夏海「遊園地!?行くっ!行く!!!」小鞠「でしょ!」 (119)

代行

>>1 ありがとう!

楓(駄菓子屋)「そういえば、さっき卓が遊園地のチケットを買っていったぞ?」

夏海「へ?兄ちゃんが?」

楓「ああ、『のんのんランド』ってやつのチケットだ」

夏海「あっ、この前テレビでやってた新しいの」

楓「みんなで行くのか?」

夏海「う~ん、特に聞いてないなー」

楓「まぁ、もし行くなられんげも連れて行ってやれよ。面倒見るの大変なら私も行くから」

夏海「おっけーおっけー」

夏海(そういえば、この前……)

お、楓(駄菓子屋)ってことは
このまえのほたこまSSと同一かなあ

■回想中------------------------------------------

夏海「え?もし彼氏がいて、デートするならどこがいいって?」

兄「」ウン

夏海「う~ん。やっぱり定番の遊園地とかかな?」

夏海「ウチ遊園地に行った事ないし、憧れるなー」

兄「」


---------------------------------------------------


夏海(って事が…それにウチは来月が誕生日…もしかしたら…)

夏海「…」

楓「おい夏海?」

夏海「ひゃっ!?」

楓「顔が真っ赤だぞ。風邪か?私にうつす前にさっさと帰れ。そして暖かくして寝ろ」

夏海「ち、違うけど帰る!」


夏海(そ、そっかー…兄ちゃんが…そっかー…)

■夜

夏海「ふんふん~♪」

夏海(いつ誘ってくれるんかなー♪)


小鞠「あっ、夏海。お風呂からあがったんだ」

夏海「うん♪」

小鞠「ん?すっごく機嫌がいい?」

夏海「うん!ちょっといい事があってね~」

小鞠「ふ~ん、そういえば、お兄ちゃんがこのみちゃんと遊園地に行くんだってー」

夏海「…………………………………………………………へぇ」

小鞠「ああでも、何だかんだ言って、みんなで行くことになったから。来週末に」

夏海「うん」

小鞠「夏海?目から光沢がなくなってるけど…大丈夫?」

夏海「ダイジョウブでーす」

小鞠「?」


小鞠「あっ、勘違いしないで欲しいんだけど、このみちゃんはお兄ちゃんと付き合う気ないって」

夏海「え?」

小鞠「あっ、やっぱり勘違いしちゃうよね?私も勘違いしちゃって、このみちゃんに聞いたの」

夏海「いやいやいやいや。ウチはそんな勘違いしてないし」

小鞠「はいはい。じゃあさっさとお風呂入っちゃいなって」

夏海「うん♪」

夏海かわええ

■遊園地当日

ガララッ

夏海「れんちょーん、一緒に行こうぜー」

楓「え?れんげが風邪!?」

一穂(先生)「おはよ。夏海」

夏海「おはよーって、なっ!?大丈夫なの!?れんちょん」

一穂「まぁ、そんなに高熱じゃないから薬飲んで寝れば治ると思うんだけどねー」

一穂「でも、ウチは行けないかな…れんちょんの面倒を見ないといけないし…」



楓「ということは…私がこのガキどもの面倒を…」

夏海「ガキって言うな!!」

楓「このみはアホだし、夏海・小鞠は問題外。一番まともな蛍は小学生…」

楓「…」

楓「…センパイ…私がれんげの面倒を見ましょうか?」

一穂「……………………ほう」

楓「ガキの面倒を見るのは嫌…ではなく、れんげが心配すぎて…私は…私は!」

一穂「ウチは遊園地でゆっくり寝る…じゃなくて、先生として引率する義務があるし…」


楓「ええ!利害は一致するのでここは私がれんげの看病を!」

一穂「せやね。ここは楓にまかせるから、生徒はウチに任せて!」

楓「はい!」


夏海「うわぁー大人って汚いなー」

■集合場所

夏海「遊園地びより!」

蛍「そんな、れんちゃんが風邪を…」

小鞠「遊園地はまた今度にしよっか?」

一穂(先生)「いやいや、気にしなくていいんよ?」

一穂「電車も予約席取ってるし、遊園地のチケットも期限があるからね」

一穂「れんちょんはウチがお金を出して、またみんな誘うからさー」

兄「」ウン


このみ「ごめーんっ。遅れちゃった」ハァハァ

兄「!?」

夏海「!?」

夏海(なっなななななななななな!?)

夏海(あ、あれ?姉ちゃんからは『このみちゃんはお兄ちゃんと付き合う気ないって』って言ってたから安心してたのに…)

夏海(…なのに…)

夏海(このみちゃんすっごくオシャレしてるじゃん!)


夏海「」チラッ

兄「」

夏海(に、兄ちゃんが…赤くなって…このみちゃんを凝視…)



夏海「って、違う!」

一穂「」ビクッ

夏海(そもそもウチは遊園地に行きたかっただけ…別に誰と一緒だろうと関係なく…)

夏海(そのはず…なのに…)

兄「…」

このみ「ん?なぁに?眼鏡君」

蛍「このみさん!このみさん!小鞠センパイとお弁当を作ったんですよ!楽しみにしていてくださいね!」


兄「……」

夏海(何で兄ちゃんはそんなガッカリした顔してるの?)

夏海(…)

夏海(あれ?)

夏海(そもそもウチはなんで遊園地に行きたかったんだっけ?)

一穂「いやはや、青春だね~」

夏海「…」

■遊園地到着

夏海「うおっおおおおおおおおおおおおお!」

夏海「これが夢にまで見た遊園地!すっごい!」

夏海「姉ちゃん!姉ちゃん!あっちに巨大ぬいぐるみが!」

小鞠「おぉー!」

夏海「夏でもないのにアイス売ってる!すげー!」

夏海「使い捨てカメラだ!買ってれんちょんとひか姉に見せて……そうだ!お金がない!」

夏海「あっ!あれはバス!遊園地内でバスが走ってる!すげー近未来!」

一穂「おーい」

夏海「ん?」

一穂「さて、ウチはそこのベンチで休憩してるから」

夏海「えぇー来たばかりなのにもう休憩すんの?」

一穂「大人になるとね。すぐ疲れるんだよー」


一穂「まぁ、そういう話は置いておいて、解散~。自由行動ねー」

一穂「5時にはここに集合ね。何か問題あったら、ウチの所に来てねー」

小鞠「はーい」

夏海「兄ちゃん!兄ちゃん!ほらあっちでコーヒーカップがあるよ!」

夏海「乗ろうっ!乗ろう!夏海ちゃんの高速スピンと勝負だ!!」

夏海「って、あれ?」


兄「」

このみ「え?なに?」


夏海「…」

兄貴とこのみの絡みって原作にあったっけ?

>>33
このみが「嫁に欲しいなー夫にはいらないが」と言ってたくらいかな

夏海「…」

夏海「…はぁ…」

夏海「一人で行こうかな…」トボトボ

夏海「…」

夏海「一人で行っちゃうよー」ボソッ


夏海「…」


夏海(兄ちゃん…このみちゃんばかり見てる…)

夏海(いつもだったら…すぐに気付いてくれるのに…)

夏海(…)


夏海「…はぁ…」

夏海(ウチどうしちゃったんだろう…遊園地…楽しいはずなのに)

夏海(姉ちゃんは…ほたるんとすっごく仲がいいし…)

夏海(兄ちゃんは…)

夏海(…)

夏海(そうか!これがテレビでやっていたあれだ!)

夏海(父ちゃんが、娘が結婚する時に寂しく感じる奴!)

夏海「うんうん。何だかんだ言って、兄ちゃんも姉ちゃんもウチが面倒見てるから」

小鞠「はぁ?なにいってんの?」

蛍「ようやく追い付きましたね」ハァハァ

夏海「姉ちゃん!?ほたるん!?」

小鞠「ったく、ほらこれ」


夏海「なにこれ?」

蛍「パスポートです。これがあれば、全部乗り放題なんですよ♪」

夏海「おっおおおおおおお!」

小鞠「ったく、お金も持たずに先に行くんだから…心配した…ん?」


ギュウウウッ


小鞠「ちょっ、何で抱きついて」

夏海「えへへへ~。姉ちゃん大好きーっ」

小鞠「ったく、調子が良いんだから。ほらせっかくだから色々乗ろっ」

夏海「うん♪」

蛍「はい♪」

■ジェットコースター

小鞠「…」


蛍「楽しかったですね♪」

夏海「いやー何であんなのが楽しいの?って思ってたけどあれはいいね!最高っ♪」

小鞠「…」

夏海「あっ、小さい姉さん、ちーっす」

小鞠「うるさい!うるさい!なんで中学2年生の私が乗れないのに、小学生の蛍が乗れるの!」

蛍「えーと…あっ…その…」

夏海「だって、こまちゃんってさー。小さいし、仕方ないよねー」

小鞠「こまちゃん言うな!!!!!!!!!!」

夏海「あははははは」

■コーヒーカップ

小鞠「ちょっちょっとやめてっ」

夏海「あはははははははは。周る周る!周るよ!世界はどこまでも!」グルグルグルグル

蛍「キャーーーーーーーーーーーーー♪」

■メリーゴーランド

夏海「お嬢様白馬の王子が迎えに参りました」

蛍「一緒に馬車の中にどうぞ♪」

小鞠「いや、さすがにこのノリは中学生には…」

■バイキング

夏海「あっ、これは幼稚園児でもいけそう」

小鞠「中学生だ!訂正しろ!」

蛍「わぁい♪センパイも一緒ー」


………


小鞠「…」

夏海「立って乗る乗りものって斬新だよね…あはははは…」

蛍「早く動けー♪」キャッキャッ


ガランガラン


小鞠「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ」

夏海「ぎいゃああああああああああああああああああああああああ」

蛍「キャーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー♪」

 
………

蛍「楽しかったですね♪」

夏海「…そだね」

小鞠「…いや…」

蛍「もう一回乗りません?せっかく小鞠センパイも乗れますし♪」

夏海「あっ、もうそろそろお昼の時間ッスよ姉さん!」

小鞠「うん!お昼!お昼がいいね!夏海!」

蛍「あっ、もうこんな時間なんですね」

■お昼ご飯

夏海「…」

蛍「大丈夫です!三人で分ければ!」

小鞠「ごめんね。その…夏海とれんげはレストランで食べるって話だったから…」

夏海「でも、弁当二人分しかないし…そうだっ!」

夏海「兄ちゃんだ兄ちゃん!兄ちゃんとこのみちゃんも弁当持ってないはずだから、一緒にどこかで食べてくる!」

小鞠「わかった。もし見つからなかったらすぐ帰ってきて。お弁当分けてあげるから」

夏海「オッケー!」

あああああああ

 
………


夏海「うーん、夏海ちゃんの鋭い野生の勘だと、こっちに兄ちゃんがいる気がしたんだけどなー」



夏海「…あっちの焼き鳥おいしそう…うどんもいいな…」

夏海「だ、ダメダメ。兄ちゃん達を探して一緒に食べないと!」

夏海「うーん、こっちの広場かなー?」

 
………


夏海「あっ、あそこに、兄ちゃんとこのみちゃんが!」

夏海「おーい………って、二人で…弁当を食べてる…?」


このみ「ご馳走さまでした!本当に美味しかったよ。ありがとっ眼鏡君♪」

兄「」ウン

このみ「あっ、眼鏡君のホッペにご飯粒が………頂きっ♪」パクッ

兄「!」

このみ「…うん。綺麗になったよ」

兄「//」カァー

このみ「あ…ぅ…//」カァー


夏海「へぇ~…」

このみ「あっ、なっちゃん」

兄「」

夏海「ウチ、一緒にご飯食べようと思って二人を探してたのに…」

このみ「え?そうなんだ」

夏海(『え?そうなんだ』って何だよ『え?そうなんだ』って何だよ!!!)


夏海「…」

夏海「二人はウチを置いておいて、さっさと食べちゃったんだ…へぇ~」

このみ「って…、勝手に一人で先走ったのはなっちゃんでしょ?」

兄「」

夏海「お腹ぺこぺこだなぁー二人はいいなー。一緒にご飯食べてー」

このみ「もうっ!我がまま言わない…の?」

夏海(うっさい!いちいち!ウチは兄ちゃんに話しかけてるの!!)


兄「」スッ

夏海「…え?ウチのお弁当?」

兄「」ウン

夏海「あ、あと、れんちょんの分もある…」

このみ「………」


このみ「じゃあ、私はちょっと蛍ちゃん達を探してくるね」

夏海「え?」

このみ「ほら、子供二人だと危ないし…私が年長者なんだから、面倒を見なきゃ…ね?」

夏海「あっ、その…姉ちゃん達は向こうのほうに…あと、さっきはごめんね。このみちゃん」

このみ「うん!許す!しっかり謝れるのは、なっちゃんのいい所だね」

夏海「えっ…あの…うん…」

このみ「じゃあ、また後でね」

夏海「うん」

兄「」ウン

夏海(ウチ…ウチ…さっき何て事を…何で頭が煮えたぎるほど…殺したくなるほど…)

兄「」

夏海「え?だって、兄ちゃん弁当食べたでしょ?」

兄「」フフン

夏海「…別に一人で食べたからって寂しくないけど…」

夏海「まぁ、兄ちゃんがそこまで言うなら一緒に食べる…」

兄「」ウンウン

夏海「って、兄ちゃんはれんちょんの弁当かー。で、ウチのは…」

夏海「おぉーーー!つけ麺が入ってる!!!」

夏海「って、何で弁当につけ麺なのっ!!??」

兄「」

夏海「へ?ウチがラーメン好きだから?」

兄「」カパッ

夏海「あっ、水筒に…暖かいスープが…」


夏海「」ズルズル

夏海「美味しい…」

兄「」フフン

夏海「そのドヤ顔はムカつくけど………ありがとう。兄ちゃん」

兄「」ウン

 
………



夏海「それでさー姉ちゃんがねー」

兄「」ウンウン





夏海「ほたるんがさー可笑しくって」

兄「」ウンウン





夏海「で、二人して弁当作ってきて、まるでラブラブカップルみたいでー」

兄「!?」

 
………


夏海「…」

兄「…」

夏海「ねえ、兄ちゃんってこのみちゃんが好きなの?」

兄「!?」

夏海「…」

兄「…」


兄「」ウン


夏海「そうなんだ…」

兄「…」

夏海「ウチ…やだ…嫌だよ…兄ちゃん…嫌だよ…」

兄「…」

夏海「恋人ができたら兄ちゃんと遊べなくなっちゃうんだよ!」

夏海「今だって十分に楽しいじゃん!姉ちゃんがいて、兄ちゃんがいて!」

夏海「なのに!なのに!兄ちゃんはそれで不満なのかよ!!」

兄「」


夏海「そんな正論言わないで!」

夏海「嫌!兄ちゃんに彼女ができるなんて!」

兄「」

夏海「だってだってだって!兄ちゃんも姉ちゃんも、ウチのなんだもん!」

兄「」

夏海「兄ちゃんだってウチに彼氏が出来たら嫌でしょ?姉ちゃんに彼氏ができたら嫌でしょ!?」

兄「…」

夏海「何とか言ってよ!!!」

兄「」


ギュウウウ


夏海「え?兄ちゃん…?」

兄「」

夏海「謝らないで…本当はウチわかってる。ウチが悪いって…」

兄「」

夏海「そっか…ウチって兄ちゃんにとって……ウチは…」

兄「…」

夏海「大切な人だったんだ」

夏海「ありがとう…ウチにとっても兄ちゃんは…」

夏海「兄ちゃんは…」

夏海「…」

夏海(あれ?ウチにとって…兄ちゃんは……何なんだろう?)

兄「…」



バッ


夏海「よし!ウチは姉ちゃんの所に行く!」

兄「」ウン

夏海「だから、このみちゃんの方はよろしく!」

兄「」ウン

夏海「頑張れ!兄ちゃん!」

兄「」ウン

 
………


夏海(…)

夏海(ウチにとって…兄ちゃんは…兄ちゃんは…兄ちゃんは?)

夏海「…ん?」

夏海「あっ、いたいた。ほたるーん」

蛍「夏海センパイ」

夏海「…」

蛍「…」

小鞠「∵」

夏海「え、えーと、姉ちゃんどうしちゃったの?」

蛍「私が無理矢理お化け屋敷に連れて行ったら、意識を失って…」

夏海「姉ちゃん怖がりだから仕方ないか。ほたるんは大丈夫だったの?」

蛍「はい、小鞠センパイが抱きついて来て幸…いえ、ああいうのは大丈夫な方なので」

夏海「へぇ~」

蛍「はい…」


夏海「…」

蛍「…」


夏海「ねえ、ほたるんって好きな人とかいる?それとも東京にいた?」

蛍「え?え?な、何でそんな話を?」

夏海「うーん、ちょっとした独り言するね…ウチ恋愛とかよくわからなくてさー」

蛍「はぁ…」

夏海「でも、今気になるっぽい?人がいるんだよねー」

蛍「…はぁ」

夏海「正直、それが恋愛?ってやつなのか?それとも兄妹愛ってやつなのか?わからなくてさー」

蛍「え?え?夏海センパイ…もしかして、お義兄さんを!?」

夏海「ち、違う!だから、これは独り言で…好きって何か全然わからないし!」

夏海「だって、姉ちゃんの事もほたるんの事もれんちょんの事も、もちろんこのみちゃんの事も好き!」

夏海「…だ、だけど…何か兄ちゃんのだけは違う気がする…」

夏海「よくわかんないけど…」


蛍「…」

夏海「でも、気持ち悪いよね。妹が兄を好きとか何て…だから、きっとこれは恋愛じゃなくて、ただの兄妹愛ってやつなのかな?」

夏海「うん!絶対にそうだ!兄妹で恋愛とかありえないよね!」

夏海「ありがとう!話を聞いてくれて!ウチすっきりした!」

蛍「私もちょっとだけ…独り言します…」

夏海「え?」

蛍「私は小鞠センパイの事が好きです。これは…恋愛という意味で」ナデナデ

小鞠「」

夏海「なっ!?えっ!?」

蛍「ね?気持ち悪いと思うでしょ?でも、それでも私は好き…それに自覚してます。絶対にありえないって…」

夏海「え、えーと…」

蛍「でも、『今』は好きなんだから、『今』はそれでいいじゃないですか」

夏海「へ?」

蛍「私は『今』が幸せなら、それでいいんです」


蛍「将来小鞠センパイに彼氏ができて立派な家庭を手に入れる事でしょう」

蛍「きっと私は振られると思います。だって、女の子同士なんだから」

蛍「でも、そんな将来の事なんてどうでもいいんです」

蛍「だって、私は『今』小鞠センパイの事が好きで、そして『今』は幸せなんですから」

夏海「…」

蛍「悩んでスッキリしないくらいなら、迷わずに行動して…大人になってから笑っちゃえばいいんだと思います」

蛍「ええ、だって私達まだ子供なんですから、色々間違いがあってもいいじゃないですか」

蛍「それに思いっきり間違っちゃえば…もしかしたら…失敗は成功の元って言いますし…」

蛍「願いが叶うかも…」

夏海「ほたるん…」

小鞠「…」

蛍「えへへ…少し矛盾してるかな?でも私は『今』が幸せなら…後悔しないなら…それで、十分です」

蛍「ええ、小鞠センパイとこうやってるだけで幸せ…ええ…幸せです」

夏海「そっか…幸せか…ねえ、ほたるん。ウチは今幸せに見える?」

蛍「ふふっ。おかしなセンパイ。私は独り言を言っていただけですよ?」


夏海「うん!ありがとう!ほたるん!ウチちょっと行ってくる!」

蛍「センパイ!頑張ってください!」

夏海「ありがとう!ほたるん!」

夏海(ウチ…わかった…わかったかも…)

夏海(ウチは兄ちゃんが好きなのかよくわからない…)

夏海(でもでも、『今』は幸せじゃない!)

夏海(それだけはわかる!)



夏海(だから、ウチ頑張る!)


夏海(兄ちゃんに会って、自分の幸せを探してくる!)

 
………

小鞠「…あ、あれ?私、いつの間にか気絶して…」

蛍「おはようございます。センパイ♪」

小鞠「ねえ…何で泣いてるの?」

蛍「えへへ。ちょっとあくびしちゃいました」

小鞠「まったく蛍は私がいないとダメだね…」

蛍「へ?」

小鞠「ううん、何でもないよ。ほらせっかくの遊園地なんだから次のアトラクションに行こう♪」

蛍「はい!行きましょう!」

小鞠(幸せ…か…)

ダダダダダダダダダダダダダダダ


夏海「公園にいた!!」


夏海「おーい!兄ちゃ~ん!このみちゃ~ん」

 
チュッ


夏海(なっ!?このみちゃんが兄ちゃんのホッペに…)

夏海(キスした!?)



夏海「ぐっぐぐぐぐぐぐっぐ」

夏海(兄ちゃん!嬉しそうにすんな!!!!!!!!!!!!)

夏海(ようやく二人の所に到着!)

夏海「って、何やってんの!?」


このみ「あっ、なっちゃんいたの?」

夏海「いたよ!さっきこのみちゃんも見たでしょ!?」

夏海(絶対に気付いてたくせに!見せつけるように!絶対に気付いてたくせに!)


夏海「って、兄ちゃん!?さっきのはどういうこと!?」

兄「」ウウン

このみ「眼鏡君っ!!!!」

兄「?」


このみ「ふふふっ。これからも、いーっぱい困ってね。私の事で♪」

兄「!?」

夏海「!?」

夏海「兄ちゃん…もしかして、告白成功したの?」

兄「…」

兄「」ウウン


夏海「へ、へぇ~。じゃあさー言っておくけど」

兄「?」



夏海「ウチだって兄ちゃんの事が好きだから!」

兄「!」

夏海「絶対に絶対にこのみちゃんにも誰にも兄ちゃんは渡さないもんね!」

兄「…」


夏海「だから、だから…」

夏海「え、えーと…あれ?…うーん…」

夏海「そうだっ」





夏海「これからは、いっぱい困らせてやる!ウチの事で!!」

夏海「このみちゃんには負けないんだからっ!!」

兄「!?」

夏海(ウチの『今』の幸せは…きっと…)


夏海(兄ちゃんを誰にも渡さない『努力』をする事!)

夏海(だって、誰かに渡すなんて絶対に嫌だから!)


夏海(それにそれに…きっと…たぶん…ううん、絶対に…)


夏海「ウチは兄ちゃんが大好きだから!」

 
………


小鞠「あ、あのね…私も、蛍の事が…好…」

小鞠「って、ぎにゃああああああああああお化けーーーーのんーー!!!」ギュウウウ

蛍「えへへ。お化け屋敷最高…えへへ~」

小鞠「もうっ!お化け屋敷いやああああああああああああああああ!!!!」





       終わり

これにて終わりになります。
支援&読んでくれてありがとうございました!
また、機会があればよろしくお願いします!

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