絵描き「これはまた個性的な絵だね」女「………………」 (55)

女「いえ………どちらかというと無個性なほうだと思いますけど………」

絵描き「いやいや 無個性も個性のうちというわけだよ」

女「………………そうですか」

絵描き「しかし繊細なタッチだね  我流かい?」

女「………いえ………前に父が…………」

絵描き「ほう 絵の心得があったか」

女「…………心得というよりただの技術ですけどね……」

絵描き「いやいや しかし君くらいの年でこんな綺麗な絵を書く人は早々いまいよ」

女「………そうですか………」

絵描き「何分僕も多少の心得があってね  一応芸術家と名乗らせてもらっているよ」  

女「…………はぁ…………」

絵描き「明日もここに来るのかい?」

女「……分からないですけど……多分……」

絵描き「ほう そうか ではまた明日」

女「………………」

女「……変な人…………」

絵描き「やぁやぁ ここだったか」

女「…………どうも…………」

絵描き「おや?  今日は池を書いているのか」

絵描き「水の透明感が出ていてとても美しいね」

女「………ありがとうございます」

絵描き「いやいや  礼を言うほどの事じゃないよ 私としても芸術家が増えるのは嬉しいことなのさ」

女「……………」

絵描き「時に君の父上はどうしている?  是非会ってお話を伺いたいものだ」

>>2
絵の心得ってさ、絵を描いた経験の事だよ
この女は日本語の意味判っていない上にコミュ障なんじゃね?

女「………父は………亡くなりました………」

絵描き「む?」

女「三年前にはやり病で……」

絵描き「そうだったか…それは失礼なことを聞いた」

女「いえ もう過去のことですし………」

絵描き「おや もうこんな時間か…」

女「……………」

絵描き「私も帰って自分の絵を仕上げるとするよ」

絵描き「それじゃあ」

女「……………」

女「………やっぱり…………変な人…………」

絵描き「やぁやぁやぁ ここにいたのか」

女「………………」

絵描き「む?  今日は何も書いていないようだが?」

女「いえ…今日は最初から書いているところを………見てもらいたくて………」

絵描き「ほう  なるほど」 

絵描き「では たんと見させてもらおうか」

期待あげ

女「」スッ

女「」カチャッ

女「」スッスッ

絵描き(ほう…)

絵描き(本当に美しい筆づかいだ)

絵描き(絵の具がかわかないうちに重ね塗り…)

絵描き(常に書きたいビジョンが頭の中にあるのか…?)

女叩きスレかと思ったのに

女「………どうでした………?」

絵描き「いや まっこと素晴らしいよ」

絵描き「絵画道具の準備から筆を取るまで」

絵描き「そのスムーズさが恐ろしく早く そして美しい」

絵描き「一度決めたら外さない迷いのない直線はまるで流星のようだし」

絵描き「やわらかな曲線は青い草原を思わせる」

絵描き「見ていてその行為自体が芸術だと思ったよ」

女「………少し……大げさでは…………」

絵描き「何を言ってる 芸術家に大袈裟も何もないのさ」 

女「………………」

絵描き「いやいや本当にいいものを見せてもらったよ」 

絵描き「これはいい絵がかけそうだ」

絵描き「では また明日」

絵描き「やぁやぁやぁやぁやぁやぁやぁ」

女「………呼びすぎです」

絵描き「君に会えると思うと心が弾んでね」

女「………そうですか」

絵描き「ところで君は学生かい?  ほとんど毎日いるようだが…?」

女「………今は父の遺産で暮らしています……」

絵描き「君は働いていないのかい?」

女「………昔から体が弱くて………」

絵描き「なるほど…俗に言う勝ち組と言う奴か…ふふっ…あやかりたいものだな………」

女「………何を……」

絵描き「んむ?」

女「………何を持って……その人の人生が勝ちと決めるかは……」

女「…………その人の価値観次第だと思います…………」

絵描き「…………」

女「………………」

絵描き「すまない……無礼なことを言った……」

女「………いえ……実際…いろんな人に言われていますし………」

絵描き「……いや……済まなかったね本当に」

女「………いえ…ほんとに大丈夫ですから………」

絵描き「やややややぁやぁやぁやぁやぁ!!!」

女「………うるさいです…」

絵描き「今日は君を僕のアトリエに招待したいと思ってね」

女「………え?………」

絵描き「君からはいいものを見せてもらったしそのお礼にね」

絵描き「……この前のこともあることだしね」

女「…………………」

女「…………じゃあ………」

絵描き「ようこそ 僕のアトリエに!」

女「…………………」

絵描き「いやいや 恥ずかしいことにまだ未完成の絵が結構あってね」

女「…………………」

絵描き「みてくれ  これなんて失敗作だ  ラーメンをこぼした」

女「……………どうやって…………」

絵描き「ん?」

女「ラーメンを作るんですか」

女「………どうやってこんな絵がかけるのですか………?」 

絵描き「どうやってと言われても」 

絵描き「絵のうまさははるかに君の方が上だよ」

女「………そう言う事ではなくて………」

絵描き「…………………」

女「………ホントは気づいてる筈です……」

女「私の絵は………薄っぺらい………写真のように………中身がないんですよ………」

絵描き「………………」

女「…………しっかり教えて欲しいんです………」

女「…………私の絵のどこがダメなのかを………」

絵描き「…………………」

女「…………………」

外す  つまんないと思うから落としててもいいよ

キニナルからできる限り保守する

めっちゃ見てるんだけど

おいそれはないだろはよ書けよ

とっとと書け太郎

ずるいぞ

保守サンクス

絵描き「………別に…………駄目というわけではないよ」

絵描き「素晴らしい技術も持っているし………綺麗なイメージも持っている」

女「…………………」

絵描き「しかしそれでは人の心は揺さぶれない」

絵描き「繊細な絵を書くだけなら君の美しい手など使わずとも写真で事足りる」

絵描き「分かるかい?」

女「………………意味はわかります………」

女「………でも………」

女「………やってみろと言われると…………」

絵描き「まぁそうだろうな  今までとは全くと言っていいほど違う書き方なんだ」

絵描き「いや 君の場合その書き方さえ確立していない」

女「…………………」

絵描き「それを模索するところから始めよう」

女「…………はい……………え?……」

女「…………あなたも?………………」

絵描き「む?  おいおい心外だな」

絵描き「少なくとも君の方が技術は上なんだ  そんな君に講釈たれるだけたれて」

絵描き「ほったらかしにするわけ無いだろう?」

女「……………ありがとう…………ございます………」

何か面白い

絵描き「やぁやぁ 早速やってるね」

女「…………ええ………」

女「………とりあえず………書いてみないことには始まりませんから……………」

絵描き「いいねぇ 若いうちは」

女「………私はもう19です………」

絵描き「僕は27だ どうだいおっさんだろ?」

女「…………そうなんですか…………とても………若く見えます…………」

絵描き「ふふふ  ありがとう」

水彩だろうか油彩だろうか?

絵描き「僕が絵を書くときに気をつけているのは想像力だよ」

絵描き「君の考えているものとは少し違うと思うけどね」

女「……………」

絵描き「君の場合想像力と言ってもそこにあるものを転写するだけのものだ」

女「………そう………かもですね………」

絵描き「私は少し違うよ

ミス


絵描き「僕は少し違うよ」

絵描き「僕の場合 ここにあるものの時間の経過や」

絵描き「ここにはない」

絵描き「しかしここにあったならばより一層自分の絵が映えるであろうものを書き足している」

女「…………嘘を書いているってことですか…………?」

絵描き「まぁ そういう捉え方もできるが」

絵描き「僕は自分の絵に創造を付け足しているんだ」

女「………創………造…………」

絵描き「まぁ君の絵に合うかは分からない」

絵描き「実際僕もこの書き方になるまで思い悩んだものだよ」

女「…………………」

絵描き「考えてみたまえよ」

絵描き「君は君の絵に、一体何を付け足したいのか」

絵描き「君は誰に何を伝えたいのか」

絵描き「料理を美味しく作るコツは相手の顔を思い浮かべるってことさ」

女「………………伝えたいこと………」

三点リーダー多すぎ
使い方も知らんのか

女「………絵描きさんは…………」

絵描き「ん?」

女「………絵描きさんは何故私にこんなにも………丁寧に教えてくれるんですか?……………」

絵描き「……………うむ…………」

絵描き「言ったじゃないか…芸術家にとって仲間ができるのは嬉しいことだと」

女「……………………」

絵描き「…………………」

絵描き「………いや」

女「………………」

絵描き「嘘をついてしまったな」

絵描き「本当は君の絵に………いや…………」

絵描き「……君に惹かれているんだと思う」

女「……………」///

絵描き「おや それは新しい反応だね いやはや美しい」

女「……………見ないで………ください…………!」

絵描き「ふふふ」

女「……………………」

女(変な……ううん……馬鹿な人…………)

女(………あたしの……方が早かったのに………)


その夜

女(誰に……何を伝えたいか…………)

女(母はもともといない……)

女(兄弟もいない………)

女(父は………もういない…………)

女(…………………)

女(馬鹿だなぁ…………あたしも………)

女(………………もう………とっくに……)


   「分かってるくせに」

絵描き「やぁやぁやぁ 遅くなって済まないね」

女「……いえ…………」

絵描き「ところで今日は………おや?」

絵描き「昨日書いてきたのかい?」

女「………まだ………完成ではありませんが…………」

絵描き「ほほう 目の前で君の絵の完成を見れるのかい」

絵描き「それは楽しみだなぁ」

女「…………では………ここに……人物を足していきたいと思います………」

絵描き「む?」

絵描き「珍しいね」

絵描き(いつもは風景画ばかりなのに)

女「…………………」

絵描き「…………………」

絵描き(………………これは?  女君……………?)

女「………………」

絵描き「…………………」

絵描き(自分を絵の中に書くのか………?)

女「………………」

絵描き「…………………」

女「………………」

絵描き「………………」

女「………………」

絵描き「…………………」

女「………………出来ました……………」

絵描き「………早かったね……」

絵描き「む? この女くんの隣にいる」

絵描き「奇抜な長身の男は誰だ?」

いいね

女「…………これは………あなた………です」

絵描き「………?」

女「…………あたしは……あなたが好きです………」

絵描き「…………!?」

絵描き「え?  それはどういう…?  え?」

女「あたしは…あなたが好き………」

女「一緒に…過ごしているうちに………あたしも……あなたに惹かれていきました………」

絵描き「………………」

女「あたしが…………!」

女「……………あたしがこの絵に付け足したのは………」

女「……………未来…………」

絵描き「……………これはこれは……………………」

絵描き「とても…美しい……いい絵だ」








女「あたしと………あなたの未来です」

寒気がした

終わり  盛り上がりにかけたね
保守支援してくれた奴らありがとう

最後まで見たくれたやつにいいことがありますように

(ヾ(´・ω・`)バイバイ


個人的に好きだよ~!

いい話だった
俺の好きなショートショートに雰囲気が似てて感動したよ
ありがとう

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