咲「淡ちゃんが大手企業に就職?」 (68)
咲「すごいね淡ちゃん」
淡「まー、余裕でしょ! 月100万円らしいから私の人生安泰だよ」
咲「月100万円!? それ手取りなの?」
淡「手取りはもっと高いよ?」
咲「手取りの方が基本給より高いの!?」
淡「そーそー、私出来る子だからさー」
咲「私なんて月12万円だよー……羨ましいなー」
淡「サキはドジっ子だからしょうがないよね」
咲「ところで淡ちゃんはどんな仕事してるの?」
淡「んー、一日中パソコンつついてるよ」
咲「パソコン出来るんだ」
淡「余裕だよ、最近のスーパーコンピューターもちょちょいのちょいだよ!」
咲「凄いなーっと、もうお昼の時間終わるから私仕事に戻るね?」
淡「あい頑張ってねー」
咲「淡ちゃんもお仕事頑張ってね」
淡「さてと、ハロワにでも行くかな」
淡「いや、まぁ別にサキに嘘ついたわけじゃないし?」
淡「これから実現すること言ってただけだから嘘じゃないし?」
淡「一日パソコンつつけて月100万円の場所なんていくらでもあるでしょ!」
菫「お前は現実を知ったほうがいいぞ」
淡「あれスミレ先輩またきてるんだー」
菫「ハロワの役員としてだがな」
淡「はいはい、働いてますアピールはいいから早く仕事紹介してよ」
菫「お前が希望言ってないから探しようがないんだが」
淡「さっきから言ってるでしょー月100万円」
菫「よし帰れ。すぐに帰れ」
淡「はいはいわかりましたよー。それじゃ見つかったら連絡してねー」
菫「もう連絡することもないが一応わかった」
淡「期待してるよー」
和「ふむ、この大手企業はなかなかいいですね」
和「ネットでの評判もなかなかですし、月20万円」
和「倍率が高いのが気になりますが、まぁ私なら合格するでしょう」
和「早速咲さんに連絡しますか」
和「もしもし咲さん」
咲「あれ? 和ちゃん久しぶりー」
和「実は私大手企業に就職してましてですね」
咲「和ちゃんも淡ちゃんと一緒の企業に就職してたの!?」
和「えぇ、実は一緒のところで働いてまして」
咲「いいなー、そこお給料高いんでしょ?」
和「まぁ、そうですね大体20万円ぐらいでしょうか」
和(まさか大星さんが私の就職した会社にいるとは……)
和(まずいことになりましたね)
咲「20万円!? 和ちゃんそれ絶対お給料盗みとられてるよ!」
和「え……?」
咲「だって淡ちゃんは月100万円は貰ってるんだよ! 手取りだともっと高いらしいし」
和(月100万円!? 私の情報とは違いますが、あそこの職員は情報の更新もしないんでしょうか?)
咲「私が代わりに連絡してあげるよ!」
和(連絡!? やばいですね。このままだと私の嘘がばれてしまいます)
和(もし嘘がばれたら……)
咲「和ちゃんってそんな嘘つく人だったんだ……」
淡「もう行こうよサキー。 私の休日だって少ないんだし」
咲「うん、そうだね淡ちゃん」
和「ま、待ってください!」
淡「サキに嘘つきは付きまとったらいけないんだよ? わかるよね」
淡「まぁ、分からなくても分かってももう話しかけないで」
和(こうなることだけは絶対に阻止しないと!)
和「咲さん。連絡はしなくても大丈夫ですよ?」
咲「和ちゃん……」
和「いえ、別にクビになるのが怖いとかではなくてですね」
和「咲さんは勘違いしてるんですよ」
咲「勘違い?」
和「はい。私の給料は時給です」
>>20
訂正
和「はい。私の給料は時給です」×
和「はい。私の給料は日給です」○
咲「に、日給? 月額じゃなくて?」
和「ふふ、咲さんも早とちりしすぎですよ」
咲「そっかー、よかったー和ちゃんの給料取られてるのかと思ったよー」
和「いえ構いませんよ」
和(完璧な作戦ですね)
和(これで月に換算すれば大星さんより多くお金を貰えている人材だと咲さんは思うでしょう)
和(つまり、大星さんより私の方が優れていると咲さんは思うわけです)
咲「えっと、一日20万円だから……大体一か月に20日働くとして」
咲「月400万円!? 400万円!?」
和「そうですね、そういえば先月それくらい口座に入ってた気がします」
咲「わー……和ちゃんやっぱり凄い人なんだね!」
和「それほどでもないですよ」
咲「いいなぁー、私もその企業狙ってみればよかったよー」
和「咲さんなら受かると思いますけどね」
咲「あ、和ちゃんごめんね? そろそろ休憩時間終わっちゃうから」
和「私も久々に話せて楽しかったですよ」
咲「それじゃまたね!」
和「はい、また今度」
和「さてと、ハロワに行きますかね」
和「ちゃんと職員としてやる気はあるんですか?」
菫「どうした急に来て文句言ってきて」
和「今日調べてた企業の情報が少し昔の情報でしてね」
菫「それはすまない。 ちなみにどの企業だったんだ」
和「大手企業です」
菫「ちょっと待て……そこはきちんと更新されてるぞ」
和「本当ですか?」
菫「本当だ。わかったなら早く帰れ」
照「菫……」
菫「どうした照」
照「やっぱり妹が働いて姉が働いてないと世間の目が冷たい」
菫「そうか」
照「菫って大体月何円くらいなの? 3000円くらい?」
菫「24万円だ」
照「24万円? そんなにもらえるの?」
菫「まぁいい方だとは思うぞ。それよりなんだ3000円って」
照「私のお小遣い」
菫「お小遣いってお前もしかして咲ちゃんから」
照「でもそろそろもらえなくなりそう」
菫「それで危機感を感じてハロワに来たのか」
照「うん、それじゃ菫そこ変わって」
菫「は?」
照「そこ座ってるだけで24万円貰えるんでしょ?」
菫「は?」
照「ほら変わって」
菫「一応私は働いてるぞ」
菫「書類整理とかここに来る人に笑顔で応対とか」
照「今笑顔じゃない。私のほうが笑顔が得意」
菫「そうか」
照「ほらね、周りもなにも言わないから変わって」
菫「あ、もしもし咲ちゃんか。 あぁ、すぐに連れ出してくれ」
照「ちょっと待って咲を呼ぶのは卑怯」
咲「お姉ちゃん! 菫さんい迷惑かけたらだめでしょ!」
照「仕事を見つけたのに菫が変わってくれないだけ」
咲「それは菫さんのお仕事なの! ほら、もう帰るよ!」
照「わかった」
咲「菫さん本当にすみません」
菫「大丈夫だ、気にしないでくれ」
照「じゃあね菫」
菫「あぁ」
菫「ふぅ……仕事やめよっかな……」
菫「いや待て、私が辞めたらあいつらはどうなる?」
菫「きっと途方に暮れてそのうち蒸発してしまうかもしれない」
菫「……よし、あいつらが就職したら仕事やめよう」
菫「とりあえず月100万円のとこ探してみるか」
菫「もしもし龍門渕さんのお宅ですか?」
菫「はい、そうです天江 衣さんの麻雀の相手をさせる代わりに月100万円で3人ほど」
菫「え、宮永咲さんが遊んでくれてるからいい?」
菫「はい。あ、それじゃ失礼します」
菫「ふぅ……仕事って辛いな」
咲「ころもちゃーん」
衣「ちゃんではなくて、いい加減衣さんって呼んでくれてもいいぞ!」
咲「えへへー、それで今日も麻雀するんでしょ?」
衣「いや、今日は咲に報告があってな」
衣「大手企業に就職したんだ!」
咲「ころもちゃんもそこに就職したの!?」
衣「も、ということはほかにも誰か就職しているのか?」
咲「うん、淡ちゃんと和ちゃんが就職してるよ?」
衣「ののかと大星が? 私は見てないぞ?」
咲「え? おかしいなーちゃんとそこに就職したって聞いたんだけど」
衣「衣が見てないだけかもしれない」
咲「それもそうだね」
衣「それより今日はパーティーなんだ! 咲も楽しんでいってくれ!」
咲「うん!」
透華「大手企業に大星さんと原村和が就職している?」
透華「その企業は私の下請けですが……その二人が就職している情報なんて入っていたかしら?」
一「さぁ? 心配なら電話してみれば?」
透華「そうしてきますわ。 なにか嫌な予感がビンビンと反応してますので」
透華「もしもし、原村和?」
和「なんですか、私は今忙しいんですが」
透華「いえ、先ほど宮永咲さんから大手企業に就職したと聞きましたが」
和「あー、それですか。まだしていませんが、いつかする予定ですので問題ないです」
透華「申し上げにくいのだけど……そこもう閉め切っちゃいましたわ」
和「は?」
透華「衣が働きたいって言ってたので面接させてみれば一発で合格しまして」
和「つまり?」
透華「原村和が就職するスペースはもうないってことですわ」
和「……」
透華「そ、それでは私はこれで失礼しま」
和「ちょっと待ちましょうか。どうするんですか? 私の計画がボロボロですよ?」
和「これで咲さんに嫌われたらどう責任とるんですか?」
透華「いや、そんなこと言われましても……」
和「ネトマに付き合ってあげてたの忘れたんですか?」
透華「……どうすれば」
和「会社を建ててください」
透華「え?」
和「え?ではなくてですね。 会社を建てればいいんですよ」
和「大丈夫。私が失敗するはずないでしょう」
透華「もし失敗したら……」
和「もしかしてのことを考えたらいけないです。とりあえず建てましょう」
透華「……わかりましたわ」
この後、透華の建てた会社は成功し、みんなは幸せに暮らしました
めでたしめでたし
かん
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