妹「ほら!ツリーに飾りをつけてみたよ!」
兄「あぁ……」
妹「ほらほら!ケーキも買ってあるよ!お砂糖のサンタさんがちょこんと座ってるよ!」
兄「あぁ……」
妹「こっちにはチキンがあるよ!皮にタレがついてテカテカしてるよ!」
兄「あぁ……」
妹「じゅ、ジュースもあるよ!とっても高い紙パックのみかんジュース!」
兄「あぁ……」
妹「ほ、ほら……この紙に欲しいものを書いて素敵な靴下を吊るしておけば」
「きっと朝にはサンタさんが欲しいものをくれるよ……」
兄「……」カキカキ
『ともだちほしぃ』
妹「……お、お兄ちゃん」
兄「もう兄妹でクリスマスを過ごすのは飽きたよ……」
妹「兄妹仲良くっていい事じゃない……」グスン
兄「消去法で仲良いのって、辛いな」
妹「やめて!」
兄「世界はどうしてぼくをおいつめるのか」シクシク
妹「こんな思いをするのなら花や木に生まれたかった」ぶわっ
兄「ねよう……クリスマスは中止だ。目が覚めたらきっと地球に隕石が落ちているはずだ」
妹「駄目だよ!朝起きて、用意したクリスマスの残骸を見たらもっと辛くなるよ!」
兄「少なくともクリスマスソングを聴きながら食べるよりはずっといい……」
妹「お兄ちゃん!駄目だよそういって閉じこもったら余計に地獄だよ!」
「お兄ちゃんには可愛い妹がいるじゃない!」
兄「俺そっくりの友達がいない妹がな……」
妹「いるよ!友達いるよ!ただ今日はカゼをひいてて誰も誘ってくれなかっただけだよ!」
兄「お兄ちゃんにも観測出来ない友達はいっぱいいるよ……」
妹「いるよ!いるもん……今日はたまたまいないだけだもん……」
兄「……」
兄「……」カキカキ
『友達』
妹「……友達欲しいなぁ」
兄「空から女の子の友達が降ってこないかな……」
妹「そんな子いたら眩しすぎて地の底を這うもぐらの私たちは目がつぶれちゃうよ」
兄「そうだな……もぐらはもぐららしく地上のいきものを呪いながら」
「クリスマスを祝おうか」
妹「ほら、女の子がキャッキャウフフしてるかわいいアニメ見ようよ……」
(あぁ友達のいる奴死ねばいいのに)
兄「あぁ……お前のために男の子がキャッキャウフフしてるアニメも録画しておいたよ……」
(なーにがクリスマスだよ糞袋共が。頭の悪いイベントに踊らされやがって)
妹「わぁーありがとー……さすがは私のおにいちゃんだよー……」
(なにが彼氏がーだよ!クン○されてろおらー!)
兄「ははは……欲しいって言ってたイケメンボイスCDも買っておいたぞー……」
(クリスマスにセッ○スした奴みんなゾンビになんねえかな)
妹「わぁー……おにいちゃんだいすきー……わぁー……」
(キリ○○ファック!キ○○○ファック!!)
妹「……って駄目だよー!こんな現実逃避スキルを磨いていたら」
「その内レベルがカンストして練炭まっしぐらだよー!」
兄「おにいちゃんおまえのために、もう練炭よういしてあるよー……」
「さぁらぴゅーた島まで飛んでいこう……」
妹「滅びの呪文を唱えるのはまだはやいよー!お兄ちゃん戻ってきて!」
兄「これがクリスマスだって?今日は命日だよ、俺とお前の……」
「心が死んでるのに体だけ生きてるなんて滑稽さ!」
「どんなに美味しそうなケーキがあっても、慰めてくれる家族がいても……」
「友達がいなくちゃ生きられないんだよ!」くわっ
兄「ううぅ」カキカキ
『お願いです友達を下さい後生です』
妹「お兄ちゃん……」
「そ、そうだ!サンタさんにホントにお願いしよう!」
「友達が出来ますようにって!」
「そしてもしかしたら朝にはくつしたにゴールデンメタルスライムが入ってて」
「友達になってくれるかも……」
兄「むなしい……もうなにもかもむなしい……」
妹「そうだ!わたしと兄妹やめてお友達になろう!」
「そしたらきっと楽しく過ごせるよ!」
兄「そうかな……」
妹「そうだよ!ほら、お、男くーん……けぇきたべよぉ?」にこっ
兄「え、あ、ちょ、う、あー、けぇ、けきき、たべべられ、ます」
妹「え」
兄「駄目だ他人だって意識したら急にパニックになってしまった……」
妹「これはもうだめだかもわからんね」
兄「やっぱり死のう。生まれ変わったらミドリムシになりたい」
「葉緑体?オオカナダモ?ハッ。っていうこのスタンス」
妹「だめー!お兄ちゃんが死んだらわたしがガチぼっちになっちゃうでしょ!」
「可愛い妹のために生きて!」
兄「大丈夫さ、お前は俺がいなくとも生きていけるよ」
「俺が死んだら遺灰を海に撒いてくれ」
妹「そんな純愛ドラマみたいな展開だめー!」
「あっそうだ友達がいないならつくればいいじゃない!」
兄「おいおい人体練成か」
妹「じゃーん!今話題の人工音声ソフトーーク!ダウンロードしてみたよ」
兄「それがどうしたんだ……」
妹「ほらテキストボックスにこうやってぽちぽち文字を打って……」カタカタカタターン!
妹「『再生』をクリック!するとぉ~っ!」
『男くん、ぼくとともだちになってよ!』
妹「ほお~~ら、友達が寄ってきたァ~~」
兄「……」
妹「そして妹ちゃん特製!よくわからないぱくぱく人形を使うとぉ~~?」
ぱくぱく人形『男くん!ぼくと体育の時間二人組みをつくってよ!』ぱくぱく
兄「……意外とアリだな。もっと喋らせてくれ」
ぱく人形『男くんはどんなマンガがすきなの?』ぱくぱく
兄「おぉ、おぉ~!!もっとだ!もっとくれ!」
妹「はいはい」カタカタ
(思ったよりも病んでるな……)
ぱっくん『へぇ!ああいうアニメ好きなんだ!実は僕も最近見てはまっちゃってるんだよねー』
『良かったらいいの教えてくれない?』ぱくぱく
兄「うんうん!」
妹「……」カタカタ
ぱっくん『男くんと話してるとほんとに楽しいよ』
『そういえば、この前勧めてくれたアニメなんだけどね』ぱくぱく
兄「あぁ!良かったろ!癒されたろ!」キラキラ
妹「……」カタカタ
(しかし機械で友達を作るなんてかわいそうだね……)
十五分後
ぱっくん「あぁわかるわかる!あれは本当にスゴイよね!」
「あれわかんない人は本当に損してるよねー!」ぱくぱく
兄「そう!そうなんだよ!本当スゴイんだよ!」
妹「あのね、お兄ちゃん。わたしそろそろ手がつかれてきたんだけど……」
兄「うるさい!いま友達とはなしてるんだ!お前は黙ってろ!」
妹「……チッ」イラッ
妹「……」カタカタ
ぱっくん「ところで男くんって普段どんなシャンプー使ってるの?」
兄「シャンプー?いやなんだったかな……どうしてそんな事きくんだ?」
ぱっくん「いや、なんていうかさちょっと鼻にくるっていうか……」
「ぶっちゃけ臭いんだよね。洗ってない犬の臭いがするよ」
兄「え、あ、ちょ、う、あー、にお、にに臭いなんて、そんあ普通じゃかよ」
ぱっくん「しかも口からはドブ川の臭いがするし……」
「はっきりいって近寄らないで欲しいんだよね」
「口を利いて友達に噂とかされるといやだし……」
兄「え!?あっいや、おれた……」
ぱっくん「え、なに?折れた?なにが折れたの?」
兄「ともだ、ともだだだだ」
ぱっくん「はっきり喋れよきもちわりいなぁ」
兄「あれ?おかしいな?さっきまであれぇ?」
「あっ!そうだこれ人形で……」
兄「おまえ!兄に向かってなんて口の利き方だ!」
妹「お兄ちゃんはっきりいってこっちのセリフだよ……」
兄「ん?……………あっごめん」
妹「正直お兄ちゃんにうるさいって言われたのすごくショックだったよわたし……」
兄「いやごめん、あーほら今度なにか買ってやるからさ……」
妹「あっほんと?ならいいけど」にっこり
兄「いや、しかしびっくりしたよ」
妹「びっくりしたのはこっちのほうだよ」
「てっきり私はマジッ○マッシュルームでもやってるのかと思ったよ」
兄「いやーははは、なんか思ってより夢中になっちゃったよ」
妹「やっぱり無理に友達つくろうとするんじゃなく、今を楽しんで生きる事が大事だよ」
「友達作りはまた来年考えるとして、今日はほら!一緒にケーキたべよ!」
兄「うーんそうかなぁそういわれるとそういう気もしてきた……」
妹「みなさんは今年のクリスマスはどうでしたか?」
「セックスをした人もしていない人も妹とセックスした人もメリークリスマス!」
おわり
おわりです
最後のセリフはわれらがちょぼらうにょぽみ先生のマンガから
俺も秘密童貞クラブにはいりてえなぁ
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