剣心「久しぶりに会ったと思えば、突然なにを言い出すでござるか」
左之助「あぁ、すまねえな。だが、どうしても俺は飛天御剣流を覚えなきゃならねえんだ」
剣心「訳を話すでござるよ」
左之助「分かった…あれは、旅をしている時だった…」
左之助「旅の途中で、山にこもっていた時に俺は見たんだ」
剣心「なにを見たでござるか?」
左之助「チンパンジーの交尾さ…」
剣心「???」
剣心「左之、おぬしの言っている意味がよくわからんでござるが…」
左之助「まあ聞いてくれ、その交尾だが、たったの七秒で終わったんだ」
左之助「その時、俺は、世界の広さを知った…」
左之助「そこで俺は、チンパンジーの速さを身に着けようと修行を始めた」
剣心「……」
左之助「修業は厳しかった……」
左之助「だが俺は修行に耐え、ついに自分自身の手で七秒でイクという技を手に入れた」
剣心「左之……」
左之助「そこで思ったんだ、もし、これに飛天御剣流の抜刀術を合わせたらどうなるかを」
剣心「おぬし…」
左之助「漢なら一度は試したいと思うはずだ!」
左之助「だから頼む!俺に教えてくれ!」
剣心「左之…おぬしには失望したでござるよ」
左之助「剣心…」
剣心「飛天御剣流を愚弄するなよ」キッ
剣心「帰れ、お前には失望した」
左之助(くっ…仕方ねえ…)
左之助「剣心…」
剣心「なんだ、まだ居るのか」
左之助「さっき道場で見たんだが」
剣心「!」」ピク
左之助「龍巣閃とか言いながら、何度も薫の顔にかけていたのをな」
剣心「ぐぬぬ…」
剣心「分かった……だが飛天御剣流は剣の速さ、身のこなしの速さ、相手の動きの先を読む速さという三つの速さを最大限に生かす事が必要でござる」
剣心「とてもおぬしが覚えられるとは思えないでござるよ」
左之助「ああ、例え、俺の性器が再起不能になろうと覚悟はできている」
剣心「左之…そこまで……」
剣心「一つ聞いてもいいでござるか?」
左之助「なんだ?」
剣心「どうしてそこまでして…飛天御剣流を?」
左之助「へっ…理由なんてねえよ。ただ、俺も剣士のはしくれとして、一度は試してみたいだけさ」
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