黒子「火神君は765プロのアイドルで誰が好きですか?」(171)

代行

火神「決まってんだろ!」

火神「オレは中学2年までアメリカにいた」

黒子「知ってますけど」
火神「日本(こっち)戻ってきてガクゼンとしたよ。アイドルのレベル低すぎて」

黒子「……」

火神「オレが求めてんのはお遊びのアイドルじゃねー。もっと全力で血が沸騰するようなアイドルが見てーんだ」

黒子「落ち着いてください。それで、誰が好きなんですか?」

火神「……さん」

黒子「え?」

火神「だー! あずささんだよ、あずささん! 三浦あずささんだよタコ!」

黒子「……そうですか」

火神「てか、反応うすいな! コラ」

黒子「すみません。予想通りだったもので」

火神「んだと!?」

黒子「ガサツで、大雑把な火神君は、きっと大柄な三浦あずささんだろうと、ボクは思ってました」

火神「テメー!」ガシッ

黒子「苦しいです、火神君」

火神「オレの事はなんて言われてもかまわねー。けどな、あずささんの悪口だけは黒子! いくらテメーでも許せねえ!!」

黒子「落ち着いてください、火神君」

火神「オレは、れーせーだよ」

黒子「冷静な人は、人を絞めあげて吊りあげません」

火神「チッ」ドスッ

火神「じゃあ聞くが、テメーは誰のファンなんだよ? まあどーせ、どこまでもふつーなテメーのことだ、春香ちゃんとかだろーな」

黒子「違います」ニコ

火神「あ?」

黒子「天海春香ちゃんは……むしろ苦手です」

火神「意外だな」

黒子「だってあの人……カゲ薄いじゃないですか」

火神「テメーが言うのかよ!? それ!」

黒子「ボクはハゲだ……」

火神「うえっ!?」

黒子「間違えました。ボクは影だ」

火神「ヘンな所でボケんな!」

黒子「影は光が強いほど濃くなり、光の白さを際立たせる」

火神「なるほどな。つまりテメーが好きなのは、あのキラキラ輝くとファンに人気の、星井……」

黒子「秋月律子さんのファンです」

火神「おもいっきり影の存在じゃねーか! しかももうアイドルじゃねーし!」

黒子「ボクは影だ」

火神「さっきも聞いた」

黒子「だから影で目立たず、でもここぞという時に活躍する、そういう存在が好きなんです」

火神「さっき言ってたことと違くね!?」

黒子「別に違いませんよ。火神君、変な誤解はやめてください」

火神「てめえ……」

黒子「でもボク達、意外にアイドルの趣味は近いかも知れません」

火神「あずささんとりっちゃん……近いかよ?」

黒子「二人とも……巨乳です」

火神「……そういうことかよ」ニヤッ

黒子「ボクも秋月律子さんの胸を見ると、正直……色々ムラッときました」

火神「何気にムッツリなトコあるよな、オマエ」

黒子「勃つことがすべて、それが帝光中バスケ部の唯一にして絶対の理念でした」

火神「ヘッ! ちょっとだけわかるぜ、それ。オレもあずささんの胸を見てるとたまらねー。胸なんてのはなあ、揉みきれねェぐらいがちょうどいい」

黒子「火神君なら、わかってくれると思ってました」

ガシッ! 黒子と火神は、拳と拳をぶつけ合った。

火神「ところでよ、主将(キャプテン)たちは誰が好きなんだろーな」

黒子「ボクも興味が沸いてきました」

火神「いよし! ちょっと聞きに行ってみようぜ」


日向「は? 765プロのアイドル?」

黒子「ええ」

火神「主将はアレっすよね。胸が小さいのが好きみたいっすから、ちーたんすか?」

日向「……あ?」ゴ

火神「え? いや、カントクみたいな女が主将の……」

日向「誰が貧乳フェチだって……この一年が!」ゴゴゴ

火神「ちょ、え? なんだ!? この圧力!」

黒子「じゃあメガネ仲間で、僕と同じ秋月律子さんのファンですか?」

日向「……あ?」ゴ

黒子「いえ、理知的な頭の良い人が好きなのかと」

日向「メガネが全員、頭いいと思うなよ!!」ゴゴゴ

火神「じゃあいったい?」

日向「如月千早も、秋月律子なんかも眼中にねえ! 俺が好きなのはなあ」ゴゴゴゴゴゴゴ

火神「……」ゴクッ

黒子「……」コク

日向「水瀬伊織様だ! ボケぇ!!」

火神「やっぱ胸、小っちゃいんじゃねーか」スタスタ

黒子「なんだ、ドMですか」スタスタ

日向「ちょ、おーい! なんだよその切り捨て方!!」


黒子「時間の無駄でしたね」

火神「ああ。けどよ、ちょっとキョーミわいてきたわ」

黒子「?」

火神「キセキの世代、アイツらは誰のファンなんだ?」

黒子「なるほど。今の彼らは、かつてボクが知っていた彼らではなくなっている」

火神「全員、確実に進化してるってワケかよ」

黒子「成長を遂げた、今の彼らが誰のファンか……ちょっと知りたくなってきました」

火神「よし、行くぞ黒子! まずは黄瀬のヤローだ」


海常高校


黄瀬「え? 好きな765プロのアイドルっスか?」

火神「あぁ。いるんだろ? テメーにもお気に入りのアイドルってやつがよ」

黄瀬「オレはやっぱ、あの娘っスわ」

黒子「待ってください、黄瀬君」

黄瀬「え?」

黒子「火神君、誰だと思いますか?」ヒソヒソ

火神「モデルもやってる黄瀬のヤローだ。ここは……やっぱスタイルばつぐんの星井美希ちゃんじゃねえか?」ヒソヒソ

黒子「ボクは逆に、モデルをして芸能界の光と影を知っているからこそ、地味な天海春香さんじゃ?」ヒソヒソ

火神「なるほどな、どっちもありそーだな」

黄瀬「あの、いいスか?」

火神「ああ、またせたな。んで、テメーの好きなアイドルは?」

黄瀬「やっぱ双海亜美ちゃんスよ、亜美ちゃん!」

黒子「え……」

火神「は?」

黄瀬「この間、モノマネ番組で競演したンすけど、マジ上手いっすわー亜美っち。お陰で意気投合しちゃって、メアドも交換しちゃったんスよ」

黒子「帰りましょう、火神君」

火神「じゃましたな、黄瀬」

黄瀬「ちょ、なんなんスか?」

黒子「黄瀬君は、女性をもっと性的な目で見るべきです」

黄瀬「黒子っち……変わったっスね」

黒子「そうですか?」

黄瀬「勃つことがすべて! それに反発していたのは、黒子っちじゃないスか」

黒子「……確かにボクは、その理念に疑問を持っていました。でも、女性を性的な目で見ていない今の黄瀬君の方が、ボクは間違っていると思います」

黄瀬「……それは違うっスよ」

火神「あ?」

黄瀬「オレが亜美っちを、性的な目で見ている……もしそうだとしたら?」

黒子「!」

火神「テメェ!」

黄瀬「誰もオレを止められない! そして勃つのはオレっスよ……!」

火神「キセキの世代、ここまで姦ンのかよ!!」

黒子「すみません。正直……ボクは今の黄瀬君を甘く見ていました」

火神「キョーレツなお返しをもらった気分だぜ」

黄瀬「わかってくれればいいんスよ。次は……インターハイの舞台で」スタスタ

黒子「黄瀬君、てっきり双海亜美ちゃんの将来性に賭けてるのかと思ったら……今、勃つんだ」

火神「黒子……」

黒子「なんですか? 火神君」

火神「やっぱスゲーわ、キセキの世代。マジでハンパねえ」

黒子「ですが黄瀬君以外の他の4人は、また別格です。正直、レベルが違います」

火神「いいねえ……燃えてきたぜ。次は緑間のヤローだ、行くぜ」


秀徳高校


緑間「なんなのだよ、練習中に。まったく不愉快な連中だ」

黒子「早速ですが緑間君、765プロのアイドルで好きなのは誰ですか?」

緑間「なんだと……?」

火神「早く言おーぜ。もうこれ以上、抑えらんねーよ」

緑間「くだらん、そもそもそんな疑問を持つこと自体が愚問なのだよ、バカめ」

火神「んだとぉ……」

緑間「いいか、765プロのアイドルで最も人事を尽くし、天命を味方につけているのは……」

火神「? 誰だ? 努力ってんなら、春香ちゃんか?」

黒子「天命を味方に……使命感という意味で、如月千早さん?」

緑間「ゆきぴょん以外には、ありえないのだよ」

火神「努力家……雪歩ちゃん……まあ、そうか」

黒子「天命はよくわかりませんが、人知れず努力を積み重ねている緑間君らしいとは思いました」

緑「フン、バカめ」

火神「あ?」

緑間「オレがゆきぴょんのことを、なぜ好きなのかわかるか?」

黒子「?」

緑間「身体能力で優れている所は一つもない、一人では何もできない。にもかかわらず、765プロでアイドルとして衣装を着て、アイドルアルティメット優勝へと辿り着いた」

火神「やっぱ努力が好きなんだろ? テメー」

緑間「そういう言われ方は、不愉快なのだよ。ゆきぴょんの偉大さは、あの正確なフォームから繰り出される、技術だとなぜ気づかないのだ」

黒子「それってもしかして、穴掘りの話ですか?」

緑間「当然だ。ポイントに正確にスコップを入れる。フォームの美しさ……いいに決まっているのだよ」

黒子「緑間君って頭いいのに、たまにアホですよね」

緑間「何ィ!?」

黒子「女の子は、もっと性的な目で見てほしいです」

緑間「フッ。黒子、だからお前はダメなのだ」

火神「おいテメー、もしかして……」ブルッ

緑間「オレはゆきぴょんの穴掘りを、性的な目で見ている。当然なのだよ」ニヤリ

黒子「……これはさすがに、ボクもおどろきました」

火神「クソッ……オレは勝てんのか!? こんな化け物に!?」

黒子「あんなひ弱な見た目の女の子に、掘られたいなんて……そんなのが楽しいんですか?」

緑間「オレは楽しい楽しくないで、アイドルの応援などしていないのだよ」

黒子「気持ちいい気持ちよくないで、アイドルの応援をしているんですね」

緑間「……黒子。やはり……オマエは気にくわん。何を考えてるか分からん目が特にな……」

黒子「ボクは、緑間君の考えていることが分かって、正直ドン引きです」

緑間「そんなタマではないだろう」

火神「まあとにかく、緑間のシュミはわかった。せいぜー痔には気をつけな」

緑間「火神。一つ忠告してやるのだよ。東京にいるキセキの世代は二人。オレともう一人は、青峰大輝という男だ。そして、奴はオマエと同種のアイドルオタだ」

火神「はあ? いや、青峰は知ってっけど……とりあえずあいつも相当、姦るんだろ?」

黒子「……姦ります。……ただあの人のシュミは……好きじゃないです」

火神「?」


桐皇学園高校


黒子「お久しぶりです、青峰君」

青峰「テツか……」

黒子「また練習サボって、イメージプレイですか」

青峰「ハハハ。オイ! オイ! オレは、オレが萌えられるヤツとか、存在しねえもん探してるわけじゃねーんだよ」

火神「なんだと?」

青峰「オレが萌えられる奴なんざ、オレしかいねーよ」

火神「ナルシスト、ってやつかよ……」

青峰「火神……そーゆーことはせめて、オレより出すモン出してから言えよ。アリエネーケド」ヌギッ

火神「じょーとーじゃねーか!」ヌギッ

黒子「二人ともやめてください。……校内ですよ」

青峰「チッ。で、なんだよテツ、今日は」ハキハキ

黒子「青峰君、今でもまだ765プロに萌えられるアイドルはいませんか?」

火神「!?」

黒子「以前、青峰君は言いました。765プロに萌えられるアイドルはいない、と」

青峰「……これでも反省してんだぜ?」

火神「どうゆう意味だよ」

青峰「もっと早くハマってもよかったわ、765プロのアイドル」

黒子「じゃあ今は、いるんですね? 萌えられるアイドルが、765プロに」

火神「おい、黒子。誰だと思う」ヒソヒソ

黒子「自分大好き青峰君です、やはり身体能力の高い菊地真さんだと思います」ヒソヒソ

火神「まこりんもだが、ダンスじゃ響ちゃんのが上だ。オレは響ちゃんだと思う」ヒソヒソ

青峰「アイツはマジいーわ。あのアイドル……」

黒子「……」コク

火神「……」ゴクッ

青峰「はるるんっきゃねー! あの諦めの悪さだけは、認めてやるわ……」

黒子「……え?」

火神「はあ?」

青峰「どんなにもって生まれたモンが不利でも、際立ったモンがなくても必死でがんばる姿……」ウルッ

黒子「青峰君、もしかして泣いて……」

青峰「へっ。オレが本気で萌えられる、数少ないアイドルだな」

火神「コイツ、ドライかと思ったらけっこう人情派なんだな」

青峰「どいつもこいつも……カン違いしてんじゃ、ねーーーよ!!!」」

火神「え? だってテメー……」

青峰「カン違いしてんじゃ……ねー……よ」ポロポロ

黒子「意外でした。青峰君が、こんなにも才能無い人に肩入れするなんて」

火神「才能無い、って何気にヒデーな。けどまあ、確かに青峰がこんなにウエットとはな」

黒子「それで青峰君。青峰君は、春香さんを性的な目で見てるんですか?」

火神「お、おい黒子!」

黒子「これはどうしても聞いておきたいんです。青峰君は、帝光時代の理念を今はどう思っているのか」

青峰「テツ、オレもこれだけは言っておく。はるるん以外ではオレは……もう勃たねー」

黒子「! そこまで、春香さんに……」

火神「常識が全く通じない……!! つくづくキセキの世代ってのは、ふざけた奴ばっかりだ」

黒子「よくわかりました。今日は、会えて良かったです」

青峰「ああ。またなテツ、火神」テクテク

火神「意外に、いいヤツだったな。もうアホミネとか呼べねーな」

黒子「ええ。でもそう呼んでるのは、火神君だけです」

火神「え゛!?」

黒子「ついでに言うと、桐皇の人達は火神君の事をバカガミって呼んでました」

火神「んにゃろー!」

黒子「それといいかげん、パンツはいてください」

火神「うおお! わすれてたあああぁぁぁーーーっっっ!!!」ハキハキ


黒子「さて次は、紫原君ですが」

火神「秋田だよな、アイツの高校」

黒子「さすがに気軽には行けませんね」

木吉「おーい」

黒子「あれ? 木吉先輩?」

木吉「会えて良かった。陽泉の連中が、ちょうど合宿に東京まで来てるそうだ。ちょっと偵察に行ってこいって、リコが言ってたぞ」

火神「おお、ナイスタイミング。さっそく行こうぜ、黒子」

黒子「ええ。でもその前に、やはり木吉先輩にも聞いておきたいです」

火神「あ? 好きなアイドルか? そーだな、木吉センパイは主将とは違いそうだしな」

木吉「? なんの話だ?」

黒子「先輩、765プロで先輩の好きなアイドルは誰ですか?」

火神「木吉センパイも、確かカントクの事が……」

木吉「ああ、まあな」

黒子「臆面もないのはすごいです。じゃあB72の如月千早さんですか?」

火神「ここはオレも同感だ。ちーたんだ! センパイは貧乳のちーたん推しだろ……ださい」

木吉「……入院中、オレは握力の強化に励んだ」

火神「は?」

木吉「そしてリコの親父さんに教わって、でかい自然石を空中で掴み取る特訓をした」

黒子「……それで?」

木吉「親父さんに言われたよ、『もっとデケーもん掴みてーんだろが、これぐらいヨユーで掴んでみせろい』ってな」

火神「あの……好きなアイドルの話なんすけど」

木吉「わかってるさ。そうして編み出したのが、この必殺技だ。あの桐皇のマネージャーを見てろよ」

黒子「あ、桃井さん」

木吉「これがオレの編み出した必殺技『パイオツスロー』だ!」

ガッ

黒子「なにっ!?」

火神「ありえん……! いきなり通りすがりの女性の胸を、片手で掴むだと!?」

桃井「きゃあああぁぁぁーーーっっっ!!!」

ビッターーーンンン★★★

木吉「とまあ、こんなもんだ」ヒリヒリ

黒子「よくわかりませんが、わかりました。木吉先輩はもっとデケーもん、つまり巨乳スキーなんですね」

火神「オレらと同じ……じゃあ、センパイもあずささん推しですか!?」

黒子「それとも秋月律子さんですか?」

木吉「オレは……」

火神「……」ゴクッ

黒子「……」コク

木吉「千早のファンだ。如月千早、あの控えめな胸がいいな」

火神「ちょ! デケー胸はどうなったんすか!?」

黒子「話の流れが、おかしいです」

木吉「これが『後出しの権利』さ。じゃあ偵察の件、頼んだぞ」

火神「なんか納得いかねー!」

黒子「フッ……すみません火神君……実は……」

火神「?」

黒子「今ボク、やった! って……思っちゃいました」

火神「ハッ。何、言ってんだバーカ。そんなの、オレも思ったに決まってんだろ。あずささんスキーは、オレだけでいいからな」

黒子「ええ。秋月律子さんは、ボクの嫁です」

火神「こういう嫁話で、木吉センパイをライバルに回したくねーからな。NTR展開だけは、鬱でイヤだもんな」

黒子「木吉先輩は、異名が『鉄芯』ですからね」

火神「よーし! 安心した所で、行くぜ。紫原んトコへ!」


陽泉高校合宿所


紫原「あれー黒ちん?」

黒子「お久しぶりです、紫原君」

紫原「それと誰だっけ? 火神ちん?」

火神「火神だ! 人の名前の後に、へんなもんつけんな!!」

紫原「じゃあ火ちんねー」

火神「くっ! テメー」

黒子「止めてください。紫原君は、悪い人ではありません。むしろ人としては好感が持てます。悪気はないんです」

紫原「それでー? なにしに来たの?」

黒子「紫原君、765プロのアイドルで誰が好きですか?」

紫原「は?」

火神「いんだろ? テメーにも好きなアイドルがよ……」

紫原「……いるよ。そりゃ」

黒子「火神君、誰だと思います」ヒソヒソ

火神「紫原は、努力とか嫌いで才能や資質重視だろ? 美希ちゃんしかありえねーんじゃねえか?」ヒソヒソ

黒子「同感ですが、今までキセキの世代はみんな意外なトコを突いてきました」ヒソヒソ

火神「そういや、そうだな」ヒソヒソ

黒子「資質重視なら星井美希ちゃんですが、あえてここは紫原君に体格的にも見合う、四条貴音さんことお姫ちんでボクは」ヒソヒソ

火神「なるほど。紫原は、相手の名前の語尾によく『ちん』をつけて呼ぶしな」ヒソヒソ

紫原「オレが好きなのは……」

火神「……」ゴクッ

黒子「……」コク

紫原「やよいちんだよ。高槻やよいちん……」

火神「え……」

黒子「……さすがに、それはちょっと」

紫原「やよいちんはかわいいなあ」

火神「ちょっと待て、テメー! それはもしかして……」

黒子「紫原君、高槻やよいちゃんを性的な目で?」

紫原「もちろんだよ? なめてるっつーんだよ?」

火神「いやいやいや! まてまてまて!!!」

紫原「?」

黒子「紫原君、失礼ですが今のサイズは?」

紫原「えー? 確か身長が203cm。体重が99kgだよー?」

火神「く、黒子! やよいちゃんのサイズわかるか?」

黒子「身長145cm、体重37kgです」

火神「早っ! い、いやそんなことより紫原!! いくらなんでもテメーがやよいちゃんを性的な目で見ちゃダメだろ!!!」

紫原「勃つことがすべて、それが帝こ……」

火神「そりゃ知ってるが! 無理だろ!! サイズ的に!!!」

紫原「そんなことないよー。愛があれば年の差だってイケんじやん? なら体格の差だって……」

黒子「無理だと思います」

紫原「もしもオレが、やよいちゃんと付き合うとするじゃん……」

火神「コイツ、聞いてねー」

※以下 紫原敦の妄想

紫原「やよいちーん」

やよい「うっうー! 敦さーん。えへへ、敦さんってとーってもたくましいですよねー」

紫原「もーやよいちんは、かわいいなあ。うりうり」

やよい「はわわ、敦さんに小指で頭をナデナデされると、すごくドキドキしますー!」

紫原「やよいちん、今日も……いい?」

やよい「今日もですかー? 敦さんの大きいから、私こわれちゃいそうですー」

紫原「ゴメンゴメン。ひねりつぶさないように、大事にやさしくするから……ね」

やよい「うっうー! わかりましたーー!!」


火神「いや、ねえねえ! そんな展開、間違ってもねえから!!」

黒子「高槻やよいちゃんのイメージが崩れます。止めてください、そんな妄想」

火神「まったくだ! あずさスキーのオレでも、ちょっと許せねーな」

紫原「そんでねーそんでー……」

黒子「もう聞いていませんね。完全に自分の世界、つまり『ゾーン』に入ってます。まさか紫原君がゾーンに入れるとは」

火神「確かゾーンは、好きで好きでたまらねーヤツしか入れねえはずだろ」

黒子「ええ。それに、入ろう入ろうとすると、余計に入れないのがゾーンです」

火神「今のヤツは、入れよう入れようとしてたからな、ゾーン的にはオッケーなんだろう」

黒子「しかし、ここまでのロリ好きとは。心外です」

火神「このまま通報しとこうぜ、ポリースメン! この人でーす、って」

黒子「もうしました」

火神「早っ!」

黒子「さて、最後は赤司君ですが……」

火神「アイツ学校、どこだっけ?」

黒子「洛山高校。京都です」

火神「マジかよ。そりゃちょっと行けねーな」

黒子「ええ。とりあえず、一旦戻りましょう。それに……」

火神「なんだよ?」

黒子「明司君には、正直あまり会いたくありません。彼のモットーは『僕に逆らう者は、親でも犯す』ですから」

火神「マジかよ……よし、帰ろうぜ」


誠凛高校

リコ「おー! おかえりー。偵察、どうだった?」

黒子「え?」

火神「はあ?」

リコ「……行ったのよね? 陽泉の合宿に」

火神「あ、ああ、それは……」

黒子「行きました。ていうか、今日は海常、秀徳、桐皇も行ってきました」

リコ「すごいじゃない! それで? どんなデータが手に入ったの?」

火神「いや! データとかは……あんま見るべきもん無かったっつーか……」

リコ「? あら、黒子君その手帳……もしかして偵察の内容?」バッ

黒子「火神君……」

火神「あ? なんだ?」

黒子「逃げましょう」ダッ

火神「え? おい、黒子!? 黒……」

リコ「黄瀬君、ロリ好き……緑間君、バックホールシューター……」プルプル

火神「え? えええ???」

リコ「オマエラ……練習休んで、いったい何を調べてきてんのよおおおぉぉぉーーーっっっ!!!」

火神「ぎゃあああぁぁぁーーーっっっ!!!」

リコ「罰としてバ火神、アンタ明日から練習量10倍!」

火神「そんなあああぁぁぁーーーっっっ!!! く、黒子テメーばっか逃げやがってえええぇぇぇーーーっっっ!!!」


おわり

ありがとうございました。

最後に2点、訂正を。

木吉先輩の必殺技は『パイオツクロー』でした。

ご指摘にもありましたが、紫原敦の身長は208センチでした。

支援や乙、ありがとうございます。
書いていてとても楽しかったので、また書けたらと思います。

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