水の月 三日目 はれ
きょうで勇者様と旅を初めてからひとつきになります
勇者様はいまだに人間の女の子に興味を示してくれません
やはり人間ではダメなのでしょうか?私も魔物になりたいです。
パタン
僧侶「ふー……」
賢者「冒険の書?」
僧侶「そうです……今日でちょうどひと月ですよね」
魔法使い「ほんとだねー。いろいろあったねぇ」
僧侶「……」
賢者「……」
魔法使い「……」
三人「……はぁ」
魔法使い「……まだやってないことってあったっけ?」
僧侶「たぶん……ないかと」
魔法使い「お風呂に乱入は?」
賢者「やったわ」
魔法使い「偶然を装って着替えシーンに遭遇させるのは?」
僧侶「しました」
魔法使い「マッサージと称してセクハラするのは……私がしたんだっけ」
僧侶「夜這いもかけましたし、混乱したふりしてキスもしてみました」
賢者「何やってんの……」
僧侶「でもこれくらいしないと!」
魔法使い「で、結果は?」
僧侶「……夜這いの時は」
――――――
勇者「……zzz」
カタン
勇者「……僧侶か?」
僧侶「……はい」
勇者「僧侶が……?どうした、こんな夜更けに」
僧侶「えっ……いや……その……」
勇者「どうした、敵襲か、早く用件を言ってくれ」
僧侶「み、見て……ください……」
スルッ……
勇者「……?」
僧侶「ゆ、勇者様……」
勇者「僧侶……?」
僧侶「あ、はい?」
勇者「どうしたんだ?どこにも怪我はないぞ?なんだ?内臓の痛みか?
……いや?健康そうだが?それでも不調に感じるならもう一晩ここで休んでいってもいいが」
僧侶「えっ」
勇者「あと長い間肌を露出していると風邪をひくぞ?ちゃんと暖かくして寝ろよ。本当に体調を崩すんじゃないかと心配だ。
さ、俺のマントを」 パサ
僧侶「……お、おやすみなさい」
勇者「ああ、おやすみ」
―――――
魔法使い「……結局何もしなかったんだねー」
僧侶「仕方ないじゃないですか!あそこまで優しくされたらもうムリですよ!」
賢者「仕方ないよ。気持ちはわかるし」
僧侶「賢者さん……」ウルウル
魔法使い「で、キスした時はどうだったの?」
僧侶「それは……」
―――――ー
モンスター「メダパニ!!」
僧侶「……?」 コウカガ ナイヨウダ
僧侶「……(はっ!!今なら混乱したフリして勇者様に色々できる!)」
バッ
僧侶「はらひれほろひれー」
勇者「僧侶!?大丈夫か!」
僧侶「ゆうしゃさまー!」
ガバッ
チュッ……
勇者「むぐっ……」
僧侶「(うああああ勇者さまとキスしちゃったついにしちゃった!)」
勇者「ぷはっ、キアラル!!」
ブワッ
僧侶「!」
僧侶「(何今の風)」
勇者「大丈夫か僧侶!」
僧侶「あ、はい!すみません!」
勇者「よし!残りを一掃するぞ!」
―――――
魔法使い「うわぁ……」
僧侶「……」ズーン
賢者「お、落ち込まないで?ね?」
魔法使い「本当に興味がないと言うか……ここまでされても無反応なんて……」
僧侶「ちなみにちょくちょく胸を押し付けながら勇者様の勇者の剣を触ってますけど、
一切の変化なしでした……」
魔法使い「……痴女じゃん」
賢者「痴女だね」
僧侶「ええっ!?ひどくないですか!?」
魔法使い「……あれ?でも私たち人の事言えない?」
賢者「あー……だね」
僧侶「でしょう?」
僧侶「魔法使いさんも駄目でしたか?」
魔法使い「うん……色々試したんだけどね。一切反応なし」
僧侶「たとえば?」
魔法使い「朝起こしにいくという口実を使って顔面騎乗とか」
僧侶「ええ!?私よりひどいじゃないですか!」
魔法使い「しかたないじゃないのー!私は胸がおっきくないんだから」
賢者「私も僧侶よりはちっさいよ」
魔法使い「僧侶が大きいのが悪いんだ!この魔物乳!」
僧侶「魔物乳!?ひどすぎません!?
……あ、でもそれで勇者様が相手してくれるなら」
賢者「本格的にダメだねこの子……」
魔法使い「いやぁ……でも私たちだって同じようなもんだし」
賢者「うーん、否定できないところがまた」
僧侶「脈ありみたいなのはなかったんですか?」
魔法使い「ダメダメ。顔面騎乗ですらノーリアクションだったんだから……」
僧侶「ノーリアクションですか……」
魔法使い「うん。ていうか結構最近なんだけどね?」
――――――
宿屋 早朝
魔法使い「……まだ勇者は目覚めてないはず」
魔法使い「……早朝から準備するという言い訳もあるし、いける!」
カチャ……
魔法使い「……」
スルッ パサッ
魔法使い「(うわぁ、朝っぱらから全裸って、恥ずかしい)」
ドキドキ
スッ……
魔法使い「えいっ」
ポムッ
魔法使い「ゆ、ゆうしゃー、朝だよー、おきてー」
勇者「むごっ……む?」
魔法使い「(起きた!少しくらいは反応……してない!!朝立ちすらしてない!!)」
勇者「むごご……」
ムンズ
ポイッ
ドサッ
魔法使い「きゃ」
勇者「朝からなんだ。まだ早朝だぞ?あと服を着ろ風邪ひくぞ」
魔法使い「きょ、今日は早めに出発しようよ!夜までに次の町にたどり着けるようにさ!」
勇者「なんだ、そういうことか。わかった。すぐ支度するよ」
魔法使い「ゆ、勇者!」
勇者「なんだ?」
魔法使い「こ、これ見て……」 クパァ
魔法使い「(あぁああああ~!!恥ずかしさで死ぬ!!)」
勇者「……」
魔法使い「……勇者?」
勇者「特に異常はなさそうだぞ。処女膜もしっかりある。
よかったな。戦闘中に破れてしまう人もいると聞いたが、大丈夫そうだ。
それにしても綺麗だな、ちゃんと毎日手入れしているのか?」
魔法使い「……」
勇者「どうした?」
魔法使い「……~~!!!」ボンッ
バッ
ダッ
ガチャ
バタン!!
『勇者のあほーーーー!!!』
勇者「……なんだ?」
――――――
賢者「うわぁ……」
僧侶「うわぁ……」
魔法使い「え、今のはどっちに引いたの?」
僧侶「どっちもです」
賢者「どっちもだね」
魔法使い「……そっかぁ」
僧侶「その誘惑も流石にやりすぎですし、やりすぎでも一切反応しない勇者様にはドン引きです」
賢者「たまに男としての生理機能がついてないんじゃないかと思いますよ……」
魔法使い「勇者は実は女……」
僧侶「……」
賢者「……そんな設定が、あってくれたらねぇ」
魔法使い「……わかってるよ、私だって、これが現実を直視してないだけってこと」
三人「……はぁ」
僧侶「賢者さんでもダメだったんですよねー……」
賢者「考えられる全ての手を尽くしたんだけどね……」
魔法使い「風呂に乱入とかだっけ」
賢者「ほかにも媚薬を飲み物に入れたり、縛って手コキしたりしたよ」
魔法使い「私に輪をかけてひどい!?」
僧侶「思いのほかハードでしたね!?」
賢者「でもあの鋼の精神はビクともしなかったようで……」
――――――
カポーン
勇者「いい湯だ」
ガララ
賢者「勇者」
勇者「賢者か、どうした?」
賢者「背中を流そうと思って」
勇者「そうか?悪いな」
賢者「(なんという自然さ……これじゃこっちがおかしいみたいじゃない)」
勇者「やれやれ……疲れが顔に出てたか?賢者に心配されるとは、情けない」
賢者「え?そ、そんなことないよ。勇者はすごいよ」
勇者「はは、お前には及ばないけどな」
賢者「(クッかっこいいセリフをサラっと……)」ドキドキ
賢者「(こうなったら、自分の体を使って……!)」
モニュ
ズリ……ズリ……
勇者「ああ、気持ちいよ。流石賢者だな。
これは悟りの書には……書いてないか」
賢者「(ギャグをかます余裕まであるの!?ちょっとは興奮して!緊張して!?
私だって胸あるよ!?僧侶ほどじゃないけど!)」
ズリ……ズリ……
勇者「おい、それ疲れないか?大丈夫か?ムリしなくていいんだぞ。
俺は気持ちだけでも十分だし」
賢者「……ッ」キュン
賢者「……のぼせちゃったみたい、先にあがるね」
バシャッ……
ガララ
ピシャン
勇者「……賢者、どうしたんだろうな?」
勇者「……俺には言えない悩みか?今度他の二人に聞いておこう」
勇者「プライバシーの問題もあるが……賢者の健康には変えられないな」
――――――
賢者「って感じで」
僧侶「うわぁ、それはダメージが」
魔法使い「わかるよ……その気持ち」
賢者「私にもっと胸があれば」
僧侶「あっても駄目だとは思いますが」
賢者「媚薬の話は……話すまでもないよね」
僧侶「あぁ……あの時のって、媚薬が原因だったんですか」
――――――
ゴクッ……
賢者「……(飲んだ!)」
勇者「ふー、俺はちょっと部屋で休むよ。おやすみ」
スタ、スタ、スタ……
賢者「(これで数分後には絶対に私たちを犯しにくるはず……
なんせベヒーモスでも耐えられない超強力性の媚薬だから!)」
僧侶「賢者さんどうしました?」
賢者「計画の成功を祈ってるの」
魔法使い「?」
―――
勇者「……ッ?」
ピクッ
勇者「何だ……?これは……この感じは」
ガチャ……
僧侶「勇者様?どうしました?」
賢者「(きたっ!!)」
ガタッ
勇者「少し外に素振りに行ってくる」
魔法使い「え、じゃあ私も」
勇者「悪い、一人にしてくれ」
スタスタスタ……
賢者「え」
僧侶「……勇者様?」
魔法使い「……」ズーン
――――
僧侶「あれは明らかにおかしいと思います」
賢者「そ、そうだね」
魔法使い「勇者の後をつけよーよ!絶対一人で何かするつもりだよ!」
―――
勇者「……」キョロキョロ
魔法使い「なんか探してるね」
僧侶「何か失くしたんですかね?」
賢者「(てっきりオ○ニーでもすると思ったのに……どうしたんだろ?)」
テレレーン テッテッテッテ
スライム娘 が あらわれた!
僧侶「え!?敵!?」
魔法使い「レベル上げ?」
賢者「( ま さ か )」
パァンッ パンッ パンッ
勇者「あああ!!!スライムたん気持ちいいお!最高だお!!フヒィ!!」
スライム娘「ぴぎっ……ぴぃっ!ぴぃっ!!」
勇者「逃げられないよ!ごめんね!僕の気が済むまで!うぅっ!!」
ドピュドプッ
スライム娘「ぴきっ!?」
勇者「ふぅ……ま、まだまだ付き合ってもらうからね」 ニタァ
魔法使い「 」
僧侶「 」
賢者「(ええ……)」
―――――
魔法使い「この前なんかひどかったよね」
賢者「ああ、勇者がちょっとずつ本性表してた時?」
僧侶「グレイトドラゴンさんは犠牲になったんですよね……」
―――――
村長「……どうかドラゴンを倒してください、お願いします」
勇者「もちろんです。私たちに任せてください」
「おお……」
「流石は勇者様だ」
「きゃー勇者様ー!」
僧侶「勇者様大人気ですね……ちょっと嫉妬しちゃいます」
魔法使い「でもまぁ、それだけ勇者が凄いってことだよ」
賢者「だね。だからこそ私たちはここまでついてきたんだし」
勇者「行こう、村の平和を、俺たちで取り戻すんだ」
三人「はい!!」
―――――
勇者「ここが竜の洞窟か」
賢者「すごく強い敵の気配がするよ、気を付けて」
勇者「わかった」
魔法使い「……」ゴクリ
僧侶「……」ドキドキ
「よくぞ現れたな……人間どもよ……」
勇者「……―――ッ!」
賢者「え?」
僧侶「あれ?」
魔法使い「ええ?」
竜幼女「われこそはグレイトドラゴン……貴様らにんげんをいけにえとして、魔王様にささげてくれるわ……」
勇者「……」プッツン
賢者「あ」
竜幼女「くるがよ……」
ヒュンッ
ドグッ!!
竜幼女「げぼっ!?」
賢者「は、速い!」
僧侶「見えませんでした……」
魔法使い「い、今何したの……!?」
勇者「散々村の人間に迷惑をかけてきたみたいだな」
竜幼女「貴様、なにもっ……」
ズルッ
竜幼女「きゃあああああっ!?」
勇者「おしおきだ!」
竜幼女「ええええっ!?ちょ、ちょっ!」
パシーン!
竜幼女「いたいっ!?」
勇者「まったく!そらっ!!ああいい尻!!くんかくんかすーはーぺろぺろ!!」
パッシーン! パッシーン!! パッシーン!!! パッシィーンッ!!!
竜幼女「ひゃめっ、いたいっ、にゃっ、あうっ……んあっ!」 ビクンッ
賢者「……」
僧侶「……」
魔法使い「……」
―――――
魔法使い「あれ以来私たちの前でモンスターっ娘にひどいことするの躊躇わなくなったんだよね」
賢者「ね」
僧侶「……はぁ、勇者様。どうしてそんなに魔物がいいんですか?」
めし!!!!!!
まだか
コンコン
賢者「はう!?」
僧侶「はひぃ!?」
魔法使い「どどどうぞ!?」
ガチャ
勇者「失礼、そろそろろ出発するぞ。準備はできてるか?」
僧侶「ちょっちょっと待ってください!」
勇者「わかった。宿屋の一階で待っているから、準備が出来たら来てくれ」
魔法使い「は、はーい」
バタン
僧侶「普段はあんなにかっこいいんですけどねぇ……」
賢者「どうしてああなっちゃったんだろうね」
――――
勇者「……」
勇者「(今日は久しぶりに、昔の夢を見たな)」
勇者「(俺がまだ、幼かったあの頃の……)」
―――――
ゆうしゃ「ぼくおおきくなったらねー!おとーさんみたいなでんせつのゆうしゃになるんだー!」
勇者父「そうか、頑張れよ」
ゆうしゃ「うん!!」
――――
ゆうしゃ「いってきまーす!!」
勇者母「あら?また修行?
……ふふ、父さんに似たのね」
――――
勇者「……はぁっ!!せいやっ!」
ビュン ブォンッ!!
騎士団長「流石勇者様のご子息様です……もはや私では手も足もでません」
勇者「そろそろか」
騎士団長「?」
勇者「(これで……モンスター娘を思う存分犯す旅に出かけることができる)」
ズルッ……ズルッ……
「ハァッ……ハァッ……!」
勇者「ん?」
勇者母「あら……どなたかしら?こんな時間に」
ガチャ……
勇者父「……息子よ」
勇者母「あ、あなた!?」
勇者父「ああ……見ての通りだ、情けない……」
勇者母「どういうこと……!?この傷は……!?」
勇者父「あわてるな……全て今から話す」
勇者「……」
勇者父「……息子よ、まず一つ頼みがある」
勇者「断る」
勇者父「……何故だ!?」
勇者母「!?」
勇者「どうせ、魔王を倒せなかった、俺の代わりに魔王を倒す旅に出てくれ、そういうつもりだろう?
悪いが、俺にはやらなきゃいけない事があるんだ」
勇者父「……ふふ、やはり私の息子だな」
バサッ
勇者「何だ?……これは!?」
勇者父「そう……私が旅した各地のモンスター娘の……スケッチだ」
勇者「馬鹿な……!?ということは、まさか!」
勇者父「やはり……親子だということか」
勇者母「え?え?」
勇者「……だが、それならなおさらだ!!俺はこの各地のモンスター娘を犯すために、旅に出る!
だから魔王等に構っているヒマなど」
勇者父「……」
勇者父「可愛かったぞ」ボソリ
勇者「えっ」
勇者父「小さかったぞ」ボソリ
勇者「えっ、えっ」
勇者父「あと、奴は殺さなくても、体に埋め込まれた闇の宝石を全て破壊すれば赤子同然、
何の力も持たぬ弱い魔物となる」
勇者「ちょっと魔王倒してくる」
勇者母「!?」
勇者「母さん止めないでくれこれは決めたことなんだ俺は世界のためにこの剣を振るう」
勇者母「えーと……なんか腑におちないけど、と、止めないわよ?お、お父さんもそうだったし」
勇者「ありがとうじゃあルイーダの酒場行って仲間探してくる」
スタスタ
バタン
勇者母「ええっと……うん……」
勇者父「あ、私は人間も好きだからな?勘違いしないでくれよ?」
勇者母「ああ……はい……」
―――――
勇者「できるだけ強くて万能で、かつステータスの伸びが良くて後衛として優秀な人いませんか」
ルイーダ「……気持ちはわかるんだけど無茶な要求ねぇ。えーっと」
ルイーダ「こちらの彼なんてどうかな?」
せんし おとこ
Lv.33
てつのおの
てつのよろい
てつのたて
てつのくつ
勇者「……いまいち」
ルイーダ「じゃあこっちの彼は」
ぶとうか おとこ
Lv40
てつのつめ
ぬののふく
はやぶさのくつ
勇者「駄目。ていうか後衛だって言ってるじゃないですか」
ルイーダ「ええ……でも今後衛系は出払ってて」
勇者「じゃあもうこっちで探しますよ……あれ?いるじゃないですか」
魔法使い「!」
ルイーダ「あ、その子は……」
勇者「魔法使いか、いいね。採用」
ルイーダ「えっ」
魔法使い「えっ」
勇者「え?」
魔法使い「え、いや、あの……私、今、め、メラすら打てなくて」
勇者「簡単だよ。練習さえすれば誰だって打てるようになる。
君は素質があるしね。伸びも良さそうだ。なんといってもその動体視力が魅力だ」
魔法使い「えっ」
ルイーダ「えっ」
勇者「次は……おっ」
僧侶「ひっ!」
勇者「僧侶、いいね。採用」
僧侶「え、ええ!?」
ルイーダ「その子……ひどい怖がりで」
勇者「治りますよ。これなら。というかこの子は実は強い子だ。
今はそれが現れていないだけ……芽さえ出ればあとは早い。治癒系魔法に必要なものを備えている。
今はそれが恐怖心となって表れてるだけですよ」
ルイーダ「(マジ何もんなんだろうこの子)」
勇者「あとは……おっ」
遊び人「ぐー」スヤスヤ
勇者「才能あるな。採用」
ルイーダ「えええっ!?」
遊び人「ほえ?」パチッ
勇者「これから魔王を倒す旅に出るから一緒に行こう」
遊び人「へぇあ!?あたし!?なななんで!?」
勇者「なんでって……君は治癒と攻撃両方の才能があるからだよ。
最初は俺が守るから、君はひたすら戦闘を観察していてくれ。
いずれ冷静さとともに、悟りの道が見える」
遊び人「ほえ……」
ルイーダ「ええー……」
――――
魔法使い「め、めら!」
ボッ
魔法使い「!!」
勇者「ほらな?できたろ」
魔法使い「あ、ありがとう!」
勇者「お礼は俺じゃなくて、素敵な子に産んでくれた親に言うんだよ」
魔法使い「う、うん!」
おおがらす「グアアアア!!」
勇者「……ジゴスパーク」ボソ
ゾゴォォン!!
おおがらす「 」
魔法使い「(あれ……私いらない)」
僧侶「きゃああああ!!」
おおありくい「キシャー!!」
勇者「僧侶!!目をそらすな!相手を見ろ!
治癒するってことは傷つけることと表裏一体だ!!
裏を知らなければ表はわからないぞ!」
僧侶「……!」
僧侶「ていっ!」
ドゴッ
おおありくい「オボフ!!」
ドシャッ
おおありくい を たおした
僧侶「や、やった……」
勇者「成長したな、僧侶」
ナデナデ
僧侶「え、えへへ……」
なにが起こっているの
勇者「……そろそろ出発かな、アリアハンともさよならか」
遊び人「ねぇ勇者-」
勇者「どうした?」
遊び人「私邪魔じゃない?なんの役にも立ててないような」
勇者「……そうか?」
遊び人「うん、正直魔法なんて使える気が……ッ!?」
いっかくうさぎ「きしゃ!」
遊び人「ええっ!?急だよ!?
ゆ、勇者助けて!」
勇者「大丈夫だ。お前ならできる!」
遊び人「むりだよー!」
いっかくうさぎ「ぴきっ!」
勇者「次にどこから攻撃が来るか予測しろ……お前ならできるはずだ、
俺たちの戦闘を見てきたお前なら!」
遊び人「……予測?」
いっかくうさぎ「ぴしゃーっ!」
遊び人「(もしかして、この感じ……)」
いっかくうさぎ「ぎぃぃ……」
グッ
遊び人「(力をためて)」
いっかくうさぎ「ぎしゃああっ!」
遊び人「(真っ直ぐ、とびかかってくる……!)」
遊び人「ここっ!!」
ドガッ!
いっかくうさぎ「ぴぃっ!」
ドシャ
いっかくうさぎ を たおした
遊び人「やったぁ!!勇者!やったよ!
……あれ?勇者?」
勇者「……この町ともおさらばか」
勇者「さびしくなるな」
スライム娘「……ぴー」
勇者「お前は……」
スライム娘「……ぴ?」
勇者「悪いな。お前を連れて行くことはできないんだ。
ずっと昔から……一緒だったのにな」
スライム娘「……ぴー」
勇者「……やっぱり可愛いなぁ、お前は」
スライム娘「ぴっ!?」
勇者「……最後の記念に」
スライム娘「……ぴー♪」
ズブッ
勇者「……さ、行こうか!」 ツヤツヤ
僧侶「(あれっなんか勇者さまつやつやしてる)」
魔法使い「(別れ済ませてきたのかな。すっきりした顔してるなー)」
遊び人「(どこ行ってたんだろ?)」
スライム娘「ぴぃ……♪」
―――――
僧侶「勇者様?」
勇者「はっ」
魔法使い「どうしたの?」
勇者「ちょっと昔の事を思い出していた」
賢者「そっか。でもあんまり私の事は思い出さないでね。恥ずかしいから」
勇者「今のお前も昔のお前も、両方とも立派な仲間だよ」
賢者「も、もう……」
―――――
ゴゴゴゴゴ……
勇者「いよいよだな」
魔法使い「こ、ここが魔王城……」
賢者「……」ゴクリ
僧侶「は、はうう……」
勇者「……長かったな」
魔法使い「な、なんかすごいオーラだねぇ」
勇者「まぁ、今の俺たちなら楽勝だろう」
賢者「油断しな……ごめんやっぱりなんでもない」
勇者「ん?」
僧侶「(油断してても勝てそう……)」
魔法使い「イオナズン!!」
ドゴォンッ!
僧侶「バギクロスッ!!」
ブオォォォ!!
賢者「ベギラゴン!」
ゴォォォォ!!
勇者「ビッグバン」ボソリ
キィンッ
ドゴォォン……
魔法使い「あんな魔法存在したっけ?」
賢者「え、知らないよ」
僧侶「……やっぱり私たちいらないんじゃあ」
―――――
魔法使い「こ、この向こうに魔王が……」
僧侶「き、緊張します~!」
賢者「……回復は大丈夫だよね?」
勇者「……」
賢者「……勇者?」
勇者「あ、ああすまない。なんでもない、行こうか」
僧侶「勇者様……?」
ギィィィ……
「よくぞ来たな、愚かな人間どもよ」
魔法使い「!!」
僧侶「!!」
賢者「!」
魔王「まずはここまで来たことを誉めてやろう……そして」
僧侶「わぁ……かわいい」
魔王「こら、外見で魔物を判断するでない。我はお前らが倒してきた魔物の何倍も強いぞ」
賢者「すごい魔力……」
魔法使い「……かわいー」
勇者「……」
魔王「貴様が勇者か、なるほどあの男の。
アイツもなかなかの男だったが……我にはかなわん」
魔法使い「ちっちゃいー、かわいいー」
僧侶「ですねー」
賢者「ちょ、ちょっ、二人とも……」
勇者「……」
魔王「貴様ら……まぁいい。力だけはあるようだな。
どうだ?我につき従えば……素晴らしい地位に置いてやろう。
四天王が今なら空いている。どうだ?我の元で働く気はないか?」
僧侶「ええっ!?それって魔物になれるんですか!?」
魔王「アホか。人間が魔物になれるわけがなかろう!」
魔法使い「なーんだ……」
賢者「そっかぁ……」
魔王「ちょ……なんで露骨に残念がっているんだ……?貴様ら仮にも勇者一行だろう……?」
勇者「……」プルプル
僧侶「勇者様!?何かプルプルしてますよ!?」
勇者「だ……めだ……」
魔法使い「え?」
勇者「こう……仮にも魔王だから、紳士的に行こうと思ったけど……もうだめだ……」
賢者「まさか」
魔王「は?」
ヒュンッ
魔王「なっ―――ッ!?」
ズルッ
魔王「……なぁっ!?ちょ、貴様何を!」
勇者「はああああああああああ魔王ちゃんの尻たぶはああああああああああああん!!!」スリスリスーハークンカペロペロ
賢者「あー……やっぱり」
魔王「きさっ……この!イオナ」
勇者「マホトーン!!」
ギィン!!
魔王「むっ……!?じゅ、呪文が放てん!?」
僧侶「魔王にも効くんでしたっけ?」
魔法使い「私のは効かないよ」
賢者「私のも効かない」
勇者「ああああああああいい匂いだよぉぉ魔王ちゃん座りすぎて痔になりかけてるおしりかわいいよおおおおお!!
アナルかわいいよおおおおおおおすーはくんかくんかぺろぺろ!!ぺろぺろ!」
魔王「ちょっ……なぅあっ!?や、やめっ……貴様ァ!」スゥゥ
僧侶「ゆ、勇者様!!危ない!!」
魔王「遅い!!くらえっ……灼熱の息!!」
ゴォォォォォォォォ!!
僧侶「ひゃっ!」
魔法使い「あつっ!?」
賢者「こ、こんな遠いところまで熱が!?」
僧侶「そ、それじゃあ勇者様は!?」
魔法使い「いや、大丈夫だと思うよ」
僧侶「……ですよねぇ」
ブワッ
魔王「!?」
勇者「フバーハ……この魔法は俺が特定した範囲の息系統の攻撃を全て打ち消すことができる」
僧侶「そんな魔法でしたっけ?」
魔法使い「違う。絶対違う」
賢者「そんな便利なフバーハあってたまるか」
勇者「そんな生意気な口はこうだ!!」
チュッ
魔王「むぐっ!?」
レロッ……チュパッ……ヂュル
僧侶「う、うはわぁ……///」
魔法使い「す、すごい……///」
賢者「……///」
魔王「むぐっ……んむぅ!(こいつ……直接口内に火炎を吹き込まれたいか!?)」
勇者「……」レロレロチュッチュ
魔王「んんぁっ……い……ぁぅ(ならばその通りにしてやる!!)」
フー
パッ
勇者「なんだ?俺は風船じゃないぞ」
魔王「……え!?え!?」
勇者「何を言ってるんだ……口内にフバーハをしたんだよ。もう火炎も氷結も、焼け付く息だって吐けない」
僧侶「フバーハって相手の口にかけて息攻撃を抑制する魔法でしたっけ?」
賢者「そもそもそんな魔法存在しない」
魔法使い「何なんだろうねアイツ。さっさと世界支配すればいいのに」
魔王「こ、このっ……!!」
ブゥン
ドガァァァンッ!!
僧侶「ひぃぃ!!素手で壁を粉々にしましたよ!?」
魔法使い「ま、魔王は伊達じゃないんだね……」
勇者「……」ブツブツ
魔王「何をぶつぶつ言っている!!魔法も息も駄目なら素手で殺してやる!!」
ブゥン
ペチッ
魔王「えっ」
僧侶「えっ」
魔法使い「えっ」
俺「えっ」
賢者「えっ」
魔王「え?え?」
魔法使い「……勇者が恐ろしいほど固かった?」
勇者「ヘナトスヘナトス……あ、いや違うぞ?魔王この煉瓦殴ってみろよヘナトス」
魔王「……はぁぁ!?貴様我をバカにしているのか!?おりゃああっ!」
ブゥン
ぐきっ
魔王「いたいーーっ!!!」
勇者「ヘナトスヘナトス当たり前だろ。ヘナトス今のお前は見た目くらいの力くらいしかないぞヘナトス」
魔王「き、貴様ァ!!我に何をした!!」
勇者「呪文かけてるだけに決まってるだろヘナトス」
魔王「く、くそぉぉっ!」
※ヘナトス=相手の攻撃力を下げる呪文。ドラクエ9に登場
僧侶「もうこれ勇者様絶対優勢ですね……」
魔法使い「もう何もしなくても死にそう」
勇者「えーっと、イオナズン?」
ドゴォンッ!!
賢者「あ、魔王死んだ」
魔法使い「てか疑問形で魔法使わないでくれるかな」
僧侶「勇者様にとって魔法は小学校の頃の友人レベルなんですね」
魔王「……甘いわ!我にその程度の魔法が通用すると思ったか!」
賢者「おお、生きてる」
僧侶「わー、すごーい!」
魔法使い「魔王がんばれー」
魔王「お前らどっちの味方だ!?」
勇者「チッ……」ブツブツ
魔王「……はっ!?また呪文か!今度は何をするつもりだ!?
呪文を打つ前に―――ッ」
勇者「おうそうか」
ツン
魔王「んひゃあっ!?」
勇者「ほれほれ」
ツンツンツンツン
魔王「あうっ!いた、痛いよ!やめて!ごめんなさい!」
魔法使い「勇者の攻撃力が半端じゃないとか」
僧侶「それもあるけど今度はきっと……」
賢者「ルカニかぁ……何回かけたんだろ」
勇者「あ~いいアナルだわ~」
魔王「ひだい!やめて!!おしりのなかぐりぐりしないでぇっ!あう!ごめんなさい!いたい!いたい!!」
グリグリ
僧侶「……」
魔法使い「……」
賢者「……」
魔王「ひぃ……ひぃ……ごめんなさいぃ……ゆ、ゆるしてぇ……」
勇者「いいよー、さ、闇の宝石こわそっかー」
魔王「や、やめてぇっ!?」
勇者「一つ目はこれか」
ペキッ
魔王「あう゛う゛ぁあッ!!」ビクンッ!!
勇者「お?」
魔法使い「凄く痛いのかな?」
魔王「い、いだい……」
僧侶「我慢してね。後でホイミしてあげるから」
魔王「い、いやぁ……」
勇者「二個目」
ペキッ
魔王「ぎゃああっ!!」
賢者「(鬼だ……)」
魔王「……」コヒュー コヒュー
魔法使い「(目が虚ろ……)」
僧侶「(そ、相当痛いんだよねぇ……ちょっと、経験してみたいかも……)」
勇者「ザメハ」
パチッ
魔王「あうっ?」
魔王「え?え?」
魔王「あっ」
ペキッ ゴリッ
勇者「ラスト」
魔王「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
賢者「(鬼や……)」
魔法使い「(この人鬼だ……)」
僧侶「(いちいち覚醒させてから痛みを……)」
魔王「……ッ……ッ」ビクン ビクンッ
魔王「……あ」
パチ
魔王「……」
シーン
魔王「……夢?」
魔王「……
キョロキョロ
ズキッ
魔王「……違う、城もめちゃくちゃだし、私の闇の宝石も」
魔王「……配下もいなくなっちゃった」
魔王「……ひとりぼっち、かぁ」
勇者「嫌か?」
魔王「おうわはぁっ!?」
勇者「流石に拉致監禁して強姦しつづけるのはどうかと思ったが……俺と一緒に来るか?」
魔王「えっ……」
魔王「わ、我を誰だと思っている!魔王だぞ!?世界を暗黒の闇に包む魔王様だぞ!?」
勇者「さっきまではな」
僧侶「勇者様ー」
勇者「お、どうだった?」
僧侶「モンスターがすごくおとなしくなってます。さっきアルミラージもふもふしてきました」
勇者「そっか。これで城に帰れるな」
スッ
魔王「あ……」
勇者「……」
魔法使い「勇者―?」
勇者「……」
ヒョイッ
魔王「な!?」
勇者「誘拐」
魔王「な、なにをする!?」
賢者「……流石に誘拐は犯罪じゃぁ」
勇者「魔王を誘拐してはいけないっていう法律はない」
僧侶「た、確かにそうですけど……」
魔王「……」
僧侶「い、いいの?魔王ちゃん。ひどいことされるかもしれないけど」
魔王「……どうせ我ではこいつに勝てんのだ。勝手にしろ」
勇者「……そっか」
グリグリ
魔王「こら!尻をいじくるなやめんあッ!」ビクンッ
僧侶「……いいなぁ」
魔法使い「……うん」
賢者「……はー」
勇者「なんだお前ら、尻凝ってるのか?」
僧侶「……」
魔法使い「……はぁ」
賢者「もうそれでいいよ……」
勇者「そかそか。あとでマッサージしてやるよ」
僧侶「本当ですか!?」
勇者「く、食いつくな!?」
魔法使い「やったね!!」
賢者「……(あれ?これ頼めばなんでもしてくれるんじゃ?)」
勇者「帰るぞー」
魔王「自分で歩くから降ろせ」
勇者「お、そうか?おんぶでもいいけど」
魔王「おんぶ!!」
僧侶「(可愛い……)」キュン
魔法使い「(私も誘拐したい)」
賢者「(二人の気持ちが伝わってくる)」
――――――その後
勇者「むひょおおおおおアルラウネたんの蜜ぺろぺろぉぉぉ!!」
アルラウネ「んあァッ!!」ビクンビクン
魔王「……あきないのう」
勇者「当たり前だろ!!さぁ帰って魔王ちゃんぺろぺろするぞー!!」
魔王「本当飽きないのう……」
――――
賢者「勇者ー、貴方の子供が欲しいから膣出しセッ○スしてくれない?」
勇者「いいよー」
魔王「!?」
僧侶「!?」
魔法使い「!?」
――――――その、さらに数年後
子ども「おーい!いこうぜー!」
俺「!?」.
子ども2「またかぁ?君は本当にスライムちゃんが好きだな」
子ども3「なーなー、きんしんそーかんって知ってるー?」
子ども2「なにいってんだ?なんかこう……血のつながりのある、きょうだいとかで
えっちすることだろ?」
子ども3「へー。なんかよくわかんねーけどすげーな」
子ども2「まぁ僕ら一人っ子には関係ない話だろ」
竜少女「ぎゃお」
子ども2「あっ……べ、ベビードラゴンちゃん///」
竜少女「ぎゃお?」
子ども3「きんしんそーかんかー、いつかはしてみたいなー」
そこは、魔物と人間の共存する
素敵な世界になりましたとさ
┼ヽ -|r‐、. レ |
d⌒) ./| _ノ __ノ
おしまいです。
あれ?結構きれいに終われたんじゃね?
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