千早「セクハラ、ですか?」 (34)

高木「ウォッホン! 千早君、今日は君に大事な用が合って呼び出した」

千早「大事な話ですか」

高木は不敵な笑みを浮かべ、千早ににじり寄った。
そして手をすっと上げるとそのまま頭をかいて振り返る。

高木「実はだな、どっきりの企画でセクハラをして欲しいんだ」

千早「セクハラ、ですか?」

高木「相手は一番君に近しい人物……」

千早「プロデューサー、ですか?」

高木「流石だ千早君ものわかりが良い……やってくれるか?」

千早「はい、分かりました」

高木「はっはっは、では早速明日から頼むよ」

千早(安請け合いしてしまったけど、セクハラってどうすればいいんだろう?)

千早「あの、音無さん。 聴きたい事があるのですが」

小鳥「なあに、千早ちゃん?」

千早「セクハラってどういうものなのですか?」

小鳥「ぶっ」

小鳥(まさか、千早ちゃんは社長かプロデューサーさんにセクハラを……)

小鳥「千早ちゃん、まさか……社長に?」

千早「いえ、プロデューサーにです」ニコッ

小鳥「千早ちゃん、私、力になるから、待ってて、犯人を捜してくる」スクッ

千早「えっ、あの……待ってください」

千早「行っちゃった……」

千早「どうしよう……誰に聞けばいいのかしら」

千早「>>10さんが来たみたい」

やよい「おはよーございます」

千早「おはよう高槻さん。 聴きたい事があるのだけどいいかしら」

やよい「はわっ、なんでしょうか」

千早「実はプロデューサーにセクハラをしたいのだけど、セクハラってどういう風にしたらいいかわからなくて」

やよい「セクハラですか……? よくわかりません」

千早「そう、ならいいの。 ありがとう」

やよい「どういたしまして」ペコリ

千早「困ったわね……今日はもうおしまいだから、自宅で調べてみましょう」

            ノヘ,_
    ,へ_ _, ,-==し/:. 入
  ノ"ミメ/".::::::::::::::::. ゙ヮ-‐ミ

  // ̄ソ .::::::::::: lヾlヽ::ヽ:::::zU
  |.:./:7(.:::::|:::|ヽ」lLH:_::::i::::: ゙l   いぇい!
 ノ:::|:::l{::.|」ム‐ ゛ ,,-、|::|:|:::: ノ   道端に生えてる草は食べられる草です!

 ヽ::::::人::l. f´`  _  |:|リ:ζ    畑に生えている草は美味しく食べられる草です!
 ,ゝ:冫 |:ハ、 <´ノ /ソ:::丿
 ヽ(_  lt|゙'ゝ┬ イ (τ"      ホント 貧乏は地獄です! うっう~~はいたーっち!!!

       r⌒ヘ__>ト、
      |:  ヾ   ゞ\ノヽ:    __  .      ri                   ri
      彳 ゝMarl| r‐ヽ_|_⊂////;`ゞ--―─-r| |                   / |
       ゞ  \  | [,|゙゙''―ll_l,,l,|,iノ二二二二│`""""""""""""|二;;二二;;二二二i≡二三三l
        /\   ゞ| |  _|_  _High To

千早「セクハラっと」カタカタ…ッターン

千早「なになに……酒席での酌の強要……これはお酒飲まないからジュースでいいかな」

千早「えっ……性行為の強要……愛人契約の強要!?」カチカチ

千早「随分と過激な……」

千早「体を無理やり触り、拒否できない職務上の立場を利用……」

千早「うーん……難しいわね」

千早「これは断るべき事かも……」

千早(でも、プロデューサーはいつも仕事を投げ出さないよう教えてくれた)

千早(私……逃げ出さしません。 プロデューサー)

           r'" r',.。.-:‐:‐:-.、_,.ノ _,ノ

           └-x'。ニニ二二ニ.-‐'":、
            ,r': : :.; : ; : : : : : : : . . . . ヽ
          /. .: : :.j: :.l: : : i!:.、: ヽ; : : : : :':,

          /:.: :.: ::.ハ: |':,: : |^:,l-\:i; : : : : l     ,.、
          !:.:j : :.:/-,l:j..,\l  ,r:'ニヽ:.: :i: :.|   / j
          l: iヘ:.:.:l.r'^r'.:'i   i'.:.:j .|: :.:l.: :i r'   ,/
        r-、':j 'l: : i'  ':,:ノ .  `ー'. .l: :.;l: ij_/  _.レ┐
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         \_ ':j!: l:、  ヽ  ノ_,ィ^|/ '"^'ヽ.  '"フ
          (_`  ヽ:j `’'‐:-::::'":::// rぅ-n. 'i. r'"
           rァr=、.r'  \\;/,.:' ,r' `  ノ  l-'
            ( ~ ^/ク  ':、 `'‐-‐'  7   /   l、
           `ヽ._`ヽ、:.:i   : ../  !,. (    l
              ヽ  ヽl,         i.  \  r'
              ':,  ヽ.,__ _,. 、_ _,l.   i ┴- 、
                l   j l 、_ _,. `'ーー'    .\
               `'ー'",ノ      _,         ヽ.
              _,....-‐'"  ヽ  '"             !
            ,.r' "                       |
         .r'"         :  .            ノ
        ,r'             ;'              ノ.
        l           '; /            /

翌日、千早は学校を終え事務所に向かうと、事務所の入り口で美希があくびをかいているのを発見した。

千早「おはよう、美希。 ちょっと聞いてもいい?」

美希「ふぁぁ、おはようなの。 何を聞くの?」

千早「セクハラってどんなイメージか教えて欲しいの」

美希「せくはら? うーん、汚いおっさんかなぁ」

千早「汚いおっさん……」

美希「なんなの、それ?」

千早「ありがとう、美希。 私がんばってみる」

美希「?」

千早(プロデューサー、いつも曲に込められた感情を考えながら歌え、と教えてくれましたね)

千早(プロデューサー、私この仕事をやり遂げてみせます……汚いおっさんのように!)

美希「? 千早さん、美希は先にいくの……ふぁぁ」

支援

千早「おはようございます」

小鳥「おはよう」

P「おはよう、千早」

小鳥「プロデューサーさん↓」

P「ひっ」ビクッ

小鳥「もう大丈夫だからね、ちは……」

千早「プロデューサー、おしりの張りがあっていいですね」サワサワッ

P「!?」ビクッ

小鳥「!?」

美希「!?」

千早「いいことじゃないですか。 あら、顔のあざと引っかき傷が」ナデナデ

P「イタッ」

千早「舐めると早く直るって言いますものね」ペロペロ

俺は一体何を書いているんだろう……?

さっさと続けろ

P「千早……どうしたんだ」

千早「今日は営業ですよね、早く行きましょう」ギュッ

P「えっあっ……あたってるからやめ」

千早「職務放棄ですか?」

P「いえ……いきます」シュン

千早「本当におちんちん付いてるんですか?」サワッ

P「あふっ やめて」ビクッ

美希「は…にぃ?」

千早「さあ行きますよ」ズルズル

小鳥・美希「」ポカーン

千早(過度なスキンシップの強要……ちょっとやりすぎくらいでいいの?)

千早(手を……繋いでみようかな)ギュッ

P「」ビクッ

千早「それで、今日はどこに営業に行くのでしょうか」

P「作曲家さんに挨拶に行く予定だ」

千早「わかりました」

P「あのさ、千早。 手を繋ぐのはちょっとどうかと」

千早「今日はちょっと疲れてるから引っ張ってください、いいですよね?」

P「……」

千早(職務を利用して強制、完璧ね)

P「この子が如月千早です。 この度は先生に曲を書いていただけて光栄です」

千早「如月千早です、よろしくお願いします」

作曲家「君が如月千早ちゃんか、よろしく」

作曲家「ところで、さっき手を繋いでいたようだけど、俺が書く曲はアイドルソング、スキャンダルは駄目なんだけどな」

千早「それは……」

P「それはですね、私が彼女に曲の、恋愛ソングに込められた感情を考えるよう課題を出したからなのです」

作曲家「まぁ、そういうことにしておくよ」

千早(プロデューサー、庇ってくれた?)ドキドキ

千早(今度その言い訳を使って手を繋ごう)

支援

―事務所―

千早「今日の仕事はこれで終わりですね」

P「千早……今日はどうしたんだ……」

千早「どうもしてませんよ。 のどが渇いたのでジュースとかありませんか?」

P「ああ、おつかれ」

千早「コップに注いでもらえますか?」

P「なあ、何かあったのか?」コポコポ

千早「!? べ、別に何も」

P「ならいいんだが……」

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