この物語は謎ののあ破面を巡る二人のCG関係者の数奇な運命を辿る冒険の記録ではない。
モバP「いきなりどうした?」
みく「うん、いや、そろそろ限界かと思ってね。此処でPチャンのお手伝いしている時間の方が多いし」カタカタ
みく「アイドルとしては落ち目だよねぇ、ってさ」ターンッ
モバP「……」
みく「慰めてくれないの?」
モバP「……そんなことはない」
みく「言うと思った」
モバP「ごめん」
みく「なんでPチャンが謝るのさ」
モバP「やっぱり俺がお前の担当プロデューサーだからなぁ……俺の力不足だ、本当に、ごめん……」ペコッ
みく「……言うと思ったよ。ごめんね、みく、ちょっと意地悪だった。みくの方こそ、ごめんなさい」ペコッ
モバP「良いんだよ、みくはそれで。だって気ままな猫ちゃんなんだから」
みく「あははっ。懐かしいねぇ、よく覚えているね、そんな台詞」
モバP「覚えているさ。みくとのこの十年の事全て、出会った時から全部、昨日のことのように思い出せるんだからな」
みく「ん~……そう言われるとなんか、ちょっと恥ずかしい……かも」
モバP「あなた……ねこみみを……信じマスカー……?」ボソッ
みく「うるさいっ! えいっ、パンチ☆」
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モバP「おい、ネコはどうした」
みく「言ったでしょ。みくはもう猫チャンじゃないの。CGプロ名物の猫キャラは、可愛い後輩たちの新曲に受け継がれるのさー♪」
モバP「だからってお前がネコを辞める必要なんて何処にもないぞ?」
みく「本当に馬鹿だなぁPチャンは。みくは人間なんだよ?アイドルを辞めたみくは、猫チャンじゃいられない」
みく「今までありがとうみくニャン、永遠に――ってね」
モバP「良いなそのフレーズ。引退ライブはそれで行くか」
みく「そんなのしないしない。猫チャンが死ぬときはね、誰の目にも触れず、ひっそりとしたところで息を引き取るんだから。みくニャンだって猫チャンだから、同じ」
モバP「はっ。ネコ大好きなお前にしては珍しい勘違いだな。良いか、ネコが死を悟ると飼い主の目の前から消えるって
言うのはだな――」
みく「もう一度、元気な姿で帰ってくる為に英気を養うから、でしょ?
知ってるよそれくらい。だから、そのまま死んじゃうんだもん。
もっとやりたいこと、沢山あっただろうにねー」
モバP「……お前は猫じゃないだろ」
みく「当たり前じゃん。みくは人間だもん♪」
モバP「……もう、本当にアイドルに未練はないのか? 今なら関西弁アイドルとしてだって返り咲けるチャンスもあるんだぞ?」
みく「あははっ。笑美チャンに怒られるからそれは良いよ。それにみくはもう標準語に慣れちゃったから、そっちの方が
楽だし」
モバP「だったらそれでも――」
みく「凛ちゃんとまゆちゃんは……Pチャン、潔く見送ったよね。そのおかげで二人とも、今じゃ立派な社会人。
凛チャンは芸能関係者さん達御用達のお花屋さんで、まゆチャンは小説家、作詞家として大成功。
まぁ、まゆチャンの書く小説、ちょっと怖いけど。でも、アイドル辞めて、二人とも良かったじゃない」
みく「……どうして、みくの事は、そんなに一生懸命止めるの?」
モバP「……それは……なんでだろうな……解からない。けど……寂しい、から?」
みく「別に、辞めたからって何処かに行こうなんて思ってないよ。二十半ば超えた高卒娘なんて雇ってくれるところ
そんなにないし。実家に帰ってもお荷物扱いだろうし。アイドル辞めた暁には、
此処で正式に事務員として働こうかなって思ってるよ。あー、ちひろチャン元気かなー……びっくりしたよね!
いきなり結婚なんてさ!しかもあんなお金持ち……本当、何処で捕まえたんだろう」
モバP「何度も言うように、俺は知らないよ。あの人考えている事なんてさっぱりだ」
みく「ふーん。じゃぁ知ってた? ちひろちゃん、Pちゃんの事好きだったんだよ?」
モバP「……」
みく「ついでに、凛ちゃんとまゆちゃんも」
モバP「……」
モバP「……知ってたよ。告白……されたから」
みく「なんで断ったの?」
モバP「……二人は、アイドルだったから……」
みく「ちひろちゃんは違うでしょ」
モバP「ちひろさんは……ほら、事務所のアイドルだった、から……?」
みく「ぷぷっ。何その言い訳。苦しいにも程があるよ?」
モバP「……うっさいんだよ。この話は終わり。
良いからほら、手を動かせ手を。のあさんのスケジュール管理はお前の仕事だぞ」
みく「ふわぁーい。にしてものあチャンすっごいよねぇ。出会ったころから全く見た目変わらないのに、
精神年齢だけ逆行しているんだもん。一時はポンコツなんて言われてたけど、ある意味才能だよ。
知識もアホみたいにあるから教育番組で重宝されて、見て、この満面の笑み。好きになった?」
モバP「……雪美とこずえとありすのクリスマスライブにぶち込んでやろうか、サヨナラみくにゃんエターナルライブ?」
みく「みくは自分を曲げないよ?それと、事務所の信用に関わるから、そういう悪戯は許しません」
モバP「屈しにゃい」
みく「もぉ……わがままなんだから」
モバP「俺は屈しない。自分を曲げない。みくにゃんは永久に不滅だ。はい、引退編完」
みく「今までご愛顧ありがとうございました。みくにゃんは貴方の心の中で永久に生き続けます。Pチャンの
新プロデュースにご期待ください」ペコッ
モバP「よっしゃ!浪速の猫耳美少女前川師匠の出番やで!」
みく「ほなさいなら。だからね、みくがバラドルすると怒る人がいるの」
モバP「大丈夫だ、笑美は俺が止めるから」
みく「Pチャンでしょ」
モバP「……」
みく「誰の所為でみくが干されたと思っているのかなー♪」
モバP「……ごめん。俺の所為だ」
みく「ううん、Pチャンのおかげだよ。ありがとう。大好き」
モバP「……えっ、はっ?」
みく「あのときはびっくりしたなー。いや、お尻触られたのもだけど……Pチャンが芸人さんをぶん殴ろうとしたのには本当……びっくりした。
でもね、やっぱり、嬉しかった、かな」
モバP「いや、あの、うん……」
みく「Pチャンあのとき逮捕されちゃったもんね。うーうーうーって」
モバP「あぁあれはあんなときだけど感動した……小さい頃からちょっと憧れてたから……」
みく「まぁおかげでみくはバラエティ番組にあばよされちゃったけど。でもやっぱり、Pちゃんの事好きで良かったな。
だからアイドルも、好きでいられたかも。ありがとうね!」
モバP「……どういたしまして」
みく「……あれあれ~おかしいな~? ねぇねぇPチャン。Pチャンってさ、みくとの会話はどんなに古くても昨日の事のように
思い出せるんだよね?」
モバP「忘れた」
みく「ふ~ん……そういう態度取るんだ~……ふ~ん……」ジトー
モバP「アーニャ元気かな~」
みく「昨日メール来たよ。Pちゃんに早く告白しろってさ」
モバP「……」
みく「責任、取ってよ」
モバP「……」
みく「……」
モバP「よし、じゃぁ結婚すっか」
みく「早っ」
モバP「いや、だってお前が責任取れって言ったんだろ」
みく「まぁそうだけど、そうだけどもさ~……もうちょっと余韻とか? そういうの楽しめる演出にしようと思わなかったの?
Pちゃんそんなんじゃプロデューサー失格だよ?」
モバP「良いんだよ。どうせ今なんて、俺はほぼ事務員なんだし。CGプロにプロデューサーという言葉は既に無い」
みく「まぁ、昔ちびっこだった子たちは皆Pちゃんの背中を見て、売り込み方覚えちゃってたからね。皆世渡り上手ねー♪
それになんだかんだ、仕事無い人たちがマネージャーやってたりするし。
Pチャンなんて現場連れてったら何するかわかんないしー」
モバP「そうそう。俺が出来るのなんて企画を纏めたり、ライブ会場の手配とか演出予算案を構想すること
くらいさ」
みく「後、みくのえっちなところを守るお仕事、とか?」
モバP「おう。屈しにゃい!!!」
みく「ご苦労様でした」ペコッ
モバP「俺の方こそ、面倒……掛けたな」
みく「……んふふ♪ これからもっともっと沢山、大変な事一杯あるよ!でもみくたちは屈しにゃいの。ね?」コトッ
モバP「あぁ、そうだな」
みく「二人でもっともっと事務所を大きくしようね!」
モバP「おう」
みく「あ、猫ちゃんとか飼おっか?」
モバP「やめろ。猫アレルギーの人とか居るんだから」
みく「そっかぁ~……残念だにゃ~……――あっ! 二人で飼えば良いんだ!」パチンッ
モバP「三匹までな」
みく「Pちゃん大好き!」
モバP「あぁ。俺も好きだよ、みく」
みく「えへへ――猫パンチ☆ にゃっ!」
モバP「いたっ。猫キャラ辞めるんじゃなかったのか……?」
みく「これはみくの技だから良いんだもん♪」
モバP「本当気ままだな……失望しましたみくにゃんのファン辞めて結婚します」
みく「にゃふふ♪ 責任取ってよね☆」
終わり
これで終わります
バイト中に思いついたんだ、このスレタイ
好きなところスパスパ書いたから構想が穴だらけなのとオチが弱かった感がある
でもこのオチじゃなかったら菜々さんかのあさんが犠牲になってたんだ許してにゃん
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