義妹「泊めてくんない?」 (45)
義妹「狭いんだけど」
俺「このコタツ一人用なんだよ」
義妹「なんでそんな変なコタツ買ってんのよ……」
俺「一人暮らしだとこれくらいの大きさの方が何かと便利なんだよ」
義妹「ふーん……そういうのどうでもいいから、早くコタツから出てってくんない」
俺「寒いからやだ。お前が出ろよ」
義妹「寒いからヤ」
俺「なんか飯作ってくれよ」
義妹「あたしにそんなスキルあるわけないでしょ」
俺「お前女子力なさすぎ」
義妹「うっさいわね……ちょっと待ってなさいよ」
・
・
・
俺「具なし焼きそばとか……お前は貧乏学生かよ」
義妹「嫌なら食べなきゃいいじゃん」
俺「……お前って一人で料理したことあるの?」
義妹「……これが初めてだよ」
俺「そうか」
義妹「寒いんだけど」
俺「待ってろ。ハンテンかしてやる」
義妹「………うわ、だっさ!」
俺「………」
義妹「よくこんなの着られるね……正気を疑うわ」
俺「………」
義妹「……あ、でも意外とあったかいかも」
俺「……そうか」
俺「お前ハンテン似合わねーなー」
義妹「……うっさいわね」
俺(パシャッ!)
義妹「ちょ」
俺「撮れた撮れた。お前ハンテン全く似合わないのな」
義妹「なに勝手に撮ってんの!?信じらんない!」
俺「お前の方にも写真送っとくぞー」
義妹「そんな写メいらないよ!」
俺「……ところでさぁ」
義妹「うん」
俺「家でなんかあったの?」
義妹「……べつに」
俺「学校でなんかあったのか」
義妹「……べつに」
俺「そうか」
(プープー)
義妹「何の音?」
俺「あ、灯油切れた」
義妹「灯油切れるとどうなるの?」
俺「もっと寒くなる」
義妹「……嫌なんだけど」
俺「俺だって嫌だよ」
義妹「どうすんのさ」
俺「……買いにいくかぁ」
義妹「歩いて灯油買って家まで運ぶとか本気?」
俺「仕方ないだろ。車のガソリンも空になってたんだから」
義妹「………ありえない」
大家「あら、どうも~こんばんは~」
俺「あ、大家さん。こんばんは」
義妹(ペコッ)
大家「大晦日に彼女と二人きり?仲が良くていいわね~」
俺「いえいえ、これは彼女じゃなくていも」
義妹「あの!灯油余ってませんか?」
俺「おいコラッ!何言ってんだアホっ!」
大家「灯油?」
俺「………」
義妹「………なんで怒ってんのさ」
俺「そりゃ怒るわ」
義妹「なんでさ」
俺「大家さんに要らない迷惑かけさせやがって……」
義妹「……だって灯油カン持って外歩くとかありえないもん……」
俺「……つっても精々5、6分の距離だぞ?
それでもイヤならお前は家に留守番してても良かったし……」
義妹「……一人で留守番するのは……ヤダ」
俺「………」
義妹「………」
義妹「…………ごめんなさい。自分のことしか考えてませんでした」
俺「……まぁ、結果的にはこうして楽出来たわけだしな。気にすんな」
義妹「………ごめん」
俺「………」
義妹「………」
俺「………」
義妹「……ストーブ、まだつかないの?」
俺「かなり旧式だからな。時間かかるんだよ」
義妹「……寒い」
俺「……待ってろ」
義妹「ちょ、ちょっと!なんでいきなり上着をっ……」
俺「俺のゆたんぽを貸してやろう」
義妹「………上着の下にそれずっと入れてたの?私が来た時から?」
俺「うん」
義妹「私が寒い寒い言ってる間、お兄ちゃんはずーっと暖かかったの?」
俺「うん」
義妹「………死ね」
俺「ごめんなさい」
義妹「うわ……あったかい……お兄ちゃん死ねばいいのに」
俺「ごめんなさい」
義妹「ゆたんぽ、あったかいね。なんか安心する」
俺「そうか」
義妹「お兄ちゃんいつもこれお腹に入れてるの?」
俺「そうだ」
義妹「そっか」
義妹「お兄ちゃん寒くない?」
俺「お前が俺のこと心配するなんて珍しいなぁ……」
義妹「………」
俺「正直寒いです」
義妹「そ、それじゃあ……」
俺「なので」
ゴーン……ゴーン……
俺「甘酒を貰いに行きます」
義妹「!?な、なんの音?」
俺「除夜の鐘も知らんのか最近のJKは……
ほれ、あったかい格好しな。出掛けるぞ」
義妹「ど、どこいくの?」
俺「お寺だよお寺。これから初詣に行く」
義妹「ふ、二人で初詣とか初めてだね」
俺「そうだな……」
義妹「こんな夜中に初詣するの初めて。ちょっとワクワクするかも」
俺「道凍ってるから気を付けろよー」
義妹「うん!……ひゃぁっ!?」
俺「言わんこっちゃない……」
義妹「うわ、すごい人混み……」
俺「はぐれるなよー」
義妹「うん!……キャッ、あ、ごめんなさ、うっ……す、すみませんっ!」
義妹「……って、あれ?お兄ちゃん?やばっ……はぐれちゃった……?」
俺「……よく見ろ。隣にいるだろうが」
義妹「お兄ちゃん!……よ、良かったー!はぐれちゃったかと思ったー」
俺「………」
俺「……手」
義妹「手?」
俺「……手つなぐぞ」
義妹「えっ……」
俺「迷子になられたら面倒だ……早くしろ」
義妹「ふ、普通に恥ずかしいんですけど……」
俺「今更恥ずかしがる必要ないだろ」
義妹「で、でも」
俺「恥ずかしがるなよ……血は繋がってなくても家族は家族なんだからさ」
義妹「………」
俺「………」
義妹「そっか……うん、そうだね」
俺「………」
妹「それじゃあ手、繋ごっか。お兄ちゃん!」
俺「おう……ってナチュラルに恋人繋ぎにするんじゃねーよ!気色悪い!」
妹「あ、ごめん。ついいつもの癖で」
俺「いつもの癖?……お前彼氏いるの?」
妹「……どうでしょうねー」
俺「え?ほんとにいるの?」
妹「お兄ちゃんには絶対教えないー!」
俺「なんでだよ!え?ほんとにいるの?おい!」
(完)
寝ないけど寝ます。おやすみ
おい!
これからどーなるんだよ!
教えろください
一つ確認したいんだけど、みなさんエロを求めてる感じですか?
>>36
妹ちゃんが高校卒業後、兄の家の近くの大学に進学。
兄の家に住まわせてもらうことになる
↓
ちょっぴりドキドキな同棲生活を満喫
↓
大学生活が始まってから、だんだんと帰りの遅くなる妹
妹の大学生活に激しく心配する兄
↓
だんだんと変わっていく妹に兄、困惑
妹が何を考えてるのかだんだんわからなくなっていく
↓
帰宅時間のことでついに兄と妹が正面衝突
「血も繋がってないのに兄貴面すんな!」と妹が逆ギレ
↓
ショックを受ける兄
↓
自分の発言を悔やむ妹
↓
妹が自分の本心を打ち明け、
兄も妹の気持ちを受け入れて、ハッピーエンド
このSSまとめへのコメント
このSSまとめにはまだコメントがありません