雪ノ下「寒いわね」 (20)
比企谷「……」 ペラッ
雪ノ下「寒い」
比企谷「……」 ペラッ
雪ノ下「寒いのだけれど」
比企谷「それで、寒いからどうしたんだよ、さっきからうるさくて読書に集中できないんだが」
雪ノ下「私が寒いと言ってるのよ?」
比企谷「だからなんだよ」
雪ノ下「最後まで言わないと理解できないのかしら?」
比企谷「いやだから寒いんだろ?だったら温かい紅茶でも飲んでろよ」
雪ノ下「それだけじゃ寒さを和らげる事はできないわね」
比企谷「だったらもう帰るか?お前の暖房が効いた部屋なら暖かくて過ごしやすいだろうしな」
雪ノ下「それは無理ね、部活は最後までやり遂げる必要があるわ」
比企谷「だったら我慢しろ、俺も我慢してんだよ」
雪ノ下「それは無理ね、今すぐ温めないと体を壊すわ」
比企谷「じゃあどうすんだよ」
雪ノ下「私を温めなさい、あなたの体を使って」
比企谷「俺の体を使って、お前を温める?笑えない冗談だな」
雪ノ下「本気よ」
比企谷「そんな事言って俺がお前に触れた瞬間に通報でもするきなんだろ」
雪ノ下「そんな事はしないわ」
比企谷「信用できないな、第一お前の方から俺に触れなんて命令する事自体異常事態だ」
雪ノ下「今日1日だけ、あなたが私に触れる事を許可するわ」
比企谷「今日だけ?」
雪ノ下「あら、今日1日だけじゃ不満かしら?毎日お触りしたいなんてとんだ変態ね」
比企谷「いやいやそんな意味じゃなくて、なぜ今日だけ特別なんだよ」
雪ノ下「私がこの学校にくるのは今日で最後になるからよ」
比企谷「今日で…最後?」
雪ノ下「えぇ、アメリカに留学する事になったの」
比企谷「俺の他に知ってる奴は…?」
雪ノ下「この話しをしたのは平塚先生とあなただけよ」
比企谷「由比ヶ浜には話さないのか?お前の友達だろ」
雪ノ下「由比ヶ浜さんに話すと説得されて留学を辞めさせようとしてくると思ったから…まだ何も言ってないわ」
比企谷「じゃあもし俺がお前の留学を止めようとしたら?」
雪ノ下「そんな事を比企谷くんがしない事はわかりきってるわ」
比企谷「まぁ俺とお前はそんな仲じゃないからな…でも由比ヶ浜は違うだろ、友達なんだから」
雪ノ下「えぇ、向こうに行く前にはちゃんと話しをするつもりでいるわ」
比企谷「ならいいけどよ」
雪ノ下「最後の奉仕部に対する依頼よ、私、雪ノ下雪乃をあなたの体を使って温めてくれないかしら」
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