オティヌス「私とずっと一緒に居よう、上条」 (38)

新約9巻見てねーとわけ分からんと思うから
需要なかったらやめるわ

でれすぎだろ

禁書「どういうことなのとうま⁉︎」

御坂「アンタ正気!? なんでそんな奴守るのよ⁉︎」

上条「………、悪い、二人共」

上条「ただ、俺はコイツを守るよ……、俺のわがままで」

オティヌス「正気か人間!? 私を守るということは世界を敵に回すことと同義だぞ!?」

上条「………、オティヌス」

オティヌス「……なんだ」

上条「………お前は、俺のために『元の世界』を捨てた」

上条「じゃあ、俺も捨てなきゃフェアじゃねぇだろ………!!」

オティヌス「私の身勝手に付き合わせたんだ‼︎ お前は何も悪くない‼︎ 私なんて放っておけ‼︎‼︎」

上条「……何言ってんだ、さっき言っただろ?」

上条「これは、俺のわがままだ」

俺は何もない、ただ漆黒に支配される空間にいた。そこには、俺と、もう一人。
人智を超えた『魔神』とよばれる存在がいた。



名は、オティヌス



俺はこの魔神によってすでに何万、何億と殺されている。それこそ数えることが馬鹿らしくなるほどに。
だが不意にオティヌスは静かな声で呟いた。

オティヌス「………」

オティヌス「ようやくわかった」

オティヌス「私が何度も世界を作り直し、全てを捨ててでも欲したモノが、何なのかをな」

俺は首を傾げた。

上条「『お前が元々いた世界』じゃないのか?」

オティヌス「……いいや、本質的には違うな。たった今、私は本当の気持ちに気づいた」

オティヌス「私は、私の苦しみを知ってくれる理解者が欲しかったんだ」

オティヌス「そしてもう一つ」

オティヌス「『私が元いた世界』に、私の理解者などいなかったということに」

上条「………」

オティヌス「私が本当に欲していた理解者…すなわち」


オティヌス「お前だよ。上条当麻」


上条「……奇遇だな。俺もそう思っていたよ。今の俺を理解できるのは、同じ苦しみを味わってきたアンタだけだって」

オティヌス「ああ、…私が本当に欲していたモノはこんなにも近くにいたんだな……」

瞬きをした一瞬の間にオティヌスが俺の目と鼻の先に現れた。思わず肩が跳ね上がる。

オティヌス「上条。私はお前がそばにいてくれたらきっとどんな世界だって乗り越えられるよ」

オティヌス「私を一番理解してくれているのはお前だ。そして、お前を一番理解しているのは私だ」

オティヌス「私とずっと一緒に居よう、上条」

オティヌス「愛してる…」

蕩けるような表情で俺の頬に手を添えるオティヌスに、思わず見とれてしまう。
考えてみれば、俺と過ごした時間が一番長いのはオティヌスだ。そして俺のことを一番理解してくれているのもオティヌスだ。


―――断る理由などなかった


確かにオティヌスは『俺が元いた世界』において暴虐の限りを尽くした。以前の俺なら絶対にオティヌスを突っぱねていただろう。
だが、今は違う。今の俺は彼女が途方もなく苦しんでいた事を知っている。『幸せな世界』に存在を否定され、帰るべき居場所を
失くした彼女の苦しみは俺が身を持って知っている。

そしてその苦しみを理解できるのは俺だけだ。

上条「ああ、ずっと一緒にいよう、オティヌス」

上条「お前が失くした本当の居場所、俺がその代わりになれるように」

上条「精一杯頑張ってみるから」

上条「だからもうお前は苦しむ必要なんてないんだぞ」

俺がそう言った瞬間、オティヌスは俺に向けて初めて純粋な笑顔を見せた。

オティヌス「ありがとう、上条」

目に涙すら浮かべて、震える声で彼女はそう言った。
そうして両手で俺の顔を包み込み、優しくそっと口づけする。

唇を離し、今度はそっと手の平を俺の右手に重ねた。

オティヌス「私がまた迷子にならないように、しっかりこの手を握っておいてくれ…」

潤んだ隻眼でじっと俺の目を見つめてくる。
俺は右手に重ねられたオティヌスの手をぎゅっと握りしめ、左腕で抱き寄せた。

上条「ああ、もちろん、離さないよ」

オティヌスにとって、俺はたった一つしかない居場所なのだ。
気が遠くなるほどの時間の中で孤独と絶望に心が押し潰されそうになって、ようやく見つけた居場所なんだろう。

俺にはこの少女を見捨てることはできない。
この手を離さない。この温もりを離さない。

俺が抱いている感情は決して同情なんかじゃない。
今の俺にとってオティヌスがそれほど愛おしくてたまらない存在なだけだ。

絶対にこの娘を一人ぼっちにさせない―――

そんなふたなりっぽい名前のやつにインフルエンザさん負けちゃうのかよ

あれからどれだけ経っただろう?真っ黒な空間にずっといたためか時間がどれくらい経っているのかさっぱり分からない。
だが時間なんてすでにどうでも良かった。隣にオティヌスがいてくれる限り。

オティヌスは独り言のように呟いた。

オティヌス「私は、お前と一緒にいると心が落ち着くんだ」

オティヌス「知ってのとおり、私は以前『元の世界』に帰ることが出来なくなった」

オティヌス「それから私は何度も何度も世界を作り変えた。でも」

オティヌス「どんな世界にも私の本当の居場所なんて無かったんだ」

オティヌス「私は生きる意味を失っていたのかもしれないな」

>>25
員さんは全てにおいてオティヌスに完敗だよ

オティヌス「その……なんだ。あまりうまくは言えないのだが…」

オティヌス「私の居場所になってくれて、本当に感謝しているよ。ありがとう」

そう言って顔を寄せてくるオティヌスに俺も顔を近づけ、そっと口づけた。

上条「今の俺にとっても、本当の居場所はお前なんだよ」

上条「ありがとう、一緒にいてくれて」



それからずっとずっと長い間二人は黒い空間で寄り添い合った。
けれどこれっぽっちも寂しくなんて無かった。
となりにオティヌスがいてくれるから。



そして俺はある提案を出した

上条「なぁオティヌス。お前の力で創った新しい世界の中で一緒に暮らしていかないか」

上条「二人だけで幸せに。二人だけでずっと」

オティヌス「ふふ。それもいいかもしれないな、当麻」

オティヌス「『魔神』といえど私だって一人の女さ。結婚とか、愛する二人だけの生活とかに興味はあったんだ」

オティヌス「まぁ以前の私はそれをとっくに諦めていたのだが」

オティヌス「お前のおかげだな」

上条「はは、よせよ」

上条「俺は俺のしたいようにしてるだけだ」

そうして、長らくいた黒い空間が彼女の力によって歪み、変わっていった。



俺が気が付いた時には、そこは綺麗な丘の上で、下にはエメラルドグリーンの海が広がっていた

振り返れば、立派な家がポツンと建っている
俺は直感的に分かった。この家は、俺と、オティヌスの―――


すると、ドアがゆっくりと開かれた。

そこには、あの魔女のような服装ではなく、ごく普通の女性が着る服装のオティヌスがいた。


オティヌス「当麻、早く来い。夕飯が冷めてしまうぞ」

俺は快活な笑みを浮かべて答える

上条「ああ、今いくよ、オティヌス」


俺は家に向かって歩き出した。

俺の本当の居場所に向かって。



END

一ヶ月後

上条「……で、なんでお前がここにいるわけ?」

オティヌス「し、仕方ないだろ! 多国籍連合軍と学園都市が話し合った結果、魔神としての力が残っている私は幻想殺しの元で管理されるのが最善だと判断されたらしい………」

上条「………それはそうとお前、傷大丈夫なの?」

オティヌス「傷? あぁ、船の墓場での傷か。カエル顏の医者が綺麗に治してくれたよ、もともと軽傷だったからな」

上条「そりゃ良かった……、って、お前、右眼どうしたんだそれ⁉︎」

オティヌス「これか、ついでにオティヌスとしての魔力を抑えるために、義眼もはめ込んでもらったんだよ」

上条「あの人の技術って本当に凄いな……」

こんなifもあっていいんじゃないかなって思って書いた
でも途中で飽きた

このSSまとめへのコメント

1 :  幻想殺し「sage」   2014年01月30日 (木) 00:11:30   ID: w30eu7sp

馬鹿野郎、もっと書いてください

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