向日葵「安価で恋人ごっこをしてみたい」(208)

【1-2 朝】
櫻子「これを見よ皆のもの!」バーン

あかり「どうしたの櫻子ちゃん」

向日葵「先程から様子がおかしいんですの」

櫻子「ふっふーん、聞いて驚くなー?なんとラブレターもらっちゃったんだよーん!」

向日葵「な、なんですって!?」

ちなつ「マジで!?見せて見せて!」

あかり「わぁ、すごーい櫻子ちゃん」

櫻子「でしょー?下駄箱に入ってたんだ~」フフン

向日葵「ほ、本当にラブレターだとしたら、そんな見せびらかすような真似はしないほうが……」

櫻子「はいはい、わかってるよ。あかりちゃんたちにだけ特別に見せただけだよ」

向日葵「わかっていればいいんですけれど……。それで、どうするつもりですの?」

櫻子「んー?帰ってから考えるよ」

向日葵「相手の方に失礼の無い様になさいよ?」

櫻子「……さっきからなんだよ、うっさいなぁ。……あ!」

櫻子「さては向日葵、うらやましいんだろー!」ニヤニヤ

向日葵「はぁ?単にあなたがちゃんとお返事出来るか心配なだけですわ」

櫻子「む……。向日葵に心配される筋合いねーし!」イラ

櫻子「ま、向日葵じゃあラブレターなんて絶対貰えないだろうから
    ちょっとくらい僻むのもしかたないかー」ヘラヘラ

向日葵「何を言うかと思えば……相変わらずお馬鹿というか」ハァ

櫻子「おっぱいしか取り得が無い向日葵じゃ、恋人なんて一生できないよきっと。
    まぁ向日葵がどうなっても私は幼馴染のままでいてやるから安心しろよ!」アハハ

向日葵「……」イラ

向日葵「わ、私だってその気になれば、恋人の一人や二人すぐに作って見せますわよ!!」

櫻子「へ~、じゃあ作って見せてもらおっかな~。向日葵さんの恋人とやらを」ニヤニヤ

向日葵「いいですわ!楽しみに待ってなさい!」

櫻子「2、3日は待ってやるからせいぜい頑張れよー。ダメでも怒らないから安心していいぞ?」ニヤニヤ

あかり「と、とめなくていいのかな?」アセアセ

ちなつ「うーん。向日葵ちゃんがムキになるのはめずらしい気はするけど、
     とめてとまるもんでもないし」

櫻子「面白くなってきたな~。楽しみ楽しみ」ニヤニヤ

向日葵「……見てらっしゃい」フンッ

【屋上 昼休み】
向日葵(櫻子には勢いでああ言いましたけど、正直言って無理ですわ……)

向日葵(いったいどうしたら……。ナンパ、とか?)

向日葵(無理無理、無理ですわ!そんな胡散臭い行為。
     いえ、例え胡散臭くなくとも、私にはとてもできませんわ……)

向日葵(……それでは素直に謝る?)

櫻子『ほーら、やっぱり私の言ったとおりじゃん。ったくこれだからおっぱいは』ニヤニヤ

向日葵(く、悔しい!……でも見栄を張った私がいけないんですし、このくらいは我慢を)

櫻子『……元気出せよ?その……生きてればいいこともあるって』ポン

向日葵(だ、駄目ですわ!馬鹿にされるならともかく、
     憐れまれでもしたら、私生きていけませんわ……)

向日葵(……仕方ありません。恥を承知で『ごっこ』でもいいですから
     どなたか恋人になってくれるようお願いするしかありませんわ!)

向日葵(となればどなたにお願いするか……。櫻子に見せるなら学内の方がいいですわよね)

向日葵(とりあえず、パッと頭に浮かんだのは……)

向日葵(>>6>>8>>10のお三方ですわ)

千歳

池上彰

京子

向日葵「とりあえず、パッと頭に浮かんだのは……」

向日葵「池田先輩、池上彰さん、歳納先輩のお三方ですわ」

向日葵「……池上彰さん!?な、なぜ?校内の方を思い浮かべたはずなのに……」

向日葵「昨日見たテレビの影響かしら……?加えて池田先輩の『池』から連想してしまったということ?」

向日葵「ま、まあどちらにしろ不可能な相手ですから除外しましょう」

向日葵「となると、池田先輩と歳納先輩……。どちらにお願いするべきか」

向日葵「池田先輩は同じ生徒会ですし、頼みやすいといえば頼みやすいですけど、
     こういうお願いを聞いていただけるかというと想像がつきませんわね」

向日葵「その点、歳納先輩は、伝え聞く話でも、私個人の印象でも
     なんとなくノリでOKしてくれそうなイメージがありますわ」

向日葵「決めましたわ。まずは歳納先輩にお願いしてみましょう」

【2-5教室 昼休み】
モブ子「歳納さーん、お客さんよー」

京子「ほいほい、誰かなー?」

京子「お!ひまっちゃんじゃんどしたの?綾乃じゃなくていいの?」

向日葵「はい。あ、あの、歳納先輩にご相談というか、お願いというか……、
     少々お時間をいただけませんでしょうか?」

京子「いいよん。それじゃ行こっか」

【屋上 昼休み】
向日葵「カクカクシカジカで、私と恋人になってもらえませんでしょうか?」

向日葵「も、もちろん本物の恋人じゃなくてかまいません。
     『恋人ごっこ』のような、仮の恋人でいいので……」

京子「ほほ~、ひまっちゃんにしては大胆なお願いだねえ」

京子「そうだなー」

京子「>>21

でもどうせならごっこといわずにさ…

京子「でもどうせならごっこといわずにさ……」

向日葵「え?」

向日葵「……ええっ!?」

向日葵「え、えっと、あの、それは、ごっこではなく、
     ほ、本当にお付き合いするということ……ですか?」

京子「うん、そうだよん。だってごっこじゃつまんないじゃん?」

京子「それに、『ごっこ』じゃちっぱいちゃんだって納得しないだろうし」

向日葵「……た、確かにその可能性は大きいですわ」

向日葵「で、でも歳納先輩は、よろしいんですの?
     私のことは、恋人にするという意味ではそれ程よく知らないと思いますし」

京子「それはさ……、これからいっぱい知っていけばいいんだよ」ニコ

向日葵「!///」ドキーン

向日葵(まさか、本当のお付き合いを希望なされるとは……)

向日葵(でも、私からもちかけたお願いですし、歳納先輩もどこまで本気か分かりませんし……)

向日葵「わ、わかりました。あの……、ふつつかものですがよろしくお願いいたします!」ペコリ

京子「いいの!やったー、こちらこそよろしくね!」

【1-2教室 昼休み】
向日葵「櫻子!今朝約束した私のこ、こ、恋人をお連れしましたわ!」

櫻子「マジかよ!早いなおい!」

向日葵「それではお入りください」ガラッ

さくあかちな「……」ゴクリ

京子「こんちゃー、京子たんです☆」

あかり「きょ、京子ちゃん!?」

ちなつ「京子先輩……うっそ!ほんとに?」

櫻子「ほ、本当に?本当に歳納先輩、向日葵の恋人になったんですか?」

向日葵「当然ですわ。私が嘘をつくとでも?」

櫻子「お前に聞いてんじゃない!歳納先輩に聞いてんの!」

京子「ほんとだよん。ひまっちゃんみたいな魅力的な子からお願いされたら
    誰だって即OKしちゃうよね~」ニシシ

櫻子「……。そ、そう、ですか」

向日葵「これで約束は果たせましたわね?」

櫻子「わ、わかってるよ!罰ゲームとか決めてないんだからやんないからな!」

京子「じゃ放課後ね?」

向日葵「あ、はい。それじゃ校門で」

向日葵I(……本当に恋人同士に、なったのかしら)

向日葵(とりあえず放課後までに恋人らしいことを考えておかないと)

向日葵(……)

向日葵(……わ、わかりませんわ)

向日葵(例えば>>33とか、>>35、とかかしら……)

うほおおおおおおお

俺得過ぎて興奮する

キス

向日葵(例えば、興奮して奇声をあげる、とか……)

向日葵(いえいえいえ!長い片想いの末、結ばれたならともかく、
     私達の場合、さすがにありえませんわね……)

向日葵(それでは……、キス、とか?)

向日葵(///)

向日葵(ひ、飛躍しすぎですわ!恋人同士としてお付き合いを続けていけば、当然ありえることですけど)

向日葵(私達にはまだまだ早すぎですわ!///)ブンブンブン

先生「……古谷さん?この問題を解いてみてください?」

向日葵「え!……あ、その、聞いていませんでした。……すみません」

櫻子(……バーカ)

【廊下 放課後】
向日葵「櫻子、さっさと帰ってしまいましたわね。ラブレターで頭がいっぱいなのかしら」

向日葵「……どう答えるのかしら、あの子」

向日葵「と、とりあえず校門で待ち合わせでしたわね」

向日葵「急がないと」

【校門 放課後】
京子「お、ひまっちゃーん。おーい」

向日葵「あ、歳納先輩。お待たせしてしまってすみません」ペコ

京子「あはは。私もごらく部にいたんだから大して待ってないって」

向日葵「そ、そうですか。それならよかったです」ホッ

向日葵「……あれから考えていたんですけど、
     その、恋人らしいことってなにをしたらいいのかわからなくて」

京子「まじめなひまっちゃんらしいなあ、あはは。とりあえず一緒に帰ろ?」

【帰り道】
京子「恋人らしいことねえ。……まず、距離感を縮めないといけないかなぁ」

向日葵「距離感……、ですか?歳納先輩との実際の距離の話ではありませんよね?」

京子「うん。一番はその『歳納先輩』ってのが壁を感じちゃうかなぁ」

向日葵「あ!た、確かに恋人というには少し硬いかもしれません」

京子「だからもうちょっと親しい呼び方がいいなって」

向日葵「それじゃあなんとお呼びしましょう?」

京子「私とひまっちゃんで、いっせーの、で言ってみよっか?ほい、いくよー!」

向日葵「え?そ、そんないきなり……。じゃあ>>45

京子「私は>>47かなー?」

京ちゃん

としのん

向日葵「え?そ、そんないきなり……。じゃあ、きょ、京……ちゃん、とか///」
京子「私は『としのん』かなー?」

京子「ほほぅ、ひまっちゃんは私を『京ちゃん』と呼びたいと」ニヤニヤ

向日葵「い、いえ、急でしたのでパッと浮かんだものを口にしてしまっただけで……///」

向日葵「歳納先輩を呼ぶわけですから、先輩自身がいいと思ったものでいいのでは?」

京子「いやー、これはもう『京ちゃん』一択でしょ!」

京子「『としのん』は昔呼ばれたことあったし、なによりひまっちゃんから『京ちゃん』っていう
    かなり親しみのある呼び方が出たのが、なんていうかすっごいときめいちゃった」

京子「ね!呼んで呼んで!」キラキラ

向日葵「え、あ、あの……、きょ……、京……ちゃん///」ボソッ

京子「……!///」クラッ

向日葵「だ、大丈夫ですか歳納先輩!?」

京子「さ、最高!それにー、きょ・う・ちゃ・ん。でしょ?」ニコ

向日葵「/// は、はい、京、ちゃん」カァ

京子「ひまっちゃんは?呼ばれたい名前無い?」

向日葵「>>55

ひまちゃ……いえ、向日葵で

向日葵「ひまちゃ……いえ、向日葵で」

京子「おぉ、呼び捨てか~。コホン……」

京子「……向日葵」キリ

向日葵「ぅ……/// そ、そんな真剣な顔で見つめないでください」ドキドキ

京子「あっはっは。私にはマジな顔は似合わないよね~」

向日葵「……どきどきしすぎて心臓に悪いですわ」ボソ

京子「じゃあ改めて、よろしね。向日葵」

向日葵「は、はい。こちらこそよろしくお願いします、京、ちゃん」

京子「ふふっ、まずは自然に京ちゃんって呼んでもらうのが目標かなー」

向日葵「あ……。が、頑張ります!」

【1-2教室 翌朝】
向日葵「おはようございます。櫻子、今日は先に行ってどうしましたの?」

櫻子「……彼女持ちといっしょに行くわけにはいかないだろ?」

向日葵「そ、そうですわね。……あ、そういえばラブレターの返事はどうしたんですの?」

ちなつ「そうそう、どうなったの?」

櫻子「>>62

……まだ返事してない

櫻子「……まだ返事してない」

向日葵「え?何故ですの?その方も返事を心待ちにしているはずですわ」

櫻子「お前には関係ないだろ?……それにいついつまでにって書いてないし」

向日葵「ですが……」

櫻子「……」イラ

ちなつ(あ。なんかヤバ……。あかりちゃん)チラ

あかり(……!お、オッケーだよぉ)

あかり「向日葵ちゃん。櫻子ちゃんもよく考える時間が欲しいんだよ」

ちなつ「そうそう、昨日の今日だからそんなにあせることないって、ね?」

櫻子「ま、そんなとこだから。ちょっとトイレ行ってくる。あかりちゃん行こ?」

あかり「え?あ、うん。行こっか」

向日葵「そ、そうですの……」

ちなつ「ほら、そんな暗い顔しない。で、京子先輩とはどう?一緒に帰ったんでしょ?」

向日葵「カクカクシカジカで、その、きょ、京ちゃん、と呼ぶようになりました」

ちなつ「へぇ~!やるねえ向日葵ちゃん。じゃあ次のステップとして>>68なんかどう?」

お弁当作ったり

ちなつ「じゃあ次のステップとしてお弁当作ったりとかどう?」

向日葵「いいですわね、そういうのちょっと憧れますわ」

向日葵「あ……、でもうち給食でしたわね」ガックリ

ちなつ「あー、そうだった、ごめんごめん。じゃああれだ、デートした時がチャンスだよ」

向日葵「で、デート、ですか?///」

ちなつ「うん、恋人同士なら当たり前だよね?
    まだ恋人未満な私と結衣先輩だって言ったことあるわけだし」

向日葵「そ、そうですわよね。当たり前、ですわよね。……なんか緊張してきましたわ///」

ちなつ「真っ赤になってかっわいいなぁ向日葵ちゃん。
     私ならいつでも相談に乗るからなんでも話してね?」

向日葵「ありがとうございます、吉川さん。頼りにしてますわ」

【帰り道】
京子「そっか、さっすがちなつちゃん。いいアドバイスするねぇ」

京子「デートかぁ、今度の週末、行きたいなあ。ね、向日葵はどこ行きたい?」

向日葵「そ、そうですね。>>74あたりどうでしょう?」

京ちゃんの家

向日葵「そ、そうですね。京ちゃんの家あたりどうでしょう?」

京子「……!」プルプル

向日葵「あ、あの、いきなりお家へ遊びに行くのは失礼でした?」アセアセ

京子「ちゃんと自然に京ちゃんって呼んでくれた!」ギュッ

向日葵「きゃ!あ、あの……、寝る前にイメージトレーニングしてみたので///」

京子「イメトレ!そっかそっか、健気だなぁ向日葵は」ナデナデ

向日葵「あ、あのそんなに抱きつかれたりなでられたりすると、その、恥ずかしいです……///」

京子「で、どんなイメトレしたの?」ジッ

向日葵「それは……ひっ、秘密ですっ!///」

京子「えぇー。そっか……、恋人に隠し事するんだ……」ショボン

向日葵「ええ!?いえ、その、ちょっと恥ずかしいだけで隠し事とかそんなつもりは……!」アセアセ

京子「なーんちゃって!まったく向日葵はかわいいなあ!」

向日葵「も、もう!京ちゃんたら!///」

京子「じゃあ週末は私のうちへご招待しちゃうよん。向日葵のお弁当、楽しみだな~」

向日葵「あの……、期待はしないでくださいね?」

【向日葵の部屋 夜】
向日葵「今日もどきどきしてしまいまいたわ……」

向日葵「でもちゃんと『京ちゃん』って呼べてよかった……」

向日葵「京ちゃんもあんなに喜んでくれて。ふふ」

向日葵「……今、京ちゃんは何をしてるんでしょう」

向日葵「……」

向日葵「なんだか、声、聞きたくなってきちゃいましたわ」

向日葵「……」

向日葵「電話したらご迷惑かしら……。もう遅いし」

向日葵「……」

向日葵「こ、恋人同士なんですし……!お、女は度胸ですわ!け、携帯を……」ガサッ

デイバイデイ ワータークシカラー

向日葵「……!け、携帯のコール!?」ビクッ

携帯『>>84』 かけてきた相手とその内容

櫻子「今度の週末遊びに行こう」

向日葵「お、驚きましたわ……、どなたでしょう。櫻子?」ピッ

櫻子『よう向日葵』

向日葵「めずらしいですわね、携帯にかけてくるなんて」

櫻子『まあ、時間も時間だし。さすがに乗り込むのもアレだし』

向日葵「まあ、あなたもちょっとは常識ってものがあったんですわね」

櫻子『な、なにおー!?非常識にでかいおっぱいのお前に言われたくない!』ガルル

向日葵「な、なんですって!……。ふふ」

櫻子『な、なんだよ?いきなり笑い出して。気味悪りー』

向日葵「いえ。なんかこのやりとり、久しぶりのような気がして」クス

櫻子『は?昨日の朝とかやってただろ?』

向日葵「そうでしたわね。それで、なんの用ですの?」


櫻子『……こ、今度の週末なんだけどさ。その……、ちょっと遊びに付き合え』

向日葵「週末……」

向日葵(土日のどちらかなら行けなくも無いですけど……、どうしましょう)

向日葵「>>95

いいですわよ

向日葵「いいですわよ」

櫻子『ほ、ほんとか!?』

向日葵「ええ。でも土日のどちらかにするかは、私に決めさせてくださいな」

櫻子『……。別にいいけど』

向日葵「決まりですわね。それでは明日学校で土日のどちらにするかお伝えしますわ」

櫻子『わーったよ。じゃな』ピッ

向日葵「……一方的に切られましたわ。全く勝手な子ですわね。
     とりあえず京ちゃんに予定を聞かないと」

向日葵「……き、緊張しますわ」ピッ

向日葵「……」ドキドキ

京子『向日葵?どしたの?京ちゃんに会えなくて寂しくなっちゃったかな?』

向日葵「え、あの、ち、違……わなくも……無いです///」

京子「向日葵は正直でかわいいなあ。ぎゅーしたい!」

向日葵「そ、そんな/// で、でもお尋ねしたいことがありまして」

京子「なになにー?」

向日葵「実は……」

【1-2教室 翌朝】
向日葵(なんとなく櫻子のことは話せませんでしたわ。後ろめたいことなんてないのに)

向日葵「櫻子、昨日の話しですけど、日曜なら大丈夫ですわ」

櫻子「そっか。じゃお前んち迎えに行くから」

あかり「ねえねえ、何の話してるの?」

櫻子「んー?日曜に向日葵と遊びに行くって話」

ちなつ「え、それは……ちょっとまずくない?」

櫻子「なにが?」

ちなつ「だって、向日葵ちゃんは京子先輩と付き合ってるんだから、
     他の子と二人きりで遊びに行くってのは……、ねえ?」

向日葵「やはりよろしくないでしょうか?幼馴染ですし、大丈夫かと思ったんですが」

ちなつ「私なら嫌だけどなあ。結衣先輩と付き合えたとして、京子先輩と結衣先輩が
     二人きりで出かけるとか……、無理無理」

向日葵「……そういうものですのね。でも、約束したからには守りますわ」

櫻子「……向日葵」

【校門 放課後】
向日葵(京ちゃんに正直に話すべきでしょうか……。>>108

1度だけならバレないだろうと思い黙っておく

向日葵(一度だけ……、この一度だけですし、私自身が約束を破るつもりが無い以上、
     話したところで京ちゃんを嫌な気分にさせるだけですわ……)

向日葵(……でも、いいんですの?)

京子「おーい、向日葵~」

向日葵「あ、京ちゃん……」

京子「ん?どしたの、元気ないじゃん。おなかでも痛いの?」フニフニ

向日葵「そ、そこは胸ですわ……///」

向日葵(こんなこと一つで京ちゃんの気遣いが感じられる……。
     私が気にし過ぎないようにおふざけに紛れさせているけど)

向日葵(もう決めたんですから、暗い顔をしていても京ちゃんを心配させるだけですわね)

向日葵「なんでもありませんわ!さあ、帰りましょう?」ギュ

京子「あ///」

向日葵「え?あ!わ、私、無意識のうちに手を握って……///」パッ

京子「離さなくっていいじゃん。……その、私も手、繋ぎたかったりしたし///」ギュ

向日葵「は、はい///」ギュ

京ひま「///」

向日葵(京ちゃんの手、暖かい……)

向日葵(あ!な、何か話さないと……)チラ

京子「……」チラ

京ひま「///」

その日は、二人とも無言のまま帰り道を歩いて行った。
京ちゃんの手のぬくもりだけで、なんというか、心がいっぱいになった気がして。
京ちゃんも私と同じ気持ちでいてくれたら……嬉しい。

京子「あ、もうお別れの場所か……」

向日葵「そう、ですわね……。もう少し、歩いていたかったかも」

京子「……」

京子「……向日葵」

向日葵「はい?」

向日葵(……夕日に照らされた京ちゃんの顔、綺麗)ドキ

京子「>>119

私の頬にキスをして

京子「私の頬に……キスして」

向日葵「え?」

京子「……」ジッ

向日葵(京ちゃん……、まっすぐな瞳で私を見つめてる)

向日葵(吸い込まれてしまいそう、ですわ……)

向日葵「京、ちゃん……」

向日葵(私は京ちゃんのお願いを……>>124

所詮ごっこじゃないですかと踏みにじる

向日葵(……京ちゃんのお願い、聞きたい)

向日葵(でも……キスなんて、恥ずかしくて)

向日葵「あ、あの……、そ、そこまでは、その」

向日葵「ご、ごっこ、だったわけですし、そういうことはまだ早……」

京子「……」ポロ

向日葵(……涙!?)

京子「あはは!冗談に決まってんじゃん!まったく、向日葵は真面目なんだからー」

京子「向日葵の驚いた顔、最高だったよ」ニシシ

向日葵「あ、あの……、京、ちゃん、わ、私……!」

京子「じゃまた明日!ばいばい!」ダッ

向日葵「あ……」

向日葵「……」

向日葵(……追いかけられなかった)

【向日葵の部屋 深夜】
向日葵(……眠れませんわ)

向日葵(どうしてあの時、あんな酷いことを……)

向日葵(あの時、私は、どうしようもなく京ちゃんに惹かれていた……)

向日葵(あのまっすぐな瞳から目を逸らせなかった……)

向日葵(なら……なぜキスしなかったんですの?)

向日葵(……)

向日葵(キス、したら……してしまったらきっと、もう戻れなくなる)

向日葵(それが怖かった……、気がしますわ)

向日葵(でも……戻るって何?……わかりませんわ、自分自身が)

向日葵(……)

向日葵(……寝ましょう)

【1-2 翌朝】
向日葵「おはようございます……」ボー

あかり「向日葵ちゃんどうしたの?目の下の隈すっごいよ?」

向日葵「なんでもありませんわ……」ニコ

ちなつ「ね?今朝、京子先輩、微妙に様子がおかしかったんだけど、なにかあったの?」ボソ

向日葵「!」

向日葵「な、なんでもありませんわよ!!」

ザワザワ

向日葵「……あ、あの、本当になんでも、無いんです」

櫻子「……ちょっと顔貸せよ」グイッ

向日葵「な、なんですの?ちょっと……」

【トイレ 洗面台前】
櫻子「……どうしたんだよ?私のせいか?私がお前と遊ぶ約束しちゃったから……」

向日葵「……違いますわ。」

櫻子「私、バカだけど、幼馴染の相談くらいのれるぞ?」

向日葵(櫻子……全部話してしまいたい。でも……>>144

櫻子に抱きつく

向日葵「櫻子……!」ギュッ

櫻子「!?///」

向日葵「……櫻子。私……、私、京ちゃ……歳納先輩に酷いこと、してしまったんですの」グスッ

櫻子「……そっか」ナデ

向日葵「ううぅ……うわああ……、ご、ごめん、なさい、泣く、つもりなんて、」ポロポロ

櫻子「いーじゃん、なんでダメなの?泣きたい時は泣けばいいじゃん」ナデ

向日葵「……」グスグス

櫻子「……お前がこんなに泣くのみるの、子供の頃以来だな」ナデ

櫻子「私、気の利いたこと言えないけど、一つだけ言えることがあるよ?」

櫻子「悪いことをしちゃった時はどうするか、昔っからお節介な誰かさんに何度も言われたから」

櫻子「悪いことをしたら、何は無くとも『謝る』、ですわ~、って」

向日葵「櫻子……」グス

向日葵「……櫻子。……ありがとう」グシッ

向日葵「ふふ。あなたに諭されるなんて……、思いもよりませんでしたわ」

櫻子「……貸しだかんな!」フイ

【校門 放課後】
向日葵「……よかった。まだ京ちゃん来ていないですわ」

向日葵「……いえ、もう帰ってしまった可能性も」

向日葵「京ちゃんは『また明日』って言ってくれましたわ」

向日葵「きっと、来てくれる……」

向日葵「……」

向日葵「……」

向日葵「……」

向日葵「……」

向日葵(早く来て欲しい気持ちより、このままずっと待ち続けていたい気持ちが強い)

向日葵(きっと逃げてしまいたい自分がいるんですのね……。
     思っていたより、私って弱かったということですわね)

京子「よう、向日葵」

向日葵「きょ、京ちゃん!」ジワ

向日葵「……私!>>154

キスする

向日葵「……私!」ダッ

京子「ひ、ひまわ……!?」

向日葵「京ちゃん……」

チュ

京子「!?///」

向日葵「ごめんなさい……、私、昨日酷いことを言ってしまって」

向日葵「京ちゃんのお願いを……きっと勇気出して言ってくれたお願いを、
     ごっこだから、なんて酷い言葉で断っちゃって……」

向日葵「本当にごめんなさい!」ペコ

京子「……顔上げて?」ポン

向日葵「……で、でも、私」

京子「顔上げてくれないと、向日葵の可愛い顔が見えないじゃん」ニコ

向日葵「京ちゃん……!」

京子「へへ……。キス、してもらっちゃった///」

京子「でもほっぺじゃなくて唇でもよかったんだよ?んー」

向日葵「……も、もう!京ちゃんたら。知りませんっ///」

京子「……でもいいの?」

向日葵「え?何がです?」

京子「……なんでもなーい」

京子「……向日葵にキスしてもらったら、言おうと思ってたことがあったんだけど」

向日葵「?」

京子「また今度にするよ」

向日葵「き、気になります!教えてください」

京子「だーめ!昨日意地悪されたから教えてあげないよん」

向日葵「もうっ、京ちゃんの意地悪!」

京子「あはは……。さて、帰ろっか」

京子「……手、繋いでいい?///」

向日葵「はい///」

・・・

京子「そっか、ちっぱいちゃんのおかげで」

向日葵「はい、あの子がいなかったら、私どうしていいかわかりませんでした」

京子「……向日葵、ちっぱいちゃんの話する時、いい顔するよね」

向日葵「え、そうでした?そんなに話した気はしないんですけど、
     あの子の愚痴を言うのが癖になってるんでしょうか。だとしたら嫌ですわ」

京子「……あはは」

こうして、京ちゃんとは仲直りすることができた。
それから数日、何事も無い楽しい日々が続き、
約束のデートの日が訪れた。

向日葵「き、緊張しますわ……。出来る限りのおしゃれはしたつもりですし、
     お弁当も4時起きで作ってバッチリな出来のはず」

向日葵「ちゃ、チャイムをならさないと……、うう」プルプル

京子「ひーまわりっ!」ダキッ

向日葵「きゃあああ!え、きょ、京ちゃん?どこから出てくるんですの!?」

京子「いやー、サプライズで驚かそうと陰に隠れてた」

向日葵「き、緊張してるんですからっ、もう!」

京子「ごめんごめん。ささ、入って入って」

向日葵「お邪魔します」

【京子の部屋】
向日葵「ここが京ちゃんの部屋なんですね……」

京子「あ、あんまり見ないで欲しいんだけど……///」

向日葵「綺麗なお部屋だと思いますわ」

京子「そりゃまあ、昨日は気合入れて掃除したし」

向日葵「赤座さんから聞きましたけど、
     『修羅場』という時期が来るとすごいことにみたいですね」

京子「え?う、うん、まあ、ちょっとだけ、ちょっとだけね!」アハハ

京子(あかりめー!)

向日葵「私もその時はお手伝いさせてくださいね?」ニコ

京子「う、うん、期待してるよ!」

京子(向日葵が来たいって言ったから、うちでデートってことになったけど)

京子(一体何をすればいいんだ?げ、ゲームか?でもそれじゃあんまりにも残念な気が)

京子(ノープランだった私を呪いたい……。考えろ考えろ!……そうだ!)

京子「えっと、向日葵、>>170

私、実は結衣が好きなんだ

京子「えっと、向日葵。私、実は結衣が好きなんだ」

向日葵「え?」

向日葵「あ、あの突然、どうしたんです?」

向日葵「冗談……、ですよね?この前の意地悪の仕返し、とか、ですよね?」

京子「……」

向日葵「あの……、京ちゃん、何か……何か言って、ください」ウル

京子「……ほんとは、今日の最後に言うつもりだったんだ」

京子「ちょっと私もテンパっちゃってて、ぽろっと口に出ちゃった」テヘヘ

向日葵「う、嘘です!だって、あの日の京子先輩の目、すごく綺麗で、
     演技してるようには、とても、見えませんでした……!」ポロ

京子「あはは、ひまっちゃんはほんとちょろいよね。
    結衣もこのくらいちょろかったらいいのに」

向日葵「……じゃあ、私がキスしたら言おうと思ってた言葉って……、
     それ、だったんですか?」ポロポロ

京子「……!」

京子「そ、そうだよ?……だって効果的じゃん?一番面白い顔が見られそうだから」

向日葵「そう、ですか……。もともと私が無理なお願いをしたのが原因。自業自得、ですわね……」


向日葵「……さようなら、歳納先輩」

バタン…タッタッタ

京子「……」

京子「……あはは。私ってすっげー悪人」

京子「月曜、学校行ったらきっついことになりそうだなあ」

京子「それはそれで楽しみでもあるけどねん」ニシシ

京子「さって、今日の予定空いちゃったな~」コツン

京子「ん?これは……、向日葵の持ってきてくれたお弁当」

京子「うわ、すっごい気合入ってる。うまそうじゃん。……お腹すいたな」

京子「勝手に食べても問題ないよね?私悪党だし」フフン

京子「いただきまーす!」パク

京子「やっぱうまい!はは、これなんてハートの形に切ってある。器用だな~」モグモグ

京子「……でもなんかしょっぱ!向日葵も分量間違えたりするのか」ウル

京子「……う、うぅ」グスッ

京子「ううぅ……、向日葵ぃ、うううぁあああ」ポロポロ

京子「ごめんなぁ……、結衣。お前も巻き込んじゃって」グスッ

【向日葵の家の前】
向日葵「……」タッタッタ

櫻子「なんだあいつ、もう帰ってきたのか?」

櫻子「……なんか、泣いてたっぽい?またなんかやらかしたのか……」ハァ

櫻子「おじゃましまーっす」ガラ

楓「櫻子お姉ちゃん、いらっしゃいなの」

櫻子「おう、楓。向日葵帰ってきてるだろ?上がっていい?」

楓「うん。お姉ちゃん、泣いてたの……。だから櫻子お姉ちゃん、お願い」

櫻子「おう、私にまかせとけって!」ポン

【向日葵の部屋の前】
櫻子「向日葵ー、開けるぞー!」

向日葵『やめて!!』

櫻子「おーこわ。……今度はなにやらかしたんだよ?聞いてやるから話してみ?」

向日葵『別に……ただ』

櫻子「ただ、なんだよ?」

向日葵『振られただけですわ……』

櫻子「へ?そりゃ無いだろ、嘘つくにしてももうちょいあるだろ」アハハ

向日葵『本当ですわよ!!
     ……京ちゃ、歳納先輩は、船見先輩のことが、好き、なんですって』

櫻子「ふーん。じゃあなんでお前と恋人になってんだよ?おかしいじゃん」

向日葵『きっと、恋人を演じて船見先輩に嫉妬させたいとか、そんな理由ですわよ……』

櫻子「信じられないけどなー」

向日葵『本人に何度も聞いたんですから、本当ですわよ!もうほっといて!!』

櫻子「私さ。お前が歳納先輩と付き合うって聞いてから、妙にお前が気になって、
    ずっとチラチラ見てたんだよ」

櫻子「歳納先輩との帰り道も覗き見してたこともある……、悪いな」ポリポリ

櫻子「歳納先輩、すっごいいい顔してお前を見てるんだよ。
    お前は舞い上がってたからどれだけ見れたかわからないけど」

櫻子「お前もお前で、いい笑顔しててさ……。
    私、向日葵のそんな顔見たこと無かったよ」

櫻子「私、悔しくってさ、ずっとずっと布団の中で考えたけど、
    結局、たどりついたのが『歳納先輩にはかなわない』ってことだった」

櫻子「でも、その結論にたどりついたら、頭の中がスッキリしてさ、
    『歳納先輩だったら、まあいいかな』って思えて」

櫻子「変な対抗心で、お前とデートまがいのことしようと思ってたけど、
   『最後に1度だけ、お前とデートできたらいいな』って考えに変わってさ」

櫻子「明日のデートでへんなもやもやをおしまいにするって、そんな気持ちになれた」

櫻子「お前とずっといっしょにいて、お前のことを一番分かってる私が
   絶対大丈夫だって言ってるんだ!」

櫻子「私を信じろ!私たちたった一人の幼馴染だろ!!」

櫻子「よく聞けよ?歳納先輩は!絶対!お前を!大好きだって!!」

櫻子「……」ハァハァ

ガラッ

向日葵「……」

櫻子「向日葵……」

向日葵「……まったく。うるさくて失恋気分にひたれないじゃないですの」グスッ

向日葵「……ありがとう、櫻子。あなたは私の最高の幼馴染ですわ」ギュッ

櫻子「……言っただろ?
   お前がどうなっても、私はお前の幼馴染でいてやるから安心しろって」ニコ

向日葵「……そう、そうでしたわね、ふふ」

向日葵「もう一度、京ちゃんに会いに行きますわ」

【京子の家】
ピンポーン
京子「?だ、誰だろ」グスグス

京子「ひ、向日葵!?」グス

京子(インターホン)『な、なにしに来たんだよ。もう用はないはずだろ?』

向日葵「いいえ。忘れ物をしたはずですわ」

京子(インターホン)『お弁当か……。持っていくからそこで待ってなよ』

向日葵「……」

ガチャ

京子「ほら、これ持って帰って?」

ガシッ

京子「!?な、なにすんだよ?」

向日葵「お邪魔させていただきますわ!京ちゃん!」

京子「!?」

京子「な、なんだよ。ひまわ……ひまっちゃんのことはさっき振ってやったはずだろ?」

向日葵「そうなんですけれど、私の大事な幼馴染が
     どうしてもそれを納得してくれないんですの!」

【京子の部屋】
向日葵「櫻子が『歳納先輩がお前を振るなんて信じられない』っていうんですわ」

京子「ちっぱいちゃん、その場にいたわけじゃないじゃん」

向日葵「そうですわね……。でも私と京ちゃんのことはよく見てたみたいで」

向日葵「私を見る京ちゃんの顔がすごくいい顔をしているって、言うんですのよ」

向日葵「私も京ちゃんを見る顔が見たことも無い笑顔だったって言ってくれて……」

向日葵「あの子……けっこうヤキモチ焼きで思うままに動くタイプなのに、
     私を思って、笑顔で背中を押してくれました……」

向日葵「ですから、私は、先輩の言葉から逃げるわけにはいかないんです!
     振られるとしても、納得のいく振られ方をしなきゃいけないんです!!」

京子「……だって」

向日葵「……」

京子「だってさ、向日葵のいるべき場所って、ここじゃないじゃん」

京子「今、見せてくれただけでもよくわかるよ。向日葵がいなきゃいけないのは」グス

京子「……ちっぱいちゃんの隣、じゃん」ポロポロ

向日葵「京ちゃん……」

京子「あの日、キスを拒まれた時、『ごっこ』がどうとか、
    そんなことは、それ程気にならなかった」

京子「それまで向日葵と話してて、ちらほら見え隠れしてたちっぱいちゃんが
    、向日葵の中で確かにしっかりと存在してるって気づいちゃって、
     『ああ、私じゃかなわないんだな』って思えて、悲しくなっちゃったんだ」

京子「向日葵が私に、好意を持ってくれ始めてるのもわかってた。
    私もこのままでいたかったけど、向日葵がちっぱいちゃんのところに
    いずれ戻るとしたら、私、きっと耐えられないから」

京子「だから、今日のデートを目一杯楽しんで、向日葵とのこの一週間を
    『恋人ごっこ』にして楽しい思い出として終わらせたかった」

京子「よりによって、考えてた中で一番酷い理由を言っちゃったけどね……」

京子「ってなわけで、結局、ほんとのことがどうであれ、」
    私は私がつらくなりたくないか、向日葵を振ったんだよ」

京子「いるべき場所がなんたら言っても、結局はそうなんだよ」

京子「……だから、こんな私なんか、愛想尽かしちゃってよ。ね?」

向日葵「生憎ですが、今、恋人ではない京ちゃんの言葉より、
     大切な幼馴染の言葉のほうが、私にとって大切なんです」

向日葵「あの子はこう断言しました」

向日葵「『歳納先輩は!絶対!お前を!大好きだって!!』」

向日葵「その言葉、本当なのか、教えてください……、京ちゃん」ギュ

京子「向日葵……」

向日葵「……キス」

京子「え?」

向日葵「キス、したら、あの日言ってくれたはずの言葉を、教えてくれますか?」

京子「……」

チュ

京子「え、く、唇?///」

向日葵「……む、無言は、肯定なんですよ?///」

京子「ひ、向日葵っ!好き!大好き!」ポロポロ

京子「恋人になったのに、一度も言ったことなくて、でも言えなくて、きっかけがほしくて……」ポロポロ

向日葵「私も……、京ちゃんが大好き、ですわ」ギュ

向日葵「また私を、京ちゃんの恋人に……してくれますか?」

京子「うん……うん!!ごめんね向日葵……ありがとう」

向日葵「ふふ……、京ちゃんがこんなに泣き虫だったとは思いませんでしたわ」

【翌日】
向日葵「さて、今日一日、デートを楽しみましょうか」

櫻子「で、デートじゃねーし!///」

向日葵「私の部屋の前でデートだって言ってましたわ」

櫻子「う、うっせー!///」

櫻子「……でもいいのか?歳納先輩を放っておいて私と遊びに行っちゃって」

向日葵「嫌だけど、すっごい嫌だけど、あなたのおかげでよりを戻せたから
     我慢するんですって、ふふ。かわいいですわよね、京ちゃん」

櫻子「いや、まあいいならいいんだけど。さりげなくのろけるなよ……」

櫻子「歳納先輩がオッケー出してるなら、今日は遊びまくるぞー!」

向日葵「そうですわね。……でも、今日が最後なんて寂しいこと、言わないでくださいね?」

櫻子「え?」

向日葵「あなたがそう言ってくれた様に、
     私も、ずっとあなたの幼馴染でままでいてさしあげるんですから!」




おわり

ちなつ「それで、ラブレターってどうなったの?」

櫻子「え……。いやー、あれ、入れる下駄箱間違えたんだって」アハハ

向日葵「なんて人騒がせな……」ガク

あかり「まあまあ、それで京子ちゃんと仲良くなったんだし」

向日葵「そ、そうですわね」



おわり

なんかいろいろごめんね
安価のない安価スレなんてやっぱダメだね

付き合ってくれた人ありがとう

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