あずさ「お隣に…」(121)

ピンポーン


あずさ「はい~」パタパタ


ガチャ


P「あ、あの…隣に越してきました………!?」

あずさ「え…??」

P「あ、あずささん?」

あずさ「プロデューサーさん…?」

あずさ「引越したんですね」

P「ええ、なかなか良さそうな場所だったので……」



P(まさか隣の部屋にあずささんがいるなんて…)

あずさ(まさか隣のお部屋にプロデューサーさんが来るなんて…)

P「……」

あずさ「……」

        -――- 、               |┃

      / / ̄`ヾフ´ ̄`ヽ            三 |┃
     〃∠ __」 _____   \           |┃
    .'_〃_i__i ____ . イ、   '. .   ガラッ    |┃
    i i   |  ハ  i i   | i    ハ         |┃
    | l   l 厂`V从从リト!リ   l }    ノ//  |┃
    | l    xf示    示x ト、__」ノ       三 |┃
.    l l    { ヒり     ヒり∧  |       , -‐ぅ┃
    V   ト、     '   { ノ  |      /  i´|┃
.     V  八   「 7   ノ7   l       {  人.|┃
      Vハト、ト≧=⊇__. イ /ル'レ′   ..,イ` ー‐ .|┃
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       xく `ヽ、 ト、≧=x__      |     .|┃

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  |┃ 三      / /  ̄ ̄ ̄ \ ハァハァ…
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  |┃ 三     |   ///(__人__)/// |  
  |┃   ハァ… \     ` ⌒´   ,/   
  |┃        /ゝ     "`  ィ `ヽ.
  |┃ 三   /              \
,⊆ニ´⌒ ̄ ̄"  y           r、  ヽ
゙⊂二、,ノ──-‐'´|  ゚       ゚   .| l"  |
  |┠ '       |              l/'⌒ヾ
  |┃三        |    (x)       |ヾ___ソ
  |┃      /  \     /   l  

P「そうだ…これどうぞ」

あずさ「…?」

P「お蕎麦です」

P「定番すぎてつまらないかも知れませんが…」

あずさ「ありがとうございます~」



P「何はともあれ、これからよろしくお願いします」

あずさ「はい、こちらこそよろしくお願いしますね」

P「あずささんは明日は…」

あずさ「仕事の打ち合わせがあるので、事務所に行く予定です」

P「そうですか…では朝一緒に行きましょうか」

あずさ「はい」

P「ではまた明日に」

あずさ「はい、おやすみなさい」

P「ええと…布団は…」

P「……どこだっけ?」


ゴソゴソ


P「この荷物も、いつ片付くやら…」

P「あったあった……と」ゴロン

P「それにしても……壁の向こうにあずささんが」

P「………」

あずさ「お蕎麦…早速明日食べようかな」

あずさ「…プロデューサーさん、越したばかりで荷物も片付いてないんじゃ…」

あずさ「うん、お手伝いしなきゃね」




あずさ「……この壁の向こうに、プロデューサーさんが」

あずさ「………」

ピトッ


P「………」

P「はぁ、何やってんだか…」

P「……寝よう」





あずさ「………」

あずさ「はぁ、何してるんだろ…」

あずさ「……寝ましょう」

チュンチュン


あずさ「……んぅ…」

あずさ「…すぅ………」



ピンポーン


あずさ「ふあい…?」

あずさ「今出ますよ~」

ガチャ


P「おはようござ………」

あずさ「……」



P「!?!?」

あずさ「……っ!?」

P「すすすいません!!」

あずさ「ご、ごめんなさいっ!!」

P(あずささんのパジャマ姿ぁぁぁぁ!!)

あずさ(寝起きの顔見られちゃった…!)

……




ガチャ


あずさ「お、お待たせしました~」

P「あ、いえ大丈夫です」

P「じゃあ行きますか」

あずさ「…はい」



P(気まずい…)

あずさ(気まずい…)

P「今朝はすいませんでした…」

あずさ「私の方こそ…お騒がせしました」

P「いえ、貴重なものを見る事ができたので」

あずさ「もうっ!」



あずさ「恥ずかしくて、死んじゃいそうだったんですから…」

P「はは、すいません」

ガチャ


P「おはようございます」

あずさ「おはようございます~」

律子「おはようございます……あれ?」

亜美「…むむっ、何やらアヤシイ」

伊織「ただ車で送ってもらっただけでしょ」

あずさ「ええと、実は…」

伊織「えっ?」

伊織「………へえ、そんな偶然が」

あずさ「そうなの…私もびっくりしちゃって」

亜美「あずさお姉ちゃん」クイクイ

あずさ「…?」




亜美「うんめー、って奴だよ! きっと」

あずさ「……っ!!」

亜美「亜美は応援してるかんね!」

あずさ「亜美ちゃん…」

律子「これから何かとあずささんを任せる事になるかと思います」

P「ん、まあ大丈夫だ」

伊織「きっとあずさも喜ぶわね」

P「え、何故」



律子「……はぁ」

伊織「朴念仁」

P「な、なんだよ」

伊織「まあ、放っておいてもそのうち……ね?」

律子「まあ、そうね」

P「……?」



伊織「じゃ、私たちはこれから打ち合わせだから」

律子「昼過ぎには終わる予定なので、終わったらあずささんを家まで送ってあげて下さい」

P「ん、わかった」

伊織(色々わかってないわよね…)

律子(間違いないわね…)

P「さて、俺も仕事しますかね」


ガチャ


小鳥「おはようございます」

P「おはようございます」

小鳥「新しい家はどうですか?」

P「思っていたよりもずっといい所ですね」

小鳥「ふふ、それは何よりです」

P「そこそこ広くて眺めも良くて…」

P「いえ、何でもないです」

小鳥「…?」


P「まあとにかく、まだ荷物も片付けてない状態ですが」

小鳥「焦ることは無いですよ」

小鳥「配置を考えながらゆっくりやるのも楽しいですから」

P「そうですねぇ…」

小鳥「そういえば、隣の人とはうまくやっていけそうですか?」

P「…ええ、そこは問題なさそうですね」

小鳥「男ですか、女ですか?」

P「女性で、かなりの美人さんです」

小鳥「むむ、これはチャンスですよ!」

P「そうですかね?」

小鳥「押しが肝心ですからね」

P(そうは言ってもなぁ……)

……



あずさ「お待たせしました」

P「お、お疲れ様です」

小鳥「お疲れ様です」

P「では、俺はここで」

小鳥「はい、プロデューサーさんもお疲れ様です」

P「お疲れ様です……じゃあ行きますか」

あずさ「はい」

小鳥「…?」



小鳥「……何やら楽しそうな予感」

律子「実はですね」

ちとお風呂に入って来ます

小鳥「……なるほど、美人のお隣さんの正体はあずささんでしたか」

律子「そんなこと言ってたんですか」

小鳥「本人の前で言ってあげたらいいのに…」

伊織「全くだわ」

亜美「兄ちゃんはニブチンだかんね」





P「……はくしゅん!」

あずさ「大丈夫ですか?」

P「いえ、誰かに噂でもされてるんでしょう」ズズッ

あずさ「そういえば、晩ご飯の予定は?」

P「まだほとんど片付いてないので…コンビニの弁当で済まそうかと」

あずさ「……」



あずさ「もし良ければ…ご馳走しましょうか」

P「え?」

あずさ「迷惑でしたか?」

P「迷惑だなんて、そんな……いいんですか?」

あずさ「はい、もらったお蕎麦のお返しだと思って下さい」

P「そうですか…ではお言葉に甘えて」

あずさ「よーし、頑張って作りますね」

あずさ「何かリクエストはありますか?」


P「そうだなぁ…カレーが食べたいです」

あずさ「そうと決まれば…お買い物をしなきゃ」

あずさ「すぐ近くにスーパーがあるので、そこで材料を買って行きましょう」

P「そうしましょう」

P「……」

あずさ「どうしました?」


P「あずささんにナビゲートされる日が来るとは思ってもいなかったので…」

あずさ「あっ、失礼ですね~」

あずさ「作ってあげませんよ?」


P「すいません! それは勘弁して下さい!」

あずさ「ふふっ」

あずさ「……うーん」

あずさ「これだ!」

P「いい食材の見分け方、わかるんですか」


あずさ「いえ、実は勘で選んでいるんです~」

P「なんだか、あずささんらしくて素敵ですね」

あずさ「むっ、馬鹿にしてますか?」

P「そんな滅相もない」

あずさ「これだけあれば大丈夫かな…」

あずさ「すいません…荷物持たせちゃって」

P「いえ、このくらいお安いご用です」

P「カレーの為の労力は厭わないですから」


あずさ「頑張ってくれたプロデューサーさんの為にも、腕によりをかけて作りますね」

P「期待してますね」

ガチャ


あずさ「はい、上がって下さい~」

P(当然、そうなるよな…)

P「お邪魔しまーす…」

あずさ「早速作りますから、くつろいで待っていて下さい」

P「はい」




P「……」

P「……落ち着かない」

律子『いいですか?』

律子『男性のハートを射止めるにはまず胃袋を掴めばOKです』

あずさ『それって、つまり…』

律子『手料理を食べさせてあげればイチコロですよ』





あずさ(ウソだったら…怒っちゃいますからね、律子さん)

あずさ「よし、頑張りましょー!」

 .'´7'´`´ヽ、
 ! 〈(从从リ|
 ヽ¶_´.ヮ(ニ0=ニ(()
 _(  、つヮっ
⊂__)/ 〉 :: :::\
''''''''''''''/:: 〈    /

P(部屋の間取りは同じか)

P(あずささんがここで暮らしてるんだよな…)



P「いかんいかん、妄想するな」

P「忘れるんだ…」

あずさ「何をですか?」

P「ひゃい!? な、なんでも無いです!」

あずさ「もうすぐできますから、あとちょっと待っていて下さいね」

P「は、はい」

P「………」

P(とんでもない発見をした)

あずさ「……?」

P(この人、エプロン似合いすぎだろ…)

P(なんだか夫婦みたいで素敵だ」



あずさ「…え?」

P「…あ!」

あずさ「えっと……その…」

P「い、今のは…」

あずさ「……」

P「……」

P(沈黙が痛い)

あずさ(夫婦……私とプロデューサーさんが)

あずさ「……あ、お鍋火にかけたまま!」


パタパタ


P「……ふぃ~、助かったようなもどかしいような」

P(俺ってものすごいヘタレなんじゃ…)

コトッ


あずさ「はい、お待たせしました」

P「おお……!」

P「早速ですが……いただきます!」




P「………う」

あずさ「う?」

P「うまぁぁぁい!」

P「何ですかこれ、美味しすぎますよ」

あずさ「そう言ってもらえると嬉しいです」

あずさ「おかわりもあるので…」

P「下さい!」

あずさ「はい、今持って来ますね」




あずさ「やった…!」

あずさ「ふふっ、これで一歩近付けたかな?」




P「こんなに幸せを感じる食事は久しぶりだ…」

P「毎日でも食いたいなぁ」

……



P「ご馳走様です」

あずさ「お粗末さまです」

P「こんなに美味しい料理、久しぶりでした」

あずさ「喜んでもらえて良かったです…頑張った甲斐がありました」

P「もう、毎日でも食べたいくらいですよ」

あずさ「……毎日、お作りしましょうか?」

P「え」

P「ぜh」

あずさ「なーんて、ふふっ」

あずさ「今度は、プロデューサーさんのお料理が食べたいです」


P「ぐぬぬ……いいでしょう」

あずさ「やった! 期待して待ってますね」

P「過度の期待はしないでくださいね……よし」

あずさ「あ、洗い物は私がやりますから」

P「そんな、悪いですよ」

あずさ「片付けまでが料理ですから、いいんです」

P「本当に今日はありがとうございました」

あずさ「いえ、私も楽しかったです」

あずさ「じゃあ、また明日会いましょう」

P「はい」



P「そうだ」

あずさ「……はい?」

P「今朝のパジャマ姿、すごく可愛かったですよ」

あずさ「……!!」

P「では、お休みなさい」


バタン


あずさ「あ、あの……あ」

あずさ「……もうっ、いじわる」

P「……さて、今日もロクに片付けられなかったな」

P「まあいいや、ね……」


ピンポーン


P「ん?」

P「はいはい」ガチャ

あずさ「携帯電話、忘れてましたよ?」

P「」

あずさ「ふふ、うっかりさんですね」

P「あの…」

あずさ「では、お休みなさい」

P「ちょ…」

あずさ「そうだ、プロデューサーさん」

P「はい?」



あずさ「今夜は、私の夢を見て下さいね」


バタン


P「………何度見てもいいなぁ、パジャマ姿」

P「今日はいい夢見れそう」




おしまい

みなさんおやすみなさい
いい夢を

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