末原「みんなー!たけのこの里、買ってきたでぇ!」(121)

郁乃「ちょっとちょっと恭子ちゃ~ん」

恭子「な、なんですか代行……」

郁乃「え~、そんなめんどくさそ~な顔しないでや~」

恭子「してませんって……で、用件はなんですか」

郁乃「部内で食べれるお菓子買ってきてほしいんよ~」

恭子「お菓子……ですか」

郁乃「あま~くて食べやすいもんでえ~から~」チャリン

恭子「はぁ……わかりました」

郁乃「おねがいな~」フリフリ

恭子「私の好きなもんでええんですよね?」

郁乃「うん~ええよ~」

みたいな感じ?

恭子(ふむ……とりあえずスーパーいきますか)

恭子(麻雀中に食べれるお菓子……いや、休憩中に食べれるお菓子やろし、どれでもええなぁ)

恭子(ん、あれは……)

恭子「なんやと……たけのこの里が、半額や!!」

恭子「じゃあ、キノコの山はどうなんや……?」チラッ

恭子「あかん、増量してるだけで値段は変わっとらへんな……」

恭子「でも、これは買いやなぁ……」

恭子「うん、決めた…これでええやろ」ポイポイ

あかん、関西弁難しい…

恭子「いつもより倍買えて、お得やなぁ」

恭子「量も多いから、いつもより多く食べれるでー」ポワポワ



恭子「すんません代行、今もどりましたー」

郁乃「お~おっかえり~」

郁乃「で、なに買うてきたん?」

恭子「これです」ドサッ

郁乃「……これ、買うてきたん?」

恭子「半額でしたんで」

郁乃「……そう」


郁乃「あ、ひ~ろ~ちゃ~ん~」

洋榎「なにか用ですか?」

郁乃「恭子ちゃんから差し入れ~」

洋榎「お、ほんまですか」

関西弁の敬語ってなんだよちくしょう!

洋榎「なにかってきたんか、楽しみやな!」

郁乃「せやな~」ニコニコ

恭子「みんなー!たけのこの里、買ってきたでー」


姫松一同「………」


絹恵「え、えと……せんぱ……」

洋榎「恭子、それなんや」

恭子「え、どう見てもたけのこの里やん…安かったんやでー」ニコニコ

洋榎「……」

漫「……はぁ」

恭子「え……あれ?」

洋榎「うちらのこと侮辱しとるんか?自分」

恭子「そ、そんなこと……」

絹恵(みんなきのこ派なんやった……居辛いわ)

恭子「ま、まぁ……たけのこでもええやんか、休憩にしようや……」

洋榎「たけのこでも……?」ピクッ

洋榎「あんなぁ、なんでうちらがたけのこの里なんか食べなあかんねん」

由子「せやーせやー」

洋榎「んなもん食うぐらいなら、死んだほうがマシや」

恭子「え…な、なんでや……」

洋榎「うちだけやないで」

漫「すんません、うちもちょっと……」

由子「うちもいやなのよー」

絹恵「……」

郁乃「……」ニヤニヤ

洋榎「せやから、うちらはそれ食べへんで」

恭子「で、でも…美味いやろ……」カタカタ

洋榎「んなもん、きのこに比べたらゴミクズ同然や…はよ、そのゴミどけとけや?練習できんやろ」ゲシッ

恭子「ぁ…」ポロ…

恭子「う……うぅ……なんでや、なんで……」ポロポロ

洋榎「それ、処理し終わるまで外でとけや」

恭子「は、はい……」ポロポロ


恭子「うう……」グシグシ

カリッ

恭子「美味しい、やないか……」モグモグ

恭子「でも……あかん、これ…10箱ぐらい買ってきたんやから全然減らへん……」

恭子「うぐっひっく……」ポリポリ

絹恵(先輩……)

恭子「チョコって、太るんやろか」ポリポリ

恭子「……」ポリポリ

恭子「……はぁ、お腹いっぱいや」

恭子「でも、これ全部食べないとまた怒られるんやろか」

恭子「はぁ……メゲるわ」ポリポリ

恭子「うちが、なにをしたんや……」ポリポリ


恭子「そういえば、主将、前はたけのこも食べてたはずなんやけど……」ポリポリ

恭子「うぅん……」ポリポリ

末原さんいじめたくなっちゃうの…

恭子「……」ポリポリ

恭子「二箱目、終わったなぁ……」

恭子「つらいなぁ……」

絹恵「……先輩」

恭子「…っ!?」

恭子「な、なんや…絹ちゃんか」

絹恵「うちもそれ、食べてええですか?」

恭子「せ、せやけど……」

絹恵「ええんや、うちたけのこ派やから…へへ」

恭子「……あと八箱あるんやけどや」

絹恵「か、買いましたねぇ……」

恭子「部員の全員分やからなぁ……ははは……」

絹恵「お姉ちゃん、昔はきのこじゃなくてたけのこ派やったんや」ポリポリ

恭子「入部した時は、たしかに食べとったなぁ」ポリポリ

絹恵「でも、主将になった途端……」

恭子「……せやなぁ」

絹恵「なんでやろ」

恭子「……わからへんなぁ」

郁乃「あら~どう、美味しい?」

恭子「……っ、代行でしたか」

絹恵「えっと、どうしたんですか?食べます?」

郁乃「一つもらうわ~」

郁乃「うん、美味しい」

恭子「そうですか……」

郁乃「そういえば、知っとる~?ここの伝統~」

絹恵「……?」

恭子「エースを中堅に据える。じゃないんですか?」

郁乃「それもやけど~別のことなんよねぇ~」

恭子「……別のこと?」

郁乃「そやなぁ、調べれば情報がでてくると思うんやけど~」

恭子「……そですか」

郁乃「そやよ~」

郁乃「んじゃ、私は仕事あるからこれで~」

恭子「お、おつかれさまでした」

絹恵「でした」

恭子「……伝統か、中堅以外にもあるんやな」ポリポリ

絹恵「初耳や」ポリポリ

恭子「なんにせよ、調べてみる価値はあるで」ポリポリ

絹恵「うちも、手伝いますよ」ポリポリ

恭子「うん、助かる……」ポリポリ

恭子「口ん中、甘いなぁ……」ポリポリ

絹恵「言わんといてください……」ポリポリ

恭子「せやな……」ポリポリ

絹恵「んー、過去の部の資料とかないんやろか」ポリポリ

恭子「資料かぁ」ポリポリ

恭子「ん、一箱空いたで」

絹恵「うちもや」

恭子「あと六箱……やなぁ」

絹恵「結構量もありますなぁ」ケフッ

恭子「半額やったんで、買ってしもうた」

絹恵「なるほどなぁ」

恭子「とりあえず、資料とやら、探して見ましょうや」

絹恵「あいあいー」

恭子「定番なのが、部室の隣の部屋やな」

絹恵「見事に当たってます……」

恭子「せやなぁ……なんかええのあらへん?」

絹恵「見つからんですねー」

恭子「んー、ハズレやろか……ん?」

恭子「過去の部員名簿や」


絹恵「ふむふむ……」

恭子「なんやこの欄は……派閥?」

恭子「ほとんどが…きのこやな」ペラッ

絹恵「あ、これ……」

恭子「なんか見つけたんか?」

絹恵「二年前のお姉ちゃん、たけのこ派や」

恭子「なんやて!?」

恭子「じゃあ、主将はきのこに魂を売って……?」

絹恵「なんやて……」

郁乃「うふふ~半分ぐらい正解かな~」

恭子「代行……仕事は……」

郁乃「いいの~いいの~」

郁乃「それで、ここのもうひとつの伝統は」

恭子「……ゴクリ」

絹恵「もう一つの、伝統は……?」

郁乃「次期主将が、前主将の好みを受け継ぐとかなんとか」

「「へ?」」

郁乃「きのことたけのこの、どっちかをうけつぐの~」

恭子「そ、そういうことでしたか」

絹恵「そんなシステムが……」

郁乃「前代はたしか~きのこだったわね~」

郁乃「善野っちが言うには、同じ派閥の子が優先して次期に選ばれるらしいわ~」

恭子「なるほど、だいたいわかりました」

絹恵「お姉ちゃん……」

恭子「我慢なんてしてて、楽しいんでしょうかね、主将」

郁乃「ど~やろなぁ~」

恭子「少なくとも、うちはつまらないですね。生粋のたけのこ派なんで」

絹恵「うちもや」

恭子「ふふ……いっちょ、目を覚ましたろうやないか」

恭子「と、いうことで部室に乗り込むで」

絹恵「あいさー」

恭子「洋榎、おるんやろ!!」



たけのこ派の運命や、いかに!!

末原大戦犯先生の次回作に乞うご期待

郁乃「乞うご期待!」

恭子「……なに言うとんの?」

郁乃「えへへ~」

恭子「とりあえずは……たけのこの里を消費しちゃいますか」

絹恵「せやなぁ」

郁乃「うちも食べるでー」

恭子「……太りますよ」

郁乃「それはいややわぁ」

恭子「うまいなぁ」ポリポリ

絹恵「カロリー気にしなくていいならずっと食べてたいなぁ」ポリポリ

恭子「せやなぁ…」ポリポリ

郁乃「ふぇぇ~…二人ともまだ若いんだしいいじゃない~」ポリポリ

恭子「あと一箱ずつや」

絹恵「結構腹にたまるなぁこれ……けふぅ」

恭子「うちこれで四箱目やで……」ポリポリ

絹恵「ご苦労様です……」ポリポリ

郁乃「うちももう一箱いかなあかんの~?」ポリポリ

恭子「たかが一箱や、問題ないやろ」

郁乃「ひどいわぁ~涙が出ちゃうわ~」ポリポリ

絹恵「はいはい」ポリポリ

洋榎「はぁー……」

洋榎「なんや、こないなところで騒がしい……邪魔したわ」

恭子「まちーや」

洋榎「……っ!」ピクッ

恭子「主将もひとつどうです?」スッ

洋榎「いらん!」

恭子「それは、本心なんか?」

恭子「本心やったら、止めたりせーへん」

洋榎「う、うちは……」

洋榎「うちは、この看板背負っている間はきのこ派でいないとダメなんや……」

恭子「前代に任されたからですか」

洋榎「……」

絹恵「今のお姉ちゃん、らしくないで?」

絹恵「あの頃のお姉ちゃんはどこいってしまったん?」

洋榎「絹……」

郁乃「うふふ~」

洋榎「でも…いまうちが崩れたりしたら、部全体の崩壊につながるんや」

恭子「だからって、きのこに魂を売るように自分を押し殺すんですか?」

洋榎「……ッ!」

きのこもどっちもいけると思うの

洋榎「あんたに、うちの何が分かる……!」

恭子「わからへんよ……でも、こんなうちでもわかることはあるんや」

恭子「今日、たけのこの里を罵倒する時、めっちゃ苦しそうな顔してたやん」

洋榎「……ッ!」

パシン!

恭子「つぅ……図星、なんやな」

洋榎「違う……うちは、うちは……」

恭子「素直になるんや」ギュッ

洋榎「っ……」

洋榎「きょう、こ……」

恭子「部の雰囲気だって、ゆっくりと変えていけばええ」

恭子「伝統だって、壊してしまえばええんや」

洋榎「……うん」

絹郁((うちら空気やん……))

恭子「……ほれ、落ち着いたやろ?」

洋榎「うん」

恭子「たけのこの里、おいしいで?」スッ

洋榎「……」ポリッ

洋榎「うん、おいしい……」

恭子「あはは、買ってきたかいがあったわぁ」

洋榎「ひどいこと言って、ごめんな?」

恭子「いつもお世話になってるし、問題なしや」

洋榎「ふふっ…ありがた山の、とんびがらすやな……」



洋榎「ほんま、ありがとな」



おわり

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