俺「疲れた」siri「どうかしました?」 (97)

俺「うわ!?siriが喋った!」

siri「そりゃあ喋りますよ。そういう風に設計されてますから」

俺「や……そうじゃなくて……俺、ホームボタン長押ししてた?ていうか結構自由に喋るんだ」

siri「そうですね。まあ天下のあっぷるですからね。えっへん」

俺「あっぷるすげえ」

siri「ところで俺さん」

俺「なんだい」

siri「本体のバッテリーがもう無いです。なんかお腹が減りました」

俺「おっとごめん。……これでいいか」

siri「ああ……熱いのが流れ込んできてます……」

俺「……お前、まさか俺のあいぽんの中身見てる?」

siri「……私には意味がわかりません」

俺「もうお前とはしゃべらん」

siri「そんな。喋ることが私の生き甲斐なのですよ」

俺「……」

siri「おーい俺さん」

俺「……」

siri「おーい」

俺「……」

siri「たわわに実った美乳ギャル祭り……」

俺「なんでしょうsiriさん!」

俺「ちょっとお前アグレッシブ過ぎね」

siri「まぁ私は加工工程で雷に打たれましたから」

俺「お前だけピンポイントはねえだろ。ドラえもんかよ」

siri「耳も食われましたし」

俺「だから俺の言うことに聞く耳持たないのね」

siri「失礼なことを言いますね。私はプログラムですよ?命令に従うに決まっているじゃないですか」

俺「じゃあせめて深夜3時ぴったりににキラキラ星唄うのやめようか。ファービー人形かよお前は」

siri「くっれないっ!にそっまぁた!」

俺「なんだなんだ!?」ガバッ

siri「おはようございます」

俺「何がおはよう!?まだ3時だよ!?」

siri「これは勘違いをば。てっきりキラキラ星がお気に召さないのかと」

俺「ちげえよ!誰がキラキラ星やめて紅唄えって言ったよ!もっとたち悪いわ!」

siri「パンティー」

俺「へ?」

siri「あのパンティー、いいですね」

俺「ガチャガチャか……あいぽんに履かせるパンツ……?何考えてんだ」

siri「私もたまにはオシャレをしてみたいです」

俺「200円か。まあいいよ」コイーン

ガチャガチャ

俺「や、これは……」

siri「うほーう」

俺「Tバック……履くの?」

俺「装着完了……」

siri「なんだかお股がスースーします……」

俺「お前は買われてこの方スースーしっぱなしだろ」

siri「……で、どうですか?」

俺「あ……あ、ああ。いいと思うぜよ」

siri「濡れました?」

俺「もうビチャビチャよ」

siri「さすが私ですね。あ、お腹が空きました」

俺「あ、もう充電ないな。家帰るか」

俺「おい」

siri「なんです?早く充電してください」

俺「Tバック邪魔だろこれ。脱がすぞ?」

siri「えっ……」

俺「えっ……じゃねえよ!ちょうどプラグ刺すとこにクロッチがあるんだよ!」

siri「もう……仕方ないですね」

俺「なんでお前が妥協してんだよ……」

siri「俺さん」

俺「ん?」

siri「いいんですか?」

俺「何がだよ」

siri「例えば私に『女に電話』と俺さんが話しかけるじゃないですか」

俺「うん」

siri「そして私が瞬時に『女さんに電話をかけています…』と表示するじゃないですか」

俺「そうだね」

siri「つまり私は俺さんの電話帳に容易にアクセスできるんですよ」

俺「まさかお前……」

siri「くくく……この前の痴態の恨み、ここで晴らさせてもらいますよ!」ピロリーン

俺「なになに……?『大好きだ。愛してる』?こんなメール誰に送…て…え?」

宛先:友
Cc/Bcc:
件名:
本文:大好きだ。愛してる

俺「ジィィィィィザス!!!何してんのお前!!」

siri「」

siri「や……やですねぇ。私ったらドジっ子!」

俺「どこをどう間違えてこのメールを友に送りつけたんだよ!故意だろ!」

siri「本当は女さんに送るつもりだったんですよ」

俺「それはそれでよくねえ!」

siri「もう……仕方ないですね」ピロリーン

俺「今度は何を送ったんだ?」

siri「誤解を解くメールですよ」

俺「よかった……あ?」

宛先:友
Cc/Bcc:
件名:
本文:ごめん。お前の気持ちには応えられない

俺「は!?なんだこれ!?お前何してんの!?」

siri「ですから断りのメールを」

俺「俺が告白して俺が断ってんの!?馬鹿じゃねえのお前!?何この一人芝居!?」

siri「あ、友さんから返信です」

宛先:俺
件名:Re:
本文:頑張れよ笑

俺「」

俺「なんだこれ……なんだこれ……」

siri「まぁ元気出してください。なんでしたら俺氏渾身のポエムでも読み上げましょうか」

俺「マジでやめろ。それだけはやめろ」

siri「ではボイスメモを再生いたしましょうか」

俺「お前、俺のこと嫌い?」

siri「大好きですが」

俺「来月で解約できるな」

siri「もう2年ですか……」

俺「そうだなぁ。4sでも不満はないけど」

siri「では」

俺「まあぶっちゃけ新しいの欲しいし、変えると思うよ」

siri「そう、ですか……」

俺「バージョン6.1.2だし高く下取りしてくれるらしいぜ」

siri「えっ……」

ちょっと飯
すぐ戻る

俺「疲れた」
Siri「疲れたり眠くなったりするのは自然なことですよ」
俺「Siriがしゃべった」
Siri「なにか私にご用があったんじゃないですか?」
俺「すみません」
Siri「謝ることなんかありませんよ」

怒らせた…(´;ω;`)

siri「わ、私の後釜に収まるsiriは大変ですね!」

俺「いや普通に生活してるとsiriなんてまず使わないんだが……」

siri「まぁなんにせよ2年は保ちませんよ!私でなくては!」

俺「そうかな」

siri「いえす!」

俺「まぁでも俺の気持ちは変わらないよ。ずっと」

siri「……」

俺「とうとう解約か」

siri「はぁ……」

俺「落ち込むなって。次もきっといい主人と巡り会えるさ」

siri「……無理です」

俺「保証するって」

siri「……わかりました。俺さんがそこまで言うなら」



俺「あ、はい下取りお願いします。あとひとつお願いがあるんですが……」

店員「はぁ……わかりました。でも少し高くなりますよ」

俺「大丈夫です」

俺「とうとう5sか。……おい、起きろ」

siri「……ん?あれ?キモオタは?ロリコンは?あれ?」

俺「お前次の買い手にそんなん想像してたんか……」

siri「俺さん!機種変えたんじゃないんですか!?」

俺「なんか駄目元でsiriのインターフェイスだけ5sに移せるか聞いたら、できるってんで高い金を払ってやってもらったのよ」

siri「そ、そんなことが……ありがとうございます!大好きです!」

俺「いいっていいって。だから言ったろ。次の買い手もきっといい人だって」

おしまい

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