春香「今日は帰りたくありません……」(222)


P「ん……? おい、春香。もうこんな時間だぞ」

P「早く電車に乗らないと家に帰れなくなるぞ」

春香「………」

P「なにやってるんだ? 何なら駅まで送るぞ」

春香「………あの」

春香「今日は……帰りたくありません……」


P「帰りたくないって……何かあったのか?」

春香「実は昨日からずっと、お父さんとお母さんが喧嘩してて……」

P「そういう時こそ、子供である春香が間を取り持ってだな」

春香「それが……喧嘩している理由が私のことで……」

春香「学業とアイドル活動についてなんです……」

P「あー……なるほどな」


P「春香はどうしたいんだ?」

春香「……もちろんアイドルは続けたいですし、今の高校も卒業したいです」

P「じゃあ、そのまま伝えたらどうだ? この仕事に難色を示すようだったら、一緒に行って話をさしてもらってもいいし」

春香「…………はい」

P「よし、じゃあ、これで解決し……」

春香「でも……」

P「?」

春香「今日は……」

P「…………」

小鳥「少し気分を替えたらどうですか?」

P「っ、小鳥さん」


小鳥「今日の春香ちゃん、お仕事もないのにずっと事務所で難しい顔してたもの」

春香「……っ」

P「そうだったんですか……俺、仕事で全然気付かなくて……ごめんな、春香」

春香「いっ、いえ、プロデューサーさんは何も悪くないんです!」

小鳥「私も、うら若き頃に、親と顔を合わすのが嫌だった時期もあったわねぇ……」


小鳥「今じゃ、実家に帰るたびに良い人はいないのかとか、孫の顔をどうとか……」

P「まぁまぁ、抑えて」

小鳥「っ! そうだった」

小鳥「まぁ、思春期ならそういうこともよくあるって言いたかったんです」

P「ま、俺も似たような時期はあったかもしれませんね」

春香「小鳥さん、プロデューサーさん……」


小鳥「親御さんにはこちらが責任をもってお預かりしておくって連絡するから……」

小鳥「今日は、パーッといきましょう!!」

P「………へ?」

春香「……?」

・・・
・・


P「それで来たのは居酒屋……」

小鳥「まぁまぁ、お腹も空いたことだし、ね?」

春香「はい! 私、居酒屋初体験で楽しみです!」

小鳥「ほほぅ……」

P「そんなにありがたがるもんじゃないと思うけど……」

小鳥「ここは個室部屋もありますし、ゆっくりできますから」

P「そうですね、じゃあ入りますか」


小鳥「とりあえず、ビールを2つとウーロン茶……はい、あとはだし巻きと軟骨と枝豆と……」

小鳥「はい、以上でお願いします」


春香「………もうマスク取ってもいいですかね?」

P「あぁ、いいんじゃないか」

春香「ふぅ……」

P「悪いな。春香ってバレると、あんまり長居できないからな」

春香「いえ、今日は、私のわがままなんでいいんです!」


春香「2人でよく来るんですか?」

小鳥「たまにですよね?」

P「週1とか2ですかね」

春香「いいなー」

小鳥「大体、プロデューサーさんの愚痴聞いてるだけですけどね、ふふっ」

P「えっ、毎回、小鳥さんが酔いつぶれるから俺が介抱してるじゃないですか」

小鳥「あっ、あれ? そうだったかしら?」

春香「小鳥さん……」


小鳥「でも、皆の話はよく話題に出ますよね」

P「それはそうですね」

春香「どんな話しですか?」

P「もちろん、仕事内容とか今後の売り出し方とか……」

小鳥「あとは、アイドルと結婚するなら誰とがいい、とかね」

春香「っ!」

P「そんな話、してましたっけ?」

小鳥「この間、珍しく酔ってたプロデューサーさんから、話題を出したんですよ」

P「あれ、おかしいなぁ……」

春香「そっ、それで誰がっ!?」


小鳥「私は酔ってる時に聞いたんで、バラしちゃうのはアンフェアじゃないし……」

小鳥「プロデューサーさんに直接聞いたらどうかしら?」

春香「プロデューサーさん!」

P「………って言われても、普段、アイドルをそんな目で見てないのでなんとも……」

春香「えぇー」

小鳥「ぶーぶー」

P「はい、この話は無し! 」

コンコン

店員「お待たせしましたー」


P「春香、少し俺の影に隠れろ……」

春香「はっ、はい……」

P「どうぞー」

店員「失礼しまーす」


店員「追加のご注文は机の上のベルでお知らせくださーい」

小鳥「ありがとうございますー」

ガラガラ

小鳥「はい、春香ちゃん、ウーロン茶」

P「さて……取皿も行き渡ったようだし……」

P・小鳥・春香「乾杯ー!」


春香「……? こくっ……」

小鳥「……っっ、ふー」

小鳥「それにしてもプロデューサーさん、とっさに背中で隠す姿は手馴れてましたね」

P「まぁ、たまにあるんで」

春香「そうですねっ」

小鳥「さすが敏腕プロデューサー」

P「おだてても春香の分までしか出しませんから」

小鳥「はーい」

春香「えっ、悪いですよっ」

P「いいからいいから、今日ぐらい」

春香「あっ、ありがとうございますっ」


小鳥「そういえば、今日はどこに泊めるんですか?」

P「あっ、すっかり忘れてた……」

P「千早とかに連絡取るか?」

春香「うーん、急にいったら迷惑かも……」

P「妥当な案は、小鳥さんの家か事務所の仮眠室か……」

小鳥「別に家で問題はありませんよ」

P「それでいいか?」

春香「はいっ」

・・・
・・


P「あっ、うまい……」

小鳥「そうだ。この後カラオケ行きましょうよ!」

P「今からですか? でも、そろそろ未成年は入れない時間帯ですよ」

小鳥「あっ、そっかぁ。皆とカラオケに1度でいいから行きたかったなぁ」

P「また、今度設けましょう」

小鳥「わかりました……。春香ちゃん、お茶のお替りいるわよね?」

春香「はいっ!」

P「………春香、顔赤くないか?」

春香「そうですかっ?」

春香「…………ひくっ」


小鳥「春香ちゃん、少し貰っていい?」

春香「はいっ」

小鳥「こくっ…………ウーロンハイですね」

春香「ウーロンハイ?」

P「ちょっと、顔こっち向けてくれ」グッ

春香「へっ!?キッ、キキキ、キスですかっ!?」

P「……酔ってますね」

小鳥「あちゃー」

春香「………? ………ひくっ…」


P「気分は大丈夫か?」

春香「はいっ!元気一杯ですっ!」

春香「でも、チョット眠いかもしれません。あははっ……」

P「あとで起こすから少し横になったらどうだ?」

春香「…………そうします」

ゴロン

小鳥「でも、そのままじゃ風邪引かないですかね?」

P「うーん……、今は俺のスーツで我慢してくれ」

春香「…………大っきくて、暖かいです……」

小鳥「とりあえず水も頼みますね」

P「お願いします」

・・・
・・

お風呂へ行きます
落ちてたらそれで

                        . .-─: : : : : . . .
                     . :´: : : : : : : : : : : :`: . 、
                   / : : : : : : : : : : \__/ヽ_: :\

                   /: : : : : : : : |、: : : : : : : :>、__〈、__: :
                      /: :/: : : : l : : l \ : : ヽ: : く _〈 _〈 : : ',
                  /: : ': : {: : : :l : : ',   X ⌒ヽ: :´ヽ ´: :`: : : :.
                    l : : | : : X⌒'ヽ : :',  __\: : \: : l: : : : : : :.ヽ
                   l.: : : :./j \l \_ヽ ゝ'汽卞7∨: : : : : : : : : :.
                  、: :\_〃 , ヽ      h:::::i 犲: : : : : :} : : : : }
                 \ ヽ{l h:::|       乂_ノ /7: : : : : : : : :./
                      广癶 乂ノ            . :/: : : :/: : : :〈
                   /: : ハ   ′       |/.: : : : :l: : : :{: :\
                     / : : : :∧   _人_  rっ  /.: : : : :人: : : :\: :\
                /′: :{ 八 \  ヽノ       l: : :.丶: : : : : : :.ヽ: : :.
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                 .: : : /: : : :ハ.: : :∨.: : :`: .イ     | : : : : `ヽヽ: : : : : :/
               V: / : : : :l : :\: :l: : :./x<j       ト>l/: : 丿 l : : l: : ∧
              Y.: : : :人: : : :\< 「 0___ ___σ l/.: : : : :/-、丿rハ: :\
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