwwwwwww」
森夏「……」
放課後
勇太「うぇーいwwww」モミッ
森夏「ひっ……!?」
勇太「あっ、ワリwwww手が滑ったwwwwwwにぶパイ触っちったwwwww」
六花「……ゆうたぁ」グスン
丹生谷家
森夏(まずいまずいまずいまずい!思ってた以上に富樫くんに媚薬が効き過ぎておかしな事になってる!)ガサガサ
森夏(あれじゃ富樫くんの高校生活も小鳥遊さんの恋愛もめちゃくちゃになっちゃう!)ガサガサ
森夏(責任持って私が早期解決しないと……!)ガサガサ
森夏(ていうかなんで私にばっか絡んでくんのよ!?あれも媚薬のせい!?私も飲んでたから!?)ガサガサ
森夏「ん?……あ、あった!」
【恋に効くとっておきの魔法のレシピ】
森夏「まったく……この本をうっかり買わなければこんな事には……。つくづく中二病ってロクなもんじゃないわね……」
森夏「どこかに媚薬の解毒方法が書いてないかな……」ペラペラ
森夏「……」ペラペラ
森夏「あー!もう!!書いてないし!!」バサッ
森夏「エンチャントタイプの呪術の項は解除法も併せて記す事くらい、基本中の基本でしょ!?何で載ってないのよ!!どこの三流魔道士よ!?これを書いたのは!!」バンバン
ブブブブブ
森夏「はぁ……はぁ……!で、電話?」
森夏「もしもし!?」
六花『ひぃ!?……あ、あぅ……』
森夏「え?あ……小鳥遊さん?ご、ごめんごめん、ちょっとイライラしてて……。どうしたの?夜遅くに」
六花『い、今大丈夫……?』ビクビク
森夏「大丈夫よ」
六花『ほっ……』
六花『ゆうたの経過報告。さっきまで一緒にいたけど、昨日とは異なる点が見受けられた』
森夏「……?セクハラは?もうしてこなくなったの?」
六花『それは相変わらずだった』
森夏「そ、そう……」
六花『でもしきりに身体の疲れを訴えるようになった。節節が痛いとか、もう自分は老いた、みたいな事を』
森夏「身体の疲れ……?私もあの時具合悪くなったけど、今になって富樫くんもその段階に来たって事?いや、でも……」
森夏「セクハラは相変わらずなのよね?」
六花『さっき相変わらずと言ったけど、むしろ昨日より酷くなってた』
森夏「うーん……」
六花『……ゆうたが身体的に苦しんでいるのを見るのは辛い。助けてあげたい』
森夏「……」キュン
六花『こういうときはどうすれば』
森夏「身体に関しては……病院に行くのが良さそうだけど……」
六花『サナトリウムはダメ。あそこには神界の遣いがいる。ゆうたが彼女達に邪な行いをしてしまう。その光景を見るのは邪王真眼といえど魔力を消耗する』
森夏「看護士の事……?」
森夏(彼氏が他の女にセクハラするのは見てられない、か……。まぁそりゃそうよね。セクハラのターゲットにされてる私は立場無いけど……)
森夏「じゃあマッサージしてあげるとか」
六花『い、今のゆうたの身体にあんまり触ったら襲われそう……。それにゆうたに触るのは、ま、まだ恥ずかしい……』
森夏「う、うーん……。どうしたらいいんだろう……」
六花『ゆうたは別に歳とってない。でも自分は老いたと言ってる。かなり辛そう』
森夏「媚薬の反動で精神的にも不調になるのかしら……?私の時はならなかったけど……」
六花『ゆうたは若いのにあれじゃ可哀想。モリサマーみたいに700歳越えしてるわけでもないし』
森夏「だーーーーーーっ!!やめてやめてやめてやめて!!」
森夏「と、とにかく!今はもう少しだけ様子を見ましょう!小鳥遊さんはなるべく富樫くんの心身に気を配ってあげて!私も解除方法を探してみるから!」
六花『……うん。ありがとう丹生谷。こんな夜遅くまで付き合ってくれて』
森夏「いいのよ、元々私のせいなんだから。じゃ、おやすみ。また明日学校でね」
六花『うん。ぐっどないと』
ピッ
翌日の夜
ブブブブブ
森夏「ん、小鳥遊さんか」ピッ
六花『どうしよう丹生谷……。ゆうたの様子がどんどおかしくなるよぉ……』グスグス
森夏「落ち着いて小鳥遊さん。何があったの?」
六花『ゆうたにいっぱい怒られた……』グスン
森夏「怒られた?」
六花『お前は今のままじゃこの世界で生きていけないとかなんとか……。勉強できない奴に価値はないとか……』
森夏「何よそれ……。酷い……」
六花『あと、私にも全然わかんないような呪文を言い始めた……』
森夏「呪文……?」
六花『ダークフレイムとかじゃなくて、本当に何言ってるのか全然わかんなくて……うぅ……』グスグス
森夏「ちゅ、中二病に戻ったのかしら……?」
六花『わかんないよぉ……。ねぇ、ゆうたこれからどうなっちゃうの……?』グスグス
森夏(あの媚薬……ここまで危険だったなんて……)
森夏「他に普段と変わった様子は?」
六花『えっと……旅に出たいとかも言ってた……。インドとか……』
森夏「旅……?」
森夏(インド……呪術とかそういうのを求めて、って事かしら。やっぱり中二病に逆戻りしたのかな……?……うぅーん……わからないわ……)
森夏「ねぇ小鳥遊さん、私がこんな事言うのもなんだけど、もう私達だけでどうにかできるものでもないと思うの」
六花『……』グスグス
森夏「やっぱり病院に行くか……もしくは……」
六花『もしくは……?』
森夏「私が媚薬を作れたのは、市販の本にレシピが載ってたからなの。だから、まず出版社に電話で問い合わせてみるってのはどう?」
六花『出版社に……』
森夏「作った側なら副作用の対処法も知ってるかもしれないし。それと、ガツンと言ってやる。こんな危険なものを何で載せたんですかって」
六花『うん……。私も言う……。ゆうたが可哀想だもん……』
森夏「じゃあ、今から小鳥遊さんの部屋に行っていい?一緒に電話しましょう」
六花『わかった。待ってる』ピッ
小鳥遊家
森夏(富樫くんと鉢合わせになったらどうしようかと思ったけど、その心配はなさそうね……)
森夏(私だってセクハラされたくないし)
森夏(さて、と)ピーンポーン
ガチャ
六花「は、入って」ドギマギ
森夏「お邪魔します。……何?緊張してるの?」
六花「く、苦情の電話とかしたことないから……」カチコチ
森夏「ダメよ小鳥遊さん。こういうときこそ堂々としてないと」
六花「う、うん」
森夏「……で、これが例の本なんだけど。キョーアニ出版ってところが出してるみたいね。早速電話しましょう。あんまり遅いと誰も出ないだろうし」
六花「……あれ?この本って……」
森夏「何?」
六花「ちょっと待ってて」タタタ
~五分後~
六花「丹生谷、これ。その本と同じの」スッ
森夏「あれ?小鳥遊さんもこの本持ってたの?」
六花「……」フルフル
六花「私じゃない。プリーステスのもの」
森夏「プリーステス?」
六花「……お姉ちゃんの本」
森夏「あぁ、十花さんってシェフだったっけ。へぇ、シェフもこういうの読むのね」
六花「ううん、そうじゃなくて、ここ。本の最後のページ見て」
森夏「……?」
【監修 小鳥遊十花】
森夏「え……何コレ。って事はこの本、十花さんが考えたレシピが載ってるの?」
六花「うん。この本でお姉ちゃんはそこそこ有名になった」
森夏「じゃあ媚薬のレシピも十花さんが?」
六花「そういうことになる」
森夏「……恐ろしい人ね。でもそれなら話が早いわ。出版社なんかじゃなくて本人に聞けば済むんだし」
六花「うん。ちょっとお姉ちゃんの携帯にかけてみる」
森夏「お願い」
六花「……」ピポパ
プルルルル……プルルルル……
ピッ
十花『どうした六花。今忙しいから後でもいいか?』
六花「あ、お姉ちゃん……。忙しい?もう夜なのに?」
十花『あのな、こっちはまだ昼だぞ。時差があるだろ時差が』
六花「あ、そっか……。で、でも今じゃなきゃダメなの!急ぎの用だから……」
十花『……なら話せ。手短に頼むぞ』
六花「実はゆうたが大変な事になっちゃって……」
十花『……』
六花「えっと、お姉ちゃんが監修した本の料理が原因みたいで……」
十花『食中毒か?それなら私に責任はないぞ。食中毒は調理した人間と、食材を生産もしくは管理していた人間に問題がある。ていうか大丈夫なのかあいつは。病院には行ったのか?』
六花「病院にはまだ行ってないけど……」
十花『じゃあ早く行け』
六花「で、でも!食中毒って雰囲気じゃなくて!」
十花『食中毒は雰囲気じゃ決まらない。お前が診断をするな。いいから早く医者に見せろ。手遅れになるぞ』
六花「あ、あうう……」
森夏「小鳥遊さんちょっと代わって」
森夏「もしもし、十花さん。ご無沙汰してます。夏にお世話になった丹生谷です」
十花『ああ、あのエロギャルか』
森夏「エ、エロギャルって……」
十花『で、何だ。食中毒じゃないのか?』
森夏「わかりません。でも十花さんなら解決法を知ってるんじゃないかと思って」
十花『私は医者じゃないぞ』
森夏「えっと……恋に効くとっておきの魔法のレシピっていうレシピ本、これの監修って十花さんですよね?」
十花『あぁ、あれか……。先輩に押し付けられてな。あまり気乗りする仕事じゃなかったんだが、小遣い稼ぎにはなるかなと思って引き受けた。確かに私が監修した本だ。オリジナルのレシピもいくつか載せた』
森夏「39ページの、【天使のまろやか媚薬】ってドリンク……これを富樫くんに飲ませたら様子がおかしくなってしまったのですが」
十花『言っておくが、そのネーミングは私じゃないからな。編集のアホが勝手につけやがった』
森夏「あ、はい……」
十花『まったく……よりによってそれか……。お前たち風に言うと、そいつは私の黒歴史ってやつだ』
森夏「黒歴史?」
十花『オリジナルのつもりだったが、既に同じものがとっくに存在してたんだよ。ブランデーフリップって名前でな。今思うと無知もいいところだ』
森夏「……そうですか。で、この媚薬の解除方法を教えて頂きたいのですが」
十花『そんなもんあるわけないだろ』
森夏「あ、あるわけないだろって……」
十花『当たり前だろ』
森夏「そ、そんな……。言わせてもらいますけど、無責任じゃないですか」
十花『何がだ』
森夏「媚薬のレシピを載せるなら、解除するための薬のレシピも載せるべきです」
十花『だからそのネーミングは編集が勝手につけたと言っただろう』
森夏「でもこれは実際に効きました!ネーミングどうこうではなくて媚薬そのものじゃないですか!」
十花『お前、本気で言ってるのか?』
森夏「本気ですよ」
十花『あのな、媚薬なんて都合のいいものがあるわけないだろ。現実を見ろ』
森夏「で、でもこれは実際に……!」
十花『そいつはただの【たまご酒】だぞ』
森夏「……たまござけ?」
十花『なんだ、たまご酒も知らないのか。最近の娘は物を知らないと聞くが本当だな』
森夏「う……ぐ……」
十花『そいつは日本酒の代わりにブランデーを入れてナツメグを加えるんだ。そこに書いてるだろ』
森夏「か、書いてますけど……え?これってお酒なんですか?」
十花『ひょっとしてブランデーも知らないのか?お前、料理は全然しないのか』
森夏「……」
十花『監修した人間が言うのもなんだがな、そんないい加減な本を買ってまで男をオトしたいなら、媚薬とかそんな胡散臭い物に頼ってないで普通の料理をしろ。占いやらおまじないなんかよりよっぽど男には効くぞ』
森夏「あぅ……」
十花『とにかくそいつはただのカクテルだ。まぁ酒に媚薬的な効果が一切無いとは言わないが、お前が言うほど効果テキメンなんて事はまずない』
森夏「で、でも……じゃあ富樫くんはどうして……」
十花『あいつがどうなってるのかは知らんが酔っぱらってるだけだろ。顔が青白くなってるならすぐに救急車を呼ぶんだな。急性アル中かも知れないぞ』
森夏「……酔っ払いって、何日も続くものなんですか?」
十花『普通はせいぜい2日くらいだ』
森夏「三日目なんですけど……」
十花『ならさすがにアルコールは抜けてるな。なんだ、そんなに飲ませたのか?』
森夏「いえ、500ミリペットボトルに三分の一くらいですけど……」
十花『それはさすがに抜けてるはずだ。あいつは今どういう状態なんだ』
森夏「ええと……何て言いますか、奇怪な行動をとるようになって」
十花『元々あいつの行動は奇怪だろ』
森夏「中二病ともちょっと違うみたいなんです」
十花『……よくわからんが、そんな少量で三日も酔っ払うなんてまず有り得ない。にも関わらず、異常行動をしてるなら答えは一つだな』
森夏「……ま、まさか」
十花『素でやってるんだろうな』
森夏(ウソ……。マ、マジで?富樫くん素であんな事言ってんの?)
十花『おい、大丈夫なのか?あいつなら六花を任せておけると思ってこっちに来たんだが』
森夏「え、ええと……大丈夫です……。病気とか呪いじゃないのなら、多分……」
十花『そうか。じゃあ……もういいか?こっちはこれ以上長話ししてるわけにもいかないぞ』
森夏「あ、はい……夜分遅くにすみませんでした……」
十花『こっちは昼だっつーの。じゃあな。六花によろしく言っといてくれ』
ピッ ツーツー
森夏(……)
六花『どうだった?ゆうたを治す方法わかった……?』
森夏(どうしようコレ……)
六花「ねぇ、どうだったの……?」
森夏「えーっと……」
森夏(この子に今話しちゃうのは良くないわね……。ショックだろうし)
森夏「だ……大丈夫。元に戻す方法はあるわ。私に任せて」
六花「良かった……」ホッ
六花「で、その方法は?どういうの?」
森夏「そ、それは」
森夏「えーと……えーと……ま、まほう。そう!治癒魔法で元に戻せるらしいの!」
六花「丹生谷。今は真面目な話」
森夏(くっ……一度中二病卒業してるぶん厄介ね……)カーッ///
森夏「とにかく私に任せて。小鳥遊さんは何も心配しなくていいから」
六花「丹生谷のことは信頼してる。でも方法くらい教えてくれても……」
森夏「う、うーん……」
森夏(クッソ、かくなる上は……)
森夏「教えてもいいけど、かなりエッチな話よ?」
六花「そ、そうなの……?///」
六花「う……だったら……聞きたくない……かも」
森夏(よし、誤魔化せた。ありがとう古典部の人!)
森夏「あら、そう?ま、私に任せておけば問題なしよ。一応言っておくけど別に私が富樫くんにエッチな事するわけでもないからね?」
六花「う、うん……///」
森夏「じゃぁ私はそろそろお暇するわ。おやすみ、小鳥遊さん」スッ
六花「うん。丹生谷、来てくれてありがとう」
森夏「いいのいいの、じゃあね」バタン
森夏(……)
森夏(……どうしよ。流れで私がどうにかしなくちゃいけなくなっちゃったじゃない……)
森夏(状況を整理してみよう……)
森夏(まず、私が媚薬と思ってたのはただのお酒だった)
森夏(あの時私がおかしくなったのは、酔っぱらったせいなのね……)
森夏(で、富樫くんもアレを飲んだけど、ここまで長引いてるという事はどうやらお酒のせいでセクハラ魔になってるわけではないらしい)
森夏(ということはあれが富樫くんの素か、あるいは他の原因があるか、ね)
森夏(……)
森夏(今までの富樫くんの性格を考えても、あれが本性だったとは思えない。本性だとしても、いきなり開けっぴろげになるには何か理由があるはず……)
森夏(うーん……わからないわ……。原因を探るより、ます富樫くんを元に戻す事を考えるべきか)ブツブツ
勇太「あっれー?ニブっちじゃーんwwwwうぇーいwwwwww何してんの?」
森夏「うげっ」
勇太「あ、俺のスケんとこに遊びにきてたんかwwww」
森夏「すけ……?」
勇太「六花だよ六花」
森夏「あぁ、うん、そう。小鳥遊さんの部屋にお邪魔してたのよ。今帰るところだから。じゃあね」スタスタ
勇太「えーwwww待ってよニブっちwwww」
森夏「何よその呼び方は……」ぞわぞわ
勇太「ニブっち暇っしょ?これから飲み行くべ飲みwwww」
森夏「飲みって……何言ってんの?未成年なんだからダメに決まってるでしょ」
勇太「言うねーwwwwニブっちも酒飲みじゃん?学校にまで持ってきてたしマジ酒乱wwwww」
森夏「……?え?もしかしてアレがお酒って気付いてたの?」
勇太「めっちゃアルコールだったしwwwwあれでしょ、ジントニっしょwwww?」
森夏「わかってたのに何で何も言わなかったのよ」
勇太「別に酒くらい普通っしょwww俺もよく家でウイスキー飲むしwwwwww」
森夏(何がどうなってんの……)
勇太「いいじゃんニブっち、行こうぜwwwww」ベタベタ
森夏「行かないっつってんでしょ。つーか触んな」バシッ
勇太「うっわwwwwツンデレwwwwwwwww」
森夏「誰がいつデレたのよ!」
森夏(ダメだコイツ……。まともに相手してらんないわ……)
勇太「いや、マジな話、俺けっこうニブっちとはお互い良い理解者だと思ってるんだ」キリッ
森夏「そうね。今の富樫くんは全然理解できないけど。ていうか本当にどうしたのよ一体……。最近マジでおかしいわよアンタ」
勇太「将来、ニブっちとなら企業してみたいとも思ってる」キリリッ
森夏「わけがわからん……」
森夏「あのね、いい加減にしなさいよ。小鳥遊さんすっごく心配してるわよ。何があったか知らないけど、そのキャラやめなさいよ。はっきり言ってウザい」
勇太「キャラ、か……。フゥ……そうかもな……。マイノリティに合わせてるだけかも知れんな……」フッ
森夏「わかってくれたようだけど、そのキャラもキモいからね」
森夏(……ん?キャラ……?)
勇太「つーかニブっちってしっかりしてるけど見てて心配なんだよな。そんなんじゃいつかポッキリいっちゃうよ?俺で良かったらいつでも相談に乗るからさ」キリリッ
森夏(無視無視)
森夏(恐らく、富樫くんのこれは『キャラ』なんだ……。中二病と同じように、自分で設定した……こうありたい自分というか、そういうのを演じてるんだ……)
森夏(私が中二病って言葉をネットで知った時に確か一緒に書いてあった……)
森夏(今の富樫くんは恐らく……)
勇太「まぁ、今日は解散すっか。じゃ、明日またサークルでな」チャッ
森夏「はいはい、じゃあね」
勇太「はー、帰ってシェイカーでも振るかー……」スタスタ
森夏「……」
森夏「あいつ完全に大二病だわ……」
森夏(女子に対して下ネタをやたら口走る)
森夏(酒飲みアピールをする)
森夏(やたら海外旅行、特にアジア方面に行きたがる)
森夏(悟ったように人生論をぶち始める)
森夏(年取った年取った言いながら身体の不調を訴える)
森夏(企業志向になって自分の周りの人間は凄いと思い込む)
森夏(……全部、あの時読んだ内容と一致してるわ)
森夏(そうか……。大二病になっちゃったのか、富樫くん……」
森夏(……)
森夏(うーん……大二病は私も経験ないから、ここはまた十花さんに話してみるか)ピポパ
ピッ
十花『もしもし。今度は何だ。忙しいと言っただろ。今仕込みの最中なんだよ』
森夏「何度もすみません。富樫くんの病名がわかりました」
十花『病名?素で異常行動してたんじゃなかったのか?』
森夏「素と言えば素なんですけど、六花さんみたいなごっこ遊びというか。富樫くん、大二病なんだと思います」
十花『なんだそれ』
森夏「ええと、女の子に下ネタ言ってみたりお酒のうんちく語ったり、企業したがったり……」
十花『あぁ、二十くらいのバカな男がなるアレか。なんだ、勇太の奴マセてるな』
森夏「ただ、富樫くんの場合はちょっと極端で……私も六花さんも困ってますし、放置しておくわけにもいかなさそうでして……」
十花『そんなもん、現実を突きつけてやればすぐ治る』
森夏「現実、ですか」
十花『こう言ってやれ」
十花「お前は取るに足らない凡人だしその周りの人間もそうだ。むしろゴミ以下だ。
お前がいくら海外志向でも海外はお前なんぞに興味はない。身の程を弁えろバカが。酒なんてただの液体だ。下ネタを言えたところでお前の性体験が水増しされるわけじゃない。
二十そこらのガキが世の中わかったような事ほざくな。恥を知れこのボケ。さっさと死ね短小包茎野郎』
森夏「い、いや……そこまではちょっと……」
十花『なんだ、もっときつい言い方のほうがいいか?』
森夏「まだ上があるんですか!?富樫くんが再起不能になっちゃいますよ!」
十花『そんな事は知らん。必要以上に自分を誇示する奴ほど大した事ない。能ある鷹は爪を隠す、だ。凹むならそれも良い薬だろ』
森夏「そりゃ確かに十花さんも爪を隠すタイプでしたけど……」
十花『いいか、あいつらは自分を客観視できてると思い込んだ上でああなんだ。脳天叩き割ってやるくらいでちょうどいいんだよ』
森夏「仰ってる事はわかりますが……」
十花『とにかく勇太を治したいならそうしろ。それとも何だ、お得意の魔術でどうにかする気か』
森夏「!?な、ななななな何言ってるんですか!魔術なんてあるわけないじゃないですか!や、やだなぁ十花さんったら……」ドキドキ
十花『とにかく、対処法は話したからな。もう切るぞ』
森夏「は、はい……。ありがとうございました……」ドキドキドキドキ
ピッ、ツーツー
森夏「お、恐ろしい人ね……。何で私の黒歴史を知ってるのよ……」
森夏「ま、まぁいいわ。とにかく富樫くんに現実を突きつけてやらないと……!なるべく穏便に……」
翌日
森夏(さて、何て言ってやろうかしら。十花さん程じゃなくても少しきついくらいで丁度いいのかな)ブツブツ
一色「おーっす。どうした丹生谷、何ブツブツ言ってんだ?」
森夏「うっさい。考え事してんのよ、あっち行きなさいよハゲ」
一色「お前、だんだんクラスの中でも素になってきたな……」
森夏「あ゛ぁ?」
一色「ひぃ……。退散退散……」
森夏「あ、ちょっと待って」むんず
一色「ぐえ」
森夏「あんたも協力して。富樫くんの友達でしょ」
一色「な、なんだよ。勇太がどうかしたのか?……あ、いや、確かに最近の勇太は何か変だけどよ」
勇太「うぃーすwwwwwwおつかれちゃんwwwwww」
一色「お、おう勇太。おはよ……って何でお前私服なんだよ!?」
勇太「あ、これ?wwwwパルコのバーゲンで買ってきたwwwww」
森夏「このへんにパルコなんて無いでしょうが……」
一色「お前、それ先生に怒られるぞ……」
勇太「別に私服くらいいいっしょ。自己表現ってやつ」キリッ
勇太「旧態依然とした教育じゃダメなんだよ。もっとグローバルな視点でエドュケイションをしないと。自由な発想と表現でイノベーションをだな」ペラペラ
一色「何言ってんだお前」
森夏「一色、ちょっと来なさい」グイ
一色「うげ」
勇太「うぇーいwwwwww」
森夏「アンタはくんな」ギロリ
勇太「うぇ、うぇー……?」
森夏「かくかくしかじか……というわけなのよ」
一色「大二病ねー……。で、一緒に勇太を罵倒して治すって算段か」
森夏「罵倒じゃないわよ。あくまでも現実を教えてやるだけ」
一色「でもよ、俺らが現実をわかったような事言うと、それも結局勇太と同じなんじゃねーか?」
森夏「細かい事はいいのよ。今はとにかく富樫くんを元に戻すの!わかったわね」
一色「へいへい……」
今更だけど「企業」じゃなくて「起業」じゃね?
森夏「じゃ、いくわよ」
一色「おう」
森夏「富樫くん、ちょっと来てくれる?」
勇太「うぇい……」ショボン
森夏(さすが大二病。ハブられると凹むのね……)
森夏「オホン……。富樫くん、はっきり言うわ。最近の富樫くん、マジでキモい」
勇太「うぇ……?」
森夏「下ネタぶつけられて女の子がいい気分になるわけないでしょ」ズバ
森夏「酒の味なんて本当はわからないくせに、ペラペラうっさいのよ」ズバズバ
森夏「海外海外ってね、あんた日本の事もロクに知らないでしょ」ズババ
森夏「大体、企業とかちゃんとプラン練ってんの?勢いだけでしょどうせ。経営の事なんて何も知らないし、勉強する気もないんでしょ」ズババッ
森夏「あとその服、去年の流行りだから。そもそも富樫くんに似合ってない。バーゲン品なんてぶっちゃけただの在庫処分だし」ズババババッ
森夏「要するにね、最近の富樫くんは……」
森夏「超 ダ サ い」ザシュッ
勇太「う……うぇ……」
一色「面と向かって女子にダサいと言われるなんて……俺なら立ち直れねぇぞ……」
>>371
素で誤字ってた
俺アホ乙
勇太「う、うぐぉぉ……」ハァハァ
森夏「あ、効いてる」
一色「ところで丹生谷、企業じゃなくて起業だろ?」
森夏「あ゛?」
一色「いえ、なんでもないです……」
森夏「とにかく、そのキャラキモいからさっさとやめなさいよ。私も小鳥遊さんもドン引きしてるし、それ、本来の富樫くんじゃないでしょ」
勇太「お……お……俺……俺は……」
勇太「わ、我が名はダークフレイムマスター……」
勇太「い、いや……NPO法人DFM代表兼公認会計士・富樫勇太(名刺)」
勇太「闇の炎に抱かれて……え、FXが……金融市場……コミュニケーションデザインで王様ゲームがグローバリゼーション……ジントニック大好き……おまんこ……」ウグググ
一色「なんか混乱して色々ごっちゃになってるな……」
森夏「もう一押しね」
森夏「富樫くん。ぶっちゃけね、あなたはただの」
森夏「大二病なのよ」
勇太「……!?」ガーン
勇太「大二……病……?」
森夏「そ。中二病は卒業したみたいだけど結局その延長の病気になってんのよ」
森夏「ダークフレイムマスターやってた時から成長してないのよ」
勇太「そ、そんなはずは……」ガクガクガク
森夏「ほら、一色も何か言ってやりなさいよ」
一色「えーと、お、俺は中二病でも大二病でも勇太は勇太だと思うぞ」
勇太「はっ……そう、だよな……面接で本当の自分を見せるのは大事……」
森夏「バカ!そうじゃないでしょ!否定しなさいよ!」
一色「でもよぉ……何もここまでしなくても」
森夏「だーめ!私はセクハラされたくないし小鳥遊さんのためでもあるの。あと富樫くん本人のため」
一色「わ、わかったよ。えーと……勇太、やっぱお前変だわ。なんつーか、お前モテなさそう」
勇太「ぐふぉああああああああああああああああっ!!!」バタッ
森夏「やるじゃない。よりによってアンタにモテないって言われるなんて、相当効いたみたいね」
一色「複雑だな、それ……」
勇太「あが、あがががががが……」ヒュー……ヒュー……
森夏「どう?目が覚めたかしら」
勇太「はぁ……はぁ……」フラフラ
勇太「う……あ……」
勇太「わ……」
勇太「……」
勇太「ぬああああああああああ!!恥ずかし恥ずかし恥ずかし恥ずかし忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!!」ガンガンガンガン
一色「うわ!?」ビクッ
勇太「死ね!死ね俺!!」ガンガンガンガンガンガン
一色「おいおい、大丈夫か?」
勇太「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!」
森夏「どうやら無事卒業できたみたいね」
勇太「はぁ……はぁ……」
勇太「に、丹生谷……」
森夏「何?」
勇太「す、すまん……。俺は丹生谷に随分失礼な事を……」
森夏「そうね。死ぬほどキモかった。富樫くんはそういう自分をかっこいいと思ってたみたいだけど」
勇太「うおああああああああ!!忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!」ガンガンガンガン
森夏「で、起業はどうするの?インドあたりに土地でも押さえるわけ?」
勇太「忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ忘れろ!!!」ガンガンガンガンガンガン
一色「おいおい、あんまり追い詰めんなって」
森夏「セクハラされまくったんだからこれくらい仕返ししてやんないと」
勇太「忘れてくれ……忘れてくれ……」フラフラ
………
……
…
勇太「すまん……。もう落ち着いた……」
森夏「全く、手が掛かるんだから。で、何でいきなり大二病なんかになったのよ」
勇太「……」
勇太「俺は……六花の彼氏として……六花を支えなきゃいけないと思ってたんだ……」
勇太「だからもっとしっかりした大人の男になろうと……そういう雑誌を色々読み漁ったんだ……」
勇太「それでまずは酒に手を出して……ぶっちゃけ味とかよくわかんなかったけど……」
勇太「丹生谷が学校に酒持ってきてたから、あぁ、普通はもうこれくらいするもんなんだなって思ったら何かすげー加速しちゃって……」
一色「え?お前そんなもん持ってきてたのか?」
森夏「し、知らなかったのよ!お酒だったなんて!」
勇太「でも結局は……六花を心配させるだけだったんだな……」
一色「……」
森夏「……」
勇太「勇太にも丹生谷にも……卑猥な言葉を浴びせまくちゃって……最低だな俺……」
森夏「言葉だけじゃなくて実際に触られたんだけど」
勇太「……本当にすまん」
森夏「いいわよ。許す」
勇太「え……」
森夏「私が血迷って媚薬なんて作ろうとしたのも原因の一つみたいだし、小鳥遊さんを思っての事だったなら、まぁ特別に許してあげる」
勇太「丹生谷……」
一色「媚薬?何の話だ?」
森夏「あ、あー///うるさい!こっちの話よ!」
森夏「ほら、私より先に謝って安心させる相手がいるでしょ。さっさと小鳥遊さんのところに行きなさい」
勇太「そうだな。うん、行ってくるよ」
凸守「あっ!やっと見つけたデス!偽モリサマー!」
凸守「教室にいないからあちこち探し回ったデスよ!」
一色「お、どうした中学生」
凸守「この前は偽モリサマーに不覚をとったデスが、今日はそのお礼参りに来てやったデス!偽物!凸守特製のこのエリクシールを飲むデス!」
森夏「そう言われて飲むわけないでしょ。絶対何か変なモノ入れてるでしょソレ」
凸守「凸守はそんな姑息な手は使わないデス。ただの回復薬デスよ!さぁ、飲むデス!」
森夏「飲まないっつーの。ふん、何がエリクシールよ。これだから中二病は……。ちょっと貸しなさい」
凸守「む……」スッ
森夏「……クンクン。……ほら、変な匂いするし、こんなもん飲むバカがどこにいるってのよ」
凸守「……」
凸守(ククク……計画通りデス……!ハナから飲まないだろうと思って嗅ぐタイプの催淫剤を仕込んでおいたデスよ……)ケケケ
ミスった
勇太にもじゃねえ
六花にも、だ
森夏「……」
凸守「ハハハハハ!かかったデースね!偽物め!そいつは悪魔の催淫剤、スグシタクナールMAXデース!!」
凸守「さぁ!淫らな姿を晒すがいいデース!」
一色「催淫剤って……。んなもんあったら俺が欲しいくらいだっつの」
森夏「……」
勇太「丹生谷?」
森夏「……」トローン
森夏「と……がし……くん……」ヌギッ
勇太「お、おい丹生谷……?」
凸守「え?あ、あれ?マジで効いてるデスか……?」
森夏「ねぇ、しよ……?今なら好きに触ってもいいからぁ……」ズイ
勇太「ちょ、おいおい!?どうなってんだよ凸守!催淫剤ってなん……んーっ!?」
森夏「ん、ふ……」ムチュウ
凸守「あ、あわわわわ……」
一色「おいおいおいおい!羨ま……じゃなくてコレまずくねーか!?」
凸守「そ、そんな……本当に効くなんて……」
一色「どっから持ってきたんだよお前!」
凸守「お、お母さんのドレッサーから……」
森夏「ふふ……ほら、堅くなってる……。私ももうこんななの……。我慢できないから、ねぇ、早く……」ハァハァ
勇太「お、おち、おちつけにぶたに!ここ廊下……っていうかマジでまずいって!」
森夏「私にセクハラしまくって、ちゃんとそういう目で見てたくせに……素直になりなさいよ……」ヌヌヌ
凸守「あ、あ……うそ……ど、どうしよう……」アワワ
フランス
十花(媚薬か……)
十花(まったく、最近のガキはそんなもんに頼るのか。末恐ろしいな)
十花(そんな都合のいいものは無いって言ったけど、本当は似たようなものはあるんだがな)
十花(フリバンセリンっていう女性用の催淫剤が)
十花(ま、子供に話すとマジで使いかねないからな、黙っておいたほうがいいだろ)
十花(六花と勇太なら放っておいても勝手におっぱじめそうだし。一緒に暮らしてるようなもんだからな)
十花(さて、仕事仕事)
森夏「ほら、入れるよ富樫くん……。んっ、あ……は……///」ズヌヌ
凸守&一色「」ポカーン
勇太「あ、が……いやあああああああああああ!!!!」
終劇
森夏「ほら、もっと飲みなさい中坊」
凸守「ん…」
森夏「もう少しゆっくり飲めないの?ほらゲップしなさい」サスサス
凸守「ケプッ」
うん、俺にSSは早過ぎた。
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