れんげ「二人切りで柔道の練習してるん」 (52)

夏海「疲れたー」

れんげ「やっと学校終わったん」

夏海「うちに来て遊ぼうよ、れんちょん来るでしょ?」

れんげ「もちろんなん」

夏海「ほたるんは?」

蛍「私も行きます!」

夏海「よし!じゃあバスの時間来るし急いで帰ろう!」

小鞠「・・・」

夏海「帰るよ姉ちゃん」

小鞠「ハァ・・・」

バスの中

蛍「先輩どうしたんでしょう・・・」

夏海「進路相談が終わってからずっとあの調子なのよ」


れんげ「コマちゃん、進路相談どうだったん?」

蛍(れんちゃんっ)

小鞠「ん~・・・」

れんげ「行きたい高校に行けないって言われたん?」

蛍(れんちゃんっ!)

小鞠「いや、行きたい高校には行けるんだけどさ・・・」

小鞠「その高校の体育の授業に柔道があるらしいんだよね」

蛍「柔道?」ピキーン

小鞠「やったことないから不安というか」

夏海「やったことないから授業で教えてもらうんじゃないの?」

小鞠「あ~それもそうか」

蛍「いや先輩!基礎的なことを身につけておかないと危ないですよ!」

小鞠「え!?やっぱそうなの?」

蛍「私小さいころに習ってたんで、もし良かったら指南しますよ!」

小鞠「じゃあ家に来た時教えてよ」

蛍「分かりました!」

――

――

小鞠の部屋

小鞠「じゃあ早速教えてよ」

蛍「分かりました、じゃあまず寝技から教えます」

小鞠「いきなり技からいくの?」

蛍「技といっても基本的なものですよ、まず仰向けになって寝てください」

小鞠「わかった」ゴロン

蛍「じゃあかけますね、手を首の後ろに回して~・・・」ハァハァ

小鞠「わわっ///結構顔近いね」

蛍「そうですね(かわいい・・・///)」ハァハァ

蛍「じゃあ先輩、この状態から抜けようとしてみてください」

小鞠「分かった・・・ん~!」ジタバタ

小鞠「はぁ・・・全然抜け出せない」

蛍「一度かけられるとなかなか抜け出せません、これが寝技です」

小鞠「なるほどね~」

蛍「・・・」ハァハァ

小鞠「・・・っ」

蛍「・・・」ハァハァ

小鞠「蛍、ちょっと苦しい」

蛍「あぁ!ごめんなさい!」ガバッ

小鞠「ハァハァ・・・」

小鞠「なんとなく分かったかも」

蛍「じゃあ今度は先輩がかけてみてください」

小鞠「できるかなぁ」

蛍「見た通りにやれば簡単ですよ」ゴロン

小鞠「分かった、見様見真似だけど・・・」ゴソゴソ

蛍「・・・」ハァハァ

小鞠「・・・どう?」ギュッ

蛍「もっと密着させた方がいいかもしれません」ハァハァ

小鞠「こうかな・・・?」ギュッ

蛍「もっと体重を乗せた方がいいかも」ハァハァ

小鞠「こ、こう?」ギュッ

蛍「最高です・・・///」ハァハァ

小鞠「何か蛍がやった時と形が違う気がするんだけど・・・」

蛍「完璧です、この状態を5分くらい保ちましょう///」ハァハァ

小鞠「違う気がする・・・」

夏海の部屋

れんげ「何でうちら除け者にされたん?」

夏海「ギャラリーが居るとやりにくいんだってさ」

れんげ「うちも柔道やりたいん」

夏海「れんちょん柔道できるの?」

れんげ「一つだけ技できるん、寄り切りって言う技なん」

夏海「どういう技?」

れんげ「必殺の技なん、これが決まったら相手の負けが決まるん」

夏海「すげぇ!!」

小鞠の部屋

蛍「次は絞め技を教えます」

小鞠「おっけー」

蛍「じゃあまずやってみせますね、先輩は床に座ってください」

小鞠「わかった」ペタッ

蛍「私は背後に回って~・・・」ゴソゴソ

小鞠「これも結構密着するんだね」ドキドキ

蛍「この状態で首に腕を回します」スルッ

蛍「今は危ないのでやりませんが、気道を塞がないように頸動脈を圧迫しながら首を絞めます」

小鞠「なるほど」

蛍「こんな感じですね、次は先輩がやってみてください」

小鞠「わかった」

小鞠「また見様見真似だけど・・・」ゴソゴソ

小鞠「これで合ってる?」ドキドキ

蛍「大体OKです、じゃあ首を絞めてみてください」ワクワク

小鞠「え?危ないからやらないんじゃないの?」

蛍「せっかくなんでやってみましょう、私は経験者なので大丈夫です」

小鞠「でも危ないよ・・・」

蛍「大丈夫ですから!」

小鞠「じゃあ・・・」ギュッ

蛍「全然弱いです!もっと強くしてください」

小鞠「えぇ・・・こう?」ギュッ!

蛍「あぐっ・・・///」

蛍「もっと強く・・・///」

小鞠「危なくなったらすぐ言ってよ?」ギュ~

蛍「あっ・・・///」ピクッ

小鞠「蛍?」

蛍「・・・///」ピクピク

小鞠「ちょっと蛍!?大丈夫!?」ユサユサ

蛍「う~・・・///」ピクピク

~10分後~

蛍「次は受け身を教えます」

小鞠「OK」

蛍「もう一度聞きますが先輩、本当に絞め技はもう大丈夫ですか?」

小鞠「うん、もう危ないから次に行こうよ」

蛍「そうですか・・・」ハァ

小鞠「なんで残念そうなの?」

蛍「そんなことないですよ、じゃあ受け身を教えますね」

小鞠「名前だけは聞いたことあるかも」

蛍「基本中の基本ですね、じゃあ早速ですが私のお腹あたりにグーパンチを入れてください」

小鞠「え?!受け身ってそういうのなの?」

蛍「そうですよ、じゃあお願いします」ワクワク

小鞠(違う気がする・・・)

小鞠「でも私、人にグーパンチなんてしたことないし・・・」

蛍「柔道の基本ですから避けては通れませんよ」

小鞠「そうなんだ・・・」

蛍「やってみましょう先輩!」

小鞠「分かった・・・やってみるよ・・・」


小鞠「痛かったらごめんね・・・えい!」

__ペチッ

蛍「もっと強くして大丈夫ですよ?」

小鞠「でも強くしたら痛いよ?」

蛍「痛い方が良いんですよ!」

小鞠「え?」

蛍「あ、いや、本気でやった方が練習になるって意味です!」

小鞠「・・・分かった、じゃあもう一回いくよ?」

蛍「はい!」

小鞠「えい!!」

__パンッ

蛍「うっ・・・///」

蛍「ま、まぁまぁ良かったんですが、もっと腰を入れて拳に体重を乗せてください」

小鞠「これ柔道の練習だよね?」

蛍「踏み込みも忘れないでください、腰を回すのと同時に上半身はひねってください!」

小鞠「わ、分かった、真面目にやらないと先に進まないしね」

蛍「お願いします!」

小鞠「いくよ?」

小鞠「えい!!!」

__ドスッ

蛍「うぐっ・・・///」ビクッ

小鞠「あ、ごめん!強すぎた?!」

蛍「・・・///」ピクピク

小鞠「大丈夫!?ど、どうしよう」アセアセ

蛍「だ、大丈夫です・・・ちょっとこのままにさせてください・・・///」ピクピク

小鞠「分かった、背中さすってればいい?」サスサス

蛍「はい・・・///」ピクピク

~10分後~

蛍「先輩、次は私の顔面を足で踏んでみませんか?」

小鞠「ええ?!それ柔道なの?」

蛍「記憶に自信がないんですが受け身の一種にあったと思います」

小鞠「本当に?」

夏海の部屋

母「おやつ持ってきたよ」ガチャッ

夏海「おーきたきた」

母「あれ?小鞠と蛍ちゃんは一緒じゃないの?」

れんげ「コマちゃんの部屋で柔道の練習してるん」

母「柔道の練習?」

夏海「姉ちゃんの進学したい高校で柔道の授業あるからほたるんに教えてもらうんだって」モグモグ

母「子供二人で柔道の練習は危ないねぇ、ちょっと様子を見とこうか」

れんげ「さっき覗いてみたけどヤワラちゃんみたいで格好良かったん」モグモグ

母「れんちゃんの世代でヤワラちゃん知ってるの?」

れんげ「姿三四郎ならぬ女三四郎だったん」モグモグ

母「それを知ってるのはおかしい」

??『もっと!もっと強く!』

??『大丈夫?痛くないの?』グリグリ

母「小鞠~入るよ」ガチャッ

蛍「先輩!もっとです!もっと!!」

小鞠「これ本当に柔道なの?」グリグリ

母「」



おわり

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