ほむら「まどかのことが(友達として)好きなの」(368)

ほむら「まどかとの友情を確かめたいのだけど、どうすれば良いかしら」

QB「どうして今更わざわざそんなことをする必要があるんだい?
  今の君たちの関係は、客観的に見ても明らかに友達関係にあると思うけどね」

ほむら「私はこれまで一度もまどかに好意を口で伝えたことがないのよ。
    まどかも、私に一度も『好き』と言ってくれたことはないわ」

QB「それももちろん、友達として、だよね」

ほむら「?何を言ってるの、当たり前じゃない」

QB「そうだね……。伝えたことがないのなら、
  やっぱり伝えることから始めるのが一番じゃないのかな」

ほむら「やっぱりそうなるわよね」

QB「それも、できるだけ簡潔に伝えた方が良いだろう。余計な情報は誤解のもとだからね。
  同じ理由で、出来るだけ周りに何もない状況で、2人きりになった方が良いと思うよ」

ほむら「なるほど、確かに。一番効率的かつ確実な方法ね。あなたに訊いて正解だったわ」

QB「そうかい」

ほむら「それじゃあ、明日早速この方法で友情を確かめて来るわね」

QB「うん、頑張ってくれ」

翌日、放課後

まどか「あ……お待たせ、ほむらちゃん」

ほむら「ごめんなさい、まどか。わざわざ屋上まで呼び出したりして」

まどか「ううん、良いの。それより、大切なお話って……?」

ほむら(周りに誰も居ない状況、これは完璧。あとは、出来るだけシンプルに、私の好意を……)

まどか「ほむらちゃん……?」

ほむら「まどか……私、あなたのことが好きなの」

まどか「……へっ?」

ほむら「今までずっと言ってなかったのだけど……。本当に、あなたのことが好きなの、まどか」

まどか「えっ、あ、あの、え、えっ……?」

ほむら「…………」

まどか(な、何?どういうこと?そりゃあ、わたしもほむらちゃんのことは大好きだし、
    とっても大切な友達だけど……。で、でも、この状況って、これって……)

まどか「ほ、ほむらちゃん?その、これって……こ、告白、なんだよね?」

ほむら(“告白”……心に思っていたことを打ち明けること……)

ほむら「えぇ、そうね。告白よ」

まどか「……!」

まどか「あ、あの、えっと、その……」

ほむら「……まどかは私のこと、好き?」

まどか「へっ!?あ、え、えっとね、えっと……!」

ほむら「まどか?」

まどか「ご、ごめん、ほむらちゃん!1日だけ、考えさせて!」

ほむら「え……?」

まどか「ちょ、ちょっと心の整理がつかないっていうか……。
    ご、ごめんね!ばいばい、ほむらちゃん!またね!」

ほむら「あ、まどか……!」

夜、まどか宅

まどか「…………」

詢子「ん?どうしたまどか。眠れないの?」

まどか「うん……あのね、ママ。ちょっと、聞いて欲しいことがあるの」

詢子「悩み事かい?良いよ、言ってみな」

まどか「あのね……。わたしね、今日……告白されちゃったの」

詢子「ぶーーーッ!?」

まどか「きゃっ!?も、もう、そんなにびっくりしなくても良いでしょ!」

詢子「げほっ、げほっ……ご、ごめんごめん。ちょっと、予想外過ぎたっていうか……。
   一応確認しておくけど、罪の告白とか、そういうんじゃないんだね……?」

まどか「うん、違うと思う……。屋上に呼び出されて、『好きだ』って……」

詢子「マジでか……いやぁ、ついにまどかがねぇ……。それで?相手はどんな男なのよ?」

まどか「そ、それが、その……」

詢子「んー?なんだ、歯切れが悪いねぇ。そんなに駄目な男なのかい?」

まどか「え、えっと……お、男の子じゃないの……」

詢子「はっ?」

詢子「男じゃないって、じゃあまさか……」

まどか「……ほむらちゃんなの」

詢子「ぶーーーーッ!?」

まどか「きゃっ!」

詢子「ほ、ほむらちゃんって、暁美ほむらちゃんかい!?」

まどか「う、うん……」

詢子「確かに仲が良いとは思ってたけど……そ、そうか。あの子が……」

まどか「やっぱり……変だよね?女の子が、女の子を好きになっちゃうなんて……」

詢子「いやぁー……別に、ない話ではないんだけどさぁ」

まどか「えっ?そ、そうなの?」

詢子「そうさ。同性同士の恋愛ってのは、確かに珍しい話ではあるけど、あり得ないことじゃない。
   実際、結婚を認めてる国だってあるんだよ?
   ヨーロッパなんかには結構多いんじゃなかったっけ。
   だから、変なことなんだって決め付けるのは良くないぞー?」

まどか「そう、なんだ……」

詢子「……それで?あんたはどう思ったんだい?ほむらちゃんに告白されてさ」

まどか「え……」

詢子「嫌だとか、気持ち悪いとか、思っちゃった?」

まどか「そ、そんなことないよ!わ、わたしは……す、すごくびっくりしちゃったけど、
    でも、後でじっくり考えてたら、誰かからそんな風に思ってもらえるなんて、
    それはとっても嬉しいな、って……」

詢子「そっか……。じゃあ、あとはあんた次第だ」

まどか「えっ……?」

詢子「相手が下らない奴なら止めるけど、あのほむらちゃんなら問題ないだろうしね。
   同性同士の恋愛もあり得るんだって知った上で、じっくり考えてみな。
   もちろん、ほむらちゃんとは友達で居たいってんなら、振るのもアリだよ」

まどか「う……うん、わかった。よく考えてみる……!」

翌朝

ほむら「はぁ……」

ほむら(結局、一睡も出来なかった……。まさか考えさせてくれって言われるなんて……。
    まどかのことを友達だと思ってたのは、私だけだったのかしら……)

さやか「おーっす、ほむら!どしたの、朝から元気ないじゃーん!」

ほむら「放っておいてちょうだい。今はあなたに構っている元気はないの」

さやか「えぇー……。いつにも増して冷たいなぁ」

仁美「さやかさん、本当に具合が悪いのかも知れませんわ。ほむらさん、大丈夫ですの?」

ほむら「えぇ、大丈夫……ちょっと、寝不足なだけ。心配しないで」

まどか「おはよう、みんな……」

ほむら「!」

さやか「おはよ、まどか!……って、なんかまどかも元気なくない?」

まどか「うん……ちょっと、あんまり寝てなくて……」

仁美「まぁ、ほむらさんと2人揃って寝不足だなんて……。
   はっ!お、お2人とも、まさか昨晩は一緒に……!」

ほむら「……?」

さやか「いや、そりゃねーわ、さすがに……」

まどか「そっ、そそそっそそうだよ仁美ちゃん!何言ってるの!そんなわけないよ!
    ほ、ほむらちゃんとわたしはそんなんじゃないよ!違うよ!」

さやか「あはは、まどか、あんた慌てすぎ!
    そんなに否定しなくたって、仁美の妄想はいつものことじゃん!」

まどか「あっ……だ、だよね、そうだよね!」

放課後、屋上

ほむら「…………」

まどか「…………」

ほむら「……それで、まどか……。昨日の返事は……」

まどか「う、うん……」

まどか(昨日の夜、じっくり考えた。女の子同士の恋愛も変じゃないって分かった上で、
    わたしは、ほむらちゃんのことを、どう思ってるのか……)

まどか「あ、あのね、ほむらちゃん……わたし……」

1.ほむらちゃんのことが好きだから付き合おう

2.ほむらちゃんのこと、そんな風には考えられない

>>35

1.

まどか「わ、わたしも、ほむらちゃんのことが好きです!」

ほむら「!そう、良かった……」

まどか「だ、だから、付き合ってください、よろしくお願いします!」

ほむら(付き合う?あぁ、これから何か用事があるのね)

ほむら「えぇ、もちろん付き合うわ。それじゃあ、さっそく行きましょうか。どこに行くの?」

まどか「へっ?」

ほむら「?だって、付き合うのでしょう?」

まどか(!こ、これは……放課後デート!)

まどか(ほむらちゃん、放課後デートに誘ってくれてるんだ!
    付き合うんだったら、放課後にデートするのは当たり前。
    そういうことなんだね、ほむらちゃん……!
    しかも行き先をわたしに決めさせてくれるなんて……)

まどか「そ、そうだね!とりあえず、喫茶店でお茶でも……」

ほむら「良いわよ。行きましょう」

ほむら(特に用事があるというわけでもなかったのね。
 ちょっと寄り道がしたかっただけ、ということかしら。
    でも、まどかと一緒ならなんだって良いわ。友達だもの)

道中

まどか「そしたらね、エイミーったら……」

ほむら「ふふっ、それは大変だったわね」

まどか(……って、あれ?これじゃあなんだか、今までと何も変わってないような……。
    せっかく付き合ったんだから、何か、違う感じで……あ、そ、そうだ!)

ほむら「まどか?」

ほむら(まどかが、私の指を掴んで……そのまま指を絡めて、これは……?)

まどか(や、やっちゃった……恋人つなぎ、やっちゃった……!)

まどか「え、えへへ……」

ほむら「まどか……私と手をつなぎたかったのね」

まどか「え、あ、えっと……い、いや、だったかな……」

ほむら「そんなことはないわ。とても嬉しい。
    それに私たちの関係を考えれば、このくらいは当然だもの」

まどか「う……うん!」

ほむら(友達同士で手を繋いで歩くなんて、小学生の頃は当たり前のようにやっていたことなのに。
    どうしてそんな当然のことを忘れていたのかしら。でも、良かったわ。
    お互いの想いを伝え合って、より一層友情が深まったということね。
    少し普通の繋ぎ方とは違うみたいだけど、これも友情の表れね)

喫茶店

まどか「わぁ、美味しそう!」

ほむら「えぇ、本当に。それじゃ、さっそく頂きましょう」

まどか「うん、いただきまーす!わ、この新作パフェなんだか変わった味!」

ほむら「変わった味?どんな味なの?」

まどか「うーん、なんていうか、甘さと酸っぱさの中にまろやかさが……。
    ごめんね、上手く説明できないや……。そうだ、実際に食べてみてっ」

ほむら「良いの?」

まどか「うん、もちろん……はっ!」

まどか(これは……“あーん”のチャンス……!)

まどか(で、でも嫌じゃないかな、わたしなんかが口を付けたスプーンなんて……。
    う、ううん!もうわたしたちは恋人同士なんだから、そんなの気にする必要なんて!)

ほむら「まどか?」

まどか「ほ、ほむらちゃん!」

ほむら「?何かしら」

まどか「あ……あーん……」

ほむら「ありがとう、でも大丈夫よ。ちゃんと自分のスプーンで食べるわ」

まどか「え……」

ほむら「まどか……?」

まどか「ご、ごめんね、やっぱり嫌だったかな……。
    わたしの口がついたスプーンなんて……」

ほむら「そんなことはないわ、むしろ逆よ」

まどか「えっ!ぎ、逆って……!」

まどか(わ、わたしのスプーンを、使いたいってこと……!?)

ほむら「スプーンに私の口が付くなんて、あなたが嫌がるんじゃないかと思って……」

まどか「あぁ……」

まどか「って、ていうか、嫌がるんだったらこんなことしないよっ!」

ほむら「!」

まどか「それに、わたしたちみたいな関係なら、このくらいは普通に……」

ほむら「……そうだったわね。ごめんなさい、まどか。
    そんなこと、気にするような間柄じゃなかったわね」

まどか「ほむらちゃん……じゃあ……!」

ほむら「……あーん」

まどか「!は、はい、あーん!」

まどか「ど、どうかな?」

ほむら「確かに変わった味ね。でも美味しいわ。ありがとう、まどか」

まどか「ど、どういたしまして!」

ほむら「お返しに、今度は私のも食べてみる?」

まどか「い、良いの!?」

ほむら「えぇ。はい、どうぞ。何口でも食べて良いわよ」

まどか「……ほむらちゃん」

ほむら「?」

まどか「わ、わたしも、あーん、して欲しいなぁ……」

ほむら「あ……そうね。ごめんなさい。はい、あーん」

まどか「あ、あーん……ぁむ」

まどか(し、しちゃった!ほむらちゃんと間接キス、しちゃった……!)

ほむら「どうかしら。美味しい?」

まどか「お、おいひぃれふ!ふごく、おいひぃれふ!」

ほむら「もう、口に物を入れたまま喋らないの。お行儀が悪いわよ」

まどか「あっ……ご、ごめんらはい」

ほむら「ふふっ……変なまどか」

さやか「おいーっす、お2人さん!」

まどか「んぐっ!?さ、さやかちゃん!?」

さやか「実はちょっと前から遠くから見えてたけど、
    食べさせ合いっこなんてしちゃってさあ!アツいねぇ!ひゅーひゅー!」

まどか(ど、どうしよう……!
    ほむらちゃんと恋人同士なんて、まだクラスのみんなには内緒にしたいのに……!)

さやか「なーんか前より随分仲良くなってなーい?
    あ、まさか仁美じゃないけど、2人はついに結ばれちゃいましたか!?
    晴れて恋人同士になったというわけですな!」

まどか「あ、あのあの、えっと……」

ほむら「何を馬鹿なことを言ってるの。恋人同士なんて、そんなことあるはずないじゃない」

まどか「なっ……」

まどか(ナイスごまかしだよ、すごく冷静!さすがほむらちゃん!)

さやか「あはは、ごめんごめん。このノリは仁美だけで十分だね!
    そんじゃ、あたしもう行くね。恭介がまたあたしのためにヴァイオリン弾いてくれるんだってさ!」

ほむら「聞いてないわ」

さやか「ま、そういうことだから!ごゆっくり、お2人さん!また明日ねー!」

ほむら「まったく……最初から最後まで騒がしかったわね」

まどか「ほ、ほむらちゃん、ありがとう!わたしだったらあんな簡単にはいかなかったよぉ」

ほむら「?えぇまぁ、あの子をあしらうのは慣れてるから。
    それよりまどか、時間の方は大丈夫?そろそろ家に帰った方が良いんじゃないかしら」

まどか「えっ?あ、ほんとだ……」

ほむら「これを食べ終わったら帰りましょうか」

まどか「あ、うん……。ね、ねぇ、ほむらちゃん!」

ほむら「何かしら」

まどか「あ、明日って、何か用事はあるかな?」

ほむら「いいえ、特にないわ」

まどか「だったら、せっかくお休みなんだし……ど、どこかにおでかけしない?」

ほむら「えぇ、もちろん構わないわ」

まどか(よしっ!今度はわたしからデートに誘ったぞ!)

ほむら「それじゃあ、どこに行く?」

まどか「えっ!またわたしが決めちゃっても良いの?
    ほむらちゃん、どこか行きたい所があったりしない?」

ほむら「私はどこでも。まどかが居ればそれだけで楽しいから」

まどか(!わ、わ、今の恋人っぽい!すごく嬉しいよぉ……!)

まどか「え、えへへ……そ、そうかな、えへへへへ……」

ほむら(……?なんだか妙にニヤけてるというか……私、何かおかしなことを言ったかしら)

まどか「そ、それじゃ、明日の予定はわたしが考えるね!また連絡するから!」

ほむら「えぇ、ありがとう。楽しみにしてるわ、まどか」

夜、まどか家

詢子「お?よー、まどか。それで、どうだったんだい?まぁ……顔見てれば大体分かるけどさ」

まどか「へっ?わ、わたし、そんな変な顔してた?」

詢子「帰った時からね。時折思い出したようにニヤけちゃってまぁ……」

まどか「え、えへへ……。恋人になってから分かったんだけど、
    わたしやっぱりほむらちゃんのことすっごく好きだったんだな、って。
    ほむらちゃんね、とっても大人なの。わたしはしどろもどろしてばっかりなのに、
    ほむらちゃんはずっと落ち着いてて……」

詢子「あーはいはい。わざわざノロケ話しに起きてきたわけじゃないだろ?」

まどか「あ、う、うん。あのね、また折り入って相談があるんだけど……」

【まどか☆マギカ】巴マミ×キュゥべえスレ4 【キュゥマミ】
幾多のキュゥマミSSを見たがいまだにこのネタを使ったキュゥマミSSはない
マミ「今日も紅茶が美味しいわ」
パターン1
マミ「あなた誰なの?違う! 私のキュウべえはあの子だけよ!」
QB「確かに “この僕” は、三時間ほど前まで君のそばにいたのとは別の個体だよそちらは暁美ほむらに撃ち殺された」
黒い魔法少女。暁美ほむら。あの女だけは、絶対に許さない。
まどか「わたしの願いでマミさんのそばにいた子を蘇生すれば、ほむらちゃんのこと許してあげられませんか?」
パターン2
QB「うううっ……マミ、どうして、死んじゃったんだよ、マミを蘇らせて欲しい」
まどか「私の願い事はマミさんの蘇生。叶えてよQB!」
パターン3
マミ「あなた誰なの?」 QB「前の個体は処分した」
QB「『前の僕』、は精神疾患を『患い』かけていたからね。『僕達』にとっては、『煩わしい』存在でもあったしね」
マミ「違う! 私のキュウべえはあの子だけよ!」
こんな感じの旧QB蘇生キュゥマミ魔法少女全員生存ワルプルギス撃破誰か書いてくれたらそれはとってもうれしいなって

詢子「――デートプラン、ねぇ」

まどか「い、一応自分で考えてはみたんだけど、これで良いのかちょっと分かんなくて……」

詢子「うーん、別にこんなのチェックしてもらうようなもんでもないと思うけどなぁ。
   ま、いっか。なになに……お昼前に出発して、お弁当を食べて、
   映画、お買い物、晩ご飯……まぁ、良いんじゃないか?」

まどか「へ、変じゃないかな?」

詢子「食事や買い物の場所は決まってるんだろ?」

まどか「まぁ、一応……」

詢子「あんたのことだから予習はしっかりしてるだろうし、それで問題ないと思うよ」

まどか「ほ、ほんと!?良かったぁ」

詢子「あ、ちなみにキスはいつするんだ?」

まどか「ぶーーーーッ!?」

詢子「どわぁあ!?そ、そんなに驚くこたないだろ……。
   っていうか、あんたのそんなリアクション初めて見たよ!」

まどか「き、ききっききききすって、そんな……!」

詢子「何動揺してんだい。恋人どうしなんだ、キスくらい当たり前だろ?
   中学生には早いなんてお堅いことは言わないよ。
   愛情表現はたっぷりするに越したことはない。もちろん、時と場合によるけどね」

まどか「ぅううぅううう……。で、でも……恥ずかしいよぉ……」

詢子「何言ってんだ。キスなんかで恥ずかしがってたら、それ以上のことなんて出来ないぞ?」

まどか「それ以上……?」

詢子「おっと、これはまだまどかには早かったか」

詢子「ごめんまどか、今のは忘れな」

まどか「?」

詢子「ま、とにかくだ。せっかくのデートなんだし、別れ際にキスくらい入れといても良いんじゃない?」

まどか「えーっと、じ、じゃあ、お別れはほむらちゃんのお家の前の予定だから、
    そこで、き、キスを……」

詢子「おう、やれやれ!やっちまえ!」

まどか「ま、ママってばもう……。じゃあ、明日はこれで行ってみるよ」

詢子「ん!頑張りな!」

翌日、公園

まどか「ご、ごめんね、ほむらちゃん。待たせちゃって!」

ほむら「いいえ、大丈夫。わたしも今来たところだから」

まどか(か、カップルっぽい!このやり取りカップルっぽいよぉ!)

ほむら「ところで、お昼ご飯は食べないでということだったけど、どこか食べるところが決まっているの?」

まどか「あ、えっとね……こ、これ」

ほむら「……お弁当?」

まどか「ふ、2人で食べようと思って、作ってきたんだ。
    パパに横で見てもらってたから、味は大丈夫だと思うんだけど……」

ほむら「まどか……ありがとう、すごく嬉しいわ。それじゃ、早速頂きましょう」

まどか「う、うん!」

ほむら「いただきます」

まどか「……ど、どう、かな?」

ほむら「美味しい……すごく美味しいわ、まどか」

まどか「ほ、ほんと!?」

ほむら「普段から料理はよくやってるの?」

まどか「え?う、ううん。普段は全部、パパがやってくれるから、わたしは後片付けを手伝うくらいで……」

ほむら「でも、とてもそうは思えないくらい美味しくできてる。すごいわ、まどか」

まどか「え、えへへ。そうかな……」

まどか(や、やったぁ!
    パパ、6時から待ち合わせ時間ギリギリまでずっと教えてくれてありがとう……!)

ほむら「ごちそうさま。とても美味しかったわ」

まどか「えへへ、ありがとう、ほむらちゃん」

ほむら「ところで、今日の予定を聞いても良いかしら。
    全部まどかに任せてしまってるのが申し訳ないのだけど……」

まどか「ううん、気にしないで!今日はわたしがしっかりエスコートするからね!
    それじゃ、そろそろ行こうか、ほむらちゃん」

ほむら「えぇ、行きましょう」

まどか(ここで……自然に手をつなぐ!よ、よしっ!出来た!)

ほむら(まどか、なんだかすごく張り切ってるわね。
    まぁ、わたしも楽しみで仕方がなかったのだけど)

映画館

 『少しわかったことがある……友達が泣いてると、同じように自分も悲しいんだ』
 
 『フェイトちゃん……!』

まどか「ぅっ……ぐすっ……」

まどか(アニメなんて子どもっぽいかなと思ったけど……これ、すごく良いよぉ)

ほむら「…………」

まどか(あっ……わたしばっかり泣いちゃってるけど、
    ほむらちゃん退屈したりしてないかな……?)

映画館の外

まどか「えっと……ど、どうだったかな、ほむらちゃん。退屈じゃなかった?」

ほむら「いいえ、そんなことはないわ」

まどか「やっぱり、アニメなんて子どもっぽかったかな……ごめんね。わたしだけ1人……」

ほむら「……まどか」

まどか「えっ?」

ほむら「……なんでもないわ。ちょっと……呼んでみただけ」

まどか「!」

ほむら「映画、とっても良かったわ、まどか」

まどか「う、うん!ほむらちゃん!」

まどか「えっと、次はお買い物に行こうと思うんだけど……
    ほむらちゃん、本当に何か欲しいものとか、行きたいお店とかない?」

ほむら「えぇ、まどかの行きたいところで構わないわ。
    それに、ただ見て回るだけというのも楽しみ方のひとつだし」

ほむら(強いて言えばそろそろ武器をストックしておきたいところだけどそんなこと言えない)

まどか「そう?だったら、その……アクセサリーのお店に行ってみたいな、って」

ほむら「良いわよ。それじゃあ、行きましょうか」

まどか「うん!」

まどか(やった!やっぱり恋人同士だもん。お揃いのアクセサリー、買っちゃうんだ!えへへ……)

店内

まどか「わっ、見て見てほむらちゃん!このネックレス可愛い!」

ほむら「本当ね。それに、とても綺麗だわ」

まどか「えへへっ……どうかな、似合う?」

ほむら「えぇ、とてもよく似合っているわ」

まどか「ほんとっ!?ね、ほむらちゃんも付けてみて!」

ほむら「え?」

まどか「あ、そうだ、付けてあげるね!ほむらちゃん、髪長いから」

ほむら「ありがとう。それじゃ、お願いするわ」

まどか「うん!」

まどか(!普段は髪に隠れて見えないけど……ほむらちゃん、うなじも綺麗だなぁ……)

ほむら「……まどか?」

まどか「え、あっ、ご、ごめんね!今、付けてあげるから……」

まどか(うぅ……つい勢いに任せて付けてあげるなんて言っちゃったけど……。
    やだ、なんだかすごくドキドキしちゃうよぉ)

ほむら「…………」

まどか「で、できた!ふぅ……」

ほむら「ありがとう、まどか。どうかしら、似合ってる?」

まどか「わ……うん、すっごく似合ってるよ!最初は可愛いアクセサリーだと思ったけど、
    ほむらちゃんが付けるとすごく綺麗だね!」

ほむら「そんなに褒められるとちょっと恥ずかしいわね……。でもありがとう、嬉しいわ」

まどか「ね、ねぇ、ほむらちゃん……。2人でこのアクセサリー、買っちゃわない?」

ほむら「2人で?構わないけど、私と同じアクセサリーで良いの?」

まどか「う、うん。ていうか……お、お揃いのアクセサリーが欲しいな、って……」

ほむら「あ……そうね。ごめんなさい、気付かなくて。
    そういうことなら、もちろん良いわ。2人でお揃いのアクセサリーを買いましょう」

まどか「!うん!」

ほむら(お揃いのアクセサリーだなんて初めて……すごく嬉しい。
    これで1つ、目に見える形で友情の証ができたわ)

店の外

まどか「ね、ほむらちゃん。アクセサリー、早速付けてみない?」

ほむら「そうね、付けてみましょう」

まどか「えへへ……実はね、ほむらちゃん。このアクセサリー、ペアになってるの!」

ほむら「ペア?」

まどか「ほら、こーやって2つを合わせたら……ね?」

ほむら「……ハートマーク?」

まどか「うん!」

ほむら(ふふっ……ハートマークが好きだなんて、やっぱりまどかは女の子らしいわね)

まどか「ふ、2人一緒じゃないとハートマークは出来ないから、
    わたしとほむらちゃんはずっと一緒じゃないと駄目なんだよ!」

まどか(い、言っちゃった……!
    どうしよう、やっぱりこの台詞ちょっと恥ずかしすぎたかも……)

ほむら「えぇ、もちろん。私はずっとあなたの側に居るわ、まどか」

まどか「ひゃ……あ、ありがとう、ございます……」

まどか(ほむらちゃん、大人すぎるよぉ……)

ほむら「ところで……もう暗くなってきたけど、これからは?まだお買い物を続ける?」

まどか「あ、えっと……。そうだね、そろそろご飯にしよ!」

ほむら「じゃあ場所は……」

まどか「お店ももう決めてあるんだ!とっても美味しいって評判のとこなんだよ!」




まどか「うぅ……まさか2時間待ちだなんて……」

ほむら「本当に人気のお店みたいね、仕方ないわ」

まどか「ごめんねごめんね、でも、どうしよう……」

まどか(どこか適当なところで済ませちゃう?でもせっかくのデートの締めくくりなのに、そんなの……)

ほむら「……もし良かったら、ウチで食べない?」

まどか「えっ……?」

ほむら「実は早めに使ってしまわないといけない食材が少し多く残ってて……」

まどか「も、もしかして……ほむらちゃんの手料理!?」

ほむら「お昼はまどかに作ってもらったわけだし、そのお礼も兼ねて……。
    あ、でも本当に、まどかが構わなければだけど。今からだと少し遅くなってしまうし、
    家もあまり近くじゃないから、何かこの辺りで適当に済ませてしまうのも……」

まどか「う、ううん!ほむらちゃんのお家に行こう!」

ほむら「良いの?面倒じゃないかしら」

まどか「そんなことないよ!それに、ほむらちゃんの、て、手料理も、食べてみたいし!」

ほむら「そう?だったら、行きましょうか」

まどか「うん!」

まどか(やった……ほむらちゃんの手料理だ!嬉しすぎるよぉ……!)




ほむら「ごめんなさい、わざわざこんな距離を歩かせてしまって」

まどか「ううん、大丈夫!気にしないで」

まどか(どっちにしろお別れはほむらちゃんのお家の前の予定だったし……あ。
    そ、そうだ、そこでわたし、ほむらちゃんと、き、キスしなきゃいけないんだ……!)

ほむら「……キスにチュー……物騒ね」

まどか「ふぁえぁああッ!?」

ほむら「!?ど、どうしたのまどか」

まどか「ほ、ほほほむほむらちゃん、いい今なんて!?」

ほむら「いえ、この貼り紙を……」

  『空き巣に注意』

まどか「あ……あキスにチューい……」

ほむら「……ねぇ、まどか……」

まどか「えっ!?あ、え、な、なに……?」

ほむら「あなたもしかして……」

まどか「っ……」

まどか(だ、だめ、キスのことばっかり考えてるいやらしい子だって思われちゃう……!)

ほむら「空き巣が怖いのね。あんな怯えた声まで出して……」

まどか「へっ?」

ほむら「大丈夫よ、まどか。空き巣だろうと強盗だろうと、私があなたを守ってみせるわ」

まどか「あ、う……うん、ありがとう、ほむらちゃん」

まどか(た、助かったぁ。でも危ないなぁ……まさかあんなおかしな聞き間違いしちゃうなんて。
    だめだめ、もっと落ち着かなきゃ、わたし!ほむらちゃんを見習わなきゃ!)

ほむホーム

ほむら「それじゃあ、早速ご飯作るわね。まどかは適当に座って待ってて」

まどか「ううん、わたしも手伝うよ!」

ほむら「ありがとう、でも、私に作らせて欲しいの。お昼ご飯のお礼だから。
    それにウチのキッチン、あまり広くないもの」

まどか「うーん……じゃあ、食器運んだりするね!他にも何か手伝えることがあったらなんでも言ってね!」

ほむら「えぇ、ありがとう。あ、そうだわ……まどか、お魚は大丈夫?」

まどか「お魚?うん、平気だよ。あ、でもお刺身はちょっぴり苦手かも……」

ほむら「そう、良かった。安心して、お刺身じゃないから。私も家ではあまりお刺身は食べないの。
    寄生虫なんかも、ちょっと怖いから……アニサキス、だったかしら」

まどか(あ、あにさ……!)

まどか(……って、さすがに意識しすぎだよね、これ。
    だめだめ、一旦キスのことからは離れよう、うん!)

まどか「そ、そうだ!ちなみに、ご飯は何を作ってくれるの?」

ほむら「主食はシチューのつもりだけど、大丈夫?」

まどか(し、しチュー!)

まどか「……だ、大丈夫、大好きだよ!チュ……じゃなくて、シチュー!大好き!」

ほむら「良かった。待っててね、まどか。すぐに作ってあげるから」

まどか(すぐに、あげるから……すぐにチュー、あげるから……。
    だ、だめだめ!何考えてるの!これじゃほんとに変な子だよ……!)

まどか「う、うん、楽しみに待ってるね、ほむらちゃん」




まどか(ふー……なんとか、落ち着いてきたかな……)

ほむら「お待たせ、まどか」

まどか「わぁ……!すごいよほむらちゃん!とっても美味しそう!」

ほむら「味見もしっかりしたし、失敗はしてないはずだけど……」

まどか「いただきまぁす!……ん!やっぱり美味しいよ、ほむらちゃん!」

ほむら「良かった……」

まどか「あ、これが最初に言ってたお魚?」

ほむら「えぇ。シチューの中に入れるのは合うのかどうか分からなかったから、別に料理してみたんだけど」

まどか「そうなんだ。なんていうお魚なの?」

ほむら「キスよ」

まどか「ぶーーーーーーッ!?」

ほむら「ま、まどか!?」

まどか「げほっ、げほっ……ご、ごめんね、ちょっと、むせちゃって……」

ほむら「大丈夫、まどか?ほら、口の周りがこんなに汚れて……」

まどか「えっ!?い、良いよ、自分で……んむっ」

まどか(ほ、ほむらちゃんに口の周り拭かれてる……か、顔、近いよぉ……)

ほむら「……なんだか顔が赤いわ」

まどか「へっ?」

ほむら「熱でもあるのかしら……」

まどか(え、ちょ、ちょっと待って……た、確かにわたし、少女漫画でいっぱい勉強してきたけど!
    こんな展開もいっぱいあったけど!ま、まさか現実で、そんな熱の計り方……)

ほむら「…………」

まどか(あぁあ……ほ、ほむらちゃんのおでこと、わたしのおでこが……顔が、こんなに近く……。
    うう……もうわざとやってるとしか思えないよ、ほむらちゃん……)

ほむら「……熱はないみたいね。でも、本当に大丈夫?体調が悪いなら……」

まどか「だ、大丈夫だよ!なんともないよ、全然平気だよ!
    それに、まだほむらちゃんのお料理も食べてないもん!
    せっかく作ってくれたんだから、全部食べなきゃ!ハムッ ハフハフ、ハフッ!!」

ほむら「もう、そんなに慌てなくても良いのに」

まどか「ご、ごちそうさま!とっても美味しかったよ、ほむらちゃん!」

ほむら「ふふっ……えぇ。ありがとう、まどか」

ほむら「ところでまどか、時間は大丈夫?」

まどか「えっ?あ……ほんとだ、も、もう、帰らなくちゃ……」

まどか(帰るっていうことは……つ、ついにこの時が……!)

ほむら「もう遅いけど、大丈夫?家まで送りましょうか?」

まどか「!ううん、大丈夫!」

ほむら「とりあえず、家の外まで出るわね」

まどか「う、うん」

ほむら「もう真っ暗ね……。本当に送らなくても大丈夫?」

まどか「だ、大丈夫、平気だよ」

まどか(……今、やらなきゃ……。せっかく、決めたんだから……。
    ここで、今ここで、ほむらちゃんと、キスしなきゃ……!)

まどか「ほ、ほむらちゃん……!」

ほむら「?何かしら」

まどか「……ま、またね。バイバイ」

ほむら「えぇ、バイバイ」

まどか「…………」

まどか(うぅ……わたしのバカ、意気地なし……)

ほむら「……待って、まどか」

まどか「え?」

まどか(な、なに……?ほむらちゃんが、近付いて……)

ほむら「……目を瞑ってちょうだい」

まどか「!は、はい!」

まどか(う、うそ、まさかほむらちゃんから……!?
    も、もしかしてほむらちゃんも、わたしとキスしたかったのかな……。
    そ、そうだよ、だって、ほむらちゃんの家に来てからおかしかったもん!
    あんな、空き巣に注意とか、アニサキスとか、わざわざあんな言葉を出してくるなんて変だもん!
    お料理だって、シチューとかキスとか……それに最後の熱の計り方だって……。
    う、うん、きっとそうだ!ほむらちゃんも、わたしとキスしたかっ……)

ほむら「はい、取れたわ」

まどか「……え……?」

ほむら「顔にゴミが付いてたから。それじゃ、気をつけて帰ってね、まどか」

ほむら「はい、取れたわ」

まどか「……え……?」

ほむら「顔に眼が付いてたから。それじゃ、気をつけて帰ってね、まどか」

まどか「…………」

ほむら「まどか?」

まどか「……してくれないの……?」

ほむら「え?」

まどか「キス……してくれないの……?」

ほむら「……え?」

まどか「…………」

ほむら(え、なに、なんて?キス?
    あぁ、わかったわ。お魚ね。キスね。キスがまだ欲しいのね)

ほむら「ごめんなさい、まどか。キスはさっきので、もうなくな、ちゃっ……て……」

まどか「…………」

ほむら(え、何その顔は。そんな目を潤ませてまでお魚が欲しいの?
    もう、まどかってば意外に食いしん坊なのね)

ほむら(……何を考えてるの私は。そんなはず、ないじゃない。
    いつまでもごまかすのはやめなさい。まどかの言ってるキスというのは……つまり……)

ほむら「あ、あの、え、えっと、その……ま、まどか、一回、落ち着いて……」

ほむら(そうか、今思い返すと……そういうことだったんだ。
    私はただ単にまどかと友達として、今日1日遊びまわったつもりだったけど、
    まどかはそうじゃなくて……この子はずっと……)

まどか「……ほむらちゃんは、わたしのこと、好きじゃないの……?」

ほむら「っ……!」

まどか「わ、わたしは、ほむらちゃんのこと、す、好き、だよ……?だ、だから……」

ほむら「ごっ……ごめんなさい、まどか!1日だけ、考えさせて!」

まどか「え……?」

ほむら「あ、明日返事するから!ごめんなさい!さよなら!」

まどか「あ、ほむらちゃん……!」

夜、まどか家

まどか「ぐすっ……ひぐっ……ママの馬鹿ぁ……」

詢子「わ、悪かったってまどかぁ……。まさかキスを拒まれるなんてさぁ……」

まどか「ほむらちゃんに嫌われちゃったよぉ!
    キスのことばっかり考えるいやらしい子だって思われちゃったよぉ!」

詢子「ま、まだ嫌われたって決まったわけじゃないだろ?
   明日返事もらえるんだろ?諦めるには早いって!」

まどか「えぐっ……で、でもぉ……」

詢子「きっと、ほむらちゃんもすごく恥ずかしがり屋なんだよ。
   だから気持ちの整理がついてないだって。嫌われてなんかいないさ!」

まどか「ぐすっ……ほ、本当?」

詢子「だから、明日はどーんと構えて返事を聞きに行きな!
   あ、で、でも一応、覚悟というか、心の準備はして行くんだよ?」

まどか「ま……ママの馬鹿ぁああ!」

ほむホーム

ほむら(まさか、まどかがそういう感情を私に抱いていたなんて……)

QB「やぁ、どうしたんだい。そんなに思い悩んだ顔をして」

ほむら「キュゥべえ!そうよ、元はと言えばあなたがあんなこと言うから……!」

QB「ちょっ……なんのことだい、わけがわからないよ」

ほむら(っ……いけない、これじゃあ八つ当たりだわ。
    確かにキュゥべえのアドバイスが原因ではあるけど、あんな“告白”をすればどうなるか、
    そこに思い至らなかった私の常識の無さが悪いのよね……)

ほむら「……ごめんなさい」

QB「やれやれ……それで、何がどうしたって言うんだい?説明してくれないかな」




QB「なるほどね。君の友情を恋愛感情と勘違いしたまどかがその気になってしまったと」

ほむら「勘違いされるだけなら良かったんだけど……。
    まどかが私に恋愛感情を抱いているというのが……」

QB「良いことじゃないか。君たち人類は、他人の愛情を欲するのは自然なことだろう?」

ほむら「それはそうだけど、女の子同士だなんて……」

QB「君たちの歴史を見れば、同性同士の恋愛も決して珍しいことじゃない。
  今君が問題にすべきは、相手の性別ではなく、相手が誰であるかじゃないのかな」

ほむら「相手が、誰であるか……?」

QB「例えば君は、相手が男性であればどんな相手であっても交際できるかい?」

ほむら「そんなはずないじゃない。私だって、相手を選ぶわ」

QB「なら、まどかだったらどうだい?
  “同性と交際するかどうか”ではなく、“鹿目まどかと交際するかどうか”。
  それを考える方が感情のある君たちらしいじゃないか」

ほむら「……!」

QB「もっとも、子孫の反映を考えるのなら同性同士で結ばれたところで
  何の意味もなさないから、僕が同じ立場なら考えるまでもなく異性を選ぶけどね」

ほむら「……よく考えてみるわ」

QB「そうだね、よく考えると良いよ。感情があると大変だね」

翌日

ほむら「……まどか」

まどか「…………」

ほむら「……ごめんなさい。私のせいで、まどかを傷つけてしまって、本当にごめんなさい……」

まどか「……ほむら、ちゃん……」

ほむら「あれから、よく考えたの……。昨日の、返事をするわね」

まどか「っ……」

ほむら「……目を、瞑ってちょうだい、まどか」

まどか「!う、うん!」

  
  
  おしまい

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ

両想いのラブラブまどほむは他のSSで飽きるほど見れるから良いかなと思って

2.

まどか「……ごめんね、ほむらちゃん」

ほむら「え……」

まどか「昨日一晩考えたんだけど……
    やっぱりわたし、ほむらちゃんのこと、そんな風には見れない……」

ほむら「じ、じゃあ今まで、仲良くしてくれてたのは……?」

まどか「えっ……だ、だってあれは、そういうのとは違うっていうか……」

ほむら「そ、んな……」

ほむら(それじゃあ、今までは仲が良いフリをしていただけ……?
    ……そうか……。まどかは優しいから、友達が少ない私のために……。
    友達だと思ってたのは……私だけだったんだ……)

まどか「ごめんなさい……」

ほむら「……そう……わかったわ。こちらこそごめんなさい、変なことを言って」

まどか「あ、ううん。変なことだなんて、そんな……」

ほむら「それじゃ……私はもう行くわね。さようなら……。
    もう……無理に仲良くする必要はないわ。今までありがとう、鹿目さん」

まどか「え……ほ、ほむら、ちゃん……?」

夜、まどか宅

まどか「ママ……」

詢子「まどか……。どうした、夕飯もろくに食べないで。パパもたつやも心配してたぞ?」

まどか「っ……ママぁ……。わたし、ぐすっ……どうしたら良いのかな……。
    どうしたら、良かったのかな……」

詢子「……ほむらちゃんのことか?何があったんだ?」

まどか「ひぐっ……えぐっ……」

詢子「泣いてちゃわかんないだろ?ゆっくりで良いから、話してみな」

まどか「ぅ……うん……」




詢子「……そうか。断ったら、急によそよそしく……」

まどか「やっぱり、断っちゃ駄目だったのかな……?
    わたし、間違っちゃったのかな……?
    ほむらちゃんと友達じゃなくなるの、いやだよぉ……!」

詢子「まどか……。大丈夫さ、安心しな。
   きっとほむらちゃんだって、まどかのことを嫌いになったわけじゃないさ。
   ただ、ちょっと気まずくなっちゃっただけだよ。失恋直後ってのは、そういうもんさ」

まどか「ほ、ほんと……?」

詢子「あぁ。だって、ほむらちゃんは告白するくらい
   心の底からあんたのことが好きだったんだから。
   そんな振られたくらいで、嫌いになったりするもんか」

まどか「じ、じゃあ、わたしはどうしたら……」

詢子「んー……まぁ、ほむらちゃんの心の整理がつくまでは、
    そっとしておいた方が良いんじゃないのかなぁ」

まどか「……うん……。わかった。ありがとう、ママ」

詢子「しばらくちょっと辛いかもしれないけど、頑張るんだよ」

まどか「うん……」

学校

さやか「ねぇ、まどか。あんた、ほむらとケンカでもしちゃったの?」

仁美「今日1日、口をきくどころか目も合わせようとしていませんわ……」

まどか「あ、うん……。ちょっと……」

さやか「あたしたちで良ければ相談乗るよ?
    あんだけ仲良かった2人がこんな状況なの、あたしたちもやっぱ嫌だし……」

まどか「う、ううん。大丈夫だよ。きっとすぐに仲直りできるから、心配しないで!」

仁美「そう、ですか……。もし話したいことがあれば、いつでも言ってくださいね」

まどか「うん……ありがとう」

数日後、放課後

さやか「……ほむら……」

ほむら「さやか……。どうしたの、何か用?」

さやか「あのさ……今日も一緒に帰んないの?」

ほむら「……だって、鹿目さんも一緒でしょう?」

さやか「あんたね……いつまで続ける気なのよ、こんなの。
    何があったのか知らないけど、もうそろそろ元通りになっても良いんじゃない?
    それとも、まどかを嫌いになるよっぽどの理由があるわけ?」

ほむら「別に嫌いになってなんかいないわ」

さやか「だったらなんで……」

ほむら「ただ、鹿目さんは私と友達じゃない。それだけよ」

さやか「また、そんなわけ分かんないこと言って……!」

ほむら「今までは表面上、仲が良いフリをしていただけ。
    これ以上そんな関係を続けるのは嫌なの。
    だから、私と鹿目さんのことはもう放っておいてちょうだい」

さやか「っ……」

ほむら「それじゃ。またね、さやか」




まどか「あ、さやかちゃん。どこ行ってたの?」

さやか「え、っと……うん、ちょっとトイレにね。ごめんごめん。んじゃ、帰ろっか」

仁美「今日も……ほむらさんはご一緒できませんのね」

さやか「っ……」

仁美「まどかさん、やっぱりほむらさんとは、まだ……?」

まどか「うん……。で、でもきっと大丈夫だよ!
    もうちょっとしたら、またすぐみんなで仲良くお話したり寄り道したり、できるから!」

さやか「まどか……」

さやか(だめだ、あんなこと、まどかに言えるはずない……。
    まどかはこんなにほむらと仲直りしたがってるのに、
    ほむらの方は“まどかは友達なんかじゃない”だなんて……)




ほむら(……もうみんな、家に着いた頃ね。1人での下校はやっぱり……ちょっと退屈だわ)

ほむら「……はぁ……」

杏子「ん?あれ、ほむらじゃん」

マミ「どうしたの?なんだか元気がないみたいだけれど……」

ほむら「!杏子、それに巴さん……。心配いらないわ、ちょっと寝不足なだけだから」

マミ「そう?学校と魔女退治の両立は大変だと思うけど、無茶はしちゃ駄目よ?」

ほむら「えぇ、ありがとう」

杏子「ところで、今日はまどかと一緒じゃないのかい?」

ほむら「……どうして鹿目さんがここで出てくるのかしら」

杏子「あん?だってあんたら超仲良いじゃん。別に深い意味はないよ。
   ……ってあれ?“鹿目さん”?」

ほむら「別に仲良くなんてないわ」

マミ「もしかして……ケンカでもしてるの?」

杏子「えっ!あのまどかとほむらがケンカ!?はは、そんな馬鹿な……」

ほむら「ケンカなんてしてないわ。そもそも、私と鹿目さんは友達なんかじゃないもの」

杏子「……おいおい、こりゃ深刻だな」

マミ「暁美さん、もし良かったら相談に乗るわよ?
   どうしてそんな、鹿目さんとは友達じゃないなんて……」

まどか「……え……?」

杏子「ま、まどか!?」

マミ「……訊いてたの……?」

まどか「え、えっと……わたしと、ほむらちゃんが、友達じゃ、ないって……え……?」

ほむら「……どうしてあなたがここに?」

まどか「ぱ、パパに、お使い頼まれて……」

ほむら「…………」

まどか「ね、ねぇ、ほむらちゃん。さっきの……ど、どういう、ことかな……」

ほむら「どういうことも何も……そのままの意味よ」

まどか「うそ、だよね?どうして、そんな……」

ほむら「……だって、あなたがそう言ったんじゃない……」

まどか「えっ……」

ほむら「あなたが、私のことを拒絶したんじゃない……!」

まどか「ち、違うよ、わたしは……!」

ほむら「いい加減にしてよ!もうそんな優しさはいらないの!
    私の想いを受け入れられないのに、優しさだけで仲良くしようとなんてしないで!」

まどか「あっ……ほ、ほむらちゃん……!……ぅぇ……ぅえぇえええん……!」

杏子「ど、どういうことだおい……」

まどか「ひっく……ぐす……」

マミ「落ち着いた?」

まどか「は、はい……ごめんなさい……」

マミ「その……事情を、訊いても良い?暁美さんの言葉で、大体は察しが付いたけど、
   まだ確証を得られたわけじゃないから……」

まどか「え、えっと……」

杏子「さっきの会話、あたしには、ほむらがまどかに告白して振られたようにしか聞こえなかったが……」

まどか「っ……!」

マミ「……そうなのね」

まどか「……はい……」

杏子「へぇ……確かに仲が良いとは思ってたが、まさかそういう感情だったとはね」

マミ「同性同士の恋愛もあるとは知ってたけど、暁美さんがそうだったなんて……ちょっと意外ね」

まどか「……ぐすっ……」

杏子「しかし、振られたら急によそよそしくなるなんて、ほむららしくないって言うか……」

マミ「そうね……。大体、友達ですらなくなるなんて、そんなのおかしいわ。
   暁美さん、一体どうしちゃったのかしら……。
   もしかしたら、何か理由があるかも知れないわね」

まどか「……理由……?」

マミ「えぇ。……ねぇ鹿目さん。
  もし良かったら、私が機会を見つけて暁美さんと話してみようと思うんだけど」

まどか「えっ……」

マミ「事情を知っちゃったら、どうしても放ってはおけないもの。
  もちろん、鹿目さんが駄目だと言うなら何もしないつもりだけど……」

まどか「で、でも……」

杏子「んー。まぁマミに任せとけば良いんじゃないの?
   あの様子だと、どうせあいつまどかには何も話さないだろうしさ。
   それとも、何かあんたに解決策があるのかい?」

まどか「それは……。じ、じゃあ、その……お、お願い、しても良いですか……?」

マミ「えぇ、任せて!」




杏子「……で?どうやってあいつと話す機会を見つけるのさ」

マミ「それは……今から考えるわ」

杏子「ったく……。人助けはご立派だけど、ちっとは考えてから……ッ!」

マミ「!この反応……!」

杏子「あぁ、魔女だ。近いな……とりあえず、こいつを片付けよう。行くぞ、マミ!」

マミ「えぇ!」

結界内

杏子「……なぁ、マミ。この反応ってさ、もしかして」

マミ「でしょうね。既に魔女と戦ってる魔法少女が居るわ。しかもこの魔力パターンは……」

魔女「ケケケケケケ!」

ほむら「くっ……!」

杏子「やっぱりか!っていうかあいつ、様子が変だぞ!動きが鈍すぎる!」

マミ「まさか……!」

マミ「佐倉さん、暁美さんを援護するわよ!」

杏子「おう!」

ほむら「!あなたたち……!」

杏子「うぉりゃあああ!」

魔女「ギャア!」

杏子「マミ、今だ!」

マミ「任せて!ティロ・フィナーレ!」

魔女「ギャアアアアアアアアア……!」

マミ「危なかったわね、暁美さん」

ほむら「……そんなことはないわ。あんな魔女、私1人で……」

杏子「ふん、そんな状態のソウルジェムでよくそんなことが言えるぜ」

ほむら「っ!」

マミ「さっきの魔女のグリーフシードよ。使いなさい」

ほむら「……ごめんなさい。この借りは必ず返すわ」

マミ「だったら……今から、ウチに来ない?」

杏子「!」

マミ「ちょっとケーキを買いすぎちゃって、食べるのを手伝って欲しいの。
  それで借りはチャラってことで、ね」

ほむら「……わかったわ」

マミ宅

ほむら「それで……何を話すつもりかしら」

マミ「あら……ばれてた?」

ほむら「気付かない方がおかしいわ。夕方に、あんなことがあったばかりだもの」

杏子「それじゃあ、遠慮はいらないね」

マミ「……鹿目さんから、話は全部聞いたわ」

ほむら「…………」

マミ「暁美さん、あなたはどうして鹿目さんと距離を置こうとしてるの?」

ほむら「……それが、私たちの本来あるべき姿だからよ」

マミ「確かに、鹿目さんはあなたの気持ちを受け入れなかったかもしれない。
   でも、だからって距離を置くことはないと思うな。
   鹿目さんは、以前のあなたとの関係を大切にしたいと思ってるのよ」

ほむら「以前の、私との関係……?」

ほむら(ただの同情で仲が良いフリをする関係を、大切にするですって……?
    そんなうわべだけの関係を守って、どうするというの……!?)

ほむら「……そんな関係、いらないわ。
    私が欲しいのは、そんな浅はかな関係じゃない。もっと親密な、深い関係なの」

杏子(うわあ、はっきり言うなぁ)

マミ「浅はかな関係……本当にそう思ってるの?」

ほむら「えぇ。その通りじゃない。そんな関係を続けるくらいなら、断ち切った方がマシよ……」

マミ「……確かに、あなたが求めている関係よりは親密でないかもしれない。
   でも、それも大切な繋がりよ!かけがえのない大切なものよ!」

ほむら「あんなものがかけがえのない大切な繋がりですって?
    どれだけあなたに友達が居なかったか分かるわね……!」

杏子(い、言っちまった!)

マミ「今はそのことは関係ないでしょう!?」

ほむら「どうせあなたは、そんな希薄で浅薄な関係にすがって生きてきたんでしょう!」

マミ「な、な……」

ほむら「本当の心と心の繋がりも知らずに!そんなもので満足だなんて、幸せな人生ね、羨ましいわ!」

杏子(やべぇ、やべぇよ……)

ほむら「でも私はそんなものじゃ満足できないの!あなたみたいな幸せな頭はしてないのよ!」

杏子「お、おいほむら。そのくらいにしとけって……マミの奴、泣いちまってるじゃねぇか」

マミ「ひぐっ……ぇうっ……」

ほむら「……とにかく。私はまどかと本当の友達になりたかったの。
    うわべだけ仲良くする関係なんて絶対に嫌」

杏子「え?」

マミ「え?」

ほむら「……何よ。何かおかしなことを言ったかしら」

杏子「なぁ、ほむら。あたしの聞き間違いかもしれないから、もう一回言ってくれ。
   あんたは、まどかの何になりたいって?」

ほむら「友達よ」

マミ「恋人じゃなくて?」

ほむら「?何を言ってるの?そんなはずないじゃない」

杏子「どういうことだおい……」

マミ「わ、私たちは鹿目さんに、あなたに告白された、って訊いたんだけど……」

ほむら「えぇ、したわ」

杏子「……なんて言って?」

ほむら「どうしてそんなことまで答えないといけないのよ」

杏子「良いから!」

ほむら「……確か、“今まで言ってなかったけど、あなたのことが好き”って」

マミ「それは……友達として?友情という意味で?」

ほむら「当たり前じゃない。それ以外に何があるの?」

杏子「……だ、駄目だこいつ……」

ほむら「……?」

マミ「あのね、暁美さん……。鹿目さんはね、あなたから愛の告白を受けたと思ったのよ。
   恋人になって欲しいって、そう言われたんだと思ったの」

ほむら「え?」

杏子「普通そう思うって……。あんな状況でそんな台詞言われたらさ。あたしでも分かるっての」

マミ「あなたから愛の告白を受けたと思ったから鹿目さんは、
  そういう風には見れない、あなたとは恋人にはなれない、って返事をしたんだけど……」

ほむら「………………あ」

まどかの部屋

まどか「……ぐすっ……ほむらちゃん……」

知久「まどか、ちょっと良いかい?」

まどか「!な、なに、パパ……」

知久「お客さんだよ。ほむらちゃんだ」

まどか「えっ……!」

ほむら「…………」

まどか「ほ、ほむらちゃん……!」

ほむら「!」

まどか「え、えっと……ど、どうした、の……?」

ほむら「……ま、まどかぁあああ!!」

まどか「わっ!ほ、ほむらちゃん!?」

ほむら「ごめんなさい、ごめんなさぁああい!本当にごめんなさぁあああい!!」

まどか「え、えっ?」

ほむら「わ、私、わたし……まどかと、友達になりたいの……!」

まどか「!ほむらちゃん……!」

ほむら「と、友達になってくれますか……!?これからも、仲良くしてくれますか……!?」

まどか「もっ……もちろんだよぉ……!」

ほむら「っ……まどかぁ、まどかぁああ……!」

まどか「ぅっ……ほ、ほむらちゃぁあああん……!」

ほむら「まどかぁ、大好き、大好きぃ!」

まどか「わたしも大好き、ほむらちゃん、大好きだよぉ!」




まどか「……というわけで、無事仲直りできましたー」

さやか「いやー、良かった良かった!一件落着だね!」

ほむら「本当に迷惑をかけたわ、ごめんなさい」

杏子「ったく……世話やけるよな、ほんと」

マミ「……私、なんで泣かされたのかしら」

杏子「お、おい。気にすんなって。確かにあんたは友達が少なかったが……今はほら、あ、あたしが居るじゃん?」

マミ「!……佐倉さん……」

杏子「マミ……」

さやか「あ、あれ?なんかあたしだけあぶれてない?
    ふ……ふーんだ!良いもん!今度恭介とご飯食べる約束したし!
    あたしのために作った曲弾いてくれるって言ってたし!」



  おしまい

茶番だった

付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ

>>264
そらそうよ
そのつもりで書いたんだもの

さやか「……ねぇ、仁美」

仁美「なんですの?」

さやか「最近さ、思うのよね……。本当はあんたが正しかったんじゃないかって」

仁美「うふふっ……。だから、最初からそう言ってるではありませんか。
   まどかさんとほむらさんは、結ばれているんだって」



ほむら「ねぇ、まどか」

まどか「なぁに、ほむらちゃん」

ほむら「ふふっ……呼んでみただけ」

まどか「もぉー、ほむらちゃんってば!……ほむらちゃん」

ほむら「なぁに、まどか」

まどか「えへへっ、呼んでみただけー」

ほむら「もう、まどかってば」

さやか「あのさ、あんたたち……」

まどか「あ、さやかちゃん」

ほむら「何かしら」

さやか「いやさ、良いんだよ?あたしだって、そういうのに理解はあるつもりだし、
    別におかしいとか変だとか言うつもりはないけどさ……もうちょっとなんとかなんないの?」

まどか「なんとか?」

さやか「いやだから、もうちょっと人目を気にするというか……」

ほむら「仕方ないじゃない。ここにまどかが居るんだから。ね、まどか」

まどか「えへへ……」

さやか「駄目だこいつら」

仁美「あぁ、良いですわ、素晴らしいですわぁ……」

まどか宅

詢子「まどか、ほむらちゃんとは上手くいってるか?……って、訊くまでもないか」

まどか「えへへっ、もちろんだよぉ!わたしとほむらちゃんは、ラブラブカップルだもん!」

詢子「ははっ、そりゃ良かった」

まどか「あ、そうだママ。ちょっと訊いても良い?」

詢子「んー?なんだい?」

まどか「前ママが言ってた、キス以上のことって何なのかなって」

詢子「え、えぇ~?そ、そんなこと、言ったっけかぁ~?」

まどか「もう、ごまかさないでよぉ」

詢子「うっ……」

まどか「ほむらちゃんと恋人になってから、何回か、その……キスも、したし、
    だから、そろそろキス以上のことも、した方が良いかな、って」

詢子「いっ、いやぁ~、どうかなぁ?さすがにちょーっとまどかには早いような……」

まどか「そうなの?だったら、どういうことをするのかだけでも……」

詢子「あっ、そ、そうだ!あたし、明日朝早いんだった!」

まどか「へっ?」

詢子「それじゃ、まどか!そういうことでおやすみ!まどかも早く寝るんだよ!」

まどか「もう、ママってば……」

まどか(どうして教えてくれないんだろ?
    “まどかにはちょっと早い”って言ってたし、やっぱりまだ子どもだと思われてるのかなぁ……。
    でも、もうわたしだって大人だもん!ステキな恋人だって居るし、き、キスだってしちゃったし!)

まどか「あ……そうだ!ほむらちゃん!」

まどか(うん、ほむらちゃんに教えてもらおう!
    ほむらちゃん大人っぽいし、きっとキス以上のことも知ってるはず!
    明日の放課後、ほむらちゃんに訊いてみよっと!)

翌日、放課後

まどか「ねぇ、ほむらちゃん」

ほむら「なぁに、まどか」

まどか「あのね、わたしほむらちゃんに訊きたいことが……」

和子「暁美さん、ちょっと良いですか?」

ほむら「!ごめんなさい、まどか。また後でも大丈夫?急ぎの用事?」

まどか「あ、ううん。大丈夫だよ」

さやか「まどか、ほむらー!帰るよー!」

まどか「あっ、さやかちゃん」

ほむら「……待たせるのも悪いし、先に帰ってて良いわ」

まどか「え、でも……」

ほむら「そうだわ、これを渡しておくわね」

まどか「!これ、ほむらちゃんのお家の……」

ほむら「えぇ。何か話しがあるんでしょう?先に私の家に行って、待ってて。
    学校で待つよりは、家の方が少しは良いかと思って」

まどか「う、うん!それじゃ、先に行って待ってるね!」

帰り道

仁美「あら、まどかさん、それはもしかして……」

まどか「うん、ほむらちゃんのお家の鍵だよ!」

さやか「鍵まで預けるとは……いよいよラブラブだね、ははっ」

まどか「えへへ……。でもいつもじゃないんだよ?
    今日は用事があるからなんだ。ちょっとほむらちゃんに教えて欲しいことがあって」

さやか「教えて欲しいこと?勉強でも見てもらうの?」

まどか「ううん。キス以上のこと、教えてもらうんだ!えへへっ」

仁美「!?」

さやか「ぶーーーーーーーッ!?」

まどか「わっ、さやかちゃん!?」

さやか「な、なっ……き、キス以上のことぉおおお!?」

仁美「す……ステキですわぁ!まどかさん、ほむらさんともうそこまで進んでましたのね……!」

さやか「ま、まどか!き、キス以上って、あんた何言ってるか分かってんの!?」

まどか「へっ?だから、わたし何も知らないから、ほむらちゃんに色々教えてもらおうと……」

さやか「いや、そりゃまどかに経験あったらショック死どころの騒ぎじゃないけど……。
    で、でも教えてもらうって……マジでか……」

仁美「さやかさん……まどかさんに、先を越されましたね」

さやか「くっ……!」

まどか「?」

まどか「さやかちゃんは、キス以上のこと知ってるの?上条くんとキス以上のことしたの?」

さやか「ウェッ!?あ、あたしは、あの、その……」

まどか「もしかして、知らないの?わたしとほむらちゃんより、ずっと長く付き合ってるのに……」

まどか(うーん、やっぱりキス以上のことって、もっともっと長く付き合ってなきゃしないものなのかな?)

さやか「ち、ち……ちくしょぉおおおう!!」

まどか「あっ、さやかちゃん!」

仁美「ふふっ……青春ですわね」

まどか「?」

仁美「私も失礼しますわね。それではまどかさん、ほむらさんとごゆっくり。うふふふ」

まどか「あ、うん。バイバイ、仁美ちゃん!」

ほむホーム

ほむら「ただいま」

まどか「あ、お帰りなさい、ほむらちゃん!」

まどか(!なんだか今の、結婚してるみたいだった!)

まどか「えへへ……」

ほむら「ごめんなさい、待ったかしら」

まどか「あ、ううん!全然!」

ほむら「それで、私に訊きたいことって?」

まどか「あ、えっとね……。ほむらちゃん、わたしに、キス以上のことを教えてくれないかな!」

ほむら「……え?」

ほむら「キス、以上……?」

まどか「ほら、わたしたち、恋人同士になってからしばらく経つし……。
    もう、き、キスも何回かしてるでしょ?
    だから、キス以上のことを、そろそろしても良いんじゃないかな、って」

ほむら「え、えぇ、そうね」

まどか「わたしは何も分かんないけど、大人なほむらちゃんならきっと色々教えてくれると思って!
    だからほむらちゃん、わたしにキス以上のことを教えて!」

ほむら(き……キス以上のことって、何かしら……)

ほむら(どうしよう、キス以上のことなんて……。
    長くキスをするとか、何回もキスをするとか、そういうことしか思い浮かばないわ。
    でもきっと、そうじゃないのよね……)

ほむら「あ、あのね、まどか。実は私……」

まどか「…………」

ほむら(!だめ、こんな期待に満ちた表情のまどかを裏切るなんて出来ない!なんとかして……そうだわ!)

ほむら「その……まず、着替えさせてもらっても良いかしら?急いで帰ってきたから、少し汗をかいてしまって」

まどか「あ、そっか。うん、わかった。じゃあ待ってるね」

ほむら(よし、別室に行ってるこの隙に……!)

ほむら(パソコンを起動させて……“キス以上”っと……)

ほむら「……え?」

ほむら(え、えっ……えぇ!?そ、そんな……!き、キス以上って、こんなっ……!?
    ま、まどかは、こういうことを、私と、したいの……!?
    確かにあの言い方は、“こういうことをしたことがないから、レクチャーして欲しい”
    というような言い方だったけど……。で、でも私だって、こんなの……)

まどか「ほむらちゃーん?大丈夫ー?」

ほむら「ッ!え、えぇ、大丈夫、すぐ行くわ!」

ほむら(いけない、あまり時間がかかるとまどかに怪しまれてしまう……!もう行かなきゃ……!)

ほむら「お……遅くなって、ごめんなさい」

まどか「ううん、気にしないで」

ほむら「え、えっと……まどか。き、キス以上の、ことなんだけど……」

まどか「!」

ほむら「ほ……本当に、教えて欲しいの?」

まどか「うん!ママにはまだ早いって言われたけど、もうわたしも立派な大人なんだし、
    やっぱりキス以上のことも、知らないといけないなって」

ほむら(!詢子さんに、教えてもらったんだ……。
    じゃあやっぱりまどかは、キス以上のことが何なのか分かってて……)

ほむら「ね、ねぇまどか。その……やっぱり、私たちにはそういうのは早いと思うの」

まどか「えっ……」

ほむら「だ、だから、ね?この話はもう……」

まどか「……ほむらちゃんも、わたしを子ども扱いするの……?」

ほむら「い、いえ、そういうわけじゃ……」

まどか「わたしだって、もう大人だよ……。だから、お願い、ほむらちゃん……。
    わたしに、キス以上のこと、教えて……」

ほむら「っ……」

ほむら「……本当に、良いの……わ、私なんかで、本当に……?」

まどか「当たり前だよ……ほむらちゃんだからだよ!」

ほむら「わ……わかったわ。それじゃあ、お、教えてあげるわね……」

まどか「ん……」

まどか(わっ、き、キス?あ、そっか。キス以上のことをするには、まずはキスから……)

ほむら「…………」

まどか「っ!?」

まどか(えっ……!?ほ、ほむらちゃんの、べ、ベロが、わたしの口の中に……!?)

まどか「ぷぁ……ほ、ほむぁ、ちゃん……?」

ほむら「…………」

まどか「えっ……?」

まどか(こ、今度は、首筋……!?)

まどか「やっ、ほ、ほむらちゃ……」

ほむら「……服、脱がせるわね」

まどか「っ……!?え、えっ……!?」

まどか(や、やだっ、ほむらちゃんに、下着が見えちゃ……)

まどか「ま、待ってぇ!恥ずかしいよぉ!」

ほむら「え?」

まどか「ほ、ほむらちゃん、どうしてこんなこと……」

ほむら「ど、どうしてって……あなたが言ったんじゃない。キス以上のこと、教えてって」

まどか「え……!」

まどか(き、キス以上のことって……え、え、エッチなことだったの……!?)

ほむら「……続けても、良いかしら……」

まどか「っ……!ぇうっ……ま、待ってぇ……ひぐっ……」

ほむら「……!」

まどか「わ、わた、し……えぐっ……知らな、くて……き、キス以上のことが、
    こ、こういうの、だって……し、知らなくて……」

ほむら「……やっぱり、そういうことだと思ったわ」

まどか「ご、ごめんなさぃ……ごめんなさい……」

ほむら「良いの……謝らないで」

まどか「ぐすっ……ほむらちゃん……」

ほむら「むしろ、謝るのは私の方よ……。ごめんなさい、怖い思いをさせてしまって」

ほむら「……ボタン、かけ直すわね」

まどか「……ほむらちゃん……」

ほむら「本当に、ごめんなさい。もし、今回のことで……私のことが嫌いになったのだとしたら……」

まどか「えっ……」

ほむら「そうなったら……もう別れ……」

まどか「ち、違うの、ほむらちゃん!き、嫌いになんて、なるわけないよ!」

ほむら「まどか……」

まどか「た、ただちょっと、心の準備が出来てなかったっていうか……。
    だ、大体、ほむらちゃんに無理言ったの、わたしの方なんだし……。
    だから、そんな、別れるなんて、言っちゃやだよぉ……」

ほむら「……本当……?許して、くれるの……?」

まどか「許すも何も、ほむらちゃんは何も悪くないよ……!」

ほむら「よ……良かったぁ……まどかぁあ……」

まどか「えへへ……。やっぱり、キス以上のことは、わたしにはまだ、早かったみたい」

ほむら「ぐすっ……ふふっ。そうね、私にだって、まだ早いわ」

まどか「だから、その……わたしが、本当に大人になったら、
    その時は、今度こそ……よ、よろしくお願いします……」

ほむら「こ……こちらこそ、よろしくお願いします」



   おしまい

今度こそ終わりやで
付き合ってくれた人ありがとう、お疲れ

エロは同人誌で飽きるほど見れるからね

エロはね、苦手なの
書いてる途中で死にたくなるから

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