える「生理がこないんです」折木「」(144)
代行
>>1は俺の電話
では書く
える「今月も来ないんです…」
摩耶花「えっ、どうしたの?ちーちゃん生理不順?」
折木「おっ、おいおい!そういうガールズトークは俺のいないところでしてくれないか」
摩耶花「何よ。折木いつもわたしたちの会話に入ってこないじゃない。聞いてないと思ってたわ」
える「……違います。折木さんがいるから話してるんです」
摩耶花「…… え っ ! ? 」
折木「は?」
摩耶花「それって…つまり…えっ!?」ガクガクブルブル
折木「ちょちょちょ、千反田!伊原がちょっと勘違いしてるかもしれないじゃないか!変な言い方は…」
える「わたし、生理が飛ぶようなことはめったにないんです。遅れたりすることも、ほとんどありません」
摩耶花「折木とちーちゃんって、そういう…関係だったんだ…へぇ…」
摩耶花「まあ、本人たちの自由だと思うけど、うん、もう…高校生だしね…」
摩耶花「でも、ちょっと、これは、問題…だよね…」
折木「おいおいおいおいおい!落ち着け!何か大きな誤解しているぞ伊原!」
える「折木さん、検査してみないと、確かなことは言えませんが、タイミング的にもこれは…決まりだと思います」
折木「……は?」
える「できちゃった、ってやつです」
折木「まじで?」
摩耶花「ちょ、ちょっとわたし、席はずすね」ガタッ
える「摩耶花さん!行かないでください!」
摩耶花「え?だって気まずいし…」
える「同じ女性の摩耶花さんがいてくれたほうが心強いですから…」
摩耶花「だってわたし、妊娠したこととかないし…」
折木「使うな!その単語を!」
摩耶花「だいたい折木…あんたって、サイテーね」
折木「え?」
摩耶花「ちーちゃんと…その…まぁ…するのは…いいとして…」
摩耶花「できないようにしとくのが男の責任ってもんでしょ!」
折木「あのなぁ…」
折木「俺はちゃんと、その…アレはしたぞ!」
える「たしかに、折木さんは避妊具をつけてくれていました」
折木「ほら!」
摩耶花「そうなの?じゃあどうして…」
える「アレの避妊率は、100%ではありません。使い方を誤ったか、経年劣化していたか…」
折木「しかしなぁ、千反田とその…やったのは、1回だけだぞ…」
える「確かに1回です…でも、1回でもすれば可能性はゼロではないので」
摩耶花「ちょっと、その日の事を教えなさい!折木!」
折木「あ、ああ、あれはだな…」
える「慰めてもらって、そういう空気になってしまったんです」
折木「おい、それじゃわからんだろう」
える「…すみません」
折木「ある日、紆余曲折はあったが、千反田が俺の家に泊まることになった」
える「そうです。そこで、いろいろあって精神的に参っていたわたしは、折木さんに、わたしの気持ちを打ち明けました」
折木「あとは、その場の流れだ…」
摩耶花「いちおう聞くけど、折木の家族は?」
折木「両親は仕事。姉貴は例によってどこかをうろついていた」
摩耶花「なるほどね…。でも折木はよくコンドームなんて持ってたわね」
摩耶花「もしかして!?その事態を見越して用意してたの!?うっわ、キモ」
折木「違う!」
摩耶花「じゃあどうしたのよ?」
折木「それは、その……言いにくいんだが、言わなきゃダメか?」
摩耶花「重要なところでしょうが!」
折木「……姉貴の部屋から拝借してきた」
摩耶花「!?」
摩耶花「そ、そっか。折木のお姉さんも、大人だもんね…」
摩耶花「でも、それじゃない?そのコンドームが古い奴で、経年劣化していたとか…」
折木「そこまで古そうな感じはしなかったが…」
摩耶花「確かなことは、わかんないわけね」
折木「う…まあ、そういうことになる」
える「理由はどうあれ、その夜のあとにわたしの生理が止まった。これは事実です!」
折木「なぁ、千反田…。それは本当に俺の子なのだろうか…?」
える「え…折木さん、何言ってるんですか…?」
摩耶花「オオオオオオオオオオオレエエエエエエエエエエエキィィィィィィ!!!!!」
える「わたし、わたし、折木さん以外と…あんなこと…しません…」ウルウル
摩耶花「今の言葉、最低よ!すぐに土下座しなさい!」
える「はじめてだって、言ったじゃないですか……信じてないんですか……うっ、うっ」
摩耶花「ちーちゃん、泣いちゃったじゃないのよおおおおおおおおおおお!!!」
折木「す、すまん!すまん千反田!心にもない言葉が出た!」ドゲザッ
折木「許してくれ!そういうつもりでいったんじゃないんだ!」
える「うわああああああああああああああああああん」ビャー
える「すみません、取り乱しました」
折木「ゴメンナサイゴメンナサイゴメンナサイ」
える「折木さんも、こういうことがあって混乱しているんですよね…。すみませんわたしったら感情的になっちゃって」
折木「本当にごめんなさい」
摩耶花「本当に気をつけなさい」
摩耶花「で、今後どうするの…?」
える「そうですね…。とりあえず明日にでも病院に行って検査をしてもらいます」
える「それで、本当にできていた場合は…」
摩耶花「できていた場合は…」
える「堕胎するしか、ないでしょうね…」
折木「!?」
摩耶花「いいの?ちーちゃんはそれでいいの?」
える「だって、わたしたちまだ高校生ですから…」
折木「……」
える「避妊はしてたんですから、折木さんに、そこまで責任負わせられません」
折木「……」
える「そんな状態で生まれても、この子はかわいそうです」
折木「……だめだ」
える「え?」
折木「そんなのダメに決まってるだろ!」
える「しかし…」
折木「千反田!産んでくれ、俺の子供を!」
える「折木さん…」
折木「今までの俺だったら『堕ろせばいいだろ』って言っただろう」
折木「いや、今でも俺は赤の他人が望まない妊娠したら、そういうだろう」
折木「だが、今回は違う」
折木「だって、千反田のお腹の子供は…」
折木「愛する千反田と俺の子供だぞ……」
折木「その、愛の結晶とも言うべき、我が子を、殺すなんてできない!」
折木「千反田!結婚しよう!」
摩耶花「折木…あんた…」
える「お気持ちは嬉しいです。でも、やっぱり、ダメです」
折木「どうして?」
える「今から子供を産んで、育てたら、折木さんの人生はどうなるんですか?」
える「それは、おそらくまっとうな人生ではないでしょう」
折木「そんなことはない!」
える「この子を堕胎したとしても、折木さんとわたしの関係が壊れるわけじゃありません」
える「2人がちゃんと成長して、社会人になったら…もう一度、その言葉言ってくれますか?」
折木「千反田!考え直してくれ!高校やめて働くよ!できる限り、農業の手伝いもする!」
える「いいえ、もう決めたことですから」
折木「中絶は痛いんだぞ!つらいんだぞ!もしかしたら、二度と子供ができない身体になるかも…」
える「それも、覚悟していますから」
折木「千反田ぁ……」
える「折木さん、そういってくれるだけで救われました」
折木「俺はまだ、納得できていないぞ…」
える「一つ約束しましょう」
折木「約束…?」
える「わたしと、折木さんと、この子との3人での約束です」
える「この子が死んでも、わたしと折木さんは幸せになること」
える「そして、いつかわたしたちが自立して、子供をもうけたら、その子をめいっぱい幸せにすること、です」
折木「…わかった、約束だ」
える「『この子』では、恰好がつきませんね。堕胎してしまう前に、名前を付けてあげませんか?」
折木「名前か、そうだな…こんなのはどうだ?>>66」
エル・ローライト
折木「エル・ローライト」
える「折木さん…?」
折木「…ダメか?」
える「名前なんですから、苗字はいりません。それに、もっと和風な名前がいいです!」
折木「そうか。母親から一部を拝借したいい名前と思ったんだが」
える「わたしなら、>>75とします!」
えむ
える「えむ」
折木「えむ…素敵な名前だな」
える「『笑む』からつけました。いちおう、男でも女でも使える名前にしました」
折木「ああ、、えむちゃんか」
える「ふふ、えむちゃん…」
折木「でも、えむも短い命なんだな…」
える「そうかもしれません、でも、えむちゃんのおかげでわたしたち、成長できました」
折木「本当にごめんな、えむ……許してくれ、こんな父親で…」ボロボロ
える「折木さん…えむちゃん、わたし、幸せです…わたし…」ポロポロ
摩耶花「イイハナシダナー」ダー
える「では、帰ります。明日、検査に行くので学校はお休みしますね」
折木「ああ、わかった。ついていくよ。千反田の家まで送らせてくれ、えむと3人で…」
える「はい、折木さん」
………
……
…
翌々日
折木「……千反田、どうだった?検査…」
える「ああ、折木さんですか」
折木「折木さんですか、じゃないだろ。やっぱり…」
える「いえ、どうやらただの生理不順だったみたいです☆」ケロリ
折木「は?」
える「た だ の 生 理 不 順 で し た ! 」テローン!(あのSE)
折木「ぐへーーーーーーーーーーーー」
END
摩耶花「ふくちゃん、わたしね、生理がこないの…」
里志「へっ?どうしたの?体調が悪いのかい?」
摩耶花「ううん、そうじゃないの……」
里志「じゃあ何さ?」
摩耶花「で、できちゃったかも!」
里志「」
里志「……またか」
摩耶花「またかった何よ!本当に妊娠してたら、わたし…」
里志「あー、はいはい」
摩耶花「ふくちゃん!」
里志「いいかい、摩耶花。よく聞くんだよ」
里志「僕たち、してないでしょ?」
摩耶花「……」
里志「僕らは、性行為をしたことがない、わかるね?」
摩耶花「……」
里志「だから、摩耶花が妊娠することは、ありえないんだよ」
摩耶花「……うん」
里志(やれやれ、摩耶花の想像妊娠もさすがに疲れてきたなあ…)
摩耶花「そうね。そうだったわ」
里志「わかればいいんだよ。さ、今日は何して遊ぼうか?」
摩耶花「ふくちゃんちに行きたい!今日は泊めて!」
里志「ダメだよ。家には親がいるし…年頃の男女が一夜を共にするなんて、ダメだよ」
摩耶花「いきーたーいー!とーまーりーたーいー!」
里志(まーたはじまった)
里志「摩耶花が欲求不満になってるのはわかる。僕だって摩耶花が嫌いだから、摩耶花を抱かないんじゃないんだよ」
摩耶花「……」
里志「もし、何かの手違いで摩耶花が身ごもったら、傷つくのは摩耶花だ」
摩耶花「……ふくちゃんの子供なら、わたし嫌じゃない」
里志「嫌じゃなくてもさ、結果的に傷つくことになる。そうなってほしくないから、摩耶花のことが大切だからこうしているんだよ」
摩耶花「……ちーちゃんは折木としてるのに…」
里志「は!?」
里志(いや、落ち着け。どうせまた摩耶花の虚言に違いない)
里志「他人は関係ないよ。僕と摩耶花の問題だ」
摩耶花「……ちぇ」
里志「じゃ、遊びに行こう」
摩耶花「わかった。でも、いつかふくちゃんの子供産むから!」
里志「はいはい…」
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