士郎「最近、遠坂がなんか咥えてるんだよな」(132)

衛宮邸

士郎「セイバー!!悪いんだけど、洗濯物取り込んでくれないかー!!」

セイバー「はい!!」ダダダッ

士郎「……うん。味付けは完璧だな」

凛「ふぃほー」

士郎「遠坂。また、それ咥えてんのか?」

凛「……」

士郎「その四角形のやつはなんだ?」

凛「……」タタタッ

士郎「最近の遠坂は変だな……」

セイバー「洗濯物は取り込んでおきました!!」

士郎「ありがとう」

セイバー「いえ!」

士郎「なあ、セイバー?」

セイバー「なんでしょうか?」

士郎「最近、遠坂がいつもなにか咥えてるだろ?」

セイバー「リンがですか?いいえ、見ていませんが」

士郎「え?でも、さっきも……」

セイバー「何も咥えていません」

士郎「おかしいな……」

セイバー「そもそもリンがそのようなはしたない真似はしないでしょう」

士郎「でも、確かにいつも咥えてるんだけどな……」



士郎「あー、さっぱりした。あとは寝るだけ」

凛「……」

士郎「遠坂、何してんだ?」

凛「ふぃほー」

士郎「またそんなもん咥えて」

凛「……」

士郎「なんだ、それ?食べ物か?サイズ的にラムネか?」

凛「……」フルフル

士郎「じゃあ、その四角形のはなんだ?」

凛「……ふぉんふぉーむ」

士郎「え?」

凛「……」タタタッ

士郎「遠坂!!」

翌朝

桜「いただきます」

セイバー「いただきます」

士郎「……」

凛「さくらー、お醤油とって」

桜「はい、姉さん」

凛「ありがと」

士郎「遠坂」

凛「なに?」

士郎「いつも咥えてるの、結局なんだ?」

凛「なんのこと?」

士郎「いや、昨日も咥えてただろ」

凛「知らないけど?夢でも見てたの?」

士郎「……」

士郎(やばいな……すごい気になってきた……)

桜「先輩?」

士郎「え?」

桜「(姉さん、何を咥えていたんですか?)」

士郎「(えっと……これぐらいの四角い奴)」

桜「(四角い?包装されている感じですか?)」

士郎「(そうそう)」

桜「(なんでしょうか?)」

士郎「(できれば桜からこっそり聞いてみてくれないか?)」

桜「(わかりましたっ)」

凛「セイバー、お茶おかわり」

セイバー「はい!!」

凛「ふんふふーん♪」

桜「姉さん」

凛「なに?」

桜「何を咥えていたんですか?」

凛「なんの話よ」

桜「……」

凛「士郎が寝ぼけてたんでしょ」

桜「……」

凛「本当よ!!私は何もしらないんだから!!」

桜「わかりました」

凛「な、なによ……?」

桜「それでは……」

凛「……」

桜「セイバーさん」パンッパンッ

セイバー「はいっ!!なんですか?!」ダダダッ

桜「姉さんの様子が少しおかしいので、監視をお願いしたいのですが」

セイバー「はいっ!」

桜「くれぐれも気取られないようにしてくださいね」

セイバー「わかりました!!」ダダダッ

桜「……」

士郎「桜ー」

桜「はぁーい」テテテッ

士郎「買出しに行くんだけど、一緒に行くか?」

桜「はいっ!よろこんで!」

士郎「じゃあ、10分後に集合な」

桜「わかりました♪」

凛「……」

セイバー「……」

凛「なに?」

セイバー「なんですか?」

凛「いや、やることないなら自室に戻れば?」

セイバー「私がどこにいようとも、リンには関係ありません」

凛「そう……」

セイバー「はい」

凛「ねえ、セイバー?」

セイバー「なんですか?」

凛「冷蔵庫の上段右奥にチーズケーキがあるわ。それで手を打ちましょう」

セイバー「わかりました」

凛「よし」

夕方

士郎「じゃあ、桜ー。悪いけど下拵え頼むな」

桜「はぁーい」

士郎「えっと……まずは洗濯物を入れて……風呂の掃除だな」

セイバー「シロウ」

士郎「セイバー、どうした?」

セイバー「サクラは?」

士郎「キッチンにいるけど?」

セイバー「……」

士郎「どうした?」

セイバー「いえ……サクラを裏切ってしまったので、合わせる顔がないのです」

士郎「そうなのか。大変だな。ほとぼりが冷めるまでは自室にいたほうがいいんじゃないか?」

セイバー「そうします」

士郎(最近のセイバーも何かと一生懸命なんだよな……なんでも手伝おうとするし……どうしたんだろう?)

風呂場

士郎「……」ゴシゴシ

凛「ふぃほー」

士郎「ん?遠坂か?」

凛「……」

士郎「どうした?今は、風呂掃除で忙しいからあとでな」

凛「ふぃほー、ふぉっひみふぇ」

士郎「なんだよ……。って、またか」

凛「……」

士郎「行儀悪いからやめとけよ」

凛「……」

士郎「あと、たまには風呂掃除も手伝って―――」

凛「しふぉーふぉ、ふぁふぉー!!」ダダダッ

士郎「遠坂!!……なんでさ」

凛(だめだ……ここまでなんて……私がすごくバカみたいじゃない!!)ダダダッ

ライダー「リン」

凛「ふぁいふぁー!?」

ライダー「何を咥えているのですか?」

凛「……っ」バッ

ライダー「……?」

凛「じゃあ……これで……」

ライダー「待ちなさい」

凛「……」

ライダー「今、ポケットに入れたものを見せてください」

凛「ライダーには関係ないでしょ!?」

ライダー「いいから」

凛「……はい」

ライダー「なんですか?これは?」

凛「しらないわよ!!それあげるわ!!」ダダダッ

ライダー「頂いても用途が分からないと……」

士郎「あ、ライダー」

ライダー「シロウ」

士郎「なにして……ライダー、何持ってるんだ?」

ライダー「リンに頂きました」

士郎「そうなのか。結構大事そうにしているような気もしたけど……」

ライダー「とりあえず開けてみます」ピリッ

桜「せんぱぁーい、すいませーん!!」

士郎「すぐいく!!」

ライダー「行って来て下さい、シロウ」

士郎「中身、あとで教えてくれ」

ライダー「わかりました」

ライダー「これは……?」

ライダー「……」クンクン

ライダー「……」ビヨーン

ライダー「なるほど……これはアレですね……」ビヨーン

ライダー「こういう形状なのですか……」

セイバー「はぁ……やはり張り切るだけではシロウたちの役には……」

ライダー「セイバー」

セイバー「ライダー、どうしたのですか?」

ライダー「これを」

セイバー「これは?」

ライダー「避妊具です」

セイバー「……」

ライダー「……」

セイバー「……は?」

ライダー「知らないのですか?」

セイバー「現代の知識はある。私が問いたいのは、どうして貴方がこれをもっていて、しかも中身を取り出し、私に差し出したのかということです」

ライダー「ああ、申し訳ありません」

セイバー「で、これはどうしたのですか?」ビヨーン

ライダー「リンから頂きました」

セイバー「避妊具を?」

ライダー「ええ」

セイバー「何故?」

ライダー「分かりません」

セイバー「もしかして、シロウが言っていたリンがいつも咥えているものとは」

ライダー「これだったのでしょう」

セイバー「はむっ」パクッ

ライダー「セイバー……」

セイバー「あふぁりおいふぃくありふぁふぇんふぇ」

ライダー「美味しくはないでしょうね」

セイバー「ふぉーでふか」

ライダー「しかし、リンはどうしてこれを咥えていたのでしょうか……」

セイバー「わふぁりふぁふぇん」

ライダー「何か伝えたいことがあったのでしょうか」

セイバー「ふっふぉふぁんふぇふぃふぁら、おいふぃくなふとふぁ?」

ライダー「スルメじゃないんですから、そんなことはありえません」

セイバー「む」

ライダー「避妊具を口に咥える……これを使って……?」

セイバー「……」ハムハム

ライダー「まさか、リンは……」

士郎「セイバー、ライダー、ごはんの―――って、セイバー?!」

セイバー「ふぃほー」

士郎「何を咥えてるんだよ!?」

セイバー「ふぉんふぉーむでふ」

士郎「え?」

ライダー「セイバー、はしたないですよ」バッ

セイバー「む」

士郎「ライダー……それ……」

ライダー「なんですか?」

士郎「えっと……もしかして……」

ライダー「風船です」

士郎「え……?」

ライダー「風船ですよ。士郎」

士郎「風船なのか?」

ライダー「はい。セイバーは上手く膨らませられませんでしたが」

士郎「変わった風船もあるんだな」

ライダー「ええ」

セイバー「ライダー、それは」

ライダー「しっ」

セイバー「……」

ライダー「リンも同じだったのではないですか?」

士郎「遠坂も?」

ライダー「上手く膨らませることができないから、シロウを頼ろうとしたのでは?」

士郎「なんだー。そういうことだったのか」

ライダー「リンはあれでプライドが高いですからね」

士郎「そうか」

セイバー「シロウ、夕食は?」

士郎「ああ、もうすぐ出来上がるから居間に行こう」

セイバー「はい」

ライダー「今度リンがそれを咥えて現れたときは……」

士郎「分かってるよ。膨らませてやればいいんだろ?」

ライダー「誰にも内緒ですよ。リンはきっと怒ります」

士郎「ああ、任せといてくれ。肺活量には自信あるから」

ライダー「ふふっ……」



士郎「さー、寝るか」

凛「し、士郎……」

士郎「遠坂、どうした?」

凛「こ、これ……して……」スッ

士郎「……」

凛「こ、ここまで言ったらわかるでしょ!!いくらあんたでも!!」

士郎「ごめんな、遠坂」

凛「え……」

士郎「こんなことにも気づいて上げられないなんて、男としてダメだと思う」

凛「そ、そうよ……こ、ここまで露骨にアピールしてるのに……」

士郎「俺の部屋に来るか?」

凛「う、うん……お、おねがい……」モジモジ

士郎「よし、行こう」

凛「……」ドキドキ

士郎「じゃあ、始めるか」

凛「……うん」

士郎「……」ピリッ

凛「……」スルッ

士郎「遠坂?なんで脱ぐんだ?」

凛「え?」

士郎「暑いか?」

凛「着たままするの?」

士郎「俺はそのつもりだけど」

凛「……」

士郎「……」

凛「……じゃあ、着たままでもいいけど……よ、汚さないでよ?」

士郎「汚すわけないだろ」

凛「ふん……」

                 /!_

        _ ___ ,.、   `y'
       / ,.、ヽ/ヘ ヽ、     _,ィ
  人_   l /‐'゙`'"'ー、 l l \    〉ヘ
 `Y    ,!ナ⌒   ⌒ヽl l  `ヽ、 __
      彡=Lr=iミ | ヽ       `丶、    _
       (⊃'´_ー'⊂⊃、 \        `ヽ'::::ノ
        !>、,ヽノ __ ,.ヘヽ、 ヽ       ,ノr'⌒ヽ
        ヽ ソ::: ̄::/:::::::\ヽ  ト--‐─'ブ::::ノヽ、 l、__,ィ
      _∠メユ:ム∠;::::::::;ゝヽ-`ニヽ、 ` ̄   `ー-‐′
       ‘==勹 ト==イ_;/:::}、___   `ゞ=‐'
         |-ト`丶ニ7:::;ノ//-.、

        r==,7、\_lス<〈,〃ヾヽ
       /´〃'| |''ヾi└rヾユ、 ,>),!l}
      { { {! c|j },!} ヾゝイノヾ‐シ

       ヽヾ、 _,.ノノ    ̄ `~´
        ` ー‐''´

凛「電気……消すわよ?」

士郎「え?なんでさ?」

凛「は、恥ずかしいからよ!!」

士郎「膨らむところを見るのが?」

凛「ば、バカッ!!何言ってるのよ!!!そうだけど!!」

士郎「わかった。じゃあ、消してもいいぞ?」

凛「もう……」

パチンッ

士郎「じゃあ、始めるな」

凛「う、ん……」

士郎「すー……」

凛「士郎……?」

士郎「なんだ?」

凛「あの……や、優しく……してよ……?」

士郎「優しく?わ、わかった……できるだけ優しくする」

凛「……」スルッ

凛(よ、よし……脱いだわ……これで……)ドキドキ

士郎「ふぅー!!ふぅー!!!!」

凛「……!?」

凛(し、士郎がすごく興奮してる……?!)

士郎「ふぅー!!!ふぅぅぅー!!!」

凛(士郎のバカ……これじゃあ、絶対に滅茶苦茶にされるじゃない……)

士郎「ふぅぅぅぅー!!!!!ふぅぅぅー!!!!!」

凛(どうしよう……血とか……でるかしら……)

凛(そうだ……魔術で痛み止めを……)

士郎「ふぅぅぅー!!!!!」

凛(できた……これで多少の痛みなら……大丈夫……)ドキドキ

士郎「ふぅぅぅぅー!!!!!!」

凛(あー……もう、私……どうなるの……)ドキドキ

士郎「こんなもんかな」

凛「え……?」

士郎「遠坂、見てくれ」

パチンッ

凛「きゃ?!」バッ

士郎「ほら、こんなに大きく風船が―――遠坂?どうして……脱いで……」

凛「……っ」ブルブル

士郎「あの……とりあえず、風船……」

凛「士郎なんて……」ウルウル

士郎「え?」

凛「だいっきらい!!!」ダダダッ

士郎「遠坂!!おい!!」

士郎「あいつ……」

士郎「下着、脱いだままだぞ……どうするんだ……」

                 l  >/ ./ .::/:// ./ /ヾvム i  i  ヽY´;.=--
                ,レ:´::::::! :' :::/:/./i' ;イ /   |::! :! ::i  :i::Y:::::_
                7:、:::::::l:i|:.,イ:/l/ !i_j:,′   , !,イ: :! :::! :.::l::l/´::::....
                 l ,ヘ::_:|ハi| li T¨´l! |{     ∨ !:/i :;'|:.:j::!::ト、:___;.
                   l /   ̄/l ,z==ミ !   / `/、,!/ !,イ:j!/:::.`ヽ   士郎攻略したったったwww
                   ,'/  ,  f ,|            =ミ、′7'//リ::::::::.. \
               〃  .:/ .::! l        ,        ヾY /,ミ:7ー-‐'⌒
               /  .:::/ .:::::ぃ    i- ..__      し , ‐/::::   ,
            / / ゙̄V  .:::::/:::ヘ   |    j     ,ノr‐!::::    i:
            , ー1  亅 .:::::/::::i::::ヽ  !     /   /_,.-':i:::::   i:.
          , ‐'´i   、 _,丨:::::/::::::i:r:/ \`ー‐'_,,. -‐'´::「::::::i::|::::: ::.  !::
        /   l    !  tー- ._rv′`ー- 二_´ /:::::/:::i|:::::::i::|::::: i:..  i:::
.      〈 ',  !   li′ \_:.:.:.\:.:.:.:.:.:.:.:.::.:: ̄::〉:::i::::::i!:::::::!:l:::::::. l:::..  、
      ハ ヽ  i  リヽ.    `i:.:.:.:.ヽ:.:.:.:.:.:.:.::.::.: イ:::::l:::::::l::::::::i::!:::::::..l:::::.
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        |〃    i   `  | ̄ ̄ ̄ヽ  / .| i l   |  i i
        |′    |     i L,,__,,.」 ´   L i |  |  i l
        / /     |     |   ┌L ___   -─┘ |   |  | l
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        ノ  j/     |:::::::::{ L ノノ/77ヾ、     //::::l  ` ‐--‐ \
.     //i /    |:::::::::ト-- ´イ{{ }}\ヾニニ ∠:::::::ゝ --──-  \

翌朝

士郎「おはよう」

セイバー「おはようございます」

桜「おはようございます、先ぱ―――先輩?!それなんですか?!」

士郎「え?風船。いるか?」

桜「そ、そんなものいりません!!新品でおねがいします!!」

士郎「そうか」

ライダー「おはようございます」

士郎「あ、ライダー」

ライダー「なんですか?」

士郎「遠坂、怒ったぞ?話が違うじゃないか」

ライダー「不出来な風船に立腹してしまったのではないですか?」

士郎「そんな……普通に膨らませただけなのに」

ライダー「捻って犬にしてみては?」

士郎「なるほどな」

士郎「……」ギュッギュッ

桜「ライダー、どういうことなの?」

ライダー「サクラは何も心配することはありません」

桜「そうなの?」

ライダー「私はサクラの味方です」

桜「ライダー……」

セイバー「……」

士郎「ライダー、これでどうだ?」

ライダー「いいと思います」

士郎「そうか。これで遠坂も喜んでくれるな」

凛「おはよ……」

セイバー「リン、おはようございます」

士郎「遠坂!!みてくれ!!犬にしてみた!!」

凛「……」

士郎「初めて作ったから、多少は多めに見て欲しいんだけど」

凛「あんた……朝からなんてものを持ちこんでるのよ!!!」

士郎「え……?」

凛「最低!!死ね!!」

士郎「なんでさ!!俺は遠坂のために―――」

凛「……っ」ウルウル

士郎「遠坂……泣いてるのか……?」

凛「もう……いいっ!!でていくっ!!!こんなところいてやるもんですかっ!!!」ダダダッ

士郎「遠坂!!」

桜「姉さん!!」

ライダー「……」

セイバー「……」

士郎「ライダー!?どうしてこんなことになったんだよ?!」

ライダー「皆目検討がつきません」

セイバー「リン……」

冬木市で一番かわいい冬木の虎の出番マダ―?

凛の部屋

凛「もう……絶対にわざとじゃないの……!!」

凛「士郎のバカ……アホ……」

凛「もう……だいっきらい……」ウルウル

トントン

士郎「遠坂……入っても……」

凛「あんただけはもう顔も見たくない!!!」

士郎「今度はウサギにしてみ―――」

凛「それ以上、口を開いたら……殺す」

士郎「わ、わかった……」

凛「昼には出て行くわ。もう私に構わないで」

士郎「遠坂……」

凛「おねがい……もういいから……どっかいって……」

士郎「わかった」

士郎「はぁ……」

セイバー「シロウ、洗濯物を干しておきました!!」

士郎「ありがとう」

セイバー「……シロウ?」

士郎「ん?」

セイバー「リンは?」

士郎「もう荷造りしてる」

セイバー「このままでいいのですか?」

士郎「……」

セイバー「シロウ……」

士郎「だって、なんかいつもと怒りかたが違うから、どうしていいか……」

ピンポーン

士郎「ん?」

イリヤ「シロー!!!あそびにきたわよー!!!」

士郎「イリヤ!?」

リズ「イリヤ、先にいくとセラが怒る」

イリヤ「いーのいーの」

士郎「リズも来てたのか。グーテンモルゲン」

リズ「グーテンモルゲン」

イリヤ「今日は何してあそぶー?」

士郎「ごめん、イリヤ。今はそれどころじゃ―――」

イリヤ「なにこれー?」

セイバー「それは!!」

イリヤ「風船でウサギをつくったの?」

士郎「ああ、そうだ」

イリヤ「へー……ん?」

士郎「どうした?」

イリヤ「シロウ、これ風船?」

士郎「そうだけど……?」

イリヤ「……」

セイバー「イリヤスフィール?」

イリヤ「……」ジーッ

リズ「イリヤ、固まった」

士郎「イリヤー?」

セラ「こ、こら!!リーゼリット!!!」

リズ「あ、セラきた」

セラ「どうしてそう先に行って―――お嬢様?」

イリヤ「……」ジーッ

セラ「あの……それは……」

イリヤ「これ……どうみても……コンド―――」

セラ「お嬢様!!!すぐにお捨てになってください!!!」バッ

イリヤ「いや、でも……それコンド―――」

セラ「このようなものは……こうして、こうして……ゴミ箱へ!!」ポイッ

リズ「シロウの傑作が」ゴソゴソ

セラ「拾わなくてよろしい!!!」

イリヤ「シロウ、あれどうしたの?」

士郎「え?ああ、遠坂からもらったんだ」

イリヤ「リンから?!いつ?!」

士郎「昨日の晩」

イリヤ「で、どうしてあんなバルーンアートになってるの?」

士郎「いや……そうしたほうがいいって」

イリヤ「使ってないってことね……?」

士郎「何を?」

イリヤ「はぁ……まぁ、私としてもそれでいいけど、わざわざもらったその場で膨らませたの?」

士郎「いや、俺の部屋でだけど」

セラ「不潔」

リズ「むしろ健全」

セラ「どこが?!」

イリヤ「シロウ……そのときのリンの様子、変じゃなかったかしら?」

士郎「そうだな……電気を消してとか言われたし、下着も脱いでたな……」

セラ「……」

リズ「シロウ」

士郎「なんだ?」

リズ「バカ」

士郎「?!」

イリヤ「リズに言われたらおしまいね」

士郎「じゃあ、どうしたらよかったって言うんだ?!」

イリヤ「セイバー」パンッパンッ

セイバー「はい?!」

イリヤ「愚鈍な貴方でも事態の把握はでているはずよ?」

セイバー「勿論です!!」

イリヤ「じゃあ、とりあえずリンのところに言って説得してきて」

セイバー「わかりました!!!」ダダダッ

士郎「セイバー、やけに素直だな」

イリヤ「まぁね」

凛「これでよしっと」

セイバー「リン!!」

凛「なによ?」

セイバー「もう一度、シロウと話してみませんか?」

凛「もういいわ」

セイバー「シロウはきっと大きな思い違いをしていただけだと思います!!」

凛「……」

セイバー「ですから……!!」

凛「いいのよ、セイバー?」

セイバー「え?」

凛「どんなにアプローチしても暖簾に腕押し。脈がなかったってことよね」

セイバー「リン……」

凛「もう諦めるわ。それじゃあ」

セイバー「リン!!シロウの鈍さは知っているはずです!!」

凛「……」

セイバー「リン……シロウは朴念仁です」

凛「……」

セイバー「私も必死にお手伝いをしていますが、お礼以上のものをもらえたことはありません!!」

凛「セイバー……最近、やけに従順だと思ったら……」

セイバー「いい子にしていれば……シロウがその……愛でてくれるかと……思いまして……」

凛「そう」

セイバー「でも、結果は惨敗でした!!イリヤスフィールに言われた通りのことをしていたのに!!」

凛「あいつは本当にダメよね」

セイバー「はい!!我がマスターのことを悪く言うのは忍びないですが、シロウはダメです!!」

凛「……」

セイバー「一度や二度、気づいてもらえなかったぐらいでなんです。それならもっともっと繰り返せばいいだけです」

凛「セイバー……」

セイバー「さあ、リン。もう一度、シロウと話しましょう」

凛「そうね……そうしてみようかな……」

イリヤ「いい?」

士郎「わかった」

セラ「まったく……」

凛「士郎?」

士郎「遠坂……」

凛「……」

士郎「ごめん……」

凛「なにが?」

士郎「俺……遠坂を傷つけてたんだよな……」

凛「イリヤ?」

イリヤ「私も同じ誘い方しようと思って」

セラ「……!!」ガタッ!!

リズ「セラ、めっ」

凛「あっそ……」

士郎「あの……なんて言ったらいいか……えっと……これから、するか?」

凛「……ふざけないで!!!」

士郎「……!?」

凛「よくそんな台詞を臆面もなく吐けるわね?!」

士郎「遠坂……」

凛「本当に信じられないぐらいのデリカシーのなさね……」

士郎「悪い……」

凛「……」

士郎「ごめん……遠坂……」

凛「もういいわ」

士郎「え?」

凛「今回は許してあげる」

士郎「本当か?」

凛「でも、士郎?」

士郎「な、なんだ?」

凛「どうしてあれを風船だなんて勘違いできたのかは、すごく興味あるのよね。教えてくれる?勘違いできた理由を……」

ライダー「ただいま、戻りました」

桜「せんぱーい、ただいまー」

凛「おかえり。ライダー、桜」

ライダー「はい」

桜「姉さん、先輩は?」

凛「居間にいるわよ」

桜「そうですか」

ライダー「……」スタスタ

凛「ライダー?」

ライダー「はい?」

凛「士郎がライダーに話しがあるんですって」

ライダー「私にですか?」

凛「今晩、士郎の部屋にいってあげて」

ライダー「わかりました」

凛「……」



ライダー(そういえばシロウが呼んでいるとか……行きましょうか)

セイバー「ライダー!」タタタッ

ライダー「なんでしょう?」

セイバー「シロウがこれをライダーにと」

ライダー「こ、これは?!」

セイバー「女性用の避妊具だそうです」

ライダー「……」

セイバー「それでは」

ライダー「え……シロウが……?」

ライダー「いや……でも、私は妊娠なんて……」オロオロ

ライダー「シロウ……サーヴァントの私の体をも気遣ってくれるというのですか……」

ライダー「……」タタタッ


桜「……」

凛「……」

ライダー「シロウ……?いますか?」

桜「ライダー?」

ライダー「ひっ?!」

凛「こんな夜遅くにどうしたの?」

ライダー「え……いや……シロウが私を呼んでいると……」

桜「そのこと私には一切、話してくれなかったわね、ライダー?」

ライダー「は?いや……そんな些細なことまで報告するなんて―――」

桜「先輩のことなのに?」

ライダー「……!?」

凛「言ったでしょ、桜?ライダーわね、こういう女なのよ」

桜「そうですね……姉さん。ライダーは先輩の血も吸ってるぐらいですからね」

ライダー「サクラ……違います……!!」

凛「シロウからと言われて、避妊具を受け取ったとき、本当に幸せそうだったわねえ……ライダー?」

桜「ライダー……残念です……本当に……」

ライダー「あの……これは……誤解……」ガタガタ

凛「じゃあ、お望み通り、士郎の部屋に入りましょうか」

桜「ふふ……そうですね。遠慮なんていいのよ、ライダー?」

ライダー「や、やめて……」

凛「よくも私に大恥かかせてくれたわね?サーヴァントだろうと女神だろうと、容赦はしないわよ?」

ライダー「あ、いや……これはサクラのためで……」

桜「先輩を傷つけてまでそんなことしなくても……いいのよ?」

ライダー「ひぃぃ……!!」

凛「さぁ……開けるわよ」ガラッ

ライダー「……!!」

桜「素敵でしょ、ライダー?ライダーのために先輩の部屋を少し、模様替えしたの」

ライダー「な、なにも……み、みえませんが……?」

凛「そうねー、桜の影をできるだけ詰め込んだからね。黒一色になったの。もうこの部屋に上下左右の感覚はないわ。宇宙と一緒」

桜「実はね。ライダーには前から私が子どものころの思い出を味わって欲しかったの……ふふふ……」

ライダー「やめてください!!!申し訳ありません!!!私は!!わたしはぁぁぁ!!!サク、ラのためにぃぃ!!!!」

凛「ライダー……覚悟してね?」

イリヤ「ふぃろー!!」テテテッ

士郎「イリヤ?!何を咥えてるんだ?!」

イリヤ「ふぉんふぉーむ」

士郎「だめだ!!」バッ

イリヤ「そうよね。別にいらないわよね」

士郎「そういうことじゃない!!」

セイバー「ふぃろー」テテテッ

士郎「セイバー?!」

セイバー「ふぇっふくふぃふぁふぉう」

士郎「なにを言っているんだ?!」

イリヤ「ふぃろー」ギュッ

セイバー「ふぃろー、ふぇっふくふぇす」

士郎「だから―――」

あぁぁあああああああ!!!!!!!

士郎「なんだ?」

翌朝

士郎「おはよう」

凛「おはよう、士郎」

桜「おはようございます」

セイバー「ふぃろー」

士郎「ぶふっ?!いつまで咥えてるんだ!!セイバー!!」

イリヤ「シロウ……昨日は楽しかったわ」

桜「え?」

凛「え?」

士郎「イリヤ!!」

イリヤ「もう、シロウってば、中々出してくれないから……疲れちゃった」

桜「先輩……?」

凛「へえ……」

士郎「違う!!七並べの話だ!!」

セイバー「ふぃろー、ふぇっふく」

イリヤ「じゃあ、またね、シロウっ!!」

セラ「それでは」

リズ「またね、シロウ」

士郎「はぁ……」

桜「先輩?本当にイリヤさんとは何もないんですね?」

士郎「ないない!!」

凛「ああいうのが好みとかも?」

士郎「どういうのだよ!!」

セイバー「ふぃろー」

士郎「セイバーはもうそれを咥えるな!!」

桜「もう……ふぇんふぁい?」

士郎「桜まで?!」

凛「ふぃろー?ふぉんふぁんは……ふぁっふぇくふぇるんでほ?」

セイバー「ふぃろー、ふぁふぁふぃもふぇっふくふぃふぁふ」

士郎「ああ、もう!!!なんでさー!!!!」

士郎「はぁ……酷い目にあった……。ちょっと休もう」ガラッ

士郎「?!」

ライダー「……」

士郎「ライダー?大丈夫か?」

ライダー「ふぃほー……ふぁふぁふぃふぁ……」ガクガク

士郎「ライダー!!しっかりしろ!!呂律が回ってないぞ!!」

ライダー「あぁぁ……あぁぁ……」ブルブル

士郎「ライダー……辛い目にあったんだな……。俺でよければなんでも言ってくれ。ライダーの恐怖を取り除くぐらいのことはできるかもしれない」

ライダー「え……士郎……?」

士郎「ライダー……なんでもするから」

ライダー「で、では……あの……わ、私を抱いて―――」

桜「―――反省してないのね」

ライダー「ひぃぃ!?」

桜「じゃあ……今度は10年分の思い出……味わってね……ライダー?」

ライダー「いやぁぁぁぁぁ!!!!!!」
                               END

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