千歌音「貴方が好きなの」 (1)

貴女の瞳が好き。春の銀河のように煌めく瞳が好き。春の陽射しのような優しい眼差しが好き 。貴女の髪が好き。そよ風に閃くシルクのようなサラサラの髪が好き。貴女の口唇が好き。蜜のような口付けをくれる、切ない吐息を聴かせてくれる口唇が好き。
貴女の声が好き。 高くて甘い、心に染み込む、澄み切った声が好き。貴女の身体が好き。抱き締めると折れてしまいそうな華奢な腰が、薄くてでも形のよい胸が、重ねた肌から伝わってくる温もりが好き。
でも一番好きなのは貴女の心。脆くて傷付きやすい、でもどこまでも純粋で美しい、決して誰も責めたりしない、全てを許す優しさに満ちた魂が。
好きよ。大好き。貴女の全てが愛おしくて堪らないの。姫子、貴女以外のものなんかもう何もいらない。ただ貴女だけが欲しいの。貴女と私、二人だけの永遠の夜が。なのに世界には余計なものばかり。私達の間に図々しく割って入ってくる。
邪魔者ばかりだから、
だから消すの。
全部ね。

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