のび太「電話だ!」 (46)
のび太「もしもし、野比です」
S社員「野比のび太さんですか?」
のび太「はい」
S社員「おめでとうございます。のび太さん。我が社の新人賞を受賞しました」
のび太「ほ、本当ですか!?k」
S社員「本当です。作家デビューです」
S社員「それでですね、時間のある時に本社を訪れてほしいのですが」
のび太「今すぐ行っていいですか?」
S社員「お待ちしています」
ーS社ー
のび太「野比ですけど」
S社社長「待ってたよ。野比くん。さあこちらへ」
のび太は広い部屋に連れて行かれた。
S社社長「君の『不登校児』読ませてもらったよ。素晴らしいできだね。満場一致での受賞だよ。みんな絶賛していた」
のび太「ありがとうございます。光栄です」
S社社長「それでねこの本を出版するにあたっていくつか君に決めてもらいたいことがある」
のび太「ほう、何でしょうか?この若き天才作家の僕に何のようでしょうか?」
S社社長「まあまあ、天狗になるのは芥川賞を受賞してからにしてくれ」
のび太「あれ?私は芥川賞なんかには興味はありませんよ?狙うは「ノーベル文学賞」ただ一つです」
S社社長(なんだこいつは!?)
S社社長「表紙はどんなものがよいかな」
のび太「いじめと不登校がテーマなので、教室で蹲っている少年をいれてください」
S社社長「わかった」
のび太「賞金は?」
S社社長「ああ、これだ」
のび太「ほう、50万というは意外に少ないのですね」
S社社長「今日はもういい、帰り給え」
ー野比邸ー
ドラえもん「新人賞を受賞したって本当かい?」
のび太「本当さ、若干18歳にして、作家デビューだ。僕を落とした高校は後悔するだろうね」
ドラえもん「そうだね」
のび太「いやー受験勉強をサボって書いたかいがあったわー」
ドラえもん「そうだね」
野比のデビュー作『不登校児』は300万部売れた。多くの著名作家かからも絶賛された。
のび太母「のび太......あなたは何てこなの?300万部だなんて.....」
のび太父「俺は会社をやめる!」
のび太「祝うのはまだ早い。ノーベル文学賞を受賞してから祝え」
のび太母「そうね」
またもやのび太の許に電話がきた。
芥川賞選考委員「野比さん、ですか?おめでとうございます。『不登校児』が芥川賞の候補作となりました」
のび太「まあ、当然だろうね」
ドラえもん「おめでとう」
のび太「当然の結果さ、このまま受賞すると思うよ」
ドラえもん「天狗になるのはその辺にして次の作品を書くんだ」
のび太「うん」
のび太「次の小説は異常な性癖を持つ男の恋愛小説だ。性と暴力をテーマにすることによって世の中に衝撃を与える」
ドラえもん「官能小説にならないように気をつけてね」
のび太「僕の筆力を舐めているのか」
ドラえもん「冗談冗談」
ー数日後ー
のび太は自宅で受賞の報告を待っていた。
ドラえもん「そろそろだね」
のび太「僕が受賞するよ」
その時、固定電話が鳴った!
芥川賞選考委員「野比さん、おめでとうございます!芥川賞受賞です!今すぐ来てください」
のび太「当然」
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石原慎太郎「この小説は非常によくできている。いじめの残酷さ、不登校児の心境、全てが完璧だ」
司会「野比さん、今のお気持ちをお聞かせ下さい」
のび太「当然の結果である。一つ言っておくが僕はこの賞はいらない。以上」
司会「ありがとうございました」
司会「記者の方から野比さんに質問はありませんか」
記者「石原慎太郎に絶賛されたのことですが、嬉しいですか?」
のび太「嬉しくない。あんな老害に僕の文学が解る訳が無い」
司会「他は」
記者「『不登校児』は野比さんの私小説という噂があるのですが、本当ですか?」
のび太「それは嘘ですね」
司会「以上で、芥川賞受賞式を終わります」
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メディアは連日のび太の受賞を取り上げた。『不登校児』は芥川賞受賞作として、さらに売れた。
のび太「よし、完成した。『犬と老婆』だ。これは『不登校児』以上のできだ」
ドラえもん「よかったじゃないか」
のび太母「のびちゃーん、ご飯よー」
のび太「いまいく」
『犬と老婆』は『不登校児』を越える大ベストセラーとなった。
そして、なんと、ノーベル文学賞の候補作になった。この時、のび太は21歳。史上最年少だ。
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ドラえもん「取り上げず候補作になったね」
のび太「ここまでは当然だ。次の執筆にとりかかるよ」
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ドラえもん「愈愈、発表だね」
のび太「おう」
ノーベル文学賞選考委員委員長「Nobita Nobi."inu to rouba"」
のび太「しゃ!」
ドラえもん「おめでとう」
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のび太の受賞を聞きつけた記者たちはのび太の自宅に押しかけた。
記者「今の気持ちを」
のび太「当然の結果である。次からはノーベル文学賞という名を改めて、『野比賞』とするべきである。以上」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー「のびちゃーん、ご飯よ」ーーーーーーーーーーーーーーー。
のび太「当然の結果である......」
のび太「はっ、ノーベル文学賞は!?」
のび太「ゆ、夢?」
ドラえもん「夢じゃないよ、ほら、ここにトロフィーが」
のび太「やったー!」
またもや電話がきた。
しずか「野比さん、おめでとう」
のび太「何だ、君か。てっきりノーベル文学賞が野比賞に名を改めたのかと思った」
しずか「あはは」
完
後日談
ノーベル文学賞は本当に野比文学賞に名を改めた。が、その名の所為で、「あんな男が受賞した賞なんていらない」と断る作家が増えたので自然に消滅した。
スレタイにインパクトがなかったな
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