ラハールちゃん「……とりあえず準決勝までは順調だな」

エトナ「そうですねー。と、言うか相手が雑魚すぎて私にまで回ってこないんですけど。ちょっとは手を抜いて下さいよ。殿下」

ラハールちゃん「手は抜いている。だが、抜いても高目が来るから仕方ないだろう」

エトナ（まー、殿下はくさっても魔王クラスだから、雀運が豪運レベルはありそうなのよねぇ。）

照「ただいま」

菫「帰ったぞ。……うん？ 淡はどうした」

エトナ「二人を待ってる間に三麻しててビリになったから、お菓子とジュースを買いに行かせたわ」

ラハール「ふん。魔王たるオレ様に勝とうなぞ100億年早い」

照(ラハールは相変わらず厨二病)

菫(厨二病だろうと麻雀が強い分には問題ないがな)

ラハールちゃん「準決勝の相手は阿知賀女子学院、新道寺女子、千里山女子か」

エトナ「新道寺は北部九州最強。千里山女子は全国ランキング２位。そこそこ強いんじゃないですかねー」

ラハールちゃん「ふん。相手にとって不足はないな」ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

エトナ「張り切るのはいいですけど、下手を打って負けないで下さいね。殿下」

淡「お菓子の飲み物、買ってきましたー」


ラハールちゃん 魔ビリティ
【魔王の威厳】好配牌とムダヅモがなくなる
【制圧の眼光】点数が相手よりかも高い場合のみ、点数の低い相手のツモ運を悪くする

エトナ　魔ビリティ
【孤高の魔神】満貫以上になる配牌が必ず来る。
【サディスティク】ツモよりもロンが和了り易くなる

エトナ「やっぱり女の子に必要なのは、甘ぁぁいスイーツよね」

ラハールちゃん「スイーツなぞ甘ったるい物を食べているから、身体が成長せんのだ」

エトナ「あ？ 殿下、喧嘩売ってます？ 売ってますよね？ タダで買いますよ」

淡「なんかラハールって、女の子なのに女子っぽくないよね。まるで男子のように無神経だし」

ラハールちゃん「……む」

エトナ「どうせならもうずっとそのムチプチ姿で過ごしたらどうです？」

ラハールちゃん「ええい、ふざけるな！！」

ラハールちゃん「こんなの何処がいいと言うんだっ。重いわ、肩が凝るわ、視線は気になるわ、デメリットが多すぎる」

ラハールちゃん「せめて貴様達のように、慎ましやかな平面ボディのほうがマシだ！」

照「…………」

菫「…………」

淡「…………」

エトナ「…………」

ｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞｺﾞ

ラハールちゃん「――……(このオレ様が怯むほどの負のオーラを出しているだと)」

ラハールちゃん「す、少し外の散策に行ってくるぞ！」

魔ビリティのミス
正しくは
【魔王の威厳】好配牌でムダヅモがなくなる

福与『さぁて、まもなく先鋒戦！』

福与『なんと白糸台高校が先鋒と副将が入れ替わり、宮永照が副将へ、そしてエトナが先鋒となった！！』

福与『この事がどう影響するでしょうか、小鍛治プロ』

小鍛治『……今大会だと白糸台高校は中堅のラハールで決着をついているから、今まで副将だったエトナの実力は分からない。けど』

福与『けど？』

小鍛治（あの子は強いよ。そう、まるで人外の者と同じ感じがする）

エトナ「さぁてっと、そろそろ行くとしましょうかね」

淡「ねぇねぇ、なんでテルーと入れ替わったの？」

照「……私は別に構わない。どこでも自分の麻雀を打つだけだから」

エトナ「照ちゃんもそう言ってるし、それにここまで一回の打てなくて退屈だったのよねー」

エトナ「準決勝だから中堅で終わらない可能性はあるんだけど……」

淡「だけど」

エトナ「副将戦の相手って退屈そうなのよ」

淡「退屈？」

エトナ「うん♪」

エトナ（副将戦はイジメ甲斐がなさそうなのよね。絶望とする敗者を見たくて副将になったのは失敗だったわ）

エトナ（今までの試合を見て他の高校はオーダーは変えないでしょうから。今までどおりで来るとして、よ）

エトナ（阿知賀からはあのムダに育ったおもちが来る。アレは絶対に泣かす）

エトナ（千里山からは……病弱なのが来るとして、……勘だと一番面白そうな相手な気がするのよねぇ）

エトナ（新道寺からはニコニコとしたのが出てくるでしょうから、あの顔を泣き顔にするのも――）


淡「うっ、ぅぅ、エトナから出る、この黒い禍々しい、ナニかに、全然なれないんだけど」

菫「……やる気な事はいいのだが。確かに、これは慣れないな」

照「……」

エトナ「それじゃ、行ってくるわ」