モモ「須賀京太郎……大っ嫌いっす!」(225)

咲「鶴賀と合宿……ですか?」

まこ「合宿ならこの前も龍門渕や風越と一緒にやったのう」

久「ええ。でも全国を相手にすると考えたら、まだまだ練習を重ねたいと思ってね」

和「わかりました。楽しみにしています」

優希「京太郎、おとなしくご主人様の帰りを待っているんだじぇ!」

京太郎「誰がご主人様だ、誰が」

久「あぁ、それで須賀君のことなんだけど……今回は一緒に合宿に来てほしいの」

京太郎「へ?」

久「前回はお留守番で寂しい思いをさせちゃったからね。本当は来たかったんでしょ?」

京太郎「そ、そりゃあ行きたいですけど……でもいいんですか? 何か問題でも起こったら……」

久「あら、須賀君は問題起こす気なのかしら?」

京太郎「い、いやいやいや! そんな気はめっそうもありません!」

咲「京ちゃん……(ジトー」

久「まぁ、須賀君なら大丈夫って判断よ。もちろん鶴賀にも了承済みだから、遠慮することはないわ」

京太郎「そ、そうですか! ならぜひ参加させていただきます!」

優希「私の可愛さのあまり、夜這いをかけるんじゃないじょ!」

京太郎「安心しろ、それだけは絶対ありえない」

優希「なにをー!」



まこ(なぁ、大丈夫なんじゃろか……?)

久(須賀君なら平気でしょ。それに雑用係がいないと色々不便だし)

まこ(鬼じゃ……)

加治木「そういうわけで、次の週末は清澄と合宿がある」

蒲原「ワハハ、佳織も少し鍛えてもらうといいさ」

妹尾「う、うん。頑張るね」

加治木「あと、清澄からは以前の合同合宿には来なかった男子部員が一人来るそうだ」

妹尾「男子……ですか?」

津山「清澄に男子部員なんていたんですね」

蒲原「ワハハ、別に問題ないだろう?」

妹尾「まぁ、別にいいけど……」

津山「私も構いませんが」

モモ「……男子っすか……」

加治木「モモ、何か不満でもあるのか?」

モモ「まぁ……女子の中に男子が一人ってのはちょっと危険じゃないっすか?」

蒲原「ワハハ、大丈夫さ。清澄の部長からも安全だってお墨付きだから」

モモ「でも、それはあくまで清澄内の話っす」

モモ「加治木先輩みたいな美人を見たら、理性を失うかもしれないっすよ!」

加治木「り、理性って……」

蒲原「ワハハ、もう了承しちゃったから今更どうこうできないけどな」

加治木「みんな、くれぐれも失礼のないようにな」

モモ「…………」



モモ(まずいっすね……男子なんてろくに喋ったこともないけど、みんなエッチだって聞くっす)

モモ(あの調子じゃ他の先輩たちや、清澄には期待できそうにない)

モモ(もしもの時は、私が先輩を守らなくちゃ……!)

合宿当日

加治木「それでは、三日間よろしく頼む」

久「こちらこそよろしく。須賀君は初対面だから簡単に挨拶して」

京太郎「は、はい。一年の須賀京太郎です。よ、よろしくお願いします!」

加治木「君が須賀君か。先の大会でも裏方としてずいぶん貢献したと話は聞いている」

蒲原「ワハハ、男子だからといって遠慮せず、気軽に接してきてくれ」

京太郎「は、はい! お世話になります!」

京太郎(いやー、加治木さんって近くで見るとホント綺麗だなー)

京太郎(胸もそれなりだし、やっぱりこの合宿来てよかったぜ!)デレデレ

モモ「……」ムッ

加治木「モモ、お前も挨拶を……」

モモ「……東横桃子っす」スタスタ

妹尾「あ、ちょっと桃子さん!」

和「行っちゃいましたね……」

まこ「なんか、えらい睨んどったのう」

久「須賀君、もしかして彼女に何かした?」

京太郎「い、いえ、初対面のはずですけど……」

加治木「すまないな。男子だということでちょっと警戒してしまっているようだ」

加治木「普段はいい奴なんだ。気を悪くしないで仲良くしてやってほしい」

京太郎「は、はぁ……」

咲「ツモ、嶺上開花。4000オールです」

加治木「ふぅ……さすがだな。トップを取られてしまったか」

京太郎「た、ただいま……」

優希「おー、遅いじょ京太郎! タコス持ってきたか!」

和「須賀君、ありがとうございます」

久「買い出しお疲れ様、須賀君。早速だけど次は夕食の支度をよろしくね」

京太郎「は、はい……わかりました……」

咲「京ちゃん、頑張って」

加治木「久、彼にばかり雑用を押し付けるわけにはいかない。こちらからも人手を……」

京太郎「いや、大丈夫ですよ……」

加治木「しかし……」

モモ「いいんじゃないすか、本人が大丈夫って言ってるんだから」

加治木「モモ!」

モモ「実際そうっすよ。この合宿は、清澄が全国に向けて力をつけるためのもの」

モモ「だったら、私たちが卓を離れるわけにはいかないんじゃないっすか?」

加治木「う……それは……」

京太郎「……いえ、慣れっこだし問題ないですよ! それじゃ、麻雀頑張ってください!」



妹尾「ツ、ツモりました。えっと……トイトイ、純チャン……でしょうか?」

まこ「」

優希「」

津山「」

京太郎「よしっと……さすがに11人分の夕食の準備はなかなか大変だな」

京太郎「ちょっとトイレっと」



モモ「……ん?」

京太郎「あ……」バッタリ

モモ「…………」

京太郎「よ、よぉ……」

モモ「……須賀さん。加治木先輩を見て、鼻の下伸ばしてたっすよね」

京太郎「な、何言ってんだ! 別にそんなこと……!」

モモ「私の目が黒いうちは、加治木先輩には手を出させないっすからね!」

モモ「一つ、忠告しておくっす。それじゃ、夕食頼むっすよ」

京太郎「て、手を出すって……」

咲「ふぅ……いいお湯だったね」

和「やっぱり温泉はいいですね」

京太郎「お、みんなあがったか」

久「ええ。鶴賀も一緒にあがったから、須賀君も入っていいわよ」

まこ「今日はずいぶん働いてくれたからのう。ゆっくり休むといい」

京太郎「ありがとうございます。それじゃ、行ってきます」



妹尾「……あれ? 東横さんは?」

津山「そういえば、温泉でも見かけませんでしたけど」

加治木「いたけど、ステルスモードになってたからな。もうしばらく温泉でゆっくりしたいそうだ」

蒲原「ワハハ、ぴりぴりしてたからなぁ今日のモモは」

モモ「はぁ……」

モモ「須賀京太郎……やっかいな奴っすね……」

モモ「でも、働いてくれてはいるんすよね……料理もおいしかったし……」

モモ「加治木先輩も仲良くしろって言ってたし、まぁ少しくらいなら甘く見てあげても……」

モモ「いやいや、でも……あーもう、よくわからないっす!」

モモ「とりあえず、のぼせかねないしそろそろ出るとするっすかね」ザバァ

京太郎「しかし……東横さんだっけか?」

京太郎「何だか知らないが、えらく嫌われてしまったな……」

京太郎「下手すりゃ追い出されかねないし、せめてこれ以上問題を起こさないようにしないと」

京太郎「それはそうと、温泉は楽しみだなー」



ガラッ



「「……へ?」」

モモ「……だから、もう我慢ならないっす! あの男を今すぐつまみ出すっす!」

加治木「お、落ち着けモモ……話を聞く限り、彼に罪はない」

久「ごめんなさい、東横さんのことを確認してなかった私が悪かったわ」

津山「いえ、こちらこそ一言告げておくべきでした」

モモ「うぅ……もう、お嫁に行けないっす……」

蒲原「ワハハ、ならいっそ彼に責任を取ってもらうかー?」

まこ「京太郎はなかなかの優良物件じゃけんのう」

久「あ、でも高校生らしい付き合いをしないとダメだからね。大会出場停止になったら大変だし」

「「「あっはっはっはっは!」」」

モモ「無理矢理お笑い方向に持ってって誤魔化してるっすよね!?」



咲「きょ、京ちゃん……大丈夫?」

京太郎「」

優希「全身の打撲が死因と見られるじぇ。なーむー」

和「優希、死んでませんから……」

久「それより、合宿の間は彼はもう動けそうにないから雑用の人手が問題よね」

加治木「まぁ、こうなった以上はみんなで分担して……」

モモ「いいっすよ。私がやるっす」

久「いいの? かなり量あるけど」

モモ「あんなスケベ男一人で出来ることなんて、私でも余裕っすよ」

加治木「ま、まぁモモがそう言うなら私は止めないが……」

久「ふーん……いいわ、なら明日から須賀君の仕事任せたわよ、東横さん」

モモ「了解っす」

翌朝

久「では、いただきます」

モモ「うぅ……眠いっす……」

蒲原「ワハハ、朝食の支度お疲れさん、モモ」

優希「京太郎はどうしたんだじぇ?」

咲「もうしばらくは安静だってさ」

モモ「それで、この後は何をすればいいんすか?」

久「そうね……まず朝食と布団の後片付け、それとみんなのシーツの洗濯、昼食の買い出し。街までかなり遠いけど頑張ってね」

久「あと部屋の掃除に夕食の準備と片付け、布団の用意……あ、もちろん牌譜の整理もね。後は……」

モモ「」

まこ「改めて言われると、相当な量じゃのう」

妹尾「でも、東横さん大丈夫なの?」

モモ「さ、さすがにちょっと……」

久「やっぱり無理よねぇ……須賀君なら一人で出来たんだけどね」

モモ「……! や、やるっす!」

加治木「お、おいモモ……」

モモ「大丈夫っす! あいつには負けてらんないっす!」

久「ありがとう。じゃあお願いするわ」

和「ツモ。1300・2600です」

久「あらら。捲られちゃったわね」

モモ「か、買い出し戻ったっす……遠すぎ、重すぎっす……」

加治木「だ、大丈夫かモモ……」

モモ「ぜ、全然へーきっす……次の仕事、あるんで……」フラフラ

蒲原「ワハハ、何だかやつれたなモモは……」

加治木「……なぁ、やはり我々も手伝うべきじゃないか?」

和「でも……あの様子じゃ、素直に言うことを聞くとも思えません」

蒲原「だなぁ……元々は彼一人でやってた仕事だし……」

加治木「しかし、須賀君とモモじゃ力も体力も全然違うんだ。それに雑用自体不慣れだし、無理があるだろう」

久「その通りね。でも、心配いらないわ」

加治木「?」

久「須賀君も東横さんも一年同士、長い付き合いになる。だったら多少無理してでも、仲良くなっておくべきじゃない?」

加治木「……何か、考えでもあるのか?」

久「ええ、きっとうまくいくわ。だから、ここは全部東横さんに任せてみましょう」

モモ(もう、みんな寝たっすかね……)

モモ(私はこんな遅くまで頑張っても、まだ仕事が終わってないのに……)

モモ(あいつは、これを全部一人でやってたんすか……)

モモ(なのに私は……自分にも出来るに決まってるなんて言って、この体たらく……)

モモ(これじゃあ、あいつをけなす資格なんて……)

モモ(ざまぁないっすね……)

モモ(えっと、後は……)

モモ(部屋の掃除と……牌譜の整理も全然進んでない……)

モモ(はは……どう見ても今夜中に終わりそうにないっすね……)

モモ(私が、変な意地を張ったばっかりに……みんなに迷惑を……)

モモ(最低っす……)



京太郎「……東横さんか?」

モモ「す、須賀さん!?」

モモ「……もう起きて大丈夫なんすか?」

京太郎「あぁ。一日休んだらだいぶ楽になったからな」

モモ「……謝らないっすからね」

京太郎「そんな必要ないさ、俺も悪かったんだし。それより、今日一日俺の仕事代わってくれたそうじゃん。ありがとな」

モモ「別に……」

京太郎「まだ仕事残ってるんだろ? 後は俺がやるから、東横さんはもう休みなよ」

モモ「いいっすよ。私がやるっす」

京太郎「んじゃ、一緒にやろうか」

モモ「……勝手にするっす」

京太郎「……よしっと、だいぶ進んだな。大丈夫か? 少し休んでも……」

モモ「……須賀さんは、いつも一人で雑用全部やってるんすか?」

京太郎「んー、まぁ大体な」

モモ「……なんで、それで平気なんすか?」

京太郎「平気……って?」

モモ「他の人たちに本来やるべきことを全部押し付けられて……腹が立たないんすか?」

モモ「やめたいって思ったこと……ないんすか?」

京太郎「あー……なるほどな。それはちょっと違うぜ、東横さん」

京太郎「これは押し付けられてるわけじゃない。、完全にとは言わないが、俺が望んでやってる部分もあるんだよ」

モモ「望んで……っすか?」

京太郎「そりゃ俺だって麻雀強くなって大会で活躍したいし、そのために練習したいとは思ってるさ」

京太郎「でも俺は咲たちに比べて全然強くないからさ、現段階じゃ麻雀では全く貢献できない」

京太郎「だったら雑用を俺がすることで、そのぶんみんなが強くなれればって思ってな」

モモ「でも……っ」

京太郎「それにな……俺は嬉しいんだよ、自分が役に立ってるのが」

モモ「嬉しい?」

京太郎「だって清澄の麻雀部なんて、最近まで人数不足で大会にも出られないって状況だったんだぜ」

京太郎「それが今や県大会を制して、全国制覇まで見据えてるくらいだ」

京太郎「俺も影ながら、その躍進を支えていられるんだって思うと、雑用も悪くないってさ」

モモ「……須賀さんは、すごいっすね」

京太郎「凄い? 俺が?」

モモ「自分が活躍できなくても、みんなをしっかり支えてる。今回だって、須賀さんにずいぶん助けられていたのに……」

モモ「私なんて、須賀さんを目の敵にしてばかりで、何一つできやしなかった……」

京太郎「……いいんじゃないか。俺だって最初は失敗続きで、優希にどやされたりしたもんだぜ」

京太郎「東横さんは加治木さんのために麻雀を打ってるって聞いたけど、その想いであれだけ活躍してるんだ」

京太郎「十分すぎるくらい部に貢献してると思うし……そういうのって、尊敬するよ」

モモ「…………」

京太郎「今日だって、俺が寝てる間一人で頑張ってたそうじゃないか。もっと自信を持っていいと思うぜ」

モモ「……ふふっ、ありがとっす」

京太郎「な、何か東横さんに素直にお礼言われると調子狂うな」

モモ「なんすかそれ! 私だって礼くらい言えるっすよ!」

京太郎「はは、ごめんごめん。さ、残りの仕事片付けちまおうぜ」

モモ「はいっす!」

チュンチュン

モモ「ん……朝……」

モモ「あ、もしかしてあの後、途中で寝ちゃって……」

モモ「やばっ……って、ここ、どこっすか? 誰かの部屋……?」

モモ「と、とりあえず残りの牌譜の整理をやりに行かないと……」



京太郎「zzz」

モモ「須賀さん……完全にあのまま寝落ちしちゃったみたいっすね……」

モモ「あれ……全部、終わってる……?」

久「あら、東横さんおはよう」

モモ「あ、清澄の部長さん……」

久「あなたが寝ていたのは須賀君の部屋よ。きっと、彼が運んであげたんでしょうね」

モモ「須賀さんが……」

久「ねぇ、一緒に仕事をしてみて何か分かったんじゃないかしら?」

モモ「…………」

久「私たち清澄麻雀部は、大体の雑用を須賀君にやってもらっている」

久「その理由は彼が唯一の男手だからってだけじゃない。もちろん、ただの嫌がらせでもない」

久「確かに麻雀はまだまだ弱いけど……清澄になくてはならない人だし、みんな頼りにしてるのよ」

モモ「…………」

久「そのことを、あなたはもう気付いているんでしょう?」

モモ「……それでも……」

久「?」

モモ「それでも、あいつがエッチな奴だってことには変わりはないっす」

久「あははっ、まぁそれは否定はしないわ」

加治木「それでは、三日間世話になった」

久「こちらこそ、いい特訓になったわ」

蒲原「ワハハ、特に須賀君にはずいぶん迷惑をかけてしまったな」

京太郎「いえ、お互い様ですから」

加治木「うむ。麻雀もあまり打てなかっただろうし、よければいつでもうちに遊びに来るといい」

京太郎「本当ですか!? ありがとうございます、加治木さん!」

加治木「かしこまることはない。君ならいつでも大歓迎だ」

京太郎「いやー、そう言ってもらえると嬉しいですよ!」

モモ「……」ムッ

京太郎「東横さんも、またな」 

モモ「……モモでいいっす。みんなそう呼んでるっすから」

京太郎「……ああ。今度は一緒に打てるといいな、モモ!」

モモ「ふん、私に勝とうなんて十年早いっすよ……京さん」

久「あらあら、予想以上に仲良くなったみたいね」

和「ふふ……青春ですね」

優希「のどちゃん、おばさんくさいじぇ」

和「えぇ!?」

蒲原「ワハハ、それじゃみんな乗った乗った。またなー、清澄の諸君!」

ブロロロロ・・・

モモ(はぁ……)

モモ(何なんすかね……最後、先輩と京さんが親しく話してるのを見たら、ムカッとしたっす……)

モモ(これってまさか……いやいや、そんなわけないっす!)

モモ(私が好きなのは京さんじゃなくて加治木先輩! 間違いないっす!)

モモ(そう、京さんのことなんか何とも思ってないっすから!)

モモ(京さんなんか、好きなわけ……)

蒲原「……で、モモは好きなのか?」

モモ「はぁ!?」

蒲原「ワハハ、どうなんだモモ?」

モモ「す、好きなわけないっすよ! あんなエッチな奴!」

モモ「そうっす! 京さんのことなんか、ぜーんぜんこれっぽっちも好きじゃないっすからね!」

加治木「……モモ……」

津山「……あの、これからみんなで蕎麦でも食べにいこうかって話をしてて……」

妹尾「桃子さんは蕎麦好きかって聞いたんだけど」

モモ「……へ?」

蒲原「ワ、ワハハ……こりゃ地雷を踏んでしまったかな……」

モモ「なっ……なっ……」

加治木「しかし、実にわかりやすい反応だったな……」

妹尾「桃子さん、頑張って!」

津山「うむ」

モモ「~~~~~!」

モモ(あーもう、どうしてこうなるっすかぁ!)

モモ(こうなったのも全部、あいつのせいに違いないっす! そうに決まってるっす!)



モモ「須賀京太郎……やっぱり、大っ嫌いっす!」



END


 数日後 鶴賀

───

 ガラララッ

加治木「や、皆そろってるな」

蒲原「ワハハ、それじゃ部活を始めようか」

加治木「うむ。 ……ん?」

モモ「………」 ボォー

加治木「おい、どうした、モモ。 ぼんやり空なんか眺めて」

モモ「………」 ボォー

蒲原「ワハハ、今日はずっとコレだよ 参ったね」

モモ「………」 ボォー

加治木「おーい。……ダメだな」

モモ「………」 ボォー

加治木「これはもしや……」

蒲原「ワハハ、青春だねぇ」


加治木「おい、モモ」 ユサユサ

モモ「っ!……か、加治木先輩! スイマセン、自分、気付かなくって……」

加治木「いや、いいんだ ……今日は、打てるか?」

モモ「は、はいっ! そりゃもう、バッチリっす!」

───

 カチャカチャ

妹尾「3つずつ……3つずつ……」

 カチャカチャ

モモ「……」 ボォ~

加治木「おい、モモ、お前の番だぞ」

モモ「……」 ボォ~

蒲原「ワハハ、ダメだこりゃ」

───


───

モモ「す、すいませんっ……せっかく先輩に教えてもらってるのに……」

加治木「いや、まあ調子が悪い時もあるだろう。 今日はゆっくり休め」

モモ「はい……」

加治木(……ふむ)

───

 夜

加治木(しかし……このままではいかんな……)

 ピポパ

久『はい、もしもし……』

加治木「鶴賀の加治木だ。 すまんな、こんな時間に」

久『いいわ。 それで……何の用かしら?』

加治木「実は………という訳なんだが」

久『ふむ……なるほどねぇ』

加治木「そちらの、須賀君、と言ったか。 彼の様子は?」


久「ええと……」

~~~~

京太郎(うへへ……相変わらず和のおっぱい大きいなぁ……)

久「……」ジーッ

京太郎(……? 何だろう、部長を見てると、何故か思考を読まれているような気がしてしまう……)

~~~~

久『特に変わった様子は無かったわ』

加治木「そうか……ふむ」

久『ねぇ』

加治木「む?」

久『もし良かったら……ゴニョゴニョ』

加治木「ふむ……ふむ!」

久『それで…ゴニョゴニョ……二人っきりにして……ゴニョゴニョ』

加治木「成程……面白い……」

───

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