アニ「私も恋バナがしたい」(155)
ハンナ「でね・・・フランツが・・・」
ミーナ「きゃー!素敵ー!」
クリスタ「ミカサ、今日のエレンとのお出かけはどうだった?」
ミカサ「うん・・・とても楽しかった」
サシャ「わぁーよかったですねぇ」
キャイキャイ ワイワイ
アニ「・・・・・・」ペラ
ミーナ「アニもこっち来て恋バナしよーよー」
アニ「いい・・・興味ないしくだらない」
ミーナ「えぇー私たちぐらいの年頃ではかなり重要なことだよー?」
アニ「誰が誰を好きとかどうでもいい。勝手にどうぞって感じ」ペラ
ミーナ「アニも気になる男子とかいないのー?」
アニ「いない」
ミーナ「わぁ。即答」
アニ「関係ない上に興味もない話してもしょうがないでしょ」ペラ
ミーナ「話聞いてるだけでも面白いのに・・・そういえば何読んでるの?」
アニ「歴史書」
ミーナ「渋い・・・あ、じゃあオススメの恋愛小説かしてあげる!これぐらいならいいでしょ?」ゴソゴソ
アニ「(面倒くさい・・・)あーはいはい・・・そこまで言うならかりるよ・・・」ヒョイ
ミーナ「わーい!また感想聞かせてね!」
アニ(はぁ・・・さっさと読んで返そ・・・)ペラペラ
アニ(「恋壁」・・・?あぁなんか一時期女子の間で流行ってたね・・・)ペラ
アニ(なんか頭の悪そうなカップルが妊娠するやつでしょ?面白そうだとは思えなかったけど・・・)ペラ
アニ(・・・・・・)ペラ
アニ(・・・・・・)ペラ
アニ(・・・・・・)ペラペラ
30分後
アニ(・・・///)
アニ(・・・はっ!なに夢中になって読んでるんだ・・・)
アニ(こんな毒にも薬にもならない本・・・)チラッ
ミーナ「えー!ハンナそれ本当!?」
ハンナ「もう!ミーナ声が大きい・・・」テレテレ
アニ(・・・ま、まぁ全部読まないで批判するのも失礼だからね・・・最後まで読むよ・・・)
アニ(・・・別に続きが気になる訳じゃ・・・)ペラ
アニ(・・・・・・)ペラペラペラ
翌朝
サシャ「ふぁぁ・・・みなさんおはようございます・・・ってアニ!すごい隈ですよ!」
クリスタ「わぁ!目も真っ赤!大丈夫?」
アニ「・・・大丈夫」ボー
ユミル「お前・・・ただでさえ怖い顔がさらに迫力増してるぞ・・・」
ミーナ(もしかして一晩中読んでたのかな・・・)
アニ「・・・」ボー
アニ「・・・」ペラペラ
ミーナ「アニ、すっかり恋愛小説にはまちゃったね」
アニ「・・・」ペラペラ
ミーナ「しかし意外だなー勧めといてなんだけどすぐ突っ返されるかと・・・」
アニ「・・・」ペラペラ
ミーナ「しかもそんなに本買い込むとは思わなかったよ。私の持ってた本も全部読んじゃうし」
アニ「・・・ミーナ」ペラペラ
ミーナ「ん?なに?」
アニ「うるさい」ペラペラ
ミーナ「あ、ごめん・・・」
アニ(いままで食わず嫌いしてたけど恋愛物がこんなに面白いなんて・・・!)
アニ(これは皆夢中になるはずだ・・・)
アニ(・・・ん?あれは・・・)
ミカサ「エレン、あの・・・今度の休日、また買い物に付き合ってほしいのだけど・・・」
エレン「はぁ?この間行ったばっかだろ?」
ミカサ「うん・・・だけど・・・」
エレン「うーん・・・あ、じゃあ今度はアルミンも一緒に連れてこうぜ。本屋覗きたいって言ってたし」
ミカサ「あ、そう・・・うん・・・分かった・・・」シュン
エレン「?なんだお前?」
ミカサ「なんでも・・・きっとアルミンも喜ぶ」シューン
エレン「???」
アニ(!!これは・・・!)
アニ(全然興味なかったから意識したことなかったけどミカサってエレンが好きなんだよね!?)
アニ(二人は幼馴染!しかもミカサの片思いっぽい!)
アニ(すごい!小説みたい!今のやり取りの切なさがなんとも言えない!)
アニ(小説に限らず身近にもこんな展開があるなんて!)
アニ(いままでなんで知らなかったんだろう!)
アニ(やっば!人様の恋愛事みるのめっちゃ楽しい!)フッスー
アニ(他に・・・他になんかないかな?)キョロキョロ
ジャン「」ギリギリギリギリ
アニ(おぉ!)
アニ(ジャンが二人を・・・ていうかエレンをめっちゃ睨んでる!)
アニ(そういえばジャンがミカサのこと好きなのも周知の事実!)
アニ(あ!これが俗にいう三角関係ってやつじゃない?)
アニ(なにこれ美味しい!)
アニ(いつもはエレンとジャンの喧嘩うるさいなと思ってたけど・・・)
アニ(そうと分かれば話は別!どんどんやれ)
アニ(これから退屈な訓練生活が楽しくなりそう!)ワクワク
ミーナ「アニ、今日はなんかいきいきしてるね・・・?」
夜・女子寮
ハンナ「・・・それでね・・・フランツが・・・」
クリスタ「わぁーやっぱり憧れるなぁー」
ユミル「おいおい。クリスタには私がいるだろー?」
クリスタ「もーユミルったら」
ミカサ「ハンナの話は聞いてると幸せになる」
ハンナ「私の話だけじゃなくてミカサの話も聞かせてよー」
ミカサ「あ、えっと・・・」
ミーナ「ほらほら照れちゃって?」
サシャ「最近どうなんですかー?」
ワイワイ キャッキャ
アニ「・・・」
アニ(すごい混ざりたい!皆の恋バナ聞きたい!)
アニ(でもあんなこと言っちゃって今更混ざれない!)
アニ(ていうか私のキャラ的に不自然すぎる!恥ずかしい・・・)
アニ(見てるだけじゃ分からないことも多いし・・・ハンナとフランツの恋愛事情も知りたいけど・・・)チラッ
ワイワイ キャッキャ
アニ(無理!あの空気に馴染める気がしない・・・)
アニ(私も恋バナ聞きたい・・・でもそんな話ができる人なんて・・・)
アニ(・・・)
アニ(あ、ライナーとベルトルト・・・)
アニ(・・・)
アニ(ないわー・・・自分で考えといてないわー・・・)
アニ(あいつらが好きな人云々話してたらなんか・・・)
アニ(なんか想像するだけで・・・)ウヘア
アニ(ん、なんだろうこの感覚・・・知ってる・・・)
アニ(・・・あ、これあれだわ)
アニ(両親が凹凸して自分が生まれたと知ってその凹凸をうっかり想像した時の気持ちだ・・・)ウヘア
アニ(身内の恋愛事情は知りたくないわー・・・)ウヘア
アニ(・・・うまい具合に人の恋バナを聞く方法は無いものか・・・)
アニかわいい!
もしかしてゲラの方ですか?
>>21
違うよ
ミーナ「あ、そういえばトロスト区にはよく当たる占い屋さんがあるんだけど皆知ってる?」
クリスタ「え?そんなのがあるの?聞いたことないや」
ミーナ「ちょっと路地の裏にあるから見つけにくいんだけどね」
サシャ「さすが地元民は詳しいですねー」
ミーナ「特に恋愛占いはすごいらしよ!ミカサも占ってもらったら?」
ミカサ「是非…と言いたいけどそういうところは料金が心配…」
ユミル「確かに。たかが相談聞いて助言するだけなのに高すぎるよな」
アニ「!」
ミーナ「あー…そうかも…また機会があったら行ってみるといいかもね」
ハンナ「もっと気軽にいけるならいいのにねー」
アニ「…」
アニ「…」
アニ「ひらめいた」
カーンカーン
ライナー「よし。終わりか」
ベルトルト「訓練と比べると技巧はだいぶ楽だよね」
ライナー「そうだな。さて、早く寮に戻って休むか」
ベルトルト「うん・・・」チラッ
アニ「」ガサガサ
ライナー(こいつまたアニのこと見てるな・・・ていうかアニもなにしてんだ・・・)
ベルトルト「あ、行こうか。ライナー」
ライナー「ん?おう」
スタスタ
アニ「廃材ゲット」ガサガサ
次の日
アニ「」ヨッコラ ヨッコラ
ベルトルト(なんだあれは)
エレン「おい、アニの奴、珍しく倉庫の掃除当番やってるぞ」
アルミン「これまた大きな箱抱えてるね。何が入ってるんだろ?」
エレン「どうせガラクタかなんかだろ。あそこの倉庫はゴミしか置いてないし」
アルミン「あはは、確かに。一気に整理でもすんのかな?」
裏庭
トンカン トンカン
アニ「よし。こんなものかな」
アニ「後は倉庫で見つけた古いカーテンで仕切って・・・」バサバサ
アニ「・・・うん・・・うん!いい感じ!」
アニ「あとは看板を・・・」ヨイショ
【マドモアゼル・玲音の館】
アニ「」フーッ
ミカサ「今日もエレンにうるさいって言われた・・・」ショボン
ミカサ「私はエレンが心配なだけなのに・・・なんで上手くいかないんだろう・・・」トボトボ
ミカサ「・・・あ、掲示板・・・なんか連絡事項貼ってあるだろうか・・・」
ミカサ「・・・?これは・・・?」
勉強・ 恋 愛 ・人間関係・・・
キビしい訓練生活の中で悩みを抱えているそこのあなた!
マドモアゼル玲音がお悩み解決に尽力いたします(`・∀・´)
マドモアゼル・玲音の館
場所 訓練所裏庭
料金はいただきません。まずはお気軽にお越しください☆
ミカサ「占い屋さん・・・?しかも訓練所内に・・・?」
ミカサ「なぜ恋愛って文字だけやたら大きいのか分からないけど・・・」
ミカサ「・・・」
ミカサ「・・・お金とらないんだ・・・」
ミカサ「・・・」
ミカサ「・・・試しに行ってみようか・・・」
裏庭
ミカサ「ス○ーピーに出てくるルー○ーのカウセリングみたいなのが建ってる・・・」
ミカサ「カーテンがあるから向こう側が見えないけど・・・」
ミカサ「マドモアゼルはいるのだろうか・・・すいません。相談に来たのですけど・・・」
マドモアゼル「いらっしゃい。もしかして恋の悩みかい?」
ミカサ「な、なぜ分かったの・・・?」
マドモアゼル「私は一目見るだけでその人の悩みが分かるのさ。あんたの思い人はエレン・イェーガーだろう?」
ミカサ「!?まさかそこまで分かってしまうなんて!」
マドモアゼル「・・・さて、ここに来たということは何か悩みがあるんだろう?話してみなさい」
ミカサ「あ、はい・・・」
・・・・・・
マドモアゼル「・・・ふんふん。なるほど。それはあんたの振る舞いに問題があるね」
ミカサ「え、そうなんですか・・・?(めちゃくちゃ根掘り葉掘り聞かれた・・・)」
マドモアゼル「あんたは押し過ぎなんだ。押してばっかりじゃ男はどんどん逃げて行ってしまうんだよ」
ミカサ「!?それは困る!」
マドモアゼル「そうだろう?そこで提案だ。押してダメなら引いてみな、って言葉があるだろう?」
ミカサ「・・・?えぇ・・・」
マドモアゼル「いままでずっと自分について回ってた女がある日急に距離を置くようになったらどうなると思う?」
ミカサ「・・・さぁ・・・」
マドモアゼル「自分から離れないと思って安心していたのに距離を置かれて急に焦り出すってのはよくあることなんだ」
ミカサ「?」
マドモアゼル「ま、要するにちょっと離れて様子みてみたらいいんじゃないか?他の男と話してるのを見せてもいいかもね」
ミカサ「え・・・でも・・・そんな試すようなこと・・・」
マドモアゼル「じゃあずっと現状維持でいいのかい?それだとなにも変わらないままだよ?」
ミカサ「・・・頑張って・・・みます・・・」
マドモアゼル「・・・」ヨシ!
アニ「恋愛小説で得た知識がこんなところで役に立つとは」
アニ「相手を嫉妬させてアピールするのはなかなか美味しい展開だよね」
アニ「あのエレンがどう動くか楽しみだ・・・」
アニ「面白い展開も見れそうだし、恋バナもじっくり聞けるしで一石二鳥だね」
アニ「この調子でどんどん行こう」
アニ「さぁて次のお客さんが来るまで『シナチュウ』(※)でも読んでるかなー」パラパラ
※「シーナの中心で愛を叫ぶ」の略。一時期流行った
ハンナ「・・・あのー・・・やってますか・・・?」
アニ「(!お客さん第二号来た!)・・・いらっしゃい・・・」
ハンナ「あの・・・掲示板の張り紙を見てきたんですけど・・・」
マドモアゼル「・・・あんた、彼氏との間になんかあったのかい?」
ハンナ「!?分かるんですか?」
マドモアゼル「さぁ、詳しく話してごらん・・・」ワクワク
ハンナ「実は・・・彼が最近そっけない気がして・・・」
マドモアゼル「」フムフム
・・・・・・・
数日後
ミカサ「・・・」スタスタ
アルミン「エレン・・・ミカサと喧嘩でもしたの・・・?」
エレン「いや。そんなことないけど・・・」
アルミン「最近全然一緒にいないじゃないか。なんか怒らせるようなことしたんじゃないの?」
エレン「心当たりがないんだが・・・」
ミカサ「・・・あ、ジャン。今日の訓練も一緒に組んでほしいのだけど・・・」
ジャン「マジか!喜んで!」
ミカサ「ありがとう」
ワイワイ
アルミン「・・・最近ジャンと仲いいよね」
エレン「そうか?」
アニ「そうなんじゃない」ヌッ
エレン「うぉ!?お前どこから!?」
アニ「あんたがいつもミカサのことうっとおしがってたから向こうも嫌になったんじゃない?」
エレン「はぁ?」
アニ「ま、いつまでもミカサが自分についてきてくれると思わないことだね」
アルミン「・・・アニ、どうしたの?」
アニ「別に。ただ乙女代表として一言言いたかっただけ」スタスタ
アルミン「・・・?」
エレン「なんなんだ・・・あいつは・・・」
アニ(よし。煽るだけ煽った)グッ
アニ(・・・)ジー
フランツ「・・・」スタスタ
アニ(・・・今だ!)ヒラッ ダダッ!
フランツ「うん?手紙が落ちてる?」
アニ(よし!拾った!)コソッ
フランツ「・・・?ハンナ宛?」ゴソゴソ
フランツ「・・・・・・」
フランツ「・・・見てもいいかな・・・」キョロキョロ
アニ(・・・)ジー
フランツ「・・・少しぐらいなら・・・」
アニ(よし、よし!)
フランツ「・・・差出人、書いてないな・・・」ゴソゴソ
ハンナさんへ
いつもお慕いしています。あなたの花のような笑顔は訓練の疲れを癒してくれます。
しかし私にはあなたを影から見つめることしかできません。
あなたには既に愛する人がいるのを知っているからです。
あなたの幸せは私の幸せ・・・そう思っておりました。
しかし最近のあなたはどこか物憂げな表情をしていることが多く見受けられます。
原因は彼にあるのでしょう?
あなたのように美しい人がありながらそのありがたみを忘れ、雑に扱っているのではないでしょうか。
私ならあなたに絶対そのような思いはさせないのに。
もしあなたがこれ以上苦しむようなら、私はあなたを盗みに行きます。
しかし万が一彼が再びあなたのことを深く愛するようになったら私は潔くあきらめましょう。
あなたの幸せが私にとって一番の幸せなのですから。
フランツ「な・・・!な・・・!な・・・!」ワナワナ
アニ(撤退ー!)タッタッタ
ハンナ「マドモアゼル!あなた様が占った通りになりました!」
マドモアゼル「私はほんの少し助言をしただけさ・・・」
ハンナ「彼、以前にも増して優しくなって・・・もうこれ以上幸せなことってないです!」
マドモアゼル「それはよかった」ウンウン
ハンナ「本当にありがとうございます!」
マドモアゼル「お礼はいいから詳しく話を聞かせておくれ。また今後について占ってあげるよ」
ハンナ「わぁ!やったぁ!あ、これ、お礼のアップルパイです!お納めください」スッ
マドモアゼル「え、いいの?」
ハンナ「?」
マドモアゼル「(やば、思わず素に・・・)コホン・・・ありがたく頂こう」
アニ「美味しい!アップルパイ美味しい!」パクパク
アニ「思ったよりいい商売だね・・・ハンナは贔屓にしてあげよ」パクパク
アニ「この数年で磨いてきたスパイスキルも役立つ役立つ」パクパク
アニ「半分は明日のお楽しみにしよっと。さぁって今日はもう店じまいかなー」ゴソゴソ
キース(なんだあれは)
キース(変な物が建っていると聞いて見にきたが…あれはレオンハートか…?)
キース(占い…?なぜそんなことを…)
キース(…きっとレオンハートなりに周りと馴染もうとした結果なのだろう…)
キース(本来なら厳罰だが…今回は見逃してやろう…)ソー
アニ「…?誰かいた?…気のせいか」
エレン「・・・なぁ、ミカサ」
ミカサ「・・・なに」
エレン「お前、最近オレのこと避けてるよな・・・?」
ミカサ「・・・」
エレン「そのさ・・・もしお前の気に障ることしたのならはっきり言ってくれないか?」
ミカサ「・・・そんなことはない」
エレン「じゃあどうして避けたりするんだ?」
ミカサ「えっと・・・」
エレン「・・・」
ミカサ「・・・」
エレン「・・・よし、分かった。お詫びになんか好きなもの奢ってやる。これでどうだ?」
ミカサ「!そ、それは二人で・・・ってこと?」
エレン「まぁオレが悪いみたいなのにアルミンを付き合わせるのは悪いからな・・・それでいいか?」
ミカサ「・・・うん!」パァァ
アニ(きたー!)
アニ(ミカサからお礼にカップケーキもらった)アーン
アニ(すごく美味しい。手作りとかすごい)モグモグ
アニ(ごちそうさま)フー
アニ(最近はお客さんが増えてきたからおやつ事情が潤うな)
アニ(謝礼代わりにお菓子っていうのが定着しているらしい)
ミーナ「アニ、お布団の中で何やってんのー?」
アニ「ちょっとウトウトしてただけ」
サシャ「おやつでも隠れて食べてるのかと思いました」
ミーナ「あはは。サシャじゃないんだから」
サシャ「むむ!失礼な!」
ミーナ「ははは。ごめんってー」
サシャ「もう・・・夕飯の時間だし、アニもそろそろ行きましょうよ」
アニ「はいはい」ムクリ
食堂
ワイワイ
ハンナ「・・・でね!本当にすごいの!」
ユミル「へぇー」
ミカサ「あれは本物」
クリスタ「私も他の子から聞いたよーすごい当たるんだってね」
サシャ「?みなさんなんの話してるんですか?」
クリスタ「あ!知ってる?裏庭の占い屋さん!」
ミーナ「あー!最近噂の!なんでも占ってもらったら恋がすごく上手くいくっていう!」
ユミル「確かに急にカップルが増えたよなー」
ハンナ「私、実はフランツと上手くいってなかったんだけど、占ってもらったら前よりもいい感じになって・・・」テレテレ
ミカサ「私も素っ気なかったエレンがデートに誘ってくれた・・・」コソッ
サシャ「すごい実績ですねー」
ミーナ「どんな感じだった?」
ハンナ「うーん・・・なぜかやたら細かく説明を求められるんだよね」
ミカサ「きっとあれはカウセリングの一環。あれのおかげで的確な占い結果が出るのだと思う」
ユミル「なんだそりゃ。私が聞いた話だと成績について相談した奴は随分ざっくりだったらしいぞ」
クリスタ「きっと本来は恋愛占いが専門なんじゃないかな?」
アニ(だって興味ないし)
ミーナ「マドモアゼル玲音だっけ?どんな人なの?」
ハンナ「それがいつもカーテンで仕切られてるから顔は見えないんだよねー」
サシャ「訓練兵の誰かじゃないんですか?」
ミカサ「私もそう思ったのだけどそれだと教官がなにも言わないのはおかしい」
クリスタ「怒られそうだもんね・・・てことは外部から特別に来てる人?」
ユミル「訓練所が占い師を招く意味が分からないけどな・・・・」
ミーナ「黙認してるってことは教官の知り合いかもしれないね」
ハンナ「うーん・・・」
ミーナ「それにしても女子の間で大流行だよね!」
ハンナ「予約制とかになったらやだなぁ・・・マドモアゼル、とても頼りになるのに・・・」
ミカサ「同感・・・」
クリスタ「そんなに的確なアドバイスしてくれるなんてきっとマドモアゼルは恋愛上級者なんだろうね」
アニ「!?」
ハンナ「きっと経験豊富な素敵な女性なんだろうなー」
ミカサ「ありとあらゆる男性を虜にしてきたに違いない」
アニ「」
ユミル「占い師っていうからには神秘的なイメージがあるよな」
ミーナ「魔性の女?って感じ?」
ミカサ「背が高く、美しい長髪を持つの絶世の美女」
ハンナ「色気を感じさせる一方、全てを包み込む母性」
クリスタ「成熟した大人の女性・・・て感じかな?」
アニ(えらいイメージがついてしまった)
ハンナ「今度はみんなで行ってみない?」
クリスタ「うん!・・・あれ?サシャは?」
エレン「なんか女子がやたら盛り上がってるな」
アルミン「あぁ、なんかよく当たる占い屋があるらしいね」
エレン「占い?女子って本当にそういうの好きだよなー」
アルミン「特に恋愛関係の的中がすごいんだって」
ライナー「」ピク
ジャン「」ピク
マルコ(うわぁ)
アルミン「占ってもらった人はもれなく付き合うか、進展があるかしてるんだって」
ライナー「」ピクピク
ジャン「」ピクピク
コニー(うわぁ)
エレン「ふーん・・・アルミン詳しくないか?」
アルミン「まぁ皆噂してるしね・・・」
ライナー「・・・なぁ・・・アルミン・・・ちょっと詳しく教えてくれないか?」
ジャン「・・・オレからも・・・」
アルミン「え・・・うん」
コニー「野郎どもが集まって恋愛占いの話とかえげつないわ」
マルコ「コニー、言っちゃだめだ」
エレン「え、なんでお前らそんな興味深々なんだよ」
ジャン「うるせぇ!お前には分からねぇよ!」
説明終わり
ジャン「ふーん・・・」
ライナー「なるほどな・・・」
エレン「なんだよお前ら・・・恋愛なんて気にする柄かよ・・・気持ちわりぃ・・・」
ジャン「あーマジお前ぶん殴りたいわ・・・」
ライナー「お前だって無関係ではないと思うがな・・・」
エレン「はぁ?」
ベルトルト「あ、ライナー、席取っといてくれてありがとう」
ライナー「おう。お疲れ」
エレン「あ、ベルトルト。聞いてくれよ。こいつら占いに興味あるんだってよ」
ベルトルト「占い?」
ジャン「裏庭に手作りの占い屋があるんだってよ。こう、カーテンで仕切ってあって・・・」
ベルトルト「なにそれ・・・」
ライナー「あれ?そういえばアルミン達どこ行った?」
サシャ「へーん・・・みんな恋してていいですよねー・・・」ウジウジ
コニー「最近カップルがやたら増えたのはそういうことだったのか」
アルミン「なーんかこれから男子にも流行りそうで怖い」
マルコ「君がきっかけ作ったけどね。今さっき」
サシャ「どーせ私はそのブームに乗れませんよーだ」ウジウジ
コニー「孤独が沁みるぜ」
アルミン「恋愛に縁が無いもの同士頑張ろうね・・・」
マルコ「そうだね・・・」
マルコ「・・・思ったんだけどこういうのは占ってもらえないのかな?」
サシャ「こういうのとは?」
マルコ「相手がいなくて悩んでます的な」
コニー「おぉ!」
サシャ「あーなんか聞いた話だとカップルか片思いかじゃないとダメっぽいです」
アルミン「そうそう。ある程度形がないとざっくりしたアドバイスしかしてくれないみたい」
マルコ「恋愛にある程度縁がある前提かー」
コニー「なんだそれ・・・もしかしてその占い師、恋バナ聞きたいだけなんじゃないか」
アルミン「うーん・・・どうなんだろ・・・」
サシャ「あー素敵な恋がしたい」
数日後
マドモアゼル「なに馬鹿言ってんだい!あんたのその子を思う気持ちはその程度なのかい!?」
ジャン「あ、姐さん・・・!」
マドモアゼル「ちょっと分が悪いからって弱音吐いてんじゃないよ!あんたはこれくらいで諦めるような男なのかい!」
ジャン「オレが・・・オレが間違ってました!頑張ってみます!」
マドモアゼル「ふん・・・しっかりやるんだよ」
ジャン「はい!」
アニ「ふぅ・・・おかげさまで最近は男子も来るようになったね」
アニ「さらに恋愛事情が分かって楽しいのなんの」
アニ「お礼のお菓子もたっぷりで幸せ」
アニ「ひと段落したし、ジャンの持ってきたプリン食べよ」ゴソゴソ
アニ「そうだ。この間買った『馬車男』(※)読みながら食べようかな」
※冴えない男がシーナ行きの馬車の中で絡まれていた美女を助けることで始まる恋物語。一時期流行った。
アニ「・・・にしても私の実績すごくない?カップルを何組誕生させたことやら」
アニ「もしかしたら天職かもしれない」
アニ「普段の人間観察が生きるね」
アニ「・・・もともと話し相手がそんなにいないから人間観察しかやることないんだけど」
アニ「・・・」
アニ「・・・まぁ楽しいからいいのさ・・・」モグモグ
アニ「もう遅いし今日はここまでかな」ノビー
カーン カーン
アニ「ん、もうすぐ消灯か」
アニ「・・・」
アニ「・・・なにか忘れてるような・・・」ウーン
アニ「・・・・・」
アニ「・・・・」
アニ「・・・」
アニ「」
アニ「あぁ!!」
ダダダッ
アニ「ハァー・・・!ハァー・・・!ご、ごめん・・・遅れた・・・!」ゼーゼー
ベルトルト「忘れてて来ないのかと思ったよ・・・」
アニ「ご、ごめんって・・・!わ、忘れてはなかった!本当に!」
ベルトルト「・・・」ジー
アニ(うわ・・・めっちゃ見てる・・・!だからごめんって!)
ベルトルト「・・・なにかあったの?」
アニ「ちょっと用事があって・・・次からは気を付けるから・・・」
ベルトルト「分かったよ・・・さぁ始めようか」
アニ「・・・ライナーは?」
ベルトルト「兵士モードだよ・・・まったく自分で召集かけておいて・・・」
アニ「寝てるときに鼻にカナブンでも突っ込んでおいて」
ベルトルト「それは前にやったから枕に男子10人ぶんの使用済み靴下詰めてきた」
アニ「そう」
ベルトルト「時間が無いから手短に情報交換しようか」
・・・・・・
アニ「・・・と、こんなところだね」
ベルトルト「了解。他になにか変わったことは?」
アニ「特には」
ベルトルト「じゃ、終了かな」
アニ「そうだね」
ベルトルト「・・・そういえばアニは占い屋の噂は知ってる?」
アニ「・・・まぁ一応は」
ベルトルト「凄い当たるらしいね」
アニ「・・・らしいね」
ベルトルト「・・・」
アニ「・・・だからなんなの?」
ベルトルト「あ、ごめん。ただの世間話だよ・・・」
アニ「?」
アニ「まったくライナーの奴はなにやってるんだ・・・」
アニ「いや、私も人のこと言えないかもだけど」
アニ「・・・でも使命は忘れてないからセーフだし。別に悪いことはしてないし」
アニ「さて今日は誰が来るかなー」
アニ「ハンナはこの間来たばっかりだし、順調そうだから今日は来ないかな」
アニ「と、なるとミカサが来るかな。前のエレンとのデートはどうなったんだろ」
アニ「いや、そろそろエレンがミカサを意識し始めて相談しにくる展開もあるかも・・・」
アニ「口コミで広がってるから新規のお客さんも期待できるなー」
<あの・・・やってますか?
アニ(お!誰か来た!)バッ
マドモアゼル「いらっs・・・」
ライナー「・・・あの、相談に来たのですが・・・」
アニ「」ウヘア
アニ(ふぅー・・・落ち着け。アニ・レオンハート)
マドモアゼル「・・・あんたの悩みは・・・訓練についてだね?」
ライナー「え、違います」
マドモアゼル「それじゃあ友人関係についてだね?そうだろ?そうなんだろ?」
ライナー「いえ・・・人間関係に関しては特に・・・」
マドモアゼル「いーや!隠さなくてもいい!あんたの顔にそう出てる!」
ライナー「えーっと俺はその・・・れn」
マドモアゼル「そうだろう!」
ライナー「いえ!俺は 恋 愛 相 談 に来ました!!」
アニ()ウヘア
アニ(うわー!うわー!絶対聞きたくない!気持ち悪い!)モダモダ
ライナー「その・・・実は憧れている女子がいまして・・・」
アニ(話始めちゃったよ!うわぁぁ!聞きたくない!)モダモダ
ライナー「えーっと・・・貴方にはもうお見通しだろうけど、相手はクリスタ・レンズです」
アニ(知らないよ!初耳だよ!いや、知りたくもなかったけど!)モダモダ
アニ(うわぁぁ!クリスタか!聞きたくなかった!これからクリスタ見るたびに一方的に気まずいじゃないか!)モダモダ
ライナー「で、彼女なんですけど・・・もう少し仲良くなる方法は無いものかと・・・」
アニ「知らないわ!」
ライナー「え?」
マドモアゼル「ごほっ!ごほっ!そう!じゃあ積極的に話しかけてみればいいんじゃない!頑張ってね!はい!さよなら!」
ライナー「え?それだけ?」
マドモアゼル「いや!今日はちょっと調子が?悪くて?占いができないんだ!あんたとはオーラが合わないのかもね!」
ライナー「はぁ・・・」
マドモアゼル「いやー!残念!ま、自分の力でなんとかしな!ネバーギブアップ!」
ライナー「いえ!真剣なんです!少しでもいいんで他にアドバイスください!」
アニ(粘ってきた!早く帰りなよ!あ、そうだ)
マドモアゼル「・・・もしかしたらあんた、呪われているかもしれないね」
ライナー「へ?」
マドモアゼル「呪われているから私があんたのことを占えないのかもしれない・・・最近気になることはないかい?」
ライナー「気になること・・・」ムムム
アニ(取りあえず話題をそらして・・・)
ライナー「・・・そういえば最近、身の回りでいろいろ変なことが起こりますね」
マドモアゼル「・・・例えば?」
ライナー「一番最近だと枕が異常に臭くって・・・洗濯はちゃんとしてるはずなのに」
アニ()ブフォ
ライナー「その前だと朝起きたら鼻にカナブンが入りこんでたり・・・」
アニ(なんかすごい聞き覚えがある)
ライナー「他にも持ってる本のカバーが全部さかさまになってたり、消しゴムがいつの間にかキン消しにすり替わってたりとか・・・」
ライナー「一番びっくりしたのは兵団服のこう・・・腰みの?あるじゃないですか」
マドモアゼル「?あぁ」
ライナー「あれがフリルとかリボンついてる乙女使用になってた時はいじめかと・・・」
アニ(いや、いじめじゃないの?)
ライナー「でも集団生活してる中で人の目を盗んでここまでのことをするのは不可能だと思うんです」
マドモアゼル「あー多分呪いだねー(棒)」
ライナー「ですよね?本業のスパイでない限り無理ですよね!?」
アニ(ベルトルト楽しんでるなー)
マドモアゼル「まぁーその呪いはやるべきことちゃんとやっとけばなくなるから大丈夫だよ」
ライナー「やるべきこと・・・?」
マドモアゼル「あとオマケで恋愛のおまじない教えてあげるよ」
ライナー「!!ありがとうございます!」
マドモアゼル「あんた、子どもがどうやったらできるか知ってるだろ?」
ライナー「え?まぁ・・・」
マドモアゼル「それを両親で想像してごらん」
ライナー「はぁ・・・?」
ライナー「・・・」想像中
ライナー「」ウヘア
マドモアゼル「それ、寝る前にやればそこそこ効果あるから」
ライナー「え・・・正直かなりきついんですが・・・」
マドモアゼル「がーんーばっ」
ライナー「」
アニ(仕返しだよ)フー
アニ「あ゛ー疲れたー」
アニ「ライナーは立ち入り禁止にしよ・・・まさか来るとは思わなかった・・・」
アニ「しばらくはライナーの顔見たくないわ・・・」
アニ「お口直しに誰か来ないかな・・・すごくミカサかハンナに会いたい・・・」
アニ「・・・」
アニ「・・・まさかと思うけどベルトルトまで来ないよね・・・」
アニ「・・・いや、ベルトルトはライナーみたいに兵士なりすぎてないから大丈夫・・・」
<アノー
マドモアゼル「!はい、いらっs」
ベルトルト「・・・どうも」
アニ「」
マドモアゼル「え、えと・・・そ、相談はなにかな?」
アニ(いや、ライナーがたまたまあれだっただけで・・・ベルトルトは普通に他の悩み相談かも・・・)
マドモアゼル「人間関係?それとも成績の悩み?あ、もしかして体調面とか?」アセアセ
ベルトルト「いや・・・」
アニ(あ、これダメなパターンだ)
マドモアゼル「あ、えーと・・・恋愛相談は今は受け付けてないんだーもしそうだったらごm」
ベルトルト「・・・何やってるんだ、アニ」
アニ「」
マドモアゼル「な、なにを言ってるんだい?私はマドモアゼル玲音だよ」
ベルトルト「マドモアゼル玲音って…まんまレオンハートじゃないか…」
マドモアゼル「え、その・・・」
ベルトルト「マドモアゼル玲音」
マドモアゼル「・・・」
ベルトルト「マドモアゼル玲音」
マドモアゼル「・・・」
ベルトルト「マドm」
アニ「やめて!恥ずかしくなってきたからやめて!」
アニ「えぇー・・・もうやだ・・・死にたい・・・」
ベルトルト「そんなこと言うなよ・・・」
アニ「一体いつから・・・?」
ベルトルト「うーん・・・占い屋があるって聞いた辺りからもしかしてとは思ってたよ」
アニ「なんで分かったの・・・」
ベルトルト「これに使われてる廃材とか古いカーテン運んでるの見たから・・・あと最近様子がおかしかったし」
アニ「様子?」
ベルトルト「なんか妙にイキイキしてるというか・・・」
アニ(私って普段そんなに生気ないのかな・・・)
ベルトルト「あとはこの間の報告で確信した感じかな」
アニ「え?」
ベルトルト「占い屋の話題出したら明らかによそよそしくなってたよ」
アニ「そ、そんなことない!」
ベルトルト「アニは何か隠し事があるときは話す前にちょっと間が空くんだよ」
アニ「それは知らなかった」
ベルトルト「・・・で、なんでこんなことを?」
アニ「・・・それはどうでもいいじゃないか・・・」
ベルトルト「また間が空いた」
アニ「・・・」
ベルトルト「いや、別に責めてる訳じゃないんだ。ちゃんと距離感保ってるなら大丈夫だろうし」
アニ「・・・・・・恋愛小説にね・・・はまったんだよ・・・」
ベルトルト「??うん」
アニ「そうしたら周りの恋愛事にも興味が湧いちゃって・・・でも直接聞くのは私の性格的にちょっと・・・」
ベルトルト「あー・・・」
アニ「占い屋やったら正体も隠しながらいろんな人の話聞けるかなって・・・」
ベルトルト「なるほど・・・」
アニ「うん・・・」
アニ「あ、お菓子あるけど食べる?」
ベルトルト「うん。いただくよ」
アニ「いろいろあるけど・・・なにがいい?」ドサッ
ベルトルト「うわぁ。なんでこんなに・・・」
アニ「まぁ報酬代わり。結構繁盛してるんだよ」
ベルトルト「噂になるぐらいだしね」
アニ「カップル成立率もすごいんだから」
ベルトルト「確かに増えてるね」
アニ「私にかかればこのぐらいなんてことないさ。この間もミカサが来てさ・・・」イキイキ
ベルトルト(楽しんでるなー・・・)
アニ「恋愛小説もいいけど、実際の恋模様をみるのもまたいいもんだね」
ベルトルト「そういうもの?」
アニ「うん。見てると本当に楽しい」
ベルトルト「ふーん・・・」
アニ「ベルトルトはそう思わないの?」
ベルトルト「まぁ・・・アニほどではないかな・・・」
アニ「確かにあんたはそういうの興味なさそうだね」
ベルトルト「いや、アニも人のこと言えないと思う・・・実際のことはともかく」
アニ「だから占い屋やってるんだよ・・・」
ベルトルト「・・・アニはさ、その・・・自分が恋愛するっていうのは考えないの?」
アニ「え?」
ベルトルト「いや、話聞いてると全部傍観者の立場というか・・・」
アニ「??それがどうかしたの?」
ベルトルト「そのー・・・自分が誰かと、その・・・付き合うとか・・・そういうのは想像しないの?」
アニ「私が誰かと付き合う・・・?」
アニ(付き合うっていったら・・・まず相手に告白とかして・・・)
アニ(好きです、とか・・・愛してます、とか・・・)
アニ(あ、自分が言われる場合もあるのかな?)
アニ(それで恋人同士でやることといったら・・・まず手をつなぐとか・・・)
アニ(あとキス・・・?こう、相手に顔を近づけて・・・え?それを私がやるの・・・?)
アニ(そういえば・・・小説によってはその先もあったりするよね・・・)
アニ(え・・・?私があれを・・・)
アニ(・・・・・・)
アニ「」ボンッ
アニ「な、何を言ってるんだい・・・そ、そんなこと・・・!」
ベルトルト「あ、やっぱりそういう感じだったんだ・・・」
アニ「うるさい!もう・・・やめてよ・・・!そういうのは・・・!」
ベルトルト「・・・好きです」
アニ「!」
ベルトルト「・・・ってもし誰かに言われたらどうするの・・・?」
アニ「つ、付き合うわけないでしょ・・・私たちの立場的に・・・そもそも壁内の人間と深く関わりあっちゃいけないんだから・・・」
ベルトルト「・・・うん、それ聞いて安心したよ」
アニ「私は誰かさんとは違うからね」
ベルトルト「・・・うん」
アニ「はぁー・・・今日はなんだか疲れちゃったよ・・・」
ベルトルト「なんかごめんね」
アニ「いいよ別に・・・まだ早いけど今日は店じまいするよ」
ベルトルト「じゃあ僕はもう行くね」
アニ「うん・・・分かってると思うけどこのことは・・・」
ベルトルト「誰にも言わないよ」
アニ「ありがとう・・・じゃあまた」
ベルトルト「うん。じゃあね」
ベルトルト「・・・」スタスタスタ
ベルトルト「・・・」スタ…
ベルトルト「・・・はぁぁぁぁー・・・よかったぁぁー・・・」
アニ(一時はどうなるかと思ったけど・・・よかった・・・)
アニ(恋か・・・私もいつか誰かを好きになったりするのかな・・・)
アニ(・・・無い、か。先の短い殺人鬼だしね。誰かと理解し合える訳がない)
エレン「おい、アニ。何ボーっとしてるんだ。今度はお前の番だぞ」
アニ「あぁ、ごめん。さぁ行くよ」ザッ
エレン「ふっ!」ブン
アニ「遅い」サッ
エレン「隙あり!」グイッ
アニ「!!」
エレン「よし!とったぞ!・・・おぉ!?」グラッ
アニ「!」バッ
エレン「うぉ!!」ドシーン
アニ(危なかった・・・!)
エレン「くそー・・・なんでだ・・・」
アニ「あんたの力不足だよ」
エレン「いや・・・お前ぐらいの体重なら飛ばせる計算だったんだけど・・・おかしいな・・・」
アニ「ふーん・・・じゃあ自分の筋力が足りなかったんだね」
エレン「そんなはずは・・・ずっと研究してたから間違えるはずが・・・ん?」
アニ「何?」
エレン「・・・もしかしてお前・・・太ったか?」
アニ「!?」
アニ「ば、馬鹿なこと言ってんじゃないよ!」
エレン「でもそうとしか考えられねーよ!ていうかさっき持ち上げたとき明らか前より重かったぞ!」
アニ「筋肉がついたんだよ!そうに決まってる!」
エレン「そう言われてみれば体系も全体的に太k」
ライナー「」ドシーン
エレン「いってぇ!」
ミカサ「・・・」
エレン「またミカサかよ!なんだよ!」
アニ(あ、ライナー気絶してる)
ミカサ「・・・エレン。謝って」
エレン「はぁ?なにを?」
ミカサ「・・・アニに早く謝って」
エレン「は、はぁ・・・?だから何を・・・?」
ミカサ「言わなきゃ分からないの・・・?周りもよく見て」
エレン「・・・?」キョロキョロ
クリスタ「・・・」ジー
ユミル「・・・」ジー
ミーナ「・・・」ジー
ハンナ「・・・」ジー
サシャ「・・・」ジー
エレン「」
エレン(え、なにこれ。何故か女子からの視線がキツイ・・・)
エレン(ていうかあのクリスタがめっちゃ怒ってるっぽい!顔恐ぇぇ!)
エレン(オレが何をしたっていうんだ・・・)チラッ
ミカサ「・・・」
エレン(あ、ミカサもやばい)
ミカサ「・・・さっさとする」
エレン「あの・・・」
ミカサ「・・・」
エレン「・・・すみませんでした・・・」
ミカサ「分かればいい」
アニ「」
クリスタ「アニ、早くあっちに行こう」
ユミル「エレンはミカサが叱っといてくれるからな・・・」
ミーナ「全然気にしなくていいんだからね!」
ハンナ「そうそう!私も最近二キロ太っちゃたし!」
サシャ「お腹すくとつい食べ過ぎちゃいますよね!分かります!」
アニ「」
アニ(え?私皆に気を使われるレベルなの?え?ウソでしょ?)
アニ(え?・・・えぇー・・・)
アニ(そういえば最近服が小さくなったような・・・)
アニ(立体機動も前よりスイスイ動けなくなった気が・・・)
アニ(・・・)
アニ(うん。決めた)
女子寮
サシャ「わーい!アニ!こんなにいいんですか!?」
アニ「うん。全部持っていって。でも他の人には内緒にしてよ」
サシャ「神様・・・!」
アニ「見つからないように隠しといて」
サシャ「クッキーにマドレーヌにキャンディ!ふふふふふふふ・・・大事に食べますね!」
アニ「うん」
サシャ「このあたりに隠しておきましょうかね」ゴソゴソ
ガチャ
ユミル「おぅ、なんか珍しい組み合わせだな」
サシャ「あ、おかえりなさい」サッ
クリスタ「二人ともお疲れ様ー」
ミーナ「やっと休めるね」
ハンナ「そうだねー」
ミーナ「あ!そうそう!皆はもう知ってる?マドモアゼル・玲音の館、なくなちゃったんだって!」
クリスタ「え!そうなの?まだ行ってなかったのになー」
ユミル「クリスタには必要ないだろー」
クリスタ「でも皆行ってるとちょっと気になるじゃない」
ハンナ「すごくショック・・・頼りになったのになー」
サシャ「突然どうしちゃったんですかね?」
アニ「・・・」
ミカサ「お疲れさま」ガチャ
サシャ「あ!おかえりなさーい!」
ミーナ「遅かったねー」
ユミル「なんだ?その本の山?」
ミカサ「アルミンから本かりてきた。面白いから皆にも勧めようと思って」
クリスタ「へぇーどんな本?」
ミカサ「推理物が中心。どれもオススメ」
クリスタ「アルミンの持ってる本ならいいのが揃ってそうだね」
ハンナ「うーん・・・じゃあ一冊いいかな?」
ミカサ「えぇ。是非」
クリスタ「私もいい?」
ミーナ「私もー!」
ワイワイ
ミカサ「アニ、良かったら貴方も」
アニ「まぁいいけど・・・」
ミカサ「ありがとう」
アニ(推理物は読んだことないけど・・・面白いのかな?)
アニ(『容疑者Aの献身』(※)・・・?聞いたことある・・・)ペラ
アニ(・・・)ペラペラ
※大ヒットした「探偵ガリレイ」シリーズの一つ
数日後・食堂
マルコ「なんか占い屋、なくなったらしいね」
コニー「らしいなー。ジャンも残念がってるの見たぜ」
ベルトルト(あれ。アニやめたのか)
マルコ「結局誰がやってたんだろうな」
コニー「さぁなー。案外知ってるやつだったかもな」
マルコ「結局一回もお世話にならなかったからなんとも言えないけどね・・・」
コニー「はぁ・・・」
ベルトルト(まぁアニの隠し事が皆にバレずに終わったのは安心かな。よかった)
マルコ「そういえばコニー。黒い軸の万年筆どっかで見てないかい?」
コニー「いいや?見てないぜ。失くしたのか?」
マルコ「どうやらそうらしいんだけど・・・結構いいもので大切に使ってたから諦めきれないんだ」
コニー「ふーん・・・じゃあ最近噂のあそこに頼んでみたらどうだ?」
ベルトルト(今日のスープ、いつもより味が濃い目で美味いな)
マルコ「あぁ、あの失くしものから浮気調査、情報収集までなんでもやってくれるところだろ?」
ベルトルト(残ってたら後でおかわり貰うかな)
コニー「そうそう。確か名前は・・・」
ベルトルト(あと少しだし一気に飲んじゃおう)ズズズ
マルコ「ハート探偵事務所!」
ベルトルト「」ブフーッ
アルミン「うああぁぁ!!」ビシャァ
おわり
このSSまとめへのコメント
アニかわいい
アニがちゃんと女の子してる(謎)