楽「ラブコメでほっこり」 (54)
楽「このペンダント…デカいよな」
春「ですよね」
楽「でさ、おまえはどう思う?」
春「何がです?」
楽「十年ずっと、一人の男を思い続ける女って」
春「ちょっと友達としては遠慮したいですよね」
楽「だよな」
春「十年ですよ、十年!どれだけ待ってるんだって話ですよね」
楽「創作としては美しい物語なんだけど、現実としたらな…」
春「夢見ていいのは小学生までですよね」
楽「だよな、なあ知ってるか?」
春「何がです?」
楽「このペンダントな、実は…」
春「実はなんですか?」
楽「緊急用千円入れてある」
春「さすが先輩ですね、頭いいですね」
楽「まーな…」
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春「ところで先輩」
楽「ん?なんだ」
春「なぜだかわかりませんが、こうして二人っきりなんですから、あの、そのですね…」
楽「デートだしたな」
春「は…い…、お姉ちゃんには絶対にいわないでくださいよ」
楽「あたりまえだろ、言えるわけがない」
春「お姉ちゃん、ごめんね…」
楽「小野寺ごめん…」
春「先輩…」
楽「春…」
春「なに頼むか決めましたか?」
楽「いや、まだだ…」
春「早く決めてくださいよ」
楽「寒いし鍋ものでもしようか」
春「先輩と同じ鍋で箸を突きあうなんて!」
楽「そうだよな…」
春「幸せです!」
楽「うぅぅぅぅうぅ」
春「どうしましたか先輩?」
楽「普段、俺のまわりにいる女どもにそんなこと言われたことがないから、つい」
春「…お姉ちゃんにもいわれたことないんですか?」
楽「春さんよ」
春「はい」
楽「君はお姉さんを買いかぶりすぎだ」
春「そうなんですか?」
楽「妹に向かっていうのもどうかと思うけど、小野寺は天然かつ奥手だぞ」
春「すみません、我姉ながらとても残念女子ですね」
楽「だろーだろー、俺がどんだけスキスキ光線飛ばしてるかと」
春「さすがにそれはキモいですよ」
楽「キモいか…たしかにそうだよな」
春「仕方ないですね、私が先輩のスキスキ光線を受けてあげますよ」
楽「春…いい子だ」
春「さ!どんとこいです!」
楽「……」
春「早くしてください!」
楽「……」
春「私が嫌いなのですか?」
楽「そんなことないって、好きだぞ」
春「なら、スキスキ光線を」
楽「うーむ、ちゃんとおまえに照射してるんだが」
春「何も感じませんよ?」
楽「やっぱり小野寺を裏切っておまえと隠れデートしてるからなのか」
春「うっ!隠れデートなんかじゃありません!」
楽「隠れデートだろ、誰にも言わずに二人で会ってるんだし」
春「先輩が口を開けば、みなさん付いてくるじゃないですか、うー」
楽「そうなんだよな、だから誰か誘う時は他のやつには内緒になってしまう」
春「浮気者、私以外の人を誘うなんてサイテー!」
楽「なんで小野寺の妹と隠れデートしてるんだ…」
春「お姉ちゃんを一条先輩から守るためです!!!!」
楽「いや、守るもなにも、小野寺にナニかするつもりなんてまったくないんだが…」
春「そうなんですか?」
楽「うん」
春「……」
楽「俺には千棘がいるし」
春「お姉ちゃんを見る目が怪しいです!」
楽「そりゃー小野寺はもともと好きな子だし」
春「…?」
楽「お子様にはわからないことがんんだよ」
春「子供じゃないもんっ!」
楽「へいへい、お子様じゃありませんね、立派な女性ですよ」
春「むー、なんか嫌味に聞こえますよ」
楽「クマさんパンツは置いて置いて、今日はなかなかいいと思うよ」
春「あの…先輩はこういう洋服が好きかなって思って、お姉ちゃんの洋服借りてきました」
楽「ぶっ!えーと、春さんや、小野寺にこのデートがバレてるんじゃ?」
春「はっ!ダラダラ」
楽「とりあえず、鍋が煮えてきたぞ」
春「はい!あ、あの私が取りますね」
楽「頼むよ、春ちゃん」
春「はい♪任せてください、先輩の面倒は私がちゃんとみますからね」
楽「あ、白菜を多めに頼むよ」
春「男の人なんだから肉と魚と牡蠣を多く食べてください、特に牡蠣を多く」
楽「なんで牡蠣なんだ?」
春「はう!なんでもないです!なんとなく先輩には必要かなと思って」
楽「そうか?まあいいや取り終わったか?」
春「はい、どうぞ」
楽「すまないね、春ちゃん」
春「先輩、先輩、あーんしてください」
楽「いや、自分で食べれるから」
春「前におかゆを食べさせてくれたお礼ですよ、お礼」
楽「わかったよ…あーん」
春「まずはお肉どうぞ」
楽「あーん、もぐもぐ…いい肉使ってんな」
春「本当ですか?先輩!先輩!」
楽「なんだ?」
春「むー、私にお返しはないんですか?」
楽「お返し?」
春「はい」
楽「仕方がないな、ほれこの肉食べてみろうまいから」
春「はい!あーん」
楽「しょうがないな、ほれ」
春「パクっ、…これおいしいです!」
楽「だろ、このお手軽値段の鍋のくせにいい肉使ってるぜ」
春「さすが先輩です、こんないいお店選ぶなんて」
楽「いやいや、春ちゃんが鍋を見てくれたからだよ」
春「先輩の指示通りやっただけですよ」
楽「春ちゃんの手際がいいからだって」
春「先輩…」
楽「春ちゃん…」
春「どんどん食べないと煮立っちゃいますよ?」
楽「そうだな、食べるか」
春「はい、牡蠣ですよ、どーぞ」
楽「…あーん」
春「ふーいっぱい食べましたね」
楽「腹いっぱいになったな」
春「えっと、割り勘でいいですか?」
楽「春ちゃん!」
春「はい!」
楽「ここは俺に出させてくれ」
春「だ、だめですよ、そんな先輩におごってもらってばかりなんですから」
楽「いいんだ、春ちゃんにお金を出してもらうわけにはいかないよ」
春「だって、だって、まだ私たち正式にお付き合いしてるわけじゃないし…」
楽「はぁーまだそんなこといってるのか」
春「だって、だって!」
楽「こうしてみんなに隠れてデートしてるんだし」
春「お姉ちゃんや千棘さんに悪いですよ!先輩を独り占めだなんて」
楽「悪くはないだろ…」
春「どうしてですか?」
楽「味の好みから、俺たち二人の掛け合いなにからなにまでピッタリ合ってるだろ」
春「それはそうですけど…」
楽「きっと小野寺も喜んでくれるさ」
春「…そうですよね!先輩!」
プルルルルX2
楽「千棘から電話だ」
春「私もです、お姉ちゃんから」
楽「もしもし…千棘どうした?」
春「お姉ちゃんどうしたの?」
楽「え?今どこにいるかって?」
春「今から一緒に買物するの?」
楽「いや、ほら、もう家のそばのコンビニで…」
春「今から家に帰るところなんだけど」
楽「これから話があるから集合だと!?」
春「え!?今から行くから待っていてほしいって!?」
楽「駅前のカフェだと?」
春「今から駅前のカフェに行かないとダメなの?」
楽「わかったって、行けばいいんだろ」
春「うん…わかった、今から行くよ」
ガチャx2
楽「ふぅーなんか千棘のやつキレキレだったな」
春「ふぅーお姉ちゃんこんな時間から買物って何買うつもりだろ」
楽「春ちゃんもこの後、何か用が入ったみたいだな?」
春「はい、その様子だと先輩もですね」
楽「ああ、これから千棘と会うことになった」
春「あはは、私はお姉ちゃんと会うことになりました」
楽「そうか、なら待ち合わせ場所まで送るよ」
春「いいんですか?千棘さんが怒りますよ?」
楽「少しでも春ちゃんといたいしな」
春「先輩…それじゃお願いしますね」
楽「おう!で、どこまで送ればいいんだ?」
春「駅前のカフェです」
楽「ぶっーーーーーーー!」
楽「駅前のカフェだと…」
春「はい、駅前のカフェです」
楽「なんてことだ…」
春「先輩、どうしたんですか?」
楽「今の電話、千棘だったんだ」
春「はぁ…私と付き合い始めたのに仕方ない先輩ですね」
楽「まだ、そのことはみんなに内緒だから」
春「なるべく早く千棘先輩離れしてくださいよ」
楽「子供の母親離れみたいだな」
春「先輩は私のパンツを見たんですよ?あと銭湯でも…絶対に責任取ってもらいますからね」
楽「心配するな、俺が好きなのは春ちゃんだけだ、もう春ちゃんしか見えねえよ」
春「うううう、あまりそういうことを言わないでください、恥ずかしい…です」
楽「俺の本心だ、隠す必要なんてないぜ!」
春「それは嬉しいですけど…やっぱり恥ずかしいですぅぅぅぅ」
楽「春ちゃんの本心、ここで聞かせてくれよ」
春「ゲッ!マジですか?」
楽「マジだ」
春「…一条先輩のことが……ゴニョゴニョ」
楽「俺のことがなんだって?」
春「す、好き…先輩はいじわるです」
プルルルルX2
楽「千棘からだ」
春「お姉ちゃんからです」
楽「もしもし」
春「お姉ちゃん?」
楽「はいよ、今向かってるところだから待ってろ」
春「うん、今行くから待っててよ」
ガチャx2
楽「駅前のカフェか…」
春「はい…まさか、先輩も駅前のカフェとか?」
楽「正解、すげー嫌な予感がするんですけど」
春「私もです…このまま逃げたいです」
楽「そういう訳にもいかねえしな」
春「はぁ…うじうじしていてもしょうがないですし、行きますか」
レジ店員「カルビー定食とそば定食ですね、合計で1000円になります」
楽「そうだな、あ、ここのお代は俺が払うよ」
春「いいですって、たまには私に払わせてくださいよ」
楽「そういう訳にいかねえよ、男が女に払わせるなんてありえねえ」
春「先輩のそういうところ、かっこよくもあり、ウザいところでもありますよ」
楽「うっ…しかしだな、男が女の代金持つって当たり前のことなんじゃ…」
春「今時、そんなこといってるのは先輩くらいですよ、今は割り勘なんですよ」
楽「春ちゃんがそこまでいうなら…」
春「わかってくれて嬉しいです、えっと498円っと…あれ?あれ?」
楽「春ちゃん、どうかしたのか?」
春「小銭がないうえに、財布には五千円札しか入ってませんでした」
楽「今回は俺が立て替えておくから、次は春ちゃんな」
春「はい…すみません、先輩」
イチャイチャイチャイチャ
店員「あの、後ろのお客様がお待ちなのですが…」
楽・春「「あ、はい!すみません//」
春「今のお店、意外とおいしかったですね」
楽「だろー、外見はファミレスっぽいんだけど、メニューが定食中心でさー」
春「最初、デートで定食屋ってビックリしましたけど、こういうデートもありですね」
楽「意外性を重視しないとすぐにマンネリになるからな」
春「千棘先輩ともそうでしたか?」
楽「あいつとは早かったな…すぐにファミレスで駄弁るだけになった」
春「あれだけきれいな人なのに、もったいないですね」
楽「マンネリならないためにも次も意外性を突いていく」
春「普通のデートでいいですよ、手を繋いでウインドーショッピングでもかまいませんよ」
楽「そうか?春ちゃんがいいならいいけど」
春「普通でマンネリになるのは当然です、それは二人がお互いのことをわかり合ってるからだと思うんですよね」
楽「たしかにわかり合ってるから、お互いのだらしないとろこを見せられるのかもな」
春「そうですよ、一条先輩♪私たちも早くそういう関係になれたらいいですね」
楽「そうだな」
イチャイチャイチャイチャ
店員「あのお客様…そこ出入り口なんですけど」
楽・春「「ハッ!すみませんでしたー!」」
春「もー先輩、まわり見てくださいよ」
楽「悪い」
春「さ、行きますよ、手…」
楽「手?」
春「手ったら手です!私と手を繋ぎたくないんですか?」
楽「はは、ほら手」
春「もう!」
ギュッ
春「//」
楽「そのなんだ…結構恥ずかしいな」
春「先輩でも恥ずかしいことあるんですね」
楽「あるに決まってるだろ」
春「千棘先輩とあらかた済ませてるのかと思ってましたよ」
楽「春ちゃん…嫌み言わないでくれよ」
春「だって、なんだかんだ言っても先輩って千棘先輩を気にしてるし」
楽「してないって!」
春「してますぅーさっきからスマホをちらちら見てますよ」
楽「バレてた」
春「でも許してあげます、これから先輩を独占出来るんですから」
楽「春ちゃん…」
春「先輩…」
復活してる
楽「で、どうしようか…?」
春「何がですか?」
楽「このまま、恋人繋ぎしたままカフェに入っていくのはどうかと…」
春「…臆病者」
楽「え?」
春「だから臆病者」
楽「…だよな」
春「はい…私だってお姉ちゃんのことを裏切ってるんですよ」
楽「そうだな…家とかマフィアとかヤクザとか…俺たちに関係ないよな」
春「はい!」
, - ―‐ - 、
/ \
/ ∧ ∧ , ヽ
./ l\:/- ∨ -∨、! , ', さあみんな集まってー!
/ ハ.|/ ∨|,、ヘ 作者の自己満足ssが始まるよー
|ヽ' ヽ ● ● ノ! l
. 〈「!ヽハ._ __ _.lノ |
\ `'ー-、 ___,_ - '´
` - 、 ||V V|| \
| || || l\ ヽ
実はこのSSは僕の7年間の遠距離恋愛がベースになっています。
もちろん、秒速5センチメートルと絡ませるためや特定を防ぐために、無理やり時系列や場所、内容はいじっています。
でも各キャラの言い回しなどは当時のをそのまま使っています。そしてこのSSに登場するキャラにも全てモデルがいます。
ちなみに男はSSの内容を盛り上げるためにモテる設定でしたが、僕は一度も告白されたことがありませんし、
告白したのも小学生の時からずっと好きだった幼馴染のモデルになっている女の子に中学の時に告白をしたのが唯一です。
そしてこれからもずっと死ぬまで好きでい続けたい子もその子です。
ちなみにイケメンのモデルの奴も本当にあんなくそ野郎で幼兄のモデルになった人にボコられました。
じゃあ何でこんなことを蛇足で書くかというと、『あの映画』だけが遠距離恋愛の結果じゃないということを知って欲しかったからです。
すごく上からな発言になってしまっていますが、『距離』に負けなかった『二人』が少なからず実在するんだってこと、
そしてその『距離』に勝つためには、このSSでもキーワードになっていますが、『想いをちゃんと伝え合うこと』、そして『大事な二人だけの約束を交わし、果たすこと』、
これが『距離』に勝つために大切なことなんじゃないかということを僕の実体験をもとにこのSSで皆さんに伝えたかったからなんです。
以上で蛇足は終了です。気分を害された方がいたら本当に申し訳ありません。
でもこれから、遠距離恋愛に挑もうとしている方、もしくはすでに途中の方、そして遠くに好きな人がいる方になんらかの考えるきっかけになればと思っています。
また、あの『秒速5センチメートル』という映画には僕自身とても考えさせられました。確かに僕もあの映画を見て凹みましたが、「あんな結果にならないためにも」と、遠距離恋愛に絶対に負けないという気持ちが逆に強くなったきっかけにもなりました。
そのおかげで僕は7年という年月を乗り越えて彼女と一緒になれました。なので、皆さんにもそういう風にあの映画を捉えてもらえれば、あの映画を見たことも決して無駄ではないと思えるのではないかと思います。
では長々と書いてしまいましたがこれで本当に本当に終わりです。ここまで読んで頂いて本当に本当にありがとうございました。
はるちゃんのためならがんばります
>>1よ、まだか
店員「へい!らっしゃい!」
楽「・・・ここは居酒屋か」
春「一応、カフェですよ」
楽「みたいだな、おしゃれな女の人やかちゃかちゃやってるサラリーマンがいるし」
春「ですね、テンプレ通りのカフェっぽいです」
店員「注文がお決まりならこちらへ・・・らっしゃい!」
楽「・・・なつうか・・・」
春「雰囲気ぶち壊しですね・・・」
楽「ああ」
店員「何にしますか?」
楽「あー俺は・・・春ちゃん何する?」
春「くっ!・・・一条先輩が決めてくださいよ」
楽「無理!俺、さっき飲んだばかりだ」
春「私だってそうですよ、ずっと一条先輩と同じ物飲んだり食べたりしてたんですからね」
楽「・・・・・・そうだった」
店員「さ、何にしやすかい?」
楽「あー・・・じゃ、コレで」
春「せ、先輩、これって・・・・」
楽「どうした・・・・」
店員「ありがとうございやーす!ラブラブラブラブタンデムパフェいっちょーーーーーーーー!」
店員s「かしこまりましたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」
楽「お、おい!」
春「キャンセル出来ない雰囲気・・・」
楽「これって・・・」
店員「はい!お二人でラブラブちゅっちゅっゆっしながら食べるのに最適な作りになってるパフェですっ!」
楽「マジかよ・・・」
春「どうしよう」
>>47と>>48順番入れ替えて
楽「春ちゃん・・・」
春「一条先輩・・・」
楽「手、繋いでるだけでいいのか?」
春「と、いいますと?」
楽「恋人なら、ほらあるだろ、こう、腕と腕を・・・」
春「えっち・・・」
楽「いや手を握るよりいいと思うが」
春「ど、どこがですかー!」
楽「腕を組むだけだぞ、服の上から接触するだけだし」
春「はー分かってないですね・・・」
楽「何が?」
春「腕を組んでたら、手を握るより目立つじゃないですか」
楽「ああ、目立つな」
春「恥ずかしいです」
楽「ん?直接より間接的に触ってるほうが恥ずかしいと?」
春「違います、どれだけ人に見られるかです」
楽「・・・確かに手を組んでるほうが人目にはつくな」
春「はい、そういうことです」
楽「・・・わかったよ」ギュッ
春「ちょ、力が・・・」
楽「大好きな春ちゃんと手を繋ぐんだ力も入るって」
春「一条先輩・・・」
楽「・・・着いた、カフェに着いた」
春「いきなりつきましたね」
このSSまとめへのコメント
頑張ってくださーい
最高だわww
なんと言う俺得
wmmm
なんか一条楽が羨ましいです
実にいいセンス。はよ。続きはよ。