-部室-
憧「……」ペラッ
憧「……」ペラッ
憧「んふふふ」
憧(やっぱ”永水の巫女”はいいわよねー!)
憧(神代小蒔と石戸霞の二人が、雀神スコヤとその下僕に狙われて……)
憧(共に戦っているうちに愛が芽生える話……素敵よねー)
穏乃「憧ー!何読んでるのーっ?」
憧「えっ!?シズ!?」
『小蒔ちゃん……私……貴方の事が好きよ』
『霞ちゃん……嬉しい……』
穏乃「……な、なにこれっ!?女の子が抱き合ってる……っ」///
憧「」
穏乃「……」///
憧「ち、違うのシズ……」
穏乃「え、えっと……!」
穏乃「……あ、憧も女の子だから!」
穏乃「そういうのに興味持ってても……おかしくないよね……ハハハ」
憧「し、シズっ……!」
穏乃「ご、ごめん憧!読書の邪魔しちゃ悪いよね、先帰るよ」
憧「ま、待ってシズ!」
憧「……」
憧(ど、どうしよう……)
憧(あれって完全に引いてたよね……)
憧(……)
憧(……え、それって)
憧(シズが私の事を嫌いになっちゃうってこと……?)
憧(……)
憧(嫌だ……)
憧(嫌だよそんなの……)
憧(シズに嫌われたくなんかないよっ……)
-憧自室-
憧「……はぁ」
憧(明日からどんな顔をしてシズを会えばいいんだろ……)
憧(……シズ、私から避けるように帰ったよね……)
憧(……やっぱりおかしいのかな、女の子同士の恋愛って……)
憧(……)
憧(ううん、そんなことない!)
憧(たまたま好きになったのが同姓なだけだもん)
憧(何もおかしいことなんて無いよね)
憧(シズだってちゃんと話せば分かってくれるはず!)
憧(大丈夫だよね)
-翌日-
憧「あ、シズ!おはよー!」
穏乃「あ、憧っ……!?お、おはよう」
憧「おはよーって、どうしたの?」
穏乃「へっ!?な、なんでもないよ!」
憧「ふーん、そう?」
穏乃「う、うん……」
憧「……」
穏乃「……」
憧「……」
憧(す、すごい気まずいんだけど)
憧(やっぱりちゃんと話した方がいいよね……)
憧「ね、ねぇシズ」
穏乃「ご、ごめん憧!私日直なんだ!」
憧「えっ?」
穏乃「だから先急ぐね!」
憧「え、ちょっ、シズ!?」
憧「……」
憧(シズ……)
-部室-
憧「……」
憧「はぁ……」
憧(結局、話す機会が無いまま放課後になっちゃった……)
憧(休み時間に話そうと思ったら、どっか行っちゃうし)
憧(ホームルームが終わったと思ったら、既にいなくなってるし)
憧(もしかしたらと思って部室に来てみたらまだ来てないし……)
憧(やっぱりシズ……あたしの事を避けてるのかな……)
憧(……)
憧「はぁ……」
憧「……」
憧「あれ……」
憧「コミック百合娘……なんでこんな所に」
憧(……あたし持って帰るの忘れてたっけ?)
憧(ううん、あたしはちゃんと持って帰ったし……)
憧(じゃあ誰のだろ……)
ギィイ……
憧「!?だ、誰!?」
灼「……」
憧「灼さん?」
灼「……見た?」
憧「え?」
灼「その本」
憧「えっと……」
憧「見たって言えば……見たけど」
憧(昨日自分で買って読んだし)
灼「……そう」
灼「その本、私のだから。返して」
憧「えっ、この本灼さんのだったの?」
灼「……悪い?」
憧「いや、そうじゃなくて……灼さんも読むんだ、コミック百合娘」
灼「も?憧も読んでるの?」
憧「うん、まぁね……」
灼「へえ、意外」
憧「そう?」
灼「うん、あんまりこういうのに興味無さそうだったから」
憧「そういう灼さんこそ、あんまりこういうのは読まなそうだけど」
灼「そんなことない、私はこういう結構好き」
灼「こういうのって憧れるし」
憧「へえー」
憧「灼さんはどの作品が好きなの?」
灼「私は”少女ピンフ”とか”そのイーピンにくちづけを”とかが好きかな」
憧「うわ、結構濃いじゃんそれ」
灼「うん、真剣に恋愛してる女の子の物語だからね」
灼「それに教師と教え子が恋人になる珍しい作品でもあるし」
憧「そ、そうなんだ」
灼「憧はどうなの?」
憧「え?」
灼「どんな作品が好きなの?」
憧「あ、あたし?」
憧「あたしは……そうね」
憧「”少女革命ノドカ”も好きだし、”麻雀性恋愛症候群”……”すばらきこと”とか……」
灼「”少女革命ノドカ”って……それもうとっくに終わってるやつ……」
憧「うん、昔から好きなんだよねー」
灼「ノドカが世界に革命する力を手に入れて、同姓結婚を認めさせちゃうやつだっけ」
憧「そうそう、灼さん詳しいじゃん」
灼「まぁね、私も小さい頃から読んでるから」
灼「そういう憧も結構詳しそうだね」
憧「私も中学ン時から読んでたから……」
灼「ふうん、やっぱり好きなの?穏乃の事が」
憧「ファッ!?」
憧「な、なんでそこでシズが出てくるわけ!?」
灼「違うの?」
憧「ち、違うっていうか……」
憧「そ、そりゃ……シズの事は嫌いじゃないし、むしろ好きっていうか……」ゴニョゴニョ
憧「あ、灼さんこそどうなのさ!」
灼「私?」
憧「灼さんも好きな人とかいるんじゃないの?」
灼「うん、私はハルちゃんが好き」
憧「えっ、晴絵!?」
憧(というかあっさり答えたわね……)
灼「でも、本当はよく分からない」
憧「わからない……?」
灼「この気持ちが、好きなのか。それともただの憧れなのか」
憧「灼さん……」
灼「正直、この気持ちをハルちゃんに伝えるには怖い」
灼「今までの関係まで変わっちゃうんじゃないかって」
灼「私は今の関係でも十分満足してるし」
灼「それにもし、私がこういう本を読んでるってハルちゃんに知られたら……」
灼「……きっと嫌われる」
憧「……」
憧「……わかるよ」
灼「憧……?」
憧「あたしもさ、シズに自分に気持ちを伝えて」
憧「それで関係が壊れちゃったりすると思うと……やっぱり怖いもん」
憧「……尤も、今は話す機会すらないんだけど」
灼「……?どういうこと?」
憧「実は……百合娘読んでるところをシズに見られちゃってさ……」
憧「なんか、すごい引いてたみたいで……」ハハ
憧「それ以来、上手く話せてないんだ……」
灼「そう……」
憧「……」
憧「灼さん……私、どうしたらいいんだろう」
憧「このままだと、シズと話せなくなるどころか」
憧「一生シズに嫌われたままになっちゃう……」
灼「……」
灼「……多分だけど」
灼「これは逆にチャンスだと思う」
憧「……え?」
憧「チャンス……?なんでよ?」
灼「憧は、お互い話せままの今の関係を続けたい?」
憧「いっ、嫌よ!そんなの!」
灼「なら、変えるしかない」
憧「変えるって……どうやって?」
灼「百合娘を読んでる所も見られて、憧の趣味は穏乃にバレたから」
灼「これはもう正直に穏乃に話すしかないと思う」
憧「そ、それができたら苦労しないわよ!」
憧「今だって若干避けられてるのに……」
灼「呼び出しの手紙を机か下駄箱に入れておけば来るんじゃない?」
灼「穏乃は素直だから、なんだかんだで来そうだし」
憧(否定できないわ……)
憧「で、でも、何て言えばいいのよ」
灼「正直に言えばいいんじゃない?しずの事が好きですって」
憧「は、ハァ!?そ、そんな事言える訳ないでしょ!」
憧「ていうか、なんでそこで告白する事になるのよ!」
灼「でも好きなんでしょ?穏乃の事」
憧「だ……だからって告白はさすがに……」
灼「今の穏乃は結構混乱してると思う、もしそこで誰かが穏乃を慰めて」
灼「その人が穏乃と恋人になったりしたら、どう思う?」
憧「シズに……恋人……?」
憧「嫌……嫌だよ、そんなの」
灼「なら憧が穏乃の恋人になればいい」
憧「あたしが……?」
憧(あたしがシズの恋人に……?)
灼「……まぁ別に、告白はしてもしなくても別にいいけど」
灼「部活の士気に影響が出るから、ちゃんとしずとの誤解は解いておいてね」
灼「じゃあ、私は帰るから」
憧「えっ、部活は?」
灼「聞いてなかったの?今日はハルちゃん用事あって部活に顔出せないから、部活はおやすみ」
灼「昨日言ったと思うんけど」
憧(そういえばそんな事も言ってたような……)
灼「じゃあ、そういう事だから。戸締り宜しく」
憧「あ、うん……おつかれ」
憧「……」
憧(あたしが……シズに告白……?)
憧(……できるのかな)
憧(……)
………
……
…
-翌日-
穏乃「みんなおはよー」
穏乃(結局、憧と顔が合わせ辛くて時間ずらしちゃった……)
穏乃(憧怒ってるよなー……)ガサゴソ
穏乃「……あれ?何か入ってる?」
穏乃「……手紙?なんだろ?」
穏乃(えっと……放課後、麻雀部部室に来てください……?)
穏乃(名前は書いてないし……誰からだろう)
穏乃(ま、どのみち部活があるからいいけど)
-放課後-
憧「……」
憧(……やばい、緊張してきた)
憧(シズ……来るかな?)
憧(……ううん)
憧(シズなら絶対に来る……!)
キィイ……
穏乃「……あれ?憧?」
憧「し、シズ……っ」
穏乃「え、えっと……憧一人だけ?」
憧「うん……そうだけど」
穏乃「そ、そうなんだ……ハハハ」
穏乃「私、手紙に麻雀部の部室に来てって書いてあったから来たんだけど……」
穏乃「他に誰か来なかった?」
憧「……」
憧「……その手紙ね」
憧「あたしが、私が書いたの」
穏乃「へ?憧が?」
憧「う、うん……」
穏乃「どうして憧がこんな手紙を?何か用事があるなら直接言えばいいのに」
憧「それは……最近、シズが私を避けてるっていうか……」
憧「なかなか話す機会がなかったら……」
穏乃「あ……」
穏乃「……」
穏乃「……ごめん、憧」
憧「……なんでシズが謝るの?」
穏乃「なんだか私が避けてる感じになっちゃって……」
穏乃「本当にごめん!」
憧「シズ……」
憧「ううん……シズは悪くないよ」
憧「悪いのはあたし」
穏乃「憧……?」
憧「……あの時からだよね、私達がちょっと気まずくなったのって」
穏乃「あの時……?」
憧「シズが私の漫画を見ちゃったこと」
穏乃「あっ……」///
憧「……」
憧「シズ……前に言ったよね」
憧「あたしはそういうのに興味持っててもおかしくないって」
穏乃「……」
憧「その通りなの、あたしは女の子同士の恋愛が好き」
憧「百合が好きなの」
穏乃「ゆ……ゆり……?」
穏乃(ゆりってなんだろう)
憧「今まで黙っててごめんね、シズ」
穏乃「え、あっいや……別にいいけど」
穏乃「でもなんで急にそんな話を?」
憧「……」
憧「これ以上シズと気まずい関係になるのは嫌だったから……」
穏乃「えっ……?」
憧「……っ」
憧(やっばっ……めっちゃ緊張するんですけど~!!)
憧(どうしよう……!やっぱり言わない方がいいのかな?)
憧(……でも、もしシズに他の恋人ができちゃったりしたら……)
憧(ううん……いや!それだけは絶対に嫌!)
憧(言うのよあたし!がんばれっあたし!)
憧「し、しず……!」
穏乃「は、はいっ!」
穏乃「……え?」
憧「~~~~~!!」///
穏乃「あ、憧……今なんて」
憧「だ、だから……っ……そのっ」///
憧「……好きなの!シズのことが!」///
穏乃「憧……」
憧「~~~……」///
穏乃「……うん」
穏乃「私も好きだよ!」
憧「えっ……」
穏乃「私も憧の事好きだよ!」
憧「シズ……それ本当……?」///
穏乃「うん、憧も玄さんも宥さんも灼さんも大好きだよ!」
憧「……」
憧「えっ?」
穏乃「憧も好きだよね?みんなのこと!」
憧「……」
憧(そっか……シズはあたしの事だけが好きって訳じゃないんだ……)
憧(ばかみたい……一人で盛り上がっちゃってさ……)
憧(ほんと……情けないな……あたし)
穏乃「……憧?」
憧「……うん」
憧「あたしも好きだよ、みんなのこと」アハハ
穏乃「だよねー!やっぱり皆仲良しが一番だよ!」ハハハ
憧(……でも)
憧(なんか、シズらしいや)
憧「憧も急に変な事言うからびっくりしちゃったよー!」
憧(シズと恋人になれたら……なんて思ったけど)
憧(その必要はなさそうね)フフッ
穏乃「それよりみんな遅いなー、もう部活始まってる時間なのにー」
憧(……だって、あたしは今の関係でも十分幸せだから)
憧「……ふふ、はははっ」
穏乃「……?憧?」
憧「はははっ……はぁーーっ」
憧「なんだか、無駄に緊張しちゃったね」
穏乃「へ?緊張?」
憧「あれ、シズは緊張しなかったの?」
憧「ついさっきまではお互い気まずかったのに」
穏乃「あっ……」
憧「ふふっ、でもそれも今日でおしまい!」
憧「シズ」
憧「あたしたち、これからも友達だよね?」
穏乃「……憧」
穏乃「……」
穏乃「ああ!憧とはずっと友達だっ!」
憧「……うん!」
憧(私はシズの事が好き)
憧(でも、あたしは今のままでいい)
憧(だって、シズと一緒にいれるだけで十分だから)
憧「……シズ」
――これからも
ずっと友達でいようね――
つづカン
-次回-
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/ / / i: : : : : : : : : :i: : : : : : : :.\
__i / /: : : : : : : ;ィ: :}: : : : : : : : : : :.
i 「`7 /!: : : :∠」_ ハ: i: : : : : : : : :i
=-x /// : :/ ! 「 卞}: : : : : : : : :} 雅枝「エロゲしとる所を娘に見られてしもた……」
::::i. / / ==ェx、_ i/i: : : : : : : :/
:C !::::::::::「ヾ' i: : : : :..:/
''′ |::::::::C /イ: : :/
∨::::ソ i,厶イ\ 10/31 20:00
 ̄` .!: : / \\
}: :.! )::)
/\ ノ|: .:| //
;,、  ̄ ̄ _,, < |: :.!// アカン……
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|∧ |: :| おかんがエロゲーしとる所を見てしもた……
ヽ_,/ ',__ |: :i
_/ ヘ .i \. !:/
》ェ≪ | \ /
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すみません、百合モノは自分にはキツイようでしたので続きません
本当すみませんっす
っす
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