豊音「朝起きたら、宮永さんになってたー」(65)

チュンチュン

咲「ふわー、ちょー眠いよー」

和「咲さん、咲さん。朝ですよ」ユサユサ

咲「もうちょっと寝かせてよー。昨日は夜更かしして、ちょー眠いんだよー」

優希「咲ちゃんが夜更かしとか珍しいじぇ」

和「起きて下さいよ、咲さん」ユサユサ

咲「後、五分。五分だけだからー」...zzZZZ

優希「咲ちゃんって、こんなに寝起き悪かったっけ?」

和「いいえ…、昨日は私達が寝る前にはすでに寝てたように思いましたけど…」

咲「ふわー、よく寝た…。今日は自由行動だっけ…?」ムニャムニャ

咲「あれぇー、シロ。いつの間にこんなに胸大きくなったのー」モミモミ

和「さささささ、咲さん//」

優希「おおっとー、朝っぱらから百合の花が咲いてるじぇ」

咲「あれぇー、こんなに大きい人、宮守に居たっけ…」モニュモニュ

和「あっ…、あん//咲さん、今日はどうしたんですか//積極的ですね//」

咲「あれー?あれー?あれーれー??」モミモミ

咲「うーん」ゴシゴシ

咲「えっ?」

咲「なんでインターミドルチャンピオンの原村さんが、私の目の前に?」

和「も、もう//ここは私達が泊まってるホテルの一室じゃないですか。何言ってるんですか」

咲「んー?んんー??」

咲「…なにこれ?夢?」

咲「それにしても、原村さんちょーカワイイねー」

和「・・・//」カァァァァァ

咲「顔洗ってこよーっと」テクテク

優希「今日の咲ちゃんはえらく積極的だじぇなー」

和「ま、全くですね」ドキドキ



咲「あれぇ…、いつもより視界が見にくいような…。ドアは頭を下げて、通らなきゃねー」クグル

咲「・・・」パシャパシャ

咲「・・・」鏡を覗く



咲「・・・」

咲「・・・」

咲「なにこれ、ちょー怖いんだけどーーーーーー!!!!!!!!」

咲「たたたたたた、大変だよー。ちょー大変だよー!?」

優希「どうしたんだじぇ?下着でも履いてなかったとか?きっと和ちゃんが夜中に脱がしたんだじぇ」ケラケラ

和「そんな事しません!!」

咲「あああああ、あの。あの。私、豊音。宮守女子の姉帯豊音だよー」

優希「はっ?」

和「意味が分かりません…」

咲「ホントだよー。信じてよー。昨日、清澄と戦った宮守の大将だよー」ウルウル

和「うーん、確かに何かいつもの咲さんと違う気がします」

優希「そうかなぁ?あんまりいつもの咲ちゃんと変わらないじぇ」

咲「はぁ…、なんでこんな事になったんだろ?あっ…、そうだそうだ。せっかくの機会だし、お二人とも。サイン下さい!」ニコッ




一方、宮守のホテル

ゴチン

豊音「あぅ…、いったーい…」スリスリ

豊音「トイレのドアに頭ぶつけちゃった」ヒリヒリ

豊音「ふぅ…」

チョロチョロ

豊音「あれぇ?トイレの天井ってこんなに低かったっけ?なんか違和感あるような…」

豊音「朝だから寝ぼけてるのかな、私。うんうん」

豊音「さて、手を洗って…」



ゴシゴシ

豊音「洗面台、こんなに小さかったっけ?」

豊音「ん?」鏡を見る



豊音「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!??!?!??!」

胡桃「うるさい!豊音!」

胡桃「朝から、何て声出すのよ」

白望「うぅ…、豊音に起こされた。ダルイ」

豊音(わわわ、この人達、昨日麻雀した宮守の三年生だ!?)

胡桃「どうしたの?ゴキブリでも出た?」

豊音(この人、テレビで見た時も思ったけど…。実際見るとすごく小さいんだなぁ…。衣ちゃんよりも小さいのかな?)

豊音「・・・」ジーーー

胡桃「えっ、なに?私の顔ジーと見て。寝癖でもついてる?」

豊音「いやぁ、小さくてカワイイなって思いまして」

豊音(はっ…、つい本音が漏れちゃったよ!?)

胡桃「くーーー!小さくて悪かったわね!つーか、豊音から見たら、みんな小さいでしょ!」プンプン

豊音「えっ、いや…あの…その…、そうゆう意味で言ったのではなくてですね…、なんと言いますか…」アタフタ

白望「ちょいタンマ」

白望「君…、姉帯豊音?」

豊音「えっと…違います。清澄の一年の宮永咲です」

胡桃「はっ!?」


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塞「なるほどねー。外見は昨日の豊音と全く変わってないけど、中身は清澄の大将の子なのね」

エイスリン「ホンモノノ、トヨネ、ドコイッタ」

豊音「わかりません…。朝起きたら、この身体になってました」

白望「清澄の宮永咲の身体に豊音が入ってるんじゃないの?」

塞「まぁ、それが一番ありえそうね。わかった。清澄の部長さんに連絡してみる」

胡桃「しかし、不思議な事もあるもんだ」

エイスリン「タノシソウ!」



豊音「しかし、この人すごく大きいなー」

豊音「わわわ、胸もすごい大きい!?」モミモミ

豊音「元の私の身体って、いい所ないからなぁ」ハァ…

塞「電話ー電話ーっと」

ツーツー



久「あっ、はいはい。話は聞いたわよ」

塞「そうですか。今からそちらに行かせて貰ってもよろしいでしょうか?」

久「もちろん、こっちにはちゃんと姉帯豊音さんも居るわよ」

塞「ほっ…。それは安心しました」


ガチャ


塞「みんなー、やっぱり清澄に豊音が居るみたい」

久「とゆー事で、今から咲達が来るみたい」

咲「ご迷惑かけてすいません」ペコリ

久「いいのよ。貴方も災難だったわね。後それと。同学年だから敬語使わなくていいわよ」

咲「わかったよー。久、よろしくー」

久「ふふふ、タメ口で喋る咲。新鮮だわー」



まこ「不思議な事もあるもんじゃなぁ」

和「そんなオカルトありえません!って言いたい所ですが、目の前で起きてしまったのだから、認めるしかないですね」

コンコン


豊音「部長、来ましたよ」

久「はーい。みんな入って」

塞「お邪魔します」

白望「お邪魔します」

胡桃「ここが清澄のホテルかー。あんまり私達のホテルと変わらないのね」

エイスリン「ヘイダンナ、ジャマスルゼー」

久「では改めまして。自己紹介…は必要ないわね。宮守の人達はみんな三年生だったわね。私達に敬語なんか使わなくていいわよ」

白望「…わかった」

優希(ちょいタンマのお姉さんだじぇ)

塞「では、早速本題に」

和(副将戦で当たったモノクルの人。今日はモノクルしてないみたいですね)

久「ふぅーむ。なるほどなるほど。原因は不明。で、こっちが宮永咲」

豊音「は、はい」

久「こっちが姉帯豊音」

咲「はーい!」



久「・・・」

久「・・・」

久「・・・正直に言うわ。信じられない」ウーン

塞「だよねぇ」

胡桃「まぁ確かに」

久「二人で私達をからかってるんじゃない?」


豊音「そんな事しません!」

咲「そんな事しないよー」



久「冗談よ、冗談。貴方達、己の存在を示す最もいい方法あるじゃない」

和「まさか…」

優希「それは…」



久「さぁて、一局打ってみましょうか」

久「じゃあ、私と。鹿倉さん、同卓して貰えるかしら」

胡桃「えっ、私?まぁ、別にいいけど」


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豊音「カン、カン、もう一個カン!」



咲「追っかけるけどー」

咲「通らばリーチ」



豊音「ツモ。嶺上開花のみです」



咲「ポン、チー、チー、ポン」

咲「ボッチじゃないよー!」

久「うん、痛いほどわかった」

胡桃「同感」

久「しかも…。咲の点数」チラッ


豊音「はい?」



和「プラマイゼロの二位。咲さん、またそんな打ち方してるんですか!?」

豊音「あのーえっと…。これはね…。部長と姉帯さんと鹿倉さんが強いから、このやり方が一番やりやすいんだよー」アセアセ

和「全く。大会では控えて下さいね」

豊音「う、うん。わかった」

咲「次の試合いいなー」

胡桃「そうだね。私達の大会は終わっちゃったから…」

豊音「あっ…、ごめんなさい」ペコリ

白望「謝る必要なんかないよ。勝ったのは君達だし、私達の分まで次の試合で頑張ってくれたらうれしいし」

塞「そうそう。昨日、みんなでいっぱい泣いたから、私達はもうスッキリしたよ!優勝出来るといいね」

久「えぇ、ここまで来たら全国優勝、狙うつもりよ」

まこ「当然じゃな」

優希「ちょいタンマお姉さんの意思は私が引き継ぐじぇ」

白望「いや、私、死んでないし」



和「待って下さい。このままだと、咲さんは次の試合に出れないのでは?」


咲・豊音「「あっ」」

久「うーん、確かに。運営本部に中身が入れ替わったんですって言っても信じてくれるわけないし…」

まこ「そうじゃなぁ…。最悪、姉帯さんに咲のフリして出て貰うしかないのか?」

咲(豊)「私は別にいいけどー。強い人と麻雀打つの超楽しいしー」

豊音(咲)「お姉ちゃん…と、仲直り…」ボソッ



和「咲さん…」

豊音(咲)「でも、どうせお姉ちゃん先鋒だし…。それにもう一回やって、末原さんって人に勝てるかわからないし…」

咲(豊)「えー、そんな事無いよー。宮永さん、超強いよー。って…、お姉ちゃんってやっぱり!?」

豊音(咲)「あっ…!?」

咲(豊)「宮永照さんと姉妹なんだー!すごーい!宮永照さんのサイン、頼めないかなー」キラキラ

豊音(咲)「さ、サインですかー。うーん。書いてくれるかなぁ」

京太郎「おはようございまーす」

ガラガラ


豊音(咲)「あっ、京ちゃん!」ガタン

京太郎「でけー…って、宮守の大将さんじゃないっすかー。こんな朝早くからどうしたんです?」

豊音(咲)(いつも喋る時は見上げてる京ちゃんを、今日は見下してるよ私!?)

胡桃「男子部員なんて居たんだー」

エイスリン「イケメン?」

塞「か、カッコいい//」ポワー

久「あー、こちら麻雀部の男子部員兼雑用係の須賀君よ。須賀君、実はね…」




京太郎「ふむふむ、なるほど。俺のチンチクリンの幼馴染と、宮守の大将さんが入れ替わったっと…」

京太郎「・・・って、えぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

豊音(咲)「チンチクリンは余計ですよーだー」ポカポカ

京太郎「あーーーいたい!いたい!咲さん、辞めて!その体で叩かないで!」

京太郎「・・・」ボロッ

豊音(咲)「すごい!この身体、京ちゃんよりもひょっとして強いんじゃ」

咲(豊音)「一応、鍛えてあるからねー。村じゃ男の子とケンカしても負けなかったよー」

豊音(咲)「こ、これは積年の恨みを晴らすチャンス!?」

和「そうですよ!咲さん!今こそ、いつもいつもヤラシイ視線で私達を見つめてる須賀君に鉄拳制裁ですよ!」

優希「あー、私のタコス係も兼ねてるから、タコス作れるくらいは手加減してやってくれ」

久「にしてもどうしたものかしら…」

胡桃「ホントに…」

まこ「うーむ」

エイスリン「ソンナオカルトアリエマス」


みんな「「うーん」」


久「原因がわからない以上、普段通りに過ごすしかなくない?」

和「一理あります」

久「じゃあ、また夜に集まりましょう。今日は予定通りに過ごすって事で」

咲(豊)「そうだねー。頭ぶつけてみるくらいしか思いつかないなー」

豊音(咲)「痛いのはやですよぉ」ナミダメ


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久「そーいえば、貴方達、今日は白糸台と阿知賀の試合見に行くのよね?」

和「えぇ、そうですね。予定では」チラッ

豊音(咲)「うん、行こう」



豊音(咲)「あれ…、もしかしてこの姿なら、お姉ちゃんと普通に話して貰えるのかな…?」

豊音(咲)「これはチャンスなんだ」ドキドキ


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和「さぁ、会場に着きましたよ」

豊音(咲)「う、うん。(大丈夫、この姿ならお姉ちゃんに見られてもバレない)」

バッタリ


穏乃「あ、あれ?和?」

憧「和?ホント?」

和「穏乃、憧。それに玄さん…」

玄(うわぁぁぁぁぁぁぁ!?和ちゃんの隣に大人の男の人よりずっと大きくて全身黒ずくめで、超怖いお姉さんが居るぅぅぅぅぅぅ)カタカタ



豊音(咲)「えっ…あっ…、その…。和ちゃん、この人達はお友達とか?」

穏乃(うわー、でけー)

憧(誰これ…、怖い…)ブルブル

和「はい、この人達は私が以前に奈良に居た時の知り合いでして…」

和「あっ、紹介しますね。この方は清澄の大将で、宮永さ・・・ではなく私達の対戦校で、宮守女子の三年生の先輩の姉帯豊音さんです」

豊音(咲)(あっ、そうか。豊音さんの方が色々と説明しなくていいんだった)

豊音(咲)「和ちゃんのお友達の姉帯です。みなさん、こんにちわ」ペコリ



穏乃「すっっっっっげーーーーーー!!!!!!」キラキラ

穏乃「私、阿知賀女子の一年生の高鴨穏乃です!!姉帯さん、すごい大きいですね!いいなー!」ブンブン

豊音(咲)「あははー、よく言われます」アクシュ


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和「では、穏乃、憧、玄さん。また決勝戦で」

穏乃「うん、必ず」ゴッ

和「では、咲さん。優希。行きましょう」

豊音(咲)「うん、じゃあ穏乃ちゃん。またね」

優希「またなー」

憧「あれ?和のヤツ、咲って言わなかった?」

玄「和ちゃん、片岡さん。そして他校の姉帯さん。宮永さん居なかったのにね」

穏乃「あの姉帯さんから、以前、トイレで宮永咲とすれ違った時の威圧感を感じたような気がするんだよなー」ウーン

憧「あの人も宮守女子の大将だから、相当強いんじゃないの?」

穏乃「んー、それもそっか」

玄「でも、正直怖かったよー。あんな大きな人、見た事ないよ」カタカタ

穏乃「いやー、何食べたら、あれだけ大きくなるんでしょうね?私もあれくらい大きくなりたいなー」ハハハ

照(園城寺さん、大丈夫かなぁ)ウロウロ




優希「あれー?あそこでウロウロしてるの、さっきまで試合してたチャンピオンだじぇ」

和「そうですね。何かお困りのようですが」

豊音(咲)(こ、これはチャンス)

豊音(咲)「和ちゃん、優希ちゃん!ごめん、先に行ってて!」タッタッタ

優希「和ちゃん、どうするー?」

和「えぇ、私達は気を利かせて、先に行きましょう」

優希「それもそうだじぇな」


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照(困った…。園城寺さんが心配で、千里山の控室でどこの病院に運ばれたか聞こうと思ったけど、全く場所がわからない)


「あ、あの…、お姉…ではなくて、宮永照さん!」

照「はい?」営業スマイル、ニコッ

デデーン!

照「…」シロメムク

豊音「私、宮永照さんの大ファンで、ぜひサイン欲しくて」

照「…」ポカーン

豊音「出来れば、握手もして貰いたくて…」ズイ

照「…ひっ、ひぃ」アトズサリ

照「く、来るな…化け物」アトズサリ

豊音「化け物!?ひどいよ!私の事、そんな風に思ってたの!」ズンズン

照「だだだだ、だから距離が近いって」カタカタ

豊音「お姉ちゃんが離れるから、寄ってるだけだよ!」ズンズン

照「す、すみれー、た、助けてー!犯されるぅぅぅぅぅぅー」カタカタ

照「菫は試合中じゃないか!誠子ー、誠子ー、助けろーーーー!!!!!」ビクビク

豊音「ひどいよ!あんまりだよ!せっかく数年ぶりに喋ってるのに」ドン!!


咲さん、興奮して壁パンする


照「ひひひひ、ひぃぃぃぃぃぃぃ!!??!?!?!!?」カタカタ

照「あっ…もうダメだ…出ちゃう」


チィロチィロ…

ジョワーーーーーーーー


豊音(咲)「…えっ」ポカーン

かくして、高校生チャンプ宮永照のお漏らし事件は、瞬く間に広がったと言う。
お漏らしチャンプとして有名になる。


豊音=咲と後々で知った照は、激昂。また余計に姉妹の仲をこじらせたのであった。


大会は咲(豊音)が代わりに出場。やはり主人公補正がないのか、決勝戦に進む前に敗退してしまう。




終わり

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