浜面「俺は勇者なんだ!!」2 (968)


ここはとある異世界


平和だった世界に突如、魔王アレイスターを名乗る人物があらわれ
世界は混沌につつまれた。


世界各地には、想像上のものと思われていた怪物たちがはびこり
死者はあらたな魔王の手先となる。


とてつもなく強大な力の前に、人々が築き上げた文明は敗れ

絶望の淵に追われた時

世界各地に特殊な力を持つ人間が現れ始めた。




あるものは、生まれながらに不幸を纏い
その身には、かつて世界を滅ぼそうとした古い魔王『竜王』の力が宿り、右手にあらゆる幻想を壊す力を身につけていた。



あるものは、生まれながらに天使と悪魔の力を受けつがされた呪われた存在であり
全ての力の流れを操る無敵の矛と、何者も寄せつけぬ、無敵の盾を身につけていた。




ある少年は、生まれながらに天使のような翼を持ち、人知の及ばぬ物質を操る能力を持っていた。
人類最強の勇者を誇っていたが、魔王軍との力の差を知り撤退。その後、勇者の連合を作りだし、反撃の時を待ちわびている。



ある少女は、生まれながらに雷を纏い、立ち塞がる全ての敵を一直線に粉砕する力を身につけていたが、強すぎる力の為に、姉の心を闇に堕とした。
一時、自分の強すぎる力を責めたが、悪魔のような天使のような少年に諭され、姉奪還への道を歩み出す。



ある少女は、外の世界へと強く憧れを持ち、師と慕う老人の元で、全てを貫く力を得た後、自身と関わりのある者全てとの別れを乗り越え、幼くして勇者として活躍。
とある町で出会った少年を弟子とし、数々の試練を越え、ついには成長した少年により、自身の苦しみを解放される。
そして、己を超えた少年と共に、どこまでも進んで行く決意をする。



こうした特別な力を持って生まれた者たちは、アレイスターの放つ怪物を打ち破り、人々から「勇者」と称えられた。

各地の勇者達は、それぞれの思惑を胸に秘め、魔王アレイスターの討伐に旅立つ。




そして、ここに一人の若者がいる。


名を浜面 仕上


この混沌につつまれた世界で、普通に生まれ、10年前、自身の父親を失った少年。


生まれた町を守るために普通の兵士となった少年。


とある海に囲まれた小国を命掛けで守り抜き、勇者として名乗ることを決めた少年。


とある極東の島国にて、遂にその頭角を現し始めた少年。



これは、決して物語の主人公とは言えなかった少年が成長し

世界へ羽ばたく物語である。


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プロローグ





第一章




第二章-1

外伝


麦野「私が勇者?」

日本から遠く離れた海上








コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ




エグドラシル「」ピキピキピキッ…………




ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ







見渡す限り、海しかない海上に、ポツンと氷に覆われた島のようなものがある。





おおよそ500mほどの大きさのソレは、島として見れば、そこまで大きなものではないが、残念ながらこれは島ではない。





魔物なのだ。とても巨大な。

コォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ






エグドラシル「」ピキピキピキッ…………!!!






ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ







おおよそ2週間前にこの魔物『エグドラシル』と遭遇し、戦った浜面達によって、何とか氷の中に封印されていたのだが、今まさにその封印が破られようとしている。




氷の中で、エグドラシルは静かに、力と怒りを溜めていた。




この巨大な魔物が、ただの人間に遅れをとったのだ。
怒りが沸かない訳がない。




ただただエグドラシルは待っていた。
この怒りと力を存分に解放する日を。



その矛先は、自身を封印した浜面や、削板。
そして、侵攻目標である日本の工業都市へと向けられる。





パキィィィィィィィィィィィンッ!!!!!




そして今、エグドラシルを包む巨大な氷の檻が砕けた。












エグドラシル『ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!!!!!
小僧ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!!!!!』










第二章







『地獄に一番近い島』






こんばんわ、1です。


お待たせいたしました。浜面勇者の続きを再開したいと思います。


半端なく、キャラが増えてきたので、今回人物紹介は無しです。


3章に入った時に、簡単にまとめて行おうと思います。


というわけで、ご新規さんは、プロローグから読まないと話がわからないと思いますので、ゆっくり最初から読んでみてください。


プロローグの時点で肌に合えば、多分、これからも楽しく読めると思います。

エグドラシル日本到達予定時刻まで、あと50時間






第7地区の中心 高層ビル『スクール』アジト



07:00



ピピピピッ!!


ピピピピッ!!



浜面「グガー……クカー……」zzZ


上条「クカー……クカー……」zzZ




この高層ビル丸ごとが、勇者連合組織『スクール』のアジトである。

その一室に、二人の勇者が、布団を蹴飛ばし、だらしのない寝顔を浮かべながらスヤスヤと眠っている。



5日前から始まった、『スクール』のリーダー垣根によるスパルタ特訓により、疲れ切った彼等の体は深い眠りに入っているようだ。

部屋の外



絹旗「超ーおはよーございまーす……」ボソボソ


インデックス「おはよーなんだよー」ボソボソ



麦野「朝っぱらから呼びだして、何なのよアンタ達……こっちはまだ眠いんだけど」ファァ……



滝壷「…………zzZ」


フレンダ「滝壷、滝壷。目ェ開いたまま寝てるってわけよ」ユサユサ


佐天「器用ですねぇ……滝壷さん。ファァ……」ゴシゴシ


御坂「で?こんな朝っぱらから用件はなんなのよ、アンタ達。
いくら男共よりは軽いとはいえ、こっちも相当キツい特訓してんだからね?」

絹旗「超決まってるじゃないですか……むしろ今まで何でやらなかったのか……」


インデックス「皆……今から重要なミッションを開始するんだよ……」



麦野「ミッション?何するのよ?」







絹旗「寝起きドッキリですよ……寝起きドッキリ。
こうやって、皆で合流出来たんだから、男共をターゲットに超寝起きドッキリやるしかないでしょう!!」



フレンダ「アンタそれだけの為にこんな朝っぱらに呼び出したわけ?
一発ぶん殴ってやろうか?ってわけよ」



麦野「ハイ解サーン。さーて、もう一眠りするとするかにゃーん」



御坂「もー……今からじゃああまり寝られないじゃないのよ……」

絹旗「ちょ、ちょっと皆さん!!!いいんですか!?
浜面と上条の寝顔拝見や、超無防備な彼等に、いろんなイタズラをする絶好のチャンスですよ!?」





麦野「何やってんのよ絹旗。早く進行進めなさいよ。アンタ司会役でしょ?」


滝壷「きぬはた、私は全力できぬはたを応援するよ」


御坂「たまにはこういうスキンシップも必要よね!!
べ、別にスキンシップって言っても肌と肌を合わせるわけじゃないのよ?
で、でも今ならアイツの側で密着して添い寝できるかも……エヘ、エヘヘヘ」ポケー……

佐天「うわ……チョロいなーこの人達。そして美琴姫が、国を出る前より少しダメな子になってる……」




フレンダ「結局、オリアナだかネヴァンだかどっちでもいいけど、あの人の影響が出てるってわけよ……。
ん?涙子は普通なわけよ。何で?」



佐天「何でって言われても……まぁ、浜面さんの寝顔とか寝てる間にイタズラとかは、しょっちゅう見てるしやってますからねぇ。
なんせ、貧乏旅なので宿に泊まる時は同じ部屋だったもんで」

麦野「涙子ちゃん、ちょっとその話詳しく聞かせてもらおうかしら?」



滝壷「さてん。逃げられないよ?全部話そう?」ゴゴゴゴッ……



絹旗「た、滝壷さんから殺意の波動が超出てる……」ゴクリ……


インデックス「心なしか、肌が浅黒くなってる気がするんだよ!!」




佐天「いやいや!!別に何にもお伝えすることはありませんよ!!!
私は寝顔をチラっと見たり、ホッペツンツンしてただけですし!!
それに、浜面さんと私に何かあるわけないじゃないですか!!だって浜面さんですよ!?」

麦野「甘いわね、涙子ちゃん。男は皆野獣の本能を持っているのよ?
あの二人はただ、他の男よりも鈍感な上に、鋼の理性を持っているだけのこと。
理性が崩れれば、速攻で喰われちゃうわよ?」



御坂「く、喰われちゃうですって!?い、一体どんなことを……まさかネヴァンさんと初めて会った時のような状況に?
でもあの時はどちらかと言うと、ネヴァンさんが男の人達を食べてたような……」ブツブツ……




絹旗「インデックスちゃん。絶対オリアナさんって美琴に超悪影響ですよね?」



インデックス「正直最近は、オリアナにたぶらかされたみことが、いつかとうまを襲いそうでヒヤヒヤしてきたんだよ!!」

佐天「は、浜面さんはそんなことしませんよ……むしろ何でしてこないのか……。
私魅力ないんですかね?」ガックシ



フレンダ「確かに男と女が一つの部屋で2ヶ月も寝泊まりしてたのに、一回も襲われないってのはどうかと思うわけよ」



麦野「気にすることはないわ、涙子ちゃん。
もし、アイツが一度でも涙子ちゃんに手を出していたら、私がアイツの汚い手を消していたんだから」ゴゴゴゴッ……



滝壷「むぎの、その時は私が照準をつけるよ」ゴゴゴゴッ……






絹旗「あの……そろそろ部屋に超侵入しませんか?」

ガチャ……



絹旗「超失礼しまーーす……」ボソボソ



麦野「うわ、散らかってるわねぇ……服も飲み食いしたものも全部ほったらかしじゃない」



滝壷「男の子はこういうの雑だもんね」ガサガサ ポイポイ



佐天「おお……散らかってるモノが、みるみる内に洗濯とゴミに出されている……
滝壷さんの女子力パネェ……」



インデックス「巷では女子力って無駄に着飾ることを言ってるみたいだけど、実際男にとって、女子力高いってのはこういうことだよね?」



フレンダ「いや、むしろアレ新婚の奥さんの域に達してるってわけよ。
あの洗濯物を畳んでる時の滝壷の優しい顔つき……
『しょうがないわねぇ、あの人ったら……フフッ……』
っていう母性が溢れてるわけよ!!!」

麦野「くっ!?やはり、女としてのスキルは滝壷には勝てないか……」



絹旗「麦野も抜いだら脱ぎっ放しだし、下着姿で部屋の中超ウロウロしてますもんね。
そのくせ、何か抱き枕的なモノがないと寝れないとか……」プークスクス




麦野「絹旗、ちょっと私らの部屋に戻ろうか」グイッ!!



絹旗「へ、あ、ちょ、ちょっと麦野!!ゴメンなさい!!超謝りますからアレだけはどうか許して!!!麦野ォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!」ズルズルズルズルッ!!!





バタンッ!!







…………アッー

フレンダ「…………また一つ、絹旗のお嫁に行けなくなるトラウマが増えるわけよ」



インデックス「さいあい……こうなったらもう、主に一生仕えるしか、道はないかもしれないんだよ……」





浜面「…………何してんだお前等?こんな朝っぱらから」



上条「なぜ、女性陣の方々が、こんなむさ苦しい男部屋にいるんでせうか……?」





佐天「あ、起きちゃいましたね」



御坂「私たち何しに来たんだっけ?」



滝壷「みさか、ゴミ出しするの手伝って」ガサガサ

09:00





垣根「よぉ、揃ったかお前等。…………どうした絹旗?」




絹旗「ゥゥゥ……私の純潔が……お嫁にいけない……」グスン



浜面「麦野……お前……」



麦野「やーねぇ、大袈裟よ。アンタの考えてるようなことはやってないわ。……多分ね」ニヤリ




佐天「い、一体どんなお仕置きをされたんでしょうか……」



御坂「お仕置きか……ネヴァンさんが言うには、女の子へのお仕置きは、縄で縛られたり、ロウソク垂らされたり、鞭でぶたれたりするのが一般的なお仕置き……ていうかむしろご褒美だって言ってたわね……。
やっぱり王家と一般人じゃあ違うのかしら?」



フレンダ「美琴。アンタやっぱりあの女手放しなさい。
結局ドンドンあの女に洗脳されていってるってわけよ!!!」

垣根「心配すんな絹旗。嫁の貰い手が見つからなかったら俺が貰ってやっからよ」




絹旗「超お断りです」ペッ!!


麦野「ないわ」


滝壷「ないね」


佐天「すぐ浮気しそうですよね」


御坂「うちのパパに会ったら、即半殺しにされそうね」


インデックス「ご飯毎日食べさせてくれても遠慮したいかも」



心理定規「あのメルヘンかぶれな力と、上から目線が嫌だわ」



垣根「心理定規ォォォォオオオッ!!!テメェ、さりげなく混じってんじゃねぇぞォォオッ!!!」

垣根「さてと……冗談はさておき、今日明日は修行は休みだ。
予想では、あと2日ほどでエグドラシルがここに侵攻してくるみたいだからな。
今の内に、この都市の地理や、重要拠点について説明しつつ、都市を回ろうと思う。
まぁ、平たく言えば、スクール主催の『工業都市観光ツアー』だ」





浜面「ようやく休みか……。
この5日間ハードだったからなぁ。何度気を失ったことか」


上条「上条さんなんて、三途の川を何度拝んだことやら……。
主に修行の内容じゃなく、麦野さんや御坂の流れ弾によってですが」

麦野「何でかなー。吸い寄せられるように、原子崩しがアンタに向かっていくのよねー。不思議よねー」



御坂「アンタが目の前にいるのが悪いのよ。ついついぶっ放したくなっちゃうの」



上条「オイ、ちょっとまて。麦野さんはともかく、御坂はワザとか!?
どれだけ上条さんが神経すり減らしながら電撃避けていたと思ってんだ!!!」



佐天「それでも、一回も当たらなかったんですよね……原子崩しも電撃も。
ほとんど不意を突かれてるのに、何気に凄くないですか?上条さん」

インデックス「不幸に慣れてくると、超人的な反射神経を得ることができるんだよ!!
しあげの日頃からの原子崩し避けにも同じことが言えるかも!!適者生存ってヤツなんだよ!!」




浜面「ハハハッ……全く嬉しくねぇな、それ」



麦野「いいじゃない。私のストレス発散と、アンタの修行が同時に出来るんだから。一石二鳥よね。」



佐天「ストレス発散って認めちゃった!?」

第7地区 コロシアムドーム周辺





ワァァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!!!!




浜面「ドームの方から凄い歓声が……」



垣根「ここは、お前等はこないだ来たばかりだろ?サバイバルの受付会場だ。
いつもはここで、ウチの組織の連中を中心に、試合を行っている。
名目はフリーの戦士によるトーナメントやバトルロワイヤルみたいなもんだけどな。
これも大事な活動資金集めの一つさ」




麦野「結構手広く商売してんのね。アンタ達」

垣根「まぁな。この街の人口の2割ほどは、『スクール』の関係者だ。
この都市は、打倒アレイスターの為と、世界の復興の為だけに作られた都市なのさ。
ま、同じようなものに、イギリスって島国もあるけどな。あっちは教会の人間がメインのハズだ」




インデックス「私も、イギリスから来たんだよ!!
イギリスには、教会の本部みたいなものがあって、この都市と同じように世界の為に活動してるんだよ!!」


垣根「まぁ、その話は後々でいい。ここまで来たのは、別にコロシアムを再度見せに来たんじゃない。
俺が何としても、この都市の防衛の際、守らなきゃいけないものがこの近くにあるんだ」

浜面「守るもの?何だそれは?」



垣根「コロシアムとは反対方向に、高い電波塔みたいなものがあるだろ?」



麦野「あぁ、あの塔ね。何か赤い鉄骨の骨組みみたいな塔……あれがどうしたっていうの?」



垣根「あれがこの都市の生命線……魔物や魔人等、奴らが都市に直接入って来れないようにするためのバリア発生装置『ヒューズ・カザキリ』だ」

浜面「『ヒューズ・カザキリ』?バリア発生装置?何なんだソレは?」



垣根「お前等……何でこの都市……いや、この都市周辺には、魔物が殆ど出ないと思う?」




佐天「そういえば、私達この国に入って、一回も野生の魔物を見てないですよね?何ででしょう?」



絹旗「あ!!それ私達も超気になってました!!」



垣根「それはな……この『ヒューズ・カザキリ』が、この都市とその周辺。だいたい関東全域かな?
その辺まで、魔物を寄せ付けないバリアを張っているからさ。
このバリアのお陰で、殆どの魔物はこの都市の中に入れないし、空間移動もできない」

佐天「す、凄いじゃないですか!!!ん?でも、だったらあのエグドラシルとかいう魔物も入ってこれないんじゃないですか?」



垣根「何事にも、許容限界ってのはあるんだよ涙子ちゃん。
SSクラスの魔物が攻めて来るとなると、万が一ということもある。
それに、早めに倒しておかねぇと、この都市周辺の人間に大きな被害が及ぶからな。
一応、エグドラシル襲来までに、周辺の人間も、この都市の中に避難させるつもりだが」




麦野「なるほどね。確かに、ここが壊されたら、この国全土が一気に魔物に埋めつくされるでしょうね。
だから、ここが防衛の要になると」

垣根「あぁ。だからこの塔周辺は、いくつもの対抗策を練っている。

素早くこの塔までたどり着けるよう、非常時には都市の全てのモノレールがこの塔周辺に繋がるようになってるし、近くにあるコロシアムには、バカデカイ防衛兵器も積んである。
更に、この周りにそびえ立つ、全ての建物が、非常時には要塞として機能するんだ」



佐天「ほぇー。さすが世界一の技術を誇る工業都市!!凄い防御体制ですね」



垣根「だろ?ここまで作りあげるのに苦労したぜ、本当に」



佐天「ん?垣根さんがこの塔の建造に携わってるんですか?」


垣根「あぁ。あの塔に使われているバリア発生装置『ヒューズ・カザキリ』。
あれ、俺の相方の力で作られてんだよ」

浜面「は?」


上条「へ?」



その他「「「えぇーーーーーーーーー!?」」」







浜面「相方って……人間にそんな凄い能力を持ったヤツがいんのか!?」



垣根「いや……厳密に言や人間じゃないんだが……まぁ、人間みたいなもんだな。
紹介してやろうか?俺の昔からの相方を」ジャラッ……




佐天「クリスタルのネックレス?まさか、垣根さんもその中に……」



滝壷「あの時感じた強い力……そういうことだったんだね」




カッ!!


ブワァァァァァァァァァァアアアッ!!!!!








垣根「紹介するぜ。『ヒューズ・カザキリ』の力の元になっている俺の相方、『風斬 氷華』だ」




風斬 「か、風斬氷華です。よろしくお願いしますね、皆さん……」オドオド

投下終了です。

初日はこんなもんで。
文章自体は大分先まで出来上がってるので、明日も投下します。


このスレでも、皆さんよろしくです!!


風斬はやっぱ元☆側だったりすんのかな…

乙!
これからもよろしく!




垣根め うまくやりやがって

そりゃあ心理さんも口がわるくなるわ

乙!
垣根は風斬をクリスタルに監禁状態にしてるんですね
わかります

乙です!…さすがていとくん常識が通用しないぜ!

こんばんわ、1です。


今日もゆっくり投下していきたいと思います。


>>34
厳密に言えば元☆側ではないですねぇー。3章くらいでその辺出す予定です。
続けばですが……

>>35
よろしくお願いします!!

>>36
世の中、チャラ男とイケメンには甘く出来てるんですよ……

>>37
その発想はなかったです。

>>38
常識なんて、ゴミ箱にぶち込んじゃいましょー!!


それでは、のんびり投下始めます。

垣根のクリスタルから出て来たのは、垣根と同じくらいの年の眼鏡をかけた長髪の女の子であった。



ただ、そのオドオドした態度とは裏腹に、見た目は自己主張の激しいワガママボディである。





浜面「お、女の子……?」


上条「そ、その凶悪なモノは一体……」


麦野「で、デカい……」


御坂「ま、ママと同じくらい……いや、もしかしたら超えているのかも……」


佐天「ちょ、ちょっと待ってください!!クリスタルって人間まで封じ込められるんですか!?
ていうかそれって人としていいんですか!?」

麦野「よし、仕上。アンタ私のクリスタルの中に入りなさい!!今すぐ!!」



浜面「全力でお断りだバカ野郎!!!」




垣根「だから、厳密には人間じゃねぇって言ってんだろうが!!
それに、コイツは基本、クリスタルの中に閉じこもってねぇよ。
呼び出す時の媒介みてぇなもんだ。クリスタルは」



麦野「チッ!!できねぇのかよクソが……」



浜面「おい、ちょっと待て。マジでやるつもりだったのかお前……」



風斬 「ご、ゴメンナサイ!!期待させてゴメンナサイ!!」ペコ!!ペコ!!

御坂「いや……別に貴方が悪いわけじゃ……」



垣根「あぁ、気にすんな。コイツ、見た目通り基本的に小心者でな。すぐ謝るんだ」



滝壷「それで……この子は一体何者なの?かきね。
力の反応からして、人間でも魔物でも、ましてや魔人でもないみたいだけど」




垣根「コイツはな、『天使』てヤツだ。物語か何かで聞いたことないか?
白い翼の生えた、天からの使い。それが天使だ」




インデックス「て、て、て、天使!?」


上条「ん?知ってんのか?インデックス」

インデックス「知ってるも何も!!私は教会の人間なんだよ!?
天使ってのは、この世界を創りだした主神ジュベレウスの使いで、人智を超えた凄い力を持った聖なる存在のことなんだよ!!
実在するとは思わなかったかも!!」




浜面「へぇー、天使様か。見た目は案外普通の人間なんだな。
ただ一部分を覗いて……」ゴクリ……



風斬 「へ?……キャアッ!!!」バッ!!




滝壷「はまづら……どこを凝視して言ったの?」ゴゴゴゴ……



麦野「絹旗、やれ」クイッ!!



絹旗「デリカシーって言葉を超学んでこい馬鹿面ァァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!!



浜面「だ、だってそれが男の性ブハァァァァァアアアッ!!!!」ドゴォォォォォォオオッ!!!

御坂「アンタも開口一番に何か言ってなかった?」バチバチバチッ!!!



上条「へ?い、いや、上条さんは何にも言ってませんよ?
決してあの凶悪なモノについては見てただけで一言も……」ダラダラッ……




御坂「インデックス、GO!!!」



インデックス「女の敵を成敗なんだよォォォォオオッ!!!」ブンッ!!!




上条「わ、我が人生一片の悔いグハァァァァァァァアアアッ!!!!」ドゴォォォォォォオオッ!!!

麦野「また一人……女の敵が滅びたわね……」



佐天「……やっぱりコレは必要なんですかねぇ?」ムニムニ




御坂「佐天さん喧嘩売ってる?」ピクッ



絹旗「佐天さん、今この世の全ての持たざるものに喧嘩売りましたよね?」ピクピクッ



フレンダ「私は脚線美が売りだから問題ないってわけよ!!!」ガタガタ



滝壷「声が震えてるよ?フレンダ」



風斬 「ゴメンナサイ!!!大きくてゴメンナサイ!!!生きててゴメンナサイ!!!」ペコ!!ペコ!!ペコ!!



垣根「落ち着け氷華。動揺して喧嘩売ってるように聞こえるぞ?」



心理定規「…………いいなぁ……アレ」ボソッ

浜面「それで……その風斬ちゃんが天使だってことはわかった。
だけど、何でその天使が垣根と一緒にいるんだ?」



垣根「コイツは、俺が勇者として旅に出始めたころに出会ってな。
魔物がうろつく道端で、自分の名前以外何もわからない状態だったところを、俺が拾ったんだ。
確か12歳ぐらいの時だったっけなぁ」



風斬「あ、あの時の私は、気がついたらそこにいて、そこがどこなのか、自分はどこから来たのかわからない状態だったんです。
そこを垣根さんに助けてもらったんですよ」

垣根「まぁ、そこからはコイツが旅についてきてな。
色々あって、ある日コイツが天使だってことがわかった。

初めは驚いたが、結局氷華は氷華だ、って結論になったんだ。
そんで、俺が現状での魔王討伐を諦めて、この都市に来た時、コイツの力を少し借りて、あのバリア発生装置を作ったってわけだ」



風斬「わ、私の天使としての力で、魔物を寄せ付けないバリアのようなものが作れるので、それを大きなクリスタルに込めてあそこに設置してるんです。

アレさえあれば、この都市に魔物が直接乗り込んで来ることはまずないですよ」

垣根「最悪侵入されても、この塔が壊されることはないと思うがな。
この塔は、俺の能力でただの鉄骨を何十倍にも強化してある。
更に、氷華の力が攻撃に働けば、大概の魔物は氷華にやられるだろうよ」




麦野「更に防御策があったのね……どれだけ厳重に守られてるのよこのお姫様は」



絹旗「お姫様といっても、話を聞く限り、この人がこの塔の最終防衛ラインみたいですけどね。
超パワフルで助けがいのないお姫様です。」



風斬「お、お姫様だなんて……そんなの私には勿体無いです……」オドオド

佐天「ていうか、風斬さんが居れば、私達要らなくないですか?」



垣根「普段なら問題ねぇが、今回はSSランクが外から攻めてくるんだ。
俺が出るとなると、氷華の力をこっちに使わなきゃならねぇ。
その分この塔が手薄になるから、お前等の護りは、こういう非常事態には必要なんだよ」



浜面「なるほどな。確かに、力が垣根に集中している最中に、こっちを攻められたらやられちまうかもしれないもんな」



麦野「これで明確な目標が出来たわね。
垣根がエグドラシルを倒すまで、この塔を護り抜く。
できなきゃ、この街に住む何百万もの人間が、更には日本全土が魔物に食い荒らされるってわけね」

絹旗「おっしゃーーーー!!!!!超やる気出てきました!!!」



フレンダ「今のウチに、工業都市に来て、爆発的にレベルアップした私のトラップ技術を、この塔周辺に仕掛けておく?」ゴソゴソ



佐天「やるのはいいけど、味方が引っかからないようにしてくださいね?」



インデックス「後で、ステイル、かおり、シェリー達にも伝えておくんだよ!!」



御坂「燃えてきたわね……来るなら来いってのよ!!!」




上条「……垣根。一つ聞いていいか?」


垣根「あ?何だ?上条。勇者のイロハでも教えてほしいのか?
ならしょうがねぇ、俺が勇者とはなんたるかを一から」

上条「それはいいんだが……どうして、この都市はここまで技術があるんだ?
それも、古代の技術を殆ど復活させてるみたいだし」



垣根「簡単な話だ。魔物はほぼ100%、この都市には入ってこられない。
そんな話を聞けば、大勢の人間がこの都市を目指して来るだろ?
そして、人間が集まれば知識や技術も集まる。
こうして、俺がこの都市に来て5年程で、この都市は急激に成長していったのさ。
なんせ、都市の人間何百万の人間が、結託して作り上げたんだからな。
言わば、この都市全体が『スクール』という巨大組織と言える」

上条「なるほど……凄ぇな、お前。
お前がこの都市に来たお陰で、人類の安息の地がほぼ完成しちまってるんだな」



垣根「ハッ、凄ぇのは俺じゃねぇだろ。アイツだよ、アイツ」クイッ





風斬「あ、や、絹旗さんやめて……」



絹旗「おぉ……この弾力、この重量感……超羨ましいです」モミモミ



御坂「一体何を食べればそんなに成長するのかしら?風斬さん、好きな食べ物は?」


風斬「す、好きな食べ物は特に無いけど……しいて言えば毎日牛乳を飲んでいるかな」



麦野「あ、私もよく飲んでるわね。牛乳なら」


佐天「私も飲みますねぇ。身体も強くなりますし」


滝壷「私も、ご飯の時は牛乳派だね」

御坂「なるほど、牛か!!インデックス!!
そこら辺から、乳牛を何頭か掻っ攫ってくるのよ!!
アンタ前にも牛捕まえてたでしょ!?(1章ラスト)今回は食べちゃダメよ!!」



インデックス「イエッサーッ!!なんだよー!!」ダッ、ダッ、ダッ



ガシッ!!


浜面「行かせるか!!また指名手配書に名を連ねるつもりか!?」



インデックス「離すんだよ!!私は全ての乙女の願いを、一身に背負ってるんだよ!!」ジタバタ



絹旗「邪魔しないでください浜面!!私達の将来が超かかってるんですよ!?」



御坂「私達持たざるモノの前に立ち塞がるなら、なぎ払うのみよ!!」バチバチバチッ!!


風斬「さ、さすがに生の牛乳を飲むと、お腹壊しちゃうんじゃないかな……?」アハハ……

垣根「あのトロいくせに馬鹿デカい力を持った女のお陰だ。
俺はアイツを守るお供でしかねぇよ。
この都市の人間を守る為にも、命懸けで守り抜くがな、アイツだけは……。それが俺の役割だ」




上条「そうか……死ぬんじゃねぇぞ?お前が死ねば色んな人間が悲しむことになる」



垣根「お互いにな。キツさで言えば、お前の方が断然上だろ?
古の魔王、『竜王』の魂を宿した勇者、上条当麻よ」



上条「……浜面達に聞いたのか?」



垣根「いんや、こっちの情報網だ。お前が人類の鍵なんだってな。
精々竜王に飲まれないように気をつけるこった。
まぁ、その時は心配するな。俺が殺してやるさ」



上条「あぁ、肝に命じておくよ……」

垣根「まぁ、重要拠点はこんなとこだ。当日の配置も、この塔を中心にして行う。
といっても、ここに心理定規を置いておくから、他の奴らは、魔物が侵入してきた時の遊撃隊だがな」



心理定規「まぁ、ここは私一人で問題ないでしょ。
今のところ、当日の参加OK確定の子が200ぐらいいるから、大分守りは厚いわよ?
足りなさそうなら魔力使って補充するし」



浜面「あんなレベルのが200もいるのか……勝てる気がしないな」

垣根「まぁ、あの時のは、コイツの中でも精鋭だからな。
さすがのコイツでも、SSランクは3体、Sランクは10体前後しか持ってないみたいだ」



麦野「十分でしょ……何でSSランクの魔物を持ってるのよこの子……」



心理定規「昔頑張ったからよ。途中からは垣根と一緒だったしね。
氷華さんの次に付き合いが長いのよ、彼とは」



浜面「チッ!!イケメンはやっぱ自然と周りに女の子が集まるのか。
上条といい、羨ましいなオイ」



麦野「アンタが言うんじゃないわよ」ブンッ!!



浜面「グハァァァァァァァアアアッ!!!」ドゴォォォォォォオオ




垣根「さ、そんじゃあそろそろ戻るか。後は当日まで、自由に過ごしてくれ。
全員、携帯電話は持ってるな?この都市内でしか使えないが、この都市内の通信手段としてはベストだ。
各自、これで連携を取ってくれ。んじゃ、解散」

第7地区 とある安宿




ウィィィィィィィィィィィンッ!!!




一方通行「…………よーし、出来た」



打ち止め「な、何なのそのドロドロした液体は?って、ミサカはミサカはドン引きしながら聞いてみる……」



一方通行「これはなァ……この都市で売られているあらゆる栄養剤と、プロテインとかいう筋肉を作る助けをする粉末を、コーヒーと共に混ぜ合わせたものだァ……」



白井「……で、どうするんですの?その得体の知れないドロドロしたものは」

一方通行「何って飲むに決まってンだろォが。
筋トレの後にコレを飲むことで、みるみる内にムキムキになれンだよ」ガシッ!!



グビ、グビ、グビッ!!




打ち止め「……………アレは飲んでも大丈夫なモノなのかな?ってミサカはミサカは心配してみる」



白井「どうみても、身体にいいものには見えないんですわよね……」




グビ、グビ、グビ……




一方通行「……プハァッ!!!!!」ダン!!




打ち止め「の、飲みきった!!!男らしいけど、身体は大丈夫?
ってミサカはミサカは不安になってみる!!」オロオロ

一方通行「アァ……?ンなモン大丈夫……二……ガハァッ!!」プルプルッ……



打ち止め「ヒッ!!あ、貴方、大丈夫!?って、ミサカはミサカは本気で心配してみたり!!!」オロオロ




白井「ふ、震えてますの!?ホントに大丈夫ですの!?」オロオロ







一方通行「ア、アァ…………ォ、ォオ……オクレ兄さァァンっ!!!!!!」ガバァッ!!!






打ち止め「ウヒャァッ!?」ビクッ!!


白井「ヒィッ!?」ビクッ!!

一方通行「…………ト、とし子ォオ……」グラァッ……





ドサァッ!!




白井「ヒィィィィィイイッ!!!や、ヤバイですの!!
明らかに変なクスリをやってる人みたいになってますのォォォォオオオオッ!!!」ガタガタガタッ!!



打ち止め「とし子って誰なのォォォォォオオオッ!!!
ってミサカはミサカは貴方の浮気を疑ってみる!!!!」ユサユサ



一方通行「」ピクピク……


白井「そんなこと言ってる場合じゃありませんのお嬢様!!!
早く!!早く病院へ!!テレポートで直行ですのォォォォオオオオッ!!!」



シュンッ!!!

一旦休憩です。



一方通行さんリタイアです。
クスリはダメ、絶対!!




ところどころ出てきた単語がわからなかった方は、セクシーコマンドを見れば幸せになれます。


それでは、22時くらいにまた投下します。

おまいら一方さんdisんな
三回できればいいほうだ
あのかたは

乙乙
>>70
前増やすって言ったからせめて4〜5回かな・・・

一方さん今からってとこでリタイアすかww



すなおにコーヒー風味のプロテインにすれば

間違えてダイエット用飲むのは
お約束で

まあ一方さんいたら熱い戦いになんかならんからな

まぁこれでリタイアってことはやっぱ芸人の心忘れてねえわ一方さん

そろそろ再開します。


一方さんの筋トレ談議に花が咲いてるみたいで何よりです。


>>70
>>71
一方さんの限界は20回です。


>>72
>>74
>>75
ごめんなさい、一方さん普通に復活します。まさかそこに食いつくとは思わなかったw

>>73
更にモヤシ化するんですね。


ちなみに、ベヨネッタ系も後々入ります。後々ですが。



それでは投下します。つかの間の平和をどーぞ。

エグドラシル到着予定まで残り24時間




『スクール』のアジト 浜面の個室



07:00


浜面「ファァァアッ……んー……よく寝た……ん?」ムニムニ


麦野「スヤスヤ」ムニムニ





浜面「あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!」

「おれは昨日の夜、エグドラシル戦前にパーっとやろうってことで、皆とアジトの広い部屋で馬鹿騒ぎし、終えたあと
部屋に帰り、自分のベッドで寝ていたと思ったら
いつのまにか麦野が俺の横で下着姿で添い寝していた!!」

「な…何を言っているのか、わからねーと思うが、俺も何が起こっているのかわからなかった。
頭がどうにかなりそうだった…あの手の感触は夢だとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねぇ!!
もっと恐ろしい、とても柔らかい感触を味わったぜ」




浜面「ん?ちょっと待て……この展開、前にも無かったか?まさか…………」


麦野「大丈夫よ……今度は罠なんかじゃないから」

浜面「お、起きてたのか麦野……」ダラダラ



麦野「そりゃあ、あれだけ胸を揉まれりゃあ、嫌でも起きちゃうわよねぇ?」



浜面「ば、馬鹿な……起きた瞬間の感触しか覚えてねぇ……俺はとんでもない記憶を失ってしまったのか……」




麦野「別に揉みたきゃ好きなだけ揉んでもいいのよ?
その代わり、最後までしてもらって責任もとってもらうけどね……」フフフッ……



浜面「せ、責任って……」ダラダラ



麦野「冗談よ、馬鹿」ギュッ!!



浜面「む、麦野さん!?何で俺に抱きついて……」



麦野「いいからじっとしてなさい仕上。しばらくこうしてるだけでいいから……」ギュッ!!


浜面「…………わかったよ、好きに抱き枕として使ってくれ」

08:00



麦野「あー、いい気分だった。いい朝の目覚めだわ」



浜面「俺としては、無駄にモヤモヤした目覚めだったけどな……」



麦野「あれー?もしかして欲情しちゃったのかにゃー?
土下座して頼み込めば、ココに突っ込ませてあげてもいいわよ?」ニヤニヤ



浜面「…………もうこれ以上、俺の理性のライフを削りとるのは勘弁してください……」グスンッ……



麦野「しょうがないわねぇ……ま、冗談はさておき、仕上。今日アンタヒマ?」

浜面「まぁ、ヒマっちゃヒマだな。
予定じゃ明日エグドラシルが到着するかもしれないから、今日までは身体休めとかないとな」




麦野「そう。なら私に付き合いなさい。少しこの工業都市を見て回りたいのよ」



浜面「ん?お前等は俺らより大分早く着いたんだから、結構見て回ったハズじゃあ」



ゴチン!!!



麦野「つべこべ言わずに、さっさと来るか来ないかはっきりさせな!!」



浜面「は、ハイ……付いて行かせて頂きます……」ジンジン……

10:15





工業都市 第7地区 大型洋服店セブンスミスト前



浜面「…………おっせぇなぁ、麦野のヤツ。10:00にこの店の前に集合って言ってたクセによぉ……。
一秒でも遅れたら浜/面とか言ったヤツが遅れてどーすんだよ」



イライラしながら待つ浜面の格好は、工業都市に馴染むようにジャージにジーパンと、かなり簡素なものであった。(原作アニメ通り)



麦野「お待たせ。悪いわね、少し待たせたみたい」


浜面「遅せーよ、大分待ったぞ麦……野?」

麦野「だから謝ってるでしょ?女はこういう時は時間がかかんのよ」



麦野の格好は、薄紫のワンピースで、工業都市風のメイクをし、周りの女性と比べてもトップクラスの美しさを放っていた。(漫画超電磁砲)
何より、胸の部分は特に強調されてないにも関わらず、服の上からでもその大きさがわかり、スタイルの良さが目に見えた。



浜面「ず、随分と綺麗に着飾ってきたもんだな……何か悪いな、俺の格好こんなんで」



麦野「あら、一丁前に褒めてくれたわけ?
別にいいわよ、アンタの格好なんて。誰も見向きしないくらいが丁度いいわ。
私が周りにジロジロ見られようと、アンタを見てるのは私だけでいいの」



浜面「……すんげぇどストレートだな」

麦野は基本、何事にも一直線に進んでいく。
戦闘だろうが、日常だろうが。



浜面の師匠という、枷が外れた今、浜面に向かって一直線にぶつかっていくのも、当然のことなのだろう。




麦野「ほら、行くわよ仕上。今のウチに服とか買い漁っておかなくっちゃ」グイグイ



浜面「おわっと!!ひ、引っ張んなよ麦野」



麦野は浜面の腕を引きずるように、セブンスミストの中に入って行った。

10:30


セブンスミスト内



絹旗「ジャーン!!!どうですか!?この服!!
この緻密な計算によって生み出されたシークレットゾーンが、超セクシーでしょう?」



試着室から出てきた絹旗は、ふわふわしたニットのワンピースを着ていた。

ただし、裾が異様に短い。
しかし、見えそうで見えない。

まさに、男の心をおもちゃにする格好である。


ただし、本人があまりに幼く見えるため……というかぶっちゃけ子供なので、ごく一部の特殊な男にしか効果はないだろう。




絹旗「誰が子供ですか誰が!!!」




お前だ!!

フレンダ「滝壷、結局アンタそんな感じのでいいわけ?折角いろんな服があるのに」



滝壷「これ動きやすいよ?」



既に買った服を着ているフレンダ、滝壷。


フレンダは、黒のブレザーに赤いチェックのスカートに黒の帽子。
滝壷に至っては、ピンクのジャージ上下と、シンプルにも程があるチョイスであった。
(原作)




絹旗「さてと!!ここの服も超買い漁りましたし、そろそろ違うお店に行きましょうか!!」


滝壷「むっ!?」ピクッ


フレンダ「?どうした訳よ滝壷」

滝壷「このビルの中に、むぎのとはまづらがいる……二人一緒に」



絹旗「麦野?そういえば、朝から見てませんでしたよね?
まさか!?浜面とデートしてるんじゃないでしょうね!?」



フレンダ「は、浜面ァ……私の麦野と二人でイチャイチャするなんて、許せないってわけよ!!」クワッ!!



滝壷「二人とも……買い物はここで一旦終了……二人を尾行するよ?」ォォォォォォオオッ…………



「超「ラジャー!!」」ビシッ!!

>>77
俺が選らんどいてあれだけどランク低かったら嫌だわ
低かったら変更したいなー(チラッ

ーーーーーーーーー




日本沖合



エグドラシル到着予定まで残り21時間











ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!



エグドラシル『許さぬ!!!許さぬぞォォォォォォオオッ!!!あの小僧共めがァァァァァァアアアッ!!!!』



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!









<訂正>


エグドラシル到着予定まで残り4時間

途中ですが少し失礼。


>>88
低くはないです。

安価で選んだし、初モンスター戦ですので、結構派手で激戦を予定してます。
ガーゴイルの性能をフルに生かして。


だって、ダークソウルのガーゴイル好きですから!!!!!


それでは再開します。


11:00


セブンスミスト



麦野「あら、これなんていいと思わない?仕上」


浜面「あー、いいんじゃねーかー?」


麦野「あ、こっちもいいわね。仕上、どっちの方がいいと思う?」


浜面「あー、こっちもいいんじゃねーかー?」


麦野「ちょっとー、ちゃんと選んでよねー」プンプン






浜面「あのなぁ……さっきからどんだけ服とかアクセサリーとか買ってんだよお前は!!!!
全部俺が持ってるし!!そろそろ腕の力が限界なんだよ!!」プルプルプルッ……

麦野「いやー、今まであんましオシャレしなかったし、こないだの大会で大金稼いじゃったからね。
今のウチにとことん買い溜めておこうかなと思って」テヘペロ




浜面「限度があんだよ限度が!!主に俺の腕の力にな!!
とにかく、一回アジトの部屋に荷物置きに帰んぞ!!
あと、頼むからお前も少し持ってくれ!!落としたらお前は本気でキレそうだ!!」





帰宅


再度第7地区繁華街へ




麦野「あ、仕上。クレープ屋があるわよ?
この都市でしかあんなの食べられないわよ?」



浜面「へー、あんな食い物があるんだな。
じゃあ俺が出すから、麦野買って来てくれないか?席とっとくからよ」

麦野「あら、少しは女の子に対しての気遣いができるのね。意外だわ。
クレープは何にする?」



浜面「んー、何でもいいよ。あんまわからないからな」



麦野「何でも?」ニィィィィ……




浜面「やっぱ普通のにしてくれ。一番普通のヤツ」






絹旗「むぅ……予想外に普通のデートをしてますね。
てっきり浜面が色々やらかすんじゃないかと思ってましたが」



フレンダ「全く期待外れだって訳よ。普通に青春してるの見てても面白くないって訳よ」



滝壷「…………いいなぁ」

『スクール』アジト





垣根「オイオイどうなってんだよ……いつの間にこんな近くまで接近してんだ?」



垣根が日本周辺の地図を広げて、エグドラシルの位置を確認している。
最新の情報により、詳しい位置がわかったようだ。




心理定規「予想よりも遥かに速度を出して来てるわね。この位置からならあと4時間ほどか……」




垣根「多少前後するとは予想していたが、速すぎる!!
今から迎撃用意と都市の人間の避難を行ってギリギリだ!!」



心理定規「嘆いていても仕方ないわよ?一秒でも早く、上陸に備えなきゃ、余計な犠牲が出るわ」




垣根「あぁ……わかってるよ、クソ!!」

第7地区




浜面「おぉっ!!美味いなぁコレ!!ちょっと甘いけど、初めての食感と味だ」



麦野「フフフッ……喜んでもらえてよかった」ニコッ




絹旗「……あの浜面の隣にいる笑顔が超優しい女性は誰ですか?」



フレンダ「あんな麦野見たことないわけよ……。
おのれェェエッ!!!浜面ァァァァァァアアアッ!!!!」



滝壷「まさか、麦野の女子力がここまで高かったなんて……。
私の能力を持ってしても、測り間違えるとは……」



佐天「イヤ、女子力はさすがに測れないでしょう」ヒョコッ

フレンダ「オワァァァァァアアアッ!!!」ビクッ!!



絹旗「さ、佐天さん!!いつの間にいたんですか!?」



佐天「いや、ちょっと浜面さんに用があったんですがね
?さっきから話かけづらい雰囲気で」



滝壷「今デートの邪魔をしたら、間違いなくお仕置きだよね」





麦野「はー、なんか凄く充実してるわね、今」


浜面「そりゃあ何よりで。
まぁ、あれだけ好きなモノ買って、美味いモンを食ってんだから、充実してくれなきゃ困るぜ」

麦野「馬鹿ね、仕上。
自分の好きな男と、こうやって一緒に居れることが幸せなのよ。女にとってはね」



浜面「…………なぁ、麦野。何で俺なんか、好きになってくれたんだ?
お前くらいの女なら、殆どの男がほっとかないだろうに」



麦野「他の男なんざどうでもいいわ。私がこの10年間、ずっと見続けてきたのはアンタだけ。
格好いい姿も、情けない姿も全部見て来た。その結果が今の私の気持ちよ」

浜面「……それは光栄だな。ホントに。
だけど俺は……俺にとってお前は……」




麦野「わかってる。わかってるわよ、そんなこと。
アンタが私を女じゃなく、今も姉のように思ってくれてることは。
それは凄く幸せなこと……だけどね、私は強欲だからさ。
姉ってことだけじゃあ、満足できなくなっちゃったのよね」



浜面「麦野…………俺は……」



麦野「ゴメンね、悩ませちゃって。いきなりだったもんね。
でもさ、少しずつでもいいから、私の事を女として見てくれるようになってくれたらいいな……」




プルルルルルッ!!



プルルルルルッ!!

麦野「!?この音は……『スクール』の連中から?」


浜面「お前にもか?俺の携帯電話からも……」





絹旗「あー!!何か超凄い、いい雰囲気っぽかったのに、何でこんな時に鳴るんですか!!」



佐天「垣根さん、恨みますよ?ホントに」



フレンダ「空気読めってわけよ全く!!」



滝壷「むぎの……お互い、道は険しそうだね……」

第6地区 遊園地




インデックス「とうまー!!みことー!!次はあの乗り物に乗りたいんだよー!!」



御坂「何へばってんのよアンター。早く行くわよー」



上条「ちょ、ちょっと待て……さすがにそろそろ休憩させてくださいな……」ゼー、ゼー




プルルルルルッ!!



プルルルルルッ!!




インデックス「!?『スクール』からなんだよ!!あれ?どうやって電話に出ればいいのかな?」




御坂「あ、私のにも。ほら、貸しなさい。ここのボタンを押して……」




上条「ハイもしもし、上条さんですが……へ?」

第7地区 冒険者の酒場 Julian





店員「お待たせ致しました。お子様ランチとブラックです」ニコニコ




打ち止め「キタキター!!いただきまーす!!
ってミサカはミサカは手を合わせてみる!!
ってお子様ランチ!?ミサカはもう10歳だよ!?ってミサカはミサカは憤慨してみる!!」



白井「ちょっとお待ちを!!何故、私までお子様ランチですの!?
私これでも13歳の立派なレディですの!!」

一方通行「0歳も10歳も13歳も似たようなもンだろォが!!いいから黙って食いやがれ!!」




打ち止め「おぉ!!お子様ランチとは思えない出来栄えに、ミサカはミサカは大満足!!」モグモグ



白井「納得いきませんの……屈辱ですの……あ、美味しい」モグモグ






一方通行「結局普通に食ってンじゃねぇかクソガキ共が……」ズズッ……



白井「昨日、あれだけの騒ぎを起こして病院送りになったクセによくそんな口が訊けますの!!」ダンッ!!

一方通行「だからこうやって、詫びとして、店にメシ食いに来させてやってンだろォが!!!」



打ち止め「それより貴方!!昨日言ってたとし子って一体どこの女狐よ!?
ってミサカはミサカは浮気の疑いを問い詰めてみる!!!」ダンッ!!




一方通行「アァ?誰だそのとし子ってのはァ……ン?」ズズッ……




打ち止め「しらばっくれないで!!ってミサカはミサカは昼ドラ風に追い打ちをかけて……へ?」チラッ










TV『番組の途中ですが、緊急放送をお伝えします。
たった今、工業都市全域に、緊急避難警報が発令されました。
都市民の方々は、ただちに指定の避難シェルターへと避難を開始……」






白井「避難警報って……一体何事ですの?」



一方通行「……とうとう来やがったか。予想より、やけに早ェじゃねェか」ズズッ……

浜面「……エグドラシルがあと4時間後には工業都市に到着?
ちょっと待て!!早すぎんだろ!?予定じゃ明日じゃねぇのかよ!?」




垣根『んなこと言ったって来ちまったもんはしょうがねぇだろ!!
とりあえず、昨日言った通り、お前らはバリア塔まで向かってくれ!!
そっからの指示は心理定規が出す!!
急げよ?これはマジで緊急事態だぜ?」ガチャッ!!



浜面「オイッ!!ちょっと待て!!……クソ!!マジかよ!!」

麦野「どうやら、来たみたいね……」



佐天「浜面さん!!麦野さん!!今『スクール』の人から電話があって、エグドラシルが!!」



浜面「涙子ちゃん?それに皆も……こんなとこで何してんだ?」



絹旗「そんな些細な疑問は超後回しですよ!!
早く、昨日のバリア塔のところまで行かないと!!」



フレンダ「話が急すぎるってわけよ!!せっかく今日一日は、工業都市を満喫しようと思ってたのに!!」




滝壷「とにかく、皆でバリア塔まで急ごう。
万が一かざきりがやられちゃったら、取り返しがつかなくなる」




浜面「そうだな……確か、非常時はモノレールがあそこまで繋がってるんだよな?急ぐか……!?」バッ!!

佐天「どうしたんですか浜面さん!?早く駅に向かいましょう!!」



浜面「悪い……お前ら先に向かっててくれ。俺も後から必ず行くから……」



絹旗「はぁ?超緊急事態なんですよ!?そんなこと言ってる場合じゃ」



麦野「いいから行くわよ、絹旗。後で来るっつってんだから」グイッ!!




絹旗「ちょ、麦野!!そんなこといっても」



麦野「いいから行くわよ!!仕上!!ちゃんと来なさいよアンタ!!」グイッ!!!



タッ、タッ、タッ、タッ…………

浜面「さて…………何でお前がこんなトコにいるんだ?絶対等速……」











ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオ






絶対等速「…………」





ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオ

人々が、近くにある地下避難シェルターへと足を進める中、浜面と、その目の先にいる、絶対等速だけが足を止めて、互いに見つめ合っていた。




浜面「俺とやりあったあの後、お前捕まったハズだよなぁ?
次の日のTVに出てたぜ?凶悪な盗賊が捕まったってなぁ……」




絶対等速「……ちょっとした事情でな。大人しく、牢の中にいるわけにはいかなくなったんだ」




浜面「ちょっとした事情で、ホイホイ牢の中から出られたら、世の中凶悪犯だらけじゃねぇかよ。
…………大体、この混乱の中、どうもタイミングが良すぎねぇか?
お前まさか、このエグドラシルの強襲と何か繋がりが……」

絶対等速「さぁな」ブンッ!!




浜面「ッ!?テメェ!!」




絶対等速の手から、数個のビー玉サイズの小さな鉄球が投げつけられる。
傍目から見れば、なんてことのない、ただ鉄球が投げつけられただけに見えるが、浜面にはそう見えない。


浜面の目に見えるのは、破壊されない限り決して止まることのない、凄まじい威力を秘めた鉄球が、こちらへ向かってくる様子だ。




ダンッ!!



浜面が、全力で横に飛び、避ける。
鉄球が向かう先には、先ほど浜面と麦野が食べた、クレープ店のケータリングカーが。

ドゴォォォォォォォオオオッ!!




ケータリングカーは、何かとてつもない大きく重いものに追突されたように吹き飛ぶ。
しかし、ケータリングカーに当たったのは、紛れもなく、ただの小さな鉄球。
そして、ケータリングカーに追突した鉄球はなお、速度を緩めることなく、直進し続けている。



あまりの衝撃的な光景に、周りにいた人々は叫び、逃げ惑う。



浜面「……何か前より威力上がってねぇか?
お前まさか……アレイスター側についたのか!?だから牢から出て……」




絶対等速「…………だったらどうすんだよ?」

浜面「…………だったらもう容赦しねぇ。
麦野の言うとおりだ、俺が甘かったよ。
お前なら、人生をやり直せると思ったが、どうやらそれは間違いだったみたいだ」




絶対等速「ハッ!!そりゃあ期待外れで申し訳ないな……。
大体、俺は言ったハズだぜ!?俺は変わらない!!これからも奪い、壊し、殺すってなぁ!!」



浜面「そうだな……ホントその通りだよ。だから、俺がここでお前を止める!!
テメェの不始末は、テメェで片付けてやるよ!!」


カッ!!


ブワァァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!!!



浜面から、光と煙が溢れ出す。







絶対等速「…………悪いがお前じゃ役不足だよ、浜面仕上」

12:05



バリア装置『ヒューズ・カザキリ』に通じるモノレール内




ガタンゴトン


ガタンゴトン




麦野「…………」



絹旗「麦野、さっきから一言も喋らないですね」ヒソヒソ



フレンダ「大方、デートの邪魔をされて、怒ってるんじゃない?」ヒソヒソ



滝壷「むぎのは心配してるんだよ。置いて来たはまづらのことを。
はまづらは今、強力な魔力を持つ人間と闘っているから」

絹旗「はぁ!?何で今になって、浜面が人間と闘ってるんですか!?
もう大会は超終わったんですよ!?」



滝壷「それはわからない。でも、むぎのは気づいていたみたいだよ?
はまづらが、今からあの場所で誰かと闘うってことを」



フレンダ「だったら尚更、何で浜面を置いてきたわけよ!!
結局、皆で戦えば、早く終わるってわけよ!!」



滝壷「だってはまづらが後で必ず追いつくって言ったでしょ?
だから、むぎのや私達は、はまづらを信じて待ってるしかないんだよ」




絹旗「信じて待つって……麦野はよく耐えられますね。
下手したら、自分の超大切な人がやられちゃうかもしれませんのに……」



フレンダ「結局、一番あの場に残りたかったのは麦野だったわけよ……」



麦野「…………」ギュッ……

浜面「ハァッ、ハァッ……」ブォン、ブォォン!!



絶対等速「どうした浜面ァ……そんなんで、俺を止められると思っているのか?」



ケルベロスのバイクに乗った浜面は、息も絶え絶えになって、絶対等速と対峙している。


疲弊する浜面と対照的に、絶対等速は余裕の表情を浮かべていた。





絶対等速は、明らかに強くなっている。

前回、サバイバルで戦った時でも、確かに強かったが、それは殺してはダメだという制限があったからだ。



実際、あの時点で、浜面が本気で殺り合ったならば、絶対等速はやられている。



しかし、今回の戦いでは、立場が完全に逆転している。
絶対等速は遊んでいるのだ。

浜面「クソ……何なんだよ……一体お前は何がしたいんだよ!!絶対等速!!」




絶対等速「何がしたいかって?答えは単純明快だ。
…………人並みの幸せが欲しいだけさ!!」ブンッ!!



浜面「なっ!?」




絶対等速は、円形のノコギリのような刃を持つ、俗に言う丸ノコを取り出し、フリスビーのように、同時に5枚ほど投げつけてきた。



ビー玉サイズの小さな鉄球でさえ、あのとんでもない威力である。
それをあの丸ノコに当てはめたら…………

高速で向かってくる丸ノコを見ながら、浜面は考える。


これは、カスッただけでも持っていかれる。

浜面「ウォォォォォォォォォオオオオッ!!!!」ブォン!!!!



ズザザザザザザッ!!!



浜面は、バイクを地面スレスレまで寝かせながら、前へと進む。


その頭上を、丸ノコが通り過ぎて行く。





浜面が背後のビルをふと見ると、パックリと、横一直線に3mほどの穴が空いていた。



それが5箇所ほど。



つまり




グラァァァァァァァァァァアアアアッ!!!!




背後にあった、高さ40mほどの大きなビルが、音を立てて崩れてくるのである。

浜面「ッ!?…………こんのクソ野郎がァァァアアアッ!!!」グンッ!!



ブォォォォォォオオオッ!!!


ゆっくりと崩れてくるビルを背景に背負い、バイクを起こし、浜面は絶対等速の元へと進む。



ケルベロスバイクのホルスターから、あらかじめセットしておいた双剣。
そして、サブマシンガンとショットガンを取り出し、バイクを消した浜面は、その勢いのまま、絶対等速に斬りかかる。




ガキィィィィィィィイイイッ!!!!



しかし、絶対等速に剣は通らない。
能力によってその場に固定された、工業用ダイヤモンドの粒が、絶対等速の周りを護る鎧のように漂っている。


本物より硬度が低いとはいえ、ダイヤモンドの粒だ。
壊す手段など、そう多いものではない。

ドォォォォォォォォォォォォォォオオオンッ!!!!




浜面の背後で、ビルが完全に倒壊した。
避難警報により、人が周囲にいないとはいえ、浜面の怒りは収まらない。




浜面「テメェ、人並みの幸せが欲しいだけと言ったなぁ?
こんなことをして……こんなことをしてホントに幸せなんざ手に入ると思ってんのかテメェは!!!」




絶対等速「手に入れてみせるさ……。
お前は俺に言ったな?絶望の過去よりも、希望の未来を見ろと。
俺にも希望が見えたんだよ……その為なら……」



絶対等速は、ググッと腰を落とし、足に力を溜めている。

絶対等速「その為なら!!!俺は何だってやるさ!!
例えこの都市の人間の全てと引き換えにしても!!
この国の人間の全てと引き換えにしてもなぁ!!!!」ブンッ!!






絶対等速の手から、何やら小型の爆弾のようなものが投げられる。



浜面「ッ!?……クソッ!!」バッ!!



浜面が咄嗟に離れた瞬間、爆弾から、強烈な光が溢れ出す。


閃光手榴弾である。

ダンッ!!!




足場を思いっきり踏み抜いた音が鳴り響いた瞬間、絶対等速の姿が消える。



光が弱まり、浜面が辺りを見渡せるころには、既に絶対等速の姿はなかった。



浜面「……逃げたのか?いや、あの時点では、アイツが完全に有利だったハズだ。
じゃあ何で……」



プシュゥゥゥゥゥゥウウウッ…………



突如、どこからか高い位置から機械音が鳴り響いた。




浜面が顔を上げ、頭上を見渡すと、一台のモノレールがゆっくりと動き出していた。
そして、その先頭にある運転席には、絶対等速の姿が。

浜面「何でアイツがモノレールなんかに……。
アレって非常時にはコロシアムやバリア塔の方面にしかいかないんだよな?
わざわざ、守りの堅いところに行くなんて……」




浜面は一瞬、思考が停止した。



今俺は何ていった?



あのモノレールはどこへ向かうと言った?



なぜあのモノレールの先は守りが堅いのだ?


そんなの決まってる。




浜面の顔面が真っ青になる。




浜面「アイツの目的は……『ヒューズ・カザキリ』の破壊か!!!」



等速さん 違った意味でふっきれてるねぇ

このSSのお笑い担当って
一方さんとねーちんじゃね?

1です。すいません、寝てました……


調べてみたら、意味的には役者不足のが正しいみたいですね。
やっぱり日本語は難しいです。
てなわけで、脳内変換お願いします。


途中断念のお詫びに、今日でガーゴイル戦まで行きたいですねぇ。



ちなみに、2章後半に出る確定のモンスターを数えてみたら、16種いました。
楽しみにしててください。


では、また夜に。

16体よりどりみどり
浜面無双かとおもたら

クリスタルあるからみんなのもあるのね
でも絹旗にはワンちゃんNTRを密かに
期待してるぜ

こんばんわ、1です。


今日ものんびり投下します。



>>129
強すぎる人は使いづらいんですよねぇ。どっかでセーブさせないと。

>>132
その願い、叶えてしんぜよう。
ていうか、そこまで重要じゃないから言いますけど、絹旗×ケルベロスあります。

12:30




第7地区

コロシアム、バリア塔『ヒューズ・カザキリ』周辺




心理定規「あ、来た来た。待ってたわよ、貴女たち」



麦野「待たせたわね……あれ?他のスクールのメンバーは?」キョロキョロ



心理定規「皆、定位置についているわ。
垣根は、既に都市の外。結標は緊急時の人員の輸送。半蔵や駒場は自由に遊撃。

他のメンバーは要所要所に配置して、都市全体に、抜けのない守備を展開してるのよ」

佐天「だ、大丈夫なんですか?ここの守備は?心理定規さん一人じゃ」


心理定規「あぁ、私のことなら心配ないわよ。
予定より、早く攻めてきたから、私の魔物達の予定がちょっと崩れちゃったけど、そこそこのメンバーは準備できてるから」



絹旗「だったら超安心ですけどね……心理定規さんの魔物は反則級の強さですから」


心理定規「それよりも、貴女たちの大事な騎士様は来てないの?姿が見えないけど」

フレンダ「アレが騎士様に見えるのなら、素直にメガネをオススメするわけよ」



滝壷「はまづらは……もう少しで来るみたい。
今、モノレールで、こっちに向かってるのを感じるから。

だけど……はまづらが闘っていた相手もこっちに向かってる。
向こうも別のモノレールに乗ってるみたいだね。

このままだと、はまづらよりも先に向こうが着くよ?」



麦野「何やってんのよアイツは……折角の移動手段を利用されちゃってるじゃないの」



心理定規「何?どういうこと?」

麦野「もしかしたら、アレイスター側かもしれない人間がこの都市にいるのよ……。
ウチの仕上が相手してたみたいなんだけど、どうやらこっちに向かってるみたい」



心理定規「成る程……魔人でもない、人間が単身で攻めてくるのは信じ難いけど、魔人はこの都市にはバリアで入れないから正真正銘、人間なのでしょうね……。
こっちに向かってるってことは、狙いはこの塔ね」



絹旗「さっそく狙ってきましたね……。
こっちは6人もいるんです!!超返り討ちにしてやりますよ!!」

フレンダ「でも、こっちの守りが堅いのは、向こうも承知のハズなわけよ……。
一体どうするつもりなわけ?」


麦野「何か策があるんでしょうよ……ま、どんな策を仕掛けてきても、関係ないんだけどね。
全部破らなきゃいけないんだから」


佐天「とにかく、どんな手を使ってこようが、私たちが止めなきゃならないんです!!
頑張りましょうね!!皆さん!!」



プルルルルッ……


プルルルルッ……

麦野「あ、私の電話。……もしもし?」





『麦野!!!お前等今どこにいる!?』






麦野「仕上!?今どこって……『ヒューズ・カザキリ』の真下らへんだけど?」








『頼む!!!アイツから塔を守ってくれ!!!俺じゃ間に合わねぇ!!! 』





プツン!!



麦野「ハァ?ちょっと……切れた……」




絹旗「どうしたんですか?麦野……」





ふと、遠くの空を見ていた絹旗は絶句した。








モノレールが二台。

線路も何も無い宙を走りながら、こちらに猛スピードで突っ込んでくるのが見えたからだ。

12:25



モノレール



絶対等速「あそこに見えるのが『ヒューズ・カザキリ』か……。
コロシアムに行った時も思ったが、ここから見てもデケェな」



線路上を走るモノレールの上で、絶対等速は立っている。
アレイスターから命じられた、家族の蘇生の条件。



それは、バリア発生装置『ヒューズ・カザキリ』を、一秒でもよいから複数回、停止させること。



破壊じゃダメなのかと聞くと、君では役者不足だと言われたので、恐らく非常に頑丈なモノなのだろう。



まぁ、あれを一秒でも停止させれば、たちまちこの都市は地獄と化すだろうが。

絶対等速「何千何万と死ぬんだろうな……人が……。
まぁ、俺には関係ない。いずれ来る人類全滅の時期が多少早まっただけだ」





ふと、絶対等速が後ろを見ると、全速力でモノレールがこちらに向かってきている。



絶対等速「来たか、浜面……やっぱそう簡単に諦めるわけねぇよなぁ?勇者様よ」



浜面「絶対等速ォォォォオオオオッ!!!!」



後続のモノレールの一番後ろの車両の上には、ケルベロスのバイクに乗った浜面がいた。

ブォォンッ!!!


ブォォンッ!!!





浜面「ウォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!」ギュルンッ!!!



ブォォォォォォオオオッ!!!!!




先頭のモノレールと後続のモノレールの距離が、残り20mほどになった時、浜面がケルベロスバイクのアクセルをフルスロットルまで握り込む。



バイクは、モノレールの上を猛スピードで走っていく。




浜面「ォォォォォォォォオオオオラァァアッ!!!!!」ウォォオオンッ!!



次の瞬間、先頭と後続のモノレールの間を、浜面がバイクで飛び越えた。

絶対等速「オイオイ……どこのアクションスターだよテメェはよぉ……」



ダンッ!!


ギュルンッ!!



ブォォォォォォオオオッ!!!!!



先頭を走るモノレールに無事、着地した浜面は、そのままアクセルを再び握り込み、先頭車両にいる絶対等速へと向かう。




絶対等速「馬鹿が……こんな狭いところじゃ狙い打ちだぜ!?」ブンッ!!



絶対等速が、十数個の鉄球を、浜面に向かって投げる。
鉄球は、空気の抵抗や、物理の法則など関係なしに、ひたすら等速で直進を続ける。



浜面「俺の戦場は、このモノレールの上だけじゃねぇんだぜ!?」



カッ!!



ブワァァァァァァァアアアッ!!!

絶対等速「……チッ!!ソイツがあったか。無駄玉使っちまったじゃねぇか!!」



絶対等速の目には、空中を高速で飛び回るスラ坊のホバーバイクがあった。



浜面「お前をあの塔に絶対に行かせるわけにはいかねぇ!!!
悪いが、ここで退場してもらうぜ絶対等速ォォォォォォォォオオオオッ!!!」ギュルンッ!!




ギュォォォオオオオッ!!!!




スラ坊のバイクが、モノレールの速度より遥かに速いスピードで、線路の遥か先へと向かう。

浜面「この為に、魔力を温存してモノレールでここまで追いついてきたんだ!!

瞬発力ならコイツは誰にも負けねぇからなぁ!!!
『ヒューズ・カザキリ』の元に行きたいみてぇだが、脱線させりゃあ、先へは進めねぇだろぉがよぉ!!アイアンゴーレム!!!」



カッ!!



ドゴォォォォォォォォオオオオッ!!!





スラ坊のバイクから、一瞬でアイアンゴーレムの腕に魔具を変え、浜面は線路を一撃で破壊した。





カッ!!


ギュォォォオオオオッ!!!!



破壊され、崩れ落ちる線路から脱出するため、浜面は再びスラ坊バイクを現出させ、すぐさま脱出した。


崩壊した線路のすぐ近くまで、2台のモノレールが近づいている。








浜面「終わりだ、絶対等速」




ガコンッ!!!


モノレールが、とうとう崩れた線路から、宙へ飛び出した。








絶対等速「お前……俺の能力を忘れてねぇか?」








浜面「な……嘘だろ……」




浜面は愕然とする。


巨大なモノレールが2台、空中で完全に止まってるのだ。
あれだけの速度と質量のモノがピタリと。




絶対等速「言ってなかったっけかぁ?俺の能力には、対象の大きさは関係ねぇ。
質量のある物体、固体で有る限り、何だって止められんだよ。触ればな」




絶対等速は、この2台のモノレールに対して、能力を行使できる。



つまり…………

絶対等速「出発進行だ。お先になー、勇者様」








モノレールが宙を猛スピードで走りだした。



そして、その直線上には、バリア塔『ヒューズ・カザキリ』が。






12:30


浜面「ヤベェ……ヤベェぞこれは!!
俺の能力じゃあ、あのスピードでこの距離はもう追いつけねぇ!!」バッ!!



浜面は、ジャージのポケットから携帯電話を取り出す。
そして、一番信頼できる人間へと電話を掛ける。









『もしもし?』



浜面「麦野か!?お前等今何処にいる!?』



『仕上!?今どこって……『ヒューズ・カザキリ』の真下らへんだけど?』




浜面「頼む!!!ソイツから塔を守ってくれ!!!俺じゃ間に合わねぇ!! 」


プツンッ!!


浜面「クッ!!切れやがった!!頼む麦野!!皆!!」

動いてる物体を停止、停止した物体を初速度関係なく飛ばす、これってベクトル操作と変わんなくね?ってツッコミは野暮かもしれない

ちょっと休憩です。


23時くらいに戻ります。


>>151
この絶対等速さんの能力は、簡単に言えば、物体をビデオの一時停止、再生みたいにするみたいなもんです。

心理定規のおかげで垣根と削板の立場無くね?

お待たせしました。再開します。



>>155
削板は、ゲストキャラみたいなもんとして、垣根は強いですよ。マジで。


議論が白熱してるみたいですが、基本好きにしちゃってください。

多分、このスレでも2章終わらないので。

『ヒューズ・カザキリ』周辺




心理定規「ちょっと……何でモノレールが空中走って突っ込んで来てるのよ!!一体どんなヤツが相手なの!?」



佐天「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!!!もうすぐそこまで近づいてるんですよ!?
このままじゃあ、塔にモノレールが突っ込んできます!!」



絹旗「麦野!!何とかできませんか!?」



麦野「わかってるわよ!!仕上のヤツ、しくじったのね」キュィィィィィィィィンッ!!バシュウッ!!

ゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



麦野の原子崩しが、片方のモノレールに向かって放たれる。


ドゴォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



原子崩しは命中し、モノレールの半分ほどが破壊される。




麦野「何でよ……何であの状態でスピードも落ちず、方向も変わらないのよ!!」


しかし、モノレールは半分大破しようと決して止まらない。
止めるには、完全に消滅させねばならないのだ。

パサッ……



心理定規「私がもう片方を引き受ける!!
貴女達は、半壊しているモノレールを完全に破壊して頂戴!!!」ブゥゥゥンッ……



心理定規がドレスを脱ぎ、身体の表面に紋様が現れる。



心理定規「頼むわよ、『塔の騎士』……守るなら貴方がうってつけよね」


カッ!!



ブワァァァァァァァアアアッ!!!

心理定規が身体に浮かぶ紋様を触ると、巨大な盾と槍を持つ騎士、『塔の騎士』が現れる。




塔の騎士「…………」ググググッ!!!




塔の騎士は、手にした巨大な槍をゆっくりと構える。
槍には、塔の騎士の魔力が充填され、みるみるうちに魔力の光に包まれていく。




麦野「絹旗!!フレンダ!!涙子ちゃん!!アンタ達の全力を、あのモノレールにぶつけなさい!!
あれをぶっ壊さないと、とりかえしのつかないことになるわよ!?」キュィィィィィィィィンッ!!

絹旗「わかってますよ!!既に超チャージ中です!!」コォォォォォォォオオ……



フレンダ「フレンダ印の工業都市兵器改造アイテムNo.1。
4連ロケットランチャーってわけよ!!!」チャキッ!!



佐天「必ず……必ず破壊しなきゃ……」ゴォォォォォオオオオッ!!!



絹旗は、空気中から窒素を大量に集め、極限まで圧縮し、絶対零度を作り出す液体窒素を身に纏う。


フレンダは、工業都市で買ったロケットランチャーを改造し、同時に4発まで撃ち出せるようにしたランチャーを構える。


佐天は、以前より格段に強化された、空気の圧縮弾を時間ギリギリまで圧縮させている。



モノレールが『ヒューズ・カザキリ』に突っ込むまで残り20秒。

麦野「全員撃って撃って撃ちまくれェェェェェェェエエエエッ!!!!!」バシュゥッ!!!!!




「「「ウォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!」」」




ドォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!!!



強烈な発射音と共に、それぞれの遠距離系最大攻撃が、モノレールに向かって撃ちだされる。






心理定規「…………放ちなさい」



塔の騎士「ッ!!!!!!」ブンッ!!!



ゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



心理定規の魔物、塔の騎士からも、強烈な魔力に包まれた槍が投げられる。




双方の攻撃が、モノレールと衝突する。

ドゴォォォォォォォォオオオオッ!!!!



強烈な破壊音が、双方のモノレールから放たれる。



まず、心理定規の魔物、『塔の騎士』の攻撃を受けたモノレールだが、こちらは、完全に消滅した。



麦野達とは比較にならない魔力が込められた槍は、モノレールに衝突すると同時に一瞬で爆散し、部品すら残らず消滅させた。



攻撃の動作は遅いが、威力は絶大という、Sランク高位の魔物に恥じない攻撃であった。




次に麦野勢の放った攻撃を受けたモノレールだが……

麦野「チッ!!あれだけブチかましてやったのに、速度どころか方向すら変わらない!!
一体どうなってんのよ!?あの鉄くずは!!」




ほぼ破壊されつくしているが、車体の骨組みや、残った部品、破片などが一直線に向かってくる。
麦野達全ての力を足しても、Sランク高位の力には、未だ及ばなかった。



絹旗「そんな!?これ以上どうしろっていうんですか!!」



佐天「このままじゃあ……街が大変なことに……」



フレンダ「麦野!!私は直ぐにもう一発いけるわけよ!!」ジャキッ!!


フレンダが、どこからか、もう一丁、ロケットランチャーを取り出した。

麦野「私ももう一発撃つ!!絹旗!!涙子ちゃん!!
最後の最後の一発の時の為に、力を溜めときな!!」キュィィィィィィィィンッ!!!



ドォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!!



フレンダと麦野の攻撃が、再びモノレールの残骸に向かって放たれる。



ドゴォォォォォォォォオオオオッ!!!!



ランチャーによって残骸は更に爆散し、原子崩しによって、欠片も残さず消滅する。

佐天「やった!!完全に消滅しました!!」



絹旗「ふぅ……超ヒヤヒヤしましたね……」


麦野「はぁ……ホントに焦ったわよ……フレンダ、アンタたまには役に立つじゃない」



フレンダ「酷い言い草ってわけよ!!!」




心理定規「お疲れ様、塔の騎士、皆」





塔の騎士「……………ッ!?」バッ!!




塔の騎士が、モノレールが向かってきた方角に、何かを見つける。





滝壷「皆!!!まだ敵の攻撃は続いているよ!!!上を見て!!!」

麦野「へ?」



心理定規「え?」



絹旗「は?」



佐天「ふぇ?」



フレンダ「あ……」



フレンダがいち早く気づく。
まだ何かこっちに向かっているものがある。







モノレールとは、同じタイミングで別の方向から2方向に別れて飛んできているもの。




それは、ビー玉サイズというホンの小さな鉄球の雨である。

2台のモノレールという、大きすぎる的を目の前にして、並行する小さな、ホントに小さな鉄球の雨を、ここにいる全員が……。
滝壺ですら見逃してしまっていたのだ。




塔の騎士「ッ!!!」バッ!!!



咄嗟に塔の騎士が、巨大な盾を構え、鉄球の雨の前に立ち塞がる。




しかし





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!

塔の騎士「…………ッ」シュウウウウウウウウッ……




心理定規「ウソ……塔の騎士!!!」





塔の騎士の盾と鎧を纏った身体を軽々と突き破り、鉄球の雨が、『ヒューズ・カザキリ』の元へと降り注ぐ。




しかし、垣根と風斬の力で、限界まで強化されている塔は、壊れることはなく、逆に、鉄球が粉々に砕け落ちた。


ただ、ホンの数秒……あまりの衝撃に、塔の機能がフリーズしてしまう。






その結果

絶対等速「条件は達成したぜ?アレイスター。
あとは、あの塔を完全に破壊する手伝いをしてやりゃあいいんだろ?
あの化け物共と一緒によぉ……」




途中でモノレールから降りた絶対等速が、高層ビルの上で、工業都市の空を見る。




そこには、バリア機能が停止した一瞬の隙に、高位の魔物によって開けられた、とてつもない大きさの魔界と繋がる大穴が、青空に空いていた。

工業都市 第15地区 繁華街



女「ねぇ……アレ……何?」


男「さぁ……何だろうな……」



避難警報が出されているにも関わらず、シェルターに避難していない者達は、都市中に大勢いた。




その中のグループの一つとして、火事場泥棒達がいた。




ほとんどの人間が、避難していることをいい事に、繁華街の貴金属店などから、宝石などを片っ端から盗みだしている連中である。

この工業都市最大級の繁華街には、そんな火事場泥棒達が集まり、数は2000人ほどに達していた。




その繁華街の真上に、黒く、とてつもなく大きな穴が空き、そこから雨のように、何かが降ってくる。




ダンッ!!





ここに一組のカップルがいる。


この二人は、盗みや恐喝などを繰り返し、今回の騒動でも、その行為は相変わらずであったが、そのカップルの前に、一匹の魔物が落ちてきた。

その魔物は、人間よりもサイズが大きく、見た目はトカゲのような爬虫類。
手には鋭い爪が伸び、小さな金属製の盾を装備している。

他の場所にも落ちてきているようだが、中には、兜まで装備している個体もいるようだ。




男「な、なんだよ……何でこの都市に魔物が入ってくんだよ!!」



女「ね、ねぇ!!早く逃げよ!?まだアイツこっちに気づいてないかもし」


ブンッ!!!!


ズシュッ!!!!!



トンッ、ゴロゴロッ……

男「……女?」



ブシュッ!!!



男の身体に、大量の血が降りかかる。


誰の血だ?自分のではない?


女の血か?


そういえば、女の顔があったところから、血が噴き出て



ブンッ!!!!


ズシュッ!!!!!



トンッ、ゴロゴロッ……



男の頭が、地面を転がる。

人間を紙くずのように切り捨てるこの魔物の名は、『ブレイド』。

木原数多が、遊び半分で作りだし、それが魔界で繁殖し、大量に増殖した、Cランク最下位の、魔界の尖兵である。



このブレイドが何千何万と大量に降ってくると同時に、数百体、別の大きな力を持つ魔物が出現し、バリア機能が復活したのか、そこで大きな穴が閉じた。







ドォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!



ドォォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!





ギャァァァァァァァァァァァァァアアアッ!!!




ナ、ナンデマモノガァァァアア!!!!アアアアアッ!!!




タスケテ!!タスケテカミサマァァァアアッ!!!




イヤダァァァアアッ!!!クルナァ!!!クルナァァァアアッ!!!!





繁華街で盗みを働いていた者達は、一人残らず、降り注ぐ魔物の群れに切り刻まれ、喰い殺される。



因果応報とは言え、罪人達に対しての、あまりにも惨い光景に、地獄がそのままこの都市に重なったように思えた。

投下終了です。



工業都市戦スタートです。絶対等速の勝利です。

超長い道程になりそうですが、のんびり頑張ります。




とりあえず、今回のメイン雑魚敵、DMCの『ブレイド』でした。


次回は、いよいよ、浜面VSガーゴイル戦をお送りします。

では、おやすみなさい。

乙でした



タスケテトミサカハに読めた自分がはずぃ

とりあえず絹旗×ワンちゃんに期待
相性よさげだしねぇ

こんばんわ、1です。


今日から、前スレ最後に出した安価の魔物、ダークソウルの『ガーゴイル』戦です。

このSS恒例として、かなり元より強化されてるので、ご了承を。



>>179
ありがとうございます!!!


>>180
あのコンビは仲が良いですからねぇ。同じ氷タイプだし。

12:35


工業都市 壁外



垣根「チクショウ……誰だか知らねぇが、やりやがったな……。
バリアはすぐに再起動したみてぇだが、かなりの数を侵入させちまったみてぇだ」



風斬「垣根さん……」



垣根「…………大丈夫だ。
シェルターは、俺の力で相当頑丈にコーティングされてるし、心理定規や半蔵達もいる。
住民達に被害が及ぶ前に、片付くさ」




風斬「……そうですね。皆を信じないと……私達には、私達のやる事がありますからね」



垣根「あぁ、そういうことだ。
まさか、エグドラシルが来るより先に、都市の中に入られるとは思わなかったが、俺等がやることは、エグドラシル討伐だけだ。

こっちに集中しねぇと、返り討ちにあっちまう」



風斬「皆さん……どうか無事でいてください……」

工業都市 上空50m





浜面「クソッ!!麦野達でも止められなかったのか!!」



空中に空いた穴が閉じ、地上をブレイドの群れが縦横無尽に蹂躙していく様を、浜面は、空中からホバーバイクに乗って見ていた。



浜面「俺がアイツを逃がしちまったからこんなことに……。
とにかく、麦野達と合流しよう。
あの魔物の数と強さは、とても俺一人じゃあ無理だ……」







ヒュゥゥゥゥゥウッ…………





ダンッ!!!


ダンッ!!!



突如、浜面の近くに建つ高層ビルの屋上に、二つの何かが降ってきた。

浜面「何だありゃあ…………石像か?」





ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ



石像「…………」



ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ







降ってきた二つの何かは、翼を持ち、斧槍と盾を手に持ち、頭には兜を着けた、石像であった。


浜面が浮かんだイメージとしては、よく城に置いてある、騎士の像を魔物の像にしたようなものである。



二体の石像は、降ってきた体制のまま、動かない。

浜面「……何だ、ただの石像か……」ブォン……




浜面は、軽くアクセルを握り、石像達に背を向け、麦野達と合流すべく、進路を真っ直ぐと見つめていた。


パキパキパキパキッ…………


浜面の背後から、何か音が聞こえてくる。



ギュルンッ!!!

ブォォォォオンッ!!!!!


浜面は突如、アクセルを全開にし、重心を後ろに倒し、宙返りをするように、バイクを走らせた。





バサァァァアッ!!!










石像「「ガァァァァァァァァァァァァアアッ!!!!!」ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!!







その瞬間、二体の石像が、猛スピードで、武器を振りかざしながら飛び込んできた。
魔物達は、既に誰もいない空間に武器を振るう。

浜面「やっぱり、ただの石像なわけねぇよなぁぁぁあ!!!!」ブォォォォオッ!!!!!



飛び込んで来た石像達の背後を取り、浜面は叫ぶ。



浜面の目の前に居たのは、先ほどまでの静かに佇むただの石像ではなく、強烈な殺気を放つ、獰猛な魔物だった。

石像は、背後の浜面に気づき、振り返る。



浜面「遅ぇぇぇええっ!!!!」ブォォォォオッ!!!!


ズシュッ!!!!!




高速で、石像と交差した瞬間、浜面が、二体の石像を双剣で斬りつけた。


しかし……

パキィィィィィィイインッ!!!




浜面「硬ってぇぇぇえっ!!!!剣が一振りで折れちまった!!!」



二本の剣は、二体の石像を一回ずつ斬りつけただけで、折れてしまった。

スペアとしてケルベロスのバイクに積んでいた二本だったので、強度は確かに脆いが、それでも、驚異的な身体の硬さである。




ダンッ!!!


ダンッ!!!




ガーゴイル「「ガァァァァァァアアアアッ!!!!!」」



更に、周囲のビルに二体の石像が降ってくる。
先に現れた二体も、傷を負ってはいるが、まだまだ倒しきれてはいない。

浜面「全部で4体か……。確か石像の魔物といえば……『ガーゴイル』ってヤツか?
麦野達と合流すらさせてくれないとは、初っ端からハードだなぁ、今回は」




本来、宝などを守る魔物『ガーゴイル』だが、1体辺りの強さは、大騒ぎする程大したモノではない。


せいぜい、Cランクの下位だろう。アイアンゴーレムより下である。



しかし、複数体同時となれば、話は別である。
本来、何かを守る魔物な為、仲間同士の連携が半端なく上手く、二体以上からの強さは跳ね上がる。


4体同時ともなれば、Bランク最高位相当になるだろう。
浜面の持つ最強の魔物、ケルベロスよりも格上の相手となる。

ガーゴイル「「「「ァァァァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!」」」」






4体のガーゴイルが、一斉に咆哮を上げる。
浜面に対する宣戦布告であろうか。





浜面「……上等だ!!テメェ等まとめて返り討ちにして、俺の力になってもらうぜ!!!」



バサァァァアッ!!!


4体のガーゴイルが、一斉にビルから飛び立ち、浜面へと襲いかかる。




浜面「空中戦ならお前だよなぁ!?グリフォン!!」



カッ!!


ブワァァァァァァァアアアッ!!!

ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!



圧縮された空気が噴射される音が鳴り響く。



グライダーのようなその見た目は、古代の乗り物「メーヴェ」によく似ており、下方についた5つの噴射口兼エネルギー弾発射口から、圧縮空気をジェット噴射することで、自由自在に宙を駆け巡る。




浜面「アイアンゴーレム戦以来の登場だ……。
思いっきり暴れてやろうぜグリフォン!!」カチッ!!!





ドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!



グライダーのエネルギー弾発射口から、魔力が圧縮されたエネルギー弾が発射される。

バサァァァアッ!!!


ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!!




ガーゴイル達は、エネルギー弾を器用に避けながら、浜面を追いかけていく。

向こうも空中戦は、お手のもののようだ。




浜面「ウォォォォォォオオオオッ!!!」ドドドドドドドドッ!!!



浜面はエネルギー弾を撃ち続ける。
ガーゴイル達はそれを避け続ける。



両者の距離は、少しずつ狭まっていく。

浜面「クソッ!!流石に向こうも早いな!!全然当たりゃしねぇ!!」ギュルン!!



ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!



浜面は、弧を描くように、空を飛んでいく。

ガーゴイル達も、同じコースを辿るように追いかけてくる。






ブシュゥゥウウッ!!!


突如、浜面がブレーキをかけ、ターンしながらガーゴイル達と向き合う。
その手には、ケルベロスの魔力が封じられたショットガンが。

ガーゴイル達は意表を突かれ、止まれない。
ガーゴイル達との距離が、一気に縮まった。




浜面「まずは一匹!!!」チャキッ!!




ドォォォォオオンッ!!!!



グシャァァァァアアッ!!!





ガーゴイルD「グギャァァァァアアアッ!!!」バサァァァアッ!!!



魔力を帯びた散弾は、見事一体のガーゴイルの顔面に命中した。
ガーゴイルDは、痛みに悶えながら、地上へ落下していく。

浜面「おしっ!!一匹撃……ヤベッ!!」ギュルンッ!!



浜面の眼前に、残る3体のガーゴイルが斧槍を振りかざしながら向かって来る。





ガーゴイル「「「ガァァァァァァアアアアッ!!!」」」ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!!!





浜面は真下へグライダーを急降下させる。
すぐ頭上では、もの凄い勢いで、ガーゴイル達が武器を振りながら通過して行った。



急降下している先には、先ほど頭に散弾を喰らったガーゴイルDが。



ガーゴイルDが、悶えながらも、体制を整え、浜面に斧槍を振りかぶる。

浜面「遅ぇっ!!!!!」チャキッ!!!





パララララララララララララララララッ!!!!!

パララララララララララララララララッ!!!!!





浜面がすかさず、両手にサブマシンガンを構えて、マガジンが空になるまで撃ち続けた。





ガーゴイルD「ッ!!!!!…………」ダラリッ……



振りかざした斧槍を持つ手がダラリと下がり、ガーゴイルDの身体が霧散していく。

浜面「悪いがこの斧槍は貰っていくぜ!!
お前等の武器なら刃が通るかもしれねぇからな!!」パシッ!!




ガーゴイルの斧槍を手にした浜面は、頭上を見上げる。
頭上からは、残る3体のガーゴイル達が、追いかけてきていた。



霧散したガーゴイルDの魔力が、残りの3人へと吸収されていく。





ガーゴイル「「「ガァァァァァァアアアアッ!!!!」」」ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!



浜面「成る程……一匹倒せば他が強くなるのか……。
てことは、実質最後の一匹を倒すまでは4対1なんだな。
……何で俺の相手はこんな厄介なヤツばかりなんだよ!!!」ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!!



主人公の宿命を背負いながら、浜面は全速力で、空を疾走する。

強化されたガーゴイルは、少しずつ、浜面に追いついてきている。
明らかに、先ほどより速度が増しているようだ。




浜面「どうやら、こいつ等からいつまでも逃げ切ることは無理みてぇだな」パララララララッ!!!



後ろにサブマシンガンを連射しながら、浜面はひたすら突き進む。
魔力の弾丸がガーゴイル達に向かっていくが、ガーゴイルには当たらない。





ガーゴイルC「グルルルルッ……」ググググッ!!!


ドォンッ!!!!

突如、一体のガーゴイルが、爆発的に加速し、浜面に迫ってきた。

どうやら、このガーゴイルは、風の魔術を使うようだ。
風を纏いながら、驚異的な速さで、浜面の目の前まで距離を詰める。





浜面「速っ……」カチッ!!




ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!




反射的にガーゴイルCにグライダーを向け、エネルギー弾を撃ち出す。

どうやら、何発かは命中しているようだ。
しかし、ガーゴイルCの勢いは止まらない。

ガーゴイルC「ガァァァァァァアアアアッ!!!!」ブンッ!!


浜面「うぉっ!!」ギュォォォオオッ!!!



完全に追いついたガーゴイルCが、浜面と並走しながら斧槍で斬りつけてくる。



浜面がグライダーを器用に操作しながら、ガーゴイルCにエネルギー弾の照準を合わせた。


浜面「ロックオンだ!!!全弾喰らいやがれ!!」カチッ!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



数十発のエネルギー弾が、ガーゴイルCに放たれる。



ガーゴイルCは、一旦浜面から離れ、エネルギー弾から逃れようとするが、弾はどこまでも追いかけてくる。



そしてついに、ガーゴイルCへと、全てのエネルギー弾が命中した。
命中したエネルギー弾の弾幕が、ガーゴイルの姿を包み込む。

浜面「おっし!!!二匹目撃破!!」






しかし、まだ終わってはいなかった。




ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!!


ガーゴイルC「ガァァァァァァア"ア"ア"ア"ッ!!!!!」ピキピキッ!!



石で出来た身体にヒビが入りながらも、ガーゴイルCが弾幕から飛び出し、浜面に突っ込んでくる。
恐らく、最後の力を振り絞っての特攻であろう。




浜面「しぶてぇな!!こいよ石像野郎!!!」チャキッ!!

ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!!




浜面が、ガーゴイルDから手に入れた斧槍を構える。
そして、グライダーをガーゴイルCへと走らせる。

浜面「ォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!」ブンッ!!




ガーゴイルC「ガァァァァァァア"ア"ア"ア"ッ!!!!!」ブンッ!!!





グシャァァァァアアッ!!!!!







浜面とガーゴイルCが交差した瞬間、破壊音が聞こえてくる。

ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!!



浜面「二匹目撃破だ!!!」




ガーゴイルCの身体が真っ二つに割れ、砕け散っていく。
どうやら、一騎打ちに勝ったのは浜面のようだ。



ガーゴイルCの身体が霧散し、残りの2匹に魔力が振り分けられる。








シュンッ!!!




バサァァァァァァアアッ!!!!!




ガーゴイルAB「「ガァァァァァァアアアアッ!!!」」ビュォォォォォォォォォオオオッ!!!!!





その瞬間、ガーゴイルCの魔術を受け継いだ二匹のガーゴイルが、圧倒的なスピードで浜面の目の前に現れる。

浜面「ウォォォッ!?」ギュルン!!


浜面がグライダーで回避しようとした瞬間





グシャァァァァアアッ!!!!





浜面「…………ガァッ……」ボロッ……



浜面の乗っていたグリフォンのグライダーが、斧槍による斬撃を受け、破壊された。



かろうじて浜面自身に斬撃は当たらなかったものの、宙を走る魔具を失った浜面は、そのまま落下する。






バサァァァアッ!!!


バサァァァアッ!!!



落下する浜面へと、ガーゴイルが翼を羽ばたかせ、猛スピードで追い打ちをかける。

浜面「こ……の……舐めんなっ!!!!」ジャキッ!!




落下中、浜面が、ガーゴイル2体に向けて、それぞれサブマシンガンを向ける。



パララララララッ!!!

パララララララッ!!!




しかし、空中を自在に動き回るガーゴイル達には、当たらず、両側からガーゴイル達がそれぞれ斧槍を振りかざす。





浜面「くっ!!スラ坊!!飛ばしていくぞ!!」



カッ!!


ギュォォォオオッ!!!!


咄嗟にスラ坊バイクを現出させ、そのまま全速力で、その場を離脱する。

しかし、2体のガーゴイルは、そのスピードにすら対抗してくる。

浜面「駄目だ!!もう空中戦じゃあ歯が立たねぇ!!こうなったら……」チラッ




浜面は、横目で地上を見る。



ガーゴイル達との空中戦により、どこまで飛んできたかはわからない。

だが、工場のようなパイプに覆われた物々しい大きな建物が多く見えるところから、どうやら工業地区らしい。




浜面「あそこに着陸するしかねぇ!!」ギュルンッ!!


ギュォォォオオオオッ!!!


全速力で、浜面は降下していく。
そして、背後からは2体のガーゴイルが。

浜面「だぁぁぁぁあっ!!しつけぇよテメェ等!!!」




カッ!!


浜面はバイクを一旦消し、宙に投げ出される。

地表まであと30mほど。

このまま落ちれば、地面に叩きつけられ絶命する。



その極限状態の中、浜面は、アイアンゴーレムの腕を出した。




ガシッ!!!


ガーゴイル「「ギィッ!?」」



アイアンゴーレムの腕が、2体のガーゴイルを捕まえる。

浜面「大人しく、先に落ちてろ!!!!!」ブンッ!!!







ゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!


ガーゴイル「「ガァァァァァァアアアアッ!!!」」


ゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!





グシャァァァァアアッ!!!!



アイアンゴーレムの腕に投げつけられ、2体のガーゴイルは、建ち並ぶ工場の建物の一つに叩きつけられる。

カッ!!!


ブォォォォオンッ!!!ブォンッ……



そして、再びスラ坊バイクを出した浜面は、ゆっくりと、高くそびえる工場の広い屋根に着陸する。


高さ20mほどで、50m×30mほどの屋根がある長方形の大きな建物だ。
物々しくごちゃごちゃした地上よりは、こちらの方が戦いやすいだろう。







ズザァァァァァアッ!!!




その瞬間、空から2体のガーゴイルが、浜面を挟むように、滑るように降り立つ。

ガーゴイル「「グルルルルッ…………」」


ガーゴイルが地面にダンッ!!ダンッ!!と、手をつきながら、ゆっくりと浜面に近づいてくる。
見た目は石像の魔物だが、その仕草は、まさに猛獣である。





カッ!!


ブワァァァァァァァアアアッ!!!




浜面「地上戦ならよぉ……お前等に遅れはとらねぇぜ?」チャキッ!!



浜面が、メタルスラ坊のver2である、メタルスライムの鎧と、双剣を現出させ、構える。




2体1。少し不利な状況ではあるが、浜面が諦めることはない。

ガーゴイル達が、武器を握りしめ、身構える。

浜面「かかってこいよ、悪趣味な見た目の石像共。
俺がリメイクして、愉快なオブジェに変えてやっからよぉ!!!」





ガーゴイル「「ァァァァァァァァァァァァア"ア"ッ!!!!!!」」




バサァァァアッ!!!

バサァァァアッ!!!



二体のガーゴイルが咆哮と同時に空へ飛び立ち、空から浜面へと襲いかかる。

投下終了です。




工業地区の、建物の屋上での決戦は、ダークソウルの教会でのガーゴイル戦をイメージしてみました。


ちなみに、ダークソウルでは、ガーゴイル戦は基本2体同時です。



次回ガーゴイル戦決着です。
上手く安価に応えられてるかは心配ですが、このまま突っ走っていきます!!

それではまた!!

乙でした



とりあえず浜面さんの口説き文句はなんだろう


まさかの愉オブ発言


なんだただの石像か・・・ 死亡フラグだったなwwww

乙!
最終的にはガーゴイル4体分のちからを持ったやつを仲間にするのか
胸熱だな

こんばんわ、1です。


今日でガーゴイル戦決着です。


かなり、反則な能力が出てきますが、まぁこれが現時点での、浜面の本気ということで。


>>217
ありがとうございます!!!!!

>>218
口説き落とす相手が違う気が……。

>>219
なんせ、リアルオブジェですからね、ガーゴイルさん。

>>220
見事フラグ回避ですね。……惜しかった……。

>>221
4体ガーゴイルの能力どうしよう……


それではのんびりいきます!!

浜面「二体同時攻撃か!!
やっぱしお前等魔物に、騎士道みたいなモンは期待できねぇなぁ!?」チャキッ!!




ガキィィィィィイイイッ!!!



浜面は、手にした双剣で、二体の斧槍を受け止める。



ギギギギギギッ!!!


浜面「くっ、やっぱし重てぇ……コイツ等、一体一体が普通に強ぇ……」



浜面は、二体の競り合いに、若干押され気味になっている。

浜面「オラァァァァァァァアッ!!!」ガキィィイイイッ!!



気合いと共に、双剣を打ち上げ、ガーゴイルの斧槍が跳ね上がる。


そして、そのまま、隙だらけの一体へ斬りつけた。




ギィンッ!!


浜面「ッ!!!!さっきより硬ぇ!!」ビリビリッ……



双剣では、力が足りないのか、ガーゴイルの硬い石の身体に刃が通らなかった。


背後から、斬りつけられてない方の、ガーゴイルBが斧槍を横一直線に薙ぎ払う。

ダンッ!!!


ブゥォンッ!!!

浜面は、そのまま垂直に飛び上がる。
浜面の足のすぐ下を、斧槍が通り過ぎていく。




ふとガーゴイルAを見ると、すぐ側まで振り下ろす斧槍が来ていた。




浜面「ウォォォォオオオッ!!!!!」バッ!!


ガキィィィィィイイインッ!!!



咄嗟に反応して、双剣を前に出し、斧槍を食い止めるが、やはりガーゴイルの斬撃は重い。
反撃の手が出せない。




ガーゴイルB「ガァァァァァァアアアアッ!!!!」ダンッ!!!



背後からガーゴイルBが、斧槍を突いて来る。


避けられない。

ガキィィィィィイイインッ!!!




浜面「いっ!!!!……てぇなこの野郎ォォォォオオッ!!!!」ブンッ!!



グシャァァァァアアッ!!!!!



かろうじて、メタルスラ坊の鎧の硬度に守られた浜面は、剣を大剣に変形させ、ガーゴイルBへと薙ぎ払う。



ガーゴイルBは、大剣をマトモに受け、吹っ飛んでいく。


どうやら、あの身体には、斬撃は効かないが、銃撃や、大剣などの斬るよりも叩き潰す系の攻撃は有効なようだ。



ガーゴイルA「ガァァァァァァァァアアッ!!!」ブンッ!!!



背を向けているガーゴイルAが、背後から斬りかかる。

浜面「テメェも調子乗ってんじゃねぇ!!!!」チャキッ!!!



一瞬で、大剣がショットガンに変形する。


そのままメタルスラ坊の、火の魔術が込められた散弾が、ガーゴイルAに撃ち込まれ、吹っ飛んでいった。




浜面「うっし!!コツは掴んだぜ?
要は、俺は斬撃以外で攻撃して、お前等からは斬撃に気をつけりゃあいいんだ。
この鎧なら、槍の突きは防げるみたいだしな」




浜面は、ガーゴイルの斧槍に注目する。



奴らの攻撃手段は、あの斧槍だけだ。


あれの軌道さえ気をつければ、何とかなるハズ……


その考えは、根本的な所から崩れる。

ガーゴイル「「グルルルル……グガァァァァァァアアアッ!!!!!」」



ズシャァァァァァァアッ!!!!!




ガーゴイルが雄叫びをあげると共に、尾が生えてくる。
そして、その尾の先端には、何とも斬れ味の良さそうな斧の刃が……




浜面「……増えた……」グッタリ……




浜面は少しへこたれる。




浜面「いや……攻撃手段が1つ増えただけだ。
あの斧槍と、尾斧の連続斬りにさえ気をつければ……」

さらに、ガーゴイル達は唸り声を上げている。



ガーゴイルA「ォォォ……ォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!」バチバチッ!!!



咆哮と共に、ガーゴイルAの身体から、電光が走る。





ダンッ!!!!



ガーゴイルB「グルルルルッ……」ゴォォォオオッ……



手を地面に叩きつけながら、ガーゴイルBからは炎が走る。





浜面「は、はは……ヤベッ……」タラー……




浜面の身体に冷たい汗が流れる。



恐らく、今の時点で、Bクラス下位くらいの実力が、二匹のガーゴイルそれぞれにあるだろう。


正直、これはしんどい。

ガーゴイルB「グルルルルッ…………ガァァァアッ!!!」ゴォォォオオッ!!!!!



ガーゴイルBの口から、炎が放射される。




ブシュゥゥゥゥゥウウウウッ!!!!



先ほどのグリフォンのグライダーのように、鎧の背中から、圧縮空気を噴出させながら、滑るように浜面は高速で炎を避ける。


しかし、速度で遥かに勝るガーゴイルAが、電光を纏いながら、並走してきた。

浜面「クッ!!」チャキッ!!



パララララララッ!!!!



サブマシンガンに変形させ、ガーゴイルAに撃ち込む。




ギギギギィンッ!!!



ガーゴイルAは、手にした丸い盾で、銃撃を防いだ。



浜面「それ飾りじゃないのか!?
使わねぇから使えねぇと思ってたのに!!!」



また一つ、希望が消え、ガーゴイルAが、電光を帯びた斧槍を振りかぶる。



ダンッ!!!!


ブンッ!!!!



浜面が飛び上がると同時に、ガーゴイルAが、斧槍を振り抜いた。
毎度ギリギリのタイミングである。



ガーゴイルBが、その瞬間を狙って、火炎弾を吐き出した。

ゴォォォオオッ!!!!!!



浜面「ヤべ」シュンッ!!


一瞬で、サブマシンガンが、盾に変わる。



ドォォォォォォォォォォッ!!!!



火炎弾は盾で防げたものの、衝撃が強すぎる為、そのまま浜面は、地面に叩きつけられる。




浜面「グッ……強ぇなやっぱ……」グググッ……




バサァァァアッ!!!


バサァァァアッ!!!



ガーゴイルAB「「ガァァァァァァァァアアッ!!!!!」」



トドメと言わんばかりに、二体のガーゴイルが叫びながら飛び上がる。





そしてそのまま、浜面へと急降下していく。








浜面「もういい……コイツ等相手に温存なんざしてらんねぇ!!!
アイアンゴーレム!!!!!Ver2行くぞォォォォォオオオッ!!!!!」







カッ!!!!



ブワァァァァァァァアアアッ!!!!

大量の強力な魔物の襲来により、長くなりそうな戦いに備えて温存していた力を、浜面が解放する。




サバイバルが終わり、今日までの一週間。



浜面は、毎日自分の中でアイアンゴーレムと戦っていた。自分の力のみで。



そして、つい一昨日。

ついにアイアンゴーレムを自力撃破し、Ver2を得ることが出来たのだ。




しかし、とんでもなく扱いが難しい為、浜面でも未だに全ての機能を使いこなせていない。







浜面「まぁ、誰も回りにいねぇんだ。
遠慮せずにぶっ放してやるよ……なぁ、アイアンゴーレム」

浜面の手には、通常魔具と同じような、黒い籠手が。

そして、通常では、既に背後に出ているアイアンゴーレムの両腕が出ていない。

変化していると言えば、黒い籠手と共に、黒いブーツのような具足もついていることだろうか。




浜面「これのどこが扱いづらいんだ、って思うだろ?
俺の頭じゃあ、中々使いこなせねぇんだよコレが」スッ……



浜面が、ファイティングポーズをとる。

ガーゴイル「「ガァァァァァァアアアアッ!!!!!」」




空中からは、落下してくるガーゴイル達が。




浜面「オラァァァァァァァアッ!!!!!」ブンッ!!!!



浜面は、シャドーボクシングのように、腰の入った右ストレートを放つ。





グシャァァァァアアッ!!!!!



ガーゴイル「「グギャァッ!!!」」



突如、ガーゴイル達の左側から、空間を突き破り、アイアンゴーレムの右腕が叩き込まれる。


ガーゴイル達は、訳のわからぬまま、アイアンゴーレムの大きな腕に殴り飛ばされる。

浜面「このVer2ではなぁ……。
俺のパンチや蹴りが、アイアンゴーレムの両手両足とリンクしてるんだ。

威力はあんまし変わってないし、そこまでは、通常と殆ど同じだが、こっからが厄介でな……。

空間を指定して、アイアンゴーレムの出現座標を自由に決めることができるんだよ。
上下左右前後、360°どっからでもな。

しかも、いろんな武器への変形機能付きだ。
あまりに便利すぎて、俺の頭じゃあ使いこなせねぇんだよ。

空間指定もよく失敗するし、今のレベルじゃ、使用制限もあるしな。

連続使用だと、もって1分だ」



要は、どこから攻撃がくるのか、相手には直前まで全くわからないということだ。

バサァァァアッ!!!!



殴り飛ばされたガーゴイル達が、翼を広げ、浜面の元へ戻る。




浜面「流石に一発じゃ終わらねぇか……だったらコレだ!!」ブゥゥゥゥンッ……




浜面の両手につけられた籠手が、変形する。



変形と言っても、浜面の腕の回りに、何やら青く輝く紋様のようなものが浮かぶだけだが、それが銃の照準器のような役割をしている。



両手の照準を、それぞれガーゴイル達に合わせる。

浜面「俺もコレに苦しめられたんだよな……お前等も味わってみろよ!!!」ギュッ!!カチッ!!




浜面が、籠手を握りしめると、何やらトリガーを弾くような音が響いた。






ブウォンッ……



ガーゴイル「「ッ!?」」



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!




その瞬間空間を破り、かつて浜面を苦しめた、アイアンゴーレムのガトリングボウ形態の両腕が現れ、一斉に射撃する。

その一発一発が、丸太のような矢であり、その破壊力と連射力は、正に圧巻である。

浜面「チッ!!照準が追いつかねぇ!!やっぱし空に逃げられたら打つ手無しか!?
だったら、インファイトだ!!こいよ石像共!!!」ブゥンッ……




籠手の紋様が消えると、アイアンゴーレムのガトリングボウも姿を消した。


その様子を見たガーゴイル達が、一気に浜面に迫る。
向こうも接近戦は望む所のようだ。





ガーゴイルB「ガァァァァァァァァアアッ!!!」ゴォォォォォォォォオオオッ!!!!!



ガーゴイルBが、空中から、激しい炎を吐き出す。
そのまま屋上は、炎に包まれ、火の海と化した。

ダンッ!!!!!



具足に力を込め、空中に思いっきりジャンプした浜面の元へ、雷を纏ってガーゴイルAが突進してくる。




浜面「オラァァァァァァァアッ!!!!!」ブンッ!!!



ガーゴイルA「ガァァァァァァァァアアッ!!!!!」ブンッ!!!




浜面は、具足を着けた足で、上から打ち落とすような蹴りを。

ガーゴイルAは、雷を斧槍に込め、そのままそれを振りかぶる。

ドゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!




爆発音と共に、ガーゴイルの斧槍と石の腕が砕け散る。



浜面の蹴りが、斧槍に衝突した瞬間、爆発が起こり、それに斧槍と腕は耐えられなかったのだ。



浜面「アイアンゴーレムは、遠近、両方にひたすらパワーに特化してんだ。
本体である籠手、具足でなら、破壊力じゃ負けねぇさ」ニッ!!




屋上から高く飛び上がり、そのまま地上へと落下しながら、笑みを浮かべる浜面に、ガーゴイルAの尾斧が、薙ぎ払うように浜面へ襲いかかる。



両腕を失っても尚、ガーゴイルの戦闘は終わらない。

ドゴォォォォォォォォォォォオオオッ!!!!!



浜面「効かねぇよ……言っただろ?
その尾斧には、特に気をつけるってなぁ」シュゥゥゥウッ……



再び、浜面の蹴りが炸裂し、尾斧すら、粉砕する。




ガーゴイルA「グガァァァァァァアアアッ!!!!!」ドゥンッ!!!!


ガーゴイルAは、残された身体に雷を纏いながら突進する。



ガーゴイルB「ガァァァァァァァァアアッ!!!」ドゥンッ!!!!



ガーゴイルBも、Aと挟み込むように、浜面に突進する。




これが、最後の攻撃であろう。

浜面「いいねぇ……そのボロボロになっても最後まで足掻く姿!!!
やっぱしお前等は、俺と気が合いそうだ!!!
終わったらまた会おうぜ、ガーゴイル!!!今度は俺ん中でなぁっ!!!」ブゥンッ……




浜面の手に、アイアンゴーレムが愛用していた斧の、浜面サイズ版が現れる。







浜面「締めは2人で行こうかアイアンゴーレムゥゥゥゥウウッ!!!!!」ブォンッ!!!!!


グォォォォォォォォッ………


浜面が斧を振り上げると、背後から両手で巨大な斧を構えたアイアンゴーレムの上半身が、空間を破り出てくる。

ゴッシャァァァァァァァァァァァアアアッ!!!!!!!





ガーゴイルA「ガッ……………」パラッ……


ガーゴイルB「…………………」サァァァァァッ……







浜面は、ガーゴイルAを直接真っ二つに。


浜面の攻撃と共に、空間を破って現れたアイアンゴーレムは、ガーゴイルBを粉々に粉砕し、その破壊力を存分に見せつける。


戦いに敗れ、霧散した2体のガーゴイル。

力で言えば、4体分のガーゴイルの魔力が、浜面へと流れ込んでいった。

ダンッ!!!!!



浜面が、ようやく地面に着地する。

具足のおかげで、あの高さくらいならば、そのまま着地しても大丈夫なようだ。


その瞬間、アイアンゴーレムVer2の現出制限時間が切れ、その籠手と具足の姿が消える。





浜面「さて…………ここは一体どこだ?」





ガーゴイルとの壮絶な空中戦により、工業都市を飛び回った浜面は、迷子になった。

投下終了です。


安価戦、浜面VSガーゴイルでした。


次の投下は、ある程度書き溜めてからやりたいと思います。


それでは、また。

乙でした


浜面さんウィケッドウィーブですかwアンブラの魔女かなんかですか?出来れば脱がないでいただきたい


敵の中座標を設定できるようになったら一方さんにも勝てるんじゃね?


ガーゴイルが結構活躍して嬉しかった

>>250
無理じゃね?
腹の中に座標設定出来たら腹の中にあのでっかい腕が出るから中から弾け飛ぶんじゃね?
チート過ぎだろ


浜面強!
アイアンゴーレムver2.結構便利だな

>>250
テレポ効かないし無理でしょ



ガーゴイルのバージョン2解放とか
超苦戦しそうやねこれ


もう250超えか
かなりハイペースだなここの>>1

こんばんわ、1です。


今日は、ガーゴイル戦の時、他の皆は何してたのかを投下しときます。

例によってゆっくりです。



>>248
>>255
ありがとうございます!!!


>>249
やっぱ似てますよね。書いてから気づきました……

>>250
>>253
浜面は空間指定が下手なので、無理ということで……


>>251
安価の人ですか?いいチョイスありがとうございました!!!
アグニルドラじゃなくてよかった。ホントによかった!!w

>>252
あまりに万能なので、制限時間少なめにさせていただきました。
とっておきですね。




>>254
4体合わせると、ケルベロスより上ですからね。
出番はかなり先になりそうです。

>>256
そろそろペースが落ちる頃です……

浜面VSガーゴイル開始直前




12:32



バリア発生装置『ヒューズ・カザキリ』周辺




麦野「クッ……皆、大丈夫?」



滝壷「わたしは大丈夫」



佐天「私も大丈夫です!!」



絹旗「あ、頭が超クラクラします……」



フレンダ「凄い衝撃音だったわけよ、さっきの小さな鉄球みたいなの。
一体どんな力だったんだかさっぱりなわけよ」

心理定規「マズイわね……さっきの攻撃で、工業都市のバリアが一瞬消えたみたい。見て、あの空」




心理定規が指を指すその先には、遠い空に、禍々しい大きな穴が、空間を破るように空いていた。


そして、その穴から、雨が降るように、魔物達が降ってくるのが見てわかる。


そして数秒後、穴が閉じる。




麦野「滝壷……あの穴からどれくらい魔物が出てきた?」



滝壷「……Cランク以下の魔物が数万、Cランク以上の強力な魔物が数百……多いね、これはちょっと」

絹旗「す、数万って……そんなの私達だけじゃ対処しようがないじゃないですか!!」



心理定規「大丈夫よ……こういう時の為に、スクールのメンバーが工業都市中に配置についてるんだから。
これから貴女達にも、散開して迎撃に回ってもらうことになるわ。
組み合わせは貴女達で決めて頂戴」



麦野「そうね……ここは、私と滝壺。絹旗とフレンダと涙子ちゃんとで分けるか。
少しでもこっちの生存率を上げておかないとね」



佐天「麦野さん……私は一人で行かせてください」

フレンダ「えぇっ!?ちょ、ちょっとそれ本気なわけ涙子ちゃん!?」



絹旗「相当強力な魔物がうろついてるんですよ!?
一人じゃいくらなんでも超危険ですよ!!」



滝壺「むぎの……どうするの?」



麦野「……一人でどうするの?戦う気?」




佐天「私は……私は浜面さんを助けに行きたいんです!!
きっと、また一人で無茶しそうだから……私が助けに行かないと!!」



麦野「……アンタ、仕上の力を信用できないの?」

佐天「信用してますよ、麦野さんに負けないくらい。
だけど、それとこれとは別です!!

浜面さんは、確実にアレイスターに狙われています!!
いずれ必ず桁外れに強い魔物が当てられるハズです。デュランと戦った時のように。

あの時のように、何もできないのはもう嫌なんです!!
今度こそ私が浜面さんの助けになります!!!」



滝壺「さてん……」


麦野「そう……でもアンタ、この地獄になりつつある都市で生き延びられるの?
仕上と合流する前に死んだらどうすんのよ?」




佐天「私は死にません!!浜面さんの弟子ですよ?
悪運としぶとさには、定評が在るんですよ」

絹旗「な、なんて無茶苦茶な……」



麦野「…………涙子ちゃん」


佐天「はい!!」



麦野「仕上を……アイツの世話をよろしく頼むわよ。
無茶させないように、手綱を引っ張ってあげて」



佐天「ッ!?……ハイッ!!!」



麦野「滝壺。浜面の居場所わかる?」



滝壺「はまづらは今、高速で工業都市の空を飛び回っているみたい。
さっそく魔物と戦ってるみたいだね。
数は4。同じ種族でランクは恐らくC……いや、よくわからないけど、潜在的にAに限りなく近いBだね」

絹旗「……ホントにさっそく、超厄介そうなのと戦ってますね、浜面」



フレンダ「もう、そういう星の元に生まれたとしか思えないわけよ……」



麦野「飛び回ってるってことは、今追いかけても意味がないわね……。
涙子ちゃん。浜面がどっかに止まったら連絡するから、それまではここに待機。
居場所を特定次第、一直線に向かって行きな。

…………死んだらダメよ、涙子ちゃん。アンタは、いつか仕上から取り上げて、ウチに入ってもらわないといけないからね」



佐天「ダメですよ。私は浜面さんから一人前と認められるまで、浜面さんの弟子なんですから」ニッ!

麦野「そうだったわね……。よし、アタシ等は、二手に分かれて、魔物を片っ端から片付けるわよ!!
そんで街に残ってるバカを見つけたら、その辺のシェルターに放り込む。
そんじゃ、散開!!!」




ダンッ!!!!




麦野の号令と共に、4人は二手に別れて一斉に飛び出す。
削板のスパルタ特訓によって、大幅に身体能力を上げた4人は、あっという間に見えなくなった。



心理定規「大丈夫かしらね……麦野さん達」



佐天「大丈夫ですよ。なんたって、私の師匠の師匠と、その仲間達ですからね!!」

12:32



第6地区 遊園地



上条「な、何だ?あのバカデカイ穴は……」



遊園地で、仮初めの平和な日常を楽しんでいた上条達は、他の避難して行った客とは別行動を取っていた。



御坂「あの辺って、ここに来る途中に通ったあの大きなビルが多い繁華街よね?

しかも何か穴から凄い数の魔物が落ちてきてるし……あ、穴が閉じた!!」



インデックス「あれは、高位の魔物やアレイスター側の魔術士や魔人が使える、魔界と繋がる空間をこじ開ける魔術……。
それでもあんな規模の穴は、初めて見たんだよ!!!
とんでもない魔物、魔人、もしくは魔術師の仕業かも!!」

上条「そういう類の力って、この都市には使えないんじゃなかったのか!?
確か、あの『ヒューズ・カザキリ』ってのが……まさか!?」



御坂「破られたんでしょうね……穴はすぐ閉じたから、一瞬停止しただけなのか……。
とにかく、魔物が入り込んだのは事実よ!!それも大量にね!!」



インデックス「……りこうの力を使って感知して見たけど、数万近い魔物がいることと、その魔物よりも遥かに強力な魔物が数百ほど出てきたかも……。

しかも、すぐ近くに穴が出現したから、すぐにでも、魔物はここに向かってくるよ!!
ていうか、既に5匹こっちに向かってきてるかも!!」



上条「距離は!?」



インデックス「目の前、およそ20mほどなんだよ!!!」

ドォォォォォォォォォオオンッ!!!!



上条「…………来たみたいだな」



上条達の前にあった、遊園地の定番、メリーゴーランドの馬が空中に吹き飛ぶ。



ダンッ!!!



ブレイド「グギャァァァァァァァアアアアアッ!!!!!!」




ダンッ!!!!


ダンッ!!!!



馬が減ったメリーゴーランドの台の上に、次々と、魔界の尖兵『ブレイド』が飛び込んで来た。
その姿は、繁華街に居た人間達の返り血で、所々赤く染まっている。

上条「インデックス!!御坂!!無理すんじゃねぇぞ!?」ォォオオオッ……


御坂「アタシ等の心配より、自分の心配してなさい!!」バチバチッ!!


インデックス「しあげ達みたいに、私達だって、この旅で強くなったんだよ!!
返り討ちにしてやるかも!!」コォォォォッ……



ブレイド「ァァァァァァアアアアアッ!!!!」ブンッ!!!


上条達に、ブレイド達の鋭い爪が襲いかかる。

上条「ォラァッ!!!!」ブンッ!!!




御坂「いっけぇぇぇぇええっ!!!」バチバチバチィィィイッ!!!!!




インデックス「無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄ァァァアアッ!!!!!」ドドドドドドドドッ!!!!!





ブレイド「「「「「ギャァァァァァァァアアアアッ!!!!」」」」」ドゴォォォォォオオッ!!!

ガバッ!!


ブレイド「グルァァァァァアアアッ!!!」




御坂「流石に一撃では倒しきれないわね!!」


インデックス「更に、7匹迫って来てる!!!
その後ろには、まだまだ増えて来てるんだよ!!」



成長したことにより、同時に二つまで、『魔道書館』に記憶された能力を使いこなせるようになったインデックスが、上条、御坂に注意を促す。



上条「片っ端から倒していくぞ!!この都市をこいつ等の好きにさせてたまるか!!」



続々とブレイドが遊園地に襲来する中、上条達は、それを迎え討つ。

>>271と入れ替え




上条からは、竜王の顎によって強化された、強力な右ストレート。


御坂からは、強烈な電撃。


インデックスからは、絹旗の窒素装甲を用いた、最高にハイなラッシュ。




それぞれの強力な一撃がブレイド達に放たれ、ブレイド達は呆気なく吹き飛ぶ。



決してブレイド達が弱い訳ではない。

単純に、上条達が強いのだ。


少なくとも、Cランク最下位のブレイドの一匹や二匹、まるで相手にならない程に。

ガバッ!!


ブレイド「グルァァァァァアアアッ!!!」



御坂「流石に一撃では倒しきれないわね!!」


インデックス「更に、7匹迫って来てる!!!その後ろには、まだまだ増えて来てるんだよ!!」



成長したことにより、同時に二つまで、『魔道書館』に記憶された能力を使いこなせるようになったインデックスが、上条、御坂に注意を促す。



上条「片っ端から倒していくぞ!!この都市をこいつ等の好きにさせてたまるか!!」



続々とブレイドが遊園地に襲来する中、上条達は、それを迎え討つ。

12:32


第7地区 地下シェルター入口付近




一方通行「チッ、どうやら何かアクシデントがあったみてェだな」



白井「そんな……この都市に魔物は入れないって聞きましたのに」



一方通行は、地下シェルターに打ち止めを避難させ、戦える自分と白井は外に出て、街の様子を見ていた。


最も、一方通行としては、白井もシェルター内に避難させておくつもりだったが、白井の能力で、どこに閉じ込めても勝手に出てくるので諦める。

「おいそこの白いの!!今は避難警報が出てんじゃん!!!
一般人は、早くシェルターに避難しろじゃん!!!」




目の前には、自動小銃で武装した、この街の『警備員』<アンチスキル>と呼ばれる表側の守備隊が大勢並んでいる。


その中の一人で、隊長格であろう、長髪を後ろで纏めて結んだ女性が、一方通行達に避難を促す。




一方通行「一般人だァ?どちらかと言えば、それはテメェ等だろうがよ。
死なねェ内に、さっさとテメェ等もシェルターに隠れな。
こっから先、テメェ等に出来ることは殆どねェぞ?」

「なっ!?白モヤシが大口叩いてくれんじゃん!!
こうなったら引きずってでもシェルターに……」



一方通行「あァ、悪ィがもう時間切れだ。
今回だけ助けてやっから、あとはせいぜい上手い事、逃げ回ってくれや」ダンッ!!!






「へ?」ガバァッ!!!




ブンッ!!!!!





一方通行が一瞬で、警備員の女性に近づき、抱きかかえる。


その瞬間、白く輝く氷のような……いや、実際この魔物の身体は氷で出来ているのだが、その魔物が、女性のいた場所の背後から現れ、その鋭い爪を容赦無く振る。

白井「なっ!?この魔物、もしや私と同じ、空間移動が使えますの!?」




一方通行「いや、厳密には空間移動じゃねェな。
自分の身体を細分化して、別の地点で一瞬で再結合しているだけだ。
基本は同じように見えるが、ヤツはお前みたいに、壁抜けは出来ねェだろうよ」





その魔物の見た目は、一言で言えば氷の彫像。

ブレイドのように、二足歩行の爬虫類に鋭い爪。

そして、その氷の身体は、強烈な冷気を常に放っている。


木原数多が、少し真面目になって作った、魔界の人工魔物兵の一種。

それが、この『フロスト』である。

「な、何なんじゃん!!この化け物は!!こんな魔物、見たこともないじゃん!!」



一方通行「そりゃァそうだろ。あの馬鹿が、魔界で創り出した魔物だ。
昔はよく、こいつ等と闘わされてたっけなァ……」



フロスト「…………」ダンッ!!!



フロストが、地面を滑るように、高速で一方通行へと突進し、爪を突き立てる。







パキィィィィィイイインッ!!!



フロスト「ッ!?」



しかし、フロストの爪は、一方通行へと届くことなく砕け散る。
まるで、見えない破壊不可能な壁に突き立てたように。




一方通行「まぁ、コイツには、カスリ傷一つ負わされたことはねェンだけどなァ」スッ……

一方通行が、フロストの氷の身体にそっと手を触れる。
通常ならば、肌が触れた瞬間、皮膚が壊死し、手は凍傷にかかり、腐れ落ちる。



しかし、一方通行の手は、何一つ変化がない。



一方通行「恨むならテメェを創り出したあのクソッタレを恨むんだなァ」グッ!!




パキィィィィィイイインッ!!!!!


パラパラッ…………




次の瞬間、フロストの氷の身体が粉々に砕け散る。

白井「い、一撃……しかも触れただけで……相変わらずメチャクチャですの……」ゴクリ……



「な、何なんじゃん……あの化け物も……この白いのも……一体この都市で何が起きてんじゃん……」




一方通行「コイツがいるってことは、木原の野郎がこの件に少なからず絡んでやがンなァ……あのクソ野郎」




元魔王軍であり、現人間側最強の男、一方通行<アクセラレータ>。



彼の未知なる力は、その矛先を木原数多に向け、再び魔王軍にとっての脅威となろうとしていた。

投下終了です。


あの人は今!!編でした。


次回から、あちこちでバトルが始まります。
next battleは絹旗・フレンダです。


それではまた明日か明後日か明々後日にお会いしましょう!!


一方通行マジチート

木原くん今回はまじめに作ったのかww
乙!

乙でした

一通△

乙!
20mって目測で見えるだろ
上から降ってきたん?



とうとう絹旗と序章の要の
ワンちゃんがみれるのか

フレンダさんクリスタルの中が
鯖臭い言われてなきゃいいけど

乙です。
木原君自体にどんな能力あるのか楽しみです。

場違いな質問なのですが
横の県名を消すにはどうしたらいいのでしょうか?
教えてください。お願いします。

こんばんわ、1です。

書けたので投下してきます。


ちなみに、この話では、警備員→自衛隊みたいな感じでお願いします。



>>283
>>286
そりゃあ、何てったって一方さんですから。


>>284
木原君もやる時はやるのです。まだ本気を出し切ってはないですが。

>>285
ありがとうございます!!!


>>287
メリーゴーランドで見えなかったんですよ多分。

>>288
まだワンちゃんとのコラボはもうちょいだけ先です。しばしお待ちを。

>>289
自分も初心者なので……わからないです。

12:45



第7地区 モノレール駅前 バスターミナル周辺





部隊長「な、何て子達だ……あの魔物の群れを少しずつ押し返している……」



絹旗「絹旗キィィィックッ!!!!」ドゴォォォォォオオッ!!!



ブレイドA「グギャァァアアッ!!!!!」バキィィィッ!!!




フレンダ「ファイヤーッ!!!ってわけよー!!!」ドォォォンッ!!!!



ブレイドB「グギャァァアアッ!!!!!」ドゴォォォォォオオンッ!!!!

絹旗の窒素装甲と、フレンダの改造ロケットランチャーが、次々とブレイド達を撃破していく。

麦野・滝壷と別れた後、第7地区を捜索していた二人の目の前に、ブレイドの群れに苦戦している警備員達の姿があった為、参戦したようだ。





部隊長「あんな女の子達が戦ってんだ!!
俺ら警備員も負けてらんねぇぞぉぉぉお」ドドドドドドドドッ!!!!




「「「ウォォォォォォオオオオッ!!!!!」」」ドドドドドドドドッ!!!!




機関銃を装備した、何台もの軍用バギーに乗った警備員達が、ブレイドの群れに絶え間無く弾丸を撃ち込む。



弾丸はブレイドの群れを捉え、次々と肉の塊へと変えていく。

ブレイド「グガァァァァァアアアッ!!!!」ダンッ!!!



ドゴォォォォォオオッ!!!



しかし、一方的な攻勢もつかの間。



ブレイドの一体が飛び込んで来て、一台のバギーを殴りつけ、叩き壊す。
それをキッカケに、次々とブレイドが飛び込んでくる。





絹旗「超マズイです!!フレンダ!!
あの人達の援護をお願いします!!」ドガガガガガッ!!!



3体のブレイドを相手取り、格闘を演じている絹旗が、フレンダを警備員達への援護へと駆り立てる。

フレンダ「任せとけってわけよ!!!」チャキッ!!


フレンダが、どこからかスナイパーライフルを取り出し、警備員達に襲いかかろうとしているブレイド達に照準を合わせる。



フレンダ「フレンダ印の改造弾丸その1!!炸裂弾ってわけよ!!」


ダァンッ!!!



ドォォォォォォオオオンッ!!!!!



フレンダが放った弾丸は、見事ブレイドの一体に命中する。

ダァンッ!!!


ダァンッ!!!



休む間もなく、次々に弾丸を放ち、ブレイドへと一匹ずつダメージを与えていく。



部隊長「車を出せ!!止まったままじゃあ奴らのいい的だ!!」



ブォンッ!!


ギャギャギャギャッ!!!!



アクセルペダルを全開で、警備員達のバギーは移動を開始する。
ブレイドの群れは、散ったバギーを破壊する為に散開する。

フレンダ「おっちゃん!!私もその車に乗せてってわけよ!!」ダンッ!!



フレンダは、一台のバギーへと飛び乗る。



部隊長「俺はまだお兄さんって年なんだよ!!しっかり捕まってな!!」




フレンダの乗ったバギーは、バスターミナルのロータリーを回るように走り出す。
走るバギーの上で、フレンダは、一体ずつ、警備員達のバギーを追いかけるブレイド達を、ライフルで仕留めていく。

絹旗「くっ!!流石に三体同時に相手をするのは超キツイですね!!」ダンッ!!



ボゴォォォォオオオッ!!!



絹旗がその場から後退すると共に、ブレイドの一体が、アスファルトの道路を破って、地中から飛び出して来た。


どうやら、ブレイド達は、モグラのように地中を移動することができるようだ。




絹旗「また増えた!!4体同時は超無理ですよー!!!フレンダヘルプゥゥゥウウッ!!!」



絹旗の叫びが、バスターミナル中に響き渡る。

ギャギャギャギャッ!!!!




次の瞬間、一台の車が絹旗の近くに、滑るように止まる。



フレンダ「おっちゃん!!この機関銃借りるってわけよ!!」ジャキッ!!!



部隊長「構わねぇ!!ぶっ放してやんな!!」




ドドドドドドドドッ!!!!!




ブレイド「ガァァァァァァァアアッ!!!!」ドドドドドドドドッ!!!!



地中から現れたブレイドに、フレンダからの援護射撃が炸裂する。
致命傷にはならずとも、かなりのダメージは与えられているようだ。

絹旗「フレンダナイスタイミングです!!!うりゃぁぁああっ!!!」ブンッ!!!



バキャァァァァアアアッ!!!!


ゴキッ!!


窒素装甲の蹴りをモロに喰らったブレイドの首が180°近く捩れる。


そのまま倒れるブレイドの背後からは、3体のブレイドが。



絹旗「まだ追ってきますか!!そろそろいい加減にしてほしいです!!」コォォォオオッ!!



絹旗が、大量の窒素を自分の身の周りに集中させる。
身体の周囲に窒素を極限まで圧縮させることで、気体である窒素が液体化し、気体に戻ろうとする気化熱で、周囲の温度が急激に下がる。

絹旗「うりゃぁぁああっ!!!」ブンッ!!!ブンッ!!!


グシャァァァァアアアッ!!!


グシャァァァァアアアッ!!!



絹旗のパンチがブレイドの顔面を捉え、2体のブレイドの頭が凍って砕け散る。



ブレイド「グァァァァァァアアアッ!!!!」ダンッ!!



絹旗「むっ!?」



絹旗の背後に最後の一体が回り込み、爪を振りかざす。



絹旗「チェイサァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!


ドゴォォォォォオオッ!!!


そのまま背後に蹴りを放ち、ブレイドの胸当たりに叩き込むと、ブレイドの全身は凍りつき、砕け散った。

絹旗「ふぅ……何とか超片付きましたかね?」


部隊長「あぁ、残りの魔物も、仲間が倒したようだ。この辺にはもうあの魔物はいないみたいだな。
ありがとうな、お嬢ちゃんたち」



フレンダ「おっちゃん達も、そろそろ避難した方がいいってわけよ!!
こっちの仲間の話じゃあ、あの魔物が今回の襲撃の、最弱クラスらしいから、実戦慣れしてないおっちゃん達じゃあ勝ち目が無いわけよ!!」



部隊長「そうだな……そうかもしれねぇ。だけど、俺らはこの街を守るのが仕事なんだ。
仕事をほっぽり出して、尻尾巻いて逃げる訳にはいかねぇよ」

絹旗「でも、ホントにこれから超強力な魔物が出てくるハズです!!
そんなの相手にするのは、タダの犬死なんですよ!!無茶しないでください!!」




部隊長「優しいな、お嬢ちゃん達は。
心配するな。
上から援軍が来るって話もきてる。
俺らの今回の仕事は、そいつらや、君らみたいな能力者や戦士の援護さ」





バラバラに散った警備員達が、バスターミナルに集結してくる。
人数で言えば、30人ほどいるようだ。



部隊長「俺たちの部隊は、君らの援護に回るとするよ。
魔物を撃退して回るんだろ?
だったら都市を動き回る足が必要だ。乗って行きな」

13:00




第7地区→第6地区への高速道路



ブォォォォォォォォオオオッ……



絹旗とフレンダを乗せたバギーが、多くの警備員達を従えて突き進む。

目的地は、空に大きな穴が空いた第6地区の繁華街周辺。


生存者が居ないか、捜索する為である。



部隊長「あちこちで銃撃音や、爆発音が聞こえてきやがる……皆頑張ってるみたいだな」


絹旗「スクールの人達も参戦しているハズですからね。
特に、半蔵さんと駒場さんは、あんなトカゲにやられることはないでしょうし」

部隊長「ん?スクール?何だそりゃあ?」



フレンダ「(そういや、表向きは秘密だったわけよ)
警備員さん達が援護する予定だった人達のことなわけよ。
ようは、工業都市の緊急事態用の裏の組織なわけよ!!」



絹旗「ちょっとフレンダ。そんな超ペラペラしゃべっていいんですか?」ボソボソ


フレンダ「対魔王軍組織とは言ってないし、どうせこの都市を襲撃して来たんだから、向こうにはバレてんじゃないの?ってわけよ」ボソボソ



部隊長「へぇ、そんな組織があったんだな。まぁ、これだけデカイ都市なんだ。
闇に隠れた表に出てこない能力者のチームがあっても不思議じゃないな」



絹旗「まぁ、半蔵さんとかは、サバイバルとか表舞台に超出過ぎですけどね。能力は派手だし」ボソボソ

ドォォォォォォォォォオオオオオッ…………



次の瞬間、工業都市中に轟音が響き渡る。



絹旗、フレンダ達が辺りを見回すと、遥か遠くで、大きなビルや建物が次々と崩壊しているのが、高い位置にある高速道路の上から見えた。




部隊長「なぁ……もしかしてアレも魔物の仕業なのか?」



フレンダ「あんな芸当出来る人間なんていやしないわけよ」



絹旗「いえ……私は多分魔物じゃないと思いますけどね……何と無くですが……」



絹旗は、何故かスクールのメンバーの一人の顔を思い浮かべる。

片っ端からあんなに大きな建物を壊すなんて芸当、人間がやるとしたら、絹旗が知る限り一人しかいない。

部隊長「まぁ、今は向こうを気にしても仕方ない……。
話は戻るが、お嬢ちゃん達もそのスクールのメンバーなのか?
それにしては、そっちの茶髪の子はテレビで見たような……」



絹旗「いえいえ。私達は勇者麦野のお供みたいなものですよ。
仲間と合流する為に、この都市にやってきたんです。
あ、あと、サバイバルでも私は超活躍したんですよ?」エッヘン



部隊長「嬢ちゃん達、勇者のお供か!!そりゃあ頼もしいことだな。
そういやサバイバルの中継で嬢ちゃん見たな。
確かステイルとか言う奴に負けたんだっけ?」

絹旗「その話には触れちゃダメです!!」ガタガタ



フレンダ「あぁ!!絹旗のトラウマが蘇ってきてるわけよ!!」




部隊長「おっと、どうやら失言だったみたいだな。
……ん?何だアレは……魔物か!?」グッ!!



ギャギャギャギャッ!!!!



警備員の部隊長が、バギーのブレーキを踏むと、後続のバギーも続いて止まっていく。

そして、警備員達が、戦闘体制に入る。




絹旗「あれは……氷でできた魔物?何と無くさっきのトカゲに似てますけど……」


フレンダ「どうやら、こっからが本番みたいなわけよ……」ゴクリ……

高速道路の途中、大きな氷の塊がポツンと置いてあり、その氷の中には、傷ついた魔物の姿があった。



後に語られるが、この魔物は、先ほど絹旗達が目にした、ビル群の崩壊現場から、ここまで逃げてきた魔物である。





それは、氷で出来た身体を持ち、ブレイドと同じような姿形の魔物。


絹旗達が知ることは無いが、木原数多作、先ほど一方通行が撃破した魔物『フロスト』である。

どうやら『フロスト』は、かなりの数が都市内に入り込んだようだ。



一方通行は一撃で撃破したが、本来、そう簡単にあしらえる相手ではない。

ランクで言えば、Bランクの下位。





そう、下位とはいえ、Bランクだ。

フレンダ「ッ!?氷が割れるってわけよ!!」




絹旗「さて……鬼が出るか蛇が出るか……ってヤツですよね。この状況は」





ピキピキピキッ…………



パリィィィィィィンッ!!!!




氷が内側から破壊された瞬間、フロストの身体が突如消える。

絹旗「消えました!?一体どこに」キョロキョロ



ドォォォォォォォォォオオオオオンッ!!!!!



突如、後方に位置していたバギーが一台、空中に舞い上がる。
地表からは、氷の槍が伸び、これがバギーを飛ばしたようだ。


空中に舞い上がったバギーは、高速道路から外れ、そのまま地上に落下していく。


ドゴォォォォォオオンッ!!!!




バギーが大破する音と共に、氷の槍が割れ、フロストが氷の中から現れる。


そして、警備員達をジッと見つめる。

部隊長「ッ!?全員ソイツから離れろ!!!さっきのトカゲとは桁が違うぞ!!!」


ギャギャギャギャッ!!!!



警備員の部隊長が叫ぶと同時に、一斉にバギーが走りだす。


警備員達は一瞬で悟る。



コイツとまともに向き合えば殺される。




逃げるように、第6地区に向かう9台のバギーを、フロストが地表を滑るように追いかける。

部隊長「撃て撃てぇぇぇえっ!!!このままじゃあ第6地区に着く前に全滅だぞ!!」



ドドドドドドドドッ!!!!!



警備員達のバギーに備えつけられている機関銃が、追ってくるフロストを迎え撃つ。



弾はフロストに当たり、多少ダメージを負っているようだが、片っ端から修復されていく。



突然、フロストの姿が消え、後方のバギーの頭上に姿を表す。


そのままフロストの爪がバギーの警備員に襲いかかる。

フレンダ「そう簡単にはやらせないってわけよ」チャキッ!!



ドォォオンッ!!!



フレンダがスナイパーライフルを構え、空中のフロストへと炸裂弾を撃つ。



空中で被弾したフロストは、道路の上に転がり落ちる。




部隊長「やるじゃねぇかお嬢ちゃん!!銃の腕前はピカイチだな!!」



フレンダ「どうもってわけよ!!二ヶ月前に初めて使ったんだけどね!!」



部隊長「ハッ!!たった二ヶ月でその腕か!!そいつは恐れ入ったぜ!!」

ブォォォォォォォォオオッ!!!!!



バギーはひたすら第6地区に向けて、高速道路を進んでいく。



フロスト「…………グルルッ……」グググッ!!



シュンッ!!!



起き上がったフロストが、その後を追う。

13:15



部隊長「見えたぞ!!あれが第6地区へ降りる道だ!!」



フレンダ「ようやく着いた……早く降りるってわけよ!!」



絹旗「今のところ、さっきの氷の魔物が追ってくる様子はありませんね……。
でもいつ襲ってくるかわかりません。超急ぎましょう!!」



ブロロロロロッ……



9台のバギーが、最初に魔物が出現した第6地区へと入る。

13:30



第6地区 繁華街



絹旗「こ、これは……酷いですね……」



フレンダ「……結局こういうのを地獄って言うわけよ」


部隊長「クソ……こんなところに生存者なんていんのかよ……」



絹旗・フレンダ・警備員達が辿り着いた第6地区の繁華街は、死臭と至る所から上がる破壊された建物からの黒煙と、原形を留めていない死体の山に覆われていた。

絹旗「……どうやらこの辺りには生存者は居ないようです……。少し移動しましょう。
こんな所にずっと居ると、超気が滅入ります」



部隊長「そうだな……ここから少し離れた所に、遊園地がある。
もしかしたら、そこに隠れている生存者が居るかもしれん。そっちに行ってみるか……」






ダンッ!!!!!





フレンダ「……どうやら、すんなり進ませてはくれないみたいなわけよ」




フロスト「グルルッ…………」



フレンダの見つめる先には、ビルの屋上から、太陽を背にこちらを見下ろすフロストの姿があった。


とうとう、高速道路での戦闘後から、ここまで追いついてきたようだ。

絹旗「超しつこいですね!!ここらで決着つけてあげましょうか!!」コォォォオオッ……



絹旗が、窒素装甲Ver2へと能力を発動する。


フレンダ「こういう入り組んだ所なら、私の長所が活かされるってわけよ」スッ……


フレンダは、どこからかロケットランチャーを取り出す。



部隊長「全員、戦闘準備だ!!嬢ちゃん達の援護に回れ」



警備員達は、散開して絹旗達の援護に回る。





フロストの身体が細分化され、その姿を消えた。

投下終了です。


次回もVSフロスト戦となります。



ちなみに13:00時点でやらかしたのは、半蔵です。
後々出てきます。



それでは、また次回。おやすみです。

乙!
部隊長△

なんか半蔵、心理定規強すぎだし削板弱いな


フレンダが活躍してるだと……


>>321
削板さん強いだろ
エグドラシルぶん殴ってたじゃんよ



フロスト△

絹旗さん得意のお色気で
フロストをクリスタルに(ry

乙!
ところでバギーの編成って一台三人くらい?

こんばんわ、1です。


とりあえず、VSフロスト決着をお届けします。


>>320
何気に活躍してますよ部隊長。
名前が無いのが残念です。


>>321
削板普通に強いですよ?半蔵より。
1が出れば半蔵の勝ちですけど。

>>322
フレンダ大活躍っすよマジで。

>>323
絹旗のお色気レベルじゃあ…………

>>324
バギーは最大4人で。警備員は3人で乗ってます。
残りスペースは救助用みたいな感じで。

ズシュッ!!!



「グァァァァァァアアアッ!!!」パキパキィッ……



突如、絹旗達の背後から、援護に回っていた警備員の悲鳴が聞こえる。

振り返ると、フロストの爪に切り裂かれ、傷口から酷い凍傷にかかり、倒れている警備員の姿が。




フレンダ「コイツ、空間移動みたいな技を使うわけよ!!」


絹旗「くっ……お前の相手は私です!!このトカゲ野郎!!」ダッ!!!



冷気を纏った絹旗が、フロストの元へと突っ込む。



フロスト「グルァァァアアッ!!!」ダンッ!!!


それを見たフロストも、絹旗へと走りだす。






バキィィィィィイイッ!!!!



絹旗の蹴りとフロストの爪が、交差する。

絹旗「おりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃりゃっ!!!!」バババババババッ!!!!


ドガガガガガガガガガガガガガガッ!!!!


フロスト「グルァァァァァァアアアッ!!!!」ババババババババッ!!!!





初手の交差をキッカケに、互いに激しいラッシュが繰り広げられる。


二ヶ月前、ジャミラスにコテンパンにやられた格闘戦も、削板との特訓のお陰で、飛躍的に上達しているようだ。

フロストとの接近戦の優劣は、今のところ存在しない。

フロスト「ガァッ!!!」バッ!!


フロストが、両手の爪を絹旗に向ける。
その瞬間、爪が一瞬で大きなツララへと変化する。



ドドドドドドドドドドドドッ!!!!


フロストは、そのツララを、ミサイルのように絹旗へと撃ち出す。



絹旗「ほっ!!」ダンッ!!!



絹旗は高くジャンプし、ツララを避ける。
そしてそのまま、地上のフロストへ落下しながら蹴りを加える。


フロストは、新しく生えた両手の爪で蹴りをガードし、闘いは仕切り直しに戻る。

フレンダ「絹旗!!!」


絹旗「ッ!?うりゃぁぁああっ!!」バキィッ!!!



フレンダの掛け声と共に、絹旗が全力でフロストの左爪を思いっきり蹴飛ばす。


フロストの左手が、完全に無防備となる。




フレンダ「ファイヤーッ!!!!」ドォォンッ!!!!


絹旗「ハァッ!!!」ダンッ!!



荒れ果てた小さな建物の2階から、フレンダがロケットランチャーを発射するとほぼ同時に、絹旗が横っ跳びでフロストから離れる。

フロスト「ッ!?」バッ!!



左手を完全に無防備にされたフロストは、残った右手でロケットランチャーから身を守る。



ドゴォォォォォオオッ!!!!




見事、フレンダのロケットランチャーが命中した。




命中した場所からは、黒煙が立ち昇っている。



フレンダ「さぁ……種は蒔いてあげたわけよ。喰いつくかどうか……」ポイッ……



フレンダは、ロケットランチャーをその場に捨て、ジッと辺りを警戒する。

地上では、黒煙の中に警戒する絹旗の姿が見える。



フロストはあの攻撃で撃破出来たのだろうか?

それともまだ、あの場所で堪えているのだろうか?


それとも……。



フレンダ「ッ!?」


フレンダが見つめる、黒煙の晴れた先には、フロストの姿はない。
その瞬間、ふと、背後に気配を感じた。






フレンダ「HIT!!!!」バッ!!!


フロスト「ガァッ!!!!」ブンッ!!!


フレンダが咄嗟にしゃがみ込むと、その上を勢いよくフロストの左爪が空振りした。
右手が消失していることから、フレンダの攻撃をガードしたことで砕けたのだろう。

フレンダが一瞬でもしゃがみ込むのが遅れてれば、まともに氷の爪を喰らっていただろう。


フロストがこちらに空間移動もどきで向かってくることを想定していたからこそ、出来た動きである。



フレンダ「フッ!!!」チャキッ!!!



パラララララッ!!!



フロスト「ッ!?」ダダダダダダッ!!!



しゃがみ込んだ体勢から、フレンダはサブマシンガンを撃ち、フロストはそれをガードする。



フレンダ「とりゃー!!!」ダンッ!!!


その隙に、フレンダは建物の窓から飛び出し、建物を脱出する。

フロスト「ッ!?」グッ!!



フロストが窓からフレンダを追いかけようと、窓に左手をかける。





フレンダ「アンタはそこでおネンネしててってわけよ!!!」カチッ!!




落下しながら、フレンダはスイッチのようなモノを押す。
その瞬間





ドゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオンッ!!!!!!!





フレンダが飛び出し、フロストが残っていた建物から、凄まじい爆発が起きた。

ゴォォォォォォォォォォォォォオオッ…………



フロストを残した建物が、凄まじい炎を上げている。




絹旗「また超無茶しましたねぇ、フレンダ。
自分を囮にアイツをおびき出して、爆破するなんて」



フレンダ「あれくらいなら、朝飯前なわけよ。
削板船長に爆弾の使い道ってものを嫌と言うほど教わったんだから」



部隊長「凄まじい強さと度胸だな……その年でどのようにすればそこまでの実力が」




絹旗「気を抜くのは早いですよ、部隊長さん」


部隊長「ん?」



フレンダ「あれくらいで倒しきれるなら、今まで私達は苦労してないわけよ」

ドゴォォォォォオオッ!!!!!!



炎に包まれた建物が崩壊する。


バッ!!!


ダンッ!!!!



フロスト「グルルルッ…………」ゴォォォォオオッ……



その中から、炎を身に纏ったフロストが飛び出し、着地すると、ゆっくりと歩みを進める。



部隊長「何とも面妖な……氷の身体に炎が……しかも全く気にもしてないとは」



絹旗「これくらいの火力じゃあ、アイツの氷は溶けないみたいですね。
やっぱり、ワンちゃんに超近いランクの氷系の魔物みたいです」



フレンダ「だとしたら、トドメは絹旗じゃないと無理なわけよ。
私の手持ち武器じゃあ、あのランクへの決め手にならないわけよ」



炎を纏ったフロストが、絹旗、フレンダへと突っ込んでくる。

絹旗「オリャァァァアアッ!!!」ブンッ!!!


絹旗は、フロストへとカウンターを決める勢いで、回し蹴りを放つ。


しかし、蹴りが当たる寸前に、フロストの身体が消える。


ダンッ!!


フロスト「グルァァァアアッ!!!」ブンッ!!!


絹旗「くっ!?」バッ!!


バキィィィィィイイッ!!!!!



絹旗の背後で、再結合したフロストの爪が、絹旗へと襲いかかるが、すんでのところで絹旗がガードする。

部隊長「撃てぇぇええっ!!!」



ドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



さらに追い打ちをかけようとするフロストへ、警備員達からの一斉射撃が襲いかかる。

ただの弾丸とはいえ、30人近くという、これだけの人数から放たれた弾丸は、容易にフロストを怯ませる。



フロスト「ガァァァァァァアアアッ!!!!!」ダンッ!!!



パキィィィィィィィィィィイイインッ!!!!!


たまらず、フロストは自身の周りに、厚い氷の壁を作り出し、弾丸から身を守る。

引き続き、銃撃は続いているが、銃弾程度では、この氷の壁はビクともしない。

フレンダ「だったら更にパワーアップってわけよ!!」ジャキッ!!!



ドドドドォォォォオオオオオオオオッ!!!!!



4連ロケットランチャーを構えたフレンダが、一気にロケット弾を撃ちだす。



その圧倒的な火力は、フロストの作り出した氷の壁を、たやすく破壊した。




絹旗「ナイスアシストですよ、フレンダ、皆さん!!!」コォォォォオオッ……



絹旗が、右手に全ての窒素装甲を集中させている。
ジャミラスを倒した、一点集中、一撃必殺の窒素装甲パンチである。



フロスト「ガァァァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!!



先手必勝と言わんばかり、フロストの氷の爪が、絹旗へと突き出される。

絹旗「まだ一対一じゃあワンちゃんレベルのBクラスには敵わないかもしれませんがねぇ!?
ここまで超フォローしてもらったら、さすがに勝つしかないでしょう!!!」ブンッ!!!



パキィィィィィィィィィィイイインッ!!!!


絹旗の拳が、爪を砕き、フロストの顔面を捉える。




絹旗「いっけぇぇぇぇぇぇええええっ!!!!!」


ドゴォォォォォオオッ!!!!!

パキィィィィィィィイイイッ!!!!


そのままフロストの顔面を殴ると、顔面の部分は完全に砕け、クルクルと回転しながら、朽ち果てた建物に激突し、フロストは絶命、霧散した。

絹旗「…………ふぅ、超ギリギリのタイミングでした」ヘタ……




絹旗が、地面に座り込んで一息つく。

窒素装甲という、強力な能力があろうと、まだ13歳の女の子なのだ。死闘と後に、緊張の糸が切れてしまうのも無理もない。



フレンダ「お疲れ様ってわけよ、絹旗」


部隊長「よく頑張ってくれたな、お嬢ちゃん。ホラ、立てるか?」スッ



絹旗「は、ハイ。その、超ありがとうございます」


絹旗は恥ずかしそうに部隊長の手を取り、立ち上がる。




部隊長「どうやら、この辺りには、もう生存者も魔物もいないみたいだな。

遊園地に向かおう。
逃げ遅れて隠れている人がいるかもしれないからな」



バタンッ!!

ブロロロロロッ……


絹旗・フレンダ達を乗せたバギーの列は、少し離れた遊園地へと向かう。

投下終了です。


VSフロスト戦終了です。


まぁ、フロストはこれからもいろんなところで出ますが、他の戦いはアッサリしてます。


次回の投下で、絹旗・フレンダ・部隊長編の第一ステージが終了の予定です。
ではおやすみなさい。

>>341
おつです、絹旗かわいい

>>1

フレンダすげー


上で削板が?ってあるけど
ゲストキャラみたいだし名前くらいしか出ないんじゃないの
覚醒フラグっぽいの出してたけど



とりあえず1は浜面と共に
愉オブにされますよ

1も浜面も絹旗の色気に理解
ないし

まあぶっちゃけないけどねぇ


フロスト後半ショッカー的ポジションになってまうん?

あ、それと一応コテつけてくれると嬉しい
県名表示なくなったみたいだし

乙でした

1です。

>>347
コテってよくわからないのでよかったらどなたか教えてください。

こんな感じかな?1です。

こんばんわ、1です。

>>342
あげませんよ?w

>>343
プロローグ以降ロクに活躍してなかったので今からドンドン前に出てきます。

>>344
削板はお助けキャラみたいなもんですからねぇ。
ピンチの時にやってきますよきっと。

>>345
あと5年すれば、相当悪い子になりそうですよね絹旗。

>>346
まぁ、量産型の宿命ですよね。

>>348
ありがとうございます!!!!




それではゆっくりいきます。
今日は、フレンダのフレンダによるフレンダの為の投下です。

割とマジで。

13:40


第6地区 遊園地




絹旗「うわぁ……凄い光景ですねぇ、これ……」


フレンダ「どうやら相当強い能力者が、ここに居たみたいなわけよ……」



部隊長「やっぱり能力者ってのは次元が違うものだな……。
これだけの数の、あのトカゲ野郎を倒すとは……」




遊園地に到着し、園内へと突入した絹旗達の目の前には、何百というブレイドの死体が園内に散らばっている光景が見えた。


死体の損傷パターンは様々で、凄い力で殴られたモノ、頭が綺麗に消えているモノ、凄い圧力を叩き込まれたようなモノ、そして、一番多いのが、黒コゲになっているモノであった。

絹旗「これ超黒コゲ死体は、火じゃないですね……。
となると電撃系統……美琴の仕業ですね……」



フレンダ「ということは、他のいろんなパターンの死体は、インデックスや上条ってわけよ。
上条達は、この遊園地に居たわけね」



部隊長「ん?知り合いなのか?こいつ等を倒したヤツ等と」



絹旗「恐らくですけどね。
上条達が居たとしたら、恐らくここの生存者は、上条達が皆超避難させたと思います」


部隊長「そうか……無駄足だったっぽいが、まぁいいだろう。
よし、次行くぞ。次は大型ショッピングモールだ」

部隊長の指示を聞き、何人かの警備員達は、出発の準備の為に、乗って来たバギーへと戻っていく。




絹旗「ショッピングモールですか。もしかして、ここから見えるあの大きな建物ですか?」



部隊長「あぁ、あそこは通常災害時の緊急避難場所になっていてな。
もしかしたら、まだ彼処に隠れている人間がいるかもしれない」



フレンダ「なるほど。余り魔物が暴れた様子も見えないし、もしかしたらいるかもってわけよ」

ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!



絹旗「ッ!?」バッ!!

フレンダ「ッ!?」バッ!!



不意に、遊園地の駐車場の方から銃声が鳴り響いた。絹旗とフレンダは、一瞬で警戒態勢に入る。



部隊長「おい!!どうした!!状況を報告しろ!!」





ザザッ……ザー……


ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!


「隊長!!!な……かよくわからな……黒……影……」



ザー、ザザッ……ザザッ……




部隊長「チッ!!無線がやられてる!!
全員、駐車場へ戻れ!!襲撃されているぞ!!」ダッ!!!

13:45



駐車場



バギーを止めてあるこの駐車場には、遊園地に遊びに来ていたお客の車が多数並んでいる。


その駐車場に乱暴に停められたバギーの側に、出発の準備を行っていた9人の警備員が倒れていた。



ダッ、ダッ、ダッ



部隊長「全員、周りを警戒しろ!!おい、大丈夫かお前等!!」



部隊長が倒れている一人に声をかける。

「う、うぅ……隊長……」



どうやら生きているようだ。
他の倒れている隊員も生きているようである。




部隊長「生きてたか。一体何があった!?魔物か?」



「ハイ……何か黒い靄に包まれた獣みたいなのが……た、隊長!!アレです!!」



傷ついた隊員が、力を振り絞って指を指す。




絹旗「……何ですかねぇ、アレは。シルエットとしては超ネコっぽいですけど……」



フレンダ「シルエットって言っても、モヤモヤしてるからわかりにくいってわけよ……」

駐車場の車の間を抜けるように、黒い靄のようなものに覆われた、大きなネコ科の動物のような魔物が、ゆっくりと歩いている。



その正体は、現世に出現する為に影を媒介にし、自らの力のコアを、魔力を宿した影で包み、ネコ科の姿を象っている魔物『シャドウ』である。(DMC)



その目は大きく赤く光っているが、こちらには、興味があまりなさそうだ。

というより、背伸びをしたり、のんびり歩いたりと、まるでネコである。

「アイツ……俺らの前にいきなり現れて、一通り暴れたと思ったら、飽きたように向こうへ行ったんです……。

だから、誰も死んではいないハズですが……何が目的なんでしょうか?」



部隊長「さぁな……好戦的ではないということか?
しかし、襲ってきたのは向こうからと言うし……」チャキッ……



サッ、ササッ!!


ダッ、ダッ、ダッ!!


部隊長のサインで、警備員達が、駐車場内に散開する。
敵ではあろうが、今の時点で攻撃を加えてよいのやら……部隊長は、判断に迷っていた。




その時、シャドウがこちらの気配に気づき、大きな赤い目でこちらを見ていた。

部隊長「気づかれたか!?全員撃てぇぇぇぇええ!!!」



ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!



部隊長の叫びと共に、警備員達の一斉射撃が始まる。



影を纏った身体に次々と銃弾が当たり、シャドウは大きく怯んでいる。




部隊長「よし!!効いているぞ!!そのまま攻撃を緩めるな!!」


ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!



警備員達の銃撃は絶えることなく続いている。




しかし、銃撃を受け続け、怯んでいたシャドウの姿が、いきなり溶けるように消えていった。

絹旗「消えた……皆さん!!気をつけてください!!どこから来るかわかりませんよ!!!」




駐車場に散開する全員に、緊張が走る。



この魔物も、移動系の能力を持っているようだ。
となると、この障害物の多い駐車場は、いささか不利かもしれない。



絹旗「むぅ……一体どこに隠れてるんでしょうかねぇ?」


シャドウ「…………」ズルズルゥ……



そう絹旗が呟いていると、絹旗の背後にあった、絹旗自身の影から、ゆっくりとシャドウが這い出てきた。
絹旗はまだ気づいていない。

ビキビキビキッ……



シャドウが影の身体の一部を変形させて、尻尾から大きな槍を創りだす。



グググッ…………


槍の先端が絹旗に照準を合わせる。




フレンダ「絹旗!!!前に思いっきり飛ぶってわけよ!!!」ジャキッ!!!!!



ロケットランチャーを構えるフレンダの掛け声と共に、絹旗は前に飛び込んだ。



バシュッ!!!


その瞬間、絹旗の背後から、凄まじい勢いで槍が放たれる。

絹旗「!?い、いつの間に!!」バッ!!



転がった絹旗は、体勢を整え、すぐにその場を離脱する。



それを追うように、シャドウの尾槍が伸びていく。



フレンダ「そうはさせないってわけよ!!!」ドォォォンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!



ロケット弾が、シャドウの横っ腹に炸裂し、シャドウは吹っ飛んでいく。
しかし、その姿は再び見えなくなってしまった。

フレンダ「全員影に気をつけるってわけよ!!相手は影を通して移動してくる!!
もちろん、自分自身の影も使ってね!!ってわけよ!!」



絹旗「そ、そんなこと言っても……音もほとんど超無かったのにどうやって気をつければいいんですか!!」





フレンダ「勘!!」


絹旗「勘!?」





フレンダの適当な対抗策とは裏腹に、部隊長が冷静に指示を出す。




部隊長「こっからは常にツーマンセルだ。常にお互いの背後に注意しておくこと。
そして、周りの影にもだ。
こっちの攻撃は効いていた。先手を取れば、勝ちも見えてくるハズだ」




流石に、戦術に関しては、この部隊長の方が上なようだ。

経験と年の功であろうか。

絹旗「流石です!!大事な時に使えないフレンダとは超大違いです!!」



フレンダ「絹旗!?さっき助けたのはどこの誰だってわけよ!!」ガーン!!


シャドウ「…………」ソー……


そしていつの間にか、フレンダのすぐ後ろにシャドウがいた。




部隊長「遊んでる場合か!!後ろだ金髪嬢ちゃん!!」チャキッ!!



ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!


シャドウ「ギャウッ!!!!」


フレンダの影から現れたシャドウに、部隊長の銃撃が炸裂する。

絹旗「調子乗ってるからですよフレンダ!!!」ダンッ!!



絹旗が、フレンダの背後のシャドウに向かって飛び込む。すでに、Ver2を使用済みである。



絹旗「うりゃぁぁぁぁああああっ!!!!!」ブンッ!!



ガキィィィィィィィィイイッ!!!!


絹旗が渾身の蹴りをシャドウに放つが、何やら鈍い音がした。

絹旗「け、蹴りが通らない!!!どういうことですか!?」



シャドウの影の身体に不思議な紋様が浮かび上がり、絹旗の蹴りは、この紋様に阻まれ、完全に防がれている。



この時、絹旗は、完全に無防備である。




つまり






シャドウ「ガァァァァァァアアアッ!!!!!」ガパァッ!!!!


絹旗「ヒッ!?」


肉食獣の様に大きく口を開け……というか、身体が変形して大きな口みたいになって、シャドウが絹旗を喰らいにかかる。


攻撃が完全に通じず、呆然としている絹旗は、ただただその姿に怯えている。

部隊長「撃てぇぇぇぇええっ!!!!」



ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!


部隊長の掛け声と共に、一斉射撃が放たれる。


それをまともに喰らい、再びシャドウは、逃げる様に影の中へと溶けていった。



部隊長「平気か嬢ちゃん!!」



絹旗「だ、大丈夫です……だけど、私の攻撃が……」


フレンダ「見てたってわけよ。銃撃は効くのに何で絹旗の攻撃旗効かないってわけよ」ハテ?

部隊長「打撃だからダメなのか、能力だからダメなのか……。
とにかく、この嬢ちゃんはアイツとの相性が悪いな。一旦下がってろ」




絹旗「うぅ……」



ちなみに絹旗の攻撃が効かなかった答えは、シャドウの影は強力な対魔力の防護術が組み込まれている為、能力による攻撃は全く通用しないからである。



仮にシャドウが御坂や麦野等と当たっていれば、二人はなす術も無くやられていたであろう。

駐車場内に緊張が再び走る。



あれから数十秒の間、シャドウは全く姿を現さない。
撤退したのか、様子を見ているだけなのか。


どちらにせよ、ここであの魔物を倒さなければ、自分達は先に進めない。



警戒進軍の先頭を務める部隊長は、慎重に駐車場内を索敵する。






ズシュゥッ!!!!



「グァァァアアッ!!!!」


突如、後ろの方から悲鳴が上がる。


全員がその方向に注目すると、既にシャドウの姿は無く、斬りつけられた警備員の一人が、苦痛に顔を歪め、倒れていた。

「ガァァァアアッ!!」



「ウッ!!!」



「ギャァァァァアアアッ!!!!」



駐車場に散開したことで、至る所から警備員の悲鳴が上がる。
どうやら、本格的に向こうはこっちを狩りに来たようだ。




フレンダ「…………」ゴソゴソ……



悲鳴があちこちで上がる中、フレンダは側にある白い高級っぽい車に何か細工をしている。

フレンダ「……よし、仕込みはこれで大丈夫なわけよ。
あとはタイミングさえあえば……ッ!?」ゾクゥッ!!



纏わり付くような殺気を感じ、フレンダはその場から、近くの車の上に飛び乗る。



その瞬間、今まで車の影だと思っていたモノから、影で創られた刃物がフレンダを喰らうように、ガシャンッ!!と挟みこんだ。




シャドウ「グルルッ……」スゥ……


フレンダ「ッ!!」ダンッ!!



シャドウが地面から現れる。
そして、そのまま尾を槍に変形させ、フレンダが乗っていた車をグシャリと突き刺す。
フレンダは、すんでの所で他の車の上に飛び移り、躱す事ができた。

フレンダ「本気で攻めてきたわけね……相手してやるってわけよ!!!」チャキッ!!



フレンダは、どこからか取り出した二丁のハンドガンを構える。



パン!!パン!!パン!!パン!!



一発一発を確実に、シャドウの赤い目を狙いながら、フレンダは撃ち続ける。


しかし、あの目は飾りなのだろうか。何発か当たったハズだが、特に目立った反応はない。


そうこうしている内に、シャドウが尾の槍を、他の影の中へと溶け込ませる。

ドォォオオンッ!!!!



その瞬間、フレンダの側にある一台の車が、下から突き上げられた影の槍によって跳ね上げられた。



フレンダ「わぉ……すんごい威力ってわけよ!!」ダンッ!!!



ドォォオオンッ!!!


ドォォオオンッ!!!


再び、フレンダは車両の上を、前後左右ランダムに飛び移り続ける。


フレンダの後を追いかけるように、影の槍は車を次々と貫いていく。

部隊長「調子乗ってんじゃねぇ!!!」チャキッ!!


シャドウ「ッ!?」シュンッ!!



ダダダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!



部隊長がシャドウに銃撃を放つが、シャドウは影の中へと逃げ込む。


シャドウ「ガァァァアアッ!!!!!」ダンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!


そして、今度は本体ごと、車両を突き上げ、フレンダの前に現れた。
どうやら、今の狙いはフレンダのようだ。

フレンダ「なるほど……先に警備員の人達を動けなくして、動き回る私は、直々に仕留めるってわけね」ジリッ……


ダンッ!!


シャドウが、車の上で高く飛び上がり、影の身体を大きな剣に変形させた。


そして、そのまま回転しながら、フレンダへと高速で向かっていく。


ドゴォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



フレンダが上に乗っていた車は、真っ二つに破壊された。
すんでの所で、フレンダは別の車両の上に移っている。

フレンダ「隊長さん!!今は援護はいいからバギーをこっちに持って来てってわけよ!!!」ダンッ!!



フレンダは、全力疾走で車の上を移動する。
その背後には、ネコのようなしなやかさで、追ってくるシャドウの姿が。




部隊長「あぁ、わかった!!死ぬなよ嬢ちゃん!!」ダッ!!



部隊長は、少し離れたバギーへと向かう。

ドォォォォンッ!!!

ドォォォォンッ!!!


ドォォォォォォォォオオオンッ!!!!!



フレンダはひたすら逃げる。
シャドウはひたすらフレンダを追い、次々と攻撃を放つ。

両者の攻防は長く感じられたが、実際はホンの数十秒の話である。


フレンダ「あった!!私が仕掛けた車!!」ダンッ!!バッ!!



先程、フレンダが何かを仕掛けていた白い高級車が見え、その車に向かってフレンダが走りだす。



背後からは今にも追いつきそうなほど、近くにシャドウが迫っている。


そして、シャドウがフレンダの何かを仕掛けた白い高級車の上に乗った。

フレンダ「よし!!今……ッ!?」



シャドウ「グルァァァァァァァァアアッ!!!!」バシュウッ!!!!



その瞬間、シャドウが白い車の上で身体を変形させ、身体全体が槍のように変形し、一瞬でフレンダへと伸びる。


ザシュッ!!!




フレンダの乗っていた車が、勢いよく、槍に貫かれる。

シャドウ「……ガッ……」プルプルッ……


フレンダ「……ち、ちょっと今のはチビりそうだったわけよ……」ダラダラ……





影でできた槍の上では、フレンダが逆立ちの状態で止まっていた。

手で掴めるほど硬質化した影の槍を、フレンダはすんでの所で跳んで躱し、そのままとっさに槍を掴んだのだ。



シャドウは、何故かその場でプルプルと震えて動けない。








フレンダ「ん?もしかして、影を掴まれたら動けなくなるわけ?

それは儲けなわけよ……。マジで死ぬ思いした甲斐があったわけよ!!」カチッ!!




影を掴んだ状態のまま、フレンダは、仕掛けのスイッチを押す。

次の瞬間、轟音と共に、シャドウが乗った白い車が爆発を起こした。





シャドウ「ァァァァァァァァァアアアアッ!!!!!」



爆発に巻き込まれたシャドウが、今までに無いほどの雄叫びをあげる。
それと共に、シャドウを覆っていた影が外れ、何やら球体のようなモノが現れる。




フレンダ「何アレ……あれはあの魔物の核ってわけ?」



フレンダはその球体をじっと見る。今までに見たことの無いパターンだ。
あれをどうするべきか……。




ここで不意に、削板船長の言葉が蘇る。




『悩むなら、根性の限り、攻撃だ!!!』 by削板 軍覇










フレンダ「了解、船長ォォォォオオオッ!!!!」ジャキッ!!!


フレンダは、改造4連ロケットランチャーを取り出し、照準をシャドウの球体へと向ける。




ギャギャギャギャッ!!!!


部隊長「持ってきたぜお嬢ちゃん!!!何やら派手にやってんじゃねぇか!!!」


そこに、部隊長がバギーに乗って現れる。

フレンダ「ナイスタイミングなわけよ隊長さん!!あの球体をその銃で撃ちまくって!!!」



部隊長「任しときなぁっ!!!!」ジャキッ!!!




部隊長が、バギー機関銃の銃座に着く。





フレンダ「ファイヤーッ!!!!!」ドドドドォォォォォオオオオオオオッ!!!!!



部隊長「ウォォォォォォォオオオオッ!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!




フレンダと部隊長の攻撃が、一斉に行われる。






ここから数秒の間、シャドウの核である、球体は、凄まじい攻撃を浴び続けているが、未だ破壊される様子はない。


効いてはいる。ただ、あと一歩、火力が足りないのだ。

絹旗「火力と言ったら私の超出番でしょうが!!!」ダンッ!!!!!


フレンダ「絹旗っ!?」



ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!


絹旗が、思いっきり高く飛び上がり、シャドウに向けて飛び蹴りを放つ。



影に覆われている時と違い、この球体には、絹旗の能力が効いているようだ。
球体にヒビが入る。




絹旗「あと一撃ぃぃぃぃぃいいっ!!!」ブンッ!!!


ガキィィィィィィィィイイッ!!!!

絹旗「なっ!?」グググッ……



ブワァァァァァァァァァアアアアッ!!!!!



絹旗の拳は、シャドウの影によって防がれる。

どうやら時間切れのようだ。

影が集まり、シャドウの姿が再生しようとしている。





ピンッ……


フレンダ「ホッ!!」ポイッ!!


フレンダが何やら缶のようなものをシャドウに投げつける。


その缶のようなものは、シャドウの影とともに、シャドウの中に入っていった。

5



再生が完了し、シャドウが元の影に覆われたネコ科の姿に戻る。



4


部隊長「お嬢ちゃん!!!早くソイツから離れろ!!」



3



絹旗「クッ!!!このっ!!離してください!!!」グッ!!グッ!!



絹旗の腕を、シャドウの影の一部が掴み、離さない。



パキパキパキッ!!


そして、シャドウは、絹旗を喰らおうと、大きな肉食獣の口に姿を変える。





2




部隊長「お嬢ちゃん!!!クソッタレ!!!」ジャキッ!!

部隊長は、機関銃をシャドウに向ける。

フレンダ「隊長さん!!衝撃にそなえて!!!
絹旗!!!全力で窒素装甲を防御に集中っ!!!急いで!!!」




1



部隊長「!?わ、わかった!!」バッ!!!


絹旗「!?は、ハイ!!!」バッ!!!



絹旗の窒素装甲が防御特化型に切り替わる。
主に、熱風、爆風や、衝撃に備える為のタイプである。


しかし、能力を無効化するシャドウの攻撃に、窒素装甲は耐えられるのだろうか?



シャドウは、大きな口を開ききり、絹旗に襲いかかる。



絹旗「ヒィッ!!」



絹旗は、目を瞑り、ジッと固まる。








0













フレンダ「……bomb……♪」



シャドウ「ガァァァァァァアアアアアッ!!!!」ガバァッ!!!!!





カッ!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!

絹旗を喰らおうとした正にその瞬間。

突如、シャドウの内側から、凄まじい爆発が発生し、駐車場を衝撃波が走った。





シャドウ「ァァァァァァァァァアアアアッ!!!」



再び、シャドウの影が吹き飛び、核の球体が出現する。




絹旗「…………へ?」パチクリ



絹旗は、何が起こったかわからないまま呆然と立っていた。

フレンダ「絹旗!!!トドメトドメッ!!
アンタしか無理なわけよ!!!早く!!!ハリー、ハリー!!!」


絹旗「は、ハイィィィィッ!!!!!」ビクゥッ!!!



フレンダの叫び声で、絹旗は我に帰る。




絹旗「ウリァァァァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!



パリィィィィンッ!!!!



シャドウ「ギャァァァァァァァアアアアッ!!!!!!」シュゥゥゥゥゥウウッ…………




絹旗の拳が、今度こそシャドウの核を砕いた。



その瞬間、シャドウの核や影が霧散し始める。

フレンダ「ちょっとまったぁぁぁぁぁあああっ!!!!!オリャアッ!!!」ポイッ!!





フレンダが、某国民的携帯ゲームのように、クリスタルをシャドウに投げつける。


ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!


シャドウ「アアアアアアアアアァァァァ…………」


ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



その瞬間、凄まじい勢いで、クリスタルにシャドウの魔力が吸い込まれていき、あっと言う間に封印してしまった。





フレンダ「やったー!!!魔物初ゲットってわけよぉぉぉおお!!!!
これで私も能力使えるわけよぉぉぉおお!!!」ヒャッホー





フレンダは、シャドウGETに狂喜乱舞している。

絹旗と部隊長は、相変わらずポカーンとしている。

部隊長「お、お嬢ちゃん。ちょっといいか?
何があったんだ今?あの魔物が急に爆発したところとか……」




フレンダ「ん?あぁ。あの魔物の影が再生しきる前に、フレンダ印の改造武器その2『超強力改造手榴弾』を投げ込んでたわけよ。

影が再生しても、内側から、あれだけの爆発が起これば、また影が外れるかなって思って」




絹旗「ち、超ビックリしたじゃないですかぁぁぁあああ!!!!!
いきなり目の前で超大爆発ですよ!?普通だったら5回くらい死んでますよ!!!」



フレンダ「だから、窒素装甲の防御特化型にしろって言ったわけよー。
あれなら至近距離の爆風にも、今の絹旗なら耐えられると思ったから。
……まぁ、半分賭けだったわけだけどさ」テヘペロ♪

絹旗「ふ、フレンダァァァアアッ!!!超殺す!!!100歩譲って、そのクリスタル私に下さい!!!
あの魔物超強かったから超使いやすそうです!!!」ダッ、ダッ、ダッ



フレンダ「ハッハッハァー!!そうはいかないわけよー。遂に念願の能力なんだから」ダッ、ダッ、ダッ





遊園地の駐車場で、フレンダと絹旗が追いかけっこをしている。

さっきまで死闘が行われていた場所で、何とも言えない精神力である。




部隊長「やれやれ……この子達は大物になりそうだな。
さ、俺は部下を集めに行くか。どうやら軽く動きを封じられただけで、皆生きてるみたいだしな」



ちなみに、フレンダがシャドウに、なぜ警備員達を殺さなかったかを聞くと、男はマズイから喰いたくない、だそうな。





フレンダ「お前のご飯は、今度から生の鯖ってわけよ」


シャドウ「ガルルッ!!!!(物足りないっす!!!)」

13:55


遊園地 駐車場


フレンダ・絹旗・警備員隊25名


第1ステージクリア



<ゲット>


フレンダ→シャドウ<DMC>


ランク Bの最上位クラス






Next Character


12:45


第7地区 ヒューズ・カザキリ


佐天・??ペア→??グループ

投下終了です。


主にフレンダVSシャドウ戦でした。


ようやくクリスタル設定が活用されてきました。使われるのはかなり先ですが……。


とりあえず、今回はフレンダ大活躍ということで。


次回は、佐天さんサイドです。
ではおやすみなさい。

おつ、毎回言うけど絹旗かわいい!



生鯖とか超新鮮食材ですよと

シャドウにはもったいねぇ
焼鯖にするのでよこしなさい


>>382でフレ/ンダかと思ってビビった


モン○ターボールすぎるww


魔物もやっぱり女好きか・・・


絹旗はケルベロスだっけか

こんばんわ、1です。



>>401
このまま絹旗愛を貫いててください!!!あげませんけど!!

>>402
まぁ、ネコ科ですからね。

>>403
フレンダ結構活躍するから大丈夫ですよ。多分。

>>404
まんまでしたねw

>>405
ネヴァンさんは男好きですから大丈夫!!

>>406
まぁ、コラボは予定してます!!


それでは、ゆっくり投下していきます!!

12:40


第7地区 『ヒューズ・カザキリ』



プルルルルルッ


プルルルルルッ



佐天「はい、佐天です!!」



滝壷『さてん?ようやくはまづらの動きが止まったから、場所を言うね?
場所は、第17地区。
工業地区の建物の上で、今は闘っているみたい。
はまづらの闘いが終わったら、さてんが探していることを電話で伝えておくから、多分早めに合流できると思うよ?』



佐天「第17地区ですね!?ありがとうございます!!滝壷さん!!」ピッ!!

心理定規「あら、そろそろ出発?場所はわかったの?」



佐天「えぇ。第17地区の工業地区にいるそうです。
心理定規さん、行き方わかりませんか?」



心理定規「そうねぇ……17地区なら、モノレールを使っていったほうがいいかもね。
ここからこの道をずっと真っ直ぐ……大体5kmくらいかしら?
そしたら、17地区行きのモノレールの駅があるハズだから、それに乗って行きなさい。操作方法はわかるわね?」

佐天「ハイ、大丈夫です!!この道を真っ直ぐですね。
ありがとうございます!!心理定規さん!!」コォォォォォ……



佐天は、自身の身体に風を纏わせている。


心理定規「気をつけてね。強力な魔物も何体か紛れ込んでるハズだから。無理しちゃダメよ?」



佐天「わかってますよ。そんじゃ、行って来ます!!」グググッ!!!



ドォンッ!!!!!



風の力を上手く利用し、佐天は移動スピードを限界まで上げ、猛スピードで走り去って行った。





心理定規「さてと……私も本腰いれて、ここを守らなきゃいけないわね……」コォォォォォ……


ダンッ!!!


ダンッ!!!


心理定規の周囲に、次々と、高ランクの魔物が召喚されていく。

『ヒューズ・カザキリ』から、20kmほど離れたビルの屋上



絶対等速「…………今は迂闊に動けないな。しばらくは様子見とするか……」スッ



ビルの屋上から、絶対等速が、ヒューズ・カザキリの様子を高倍率双眼鏡で観察している。


どうやら、心理定規の守りを見て、今は動けないと判断したようだ。



絶対等速「まぁいい。どうやら最初に出てきた魔物の中に、数体、クセの強いヤツ等がいるみたいだからな。
ソイツ等を利用して、またあのバリアを停止させてやるさ……」

12:45



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド



佐天は、あちこちで銃声や、闘いの音が鳴り響く第7地区を、爆走していた。

ちなみに、2km程離れたところでは、絹旗達が今まさに、警備員達と協力して、ブレイドの群れと闘っているバスターミナルがある。



そんな爆走中の佐天の目の前に、見覚えのある、ツインテールの女の子が現れた。

キキキキキッ!!!!



佐天「あれ?白井さんじゃないですか!!!
何で白井さんがこの都市に!!それに白い人まで!!」



白い人「あァ?何か見覚えあんなァお前……思い出した、浜面とかいうヤツと一緒にいた女か」



白井「ッ!?もしかして佐天さんですの!?
浜面さんと旅に出たハズの……貴女達もここに来てたのですね!?」



「ん?何だ?知り合いかじゃん?」

佐天「私達だけじゃなくて、麦野さん達や、上条さん達も来てますよ!!
そうそう、美琴姫も元気でした!!」




白井「お嬢様もいらしてるんですの!?
あぁ、こうしちゃおれません……。
打ち止め様の安全を確保した今、一刻も早くお嬢様成分を摂りに行かなければ……」ジュルリ……


白い人「あーあ……病気が始まっちまったか……」


佐天「相変わらずですね……!?
そうだ!!白井さん!!一つ頼みたいことがあるんですが!!」



白井「?何ですの……?」

説明中



白い人「成る程な……コイツの空間移動で、浜面を探しに行くのを手伝ってほしいってか。
確かに、モノレールで行くよりは速いだろォな」



白井「うーん……協力してあげたいのは山々なんですが……。
私には、お嬢様を探しに行くという使命が……」



佐天「お願いします!!協力してくれたら、美琴姫の泊まっている部屋を教えますから!!!」




白井「急ぎましょう佐天さん!!
同じ御坂王家に仕えていた身として、貴女の頼みを捨てておけませんわ!!」キリッ!!




白い人「チョロいな、コイツ。ただ、あの王女様には気の毒なこった」



佐天「私はもう、あの国の兵士じゃありませんからねぇ……。
美琴姫には気の毒ですが、私の犠牲になっていただきます」ニヤリ



「事情はよくわからんが、お前等三人共、ろくでもないってことはわかったじゃんよ」

白い人「じゃあ、こっからは別行動だ。せいぜい死なねェように、気をつけるンだな」


白井「私の死に場所は、お嬢様の膝の上と決まってるんですの!!!」


佐天「美琴姫やっぱりごめんなさい。
私は貴女を悪魔へと生贄に差し出しました……」アーメン



シュンッ!!!!



佐天の遅すぎる懺悔と共に、白井と佐天は姿を消した。

一方通行「さて、俺はやることがあるンでな。
悪いがお前等の子守りはここで終わりだ。どうするンだ?これから」




「…………さっきの戦闘で、私ら警備員にはまともに魔物の相手をするのは荷が重いってことがわかったじゃん。

なら、これから部隊を再編成し、装備を整えて、お前等勇者、戦士達の援護や、生存者の救助へ向かう。

他の警備員達にも、そう伝えておくじゃん」




一方通行「……チッ、シェルターの中でガタガタ震えてりゃあいいのによォ。好きにしな。
…………あァ、そういやテメェ、名前は?
偉大なバカ達の筆頭として覚えといてやるよ」




「…………黄泉川。黄泉川愛穂じゃん」

一方通行「黄泉川か。じゃあな、黄泉川ァ。生きてたらまた会えるだろォよ」フリフリ



ダンッ!!!!



背中越しに手を振りながら、一方通行は高く飛び上がっていった。




黄泉川「……よし!!全警備員、各部隊に連絡するじゃん!!!
今後、アタシ等の任務は、あの魔物達とまともに戦えるヤツ等の援護と、生存者の救助だ!!
アタシ等にしかできない事を、やってやろぉじゃんよ!!!」



「黄泉川隊長!!!第15地区の部隊との連絡が取れません!!
あそこには、最新の兵器部隊が半数ほど向かっています!!」



黄泉川「あの兵器は、これから先の闘いで必要になるじゃん!!何としても呼び戻すじゃん!!」

12:50



第15地区 オフィス街



佐天「いやー、凄い大きなビルがいっぱいありますねー、白井さん」



白井「そうですわね」



佐天「でもここって、工業って感じが全然しませんよねー白井さん」



白井「そうですわね」ダラ……



佐天「何かあそこの看板に、『ようこそ第15地区へ』って書いてるんですが、私達が向かってたのは第17地区ですよねぇ?」




白井「ソウデスワネ……」ダラダラ……

佐天「思いっきり場所間違えてるじゃないですかぁぁぁぁあああっ!!!!
15と17どうやったら間違えるんですか!!!」



白井「そ、そんなこと言われましても!!!
私もこの都市に来て日が浅いので、道に迷うことだってありますのぉぉぉおお!!!」




佐天「どうせ、大方美琴姫への煩悩が邪魔して、能力使う時に、方角間違えたりしたんじゃないですか?」



白井「」ギクゥッ!!!



佐天「図星なんですか!?あーもー、これだから白井さんはぁぁぁぁあああ!!!!」

白井「ひ、酷いですの!!!
私は佐天さんの為に、頑張って協力したというのに!!!」ウルウル



佐天「貴女が協力したのは、美琴姫の寝込みを襲う為にでしょうがぁぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!」ズビシッ!!!




白井「グァァァァァァアアアッ!!!ですのぉぉぉおおおっ!!!!!」グサグサグサグサッ!!!!!




パタンッ……



あまりにも心の内を攻められ、白井は気を失った。





佐天「あー!!!もうどうしよう!!15地区ってどの辺なんだろ?全体マップでもあれば少しは……」

ババババババババババババババババババババババッ!!!!




突如、佐天の頭上から、いくつもの爆音が聞こえてくる。




佐天「……凄っ……あんな大きな機械が空を飛ぶなんて……」




佐天の目に止まったのは、工業都市が開発した空飛ぶ兵器『軍用ヘリ』である。



その機動力と、戦闘力は、地上の魔物を……。
ブレイド程度ならば、一掃することが出来るほどである。



更に、佐天は地上にも目を向ける。

ブロロロロロッ!!!!!!



地上を走るのは、多くの警備員を乗せ、機関銃まで備わっている頑丈な『装甲車』。



浜面と同じように、機動力に優れたバイク部隊。



装甲車よりも、耐久性、戦闘力に優れた『戦車』などが、続々と集結している。




佐天「うわー……凄い光景だなぁ、これ。
でも何でこんなに凄い兵器がこの地区に集まってんだろ?……まさか……」



そのまさかである。

ドォォォォォォォォォォォオオオンッ!!!!!


ドォォォォォォォォォォォオオオンッ!!!!!



突如、あちこちで、砲撃が始まる。



砲撃の先には、おびただしい数の魔物の群れが、こちら側に向かっている。

どうやら、この地区に、ブレイドやフロストなどの、人工魔物の群れが集中していたようだ。




佐天「な、何ですかあのトカゲの化け物みたいな魔物は!!!
し、白井さん!!!早く起きて白井さん!!!
ここから早く逃げますよ!!!」ペチペチッ!!



白井「へぶっ!!おぶっ!!」ビシビシッ!!



叩く威力が強すぎたのか、白井は更に深い眠りに落ちた気がする。

ピカァッ!!!!!



ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!






佐天「ヒャァァァァァァァアアアアッ!!!!」ブワァァァアアッ!!!




突如、佐天の近くにあった一台の戦車が、大破する。
どうやら、何か雷のようなモノが、空から落ちて来たようだ。




しかし、それは、厳密に言えば雷ではなかった。





バチバチバチバチッ!!!


「グルルルルルッ…………」ユラァッ……


バチバチバチバチッ!!!

すいません、1です。



今読み返していたら、最初に魔物が出現したのは15地区でした。6地区と勘違いしてました。

絹旗達が最後にいた6地区は、15地区の隣の設定なので、15地区の繁華街で火事場泥棒が皆殺しになった後、6地区に多数の魔物が移動→そこに居た人間を皆殺し→絹旗達到着という設定でお願いします。

なので、ヘリや戦車が集まってるのは、最初に魔物が出現した場所だからということで。

佐天「うわぁっ……私と白井さんだけじゃあ、絶対勝てなさそうなのが、さっそく出てきましたね……」ガタガタ……




その姿は、禍々しい金色に光る鎧のようなモノを纏った、大型のトカゲの化け物といったところだが、その身には、御坂並の電撃を身に纏っている。



木原数多が、番外個体の進化した能力を参考に、この2ヶ月間、珍しく真剣に研究し、創り出した、出来たてホヤホヤ人工魔物兵器シリーズ最新作の、最上級兵士『ブリッツ』である。



その性能は、ブレイドや、フロストの比ではなく、大台のAランク中位に届いた魔物である。

ブリッツ「グルルルルルッ……」キョロキョロ



ブリッツは、周りを見渡し、索敵をしている。


佐天と白井の姿にまだ気づいていないようだ。
どうやらこの魔物には、視覚がないらしい。




佐天「(み、見えてないなら……この場でじっとしてればやり過ごせるかも……)」ガタガタ



佐天は、じっと息を殺して待っている。ブリッツがどこか別の場所へと向かう時を。


しかし、その願いは、脆くも打ち砕かれる。

白井「う、うぅん……」




モヤモヤモヤ……




『黒子ぉ……こっちに来てよぉ……一人じゃ寂しくて眠れないの……』





『ねぇ黒子ぉ……いつも頑張ってるご褒美にちゅーしてあげよっか?』





『ウフフ……じっとしてなさい……美琴お嬢様が、アンタの体の隅々まで可愛がってあげるからさぁ……』

白井「お嬢様!!!!」ガバァッ!!!



佐天「!?」ギロォッ!!!!!



鼻血を垂らしながら、白井が目を覚ます。

目の前には、もの凄い形相でこちらを睨んでいる佐天と、じっとコチラを向いている見たことの無い魔物の姿があった。




白井「あ、あれ?私とお嬢様の美しき官能的時間は何処に……?」ダラダラ……



鼻血と共に、もの凄く冷たい汗が、黒子から流れ始める。
どうやらこの状況を理解したようだ。





ブリッツ「グルァァァァァァァァアアアッ!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!


ブリッツの身体が、帯電を始める。

佐天「こんのド馬鹿レズっ子がぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!!」



白井「も、申し訳ありませんのぉぉぉぉぉぉおおおおっ!!!!!」ガシッ!!



シュンッ!!!



ブリッツとの圧倒的な力の差を感じた白井は、すぐさま佐天の身体を掴み、空間移動でその場を脱出した。




ブリッツ「グルッ?」ハテ?



突如、その場から消えた獲物に、ブリッツは少し驚く。
しかし、彼にとって、コレは大した問題じゃない。

バチバチバチバチッ…………



ブリッツから、電磁レーダーのように、電磁波が周囲に放たれる。
その有効距離は、半径50kmほど。


先ほど敵と認識し、記憶した、人間の居場所を突き止めることなど、朝飯前であった。



バチバチバチバチッ!!!

シュンッ!!!




ブリッツは、自身を雷と変化させ、白井の空間移動先へと、音速に近いスピードで向かう。

投下終了です。



使えない有能な女の子、白井黒子さんでした。


黒子ファンの方。ちゃんと活躍の場はありますのでご安心を。



次回の投下では、このSS最強クラスの人が、無双モードに入ります。
それではまた明日。おやすみなさい。

ちょww一方さん無双させちゃうのかww
乙!

乙!
黒子ェ…

ふと思ったが>>1ってDMC×禁書のSS見たことあるのかな?違うならいいが

きぬh……心理定規がかわいかったおつ!

どーも1です!!
今日は、在庫一掃セールです。


休みだし、ヒマだし、キリのいいところまで書けたので、今から22時くらいまでかけて、書き溜め全部をゆっくり投下して行きたいと思います。



>>434
答えはすぐ出ます!!

>>435
見たことはありますよー。一番最初の章見終わったところらへんで挫折しましたけど。
ん?もしかしてパクリ疑惑?色んな漫画や映画やゲームから演出パクってるのに何をいまさら……ww
他SSから設定パクリとかはないですけどね。

>>436
絹旗の出番はしばらくないですw

12:55


第15地区 高層ビルの屋上




佐天「ハァッ、ハァッ、し、死ぬかと思った……」ゼェッ、ゼェッ



白井「い、いきなりあんな魔物が目の前に居られたら、心臓が止まるかと思いましたの……」ゼェッ、ゼェッ




佐天「いや、殆ど白井さんのせいなんですけどね。
こんな激戦区に居るのも、あの魔物に気づかれたのも」ギロォッ!!!



ブリッツ「…………」ジーッ……

白井「ヒィッ!!!で、ですからその件に関してはもう済んだことじゃありませんの!!
ほら、早く浜面さんを探しに参りましょう!!
この白井黒子、どこまでもお運びしますわよ!!」




佐天「調子いいんですから……まぁ、ここの地区は、私達には手に終えませんし、早めに離脱しましょう。
……ん?あそこに居るのって半蔵さん?」



佐天がビルの下を見下ろすと、そこには、ブレイドやフロスト相手に無双乱舞を披露している半蔵の姿があった。

白井「お知り合いですの?……うわぁ……魔物が千切っては投げ状態ですの。
凄まじい強さですわね……」



ブリッツ「…………」ジーッ……



佐天「しかも、半蔵さん今能力使ってないみたいですからねぇ……どんだけ強いんでしょうか?
そうだ!!半蔵さんにさっきの魔物を倒してもらえば!!」



白井「でも、そしたらまたあの魔物と関わることになりそうですの……。
正直私はあまりあの魔物とはもう……」ガタガタ

佐天「大丈夫ですよ!!美琴姫の電撃だと思えば、あの魔物の攻撃も耐えられるハズです!!」



白井「いや、それは流石に無茶ですの!!大体お嬢様の電撃は………」チラッ……!?



佐天「ん?どうしました白井さ……」チラッ……!?




ブリッツ「グルルッ……」フリフリ



白井と佐天の視線の先には、ようやく気づいてもらえたブリッツが、手を振って待っていた。



佐天白井「出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」


シュンッ!!!

ブリッツ「グルァァァァァァァァアアアッ!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!



ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




佐天白井の悲鳴と共に、ブリッツから雷が放たれる。
しかし、一瞬早く、白井の空間移動によって移動し、ギリギリ消し炭にならずに済む。




バチバチバチバチッ!!!

シュンッ!!!


再び、ブリッツが佐天、白井達の後を追う。

12:57



第15地区 ビル街の路地裏



半蔵「ふぅ……流石に能力無しでこのレベルとこの数は疲れたな……」




スクールのメンバーである半蔵の目の前には、何十体ものブレイドの死体と、数体のフロストの残骸が残っていた。



この第15地区には、他にも大勢のスクールのメンバーや、警備員の最新兵器部隊も来ているが、その戦闘力の高さから、半蔵は単独行動をとっていた。


ちなみに、近くでは駒場も闘っている。

半蔵「そろそろ、能力解禁したかな?いちいち時間測るヒマもねぇから慎重にしねぇとなぁ。……ん?」



半蔵が、自分に何か向かって来ているのに気づき、空を見上げる。





シュンッ!!!







ビュォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




佐天「たっけて半蔵さぁぁぁぁぁぁぁぁぁあんっ!!!!!」


白井「ギャァァァァァァァアアアアッ!!!!まだ追ってきてますのぉぉぉぉぉおおっ!!!!」



ビュォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




ブリッツ「グルァァァァァァァァアアアッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!




半蔵「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおっ!!!!!」チャキッ!!!!!

ヒョイッ!!





佐天「ウワァァァァァァァァアアアアッ!!!!」ズザザザザザザザッ!!!!


白井「ギャァァァァァァァァアアアアッ!!!!」ズザザザザザザザッ!!!!




半蔵は、自分に迫って来た佐天と白井を躱し、その後ろを追うブリッツへと、二丁のサブマシンガンを向ける。



佐天と白井は、路地裏の道を、盛大に頭から滑っていった。

半蔵「オラァァァァアアアッ!!!!!」



パララララララララッ!!!!

パララララララララッ!!!!



半蔵は、ブリッツに向かってサブマシンガンを放つ。




ブリッツ「ガァァァアアッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!


しかし、ブリッツが帯電し始めると、銃弾は空中で止まった。

ブリッツから発せられる磁力により、銃弾が帯電し、ブリッツまで届かない。

バチバチバチバチッ!!!!


シュンッ!!!!


更に、宙で止まっていた弾丸は、跳ね返るように半蔵へと返される。



半蔵「うぉぉおおっ!!!!!」ダンッ!!!



ドドドドドドドドドドドッ!!!!!



スタッ!!


半蔵が飛び上がり、弾丸を躱した後、履いている重力靴の機能で、ビルの壁に沿う様に立つ。

半蔵「涙子ちゃん!!!いきなり現れて、しかもあの魔物は何なんだ!?
さっきから見たことねぇ魔物ばっか出て来てんだけど!!」



佐天「私達をしつこく追ってくる魔物なんです!!!
半蔵さん、やっつけちゃって下さい!!!」



ブリッツ「グルァァァァァァァァアアアッ!!!!」バチバチバチバチッ!!!



半蔵「無茶言ってくれんなぁオイッ!!!」ダンッ!!!



バチバチバチバチッ!!!!!

ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!


ブリッツの電撃が、半蔵が立っていたビルの壁を破壊する。


ダンッ!!

ダンッ!!!


重力靴を使って、半蔵はビルの壁を転々と移動している。

ブリッツ「グルァァァァァァァァアアアアアアアアアアッ!!!!!!!」



突如、ブリッツが雄叫びのような叫び声を上げる。



半蔵「何だ……一体何の意味が……!?」



半蔵は、周囲に漂う違和感に気づいた。



佐天「ちょ、ちょっと半蔵さん……魔物がドンドン集まってきてるみたいなんですけど……」




高層ビルの立ち並ぶ街の路地裏に、ブレイド、フロスト、そしてブリッツと、木原数多の作品が、集結している。


ブレイドだけでも、その数は百近くいるだろう。
更に、増え続けている。

白井「こ、ここは私の能力で、3人で逃げられるところまで……」



半蔵「そこのお嬢ちゃん。こっから逃げられる能力を持ってんのかい?」



半蔵が、白井に問いかける。



白井「は、はい。私の能力は、空間移動ですので……。
二人までなら、一瞬でそこそこの距離を移動できますわ」



半蔵「そうか……だったら、俺が合図したら、涙子ちゃんと共に、ひたすらこの地区から離れるんだ」スゥ……



半蔵が、サイコロを取り出す。

白井「さ、サイコロ?この状況でそれは一体……」



佐天「は、半蔵さんもしかして、この数と戦う気ですか!?流石に半蔵さんでもそれは……」



半蔵「心配すんなよ涙子ちゃん。
どんな目が出ても、お前等だけは逃がしてやるからよ……。
まぁ、4以上の目が出れば、この場は俺も何とかなりそうだ。
俺が生き残る確率はそう低くないさ」ニッ



半蔵が、サイコロを振る。


生きるか死ぬか。



5か6が出れば、恐らく半蔵はここで死ぬだろう。


正に、半蔵にとって、運命のダイスロールである。

カランカランッ……




佐天「……あっ……」



白井「ん?」



半蔵「…………おっ♪」



カッ!!!!







サイコロの数字は、『1』を指していた。




半蔵の最強の能力が、今解禁される。

13:00



一瞬の光と共に、半蔵の手には、何やらアタッシュケースのようなモノがあった。



佐天「あれ?銃じゃない……何だろあれ?」



白井「い、一体何が起こるんですの?」



パシュンッ!!!



突如、半蔵が上空に、赤い信号弾を打ち上げる。





駒場「ッ!?総員撤退だ!!!死にたくなければ急げ!!」



それを見た、スクールのメンバーは一斉に信号弾から全力で離れる。


あの駒場でさえも。


警備員の最新兵器部隊達も、その場からの撤退の信号と知っていたのか、すぐさま引き返していった。



反対に、大勢の魔物達は、信号弾の元へと移動していく。

半蔵「お嬢ちゃん……今すぐに、出来るだけ素早く、遠くに行きな」カチッ……




半蔵が、アタッシュケースのトランクのスイッチを押した。




半蔵「半径5km圏内に居る内は……」



ガチャガチャガチャガチャガチャガチャッ!!!!!!




その瞬間、アタッシュケースが、あり得ない変形を始める。




半蔵「命の保障は全くしねぇ!!!!」ジャキッ!!!




アタッシュケースは、何やら砲台が360°全てに満遍なく付いた、球体の機械に変形し、その球体の中に、半蔵が座っていた。

佐天「白井さん!!!!どこでもいいから早く!!!!空間移動してください!!!!!」




白井「わかってます!!!!絶対あれはヤバイですの!!!!」



シュンッ!!!!




白井は、限界ギリギリの距離を、連続で空間移動した。


佐天が背後を見ると、今まで居た路地裏の側に建っていた高層ビル群が見える。

佐天「早く……もっと早く遠くに……」






ブリッツ「グルルルルッ…………」


ブリッツを筆頭に、第15地区に群がっていた千体近くの魔物が、半蔵の元へ集まって来ている。



半蔵「いいねぇ……どうやら俺にも運が回って来たみてぇだ。
それに、こんだけ目の前に獲物がいるんだからよぉ……。














楽し過ぎて狂っちまいそうだっ!!!!!!!!!」





カチッ!!!


半蔵が、トリガーを弾く。

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!!!!





ドォォォォッ!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオオオオオンッ!!!!



360°から放たれた何百発もの魔力の込められたロケット弾が、高層ビルどころか、第15地区の街並を、容赦無く破壊していく。

ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!




佐天「白井さん!!!もっと早く!!!!流れ弾が来てます!!!」


白井「そう言われても、これが限界ですの!!!」

シュンッ!!!!



白井が空間移動出来る最大距離は、80mほど。それを何度も繰り返すことで、距離を稼いでいるが、タイムラグを考えると、秒速換算で50-60m程である。


しかし、それよりも早く、半蔵の破壊の力は、広がって行く。




白井「ここまで来たら、運任せですの!!
転移先に砲撃がこないように祈るしかありませんの!!!」シュンッ!!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!


佐天「ウワァァァァアアッ!!!今破片がかすったぁぁぁぁああ!!!!」シュンッ!!!!

13:01 第15地区入口付近


ドォォォォォォォォォォォッ…………


ドゴォォォォォォォォォォォッ…………



佐天「うぅ……今度こそ死ぬかと思った……」



白井「」グッタリ……




戦場と化した(主に半蔵のせい)第15地区から、白井と佐天は、無事に生還を果たす。
白井は、能力を使い過ぎて、精魂尽き果てているようだ。



佐天達の背後では、半蔵の時間切れなのか、第15地区内での砲撃は終わったようだが、建物の崩壊は、今も続いていた。



確実に、魔物が壊した建物より、半蔵の壊した建物の方が多いであろう。
悩みに悩んだ佐天は、とりあえず、気にしないことにした。

佐天「うーん……白井さんはしばらく復帰できそうにないですねぇ。
仕方ない!!アレを試して見ますか!!!」グッ!!


コォォォォォォォォオオオッ…………



佐天と白井の周りに、上昇気流が纏わり付くように流れている。



フワァッ…………



そのまま、二人の身体は宙に浮かびあがっていく。




白井「さ、佐天さん!!これは一体……」ジタバタ



佐天「あ、気がつきましたか白井さん。
これはですねぇ……今絶賛開発中の技でして、空を風の力で飛べないかなと思って」



佐天達の身体が、見る見る内に上昇していく。

佐天「えーと、第15地区が向こうだから、第17地区はと……。
うん。第6地区を挟んで向こうですね」グググッ……



手元の地図を見ながら佐天の足裏に、ドンドン風が圧縮されていく。



白井「さ、佐天さん?一体何をするつもりで……」ガシッ!!


佐天が白井の身体をしっかりと抱きかかえる。



佐天「まだ、微調整は出来ないですけど、方向は合わせられます。
上手く行けば、第15地区まで直ぐですよ。上手く行けば」




白井「ち、ちなみに上手くいった経験は?」



佐天「本気で飛ぶのは今回、初挑戦です」ニコリッ




白井「降ろして!!!降ろしてくださいですのぉぉぉぉぉおおっ!!!!!」



白井の悲痛な叫びが、上空に響き渡る。

いつの間にか、二人の身体は上空200mほどまで上がっていた。



佐天「行きますよぉぉぉぉぉおお……ロケットダイブッ!!!レディィィィィイイッ…………」



白井「イヤだぁぁぁぁあああ!!!!美琴お嬢様ぁぁぁぁぁあああ!!!!」ビエー




佐天「GO!!!!!」





ドォォォォンッ!!!!!!



ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!




白井「デスノオオオオオオオオオォォォォ………」



キュピーンッ!!!




佐天と白井は、高速で空をぶっ飛んでいった。



余談だが、この後、佐天の集中力切れで、二人は途中の第6地区に落ちることになるが、それはまた次のお話。









next scene


第6地区 遊園地


12:45

上条・御坂・インデックス組

一旦休憩です。


半蔵さん無双でした。
DMC4やったことある人ならわかると思いますが、半蔵の最強の銃は、パンドラです。


次の投下からは、上条組に移ります。
予定は20-21時くらいです。


おつ、上条さん&インデックスの何でも消す使うコンビ期待です

災厄の箱ですかw
最後には慌ててケースを閉める半蔵の姿が

上条さん期待



佐天さんマジ浜面

今回の魔物は愛嬌ありますなぁ

乙乙
上条・インデックス・美琴コンビはやばいってww
強すぎるww

そろそろ再開します。


>>464
>>465
>>467
すいません、上条さんの活躍はまだまだ先です。
期待を裏切って申し訳ない……。

他の子達の活躍をどーぞ!!

>>466
こっから本性出てきますよ。



それでは投下します。

12:45



第6地区 遊園地



バチバチバチッ……



御坂「どうやらココに入って来たのは殆ど倒したようね」バチバチバチッ……




ブレイド「」シュゥゥゥゥゥウウ……




御坂から放たれた電撃が、ブレイド達を焼き尽くし、いまだにそこら中で帯電している。





上条「お前なぁ……ちょっとは周りへの配慮を考えろよ!!!
こっちに電撃飛んで来てんだよ!!」




インデックス「私はみことの能力を使って、飛んでくる電撃を捻じ曲げたから問題無いけどね」バチバチッ……

御坂「何よ!!私がこの魔物を殆ど倒したんだからいいじゃないの!!
どうせ、アンタ達ならあれくらい何ともないでしょう?」




上条「フッ……まぁな……」エッヘン



インデックス「そんなに褒められると照れるんだよ!!」エッヘン



御坂「うわ……ちょっとウザッ……」

上条「さて……落ち着いたところで、逃げ遅れた人達を探すか」



御坂「インデックス。さっきの魔物の情報はないの?」



インデックス「それが私の『魔道書館』にも記されてない魔物だったんだよ。
もしかしたら、誰かが新しく創り出した新種かも」



御坂「新しく創り出した新種か……向こうもいろいろやってるのね。
確かにあの強さであの数は、かなりの脅威になるわ」

木原数多が適当に創り出した『ブレイド』さえ、人間でまともに太刀打ちできるのは多くはない。



やはり、アレイスター側と人間側の戦力差は、到底埋めることのできないもののようだ。



上条「ん?……おい!!あそこ!!あの建物の上!!まだ人が残ってるぞ!!」



インデックス「ホントだ。何であんなところに……」



御坂「まぁ、さっきの魔物ラッシュがここまで来て無くてよかったじゃない。
早く助けにいきましょ?近くのシェルターに入れとけば問題ないでしょ」

12:55



遊園地 飲食スペース



青髪「いやー、助かったわホンマに。
メニュー全品制覇を目指しとったら、いつの間にか皆おらんくなってもうて」



女の子「もー、青髪ちゃんったら。
のんびり食べてるからこんなことになっちゃったんですよ!!」プンプンッ!!



上条「どうやらこの二人以外はこの遊園地には残っていないみたいだな。
……ていうか、お二人は兄妹ですか?それにしては似てないような……」



御坂「まさか少女誘拐とか……」バチッ……

青髪「へ?ちゃうちゃう!!小萌センセーは僕の学校のセンセーやて。
今日は学校の皆と遊園地に遊びに来てたんやけどなぁ。
僕がご飯食べ終わるのを、センセーが待っててくれたんや」




小萌「青髪ちゃんはマイペース過ぎます!!
他の皆はとっととシェルターに避難しちゃいましたよ!!」




インデックス「こ、この子が先生?」



御坂「天才児ってヤツなのかしら……。まぁいいや。
さ、お姉ちゃんと一緒にシェルターに行こうねー」ギュッ テクテク



小萌「せ、先生は貴女よりもずっと大人なんですよー」テクテク

上条「と、とりあえず俺達もシェルターに向かうとするか……ん?どうしたインデックス」




インデックス「…………とうま達は先に行ってて。私は後から行くから」



上条「後からって……また魔物が来てんのか?」




インデックス「うん。しかも、さっきの魔物よりかなり強い反応なんだよ。
大丈夫。倒したら、みことの反応を追ってそっちに向かうから。
それまではみことと一緒に居なきゃダメなんだよ?」



上条「……わかった。無茶すんなよ、インデックス」クルッ



青髪「ん?どうしたん?あの子」



上条「何でもねぇよ。それより、ちょっと走るぞ。
すぐそこまで魔物が来てるみたいだ!!」


ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ

インデックス「……さぁ、どっからでもかかってくるといいんだよ!!」ザッ!!



インデックスが正面を見つめる。




ピキピキピキッ…………


突如、何もない空間から、氷の爪のようなモノがゆっくりと現れる。
その次は腕。その次は頭。足。


あっと言う間に、目の前には、氷でできた魔物『フロスト』の姿が現れる。




インデックス「また私の知らない魔物……一体どれだけアレイスター側は、新しい魔物を創り出してるんだろう……」

フロスト「ガァァァァァァアアアアアッ!!!!」ドンッ!!!



ズシュウッ!!!!



フロストが勢いよく攻めてくる。
そして、そのまま鋭利な爪で、インデックスを貫いた。










しかし、貫いたと思ったインデックスの姿が消える。








ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ




インデックス「残像だ」




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


フロスト「ッ!?」




フロストの背後に、ジョジョ立ち。
いや、むしろジョジョタッチで描かれたようなインデックスが立っている。

インデックス「アタタタタタタタタタタタタタタタタタァァァアアッ!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!




フロスト「グギャァァァァァァァァアアアアッ!!!!」ドドドドドドドドドドドドドッ!!




インデックスから、速射砲のような勢いで、フロストに百烈拳が叩き込まれる。

フロストの氷の身体が、格闘による打撃により、ヒビだらけになった。

効果は抜群だ。

フロスト「ガァァァァァァアアアアアッ!!!!!」



傷ついたフロストが、突如、辺りに響き渡るような雄叫びをあげる。

辺りに不穏な空気が漂い始める。



滝壷の能力を併せて使っているインデックスのレーダーに、数十体のブレイドと思わしき反応が現れる。



インデックス「む……仲間を呼んだのかな?だったらこっちにも援軍なんだよ!!」




スッ……


インデックスが、胸元の十字架に埋め込まれたクリスタルを取り出す。





インデックス「初のお披露目なんだよ!!出てきて!!『魔王の書』!!」



カッ!!!


ブワァァァァァァァァァァアアアアッ!!!!




いつもより、かなり多めの光と煙が、インデックスを包む。

13:00



インデックス「やっぱり、本にしてはデカすぎるんだよ!!
もうちょっとサイズダウンして欲しいかも!!」



ォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ……

魔王の書「…………」ジー……





インデックスの側には、かつて、古代の魔王が記したとされる書籍『魔王の書』が現出していた。



その魔王の魔力が、あまりにも強力で大き過ぎた為、本自体に命が宿り、魔物化したものである。


表紙には、大きな一つ目が見開かれ、その書の大きさは、記した魔王の魔力の大きさと、知識の量に合わせて巨大化してしまい、全長10mほどになる。



ちなみに、ランクはAの上位。
通常時のデュランと、同レベルの強さである。(DQMT)

インデックス「魔王の書!!力を……知識を貸して欲しいんだよ!!
強い魔物の群れを倒せる力と知識を!!」





パラッ……パラパラッ……





その望みを叶えるように、魔物の書は、大きなページを開く。



インデックス「このページを読めばいいんだね?えっと……」ブツブツ……



インデックスは、何やら呪文のような言葉を呟き始める。

ダンッ!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!!



ブレイド「「「グルァァァァァァァアアアアッ!!!!!」」」



とうとう、フロストの援軍として、ブレイドの群れが、再び遊園地内に入り込む。



インデックスは、完全に囲まれてしまった。



インデックス「その両手に剣を持つ者。眠りにつきし、地獄の帝王……」ブツブツ……




ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ!!



ブレイド達が、インデックスを喰らおうと、次々と向かってくる。




インデックス「眠りから目覚め、今こそ蘇れ!!『エスターク』!!!!!」




パキィィィィィィィイイイッ!!!!!


次の瞬間、空間が割れ、中から得体の知れない、巨大な魔物が姿を現す。

インデックス( ゚д゚)「」




呼び出した本人ですら、この魔物のあまりの迫力に、ただ呆然としている。


その魔力の大きさは、滝壷の力を使っても測りきれない。
まさに、規格外の魔物である。

そもそも、魔物と呼んでいいのかもわからないが。




ブンッ!!!!!



ザシュッ!!!!!



その魔物が、両手に持つ剣を一振り、軽く振った。
本当に準備運動程度に軽く。



その瞬間、園内にいた、全てのブレイドの頭と身体が、永遠に別れる。




「我を呼びし者よ……我は再び眠りにつく……。
今日はもう我を呼ぶのではないぞ……」パキパキパキッ…………



全てのブレイドを片付けると、魔物は空間を塞ぎ、帰っていった。
どうやら、今日はもう営業終了のようだ。

インデックス「ま、魔王の書……?やり過ぎなんだよ!
?何!?今の魔物!?私、今何の魔物を呼び出したの!?
ていうか、今のは本当に魔物なのかな!?」



魔王の書「…………」ジー……



魔王の書の表紙の目は、決してインデックスと目を合わさない。

正直やり過ぎたと、魔王の書も感じているようだ。

それもそのはず、先ほどインデックスが呼び出したのは、魔王クラスに匹敵する実力をもった魔物だったのだから。


アレイスターを倒すのならば、あの魔物を倒せるほどのレベルに最低でもならなければならない。




インデックス「と、とにかく、あとはあの氷の魔物だけなんだよ!!覚悟するかも!!」



フロスト「グルル……」



ブレイドの相手をしている間に、フロストのダメージはすっかり修復されていた。


魔力節約の為、魔王の書を一旦戻したインデックスとフロストの第2ラウンドが今始まる。

13:00



第6地区 避難シェルターへの道



ドォォォォォォォォォォォォンッ…………




上条「うぉっ!!何だこの地響きは……地震でも来たのか?」



御坂「いや……どうやらこの都市の向こう側の遠くの方で、誰かが暴れてるみたいね。
凄い勢いで、建物が崩壊していってるのを電磁レーダーで感じる。
誰なんでしょうね?こんな芸当するのは」



上条「まぁ、ウチにも規格外の大食いシスターがいるんだ。
他にも人間離れしたヤツがいてもおかしくないだろ?」

御坂「アンタも大概なんだけどね……まぁ、確かにインデックスと、あの魔物の組み合わせはこれ以上ないほど、相性がいいんじゃないかしら?

あの魔物を現出できるようになったみたいだし、どんな力が秘められてるんでしょうね?
……噂をすれば、インデックスがあの魔物を出したみたいよ」



上条「何だって!?てことは、出さなきゃいけないくらいに追い詰められてんじゃ……」ダッ!!



ガシッ!!!


インデックスの元へと向かおうとする上条を、御坂が腕を握りしめて止める。

御坂「アンタ、あの子にこの人達をシェルターに避難させるように頼まれたんでしょ?
だったら、今はあの人達を避難させるのに集中しなさい!!あの子の思いを踏みにじりたいの?」



御坂が、ジッと上条の目を見つめながら、檄を飛ばす



上条「……そうだな。確かにその通りだ。
そうと決まれば、早くあの人達をシェルターに避難させよう。
まだもう少し距離があるみたいだからな」



上条は、御坂の前に立ち、シェルターへと足を進める。




御坂「…………」



御坂は、その様子を冷静にジッと見つめている。


しかし、その胸中は……

御坂「(ヤバイ!!!久しぶりにとーまの腕触っちゃた!!ていうか思いっきり掴んじゃった!!

とーまの腕固かったなぁ……凄く男らしい感じが……あの腕で思いっきり抱きしめられたら……エヘヘ……。

ハッ!?ダメよダメよ!!私はアイツの中では、真面目でしっかりしている美琴ちゃんよ?王女よ?
こんなだらしない妄想してる場合じゃ……)」キリッ!!



中身は二ヶ月前より、若干悪化している美琴ちゃんであった。

13:10




そんな妄想と自意識との葛藤の中、思いも寄らない客人が、姿を現す。



突如、御坂の電磁レーダーに、見知った二人の存在が、自分の頭上高くに現れる。



バッ!!っと御坂が顔を見上げると





白井「あのお姿はもしや!?お嬢様ぁぁぁぁぁあああああああああっ!!!!!」ゴォォォォォォォオオオッ!!!!



佐天「ギャァァァァァアアアアッ!!!!!落ちるぅぅぅぅぅぅぅううう!!!!!」ゴォォォォォォォオオオッ!!!!




御坂「イャァァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!!出たぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああっ!!!!!」






そこには、浜面の弟子である佐天の姿が。
そして、御坂の侍女であり、頼れるパートナーであり、天敵でもある白井黒子との、二ヶ月ぶりの感動?の再会が待っていた。

上条「お、おい!!あの勢いで落下してきたら死んじまうぞ!?」




佐天「くっ……何とか風を操作して……やったー、上手く飛べたー!!」フヨフヨ



シュンッ!!

突如、空中で白井の姿が消える。



御坂「!?い、一体何処に」キョロキョロ



白井「お嬢様ぁぁぁぁぁあああっ!!!!!」タックル!!



御坂「グハァァァァァァアアアアッ!!!!!」ゲホォッ!!!



上条「御坂ぁぁぁぁああああっ!!!」



再び現れた白井は、全力で御坂にタックル、もとい抱きついた。
二ヶ月ぶりの再会にお互い、もとい白井だけテンションが最大まで上がっているようだ。

白井「お嬢様ぁぁああっ!!お嬢様ぁぁああっ!!!!」グリグリ



御坂「く、黒子ぉ!!何でアンタがこの都市にいんのよ!!」



白井「私、旅掛様の命令で、家出した打ち止め様と一緒に旅をしておりましたの!!
ようやく会えましたわお嬢様ぁぁぁぁぁあああっ!!!!」グリグリ




御坂「ら、打ち止めが家出ぇ!?どういうことよそれ!?
ていうか、あの子とアンタだけで、よくここまで辿り着けたわね!?」



白井「それについては心配入りませんわ。
恐らく人類最強クラスの保護者が、私達にはついておりましたから。
少しの間極貧生活でしたが、それ以外は特に苦労はありませんでしたの」クンクン



御坂「保護者ぁ?何よ?誰よそれ?っていうか匂いを嗅ぐなぁ!!」ズビシッ!!

スタッ!!



佐天「あ、美琴姫!!それに上条さんも!!二人とも無事だったんですね!!」




御坂「佐天さん!?よかった無事で!!ていうかそろそろ『姫』はやめてよ!!」




上条「佐天さん!!一体何があったんだ?いきなりあんな所から現れて!!」



佐天「いやー……かなり酷い目にあっちゃいまして……。
たった今、第15地区から、命からがら白井さんと逃げ延びてきたばかりなんですよー」



上条「第15地区?一体そこでなにが……」

佐天「あそこは凄かったですよー。THE戦争、って感じでした。

この都市の最新兵器やスクールの皆さんと、来襲した魔物の主力が集まって、そこら中で激しい戦いが展開されてたんです。

……そういえば、こっちでは見えませんでした?
さっき、建物が凄い勢いで崩れていったと思うんですけど……」





上条「いや……あ!!でも、何か地響きみたいなのはあったな!!
御坂は遠くで建物が崩壊してるって言ってたし、それのことか!!」




佐天「あー……こっちでもやっぱり影響ありましたか……。
あれはですねぇ……実は半蔵さんが」

御坂「いい加減にせんかー!!この年中発情侍女がぁぁあああああ!!!!」バチバチバチバチッ!!!!



白井「あばばばばばばばばばばばばばっ!!!!!」ビリビリビリビリッ!!!!




佐天「…………やっぱりその話は後で。白井さぁぁぁぁぁああん!!!!」



上条「な、何か色々積もる話もあるだろうから、俺先にこの人達をシェルターに連れていってるな?すぐ戻るから」

13:15


白井「」プスプスプスッ……



御坂「全く……久々に会ったと思ったらこれなんだから……。
そういえば、佐天さんは何で黒子と一緒にいたの?」



佐天「白井さんとは、第7地区で偶然会ったんですよ。
そんで、私が浜面さんを探してると言ったら、空間移動で手伝ってくれると言ってくれて。
でも、白井さんが空間移動先を間違えて、更に凄い闘いに巻き込まれちゃって……。
最終的に、半蔵さんが暴れてる時に、どさくさに紛れて逃げてきちゃいました」

御坂「……中々波乱万丈な時間を過ごしたみたいね……。
で、どうする?今からも浜面さん探しを続行するの?」



佐天「それがですねぇ……今さっき滝壷さんに居場所教えてもらおうとしたんですけど、電話に出なくて。
多分、向こうも取り込んでると思うんで、しょうがないですけど、情報がないと動けないですからね。
特にこんな事態じゃ、無闇に動けないですし。」


御坂「滝壷さんか……あ!!インデックスに頼めば探してもらえるかもしれないわよ?
少し滝壷さんより出力は弱くなるけど、大体の場所くらいならわかるかもね」

佐天「そうか……インデックスちゃんが居ましたね!!
それで、今インデックスちゃんはどこに?」



御坂「あの子は遊園地で魔物を引きつけながら闘っているはずよ。
場所教えるから、黒子を起こして、ついでにあの子を手伝って……佐天さん伏せて!!!!」バチバチッ!!!



佐天「へ?……わっ!!!!」バッ!!!




バチバチィィィィィィィィイイイイッ!!!!!!



御坂が突如放った電撃は、気を失っている白井の頭上へと放たれ、白井に向かっていた何かに衝突した。



その何かは、そのまま吹き飛び地面に転がって、姿を現す。

ブリッツ「グルルルッ……」バチバチバチッ……



佐天「ゲッ!!ここまで追いかけて来ちゃったの!?」



御坂「何?佐天さん知ってるの!?」バチバチッ……




御坂達の目の前には、ブレイクや、フロストに酷似した、恐らく同系統の魔物が現れた。


その姿は、禍々しい金色に光る鎧のようなモノを纏った、大型のトカゲの化け物といったところだが、その身には、御坂並の電撃を身に纏っている。


木原数多が、番外個体の進化した能力を参考に、この2ヶ月間、珍しく真剣に研究し、創り出した、出来たてホヤホヤ人工魔物兵器シリーズ最新作の、上級兵士『ブリッツ』である。




その性能は、ブレイドや、フロストの比ではなく、大台のAランク下位に届いた魔物である。

佐天「第15地区で、私と白井さんとで闘ってた魔物なんですけどね……。

あまりにも強すぎて、私達2人じゃあ太刀打ちできなかったんですよ。

でも、半蔵さんに倒されたと思ったのに……生きてたんですね」




ブリッツ「グルルッ…………」バチバチバチッ……



半蔵が第15地区で大暴れした時、ブリッツは、不穏な気配を感じ、すぐさま逃げ出していた。


たまたま半蔵が、出目1の能力を、広範囲に出力していた為に、あの場に居た魔物を何体か、取り逃がしてしまったようだ。

ちなみに絹旗達と戦ったフロストも、この時の生き残りである。

御坂「成る程……そこから貴女達を追って来たってわけね。
しかし、少し厄介ね……どうやらこの魔物、雷と同化するような力があるから、私の電撃は効かないみたい……」



先程の、黒子への奇襲の際、御坂に電撃を喰らったが、ブリッツは全くダメージを受けていない。
単純な電撃では、この魔物は倒せないようだ。



佐天「どうしましょうか……私の能力でも厳しそうなんですが」



御坂「そうね……とりあえず、こうするわ!!!」バチバチバチッ!!!!



御坂が帯電すると、あちこちの建物から、鉄を含むモノが続々と御坂の周りに集まってきた。

御坂「電撃がダメなら、物理的に攻めるしかないわよね!!」



ドドドドドドドドドドドッ!!!!!



集めた鉄クズを、勢いよくブリッツへと発射する。



ブリッツ「グルァァァァァァアアアッ!!!!」バチバチバチッ!!!!


御坂「クッ!!中々強い出力出してくるじゃないの!!」バチバチバチッ!!!!




しかし、ブリッツも帯電すると、鉄クズは空中で止まってしまう。

どうやら、ブリッツ自身も、鉄クズの操作を行っているようだ。
鉄クズの主導権を得ようと、御坂とブリッツの力比べが始まる。

佐天「すんごい隙だらけですよ!!!」バッ!!!



ドォォォォォォォォオオオンッ!!!!!!



佐天の右手から、圧縮された空気の塊がブリッツに発射される。
どうやらブリッツと御坂は、ほぼ同レベルの雷系統能力の使い手のようで、力比べの最中、驚くほど隙だらけだった。




メキィィィィィィィィイイイッ!!!!



ブリッツ「ガァァァアアッ!!!!」



ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!


空気の塊は、ブリッツの横っ腹に減り込み、そのまま側にあった建物の中へと、ブリッツは突っ込んでいった。


不意打ち万歳。

御坂「やるわねー佐天さん。それにしても、アイツの力、厄介ね。
電撃が効かないだけじゃなく、出力も私と同じくらいかそれ以上……。
下手すりゃこのまま防戦一方になりそうだわ」



佐天「私の能力で、コツコツダメージを与えるしかないですかね。
そんで、向こうが能力使えないほど消耗したら、美琴姫の超電磁砲でドカンと!!
あれなら、電撃が効かないとか関係ないでしょ?」




御坂「また『姫』って……まぁ、それが一番なんだけどね……問題は、どうやってそこまで消耗させるかなのよ。
当麻が戻ってきたら、一気に形勢逆転なんだけど」

ガラガラガラッ………


ブリッツ「グルルッ……」コキッ、コキッ


崩壊した壁から、ブリッツが首を鳴らしながら出てくる。
マトモに喰らったはずなのに、特にダメージはないようだ。




佐天「ありゃ……結構強めの空気弾をぶち込んだんですけどねぇ……」



御坂「あの鎧、思った以上に頑丈みたいね……先ずはあの鎧を砕かないと」



御坂達は、ブリッツの着込んでいる金色の鎧に注目する。
あれを砕かない限り、中々ダメージは通らないようだ。



バチバチバチッ!!!

シュンッ!!!



ブリッツが、雷光と共に姿を消した。

バチッ!!

シュンッ!!!


バチッ!!

シュンッ!!!


バチッ!!

シュンッ!!!




佐天「な、何これ……早過ぎて姿が影すら見えない……」


バチッ!!

シュンッ!!!


バチッ!!

シュンッ!!!



恐らく、素早さだけで言えば、全魔物中でもトップクラスに近いであろう。


雷と同化し、音速以上の速さで、佐天や御坂の周りを転々と移動している。




御坂「忙しないわね。悪いけど、私には見えてるわよ?」ピーンッ……


御坂が、金貨を指で宙に弾く。

御坂「先行放電ってわかる?雷が落ちる前に発生している小さな電流なんだけどさ……。私には、それが見えるのよね。

よく見ていれば、アンタが次に何処に移動するのかってのが丸わかり。

相性のデメリットは私だけと思ったけど、アンタにもあったみたいね」グッ!!!




御坂が照準を合わせる。

その先には佐天が。



佐天「へ?美琴姫?」



御坂「動かないでね?佐天さん」


御坂の手に、金貨が落ちてくる。



ピンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!


ブリッツ「グギャァァァァァァァアアアアッ!!!!!」ズザァァァァァアッ!!!!

御坂が金貨を発射した瞬間に、佐天の背後から、ブリッツの悲鳴が上がる。

どうやら、佐天の背後に現れ、背後から攻撃を加えようとした瞬間を狙って、超電磁砲を放ったらしい。



佐天「あ、ああああ…………」ガタガタ……


御坂「だ、大丈夫?佐天さん。ゴメンね?咄嗟だったからさ」アセアセ



佐天「い、いえ。大丈夫ですよ……。
フゥ……てっきり白井さんに、美琴姫の部屋を教えたのがバレたと思いまし……あ」

ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオ



御坂「佐天さん……ちょっと後でお話を聞こうかしら……その時にはネヴァンさんも一緒だけどね……」



ォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオ




佐天「あ、はは、あははは……」ダラダラ……



気が動転して、いらぬ事を喋った佐天は、この都市を巡る闘いの全てが終わったあと、御坂も目を逸らす凄いことをネヴァンさん(オリアナさん)に味わされるが、それはまた遠い話。

バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ…………


ブリッツ「グルルルルルルッ……」ググググッ……



御坂「何よ……アレをマトモに喰らってまだそんな普通に動けるの?」



超電磁砲をマトモに喰らったブリッツが立ち上がる。

雷の力を使って、金貨に干渉し、威力を弱めたのだろうか?
五体が無事なのが、御坂には悔しく思えた。



しかし、ブリッツの身を守っていた鎧は、粉々に粉砕されている。

佐天「流石に鎧は破壊できたみたいですね……今なら私の攻撃も、通用しそうです!!」



ネヴァンのお仕置き確定の佐天は、気持ちを切り替えて、目の前のことに集中する。



御坂「いや……ちょっと待って……これはちょっと……」




バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!!!


ブリッツの周りの雷光が、赤黒いモノへと変質していく。

御坂はこれに見覚えがある。






御坂「あれは……番外個体の雷光……お姉ちゃん……」ギリッ!!!



木原数多は、ブリッツ製造の際、アレイスター側に堕ちた番外個体の、変異した遺伝子や細胞を、素体に組み込み、創り上げた。

完成したブリッツには、あまりに強力な雷の力を抑え付けることが出来なかった為、鎧を拘束着代わりに着込ませることで、その問題を解決した。

<ブリッツ製造秘話>



番外個体「ギャッハハハハハッ!!!!ミサカの遺伝子が欲しいとか!!!
木原クンったらエーローいー!!!そんなにミサカに受精させたいわけェー?」



木原数多「黙ってろ!!このメスガキがぁ……テメェは黙って俺に血の一滴でもよこしゃあいいんだよ!!」




番外個体「イヤーン!!ミサカの体液が奪われるー!!!ギャッハハハハハ!!!
木原クンにミサカの全てを奪われちゃうってかー!!!キャー!!奪って奪ってぇー!!!」



木原数多「あぁ……うぜぇ……何なんだよコイツ……」イライラ



ヴェント「なんて言うか……仲いいわね、アンタ等」ズズッ……

13:25




バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!!!



ブリッツ「グォォォォォォォオオオオオオオオオア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!!!!!!!」



バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!!!




ブリッツの身が赤黒くなり、激しい雷光が辺りを破壊している。


力を解放したブリッツの、魔力や生命力が尽きるまで、おおよそ5分。


それまで、御坂や佐天達は、番外個体に匹敵する力と戦わなければならない。

佐天「こ、これは番外個体第一王女が最後に使ってた力に……」



御坂「どうやらこの魔物、番外個体が少なからず関係しているみたいね……だったら私が何とかしないと」




ズシュッ!!!!







御坂「……へ?」ブシュッ!!


バチバチバチッ!!!!

ブリッツ「グルルッ!!!」



佐天「み、美琴姫!?」



それは一瞬の事であった。

目の前にいたはずのブリッツが、瞬きほどの時間も経たせず、御坂の背中を爪でバッサリと斬り裂く。



御坂「そ、そんな……さっきまでとは……次元が違う……」

ドサッ!!!



御坂は、その場で倒れ伏す。

倒れ伏した御坂を目の前にして、佐天の頭の中に、いろんな思い出が蘇る。



美琴の父である、旅掛に、色々と世話になったこと。


母である、美鈴に、自分の娘のように接してもらえたこと。


姉である、番外個体に、応援されていたこと。


妹である、打ち止めに、慕われていたこと。



これら全ての人に愛され、旅に出て合流後、王女の身でありながら、自分と完全に対等の立場で接してくれた、美琴のこと。





佐天「ウッ……ウワァァァァアアッ!!!!!!」

ブワァァァァァァァァァァァァァアアアアアアッ!!!!!


ダンッ!!!!!



怒りの咆哮と共に、佐天の周りに風が吹き荒れる。
そのまま、佐天が上空に飛び上がっていった。

佐天「何処に行った!!!!絶対私が倒してやる!!!」ゴォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!



佐天がもの凄い勢いで、右手に大気を集中させ、圧縮していく。




もっと集中させろ!!

もっと圧縮させろ!!


あの魔物に死を!!!


美琴姫の仇を!!!



ブゥゥゥゥウンッ!!!!!



佐天の右手に、青白い閃光が発生する。
極限まで大気を圧縮したことにより、極めて小さなプラズマが形勢されつつあるようだ。

全てはあの魔物に死を与える為。


その為に、もっと力を……





『力だけを求めたら、人は人で無くなり、魔人になっちまうんだ』





佐天「……浜面さん、ゴメンナサイ……私は貴方の弟子失格ですね。
でも、コイツだけは……この魔物だけは!!!」ォォォォォオオオッ……



佐天の周りに黒いオーラが纏わり付く。

怒りにかられ、限界以上の力を求め、無理矢理引き出したことで、魔人化の兆候が現れ始めている。






バチバチバチッ!!!!

シュンッ!!!

赤黒い雷光と共に、ブリッツが佐天の前に現れる。

佐天「お前だけは!!!ここで私が倒す!!!」ゴォォォォォオオオッ!!!!




ブリッツ「グルァァァァァァァアアアアアッ!!!!!」バチバチバチバチバチバチッ!!!!!





ドゴォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!!




限界を超えた、佐天のプラズマと、命を燃やしながら発生させているブリッツの雷が衝突し、第6地区の空は、閃光に包まれた。

ちょっと休憩です。


続きは、0時までには再開します。

乙!
インデックス「残像だ」
クソワロタwwwwww



なんで佐天さんすぐ闇堕ちしてまうん…?

半蔵に続き佐天もか


一通さんの迷言がどんどん奪われていく…ひどい…ひどすぎる……!

インデックスがギャグ要因とは……wwww

お待たせいたしました。

何とかVSブリッツ戦完結まで行きたいと思います。



>>520
誰かこのシーンで壁にもたれかかるジョジョ立ちインデックスを描いてほしいものです。チラッ、チラッ。

>>521
>>522
佐天さんは多感なお年頃なのです。

>>523
ん?一方さんのセリフありました?
原作読んでないとこういうの不便ですね……


>>524
強いキャラほどギャグになるのが、このSSです……

シュゥゥゥゥゥゥゥウウウウウッ…………




佐天「くっ……チク……ショウ……。ゴメンナサイ……美琴姫……浜面さん……」グラァッ……




ヒュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥウウウッ…………



ブリッツ「グルルルルッ…………」バチバチバチッ……



軍杯は、地力で遥かに勝る、ブリッツに上がったようだ。
意識を失い、上空からゆっくりと、佐天が落ちてくる。


気を失い、能力を使えない今の彼女がそのまま地面に叩きつけれるのは、必然であった。

シュンッ!!





黒子「全く……久々にお嬢様の電撃で悦に入っていましたのに……最悪の目覚めですわ……」ガシッ!!




突如、白井が空中に現れ、佐天の身体をキャッチする。





黒子「ゴメンナサイですの、佐天さん……少々おふざけが過ぎたみたいで、貴女もお嬢様もこんな事に……」




バチバチバチッ!!!

シュンッ!!!

ブリッツ「グルァァァァァァァアアアアアッ!!!!」バチバチバチッ!!!



白井のすぐそばに、ブリッツが現れる。
御坂を斬り裂いたその爪は、今にも白井に襲いかかろうとしていた。

白井「遅いですの」バッ!!



ズドドドドドッ!!!!



白井は、自分のスカートの中の太もも辺りに手を添えると、一瞬でブリッツの両腕に、いくつもの鉄杭を空間させた。



相手の防御力など関係無しに、転移先のモノを押しのけて突き刺した鉄杭は、ブリッツの両腕両肩の関節を固定させ、動かせないようにした。



ブリッツ「ギッ!?」グググッ……



力を込めても、爪は白井には届かない。構造的に動かせないのだから。

白井「それではごきげんよう。あ、ついでにこれもオマケしておきますわ」シュンッ!!



ズドドドドドッ!!!!!



ブリッツ「ガッ!!!!」


空間移動で移動する間際、ブリッツの両足の関節にも、鉄杭を打ち込む。



ブリッツは四肢の自由を奪われ、そのまま落下していった。




シュンッ!!


白井が、佐天を抱きかかえて地上へと戻る。

気を失っている佐天を建物の壁に寝かせ、白井は御坂の元へと急ぐ。

白井「お嬢様!!しっかりしてくださいませ!!」ユサユサ



御坂「ん……黒子……気がついたのね……。
だったら早く……佐天さんと一緒に逃げなさい……」ドクドク……



御坂の背中の傷から、ドンドン血が流れ出している。
かなり深い傷だ。



白井「そんな……お嬢様を捨ててなど黒子にはできませんの!!」



御坂「いいから……はやく……」グググッ……


傷を負いながらも、御坂はゆっくりと立ち上がる。
相当、ダメージは大きいようだ。




ふと、御坂の背後の空間が歪む。

白井「お、お嬢様……何ですの?その娼婦のような、淫らなオーラを漂わせるお方は……」



御坂「ネヴァンさん……ちょっと協力してもらえないかしら?
私一人じゃあ、アイツにはまだ敵わないみたいなのよね……」」





ネヴァン「えぇ……喜んで手伝ってあげるわよぉ、美琴ちゃん……」スゥッ……



背後から、美琴を優しく抱くように、淫靡な雰囲気を放つ、魔女ネヴァン(オルソラ)が、最初から魔女の力を漂わせた状態で現れる。

ネヴァン「痛そうねぇ、美琴ちゃん……私の美琴ちゃんのスベスベした肌にこんな傷をつけるなんて。

お姉さんが治してあげようかしら?
本当なら願いの対価として、魂を貰うんだけど、美琴ちゃんならサービスで、イタズラ3回くらいで治してあげるわよ?」




美琴「……イタズラの内容次第ね」




ネヴァン「大丈夫よぉ……。
美琴ちゃんが幻想殺しの坊やに操も魂も何もかもを捧げる予定なのは知ってるんだからぁ。
ちゃんとソフトなものにしてあげるわぁ」ニコリ……



御坂「…………怒るわよ?ネヴァンさん……」



そうネヴァンが告げると、美琴の背中の傷が、みるみるウチに塞がっていく。

白井「あ、あれだけ深かった傷が……」



青ざめていた、御坂の顔色が、元に戻っていく。






ダンッ!!!!!!!



ブリッツ「…………グルルッ……」バチバチバチバチッ!!!



上空で、白井に四肢の自由を奪われたハズのブリッツが、しっかりと着地する。




白井「なっ!!私が鉄杭で、関節を完全に貫いて固定したハズですのに……」



御坂「電撃で磁石化させて、抜いたんでしょ。
今のアンタの力で手に負える相手じゃないのよ黒子。
佐天さんを連れて、少し離れてなさい」チラッ




御坂は、側で気を失って倒れている佐天の姿を見る。
自分が不甲斐ないばかりに、黒子やあの子までこんな目に合わせてしまった。


そんな、自分への怒りとブリッツへと怒りが混ざり合う。

御坂「…………さて、ラウンド2といきましょうか?ネヴァンさん……」パリッ……



ネヴァン「そうねぇ……ちょっとおいたが過ぎたみたいね。あの生まれたての坊やは……」パリパリッ……バチッ!!



御坂と、その背後から抱きついているネヴァンから、バチバチと火花が散る。





バチバチバチッ!!!

シュンッ!!!


ブリッツ「グルァッ!!!!」ブンッ!!!


ブリッツが、一瞬で御坂達の背後に回り込み、爪を振りかざす。
先ほどと同じパターンだ。



しかし、その爪は御坂達へは届かない。

バサバサバサバサバサバサバサバサバサバサッ!!!!!!



爪が当たる瞬間、突如、御坂達の姿が、何百ものコウモリに姿を変え、ブリッツの攻撃を避ける。




ブリッツ「グルルッ!!!」キョロキョロッ



ブリッツは、見えない目で辺りを見渡す。


そして、電磁波のセンサーで、御坂達の姿を見つける。


向かいのビルの屋上にいるようだ。









御坂「ショータイムよ!!!」ガッ!!


ギュィィィィィイイイイイイイイイイイッ!!!!!!

御坂は、ネヴァンの魔具であるエレキギターを手に、激しい音を掻き鳴らす。

その瞬間、ネヴァンの使い魔であるコウモリ達が、一斉にあちこちへと飛びたっていく。




ブリッツ「ッ!?グルッ!!グルルッ!!!!」キョロキョロッ!!!!



その瞬間、ブリッツのセンサーに、御坂と思わしき反応が、何百も現れる。

どうやら、飛び散ったコウモリ達の魔力に反応してしまっているようだ。

御坂「アンタ、高速移動する時や攻撃する時、電磁波で狙いをつけてるんでしょう?
行動起こす度に、感じんのよ。アンタから。
てことは、視覚に頼っていないか、もしくは目が見えないか。
だったら簡単よね?コウモリを使って、私のダミーをそこら中にばら撒けば、アンタは私達に狙いをつけられない」





バチバチバチッ!!!!

シュンッ!!!

ブリッツ「グルァッ!!!!」ブンッ!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!



ブリッツは、聴覚を頼りに御坂の声がした反応に攻撃を加える。


しかし、声すら御坂の力によって、スピーカーのようにコウモリから発せられているようだ。


空振りしたブリッツはそのまま、壁を破壊しビルの中へと突っ込む。

御坂「アハハッ!!どこ狙ってんのよアンタ。
フフフッ……狙いがつけられないんじゃ、折角の力もスピードも意味が無いわよねぇ?」ニコォ……



御坂から邪悪な笑みが溢れている。
やはり、魔女ネヴァンから悪影響を受けているようだ。


旅掛さん、貴女の娘はグレかけています。







カッ!!!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオッ!!!!!!!



突如、赤黒い落雷が、ブリッツが突っ込んだビルに落ち、上層部分が崩壊していく。

バチバチバチバチバチバチッ!!!!!!



ブリッツ「グルァァァァァァァァァァァァアアアアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!!」



バチバチバチバチバチバチッ!!!!!!




上層部が崩壊したことで、ブリッツの姿が現れる。


四方八方に放たれるその電撃は、周囲の御坂の反応を発しているコウモリを、次々と撃退していく。



どうやら、全ての反応を攻撃するつもりのようだ。




ブリッツの活動限界まで残り1分


ブリッツは勝負を仕掛けてきた。

御坂「全部に狙いをつけたか……ホント恐ろしい力ね。
Aランクどころじゃないんじゃないかしら?
ネヴァンさん!!アレいくわよ!?」



ガチャガチャガチャガチャッ!!!!!




ネヴァンのエレキギターが、その姿を変えていく。
あっと言う間に、エレキギターの先端が変形し、大口径の銃口へとなった。




御坂「ネヴァンさん!!コウモリを消して、分散した力をこの銃に込めて!!」バチバチバチッ!!!!



御坂のダミーとなっていたコウモリ達が消え、御坂とネヴァンの力がエレキギターの銃口部分に込められる。

バチバチバチバチバチバチッ!!!!


ブリッツ「ガァァァァァァァァァァアアアッ!!!!」


バチバチバチバチバチバチッ!!!!



ダミーを消したことで、御坂の居場所がブリッツに気づかれる。



ブリッツは、全ての力を自身の両手に溜めた。

赤黒い雷の力がブリッツの手の中で渦巻いている。


そして、ブリッツが両手を御坂の方向へと突き出した。





ネヴァン「外したらお仕置きだからねぇ?美琴ちゃん」

御坂「お仕置きでも何でも受けてあげるわよ!!絶対外さないんだから!!!」ジャキッ!!!



御坂が銃口をブリッツへと向ける。

充電は満タンだ。

あとは撃つだけ。



照準の先では、ブリッツが両手を前に出して構えている。

バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!


ブリッツ「グルァァァァァァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!!」


バチバチバチバチバチバチバチバチバチッ!!!!!





御坂「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええっ!!!!!!!」グッ!!!




ドォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!




互いの最大出力の攻撃が衝突し合い、第6地区に衝撃が走る。









白井「お嬢様……」


少し離れたビルの屋上で、白井は佐天に肩を貸しながら、その光景を見つめる。

バチッ……バチバチッ…………

ブリッツ「グルルルッ……」




眩い閃光が走った後、姿を現したのは、ブリッツであった。



その命が尽きるまで残り数十秒。



ブリッツは本能のままに、力を使い、強敵との闘いを終えた。

その立ち姿からは、心なしか満足しているように見える。

バザバサバサバサバサッ!!!!

コウモリの羽音が、鳴り響く。













御坂「貰うわよ?アンタのその力」チャキッ!!






ブンッ!!


ズシュッ!!!!





ブリッツの背後に、コウモリと共に現れた御坂が、ネヴァンのエレキギターを変形させた、紫電に染まった死神の鎌のような武器で、ブリッツの身体を真っ二つに斬る。




その姿はまるで、魂を刈る死神に酷似していた。

スゥッ……



御坂が、クリスタルを片手に、その手をブリッツへと向ける。


ブリッツの魂と魔力は、瞬く間にクリスタルへと封印され、クリスタルはその力を宿した。






ネヴァン「あらぁ?美琴ちゃんには、お姉さんがいるっていうのに浮気ぃ?お姉さんスネちゃおっかなぁー」


ブリッツの力を手にした御坂に対し、不機嫌そうにネヴァンは愚痴をこぼす。




御坂「ううん……私はこの力を使うわけにはいかないわ。

この力は、今のお姉ちゃんの力。
私はお姉ちゃんの力を超えて、取り戻さなきゃいけないんだから。
だから、今はお姉ちゃんに頼るわけにはいかないのよ」

シュンッ!!!



白井「お嬢様!!!ご無事でしたの!?」



白井が空間移動で、御坂の側に現れる。
側には意識を取り戻した佐天の姿が。




佐天「美琴姫……よかった……無事で……」



御坂「姫はやめてよ、佐天さん。
貴女はもう、あの国の兵士じゃないし、今の私はあの国の王女じゃないの。
同じ目的を持った仲間でしょ?私たち」ニコッ



先程までの悪女のような笑顔ではなく、とても綺麗な笑顔で、御坂は佐天に微笑みかける。

佐天「で、でも貴女は……」



御坂「もー、しつこいわよ!!私がいいって言ったらいいの!!
ほら、佐天さん。コレ貴女にあげるわ」




佐天「コレは……クリスタル?もしかして、さっきの魔物の……」



御坂「浜面さんを助けに行くんでしょ?だったら、少しでも力になれるようにってね。
あ、それと、さっきみたいに無茶な力を使ったらダメよ?ちゃんと下から見てたんだから!!」



恐らく、無理やり出した、プラズマのことを言っているのだろう。
確かに、自分の力の限界を一気に超えたせいで、身も心もボロボロだ。

寝たのか?おつ

>>520
http://i.imgur.com/pRYyL.jpg
ささっとですまんが

佐天「わかってます……反省してますよ。浜面さんの教えを少し破っちゃいましたからね。
じゃあ、遠慮なく、いただきます!!あ、代わりに空のクリスタル渡しておきますね!!」ゴソゴソ



御坂「え?いいわよそんなに気を使わなくて」


佐天「なーに言ってるんですか!!仲間に遠慮なんてしちゃダメですよ!!『御坂さん!!』」


佐天の言葉から、姫という壁が取り外される。



御坂「……そうね。じゃあ、遠慮なくもらっておくわ。
また浜面さんを探しに行くの?佐天さん」

佐天「えぇ。でも滝壷さんと連絡とれないし、居場所がわからないんですよねぇー。どうしよっかなー」



御坂「そういえば、インデックスまだ帰ってこないわね……迎えに行ったほうがいいのかしら?」



シュンッ!!!



インデックス「ただいまなんだよ!!!!無事にお勤め果たしてきたんだよ!!!」



白井の空間移動を使って、インデックスが戻ってきた。


もはや何でもありで、ホントにチートな能力である。




御坂「お!!噂をすれば戻ってきたわね。無事でよかったよかった!!
で、さっそく頼みがあるんだけどいいかしら?」


インデックス「ん?あ、るいことくろこなんだよ!!」

説明中


インデックス「んーと……しあげは、第17地区から第7地区方面に向かっているみたいなんだよ!!
このスピードは、多分モノレールに乗ってるかも!!」




佐天「7地区!?また戻るんですか……ホント、世話しない師匠だなぁ……」ハァッ……




白井「お送りいたしましょうか?佐天さん」




佐天「いや、大丈夫です。さっき15地区からここまでやってきたロケットダイブで行けそうですし。
それに、もう道に迷うのはこりごりですからねぇ」ジロリ




白井「うっ!?……この度は、本当にご迷惑おかけしましたの……」orz

佐天「ま、寄り道したお陰でこの激強魔物をゲット出来たんだからいいですけどねぇー。結果オーライです!!

それじゃあ、そろそろ行きますね?
御坂さん、ネヴァンさん、回復してくれてありがとうございました!!」




ネヴァン「いいのよぉー。お代は、今から黒子ちゃんへのハードなお仕置きで建て替えておくから。
気をつけてねぇー」フリフリ




白井「えっ!?お、お嬢様?話が見えないのですが……」



御坂「アンタ、佐天さんに私の部屋聞いてどうするつもりだったわけ?」ニコォォオ……



御坂の笑顔に、悪意が再び宿る。

白井「ひ、ひ、ヒィィィィィィィィィィイイッ!!!!」ガタガタガタッ!!



佐天「じゃ、行ってきます!!!白井さん!!頑張ってくださいね?」ニィィィィッ……



ダンッ!!!

ギュォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!


佐天は高く飛び上がり、風を噴射する力で、一気に第7地区方面に飛んで行った。









白井「佐天さぁぁぁぁぁぁあん!!!貴女やっぱり恨んでましたのねぇぇぇええええっ!!!!」



その後、第6地区に、白井黒子の恐怖と悦に満ちた叫び声が響きわたる。








インデックス「あれ?そういえば、とうまはどこに行ったのかな?」

13:40



第6地区 繁華街外れのビル街



佐天・白井・御坂・インデックス組



第1ステージクリア




OUT→上条・佐天



<ゲット>



佐天→ブリッツ<DMC4>


ランク Aの中位クラス






Next



12:50


第17地区 工業区域


浜面仕上

おはようございます!!1です!!



安定の寝落ちです。ごめんなさい!!
0時過ぎると、しょっちゅう自動的にスイッチ切れちゃうんですよね昔から。


とりあえずVSブリッツ編終了です。


ネヴァンは、基本はDMC3で、何かと引き換えに、原作オリアナの万能さが出てくるって感じです。


それではまた次回に。今日は無理なので、明日か明後日にお会いしましょう。


>>549
素早い仕事、ありがとうございます!!
まさかホントに書いてくれる人が居るとは……。


DMCは途中までしかやったことねえな
鳥?のボスで友達に返して言われた

DMCはハマったからネヴァンとかケルとか出ると嬉しい、ニマっとしちゃう
漫才兄dry



睡魔さん最強伝説


アグドラは積極的に侵略してくるイメージはないよな

美琴の貞操が守られてるようで少し安心した
ところでネヴァンのお仕置きシーンは?

命を刈り取る形をしてるだろ?


ぜひいたずらシーンも・・・

こんばんわ、1です。



>>559
グリフォンかな?アイツは強かったですね。

>>560
喜んでもらえて光栄です。アグニルドラはヤダー!!!


>>561
人間の欲求には敵いませんでした……申し訳ない。


>>562
18禁はちょっと……まぁウソですけど。


>>563
1は好きですけどね、BLEACH。
あのシーンも雰囲気は好きです。雰囲気は。


>>564
やるなら2章最後らへんですねぇ。基本ネヴァンは美琴大好きなので、酷いことはしませんが。。



それでは、21時には投下しますね。
敵がDMCばかりだったので、今までとは違うところからの登場になります。
ていうか、全くわからなかったらゴメンナサイ……

12:50



第17地区 工業区域




浜面「えーと……どっかに都市の地図はないかな?……ないか……」ズーン……



浜面仕上は、只今絶賛迷子である。




ガーゴイル達との空中戦で、工業都市を飛び回ったことで、自分がどこまで来たのかわからなくなってしまったようだ。




浜面「あの『ヒューズ・カザキリ』が見えりゃあなぁ……。
そっちを目指していけば第7地区には着くんだが……。
しょうがない。モノレールの駅を探すか」テクテク

非常時には、全てのモノレールが第7地区に繋がるようになるということで、浜面はモノレールのレール沿いに、駅を探すことにする。



まずは、レールの場所まで行かなければならないが、周りを見渡してもそんなものは見当たらない。



仕方なく、能力を使い、空からレールの場所を見つけ、そこまで向かう。



テクテク



浜面「さっきのガーゴイル戦で、アイアンゴーレムVer2使っちまったからなぁ……。
今のうちに少しの間は魔力を使わずに回復させなきゃいけねぇな。
まだまだ先は長そうだしよぉ」テクテク



レール沿いに、浜面は駅の方へと歩みを進める。

どうやらこの辺りには魔物がまだ来ていないようだ。
浜面は、魔物とかち合うこともなく、歩き続けた。

13:00



第7地区行きモノレールの駅周辺




ドォォォォォォォォォォォッ……



浜面「うぉっ……なんだ?この地響きは……誰かが派手にやってんのか?」



浜面のいる第17地区に、何かが崩れ落ちるような地響きが響き渡る。



今まさに、弟子である佐天が、崩壊現場の中心で生死を彷徨っている中、師匠である浜面は、他のメンバーと比べても極めて平穏である。


現時点では、弟子の方が、よっぽど主人公している。

バババババババババババババババババッ!!!!!!!




浜面「うぉっ!!!何だあの機械!!あんなデカイ機械が空飛んでやがる!!」



平穏を崩すように、上空を軍用ヘリの編隊が通過していく。
浜面が知ることは無いが17地区に集結していたモノが、黄泉川の指示により撤退しているのだ。




浜面「あんなモンまで作ってたのかこの都市は……本当にここの中と外では別の世界なんだな。
まぁ、外であんなもん飛ばしたら、速攻で空中の魔物にやられそうだが」




バババババババババババババババババッ!!!!!!!



ヘリはそのまま17地区を通り過ぎ、黄泉川の元へと集結していく。
彼らの出番は、今後に期待できそうである。





そう思ったのも束の間であった。

ドォォォォォォォォォォォンッ!!!!!


編隊を組んでいたヘリの内、一機が大爆発を起こす。



浜面「ゲッ!?何だなんだ!?いきなり爆発しやがった!!」



浜面が突如爆発した一機のヘリに注視する。



「…………」



何やら、炎上するヘリの側に、人影のようなモノが見える。


まさか、人間が襲撃しているのか?


浜面の頭には、真っ先に絶対等速の姿が浮かんだ。

ドォォォォォォォォォォォンッ!!!!!



破壊されたヘリのすぐ側のヘリも続けて爆発する。

間違いない。

あの人影の主が、ヘリへと強襲をかけている。



ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!



周囲のヘリが、大破したヘリに掴まる人影に向かって、銃撃を加えている。
被弾したのかどうかはわからないが、人影が上空から落下していく。




落下ポイントは、どうやら、浜面のいる地点のようだ。

浜面「落ちたか!?しかもこっちに落ちてきやがる!!!
おっしゃあ!!魔力もある程度回復したところだ!!相手してやるぜ!!!」チャキッ!!



浜面が、剣を抜き、構える。



人影は、間も無く着地する。



ビュォォォォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!



ダンッ!!!!!!!!




着地した。

13:05




浜面「に、人間……じゃあねぇよなぁ?これは……何だこいつは……」




浜面の目の前に現れたのは、大柄な人型の何か。



その姿は、全身を青く光るラバースーツで覆い、ところどころをプロテクターのような防具でカバーしている。


顔には赤く光るスコープが装着され、その何かは、じっと浜面を見つめている。



何よりも、一番の特徴は、両手にそれぞれ持った2つの機械式の回転ノコギリ。
俗に言うチェーンソーである。



恐らくは、あれで軍用ヘリの厚い装甲を斬り裂いたのであろう。
刃こぼれ一つしてないそれは、明らかに工業都市製のモノではない禍々しさを放っている。

アレイスター側の科学者、木原数多の、人を用いた悪魔のような実験により、強制的に魔物へと変えられた哀れな元人間の女性。



木原数多によって、『エンプレス<女帝>』と名付けられたソレは、もはや人間としての意志は無く、木原の命ずるままに全てを斬り裂く。(ハウスオブザデッド4)




それは、目の前の浜面も例外ではない。




カチッ!!

ギュィィィィィィィィィィィィィィイイイッ!!!!!



エンプレスがチェーンソーのスイッチを入れると、二つのチェーンソーが轟音を鳴らし、起動する。

浜面「おいおい……何やら物騒なモン持ってんじゃねぇか……。
さっきから変なヤツばっか出てきやがって!!」ダンッ!!



浜面が手にした剣を振りかざす。



ウォンッ!!!

パキィィィィィィィィィイイイッ!!!


しかし、チェーンソーの刃に阻まれ、いとも容易く剣は砕けた。



浜面「ッ!?簡単に折れやがった!!こんなヤツ、接近戦じゃ、絶対叶わねぇだろ!!」



ギュィィィィィィイイインッ!!!!!



浜面が、一旦エンプレスから離れようとする矢先、エンプレスのチェーンソーが振りかぶられる。

浜面「こんなデカイ得物持っててこの速さはヤベェだろ!!」ダンッ!!



ガリガリガリガリッ!!!!!



エンプレスのチェーンソーは、浜面に当たらず、アスファルトで舗装された道路を削る。


道路は、深く抉れてしまっているが、エンプレスのチェーンソーには刃こぼれ一つない。



浜面「クソッ!!近づくんじゃねぇ!!」チャキッ!!


浜面が、両手にサブマシンガンを構える。


パラララララララッ!!!!

パラララララララッ!!!!



大量の弾丸が、エンプレスへと飛んで行く。

エンプレス「……」ジャキッ!!!



ギィンギィンギィンギィンッ!!!!!



エンプレスは盾のように二つのチェーンソーを構えると、弾丸はチェーンソーに阻まれ、弾かれる。
その体勢のまま、エンプレスは浜面へと足早に近づいてくる。




浜面「クソッ!!近距離は自殺行為!!遠距離は火力不足!!
一体どうすりゃあ、こんな化け物倒せんだよ!!」パラララララララッ!!!!



浜面は、サブマシンガンを撃ちながら後退していく。
エンプレスと浜面の距離が、ドンドン近づいてくる。

カッ!!!



浜面「こうなりゃ、物は試しだ!!
アイツが反応できないスピードなら接近戦しても大丈夫かもしれねぇしなぁ!!」ギュルンッ!!



シュンッ!!



浜面がスラ防のバイクを出し、アクセルフル開度で姿を消す。



ザシュッ!!!!


エンプレス「ッ!?」グラァッ!!


ドスッ!!


エンプレスが道路に膝をつく。
よく見ると、エンプレスの左足首から下が消失している。

キキキキッ!!!!


浜面「おっし!!!どうやらデュランとかと違って、このスピードには反応できねぇようだな!?
少し道が開けてきたぜ!!」



バイクを止め、新しい剣を握った浜面が吼える。
自分にとって無敵かと思われた敵の攻略法がようやく見えてきたのだ。

少なくとも、相手の足を切断したことで、状況はかなり有利になったハズである。

エンプレス「…………」



ゴポゴポゴポッ!!!



突如、エンプレスの消失した足首の切断面から、奇妙な音が聞こえる。




浜面「……やっぱ……勝てないかもなぁ……俺や絹旗みたいなインファイターには相性が悪すぎる……」



スッ……


エンプレス「……」グリグリ



エンプレスが立ち上がり、消失したハズの左足首の調子を確かめる。


再生したのだ。それも数秒ほどのあっという間に。

カチッ!!


ギュィィィィィィイイインッ!!!!!


再び、エンプレスがチェーンソーに電源を入れる。




エンプレス「……?」アレ?



しかし、エンプレスの目の前には浜面はいない。

後ろにも、頭上にもいない。


周りを見渡して見ると、見る見るウチに、浜面はここから離脱していった。




エンプレス「…………」ポツン……



ダンッ!!!!



エンプレスは高く飛び上がり、浜面を追いかける。

ギュォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



浜面「これは逃げじゃねぇ!!戦略的撤退だっ!!!今の俺には、アイツに勝ち目はかなり薄い!!!
ここは、一刻も早く、誰かと合流だ!!」




浜面は、レール沿いに、スラ坊バイクで走る。




手持ちの通常の銃は効かない。
迂闊に近寄れば、防御不可のチェーンソーで簡単に斬り裂かれる。
ハイスピード戦法で攻撃しても、瞬く間に再生する。



闘う方法は他にもあるかもしれないが、それよりも他の誰かとの合流が、先決と浜面は判断した。





浜面「ッ!?あれが駅か!!おっしゃあっ!!」



第7地区行きへのモノレールの駅を見つけ、浜面はバイクを解除し、モノレールへと乗り込んだ。

ちょっと休憩です。


ちょい昔のゲーセンの銃ゲー、ハウスオブザデッド4の3面ボス『empress』でした。

このシリーズ屈指の迫力のボス戦なので、1はこのボス大好きなのです。


知らない方は、ゴメンナサイ。ていうか、殆ど知らないかもですね……。


このSSでの位置づけは、まぁ山羊頭のデーモンの強化版と思ってください。



23時ごろに再開します。



エンプレスに電車はアカンで、浜面さん

お待たせしました。再開します。



>>584
知ってる人いたー!!!よかった……ホントよかった……。

13:15



モノレール駅



浜面「おしっ!!あとはこのボタンを押せば……」カチッ……


ガタン……ズズズッ……


ガタンゴトンッ……


ガタンゴトンッ……



浜面「動いたな。これであとは7地区まで自動的に移動してくれるハズだ。
……しかし、さっきのヤツといい、ガーゴイル達といい、あのレベルの魔物が都市中にウロウロしてんのか……。
他の奴等は大丈夫なのかよ」ゴソゴソ



浜面は、ジャージのポケットから携帯電話を取り出した。




浜面「皆『ヒューズ・カザキリ』のところに居るといいんだが……とりあえず、もっかい麦野に電話してみるか」ピッ、ピッ

プルルルッ

プルルルッ



ガチャッ!!!





ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


麦野『んだコラァッ!!!!クソ忙しい中電話してくんじゃねーよ馬鹿面ァァァァアアアッ!!!!ぶっ殺すゾォテメェ!!!」


ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!




浜面「ッ!?む、麦野!?戦闘中かよ!!!大丈夫かお前等!?
皆、まだ『ヒューズ・カザキリ』のところにいるのか!?」

ゴォォォォォンッ!!!


ゴォォォォォンッ!!!





ァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!



麦野『クソッ!!また消えやがった!!!全員、周囲を警戒しなさい!!!!

アァ!?いつの話してんだよテメェは!?心理定規以外彼処には残ってねぇよ!!!
てかアンタ、涙子ちゃんとは合流できたの!?』




浜面「鐘の音……?一体どんなヤツと戦ってんだ麦野……。
ていうか涙子ちゃん!?いや、全然見てねぇけど……涙子ちゃんがどうかしたのか!?」

麦野『ハァッ!?まだアンタ達合流してないの!?
アンタを手伝いに、涙子ちゃんが17地区に向かったんだよ!!大分前の話だぞ!?』




浜面「マジかよ!?俺今、17地区から7地区にモノレールで向かってんだけど!!」




麦野『チョロチョロしてんじゃねーよ馬鹿面!!!
早く涙子ちゃんに連絡とって、合流しなさい!!
アンタはともかく、あの子1人じゃ危ないでしょ!?』







ゴォォォォォンッ!!!


ゴォォォォォンッ!!!



ギャァァァァァァァァァアアアアアッ!!!



麦野『ッ!?チッ!!マズイわね!!
いい!?涙子ちゃんと急いで合流すること!!わかった!?
じゃあ切るわよ!!こっちもヤベェんだよ!!!』


ブツンッ!!

浜面「おい麦野!?……思ったより事態は深刻みてぇだな……」




ガタンゴトンッ……


ガタンゴトンッ……



モノレールの後部車両内にて、静寂が流れる。



浜面「……とにかく、涙子ちゃんに連絡してみるか……。
全く1人で動くなんて無茶しやがって、誰に似たのか……」スッ……




お前だ。




浜面が、佐天へと電話をかけようとしたその時、モノレールに異変が起こる。

スターとかワールドとかも出るのかな?

ギュィィィィィィィイイインッ!!!!!!

ギギギギギギギギギギッ!!!!!!




浜面のいる、最後尾の車両に、突如火花が散る。




浜面「オイオイ……何かさっきも見たような物騒なもんが見えるんだが……」スッ……



浜面は、開きかけた携帯電話をポケットの中に戻す。


火花と共に、モノレールの天井が斬り落ち、上から青く光る人影が落ちてきた。






エンプレス「…………」ギュィィィィィィィイイインッ!!!!!!




そこには、先程撒いたハズの、ダブルチェーンソーを持つ魔物『エンプレス』が、チェーンソーを構えて立っていた。

浜面「オイオイ冗談じゃねぇぞ……こんな狭いところでテメェみたいなのが暴れたら……」




エンプレス「………ッ!!」ギュィィィィィィィイイインッ!!!!!!



エンプレスが、チェーンソーを両手に、振り回しながら浜面へと向かってくる。






浜面「こっの……クソッタレがぁぁぁぁぁああっ!!!!」ジャキッ!!!


パラララララララッ!!!

パラララララララッ!!!




浜面はエンプレスへとサブマシンガンを撃ちまくる。

エンプレス「ッ!!!」ブンッ!!!


ギィンギィンギィンギィンッ!!!!



しかし、エンプレスのチェーンソーに弾丸が弾かれてしまい、通用しない。


それでも何発かは、エンプレスの身体に当たったようだが、当たった側から再生し、効いてるのかどうかがわからない。




ゆっくりとエンプレスが近づいてくる。


ギュィィィィィィィイイインッ!!!!!


そして、浜面のすぐ側でチェーンソーを振り上げる。

浜面「クソッ!!万事休すか!?」パラララララララッ!!

パラララララララッ!!!


浜面は最後まで抵抗を続ける。


浜面「ウォォォォォォォオオオオオッ!!!!!」パラララララララッ!!!


浜面の執念が通じたのか、一発の弾丸が、エンプレスの顔に当たった。



エンプレス「ッ!?」ヨロォッ……


その瞬間、エンプレスが大きくよろめく。
今まで弾丸を喰らっても全く怯まなかったのに。

浜面「……今の見たぜ……お前の弱点は顔なんだな!?」ジャキッ!!!




パラララララララッ!!!!


浜面は、エンプレスの顔面目掛けて、サブマシンガンを撃つ。


咄嗟にエンプレスはチェーンソーでガードするが、そのまま大きく後退していった。



浜面「一発当たっただけでその反応……どうやらその弱点は致命的みたいだな!!」パラララララララッ!!!!


浜面が、死中に活路を見出した。
これでもかと、エンプレスの顔面目掛けて銃撃を行う。

ギギギギギギギギギギィンッ!!!!!



その瞬間、エンプレスは、モノレールを天井から床へと一気に斬り裂く。



モノレールの後部車両はそのまま斬り分けられ、後部側のモノレールはそのまま脱線し、地上へと落ちていった。


そしてエンプレスの姿も消えている。




ビュォォォォォオオオオオッ!!!!


浜面「……落ちたか?」スッ……



剥き出しになったモノレールの断面から、浜面が地上を見る。

ザンッ!!!!!


ギギギギギギギギギギッ!!!!!





その瞬間、天井から再びチェーンソーが突き出てきた。
ある程度予想していたのか、浜面の真上に出てきたそれを、咄嗟に避けることで、難を逃れる。



浜面「やっぱそう簡単にはいかねぇか!!」ダッ!!!



浜面は、後部車両から、真ん中の車両へと移動する。





ギギギギギギギギギギッ!!!!!



エンプレスのチェーンソーは、そのまま天井から、浜面を追いかけてきている。

真ん中車両の天井にも、追いかけてきたエンプレスのチェーンソーの斬り口が作られる。



エンプレス「…………」ギギギギギギギギギギッ!!!!!



その斬り口からエンプレスの姿が現れた。

浜面「いい加減しつけぇぞテメェッ!!!」バッ!!




カッ!!!


浜面「これでも喰らって吹っ飛んでろ!!!」ブンッ!!!


グォォォォォォオオオオッ!!!!



浜面はアイアンゴーレムの両腕を出し、そのまま天井のエンプレスへと左のストレートで攻撃する。




エンプレス「ッ!!!」ブンッ!!!


ギィィィィィィィィィイイインッ!!!!!



浜面「なっ……一撃かよ……」



アイアンゴーレムの左腕が、一閃と共に、チェーンソーで真っ二つに斬り分けられる。
浜面の能力の中でもトップクラスの攻撃力を誇るアイアンゴーレムでも、全く歯が立たないようだ。

浜面「戻れアイアンゴーレム!!!!そしてテメェは、これでも喰らって落ちてろ!!」ピンッ!!!


ブンッ!!!



浜面は、フレンダに何個か貰った、超強力手榴弾をエンプレスに投げ、そのまま全力で先頭車両へと向かう。



エンプレス「?」ブンッ!!

ギィィィイインッ!!!!!


エンプレスは、飛んできた手榴弾を、いとも容易く斬る。




その結果










ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!!


ドォォォォォォォォォォォォォォオオオオッ………



真ん中の車両は、大きな爆発により、大破し、地上へと落下していった。

先頭車両も脱線するだろとかいう細かいツッコミは無しだ。

浜面「やっぱ手榴弾も斬りやがったか……早めに逃げといてよかったぜ……」ゼェッ、ゼェッ……



先頭車両で、浜面は息を切らしていた。
今度こそ、爆発と共に落ちていったハズだ。


浜面は腰を降ろし、モノレールの床に座り込んでしまう。


しかし、浜面に安息の時はこない。






ザシュッ!!!!


ギギギギギギギギギギッ!!!!!!



先頭車両の側面部から、鉄を切り裂く派手な火花と、もう二度と聞きたくない音が聞こえてくる。

浜面「ハハッ……ここまで来るともう笑えねぇよ……」スッ……



浜面がゆっくりと腰を上げる。




ギギギギギギギギギギッ!!!


側面部から、チェーンソーだけがゆっくりと浜面に近づいてくる。
顔面が見えない為、銃撃を加えることも出来ない。



浜面は考える。



コイツには顔面に攻撃を叩き込むしか、勝つ方法はない。
サブマシンガンの攻撃であれだけのダメージを与えたんだから、能力の攻撃なら一撃かもしれない。



しかし、どうやって当てる?

アイアンゴーレムの腕は、いとも簡単に破られた。


スラ坊やケルベロスのバイクはこのモノレールの中じゃ使えない。
そして、モノレールの外に出ようとした瞬間、やられるかもしれない。


グリフォンもダメ。
Ver2も、接近戦なんざリスクがめちゃくちゃ高くて、勝算は限りなく低い。





手詰まりだ。

この状況を覆す武器が、自分にはない。

だったら……



カッ!!!



ブワァァァァァァァァァァアアアアッ!!!!!


浜面は、アイアンゴーレムのVer2を出す。


浜面の両手両足に、黒い甲冑のような籠手と具足が装着される。




浜面「だったらこれは賭けだ。
皆で仲良くロケットダイブと行こうじゃねぇか……」グググッ!!!



ギギギギギギギギギギッ!!!!



エンプレスのチェーンソーはすぐ側まで迫っている。



浜面「オラァッ!!!!」ブンッ!!!



浜面が、籠手を着けた拳で、モノレールの床を殴りつける。






ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!





その瞬間、爆発と共に、モノレールがレールから飛び上がり、空高くへと舞い上がっていく。

ここで投下終了です!!


意外とHOD4知ってる人が居てよかった。
参考画像を用意したいところですが、1の背後に、睡魔が潜んで居ます。

ご自分でどうぞ。


>>591
ワールドは流石に反則なので無理ですが、マジシャン、スター、戦車は出して見たい気はします。

全部木原作で通りそうですし。


それではまた明日。



女性の顔を狙うなんてさすが
上条さんじゃなくて浜面かぃ

まあこのヤンデレ具合は
ハーレムにいれるべき

乙でした


マジシャンは出して欲しいかも
あいつは別のどのゲームに出てきてもまるで違和感がない

個人的にはスターはベツレヘム繋がりでフィアンマや上条、考察系の話を持ち込めば美琴あたりと戦ったりがいいかんじな気がする

削板も主要キャラにしてほしかったな

>>609
スターは暗殺者っぽいから
都市戦のほうがいいんじゃない?
格闘も飛び道具もあるし

(早く原作読めよ)

こんばんわ、1です。

今日は少ないですが、浜面VSエンプレス戦→麦野編序盤をお届けします。



>>606
男女平等は基本ですねw

>>607
ありがとうございます!!!!

>>608
>>609
>>611
HOD勢に関しては、完全に未定です。
出るとしたら、高ランクなので、後々でもよいかなと。

>>610
イマイチキャラがわからない……

>>612
一冊100円くらいで売ってれば……


それでは、投下します。

13:35

上空


ビュォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!


エンプレス「ッ!?」



浜面「ハッハァーッ!!!!遊園地の絶叫マシンってのはこんな感じなんだろうなぁ!!!
この身体が浮きあがる感覚は、何とも言えないもんだぜ!!!」




空高く舞い上がっていくモノレールの中で、浜面は叫ぶ。

側面に張り付いていたエンプレスは状況が理解できず、咄嗟にチェーンソーで開けた穴からモノレールの中に入る。

浜面「来たな……あとは、地上に激突するまでに、いかにテメェの攻撃をくぐり抜けて、このモノレールの中から脱出するかだ。

いくら不死身みてぇなテメェでも、モノレールごとこの高さから地面に叩きつけられれば、さすがに死ぬだろうよ!!」




グラァッ……



モノレールの上昇する力がピークに達する。




ブワァァァァァァァァァァアアアアッ!!!!


地面に激突するまでおよそ10秒。

エンプレス「!?」グラァッ!!



落下していくモノレールが向きを変え、その瞬間、エンプレスの体勢が崩れる。




その一瞬を浜面は見逃さなかった。





浜面「もらったぁぁぁぁぁぁあああっ!!!!!」ジャキッ!!!

パラララララララッ!!!!

パラララララララッ!!!!



エンプレス「ッ!?」


ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!



エンプレス「!!!!!」ヨロォッ……



チェーンソーでのガードが間に合わず、エンプレスの身体中に、弾丸がぶち込まれる。
顔面に何発か当たり、エンプレスは大きくよろめいた。

浜面「今しかねぇ!!」ダンッ!!!




浜面は、よろめいたエンプレスの側にある、彼女がこの車両内に入ってきた穴へと走る。



これは賭けだ。



このモノレールから脱出する為には、ヤツの側をくぐり抜けてなければならない。
最悪の場合、一撃必殺のヤツの攻撃を躱さなければならない。



浜面「これしか方法はねぇんだ!!腹決めて、行ってやるよ!!!」ダッ!!



覚悟して穴へと向かう浜面を、体勢を崩していたエンプレスが、ジッと見ていた。


カチッ!!


エンプレス「ッ!!!!!」ギュィィィィィィィイイインッ!!!!!




エンプレスが突っ込んでくる浜面へとチェーンソーを振りかぶる。



浜面「グリフォン!!!一撃喰らえばそこで終わりだ!!
せいぜい足掻いてやろうぜ!!!」


カッ!!!


シュンッ!!!



グリフォンのVer2を装備した浜面は、途端に姿を消す。





ギィィィイインッ!!!!


次の瞬間、浜面のスピードに対応してきたエンプレスが、チェーンソーで斬りかかり、浜面は、双剣で受け止めている。

浜面「ウォォォォォォォオオオオオッ!!!!」ギギギギギギギギギギッ!!!!!


しかし、受け止めている双剣はもう、保ちそうにない。




パリィィィィィィィイインッ!!!



浜面「ッ!?」バッ!!!


双剣は粉々に砕け、そのままチェーンソーが、目の前にいる浜面へと降り抜かれる。

パラララララララッ!!!!!


ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!




エンプレス「ッギャァァァァァアアアアッ!!!!」グラァッ!!!!




エンプレスが突如、悲鳴をあげる。

エンプレスが、顔面を手で覆い、大きく怯んでいるその目の前には、サブマシンガンを構える浜面の姿が。




浜面「一瞬でも攻撃を躱すか防げりゃあ、この距離ならカウンターで顔面狙い放題だ。
殆どの弾が顔面に当たったみたいだな……じゃあな、チェーンソー野郎」バッ!!!

ビュォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!




浜面は、エンプレスが入ってきた側面部の穴から、モノレールを脱出した。



地上まで残り4秒程で激突する。



浜面「アイアンゴーレム!!!!このモノレールをどっかにぶっ飛ばすぞ!!!」


カッ!!!


浜面は、アイアンゴーレムのVer2を装備する。

浜面「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァッ!!!!!!!」ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!



浜面のラッシュに連動して、アイアンゴーレムの拳が空間を突き破り、ラッシュでモノレールを叩き潰す。


四方八方から殴りつけられたモノレールは、グチャグチャに破壊されている。

浜面「頼むから、もう追っかけてこないでくれよなぁ!!!
そのチェーンソーの音は二度と聞きたくねぇんだよ!!!」ブンッ!!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!



トドメと言わんばかりに、浜面とアイアンゴーレムは、モノレールを殴りつける。
モノレールは、そのまま、遠くの方へと……第7地区と第15地区の境目方面へと飛んでいった。




地上激突まであと1秒。

ビュォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!


浜面「スラ坊!!!悪いがこのまま『ヒューズ・カザキリ』のところまで乗せてってくれ!!
モノレール壊しちまったから、残りは自力で行くしかねぇからな!!」



カッ!!


ギュォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



浜面は、そのままレール沿いに第7地区を目指す。

といっても、『ヒューズ・カザキリ』やコロシアムが見えているので、もう第七地区には入っているかもしれないが。





13:36


浜面仕上→第7地区到着


エンプレス→第7地区と第15地区の境目へ

13:55



第17地区→第7地区モノレールレール沿い




ギュォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!


佐天「ん?あれは……」キキキキッ!!!!


上空をロケットのように突き進んでいた佐天が、地上に何かを見つけ、下へと降りて行った。


どうやら、風を使っての大まかな空の飛び方は、マスターしたようだ。



タンッ……


ゆっくりと佐天が地上に降り立つ。

佐天「これは……モノレールの残骸?
どうしてこんなところに……まさか浜面さん!?」



佐天は、エンプレス戦で脱線したモノレールの残骸を見て、モノレールで移動しているという、浜面の身を案じる。


しかし、ここにあるのは、モノレール3車両の内の一つ。
浜面がそのまま進んで行った可能性は十分だ。


佐天「……ここは浜面さんを信じて先に進むしかないか……。
とりあえず、『ヒューズ・カザキリ』のところまで行って見ようかな」ダンッ!!!




ギュォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



再び高く舞い上がって行くと、佐天は、モノレールの終着駅の近くにある『ヒューズ・カザキリ』へと向かう。


Next





12:40



第7地区→第15地区への道程



麦野・滝壷ペア

12:40




第7地区→第15地区への道路




プルルルルルッ……


プルルルルルッ……


ガチャッ!!




佐天『はい、佐天です!!』



滝壷「さてん?ようやくはまづらの動きが止まったから、場所を言うね?

場所は、第17地区。工業地区の建物の上で、今は闘っているみたい。

はまづらの闘いが終わったら、さてんが探していることを電話で伝えておくから、多分早めに合流できると思うよ?」




佐天『第17地区ですね!!ありがとうございます!!滝壷さん!!』プツンッ……

滝壷「むぎの、さてんにはまづらの居場所教えてあげといたよ。
あとは、はまづらに電話しておけば、早めに合流できると思う」ピッ、ピッ



麦野「ありがと、滝壷。わざわざあの子を死なせるわけにもいかないからね。
私達でできる限りはサポートしてあげようじゃないの」




プルルルルルッ……

プルルルルルッ……



滝壷「……ダメだ。まだはまづら、電話に出られないみたい」ピッ



麦野「だいぶ時間がかかってるのね……アンタの力で今どうなってるのか詳細はわかんないの?」

滝壷「相手は、Bクラスが二匹ってことしかわからないね。
ここから距離がかなり遠いから……」シュンッ……



麦野「まぁ、アイツの戦闘が終わってからまたかけて見るしかないわね。

ところで、さっきから敵に全然会わないけど、この辺りにはいないの?
あの空に大きな穴が空いた地区に向かってるのに全然見かけないんだけど」




滝壷「あれ?言わなかったけ?とっくに私達囲まれてるって」

ブレイド「グルルルッ……」

フロスト「グルルルッ……」




ふと周りを見てみると、そこら中にブレイドとフロストの群れが麦野達を囲んでいた。
少なく見積もっても合わせて50以上はいるようだ。




麦野「…………アンタよくこんな状況で呑気に電話してたわね」



滝壷「むぎのならこれくらい大丈夫かなと思って」





「「「「「グルァァァァァァァァァァァァアアアアッ!!!!」」」」」


ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!




ブレイド達は、一斉に麦野達へと遅いかかってきた。

スッ……



ジャキッ!!



麦野は、アルテミスを取り出し、右手に装備する。



麦野「まぁ……これくらいならまだ大丈夫だけどさ。
今度からはもっと早めに言いなさいよね」キュィィィィィィイイイインッ!!!!


滝壷「うん、ゴメンねむぎの」



ピピピピピピピピピピピピピピピッ!!!!!


麦野のアルテミスが、襲いかかるブレイド達を瞬時にロックオンする。

麦野「残念ねぇ、アンタ達。
私達と当たらなければ、もう少しくらいは長生きできたのにね」カチッ!!



ババババババババババババババババババババシュウッ!!!!!




「「「「ギャァァァァァアアアアッ!!!!!!」」」」



麦野のアルテミスから、何十もの原子崩しが放たれ、ブレイド達へと向かっていく。

サバイバルの時とは違い、一発一発に殺意のこもった原子崩しは、ブレイド達の身を、容易く粉砕していった。

滝壷「むぎの、まだ残っているよ?」



麦野「えぇ、わかってるわよ!!」チャキッ!!



麦野の目の前には、原子崩しを受けても直、こちらに向かってくるフロスト達が。


その数は3匹。


彼らにも原子崩しは直撃したが、その氷の身体による防御力と再生力で、ダメージは少なかった。




バシュゥッ!!!

ゴォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!

フロスト「ギッ…………」グシャァッ!!!!

単発式の原子崩しが一匹のフロストの上半身を完全に消滅させる。
どうやら、分散した原子崩し以外の攻撃ならば、十分通用するようだ。





麦野「Verソードッ!!」ブゥンッ……



ザンッ!!!!!!!




フロスト1「ギャァァァァァアアアアッ!!!!」


ズシュッ!!!!!!



フロスト2「グルァァァァァアアアアッ!!!!」




アルテミスから伸びた、原子崩しの剣が、残り2体のフロストの上半身と下半身を焼き斬り、フロ/ストにする。



フロスト「グルルルッ!!!」ピキピキッ!!!



しかし、フロ/ストにされたくらいでは怯まない。
身体を再生させながら、麦野への反撃の準備を行う。

バシュゥッ!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!


再生途中のフロスト2体に対し、容赦無く、原子崩しが放たれ、フロスト達は消滅する。


麦野「再生して反撃なんて……そんな暇、私が与えるわけないでしょ……?」



滝壷「辺りの魔物の反応は消失。お疲れ様むぎの」



麦野「ありがと。じゃあ行きましょうか。
……あ、そういえば、さっきの魔物を試しにクリスタルに入れておけばよかったわね……。
まぁ、いっか。あれくらいの雑魚を入れても意味ないわね」



テクテクッ……



Bクラスのフロストを雑魚と言い放つ、トップクラスの破壊力と戦闘力を持つ勇者麦野は、7地区と15地区の境界線へと歩みを進める。

投下終了です。


麦野・滝壷編突入です。


そろそろペースがダウンしそうです。
不定期になるかもしれません。
投下開始するとしたら、夜8時〜9時くらいなので、見られている方達は、その時に更新確認してくれれば大丈夫と思います。



あと全く関係ないですが、今見てる八甲田山て映画が、かなり酷過ぎます。救いがないです。


それでは、また次回お会いしましょう!!



こないだから滝壺が滝壷になってるぞ
正しくは滝壺な

>>1乙!
フロ/スト、ワロタwwww


まさかエンプレスは……夢のターミネーター対決なのか?


あとYahooで浜面で検索したら、候補に浜面 勇者が出てワロタww



DV浜面 vs ヤンデレエンプレス

決着〜



アニメ後の14巻から買っても最新刊まで約15冊
ブックオフとかで安く売ってたら5000円以内でおさまるのでは?
まあ>>1の財力は知らんけど

こんばんわ、1です。

中々、筆が進みませんねー。ちょっと突っ走り過ぎてバテてきました。

今日も少なめですが、何とか書けたので投下しときます。


>>638
おぉ!!本当ですね。指摘ありがとうごさいます!!!

>>639
響き似てましたのでついwww

>>640
確かにターミネーターですね、エンプレスはw


>>641
ヤンデレというかストーカーw

>>642
5000円か……買おうと思えば全然買えるが、金貯めてる最中だから無理って買う気になれんかな。
わざわざありがとうございます!!!!

12:59



第15地区 入口周辺



ババババババババババババババババババババッ!!!!!



麦野「騒がしいわね……何よあの空を飛んでる機械。
あんなものまでこの都市は作ってたの?」



第15地区から撤退していく軍用ヘリが、麦野達の頭上を通り過ぎていく。



滝壺「地上からも、ドンドン人がこっちに向かってきてるよ?
まだ15地区には魔物の反応がもの凄くあるのに……」

ブロロロロロッ!!!!



地上からも、戦車や装甲車が次々と撤退してくる。
中にいる警備員達は、かなり焦った様子である。


麦野「大方、魔物達に太刀打ち出来なくて、逃げてきたんでしょ?
あの人達には他にやってほしいこともあるし、あまり無茶しないでほしいものね」



滝壺「でも、あれくらいのランクの魔物ならこの人達の装備で何とかなると思うけど……ん?あれ?」



麦野「ん?どうしたの滝壺?」

滝壺「これははんぞうの……!?す、凄い……この距離でもこんなに強烈な反応が……」



パァァァァァァァァァァアアアアンッ!!!!



突如、15地区の中心にある大きなビル群から、赤い信号弾が発射される。
それに伴い、スクールのメンバーらしき人間達が、続々とこちらに撤退してくるのが確認できる。



麦野「ちょっとちょっと……あれはスクールの奴らでしょ?
アイツらまで逃げてくるって、一体15地区で何が起きてんのよ!?」

滝壺「むぎの!!私達も少し下がるよ!!
ここまで被害が及ぶかわからないけど、念のため」グイッ




麦野「ちょ、ちょっと滝壺!!何なのよ一体!!何が起きるっていうのよ!!」




滝壺「はんぞうが……はんぞうの本当の力が解放されたの」



麦野「半蔵?確かにあの攻撃力は半端じゃなかったけど、何もこの距離でそこまで」



警戒することない。



そう言おうとした麦野の目に、次の瞬間その言葉を飲み込むような光景が現れる。

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!




ドォォォォォォォォォォオオオオッ!!!


ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!





突如、信号弾が上がった場所周辺の高層ビルが、爆発を伴いながら崩れ落ちていく。


その崩壊していく範囲は、そこを中心としてドンドン広まっていく。

麦野「……ウソォ……明らかに人間技じゃないわよアレは……」ブルブル



滝壺「むぎの!!ここにも被害が及ぶかもしれない!!早く離れるよ!?」ダッ!!



麦野「わかってるわよ!!あんなもの見せられたら逃げるしかないって!!!」ダッ!!!



ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!

ドゴォォォォォォォォォオオオオンッ!!!!!


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!





徐々に破壊音が迫ってくる中、麦野達は他の撤退していく人らと共に、もと来た道を引き返し、第7地区へと戻っていった。

13:05



第7地区 第15地区との境界線辺り




麦野「……どうやらビルの崩壊も、ある程度治まったようね……。
それにしても、さっき私達が居た所らへんまで砲撃みたいなのが来るなんて……あの半蔵ってのは、どれだけの力を隠してたのかしらね全く」



滝壺「アレでも、はんぞうの真の力の欠片に過ぎないみたいだよ?
あの力の大きさで、いくつものVerがあるみたい。正に桁外れな力だね」

麦野「流石はSSクラス討伐経験者ってところか。
あれだけの差を見せつけられると、先は遠く感じるわね……」




「あー!!!もしかして、サバイバル4位の麦野さんじゃないっスか!?」




突如、麦野達の後方から声が聞こえて来た。



麦野「ん?……何だ、スクールの人か。どうしたの?何か用?」



麦野の目の前には、頭に輪っかのようなヘッドギアを着けた、スクール所属の少年がいた。

ヘッドギア「いやー、こんなところで麦野さんに会えると思ってなかったっすよー!!
俺サバイバルの映像見てて、麦野さんのファンになっちゃったんですよー!!あ、よかったら握手してくれません?」スッ



麦野「あら?ファンだなんて照れるわね。フフッ、ありがと」



麦野が、勇者麦野としての顔で、ヘッドギアの少年に笑顔で応対する。
その様子を見ていた滝壺は後に語る。





滝壺「あれは聖女の皮を被った魔女だね」

ヘッドギア「ところで、麦野さん……やっぱりあのTVで出てた、5位の浜面って男と付き合ってたりするんですか?」




麦野「ん?さぁ、どうだろうねぇ?でも、私は強い男の子が好きだからなぁ……。
目の前にそんな子がいたら、コロッとイッちゃうかもね?」クスッ……



滝壺( ゚д゚)「うわぁっ……」




ヘッドギア「麦野さん!!ここからは、僕の部隊が麦野さん達を援護するっス!!
ドンドン指示してくれて、構わないっス!!!なぁ、お前ら!?」




「「「「「イエッサー!!!!」」」」」ビシッ!!

麦野「あら、頼もしそうな方達ね。それじゃあお願いしようかしら?」ニコッ




「「「「「はい喜んでぇっ!!!!!」」」」っス!!!」ビシィィィッ!!!!!




麦野「クククッ……これで下僕共が10人くらいできたわけね……チョロいチョロい……」ニタァァァァアッ……




滝壺「むぎの。はまづらには絶対その笑顔見せないほうがいいよ?怖がるから」






ヘッドギア「野郎共ぉぉぉぉおおおっ!!!
麦野さん達を全力でお守りするっスよぉぉぉぉおおおっ!!!」



「「「「「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」」」」」

13:05




7地区と15地区の境界線




滝壺「それで、今からはどうするの?むぎの」


麦野「とりあえず、今は様子見ね。15地区崩壊後の状況を確認するまでは、下手に動くわけにもいかないし。
というわけで、アンタの力で、周りの状況を確認して動きましょ」



滝壺「わかった。じゃあちょっと確認してみるね」ォォォォオオッ……




滝壺の目が見開かれ、周囲の魔物等の反応を確認する。


完全能力集中モードの滝壺ならば、この工業都市の3分の1ほどまで把握することも不可能ではない。

集中モードの滝壺の守りを固めつつ、麦野はスクール所属の、ヘッドギアの少年に話しかける。



麦野「そういえば、そこのヘッドギアの子。アナタの力はどんなのなの?
スクールの部隊を率いてるんだから、それなりの武器を持ってるんでしょ?」



ヘッドギア「へ?俺の能力っすか?いやー、麦野さんと比べると対したことないっすよー、俺の能力なんて」


ヘッドギアの少年は、謙遜しながらも、能力については喋らない。
ちなみに別に隠す意味はない。

麦野「あら。いやに勿体ぶるわねぇ……。
気になるなぁ、お姉さんに教えてくれない?キミのち・か・ら☆」フゥッ……



ヘッドギア「ハゥゥッ!!!!」ゾクゾクッ!!!



麦野の甘い声と、吐息が、ヘッドギアの少年の耳元を犯す。


文字通り、束の間の幻想である、麦野の高級キャバ嬢並みの色気に、ヘッドギアの少年はほぼ堕ちていた。




麦野「ホラァッ……アナタの能力はぁ?」



ヘッドギア「え、えっとスねぇ……俺の能力は……」



別に隠す意味はなかったが、思わぬ麦野の攻めに、ヘッドギアの少年の能力が、今明かされようとしている。

ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!



突如、ここら一帯に、大きな鐘の音が響き渡る。
思わず、全員が辺りを見渡すが、周囲には音源である鐘は全く見当たらない。



ならば、どこから聞こえてくるのだろうか?





滝壺「鐘の音?一体どこから…………っ!?
むぎの!!少し離れたところに一体の魔物の反応が!!!」



麦野「っ!?急に来たわね。しかもたった一体とは……場所は!?滝壺!!」

滝壺「場所はまだ離れてるけど……このスピードは……むぎの!!空間移動系の魔物みたい!!
あちこちを転々としながら、こっちに向かってるよ!!」




ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!


再び鐘の音が辺りに響き渡る。
頭の芯まで響くような重厚な音である。




麦野「この鐘の音も、そいつとは無関係じゃなさそうね……。
滝壺!!そいつのここへの到着はあとどれくらい!?」




滝壺「一回の移動距離は、そこまで長くないみたいだから、ここまであと十数秒……違う!!むぎの!!もう迎え討つ準備をして!!」

麦野「えっ!?もう!?準備たって、どっからくるかもわからないのにどうしろってのよ!!」キョロキョロ




滝壺「敵は……麦野の下から来るよ!!今この瞬間に!!」




麦野「下?下ってアンタ普通に地面」



ブォンッ!!!!!



麦野「わっ!?」



突如、麦野の足元に、魔法陣のような赤い紋様が浮かび上がる。
そして、その中心から、黒い空間がゆっくりと広がっていく。




ヘッドギア「麦野さん!!そこから離れて!!早く!!」




ブゥゥゥゥゥウウウンッ!!!!


ヘッドギアの少年の叫び声と共に、黒い空間が一気に広がった。

麦野「へっ……?」




『ァァァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!!』



ズシュッ!!!!


麦野「痛っ!!」




麦野の身体を、突如地面に空いた黒い空間から、飛び出すように現れた魔物が手に持つ鎌で斬りつけた。


幸い、傷は浅いが、麦野は左腕に傷を負ってしまう。




ヘッドギア「む、麦野さん!!怪我は大丈夫です……か?」ブルッ……



ヘッドギアの少年は、麦野へと駆け寄るが、その表情を見た瞬間、身体に冷たい汗が伝う。



……誰だこの人は……

ォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ…………


麦野「…………ってぇな……」ギロォッ……


ォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ…………





先ほどまでの、営業スマイルモードの勇者麦野沈利とは違い、怒りと狂気に染まった表情を浮かべる、本当の麦野沈利が姿を現す。



あまりの違いに、ヘッドギアの少年やスクールのメンバーは皆、天使のような麦野像が次々に崩壊していった。

麦野「痛いじゃないのよ……この死神もどきが。
私の身体に傷を付けた怨み、100倍で返されても文句はねぇよなぁ?オイ」ギロォッ!!!




『ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!』ジーッ!!





睨みを利かす麦野の目の前で佇むのは、一言で言えば死神である。


黒いボロ絹を纏った人型の悪魔のようなそれは、身の丈3m近く。

そしてその身に近い大きさの大鎌を携え、ユラユラと身体を揺らしながら麦野と相対している。



その正体は、死せる魂を束ねる、死者の国への門番。


『ヘル・バンガード』と呼ばれるその魔物は、奇声をあげながら、麦野とジッと相対する。


というより、ガンの付け合いみたいになっている。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ



麦野「…………」ジーッ!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ……」ジーッ……



ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ






滝壺「りょ、両者とも一歩も引かない……どうやら初手は互角みたいだね……」


ヘッドギア「……いや、ただガン付け合ってるだけじゃないですか!!」



滝壺の真剣なボケに、ヘッドギアの少年の鋭いツッコミが映える。

こうして、地獄の門番『ヘル・バンガード』との、長い戦いの初戦が火蓋を切った。

投下終了です。


次の対戦相手は、DMC3のヘル・バンガードです。

やったことある人でも、名前知ってる方少ないかもですが、あの死神みたいなヤツです。


相当強化されてますのでご了承を。



それではまた次回お会いしましょう!!

黒いボロ絹を絹旗に読み間違えて久々に出てきて嬉しいとか思ったくそーおつ


>>666
あれ、俺がいる



死神さんそこは攻撃じゃなくて
スカートめくりですょ


原作買うなら15,19新約1-5あたりを買えばこのssのキャラは大体網羅できんじゃね?


ヘル・バンガード見てたら、ふと上条さんはロイヤルガードが似合うんじゃね?って思った

こんばんわ、1です。


>>666
>>667
ボロボロの絹旗を纏ったヘル・バンガード……何のこっちゃ。

>>668
その手があったか……

>>669
浜面VS麦野戦は興味あるんですよねぇ。その部分だけでもみたいです。

>>670
ロイヤルガードだけ苦手だったからわかんない……


麦野「テメェ……何だその血の通ってなさそうな白いツラ……。
そんな不気味なツラで私にガンつけてんじゃねぇぞコノヤロォォォオオオッ!!!!!」バッ!!


キュィィィィイイイインッ!!!!!


完全にイチャモンをつけている麦野が、左手に力を溜めていく。



どうやら始めから、全開で飛ばしていくようだ。




ヘル・バンガード『ォォオオオッ!!!!』ブンッ!!


麦野「ッ!?」ダッ!!



甲高い声と共に、ヘル・バンガードが巨大な大鎌を振り下ろす。
麦野はそれを躱すように、後ろへと退く。

麦野「これは左腕の傷のお返しだ!!」バシュウッ!!!



ゴォォォォォォオオオッ!!!!!



左手から、ヘル・バンガードに向かって原子崩しが放たれる。



ヘル・バンガード『』スッ


クルクルクルクルッ!!!!!


突如、ヘル・バンガードが、魔力の込められた大鎌を片手で高速回転させていく。

ヘル・バンガードに向かっていた原子崩しは、その回転に弾かれ、拡散し、あちこちへと飛んでいった。

麦野「はぁっ!?どういう理屈なのよ今の!!!」ダンッ!!


驚く麦野へと、間髪入れずにヘル・バンガードが大鎌を振りかぶり、麦野は続けてそれを避ける。

モーションが大きい為、そこまで躱す事は難しくないが、まともに喰らえば一撃で終わる威力であろう。




ヘッドギア「麦野さん!!俺たちも助太刀します!!」



麦野「いいえ!!アンタ達は、滝壺を守って!!コイツはアタシがやるわ!!」バシュウッ!!



再び原子崩しを放つも、今度は身を躱されてしまう。
大鎌を振りかぶる際の距離の詰め方など、図体の割には、かなり素早いようだ。

麦野「ハッ!!どうせアンタの攻撃手段はその大鎌だけなんでしょ?それにさえ注意してればなんて事ないわ」



ヘル・バンガード『ォォオオオッ………』チャキッ



麦野の推測は当たっていた。
確かにヘル・バンガードの攻撃手段は、手に持つ大鎌のみである。



ただし、誤算は、攻撃手段としては別に、地獄の門番としての能力が、ヘル・バンガードにはあった。

ヘル・バンガード『ォォォォォォォォォォオオオッ!!!!』グググッ!!


ズンッ!!!!



ヘル・バンガードが、大鎌の柄を地面に突き刺した瞬間、辺り一面に、巨大な魔法陣のようなものが出現した。



麦野「な、なによこれ……さっきも似たようなもの出してたけど何なの一体!!」




ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!



先ほどから鳴り始めた大きな鐘の音が、再び音を鳴らした。

やはり、鐘の音は、ヘル・バンガードの
能力に関係があったようだ。

ヘル・バンガードは、地獄の門番である。

すなわち、罪人の魂を地獄へと誘い、管理する者。

地獄への門を開くことが出来る者。


それは、逆に、地獄からの援軍を、自由に呼び出せるということである。
たとえ、『ヒューズ・カザキリ』の影響下にある工業都市内であろうとも。



ズズズズズッ…………



滝壺「みんな気をつけて……凄い数の魔物が、押し寄せてくるのを感じる……」


麦野「そうみたいね……穴からガンガン伝わってくるわ……」

魔法陣から、黒い空間が広がっていく。
そこから漏れ出した瘴気によって、魔物の感知能力の無い麦野でも、肌で感じ取っているようだ。


ガッ!!


ガッ!!!


「「「ァァァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!」」」




そして、穴から、ヘル・バンガードを人並みのサイズに縮めた、死神のような魔物が、大量に出現……




ヘッドギア「麦野さん!!そこから離れてほしいっス!!」



麦野「ッ!?」バッ!!


穴に向かって手をかざすヘッドギアの少年から漂う、強力な魔力を感じとり、麦野は即離脱する。

ズンッ!!!!!!!!



ドゴォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!




次の瞬間、穴から這い出ようとしていた死神の群れが、上から巨大な力場に押し潰されるように、穴の底へと落とされていく。




ヘル・バンガード『ォォオオオッ!?』ギョッ!?


麦野「うわ凄っ……あれだけの範囲の穴を、変な力が完全に覆ってる……」



滝壺「あの穴から地上に出てこようとしていた魔物は、全部落ちていったみたいだね」


ブゥゥゥゥゥウウウン…………


魔法陣から作られた黒い穴が閉じられると、ヘッドギアの少年が作り出した力場も解除される。

ヘッドギア「ふぅ……何とか新たに出現させるのは防げたみたいっスね」



麦野「凄いわね、アンタのその力。
そういやさっきも聞けず仕舞いだったけど、どういう力なの?」



ヘッドギア「俺は範囲を指定して、その場の重力をプラスにもマイナスにも操ることができるんスよ。

『重力空間』<グラビティスペース>っていうんスけどね」

麦野「重力か……流石、垣根や半蔵の下なだけあるじゃない。
あれだけの範囲の重力を操るなんて大したものね。
ん?もしかして、アンタ私より強いんじゃ……」


ヘッドギア「そんなことないっスよー!!麦野さんは僕の憧れっスよホントに」


麦野は複雑な心境になる。

自分のファンと慕ってくれるこの少年は、おそらく自分より強い。
というか、相性的に勝ち目が薄い。

原子崩しによる攻撃は、全て彼の重力の壁によって捻じ曲げられてしまうだろうから。


麦野「自分より強い年下の子に慕われるのって……仕上は私が育てたからまだいいけど、何とも複雑な感じね……」ズーンッ……


ヘッドギア「ん?麦野さん?どうしたんスか?」

ザッ!!


ヘル・バンガード『ォォオオオッ……』



落ち込む麦野の前に、大鎌を携えたヘル・バンガードが立ち塞がる。




ヘッドギア「麦野さん、俺がやりましょうか?」


麦野「いいえ、結構よ。お願いだから私の出番まで奪わないで頂戴……」


傷心から立ち上がるように、麦野はヘル・バンガードと相対する。

麦野のイライラは、ドンドン膨れ上がっていく。

麦野「さて……この鬱憤、アンタに全部ぶつけてやるから覚悟しなさいよね。
この死神野郎!!」キュィィィィイイイインッ!!!


八つ当たりとして、麦野が力を溜めていると、突如ヘル・バンガードが動き出す。


ヘル・バンガード『……ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!』



ヘル・バンガードが両手を大きく広げ、今まで以上に大きな奇声をあげる。




ブゥゥゥゥゥウウウンッ!!

ブゥゥゥゥゥウウウンッ!!

ブゥゥゥゥゥウウウンッ!!


次の瞬間、あちこちの地面、建物の壁、あげくの果てには、何もない空間に、先程の魔法陣が出現する。

滝壺「ッ!?新たに数カ所に魔法陣を確認。
全部、さっきみたいに魔物が出てくるタイプだよ!!」



麦野「複数一度に出現できるの!?アンタ、何とか対処できない!?」



ヘッドギア「僕の今のレベルじゃあ、一度に複数の指定は出来ないっス!!
これはいくらなんでも……」



ゴォォォォォォオオオンッ!!!

ゴォォォォォォオオオンッ!!!



地獄への門が開く警鐘と言わんばかり、大きな鐘の音が響き渡る。

ズズズズズッ!!!



「「「ァァァァァァァァァァァアアアアアッ………」」」ズズズズズッ…………



数カ所の魔法陣から開かれた空間から、とうとう大量の死神のような魔物達が這い出てきた。





麦野「結局どうやっても出てきちゃうのね、こいつ等。
あの死神のサイズダウン版か。一体どんな能力なのやら……」



麦野達の目の前にまず現れたのは、ヘル・バンガードを、そのまま人並みに小さくしたような死神のような魔物であった。

ヘル・バンガードが召喚した魔物は、人間の7つの大罪に沿って、それぞれの罪の象徴のような存在である。



このヘル・バンガードのミニ版のような魔物は、ヘル・プライド。


7つの大罪の一つ、傲慢を司る魔物であり、数にまかせた集団戦を得意とする。



数カ所の空間に空いた穴から、このヘル・プライドが大量に出てくる。




麦野「ヘッドギアの子!!アンタ達スクールに、あのミニ死神の相手お願いしていい!?滝壺を守って頂戴!!」



ヘッドギア「任せてほしいっス!!俺等が一匹残らず片付けておくっスよ!!」ダッ!!!


ヘッドギアの少年と共に、スクールのメンバーがヘル・プライドの駆除へと向かう。

麦野「さてと……じゃあ私はあの死神野郎を……あれ?」キョロキョロ



麦野が辺りを見回しても、ヘル・バンガードが見当たらない。



麦野「まさか逃げた?いや、今の時点で逃げる意味は無いハズだし……どこにいったのかしら?」



ゴォォォォォォオオオンッ!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!


突如、門が開く警鐘が鳴り響く。

ズシュッ!!!!!


スクール9「ギャァァァァァァァァァアアアアッ!!!!」


何処からか、スクールメンバーの叫び声が聞こえてきた。



麦野「!?まさか……」バッ!!



ヘル・バンガード『ォォォォォォォォオオオオオオッ……』



麦野が声の方向へと振り向くと、そこには、ヘル・プライドの群れを相手していたスクールのメンバーを、大鎌で串刺しにして殺しているヘル・バンガードの姿が。

ヘッドギア「マジっスか……あの野郎……」ギリッ!!


麦野「テメェ……お前の相手は私だろうがぁぁああっ!!!」バシュッ!!!!



ゴォォォォォォオオオッ!!!!!



麦野の原子崩しがヘル・バンガードへと向かっていく。



ブンッ!!!!


バシィィィィィイイッ!!!!


ヘル・バンガードの魔力を帯びた大鎌が、向かってくる原子崩しを弾く。

麦野「チッ!!やっぱし普通の攻撃じゃあ通じないか!!」ジャキッ!!



麦野が右腕にアルテミスを装着する。



ヘル・バンガード『ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!』ブンッ!!!



ヘル・バンガードが、手にした大鎌を麦野へと投げつけた。
大鎌は高速で回転しながら、真っ直ぐ麦野へと向かっていく。



ゴォォォォォォオオオッ!!!!



麦野「わっと!!」バッ!!


それを麦野は難なく躱す。

ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!



シュンッ!!!



麦野「ハッ!!自分から得物を投げ捨ててどうすんだよ!!……ってまた消えた!?」



ゴォォォォォォオオオンッ!!!


パシッ!!


鐘が鳴り響く中、麦野の背後で何かをキャッチしたような音が聞こえる。


ゴォォォォォォオオオンッ!!!!




麦野「ん?……なっ!?」



ォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!




ヘル・バンガード『ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!』グググッ!!!



ォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!

背後ではいつの間にか、鐘の音と共に、ヘル・バンガードが奇声を発しながら、大鎌を振りかぶって力を溜めている。




麦野「くっ!!テメェいつの間に!!」バッ!!



麦野が左手をヘル・バンガードへと向け、大鎌の攻撃を防ぐべく、原子崩しの盾を出現させる。



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」ブンッ!!!


バチィィィィィィイイイッ!!!!



振り下ろされた大鎌は、原子崩しの盾に一瞬防がれるが、盾はすぐに切り裂かれる。

そして、障害物の無くなった麦野の身体に、ヘル・バンガードの大鎌が振り下ろされる。

ヘッドギア「麦野さん!!」バッ!!!



ヘッドギアの少年が、自身の重力操作で、助太刀しようとした瞬間




麦野「Verスフィアッ!!!!」



バチィィィィィィイイイッ!!!!!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!



大鎌が振り下ろされる刹那、麦野のアルテミスから、球状に圧縮された原子崩しの塊が、ヘル・バンガードに叩き込まれる。


塊は、大鎌による斬撃を弾き、ヘル・バンガードの胴体へと当たり、その身を消滅させようと破壊を続ける。

麦野「咄嗟に出したから、威力は弱いわ、余計に魔力使うわで散々だけど、少しは効いてるみたいね。

そのまま弾けなさい!!」




カッ!!!



ヘル・バンガード「ッ!?」バチバチバチバチッ!!!



ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオッ!!!!!!



原子崩しの塊は、その圧縮させたエネルギーを解放し、ヘル・バンガードの側で大爆発を起こした。


辺り一面に爆風が流れていく。

13:14



麦野「ふぅ……少し疲れたわね。今の爆発でくたばってりゃあいいんだけど」



麦野の原子崩しVerスフィアの爆発により、ヘル・バンガードはダメージをおったかと思いきや、またもや姿を消した為、把握できない。




ヘル・プライド「ァァァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!!!」ブンッ!!!



ギィンッ!!!



突如、斬りかかってきた一体のヘル・プライドの鎌を、麦野は見向きもせずに、アルテミスでガードする。

ガシッ!!!



麦野「テメェらの親玉はどこに行ったんだよコラァ?ア?」グググッ!!!



ヘル・プライド「ガッ……」ギチギチギチギチッ!!!


麦野の万力のような握力で、ヘル・プライドの顔面を掴み、今にも頭が握り潰されそうに軋んでいる。



ヘル・プライドs「「「「ァァァァァァアアアアアッ!!!」」」」ダンッ!!!



数体のヘル・プライドが、同時に麦野へと斬りかかっていく。

ブゥンッ……


ズシュッ!!!!


ヘル/プライドs「」ザァァァァアアッ!!!




麦野「……テメェ等雑魚はお呼びじゃねぇんだよ……ボスを出せよボスを!!!」



アルテミスから、Verソードを発動させた麦野は、一閃の元に、ヘル・プライド達を真っ二つに焼き斬った。


ヘル・プライド達は、その身体を砂へと変え、消滅していく。

ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!



警鐘の音が響き渡る。




ヘル・バンガード「…………」ズズズズズッ………



鐘の音と共に、門が開き、ヘル・バンガードが姿を現す。


そして、その後を追うように、今度は、真っ赤なボロ絹を纏った人並みサイズの死神が現れる。


その数は10体ほどではあるが、次の瞬間、ヘル・プライドとは、別格のスピードで、真っ赤な死神は散り散りに動き出した。


その真っ赤な死神の名は、ヘル・ラスト。
色欲を司るその魔物は、情欲の赤を身に纏い、標的の血の色で、更にその身を赤くする。

麦野「速い!!新手登場ってわけか……だけど、いくら速かろうが、私の原子崩しVerロックでロックオンすれば!!」ジャキッ!!



ダンッ!!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」ゴォォォォォォオオオッ!!!!



麦野がヘル・ラストへと照準を合わせた瞬間、ヘル・バンガードが、大鎌を振り回しながら、猛スピードで突進してくる。



麦野「わっ!!!」ダンッ!!!


ゴォォォォォォオオオッ!!!!!


咄嗟に麦野は突進を避け、そのまま、ヘル・バンガードは通り過ぎていく。

麦野「あんなスピードで動けるのかよアイツ……攻守走と、バランスのいいことで!!」ダンッ!!!



ヘル・ラスト「ォォォォォッ!!!」ブンッ!!!



ヘル・バンガードが通り過ぎて行ったと思いきや、今度はヘル・ラストが麦野へと斬りかかってくる。

一瞬早く、麦野がジャンプで躱す。


麦野「休まる暇がないわね。スクールの人等はどうなってんのかしら?」チラッ

スクール8「ウォォォォォォオオオオッ!!!」ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


ふと見ると、銃を扱うスクールのメンバーの一人が、ヘル・プライドとラストの群れに囲まれているのが見える。



他も見渡してみると、ヘッドギアの少年や他の2、3人以外は、完全に、ヘル・プライドの数と、ラストの速さに押されている。


麦野「やっぱり、並の人じゃあ、あの数は無理か。助けてやらなきゃ」




ゴォォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォォオオオンッ!!!!


無情にも、警鐘の鐘の音は、鳴り響く。

グサァッ!!!!!


スクール8「ガァァァァァアアッ!!!!」


ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」


再び、ヘル・バンガードの大鎌によって、スクールのメンバーが殺される。

ヘル・プライド、ラストの猛攻に加えて、ヘル・バンガードの奇襲は、とても並の戦士に対処できるものではない。



ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


ドォォォォオオオンッ!!!!



すぐさま、他のスクールのメンバーが、火炎弾のような能力で、ヘル・バンガード等へと、攻撃を加える。


しかし、再び、ヘル・バンガードの姿は消えてしまう。

プルルルルッ!!


麦野「クソッ!!ガチンコでやり合っても厄介なのに、あの召喚能力と空間移動能力は何とかならねぇのか!?……ん?」



プルルルルッ!!!


プルルルルッ!!!



麦野「誰だこんな時に電話なんざぁ!!!
……仕上か……ったくあの馬鹿は空気読まないわねぇ!!」ピッ!!




ゴォォォォォォオオオンッ!!



ゴォォォォォォオオオンッ!!

ドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


麦野「んだコラァッ!!!!クソ忙しい中電話してくんじゃねーよ馬鹿面ァァァァアアアッ!!!!ぶっ殺すゾォテメェ!!!」



ドゴォォォォォォォォォオオオオッ!!!!



スクールメンバーの猛攻は止まらない。
次々と、火炎弾でヘル・プライドを倒し、再び現れたヘル・バンガードへと攻撃を加えていく。





浜面『ッ!?む、麦野!?戦闘中かよ!!!大丈夫かお前等!?
皆、まだ『ヒューズ・カザキリ』のところにいるのか!?』

ゴォォォォォンッ!!!



ゴォォォォォンッ!!!




ヘル・バンガード「ァァァァァァァァァアアアアアッ!!!!! 」シュンッ!!!



警鐘と共に、ヘル・バンガードが姿を消す。




麦野「クソッ!!また消えやがった!!!全員、周囲を警戒しなさい!!!!

アァ!?いつの話してんだよテメェは!?心理定規以外彼処には残ってねぇよ!!!
てかアンタ、涙子ちゃんとは合流できたの!?」




麦野は、浜面と合流すべく、単独行動をしている佐天の事を思い出す。




浜面『鐘の音……?一体どんなヤツと戦ってんだ麦野……。
ていうか涙子ちゃん!?いや、全然見てねぇけど……涙子ちゃんがどうかしたのか!?』



その瞬間、麦野の顔から血の気が引いた。

あれから何分経った?
こんな強力な魔物がウロつく中、あの子は一人で何処にいるんだ?




麦野「ハァッ!?まだアンタ達合流してないの!?
アンタを手伝いに、涙子ちゃんが17地区に向かったんだよ!!大分前の話だぞ!?」




浜面『マジかよ!?俺今、17地区から7地区にモノレールで向かってんだけど!!』



麦野がガクリと、うな垂れる。
完全にニアミスしてやがる。
本当にコイツは、肝心な時にたまにポカをするんだから。

麦野『チョロチョロしてんじゃねーよ馬鹿面!!!
早く涙子ちゃんに連絡とって、合流しなさい!!
アンタはともかく、あの子1人じゃ危ないでしょ!?』





ゴォォォォォンッ!!!


ゴォォォォォンッ!!!



ズシュッ!!!!


スクール7「ギャァァァァァァァァァアアアアアッ!!! 」


火炎弾の攻撃で、優勢だったスクールのメンバーが、ヘル・バンガードの鎌で斬りつけられる。


幸い、まだ息はあるようだ。



麦野「ッ!?チッ!!マズイわね!!
いい!?涙子ちゃんと急いで合流すること!!わかった!?
じゃあ切るわよ!!こっちもヤベェんだよ!!!」ピッ!!



ダンッ!!!


麦野が電話を切り、スクール7の元へと迎う。

投下終了です。


ヘル・バンガード無双です。
DMCの最高難度、ダンテマストダイ仕様なので、めちゃくちゃ強めにしてます。


次回は少し余分に書き溜めてから、投下したいと思います。

それではおやすみなさい。

おつーん

3勢強すぎワロチ

DTしちゃいそうな勢いだな

乙でした



年下にもてるむぎのん△

こんばんわ、1です。


今日は投下お休みです。

その代わり、登場キャラの現時点での強さ表を作ったので、暇つぶしにどうぞ。

今後もたまーに更新するので、安価で対戦相手を決めることがあれば、参考にどうぞ。



>>709
>>712
ありがとうございます!!!!

>>710
明らかに強過ぎでしたねwまぁ、まだまだ強いDMC勢は出てきますが。


>>711
むしろ常時DT状態ですよねw

>>713
近くにあんな感じのエロい姉さんポジションの人がいたらいいっすねぇ。

2章-2までの素養格付

G
参考LV1

スラ坊(スライム)

F
参考LV5

マリオネット


E
参考LV10

ヘル・プライド

滝壺理后(戦闘力)

D
参考LV15

フェティッシュ

グリフォン

ヘル・ラスト

C
参考LV20

ブレイド

ガーゴイル(一匹)

アイアンゴーレム

浜面仕上(能力無)

フレンダ・セイヴェルン

絹旗最愛(窒素装甲)

白井黒子(空間移動)

B
参考LV25

佐天涙子(空気使い)

絹旗最愛(Ver2)

フロスト

上条当麻(通常右手)

インデックス(魔道書館)

ジャミラス

グラコス

ケルベロス

ガーゴイル(4体)

シャドウ

A
参考LV35

浜面(幻想使役)
麦野沈利(原子崩し)
御坂美琴(超電磁砲)
ヘッドギアの少年(重力空間)

ブリッツ(通常)
インデックス(with魔王の書)
デュラン

半蔵(乱数銃器6〜4)
アクバー
麦野沈利(アルテミス装着)

浜面仕上(幻想使役Ver2)

上条当麻(竜王の顎)

S
参考LV45

エンプレス
ヘル・バンガード

塔の騎士(心理定規)
ブリッツ(赤雷)

シェリー・クロムウェル

結標淡希(座標移動)

アウレオルス・イザード(黄金錬成)

ステイル・マグヌス(魔女狩人)

アクバー(真)

御坂美琴(withネヴァン)

半蔵(3)

上条当麻(竜王の爪)

つらぬきの騎士(心理定規)

絶対等速(悪)

デュラン(ダークドレアム)

駒場利徳

SS
参考LV55

半蔵(2)

番外個体(悪)

心理定規(総合)

削板軍覇(暫定)

垣根帝督(未現物質)

エグドラシル

半蔵(1)

神裂火織(聖人)

一方通行(ベクトル操作)

SSS
参考LV70

ダークドレアム

アウレ戦の暴走上条さん、案外低いなって思ったけど封印が少し解けただけであれだもんな。
全部解けたらどうなることやら…

あと、あくまで格付けは参考までかな。例えば上条が勝てる相手に駒場が勝てなくても駒場は上条さんに絶対勝てるだろうし

こんばんわ、1です


久しぶりの投下となりますが、これからもよろしくお願いします。


ちょくちょくまだ本編に出てきていない人名が出てきますが、外伝『麦野「私が勇者?」』を読めばわかると思います。


見てない方は、そんなに長くないのでぜひどーぞ!!



>>717

格付表は、純粋な強さ順ですね。
対戦の時は、もちろん相性で変わります。





13:17





麦野「大概にしときなさいよアンタッ!!!」ジャキッ!!



ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



ヘル・バンガードへと向かう麦野のアルテミスから、速射砲のように原子崩しが何十発も発射される。

原子崩しは真っ直ぐ、ヘル・バンガードを射ようと突き進む。




ゴォォォォォォオオオンッ!!!




シュンッ!!!



鐘の音と共にヘル・バンガードが、原子崩しを避けるように消える。

スクール7は、そのまま倒れ伏した。

麦野「オイ、アンタッ!!しっかりしなさい!!」ユサユサ



スクール7「ぐっ……む、麦野さん……」




麦野がスクール7の元へと行き、身体を揺らすと、スクール7の意識が戻る。

軽傷ではないが、どうやら命に別状は無いようだ。






ゴォォォォォォオオオンッ!!

ゴォォォォォォオオオンッ!!




ズルゥゥゥゥゥッ…………





その瞬間、再び鳴り響く鐘の音と共に、スクール7の側に、いつの間にか魔法陣が描かれた地面から、ヘル・バンガードの大鎌と腕だけが生えてきた。

麦野「なっ……」





シュッ!!


グサァッ!!!




スクール7「ガッ……アッ……」


そのまま大鎌を、地面に引き込むようにスクール7へと突き刺し、スクール7は絶命する。





ズルゥゥゥゥゥッ…………



そして、その死体ごと、大鎌を魔法陣の中へと引き寄せ、魔法陣の穴が閉じられる。





一度手を掛けた人間を確実に始末し、死者を連れ去るその姿は、正に死神そのものである。

麦野「あ………あぁ……」ブルブル




その様子を、棒然と見る事しか出来なかった麦野は、震えるように座り込んでいる。
確実に助けられた命を、自身のすぐ目の前で奪われ、更にはその死体ごと持っていかれた。




過去に、浜面の父親達を目の前で死なせたことや、自身の住んでいた町で起こった事件に対するトラウマを持っていた麦野は、再びそのトラウマが蘇ろうとしていた。




ヘルs「「「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」」」ダンッ!!!




座り込んでいる麦野へと、ヘル・プライド、ラストの群れが、一斉に襲いかかっていく。

麦野「や……ごめん……なさい……ごめんなさい……」ガタガタ



迫り来る死神達に、麦野は震えるだけで、抵抗の意志を見せない。

今の麦野には、死神達の姿が、自分が死なせた浜面の村の人々や、自分の出身地の人々、先程死んだスクールのメンバー達に見えている。


死した恨みを晴らそうと、麦野に迫っているように見えるのだ。



死神達の鎌が、麦野へと振りかぶられる。

ヘッドギア「何やってんすか麦野さん!!!!」バッ!!



ズンッ!!!!!!!

グチャアッ!!!!!



ヘッドギアの少年が手をかざすと、麦野に襲いかかろうとした死神達が全て、強烈な重力の力場に押しつぶされて消滅する。


無論、力場の中心にいる麦野には、何の影響も無いよう、調節されている。




ヘッドギアの少年が、麦野へと駆け寄る。

ヘッドギア「麦野さん!!麦野さんしっかりして下さい!!何ボサッとしてんで……麦野さん?」



麦野「ごめんなさい……ごめんなさい……仕上……ごめんなさい……」ガタガタガタガタッ……




愛弟子の父親を死なせた罪悪感が、麦野に蘇っている。

自分を守って犠牲になった人達への無力感が、麦野に押し寄せてくる。

麦野は、自分で自分の身体を抱くように腕を組み、膝をついて、ただただ震えていた。

ヘッドギア「麦野さん……どうしちゃったんですか!?こんなの麦野さんらしくないっスよっ!!」



滝壺「どいて、ヘッドギアの子」スッ……




滝壺が、麦野の側に近寄り、震える麦野をそっと抱きしめる。



滝壺「まだ、完全には解放されてなかったんだね……大丈夫。むぎのは何にも悪くないから。
むぎのは全力で救おうとしたんだから、何にも悪くないんだよ?」ギュッ……



麦野「滝壺……私は……私は仕上のお父さんを……」ブルブルッ……



滝壺「大丈夫。はまづらは、初めからむぎのを恨んでなんかいないよ?」ヨシヨシ




滝壺が、震える麦野のトラウマを癒すように、麦野の側で言葉を紡ぐ。

滝壺「ヘッドギアの子。少しの間だけ、麦野を休ませてあげて。少しだけでいいから」



ヘッドギアの子「何があったかわからないっスけど……そんなことならドンドン任せてくださいよ!!
行くぞお前らぁっ!!!!女の子2人、死ぬ気で守り抜くっスよぉ!!!」



「「「「「ウォォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!」」」」」




スクールのメンバーが雄叫びと共に、死神の群れへと突っ込んでいった。

ドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!


ズンッ!!!!!

ズンッ!!!!!



滝壺「ねぇ、むぎの。むぎのは何で勇者になったの?」



麦野「私は……私は外の世界を見たくて……ウィリアムさんに憧れて……魔物に苦しむ皆を助けたくて……それに……」ガタガタッ……




それに……なんだっけ?大事な事があったような……




スクールメンバーが攻撃を行う中、滝壺は、麦野へと問いかける。




滝壺「じゃあ何で、むぎのは今、震えて座り込んでるの?」



麦野「……守りきれなかった人や私を守って死んだ人達が、ジッとこっちを見てるの……私を恨むように……」ガタガタッ……

滝壺「そっか。むぎのには、死んだ人達が、何故助けてくれなかったのかと恨んでるように見えるんだね」ギュッ!!




滝壺が、麦野の震える身体を、更に強く抱きしめる。





ゴォォォォォオオオンッ!!!!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!!!




ヘル・バンガード「ォォォォォオオオッ!!!!」


ヘッドギア「ウォォォオオオッ!!!!」



ガキィィィィィィィイイイイッ!!!!!




向こうでは、ヘッドギアの少年が、鐘の音と共に出現したヘル・バンガードと衝突している。

滝壺「ねぇ、むぎの……私ずっと前に行ったよね?私の能力は、幽霊の存在も感知できるって。

それでね。今までボヤーッとしてたものが、最近少しずつ見えてきたんだ。
そして、声も少しだけ聞き取れるようになったんだよ」





麦野「そう……凄いわね滝壺……それで?皆私を恨めしそうに見ているんでしょ?
仕上の村の人達も。仕上のお父さんも!!私の住んでいた街の人達も!!!皆みんな!!!」ガタガタッ……



麦野は、喚くように叫ぶ。自分の目の前で死んでいった人達を思いながら。

滝壺「逆だよ、むぎの。はまづらのお父さんや、村の人は、はまづらの側で見守ってるし、麦野の町の人達も、皆暖かい目でむぎのを見守ってる。

屋敷のお手伝いさんみたいな人達も皆」




麦野「ッ!?そんな……まさか……皆……」キョロキョロッ



その瞬間、麦野の震えが止まる。そして、誰かを探すように辺りを見回す。



滝壺が、麦野から離れて、話し続ける。



滝壺「お手伝いさん達は皆言ってるよ?頑張ってくださいお嬢様って。

そして、あの時の止まってしまった街で今もあの方は……老執事さんは、貴女の帰りを待っていますって」

麦野「…………そうね……私には、世界を救う他にも、もう一つやらなきゃいけないことがあったわね……」




麦野は、その言葉を聞いた瞬間、死神達の群れへと飛び出した。





ダッ、ダッ、ダッ、ダッ、ダッ!!!!!


麦野「掛かってきやがれぇ!!!このクソ死神共がぁぁあっ!!!!

私はなぁ!?こんなところで止まれないんだよぉ!!!
あのクソお節介なおじぃにもう一度会う為にもなぁ!!!!!」ギュォォォォォォォォオオオッ!!!!!

麦野は、走りながら、アルテミスに力を溜める。

その溜めるスピードと力の大きさは、今までとは比較にならない。



戒めから再び解放された麦野は、自身の能力『原子崩し』にかかっていたストッパーが外れ、真の力が発揮される。





ピピピピピピピピピピピピピピピピピピッ!!!!




アルテミスが、スクールメンバー達と戦っている、全ての死神達をロックする。

バシュウッ!!!!



ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!!!!!!



放たれた追尾式の原子崩しが、全ての死神達を殲滅していく。




ヘッドギア「麦野さん!?よかった!!気を取り戻したんですね!!」



一発一発の威力が桁違いに上がった原子崩しは、麦野の心の闇が完全に晴れたことを意味する。


愛弟子である浜面仕上の成長。



そして、自身の家族のようなモノである、かつてお嬢様として生活していたころの従者達の言葉によって、麦野の心は救われた。

麦野「アッハッハッハッ!!!!もうグチグチ悩むのは止めだ!!!
私にはやらなきゃならないことがあるんだ!!!世界を救い、おじぃともう一度会うっていうなぁ!!!



仕上という愛すべき馬鹿がいて、ママやおじぃが私の帰りを待っていて、他の皆も見守ってくれてんだからなぁ!!!

怖いモノなんざ吹き飛んじまった!!!
こっからは思いっきり暴れてやるわよぉぉぉぉおおおっ!!!!!」





ゴォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!





麦野の高笑いを掻き消すように、死神の鐘の音が鳴り響く。

ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」ギュォォォオオオッ!!!!



魔法陣から、大鎌を振り回しながらヘル・バンガードが、麦野の正面から突進してくる。


その勢いは、目の前のモノ全てを斬り刻み、刈り取ろうとしている。








麦野「…………Verウォール」カチッ!!




ドドドドドォンッ!!!!!!



ヘル・バンガード「ォォォォオオオオッ!?」ズシュッ!!


麦野が、アルテミスのトリガーを引いた瞬間、何本も壁のように横に連なった原子崩しが、地表から空に向かって発射される。


ヘル・バンガードが、麦野が地面に仕掛けた原子崩しの真上を通る瞬間に、タイミングを合わせて発射されることで、ヘル・バンガードの胴体を原子崩しが下から貫いた。




麦野「本来は防御用なんだけどね。アンタみたいに突進してくるヤツには、トラップとして使うほうが効果的みたいだわ。

じゃ、そろそろお開きにしましょうか死神さん……。
グッチャグチャにすり潰してあげますから覚悟してくださいませ?」クスッ……




昔のことを思い出し、少し言葉と態度を改めようとしている麦野だが、久しぶりに使うお嬢様モードなためか、何か違う。

ヘル・バンガード「ォォォオッ…………」コォォォォオオッ……



目の前のヘル・バンガードから奇妙な空気を感じる。
どうやら、まだ力を隠していたようだ。




麦野「あら……まだおやりになられるの?そろそろ素直にすり潰されてはいかが?

…………ダメだ、めんどくせぇ!!大体戦闘中なんだから素でいいんだよ素で!!」



どうやらお嬢様モードに飽きたようだ。

ゴォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」コォォォォオオッ!!!!!




鐘の音と共に、ヘル・バンガードの身体から、紫と黒が入り混じったような禍々しいオーラが発せられる。


どうやら、向こうもようやく、本気で向かってくるようだ。





ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!!」ズンッ!!!!



ブゥゥゥンッ!!!

ブゥゥゥンッ!!!

ブゥゥゥンッ!!!




ヘル・バンガードが鎌を地面に突き刺した瞬間、そこら中に移動用の魔法陣が乱立し始める。

その数は、百に及ぶほどである。

ヘッドギア「うぉっ!?まさか、これ全部アイツの瞬間移動の扉っスか!?こんだけあったらどこから来るのか……」



滝壺「どうやらアレがあの魔物の本気らしいね。
ランクで言えば、Sランクに届いてる……むぎの、あの時のアクバーと同格だよ?大丈夫?」



麦野「正直言えば、かなり厳しいわね。私の力じゃあ、まだAランクが限界だし。

ま、今回も一人じゃないわけだしさ。頼りにしてるわよ?ヘッドギアの子♪」ニコッ



ヘッドギア「ハゥッ!?」ズキューンッ!!!



トラウマを再び克服し、解放された麦野の笑顔に、ヘッドギアの少年は、完全に心を射抜かれる。

打算も無く、少女のようなとても素直なその笑顔は、見るモノの心を確実に捕らえるだろう。

ゴォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!




鐘の音と共に、ヘル・バンガードの姿が消えた。




麦野「さぁ……どっから来るのか……皆、滝壺の指示に従って、上手く避けなさいよ?
万が一指示が遅れたら、私は自力で避けるから、皆も自分の仕事に集中しなさい!!」




ゴォォォォォオオオンッ!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!




再び鐘の音が鳴り響く。




滝壺「ッ!?皆!!私の頭上、右方向から下に突進して来るよ!!」

ブゥゥゥンッ!!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」ギュォォォオオオッ!!!!!




滝壺の指示の一瞬後に、ヘル・バンガードが滝壺の予告通りの位置から凄い勢いで真下に突進していく。



滝壺や他のメンバーは、何とかそれを避ける。



ヘル・バンガードは、地面の魔法陣に吸い込まれる。



滝壺「次はむぎのの左後ろから!!すぐ来るよ!!」




ブゥゥゥンッ!!!




ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」ギュォォォオオオッ!!!!



麦野「おっとぉ!!!」バッ!!



間髪入れずに、次は少し離れた麦野の元へと突進をし、そのまま次の魔法陣へと入る。

ゴォォォォォオオオンッ!!!

ゴォォォォォオオオンッ!!!



滝壺「ダメ。距離は関係ないし、出てくる間隔が速すぎる!!!
このままじゃ指示が間に合わないよむぎの!!」



ブゥゥゥンッ!!!


ブゥゥゥンッ!!!


ブゥゥゥンッ!!!




魔法陣は、あちこちに出現したり消えたりしている。


出てくる場所は完全にランダム。


誰が狙われるか予測もつかないし、出てくる位置も滝壺以外わからない。


気がついたら大鎌で斬られていたなんてこと、容易にあり得るだろう。

ゴォォォォォオオオンッ!!!


ゴォォォォォオオオンッ!!!



ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」ギュォォォオオオッ!!!!!



ヘッドギア「おっと!!」バッ!!



ヘッドギアの少年が、突進を避ける。



ヘッドギア「麦野さん!!このままじゃあジリ貧っスよ!!なんとか……」

滝壺「まだそこにいるよ!!!」




ブゥゥゥンッ!!!

ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」ギュォォォオオオッ!!!!



ズシュッ!!


ヘル・バンガードが再びヘッドギアの少年に襲いかかり、少年は軽い傷を負う。

ヘッドギア「痛っ!?連続っスか!!こんなパターンもあるんスね……ってうおっ!?」バッ!!!


ヘル・バンガード「ォォォォォオオオオッ!!!」ブンッ!!!!



今度は移動せず、ヘッドギアの少年を横一閃に斬りつける。


ヘッドギア「くっ!!俺を狙うとかいい度胸じゃないスか!!潰してやる!!!」バッ!!!




ズンッ!!!!!




ヘッドギアの少年が、ヘル・バンガードのいる地点を指定し、高重力で押し潰す。



しかし、ヘル・バンガードが地面に押し潰されそうになる瞬間、地面に魔法陣が出現し、ヘル・バンガードはそのままその中へと吸い込まれていった。

ゴォォォォォオオオンッ!!!!




麦野「あの状況から逃げられんの!?何てヤツなのよあの死神!!」



ゴォォォォォオオオンッ!!!!



ブゥゥゥンッ!!!



滝壺「むぎの!?後ろっ!!!」


麦野「え?『ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!!!』ブンッ!!!!!






ズシュッ!!!!





麦野の背後にヘル・バンガードが現れ、鎌を振ったその瞬間、血飛沫が宙を舞う。

麦野「ガッ……ハァッ……ハァッ……」ポタッ……ポタッ……




麦野の左肩から血が滲んでいる。
どうやら、咄嗟に反応することが出来たが、少し斬られたようだ。




麦野「ハァッ……ハァッ……運が良かった……私の攻撃が先に当たってなかったら死んでたわね……」





ヘル・バンガード「ォ…ォォォオッ……」ズズッ……


ヘル・バンガードの上半身と下半身が、千切れ掛けている。

背後から大鎌を振りかぶってきた瞬間、反射的に出した原子崩しが、ヘル・バンガードの無防備な腹部辺りに叩き込まれたのである。

寝たか



まさに立体もぐらたたき

まあ今日はむぎのん勇者も投下してたし

睡魔さんには勝てんよ

乙でした

麦野「流石に実力じゃ完全に負けてたわね……ま、運も実力の内だから文句はないだろ?死神さんよぉ?」




ヘル・バンガード「ォォォオ……ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!」



ブゥゥゥンッ!!!


ブゥゥゥンッ!!!



瀕死のヘル・バンガードが叫ぶと、召喚用の魔法陣がいくつか発動する。




麦野「ッ!?チッ、まだやるっての?どんだけ執念深いのよコイツは!!!」




次々と門からヘル・プライドが出てくる中、ヘル・バンガードは移動用の魔法陣へとゆっくり移動していく。

おはよー

滝壺「!?むぎの!!あの大きい死神、逃げるつもりだよ」




麦野「あぁっ!?そういうことか!!」ダッ!!




麦野が瀕死のヘル・バンガードへと走り出す。まだ間に合う。

今逃がせば、コイツは必ず脅威になる。
何としてもココで……。




シュンッ!!


「ァァァァアアアッ!!!!!」ゴォオオッ!!


麦野「わっ!?」バッ!!



次の瞬間、麦野の頭上から、今までとは違う、白装束にフードのようなものを纏った死神が突然現れ、鎌を振り下ろす。

麦野「また新手!?何種類いんのよあんた等は!!それにあんた等を相手にしてる場合じゃねぇんだよ!!」ブンッ!!




麦野が原子崩しの剣を死神に振る。



シュンッ!!!



その瞬間、白装束の死神は消える。



麦野「なっ!?まさかコイツも」



麦野の予想は当たる。





7つの大罪の内、怠惰を司る死神『ヘル・スロウス』


その能力は、極短距離だが瞬間移動であり、どこがスロウスだと言いたくなるような俊敏さを兼ね揃える。


7つの大罪の最速の魔物である。



ヘル・スロウスは、麦野の右側から鎌を振って迫る。

ヘッドギア「クッ!?麦野さんもダメッスか!!ダメだ!!ヤツが逃げちまうっス!!」バッ!!




ヘッドギアの少年は、二体のヘル・スロウスとプライドの群れを相手取りながらヘル・バンガードを狙う。



しかし、ヘル・スロウスの容赦無い連携により、攻撃に映る余裕がない。





ゴォォォオオンッ!!!


ゴォォォオオンッ!!!



地獄の門が開く鐘の音が鳴り響く。





麦野「くっ!?チクショウッ!!!ここまで来て逃げられるなんて……」



ヘル・スロウスの猛攻を避けながら、麦野はヘル・バンガードの行く先を見つめる。






ヘル・バンガード「ォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!」シュンッ!!!


ヘル・バンガードは、上下に別れかけた身体を再生させながら、門を通り、戦場から離脱した。


その瞬間、移動用や召喚用の魔法陣は消え、召喚されたヘル・スロウス達も、いつの間にか姿を消した。

おはようございます、1です。



初っ端からやってしまいました……寝落ちです……


あとたった数レス分が届きませんでした。無念です。




>>756
寝ました。申し訳ない……

>>757
おー。麦野勇者も見てくれてた方ですか。
引き続きよろしくです。

>>758
ありがとうございます!!!

>>760
おはようございます!!!お互い朝が早いですねぇ。


それでは、またある程度書き溜め次第投下します。
多分、今日明日明後日のどれかには更新するかと。

乙でした

寝落ちだと?
まぁ、自分も5時半から6時の記憶がないうえに、何故か右手が濡れてたw


寝落ちかーあんまり無理しないでください

こんばんわ、1です。

ある程度書けたので、投下しておきます。


とりあえず、麦野・滝壷編の第1ステージ終了までご覧ください。



>>765
冬は意識が落ちやすくなるんですよねぇ……お互い気をつけましょう。


>>766
ありがとうございます!!ゆたりとマイペースで書いて行きますね。

13:30



麦野「ハァッ……逃げられちゃったか……こっちは3人も殺られたのにな……最悪な結果だわ」



ヘッドギア「いや……もしかしたら全滅しなかっただけ儲けかもしれないっスよ。

アレは確実にSランクの強さだったっスからねぇ。
召喚能力も合わせると、俺と麦野さんだけじゃあ、本来なら太刀打ちできないハズっス」




ヘル・バンガード達が去って行ったあと、麦野達は腰を落として体を休めていた。
実力的には、かなりの差があった為、麦野達の負ったダメージは、決して小さくはない。

麦野「そうね……死んでいった人達の仇は必ず取るとして、今はやるべきことをやらなきゃね。

そういえば、他の連中はどうなってんのかしら?滝壺。ちょっと調べてもらえる?」




滝壺「うん。ちょっと待ってね」キィィィィイインッ!!!



滝壺の目が見開かれ、探索集中モードへと入る。



ヘッドギア「探知能力っスか……便利っスねぇー」


麦野「この子の能力は、範囲と精度が高いからね。頼りになるわよー」

滝壺「探知できる範囲では……はまづらが、17地区と7地区の境目辺りで交戦中。

さてん、みさか、あと何故かしらいが6地区で交戦中。きぬはた、フレンダも、6地区の別の場所で交戦中だね。

そして、他に私たちの知り合いで言えば、はんぞうとこまばが15地区。
インデックスが6地区を移動中。今わかるのはこんなところだね。
あとは、この7地区にも、よくわからない反応があるけど、害はなさそうだよ」





麦野「わかった、ありがとね。
仕上が7地区に戻ってきたか……それに絹旗フレンダもまだ無事。涙子ちゃんも美琴達と一緒ならひとまず安心ね。

さて、これからどう動くか……あの死神も放っておけないけど、他にも強力な魔物がいるみたいだし……。

ッ!?そうだ!!滝壺!!」





滝壺「ん?どうしたの?」

麦野「アンタが探知できる範囲で、Aランク以上の魔物を探し出して頂戴。
Bランク以下は、私等以外でも、数と武器があれば何とかなるだろうが、Aランク以上に対抗できるのは、一般兵じゃ基本無理でしょ?

だったら、積極的に狩るしかないわ。お願いできる?滝壺」





滝壺「わかった、やってみるね」キィィィィイインッ!!!



滝壺が再び集中モードに入る。




ヘッドギア「Aランク以上狙いっスか……次は、初めから全開でいかないとダメっスね。
もうこれ以上仲間を死なせるわけにはいかないっス!!」

滝壺「……私の探知範囲にいるAランク以上の魔物は、全部で4匹……1匹目はみさか達と今戦っている。
2匹目は、第7地区の私達とは反対側へと向かっている。
3匹目は……はまづらと戦っているみたい。
4匹目は……ダメ。ノイズが酷くて詳細がわからない。他の魔物とは違う、変な力を持ってるかも」




麦野「美琴と仕上が相手してるのか……だったら、私達は、7地区反対側にいるという、魔物を狙いに行きましょうか。
滝壺、詳しい場所は?」




滝壺「ちょっと待って……はまづらと戦っていた相手が、猛スピードでこっちに向かってきている。
あと10秒くらいで、ここに到着するよ?」

麦野「はぁっ!?どういうこと?アイツも相手に逃げられたの?」キョロキョロ


麦野が、こちらに向かってきているという、魔物を探す。



滝壺「いや、どちらかと言えば、はまづらが無理矢理引き離したのかも……来るよ!?」バッ!!



滝壺が指差した方向からは、巨大な鉄塊が、こちらに飛んで来ているのが見えた。



麦野「何なのあの鉄くずは?まさかあの中に魔物が……」

ギュィィィィィィイイイイイインッ!!!!!

ギギギギギギギギギギッ!!!!!





次の瞬間、飛んでくる巨大な鉄塊の内側から、チェーンソーが突き出し、火花をあげながら鉄塊を内側から真っ二つに斬り分けた。


鉄塊から出て来たのは、一対の巨大なチェーンソー、ダブルセイバーを持つ、大柄な人型の実験体魔物、エンプレス<女帝>であった。





ダンッ!!!!




エンプレス「…………」コォォォォオオ……



キョロキョロ




着地したエンプレスは、辺りを見回す。

ドォォォォォォォオオオオンッ!!!!


ドォォォォォォォオオオオンッ!!!!




続いて、二つに斬り分けられた鉄塊も、隕石のように地上へと落下し、辺りの道路や建物を破壊する。




麦野「な……何こいつ……それに何よあの武器……」



ヘッドギア「チェーンソーっスねぇ……あんなデカイ鉄塊を斬り分けらるなんて、相当な硬度っスよ、あの武器」




エンプレスは、チェーンソーを構えながら、こちらをじっと見ている。





『………て…………殺………し』



滝壺「?……声が聞こえる……どこから……まさか……」

麦野達は身構える。




アレが滝壺の話に出た魔物だとすれば、その実力は、先ほどの死神と同ランクのSランク。

しかも、浜面と戦い生きているということは、浜面にも倒すことができなかったということなのだろう。




ヘッドギア「お前等は下がって、滝壺さんをガードしてろッス。
こっからは、一瞬でも気を抜いたら、簡単に斬り刻まれちゃうッスからね」




スクールのメンバーは、滝壺の護衛に専念し、ヘッドギアの少年が前に出る。




麦野「アイツの尻拭いか……まぁ、私達も死神野郎を逃がしちゃったしね……しっかりトドメをさしてあげましょうか」

滝壺「…………むぎの。お願いがあるんだけど」



戦闘モードへと移っていく麦野に、滝壺が話しかける。




麦野「ん?どうしたの滝壺」




滝壺「あの魔物を……あの人を解放してあげて。さっきから聞こえてくるの。『殺して。誰か私を殺して』って」




麦野「どういうこと?死にたがりの魔物って……ん?あの人ってどういう意味よ」




滝壺「あの人は……誰かに無理矢理魔物へと改造され、操られているの……あの人から消え去りそうな声でそう聞こえる。


『もう誰も殺したくない。誰か止めて」って」

麦野「……実験体ってヤツか……まだ意識があるなんて……どうせなら、完全に殺人マシンになれればどれだけ楽なんでしょうね……」





エンプレス「…………」カチッ!!

ギュィィィィィィイイイイイインッ!!!!!




エンプレスは、チェーンソーのスイッチを押し、麦野達に今にも襲いかかろうとしている。



その表情からは、何を考えているのかはわからない。
しかし、僅かに残された彼女の意識は、自らの死を強く望んでいる。

麦野「……言われ無くてもココで倒すわよ。じゃなきゃ、他の誰かがアンタに殺られちまう……それにアンタもそれを望んでいないのなら!!

私達が全力で止めてあげる……行くわよ!!ヘッドギア君!!」グググッ!!!




ヘッドギア「了解っス!!!」スッ……




ヘッドギアの少年が、手をエンプレスへと向ける。









ズンッ!!!!!


エンプレス「!?」グググッ……


突如、エンプレスの頭上から、通常の何倍もの重力が加えられる。
普通の魔物ならばこれだけで、潰れて勝負が決まるほどの力だ。

エンプレス「…………」グググッ……



しかし、エンプレスは潰れない。



それどころか、この重力の中で動こうとしている。
重力に慣れて来たのか、徐々にエンプレスが前に進んでくる。




ヘッドギア「やっぱそう簡単にはいかないっスか……麦野さん!!準備はいいっスか!?」




麦野「えぇ……いつでもぶっ放せるわよ……」キュィィィィィィイイイイイインッ!!!

麦野のアルテミスに、巨大な魔力が溜め込まれる。


アクバーや、浜面に最後に撃った、フルパワーの原子崩しだ。
その圧倒的な火力は、全てを無に帰すであろう。





麦野「同情はしないわよ……敵として戦うなら、一切の情けはかけない……それがおじぃやウィリアムさんの教え……。

だからさ…………できるだけ、早く楽にしてあげるから……我慢してね?」キュィィィィィィイイイイイ





ヘッドギア「麦野さん!!!今です!!!」




ヘッドギアが、麦野の攻撃の妨げにならぬよう、重力操作を解除した。
これにより、エンプレスも動けるようになるが、そんなことは関係ない。

カチッ!!




ゴォオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ!!!!!!






エンプレス「ッ!?」バッ!!!



麦野から放たれた特大原子崩しは、エンプレスへと真っ直ぐ進んでいく。

自由に動けるようになったエンプレスは、咄嗟にチェーンソーを盾のように前に突き出す。





ゴォオオオオオオオオ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"オ"ッ…………



麦野の特大原子崩しが、エンプレスを飲みこんだ。

麦野「…………やったかしら?」




ヘッドギア「あんなにどデカイ原子崩しを喰らったんっス!!きっと」




滝壺「まだ……まだ終わってないよ、むぎの!!」





滝壺がそう呟くと、エンプレスが姿を現す。



エンプレス「…………」グググッ……

バチバチバチッ……




エンプレスは、右半身の殆どが消滅し、二つのチェーンソーの内、一つが大破し、長いチェーンだけが残っていた。

麦野「少し狙いが逸れたか逸らされたのか……ゴメンね、痛い思いさせちゃってさ……」




ヘッドギア「中々タフっスね……でもあと一撃入れれば……」




ゴポゴポ……ゴポゴポゴポゴポッ!!!!!





次の瞬間、エンプレスの失われた箇所が、凄まじい勢いで再生していく。

瞬く間に再生したエンプレスは立ち上がり、壊れたチェーンソーのチェーンを、もう片方のチェーンソーにしっかりと繋げ、鎖鎌ならぬ、鎖チェーンソーを作りあげる。

ヘッドギア「ゲッ……」




麦野「うわぁ……凄い再生力だこと……」



滝壺「でも、弱っていることは確かだね。流石にあれだけの再生には、大きく消耗するみたい。
むぎの、ヘッドギアの子。アタマを狙って。そこが恐らく弱点だよ!!」






麦野「頭か……まぁ、あんだけダメージを与えても再生するんじゃ、そこを狙うのが一番手っ取り早いわね……。
ヘッドギアの子!!もう一度、アイツの動きを止めることはできる?」




ヒュンッ!!



ヘッドギア「了解ッす!!任しといてくださ……」グルグルッ!!




次の瞬間、ヘッドギアの少年に、エンプレスからチェーンが放たれ、脚に巻きつく。

エンプレス「ッ!!」グンッ!!!


ヘッドギア「おぅわっ!!!!!」グイッ!!!



巻きついたチェーンは、エンプレスが思いっきり引っ張ることで、ヘッドギアの少年をエンプレスの頭上へと引き寄せる。



ギュィィィィィィイイイイイインッ!!!!!!




引き寄せられた先には、エンプレスのチェーンソーが、待ち構えている。

あれを喰らえば、文字通り一刀両断されるだろう。

ヘッドギア「やっべぇ……」




エンプレス「…………」ブンッ!!!!




エンプレスが、頭上のヘッドギアの少年へとチェーンソーを振り上げる。




麦野「そう簡単に殺らせないわよ!!!」キュィィインッ!!!




バシュウッ!!!




ギィィィィイイイインッ!!!!!




直後、振り上げたチェーンソーは、麦野が咄嗟に放った原子崩しによって大きく弾かれる。



原子崩しの直撃を喰らい、未だ稼動しているとは、恐るべきチェーンソーである。

エンプレス「ッ!!」ブンッ!!!




麦野「ゲッ!?今度はこっちなの!?」バッ!!



弾き飛ばされたチェーンソーを、エンプレスはそのまま麦野に向けて投げつける。



咄嗟に麦野は迫るチェーンソーを回避する。





エンプレス「ッ!!」グンッ!!!



チェーンで繋がれ、投げつけたチェーンソーを、エンプレスが今度は思いっきり引き寄せる。



チェーンソーは麦野の背後から、猛スピードで引き寄せられていく。



そして麦野はそれに気づいてはいたが、身体が反応しきれていない。

ヘッドギア「局地重力(ピンポイントグラビティ)!!!」バッ!!!



チェーンに繋がれ、宙に浮いた状態でヘッドギアの少年がチェーンソーに向けて手をかざす。




ズンッ!!!!!!!




次の瞬間、今までと比較にならないほどの重力が、チェーンソーへとのしかかる。



範囲を極めて小さな範囲に設定することで、威力を最大限に引き出すことが出来る技のようだ。




チェーンソーは、麦野に当たる寸前に、一瞬で地面へと深く埋め込まれた。

麦野「これで得物は全て封じたか……お手柄よ、ヘッドギアの子」キュィィィィィィイイイイイインッ!!!!!




ヘッドギア「景気よくぶっ放しちゃってくださいよ麦野さん!!!!」




バシュウッ!!!!!



次の瞬間、麦野から極大の原子崩しが放たれる。




エンプレス「…………ア……」




滝壷「ッ!?」




エンプレス「アリガ……ト……」






ゴォォォォォォオオオオオオオオオオッ!!!!!!!




極大の原子崩しは、エンプレスの上半身を完全に飲み込み、射線上の全ての物体を消滅させた。

麦野「…………これでよかったのよね……ゆっくりお休み……」




シュゥゥゥゥウウウウウッ…………




原子崩しが放たれた跡には、エンプレスの下半身だけが残され、ゆっくりと霧散していった。




麦野「滝壷……これでいい?」




滝壷「うん……最後の瞬間、ハッキリと聞こえたよ。『ありがとう』って。
これがあの人を救う、たったひとつの方法だったんだよ」

ヘッドギア「魔物に無理矢理改造された人間か……嫌になるっすね、そんなのと戦わされるなんて……」




麦野「そうね……改造されたってことは、アイツを創り出したヤツがいるってことよね……。
生かしちゃおけねぇよなぁ、そんな腐れ野郎は……」ギリリッ!!!!!








「だったら教えてやろうかァ?さっきのヤツや、コイツみたいな、哀れな化け物を創り出したクソ野郎ってのをよォ……」

麦野滝壺ヘッドギア「っ!?」バッ!!!




不意に聞こえてきた声に、その場にいた全員が、一斉に声の方向へと振り向く。






麦野「あ、アンタは……何でアンタがこの街に……」




ヘッドギア「だ、誰っすか?この驚きの白さの人は……。しかも、あの見たことない魔物は一体……」





滝壺「来てたんだね……あくせられーたー……」










一方通行「ソイツの名はなァ……木原って言うンだ。木原数多。

この世に存在する全ての生き物を、自分の実験動物としか思っていねェ、最高にイかれたクソ野郎だ」






そこには、御坂・佐天・白井を全滅寸前まで追い詰めた、木原数多の傑作品ブリッツの死体を引きづりながら、こちらへと歩いてくる一方通行の姿があった。






13:45




第7地区と第15地区との境界戦





麦野・滝壷・ヘッドギアの少年組





第1ステージクリア








Next



13:01



第15地区 崩壊中心地



一方通行

投下終了です。



エンプレス退場です。
エンプレスの元の人間を、禁書の誰かにしようと思いましたが、流石にエグ過ぎるのでやめました。


次回からは、ホンの少し一方通行編をお送りします。



滝壺のご指摘ありがとうございましたー!!油断するとすぐ間違えますね……。



ヘッドギア君あなたの親玉も

白くなってますよwwww

1がnew垣根をどうするか気になるわ

おつ!

乙でした



エンプレス救われて良かった

やっと追いついた…
面白い

>>1
>>797
おれもきになる

こんにちは、1です。


今日は夕方くらいから、一方通行編をお送りします。



>>798
>>799
>>800
>>801
>>802
ありがとうございます!!!こんだけレスをいただくと、意欲がドンドンわいてきますねぇ!!


>>797
>>803
ちょっと質問なんですが、new垣根って何ですか?垣根も白いって垣根生きてたんですか?
少し詳しく知りたいかもです。

13:01





第15地区 崩壊中心現場付近






ォォォォォオオオッ…………





一方通行「……砲撃が収まったみてェだな。ったく、誰だか知らねェが迷惑な野郎だ」






絹旗・フレンダが、第6地区に向かっている頃


上条・御坂・インデックスが、第6地区で活動している頃


麦野・滝壷が第7地区と、第15地区の境に到着した頃


そして、佐天・白井がブリッツに追われ、半蔵に助けを求め、半蔵が自身の能力の、パンドラの箱を解放した頃



一方通行は、魔物の出現地点である第15地区にいた。

半蔵が出した、自身最強の能力が、第15地区の一部を破壊し尽くしていた際、一方通行は砲撃や振ってくる瓦礫の雨を、特に気にせずに歩いていた。







『ベクトル操作』




それが、彼の最強の矛にして、最強の盾となる能力の名称である。





己に触れた全ての力の向きを変換する能力。



それは、相手の攻撃の力の向きを変換して、そっくりそのまま相手へと反射させることもできる。



そして、その辺の石ころを軽く蹴っただけで、砲撃のような威力を引き出すこともできる。




単純な操作だけでも、彼に物理的な攻撃を届かせることは基本的に不可能であり、更には彼の驚異的な能力の応用力により、無限の可能性を秘めた力である。

ただし、彼の無敵の盾としての能力には、いくつか例外もある。





一つは、上条当麻の幻想殺し。あらゆる能力を打ち消し、喰う彼の右腕の前では、ベクトル操作の盾は、無意味となる。



一つは、ベクトル操作の性質の隙間をついた攻撃。
この世に完璧なものは存在しない。そして、それは無敵と思われる一方通行の能力も、それは例外ではない。




そして、最後の一つは、単純に一方通行の理解や能力の限界を超える攻撃である。



とはいえ、殆どの攻撃は、一方通行の限界を超えるほどのものではない。
単純な力ならば、攻撃に関しては人間トップクラスの半蔵の力でさえ、容易く跳ね返す。

元アレイスター側の最強の能力者、一方通行。




木原数多によって生み出された、天使と悪魔の力を併せ持つ人間。




何人もの力のある勇者や、その仲間をその手で殺した人間。




教会と魔王軍の戦いの間に割って入り、両軍を皆殺しにした人間。







何故彼が、アレイスターを裏切り、人間側についたのか?



何故彼は、教会と魔王の軍を皆殺しにしたのか?




そもそも、彼は本当に人間なのか?








「一方通行……何でお前がここに!!!!!」





その答えを語りたいところだが、どうやら先客があるようだ。

一方通行「お前は……見覚えがあるなァ……確か半蔵……だったか?」




半蔵「あぁ、そうだよ……覚えててくれて光栄だなこのクソ野郎!!!!!」




一方通行「忘れねェよ……勇者狩りをやってた頃、本気で殺ろうとして逃げられた、数少ねェ人間の一人だからなァ……」



半蔵「こっちだって忘れられねェよ……あの時、俺はお前に仲間を皆殺られちまったんだ……。
あの時の借り、ここで返させて貰おうか?」スッ……




半蔵は、サイコロを取り出す。

一方通行「生憎、今はお前の相手なんざする暇はねェンだよ。

それに、お前の力ではどうあがいても俺には勝てない事くらいわかンだろゥが……忘れたのか?俺の力を」




半蔵「上等だ……やってやろうじゃねぇか!!!」ブンッ!!




半蔵が、手の中にあるサイコロを、投げようと振りかざす。





ガシッ!!!





しかし、その手は突如、止められる。




一方通行「!?」



半蔵「こ、駒場の旦那!!」


駒場「…………やめておけ、半蔵。今、この状況で、お前が死ねばこの都市はどうなる?」



半蔵の手を止めたのは、同じスクールの幹部である、駒場利徳であった。

一方通行「お前も見覚えがあるな……確か、駒場利徳……だったか?」




駒場「……覚えていたとは光栄だな、一方通行。
どうやら先日のサバイバルにも出場していたようだが、何故貴様がこの都市にいる?
まさか、この事態を引き起こしたのは、貴様なのか?」





一方通行「クカカカッ……さァ、どうなンだろうなァ……もしそうだと言ったらどうするよ?」




駒場「……決まっている。排除するだけだ」スッ……



駒場はゆっくりと、一方通行へと身構える。

一方通行「馬鹿が……お前も俺の力には、文字通り手も足も出ないだろォが。
テメェらは揃いも揃って自殺志願者なんですかァ?」




駒場「……以前と同じと思うなよ?一方通行。前回の戦いで、貴様の能力はわかっている。

仕組みがわかれば、対策することなど造作もない。それで……どうなのだ?貴様の仕業か?」





駒場の言葉に一方通行は重みを感じる。


自分の能力が、そう簡単に看破されるハズはない。しかし、ハッタリとも思えない。

一方通行「…………俺は全く関わっちゃいねェ。
そもそも俺は、アレイスターからはとっくに離れてンだ。

お前らのボスの垣根とか言うヤツに聞いてねェのか?それとも情報もおりてこない下っ端なのか?テメェらは」




半蔵「ぁん…だとコラァッ!!!!!」




駒場「黙れ、半蔵。……そうか、ならお前に用はない。
さっさと俺達の前から消えるがいい。目障りだ」




半蔵「!?旦那!!そんな簡単にコイツの言う事を信じていいのかよ!!」



駒場「……コイツは、俺達二人まとめて簡単に殺せるだけの力を持っている。ワザワザ嘘をつく必要もあるまい」

一方通行「おーおー。冷静かつ的確な判断だ。頭が下がるぜ全くよォ……」フカブカー



半蔵「ホントに下げてんじゃねーよ!!!」




駒場「……何故アレイスターから離れたのかなど、聞きたいことは山積みだが……時間もないので一つだけ聞こう。


…………貴様、今何をしているんだ?」





駒場がたった一つだけ、一方通行に質問をする。




捉え方によっては、色々な意味を持つこの質問に、駒場はどういう意を込めて尋ねたのかは誰にもわからない。




一方通行「…………決まってンだろ。
第7地区の避難所のシェルターの中のクソガキ共が、暇過ぎて死にそうだから、ドリフか笑う犬シリーズのDVDを置いてる店を探してンだよ」

そういやここの一方さんはこういうひとだったか・・・ww
new垣根は新約で出てきた
一方さん(黒い翼)にやられた後
自身の体を未元物質で補ったやつ。それが真っ白だったから白い垣根。

半蔵「…………は?」



半蔵が、ポカンと口を開けて呆れている。





駒場「…………そうか。ならば、7地区にある○S○T○YAに行くがいい。
6地区寄りの場所にある。彼処ならば、バラエティ関連の品揃えも豊富だ」




半蔵「えっ!?」バッ!!





なぜか一方通行にノッた駒場に、半蔵が驚愕の目を向ける。






一方通行「そうか……ワザワザ情報ありがとよォ……」ダンッ!!!




一方通行は、高く飛び上がり、第7地区の方面へと向かっていった。

半蔵「……本当に行っちまいやがった……いいのか旦那?わざわざ行かしちまってよぉ?
しかも第7のシェルターっていったら、アンタんとこのあの子も中に居るんじゃ……」




駒場「……心配ないだろう。何があったかは知らんが、あれはもう、昔の一方通行ではない。
仲間とは思えんが、直接の敵ではないとしたら、争う必要もないからな」






ギュォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!





一方通行「出現場所の魔力の残り香を探ってみたが、どうやら木原の野郎は、まだこの都市に入ってねぇようだなァ。

あれだけの自作の魔物を送り出してくるってことは、データ収集でもやるかと思ったが……。
さっき襲撃は、下手すりゃただの在庫処理かもしれねェな」

この都市での、現在の一方通行の目的は、二つである。




一つは、打ち止め、白井両名の安全の確保。



もう一つは、確実にこの工業都市襲撃に関わっているであろう木原数多を殺すこと。




一方通行「あのクソ野郎だけは生かしてちゃ、世のためにならねェからなァ……。
おっと、ついでに駒場の言っていた店にもよってみるか……。
思わぬ掘り出し物があるかもしれねェな」ギュォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!





どうやら、目的が一つ追加されたようだ。

13:25




第7地区 ○S○T○YA店内





一方通行「な……なんてこった……コイツは驚きだぜェ……宝の山じゃねェかよここはよォ!!!!!」キョロキョロッ!!!





一方通行は子供のようにはしゃいでいる。


それもそのハズ。




工業都市の技術力によって、古代の映像記録器『DVD』と言うモノが、この都市内に広く普及している。




これは、過去の映像を、TVなどで見られるようにするためのディスクなのだが、これのおかげで、古代の映像資料や、工業都市の人間が作った映画などが見れるのだ。





そして、一方通行の目の前には、古代の映像資料の復刻版がズラリとならんでいた。

一方通行「ダメだダメだ……いっそのこと全部持っていくなンざ、考えちゃならねェ……。
欲深い者は滅びる運命だからな……ここはこの>>822を持って行こうじゃねぇか……」






注.特に話の内容が変わったりはしません。影響があるのはせいぜい1〜2レス分だけです。

探偵ナイトスクープ

ガキ使


一方通行「これにするか……『ガキの使いやあらへんで』だ。

ここは、オーソドックスに、笑ってはいけないシリーズがベストだなァ……適当にこれにしとくか」つ『空港』

「よーし……これで後のお楽しみが出来たってもンだァ……たぎってきたぜぇ!!!」




バチバチバチッ……




一方通行のテンションが、青天井で上がっていくその時、一筋の光が店内を走った。





一方通行「あァン?何だ?人が折角気分良くしてる所に……」カッ!!!!!





ドゴォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!







次の瞬間、雷鳴が轟き、店内から強烈な爆音と共に、高熱と爆風が辺り一面に広まっていった。

ブリッツ「グルルルルッ…………」バチバチバチッ……





店の外から、雷によって強襲したのはこの魔物。



強力な雷を操り、佐天や白井、果ては同じ雷系能力を持つ、御坂美琴まで一度は倒したほどの高位の魔物『ブリッツ』である。




ブリッツは、電磁波センサーによって、一方通行の生死を確かめようとしている。



彼の位置を特定するのはそう難しくない。


電磁波の遮断率が100%の人型の物体を探せばよいのだ。
彼の反射能力によって、流れる電磁波は確実に反射される。
ならばそれを利用すればよい。ようは、滝壷が上条を探す時と同じ方法だ。




これは、彼らを作り出した木原数多が、対一方通行索敵用にと、ブリッツに教え込ませた方法である。




ブリッツの電磁波が、全く電磁波を通さない人型の物体を見つける。

ブリッツ「グルァァァァアアアッ!!!」バチバチバチッ!!!!



ドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!




次の瞬間、ブリッツの全身から、強力な雷が発せられ、その強力なエネルギーをそのままその人型の物体へと放つ。







キィィィィィィイイインッ!!!!!




カッ!!!!!



ブリッツ「ッ!?」



ドォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!





しかし、放たれた雷は、すぐに自分の元へと返ってくる。
しかも、一方通行の能力『ベクトル操作』によって、より高密度に圧縮された雷の槍として。



雷の槍は、ブリッツの身体を容易く貫き、爆音と爆風が同時に辺りに走った。

パラパラパラッ…………






「ガァッデムッ!!!!!ガァッデームッ!!!!!!!」





崩壊した店内から、悲痛な叫びが響き渡る。






一方通行「テメェ……よくもやってくれたなァ……テメェは取り返しのつかねェことをやっちまったンだぞ!?」ピキピキピキッ……



怒りを露わにした一方通行が、崩壊した店内からゆっくりと歩いてくる。






一方通行「見ろよこの様ァ……あれだけの貴重な映像が、全部パーだ!!!!!
どいつもこいつも電磁波にやられて使いモンになりゃしねェ!!!!!

残ってるのは、俺が持っていたガキ使だけだ!!


覚悟は出来てンだろうなテメェ……人類の遺産を奪った罪は、百回死んでも償いきれねェぞコラァァァアアッ!!!!!」




はたから見れば、とてつもなくしょうもない理由で一方通行がキレる。

ブリッツ「…………グルルルルッ……グルァァァァアアアア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッ!!!!!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!




次の瞬間、雷の槍を喰らい、致命的なダメージを負い、倒れたままのブリッツから、赤黒い雷が発せられる。



命を燃やしながら行う、ブリッツ最後の猛攻の始まりである。




一方通行「アァ?……チッ!!こりゃああの不良王女の技じゃねェか。

木原の野郎……早速新戦力の細胞で、新しい化け物を作りやがったんだな。相変わらず、仕事だけは早ェ野郎だ……」

バチィッ!!!



ブリッツ「グルォォォォォォォオオオオッ!!!!!」ブンッ!!!



次の瞬間、寝そべったままだったブリッツが、一瞬で一方通行の背後に回り、赤黒い雷を纏った爪を振るう。




御坂美琴が深手を負った一撃である。








ゴキャァッ!!!!!



ブリッツ「…………グルッ?」



しかし、彼の身体に爪が触れる瞬間、ブリッツの手の骨は、粉々に砕ける。
ブリッツは、一瞬何が起きたかわからない仕草をしていた。

一方通行「何だ何だ?木原の野郎は、俺の姿を捉える方法は教えても、俺を倒す方法は教えてくれなかったのかァ?

まぁ、そんな方法、あの野郎が知ってるかどうかわかんねェがなァ」





ブリッツ「グ、グルァァァァアアアッ!!!!!」ブンッ!!!




反対側の爪で、再び一方通行へと攻撃を加える。

しかし、目の前の一方通行は、既にブリッツの背後に回っている。







デーデーーン


ブリッツゥー


アウトー




どこからか、一方通行とブリッツに、謎の声が聞こえてきた。






一方通行「タイキックだコラァァァアアッ!!!!!」ブンッ!!!!!



バキィィィィィイイイイイイイッ!!!!!






ブリッツ「グギャァァァァアアアアアッ!!!!!」ズザァァァァァアアアッ!!!!!




一方通行の蹴り……もとい、タイキックを受けて、ブリッツが悶絶している。

ベクトル操作によって、何十倍にも高められた威力のタイキックだ。それは凄まじい威力であろう。

一方通行「どうしたどうしたァ?もう終わりかァ?」〜♪


一方通行は、ワイクーを踊りながら、ブリッツを挑発する。






ブリッツ「グルッ、グルァァァァアアアッ!!!!!」バチバチバチバチッ!!!!!



ゴォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオオッ!!!!!




ブリッツは、赤黒い雷を収束し、レーザーのように圧縮させ、一方通行へと放つ。

その威力は、現在の麦野の原子崩しの威力を、遥かに凌駕するだろう。





一方通行「ちったァ学習しねェのかテメェは」キィィィィィィイイイッ!!!!!



ゴォォォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



ブリッツ「グギャァァァァアアアアアッ!!!!!」グシャァッ!!!!



反射されたレーザーが、ブリッツの左半身を消滅させる。

同じ雷系であるブリッツの身体にここまでのダメージを与えるとは、捨て身のブリッツの出力は、かなりのモノであった。





そして、それを証明するモノが、一方通行にも刻まれている。

一方通行「…………何か少しだけピリッ、と来たと思ったらシャツが少し焦げちまってらァ……」




ホンの少し。

一方通行のシャツを焦がす程度だが、一方通行の反射膜を突き破り、ブリッツの攻撃が通った。





これは、一方通行にとって非常事態である。





一方通行「……木原の野郎、とうとう俺の無意識での反射膜を、ホンの少しでも突き破れるほどの高位の魔物を作りだしやがったか……。
こりゃあ、余裕かましてる場合じゃねェな」スッ……

一方通行の反射は、基本無意識で行われている。


その強度は、もちろん、意識して行うよりは大分弱くなる。


まぁ、無意識の反射を突き破れる攻撃自体、多くはないが。






通常の高位の魔物ならともかく、木原が作った魔物が反射を破ることが問題なのだ。


ヤツは必ずこの戦いをモニタリングしている。


このデータを生かし、更なる強力な魔物を生み出してくるだろう。






一方通行「……大勲章モンじゃねェかテメェ……その頑張りに報いて、俺の本気ってのを少しだけ見せてやるよォ……」ォォォォォォォォォオオオオオ……

ブリッツ「ッ!?」ガタガタガタガタッ……






ブリッツが恐怖に怯えている。

ブリッツに宿る野生が、目の前の光景を見て思ったのだろう。




『恐い』と。








一方通行の背からは、片翼の黒い翼のようなものが、いつの間にか出現していた。



その黒い翼からは、威圧感や、存在感など全てを通り越して、何も感じない。



力が大き過ぎて、逆に全体像が掴めないのだ。



高層ビルの壁のすぐ前に立ち、真っ直ぐ正面だけを見ているのと同じ。


その大きさを測ることができない。

ォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ…………











一方通行「……gpクラップのpmw間だぜェ……こ7wjクソ野郎がァrjああっ!!!!!」









ォォォォォォォォォォォォォォォォォォオオオオオ…………






ブリッツ「ガッ……」









グシャアッ…………






薄い氷を踏み砕いたような小気味よい音が、辺りに鳴り響く。

ズルッ……


ズルッ……





一方通行「ん?ありゃあ、あのクソガキの国で会った……チッ、どいつもこいつも……大人しく避難してりゃあいいのによォ……」





ブリッツの死体を引きづりながら、一方通行は、前方に見える麦野達の元へとゆっくりと歩いていく。




一方通行「どうやらアイツ等も木原の野郎の作品とやりあったみてェだな。
ちょっとくらい情報を分けてやるとするか。この死体を解析してよォ……」ズルッ、ズルッ

13:45





第7地区と第15地区との境界





一方通行



第1ステージクリア







NEXT




13:20




上条当麻

投下終了です。



最後の最後はビシッと決める、一方通行さんでした。



>>821-825

安価ご協力ありがとうございました。
一方通行さんは、引き続きDVDを持ってますので、もしかしたら、見ることがあるかもしれません。



>>815
そういう人なのですw実はこの性格も後の伏線だったりそうじゃなかったり……

調べたら、垣根復活したんですね。
何やら強くなってるみたいですが、基本前の垣根verでこのSSは進めたいと思います。
情報ありがとうございました。

おつ!

上条さんきたか

乙乙
一方さんノリノリやんけ・・・ww
受験勉強の間にみさしてもらってます、これからものんびりと続けてください。

おつ
僕らの上条さん期待



安定の一方さんwwww

まあ白い垣根出たときは自分差し置いて
白い人とかいいそうですよねぇ

13:30




第6地区避難シェルター




小萌「どうもありがとうごさいました!!
上条ちゃんのおかげで、先生と青髪ちゃんは助かったのです!!」




青髪「まぁ、正直一回死にかけたんやけどなぁ……。
助けてくれたあのお兄さんにもよろしく伝えといてや!!ありがとなぁ、上やん」




上条「あぁ、伝えておくよ。じゃあ、そろそろ俺は行くかな。またな、二人とも」




無事にシェルターへと二人を送り届けた上条は、再び戦場となっている街中へと戻って行く。

シェルター前





上条「悪い、待たせちまったか?」





『いやいや。無事に送り届けられたようでよかったよ。で、これからお前はどうするんだ?』




上条「そうだな。さっき仲間と別れたところに一旦戻るかな。アンタはどうするんだ?」




『そうだな……特に当てもないし、しばらくはお前について行こうか。
こんな状況じゃ、1人より2人の方が安全だろ?』




上条「そうか。じゃあ、しばらくよろしく頼むな。そうだ、アンタ名前は?」




『名前か?そうだな……事情があって名前は忘れちまってなぁ……『絶対等速』とでも呼んでもらおうか』

13:40




第6地区避難シェルター前




上条当麻



絶対等速




第一ステージクリア











NEXT




1st stage Last Episode





13:45






第7地区 モノレール高架下 『ヒューズ・カザキリ』まで残り15km地点



浜面 仕上

おつ、上条さん少ないなwww



ここで等速さんかよwwww

「」が『』になってるし青髪一回死にかけたって何があったんだ

今更だけど、セリフ外のカタカナは半角にした方が区別が付きやすいし見やすいと思う

空白が多すぎて見づらい気がする

こんばんわ、1です。

今日も、少なめですが投下しときます。


この工業都市編で、1が一番出して見たかった魔物がいよいよ登場です。



>>841
>>843
>>849
今回上条さんは少なめですね。まぁ、主役級ですし、今は最低限の状況だけ書ければいいかなと思いまして。


>>842
受験頑張って!!!!!

>>844
決してブレない、それがこのスレの一方さんですw

>>850
等速さんは前作のアウレオルスの位置にいますからねー。忘れられる前に出さなければ。


>>851
次スレくらいで多分書きますよー


>>852
>>853
iPhoneから投下してるので、パソコンとは勝手が違うんですよね……申し訳ない。



それでは、投下スタートです。

13:45



第7地区 モノレール高架下




浜面「さて……あのチェーンソー野郎のせいで、モノレールから降りて移動している訳だが……遠いな、まだまだ」




魔力回復の為、浜面は、スラ坊バイクから降り、レールの高架下沿いに歩いて『ヒューズ・カザキリ』に向かっていた。




浜面「今んとこ9割方回復ってとこか。そろそろバイクでかっ飛ばして行きたいトコだなぁ」



『ヒューズ・カザキリ』までの残りの距離、おおよそ15kmほど。



徒歩で向かうには、正直時間がかかり過ぎる距離である。

ダンッ!!!


ダンッ!!!


ダンッ!!!



ブレイドs「「「グルルルルッ……」」」




突如、更に時間を消費するような事態が起こる。



何気に初対決である、ブレイドが3体、浜面の周りを囲むように現れる。




3体のブレイドは、獲物を見つけたような目をしている。





浜面「3体……強さはざっとDランク……いや、ギリギリCランクくらいかな?よくわかんねぇが、これくらいなら、能力無しでも何とかなるかな」チャキッ……



浜面が、剣を両手で握り、構える。

ダンッ!!

ダンッ!!!

ダンッ!!!!





ブレイドが3体、同時に遅いかかって来た。





ブレイドs「「「グルァァァァアアアッ!!!」」」ギュォォォオオオッ!!!



ブレイドが、降下しながら、その爪で浜面を引き裂こうと狙う。


しかし、浜面は動じない。



浜面「オラァァァァァァアアアアアッ!!!!!」ブンッ!!!


ザシュッ!!!!ザシュウッ!!!!!!

浜面の射程距離に1体のブレイドの爪が入った瞬間、薙ぎ払うように片方の剣で、ブレイドの手を切り落とし、もう片方の剣で、ブレイドの首を切り落とす。


そして、残りの二体の爪を、そのまま側転のような動きで躱しきった。




浜面「うっし、一体撃破!!同時攻撃なら、ガーゴイルの時に散々経験したんだ。
お前等の動きなんざ、遅すぎてまるっとお見通しだぜ!!」




余裕を見せる浜面に、残る2体のブレイドが、左右から同時に走り込んでくる。

浜面「だから遅いって言ってんだろうが!!!」ジャキッ!!


パララララララララッ!!!!!



浜面が、両手にサブマシンガンを構え、ブレイドへと発射する。


ズシャァァァァアアアッ……


顔面にモロに弾丸がヒットした2体のブレイドは、そのまま滑り込むように地面に倒れこんだ。



クルクルクルクルッ、チャキ!!



サブマシンガンを頭上に回転させながら投げつけ、それをキャッチして浜面がポーズを決める。



浜面「やべぇ……俺最強じゃね?」キラーンッ!!

今のところ、順調に1人で強敵を撃破してきている浜面にとって、ブレイド3体等、相手にならなかった。


今の浜面の調子はノリに乗っている。


正直ウザ過ぎて、どうやってぶっ殺してやろうか1も真剣に悩むほどである。



プルルルルルッ!!!


プルルルルルッ!!!


その思いが天に通じたのか、浜面に一本の電話が。



浜面「ハイもしもしー、こちら無敵街道爆進中の、浜面仕上君ですがー」

麦野「あぁっ!?何言ってんだバカ面がぁ!!!アンタ1体、手に負えないからって魔物を鉄くずに包んで放りだしてんだろうが!!」




浜面「む、麦野……何故お前がそれを……」



麦野「こっちにその魔物が飛んで来て、一戦交えたんだよ!!
テメェの動きは滝壷でバレバレなんだからな!?調子乗ってんじゃねぇぞバカ面ァ!!!!」



浜面「はい……はい、すいません……もう調子乗ったりいたしません……」





天・罰・完・了!!

麦野「ふぅ……おっと、それどころじゃないわ、仕上」


浜面「ハイなんでしょうか?まだ何かあるんでしょうか?そろそろ泣きそうなんですが麦野さん……ッ!?」バッ!!




突如、浜面の背後から、とてつもなく大きな威圧感が感じ取られた。


何の前兆もないまま。


まるで、白井黒子のように、空間移動を行ってきたかのように。



浜面は、振り向いてその姿を確認する。





麦野「アンタのいる場所の近くに、突然、Sランク級の強力な魔物が出現したって滝壷が言ってたわ。

今までセンサーに反応しなかったのに、いきなりだって。何か特殊な能力を持ってる魔物かもしれないわよ!?」

浜面「あぁ……今確認したよ。正直戦いたくねータイプだな……デュランの時と同じ、圧倒的な力を持つ匂いがプンプンしやがるぜ……」ピッ!!


浜面は電話を切る。





浜面の背後に居たのは、真っ黒な巨馬であった。


その巨大な身体は、黒い瘴気に包まれており、頭のたてがみや、尻尾、足元の毛の部分は、青白い炎と化している。


そして、その背後には、この巨馬よりも更に大きな馬車があり、巨馬はそれを引っ張っているようだ。

この魔物の名は『ゲリュオン』



かつて、古代の戦場を駆け回った戦馬であり、数々の武功を立てた名馬である。

死後、何の因果か、魔界の瘴気に触れてしまい、そのまま魔物化。


死してなお、戦場を求めて駆け回る、Sランク中位の魔物である。(DMC3)



その実力は、今回の襲撃で出現した魔物の中でもトップだ。




ゲリュオン「ブルルルルルルッ……」



浜面「滝壷みたいな感知能力が無くてもわかるさ……お前は強い。
どう考えても、俺の数段上だ。逆立ちしても勝ち目は薄いだろうさ……だけどな」チャキッ……



浜面は剣を構える。










浜面「俺は勇者なんだ!!!相手がどれだけ強かろうが、守るべきものの為に戦う!!

覚悟しろよ馬野郎……テメェの目的がなんだろうが!!テメェの好きには俺がさせねぇ!!!」ダンッ!!!



浜面が剣を振りかぶりながら、巨馬ゲリュオンへと向かう。

浜面「(最初の攻防は様子見だ。向こうも俺の力はわからないハズ。まずは相手に軽く一撃、もしくは相手の一撃を躱すことに専念しろ!!)」



相手の力を測る。


それは、どのような対決においても重要なこと。



相手を知り、自分を知れば何とやらという言葉がある通り、相手と自分の力を正確に分析出来れば、勝率を限りなく上げることができる。



浜面は、ゲリュオンの力を確かめようと攻撃を行う。

ピタッ!!



浜面「…………あれ?」



浜面の動きが止まる。




ゲリュオンの姿が一瞬で目の前から消えたのだ。






空間移動か?

いや、違う。

同じように見えるが、何故か浜面の頭は、空間移動ではないと判断していた。



では、この巨馬の力の正体は何なのだ?








ゲリュオン「ヒヒィィィィィィイイイイインッ!!!!!!」グォォォォォォオオオオッ!!!!!





浜面の視界のすぐ横辺りから、ゲリュオンの雄叫びのような鳴き声が聞こえてきた。



それと共に、何か巨大なモノが迫ってくるような音も。

いつの間に自分の横へと移動したのか。



浜面が音の鳴る方向へと視線をズラす。



浜面「ヤ……」



グォォォォォォオオオオッ!!!!!!!!!




そこには、浜面のホンの数十cm先に、遠心力によって勢いよくこちらに向かってくるゲリュオンの荷馬車が見





グシャアッ!!!!!



浜面と荷馬車は、モロに衝突した。

ゲリュオン「ブルルルッ……」



ゲリュオンは少し驚いていた。


正直ゲリュオンは、浜面のことを、ただそこにいる人間と判断していたのだ。


争う価値もない、ただの人間。


そのまま目的地へと向かおうとしたその時、突然その人間が向かってきたので、仕方なく、己の能力をホンの少しだけ、解放した。



そして今、自分が背負う馬車による攻撃によって、あの人間は戦闘不能となるハズだった。



どうやら、人間というのは中々にしぶといモノらしい。

浜面「ハァッ、ハァッ……あっぶねぇ……危うく一撃でやられるところだったぜ……」ゼェ、ゼェッ





浜面は、ゲリュオンの馬車の上にしがみついていた。


馬車と衝突する瞬間に、咄嗟に飛び上がり、馬車に剣を突きたて、馬車の力の流れに逆らわぬように、そのまま馬車の上へと転がりこんだのだ。



浜面「何とか初手は回避できたな……お陰で少し情報も得ることが出来た。

まず、こいつは空間移動に似たことが出来るが……多分本質は空間移動とは全く違うモノだ。完全にカンだけどな……。とにかく、そのつもりでいた方がよさそうだ。

あとは、この馬車なんだが……これ絶対ただの馬車じゃねぇだろ!!!あちこちに銃口や砲台が収納されてんぞおい!!!」

浜面のしがみついている馬車には、いくつもの重火器類のギミックが収納されているのが確認できた。


恐らくは、この圧倒的な火力で敵を殲滅するのであろう。しかも魔界製の火器だ。
エンプレス戦のチェーンソーと同じように、こちらの理解を超えた威力であることは間違いないだろう。






ゲリュオン「ヒヒィィィィィィイイイイインッ!!!!!」ガバァッ!!!!!


パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



ゲリュオンが前足を高く上げ、咆哮を上げる。
そして、そのまま馬車を引きながら走りだした。上に浜面を乗せたまま。

パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



浜面「動き出したか……俺が上に乗っていることくらい気付いているハズだが、それでも構わないってことか?舐められてんなぁ、完全に」


浜面は、馬車の上でしがみつきながら、ブツクサと愚痴をこぼす。








『悪いがそこから降りてもらおうか……生憎、君のような力の無い人間は、お呼びではないのでな』




浜面「ッ!?人の声?まさか馬車の中に誰か……」

カッ!!



ドゴォォォォォォォォォォオオオオオオッ!!!!!!




浜面「ガァァァァァァァアアアアッッ!!!!!」




ゲリュオンの馬車の中から、声が聞こえてきた瞬間、馬車の屋根を貫通し、突風が浜面の身体を馬車から吹き飛ばした。



浜面はそのまま、地面へと落下する。




浜面「グッ……痛ってぇ……」グググッ……


全身を硬い地面へと打ち付け、浜面は痛みに悶えながら、ゆっくりと立ち上がる。





浜面「待ちやがれこの野郎ォォォォォオオオオッ!!!!!」


カッ!!!


ブワァァァァァァァァアアアアッ!!!!!






…………


浜面が能力によって、スラ坊のバイクを出した瞬間、もうその場には浜面はいなかった。

投下終了です。


このスレのラストバウトは、DMC3よりゲリュオンです。


そろそろ速度が落ちるころですねー……まぁ、皆さんゆたりとお待ちください。


それでは、おやすみなさい。

クズ浜面死ね


浜面…

>>1
乙!
「正直ウザ過ぎて、どうやってぶっ殺してやろうか1も真剣に悩むほどである。」
クソワロタwwwwwwww

乙乙
クイックシルバークルー?

ゲリュオンは浜面詰んだな

乙です
>>1が本気で浜面を殺しにきた模様



とりあえず浜面さんは
むぎのんに飲み物を届ける
仕事に戻るんだ

こんにちは、1です。


時間が出来たので、少し投下しておきます。


>>878
お久しぶりですね!!!

>>879
浜面は今日も元気です。

>>880
すいません、つい本音が出ちゃいましたw

>>881
かっこいいですよねクイックシルバー!!!

>>882
>>883
そろそろ殺っちゃってもいいですよね?w

>>884
こっちのお仕事と比べたら、破格の楽さですよね。向こうのお仕事はw

『ヒューズ・カザキリ』まで残り11km





ブォォォォォォォォオオオッ!!!!



浜面「…………見つけた!!」



スラ坊の高速ホバーバイクに乗った浜面は、『ヒューズ・カザキリ』に向かって疾走するゲリュオンを見つけた。




浜面「やっぱ狙いはあの塔の破壊か……させてたまるか!!今度こそ阻止してやる!!」ブォォォォォォォォオオオッ!!!!!


アクセルフル開度で、ゲリュオンへと近づいていく。

麦野に聞いた話では、現在、『ヒューズ・カザキリ』の警備は、各地区の魔物を殲滅する為に分散され、手薄になっている。

心理定規というチートな女の子が残っているようだが、ゲリュオンの能力が不明な内は、油断できない。





浜面「グリフォン!!スラ坊とチェンジだ!!!」カッ!!!

ギュォォォオオオオオオオオッ!!!!!



空中戦に特化したグリフォンのグライダーに魔具を変え、ゲリュオンの追跡を続ける。

カチッ!!!


ドドドドドドドドドドドドドドドドッ!!!!!



グリフォングライダーから、エネルギー弾がゲリュオンに向けて発射される。
馬車に何発か当たったみたいだが、肝心のゲリュオンにはまだ一発も当たっていない。




『騒がしいな……少し黙らせてくれ、今の内に少しだけ眠りたいんだ』


ゲリュオン「ヒヒィィィィィィィイイイイイインッ!!!!」



ガチャッ!!

ガチャガチャッ!!!




ゲリュオンの嘶きと共に、馬車のギミックが起動し始める。


馬車からは、左右と上部に機関銃のようなモノが出現した。

浜面「やっぱ銃が装備されてたか!!まぁ予想はできてたからなぁ……来るならこいやぁ!!!」ドドドドドドドドッ!!!


エネルギー弾を撃ちながら、浜面が叫ぶ。ここからが本番だ。




ダダダダダダダダダダダダダダッ!!!!!
ダダダダダダダダダダダダダタッ!!!!!
ダダダダダダダダダダダダダタッ!!!!!




三つの機関銃から、一斉に浜面目掛けて射撃が行われる。


一発一発は、どうやら通常の機関銃と同じくらいのようだ。
ただし、その連射力が半端ではない。



それでも、浜面はその弾幕の隙間を縫うように、グライダーを操作し続けている。

ギュォォォオオオオオオオオッ!!!!!



浜面「ハッハァッ!!!!超怖ぇじゃねーかチクショウッ!!!
さっきから耳の横でチュンチュン音が聞こえてきてんだよ!!!」ドドドドドドドドッ!!!!



極めてギリギリのカーチェイスを行ないながら浜面は機関銃に狙いを絞って、エネルギー弾を発射し続けている。




ピキピキッ……ドォォオオオンッ!!!!!




ダメージの蓄積により、馬車上部の機関銃が破壊された。

『余計にうるさくなってしまったな……どれ、私も手伝おう。チャフを撃ってくれ』




ゲリュオン「ブルルルルッ!!!!!」



ガチャッ!!ガチャガチャッ!!!!



馬車の中の人物の要望により、馬車の上部に大口径の銃口が起動する。



ドォンッ!!!!

ドォンッ!!!!

ドォンッ!!!!



そして、3発の砲弾が、空中に発射される。

パァッ…………




浜面「……何だこのキラキラしたモノは……なんかの金属片か?」



突然、砲弾が破裂し、浜面の周りにキラキラした金属片が、ゆっくりと降り注ぐ。




『その金属片はアルミだ。チャフ・グレネードと言って、通常は、電磁波などで探知能力を用いる能力者への、撹乱用の弾なんだがね。
……使い方次第では、大きな殺傷力を持つことになるんだよ』




コォォォオオオオオオオオッ!!!!!!


次の瞬間、全てのチャフ・グレネードのアルミ片が、凄まじい勢いで圧縮されていく。



浜面「何だ!?一体何が……」

カッ!!!!!




ドドドドドドドドドドドドドドドドゴォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!!!

パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『アルミを用いた重力子の操作、起爆……『量子変換』と言ったかな?これでやっと静かになりそうだ。……それにしても、この馬車の中は少し暑いな……』ヌギッ……





凄まじい爆発現場から、ゲリュオンが颯爽と脱出していく。


『量子変換』による大きな爆発により、ゲリュオン自体も巻き込まれていてもおかしくなかったが、どうやら全くの無傷のようだ。




ガラガラガラッ……


ドォォォォォォオオオオオオオオオオンッ!!!!!



爆発により、周囲の建物が崩れ落ち、道路が完全に瓦礫によって寸断される。

「…………全部ぶっ壊しちまえ!!!!ガーゴイルッ!!!!」





カッ!!!!!


ドォォォォォォオオオオオオオオオオンッ!!!!!



パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!


ゲリュオン「!?ブルルルルッ……」

『おや、まだ動けたのか。中々しぶといな』クァァッ……zzZ




突如、瓦礫の中から、麦野の原子崩しを彷彿させる程の、巨大なレーザーが空へと発射される。


瓦礫は舞い上がり、レーザーに触れるモノ全てが塵と化した。





ガラガラガラッ……


ドォンッ!!!!!


瓦礫の中から、巨大な影が出現し、宙に浮かぶ。

その影の肩の部分には、浜面が乗っていた。

その影の姿は、高さ6mほどの、大きな魔物の石像のように見える。




獣のような顔に、口に加えているのは大きなリング。
魔獣のような体躯に大きな翼が生え、下半身は台座のようになっている。



この騒動が始まってすぐ、浜面と一戦交えた4体のガーゴイル。


浜面の能力によって、Ver1の魔具として使用される彼等の能力は、単純に浜面によるガーゴイルの操作である。



ガーゴイル単体の力はそう高いモノではない。
浜面の魔力を上乗せしたとしても、せいぜいCランクの中位だ。アイアンゴーレムよりも断然弱い。




ただし、彼等は合体することで、その能力を掛け算式のように、飛躍的に高める。


4体全て合体したガーゴイルの姿は、上記のように、通常とは大きく姿も能力も変えていた。

浜面「……もう俺はキレたぞ……ガーゴイルッ!!!!あの馬と馬車を狙え!!!炭クズにしてやる!!!」



ガーゴイル(4体合体)「グルァァァァァアアアアアアッ!!!!!」ガパァッ!!!




ガーゴイルが口に加えたリングを離し、前方へと持っていく。


コォォォォォォオオオオオオオオッ…………


みるみる内に、リングに魔力が溜まっていき、リングの内側の空間が、高濃度の魔力によって、グニャリと歪んでいる。

浜面「ぶっ放せぇぇぇぇぇえええええっ!!!!!」




ガーゴイル(4)「グルァァァァァアアアアアアッ!!!!!」カッ!!!



ドォォォォォォオオオオオオオオオオンッ!!!!!!!



リングから、先程空へと放たれた巨大なレーザーが、ゲリュオンとその馬車に向かって、凄まじい勢いで放たれ、着弾する。



触れるモノ皆消滅させる、高濃度の魔力のレーザー。
いくら高位の魔物でも、これを喰らえば無事ではすまないだろう。


















勿論、喰らえばの話だが。

ォォォォォォォオオオオオオオッ…………




浜面「な……ふ、ふっざけんなっ!!!あのタイミングとあのスピード!!!何で当たんねぇ!?
仮に空間移動を使えたとしても、反応してから実行まで間に合わないくらいのベストタイミングだったのに!!!」







パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!


『……ファァッ……』ウトウト




ゲリュオンは先程と何等変わらずに走り続けている。


先程と何か違うとすれば、走るコースが少し違うだけだ。レーザーの射線上から少し外れているだけ。






そして、変化は浜面の周りにもあった。

浜面「決まりだ。アイツの能力は空間移動何かじゃねぇ!!そんなチンケなもんじゃねぇ!!!
だけど、だとしたら一体何が……どんな能力を使えばこんなことが出来るってんだよォォォォォオオオオオッ!!!!!」






浜面の周りには、キラキラした金属片が漂っている。



先程、大爆発を起こしたチャフ・グレネード。



いつの間にか。本当に気がついたらいつの間にか、浜面の周りに漂っていたのだ。


先程の軽く倍ほどの、大量のアルミ片が。

先程と違い、砲撃音も何も聞こえていない。



佐天に聞いた、結標と言うスクールの能力者が使う『座標移動』と言う能力なら、同じようなことができるかもしれない。





しかし、砲弾が気がつけばあったのでは無く、既に大量のアルミ片がばら撒かれた状態で、気がつけば漂っていたのだ。




もう、訳がわからない。








パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『……チェックメイトのようだな。別に君に死んで欲しいわけじゃない。
とりあえず、そこで動けなくなってもらうだけだ。私は君には興味が無いからな』


コォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!




漂っていたアルミ片が圧縮を始める。

浜面「クソォォォォォオオオオオッ!!!!!」カッ!!!






カッ!!!




ドドドドドドドドドドドドドドドドゴォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!!!




無情にも、『量子変換』による、大規模な爆破が引き起こされる。







パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!


『目的地まであと15分ほどか。5分寝られれば十分かな……」zzZ




ゲリュオンとその馬車は、浜面の必死の追跡にも関わらず、特に障害にもならず、ノンストップで目的地へと脚を進める。




14:05


ゲリュオン『ヒューズ・カザキリ』到着まであと15分

投下終了です。



Sクラス以上2体VS浜面でした。


勝てるわけがありません。




夜に来れそうだったらきます。
来れなかったらすいません。何も書けなかったと言うことで。

乙乙
どっちも頑張ってくれwwww

『それにしても、この馬車の中は少し暑いな……』ヌギッ……

この脱ぎっぷりはまさか木山てんてー?

乙!
木山先生きたか?

木山先生とか超俺得じゃないっすか



五分だけ寝るって

寝坊する予感が


浜面が爆発したwww


トリックアートにシンクロトロンとテレポート、ダミーチェックの組み合わせかな

こんばんわ、1です。

少しだけですが、投下しておきます。


>>903
ありがとうございます!!!

>>904
>>905
>>906
ノーコメントゥ!!!!!w

>>907
それはこのSSじゃあ、神裂さんと1だけです。

>>908
勢いに任せてつい……反省はしてません。

>>909
お馬さんの能力が、中々エゲツないんですよコレが……

浜面撃退同時刻




麦野「凄い爆発だったわね……どうやら相当ヤバイ相手みたい。滝壷、仕上はどうなった?」


滝壷「…………うん、何とか無事みたい。だけど、全く手も足も出ないって感じだったね。
やっぱり、Sランクからは、強さの幅がもの凄く広いみたい。あの死神や、チェーンソーの人もSランクだったみたいだけど、強さの桁が違うね」



ヘッドギア「だけど、滝壷さんが把握出来る範囲にいる魔物は、その浜面って人と戦っている魔物で最後なんですよね?」

麦野「そうみたいね。魔物が工業都市中に広がる前に仕留められたのが幸いだわ。滝壷、もう皆に連絡は終わった?」



滝壷「うん。きぬはたとフレンダ、それにみさかやしらいにも連絡しておいたよ。皆で協力すれば、例えSクラスでも何とかなるよ」



麦野「そうね……そうだと言いけど。さ、私達も『ヒューズ・カザキリ』に向かいましょ。ここからなら、急げば15分もあれば着くわ。
それに、皆にも教えてあげないといけないからねぇ……木原の情報をさぁ」

同時刻

6→7地区への高速道路



ブォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!



絹旗「ほらぁ、部隊長さん!!もっと速く超速く!!!!」バンバンッ!!!


部隊長「これが限界だよ絹旗嬢ちゃん!!!頼むから黙って座ってろ!!!」



フレンダ「結局、また7地区に戻るハメになったわけよ」





同時刻


6→7地区へと上空移動中



シュンッ!!!


シュンッ!!!



インデックス「みこと!!くろこ!!なにやってるのかな!?早く7地区へと向かうんだよ!!」



白井「私の空間移動までお使いになられるとは……万能過ぎて、ぐうの音も出ませんわね……」モミモミ


御坂「ちょ、この、黒子ぉぉぉおおおっ!!!アンタどこ触ってんのよ!!!」


白井「あらお嬢様。今電撃を放たれますと、二人仲良く地上へ落下してしまいますわよ?ニョホホホホホ」モミモミ


御坂「あああああっ!!!やっぱりインデックスに運んで貰えばよかったぁ!!!覚えてなさいよ黒子!!!」シュンッ!!



インデックス「何やってるんだか……それよりも、一体とうまはどこに行ったのかな?」シュンッ!!

同時刻 第6地区



上条「あちゃー……やっぱりインデックスも御坂もいないか……完全にはぐれちまったなぁ」


絶対等速『まぁ、いないもんはしょうがねぇさ。で、どうするこれから?』


上条「そうだな。困った時は、一旦集合場所に戻るのが一番だ。
こっからなら30分くらいかかりそうだけど、モノレールに乗って『ヒューズ・カザキリ』のところへ向かうとしようか」



絶対等速「そうか。まぁ、それが一番ベストな選択だろうな」ニィッ……

同時刻



『量子変換』による、爆発地点





バチッ……バチバチッ…………



何も無い空間から、突如ノイズのような音が聞こえてくる。



バチバチバチバチッ!!!!!



ノイズが激しくなり、空間が歪んだと思ったら、長いマフラーに身を包んだ浜面が現れる。



浜面「ハァッ、ハァッ、クソッ!!!早くも奥の手使っちまった!!!魔力の殆どを持ってかれちまったじゃねーか!!!」

グリフォンのVer2による、周りの空間ごと、自分の身を別次元に覆い隠す完全防御。

成長して、魔力容量が増えたとは言え、ゲリュオンとのわずか数分の攻防で、殆どの魔力を浜面は使い切ってしまった。




浜面「チクショウ……もっかい追撃しようにも、アイツの能力は未だにわかんねぇし、そもそも追いかける為の魔力が残っちゃいねぇ!!!一体どうすれば……」








「あー!!!やっと見つけた!!!探しましたよ浜面さん!!!」



その時、己の力の足りなさに嘆く浜面の頭上高くから、よく知っている女の子の声が聞こえてきた。

浜面「な……涙子ちゃん!?こんなところまで追いかけてきたのか!?」


佐天「そうですよ!!もう、この7地区の周りの地区を、あちこち飛び回ってようやく見つけましたよ全く!!!
こんなところでボーっとして、何やってるんですか浜面さん!!」




どうやら、浜面はまだ、完全に運に見放されてしまったわけではなさそうだ。

14:15



『ヒューズ・カザキリ』まで、残り4km地点



パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『zzZ……10分は眠れたか……ふむ、十分だな。これだけゆっくり眠れたのも久しぶりだ』



ゲリュオンとその馬車の中で眠っていた人物は、特に障害も無く、順調に『ヒューズ・カザキリ』へと足を進めていた。



どうやら今、この辺りの警備は比較的手薄なようだ。


何故ならば、あちこちに散らばった魔物達を駆除する為に、戦力が、分散されているから。



この工業都市を守る者達は、正直かなりの手練れ揃いである。


総力戦で、正面から『ヒューズ・カザキリ』を狙っても、勝算は低い。

それならば、戦力を分散させてしまえばよい。そして、分散させきったところで、こちらの主力を直接ぶつけてしまえばよいのだ。

パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『予定通り、特に障害も無かったな。強いて言えば、せいぜい先程の少年が追いかけてきたことくらいだが……あの程度ならば、いくら来ようが特に支障はあるまい』チラッ



ふと、馬車の中の人物は、外の様子を見る。




『やれやれ……まだ懲りないみたいだな。私自身は無駄な殺生を行うつもりはないと言うのに』フゥッ……



そして、呆れた顔で溜め息をつく。

ギュォォォォォオオオオオオッ!!!!!



佐天「浜面さん!!!もしかして、さっき言ってたのはあの馬車のことですか!?」


浜面「あぁ……戻ってきてやったぜこの野郎ォォオオッ!!!!!行くぜ馬野郎!!!ラウンド2開始だ!!!」



佐天に連れられ、空を爆進していた浜面の目に、ゲリュオンと馬車が見えた。






浜面「ありがとな、涙子ちゃん!!!後は話した通りだ!!!涙子ちゃんは、アイツの動きを空から見ててくれ!!」


佐天「わかりました!!!無茶しないでくださいよ、浜面さん!?殆ど魔力残って無かったんですから!!!」


浜面「大丈夫さ。涙子ちゃんのおかげで、移動中は魔力回復に専念出来たからな。半分くらいまでは回復済みだ!!!」バッ!!!


浜面は、佐天から離れ、地上へと落下していく。

カッ!!

ブォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!


そして、ケルベロスのバイクを現出させると、浜面はそのままゲリュオンに向かって走り出した。



佐天「さぁて……しっかり見ててあげますよお馬さん……貴方の力がどんなものなのかね!!!」

ギュォォォォォオオオオオオッ!!!!!




それに続くように、佐天も高速で飛んで行った。
これでようやく2対2。正直勝算は限りなく低いが、それでも浜面と佐天は止まるわけにはいかなかった。

投下終了です。
少なくて申し訳ないです。

こんばんわ、1です。

久々ですが、ゆったり投下していきたいと思います。

パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



ゲリュオン「ブルルルッ……」



『やれやれ……何度やっても無駄だというのに、困ったモノだな』



ガチャッ!!!ガチャガチャッ!!!!!



ゲリュオンの馬車から再び、幾つもの砲台が出てくる。





ドォンッ!!!

ドォンッ!!!

ドォンッ!!!



パァンッ!!!!!



再び、砲台からチャフ・グレネードが発射される。



コォォォォォォオオオオオオッ!!!!!


そして、再び『量子変換』による、アルミ片の圧縮・起爆が行われようとしている。

ブォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!



ケルベロス『来たぞ浜面!!先程と同じ攻撃だ!!大丈夫なんだろうな!?』


浜面「大丈夫さ!!ここは、涙子ちゃんを信じろ!!!」



浜面は、バイクのスピードを全く緩めない。




佐天「これが浜面さんの言ってた金属片の砲撃!?おっしゃぁぁぁああっ!!!いっけぇぇぇえええ!!!」バッ!!!


その様子を空から見ていた佐天が、金属片の舞っている空間に手をかざす。


ビュォォォォオオオオオオッ!!!!!


次の瞬間、浜面達にとって強烈な追い風が吹き荒れる。

『む!?アルミ片が風に舞ってこちらに……』



風に吹かれるほどに細かいアルミ片は、佐天の起こした強風に軽々と吹き飛ばされ、ゲリュオン周辺へと押し戻される。





コォォォォォォオオオオオオッ!!!!!



そして、アルミ片の起爆へのカウントダウンは止まらない。



パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!


ゲリュオン「ヒヒィィィィィイイイインッ!!!!!」カァッ!!!


ゲリュオンの目が怪しく光る。




カッ!!!



ドドドドドドドドドゴォォォォォォォォオオオオオオオッ!!!!!




次の瞬間、ゲリュオンと馬車は、自らが仕掛けた爆弾の爆発に飲み込まれた。

ォォォォォォオオオオッ…………



浜面「……策士策に溺れるってヤツか?自分の技を自分で喰らう気持ちはどうだ?馬野郎」



『量子変換』の爆撃により、モロに爆発に巻き込まれたゲリュオンの姿は未だ煙に覆われ見えない。



しかし、あの爆撃をまともに喰らったのならば、相当のダメージを負っているはずである。






喰らったのならば。





パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



蹄の音が鳴り響く。

佐天「…………目標、何ら変わらず進行中です。上から見てましたが、爆発する寸前に、一瞬で爆発範囲から離れていました。ホントに空間移動をしているみたいに見えますね、あのお馬さん」



浜面「やっぱ止まってくれねぇか……だったら、一個俺に手がある。
ただし、これをやっちまったら、完全に俺の魔力は空っぽだ。涙子ちゃん……あとの事は頼んだぜ?」ギュルンッ!!!


ブォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!



浜面がケルベロスバイクのアクセルを全開にし、ゲリュオンへと距離を縮めていく。

佐天「!?ちょ、ちょっと何をするつもりですか浜面さん!!!」



浜面「コイツの能力を、空間移動かそれに代わる何か……さっき俺がやられたことを踏まえて考えると、一つ思い当たることがある。それを確認するのさ!!」ブォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!




浜面が、ゲリュオンの馬車のすぐ後ろに迫っている。




パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『ん?一体何をやるつもりだい?いかなる攻撃も、この子には通用しないのはもうわかっているハズだが?』

ケルベロス『あのような事を言われているぞ?浜面よ。全く我々も舐められたものだな!?』


浜面「ああっ!!全く心外だよなぁ!!!だったらコイツをどうにかしてみやがれ!!!」カッ!!!



ブワァァァァァァアアアアアッ!!!!!



浜面と、ケルベロスバイクの姿が、光に包まれる。






パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



『ほう……中々面白い。どうやら、ようやく君に少しだけ興味を持つことが出来そうだよ』

浜面の能力『幻想使役』<エビルドライバー>には、能力無使用にて、仲間の魔物を倒した時に解放されるVer2がある。


それは、通常の能力での魔具より、遥かに優れた魔具を現出させることが出来るのだが、浜面は、未だケルベロスに、能力無使用で勝利したことはない。

そもそも、普通の人間ならば何百人いても太刀打ちできない魔物なのだ。無理もない。



しかし、ケルベロスと浜面の信頼関係は極めて高い為、無理矢理Ver2の能力を行使することが出来るのだ。

代償として、浜面とケルベロス、双方の魔力をほぼ使い切ることになるのだが。



しかし、Bクラス上位のケルベロスのVer2の魔具は、これまでの他の魔物とは文字通り桁が違う。

コォォォォォォオオオオオオッ…………


浜面「ハッ!!!今更遅ぇんだよ!!!悪いが速攻で終わらせてもらうぜっ!!!」ズンッ!!!


コォォォォォォオオオオオオッ…………





ケルベロスのVer2である、不完全ながらも発動した魔具。




それは、浜面の両腕、両脚に装着された、獣のような氷の装甲。

そして、ケルベロスのソレを彷彿させる両手の装甲に備わる氷の爪。


口元に装着された、牙剥き出しのマスク。



この極めてシンプルな魔具からは、禍々しい程の冷気を漂わせる。







そして、その氷の爪が、アスファルトの道路に突き刺される。



ピキピキピキピキッ!!!!



禍々しい冷気がアスファルトを伝わっていく。

ゲリュオン「ヒヒィィィィィイイイインッ!!!!!」カッ!!!


身に迫る危険を察知したのか、ゲリュオンの瞳が妖しく光る。
再び、能力を使うのであろう。未だ正体のわからぬ謎の能力を。






浜面「いくぜケルベロスッ!!!」

ケルベロス「わかっておる!!貴様こそ、これしきでへばるなよ浜面!?」






「「『ミリオンカラット』ッ!!!」」


















次の瞬間、凄まじい轟音と共に、浜面を中心に周囲200mほどを囲むように、高さ10mほどの何層にも別れた氷の壁が、地表から突き上げるように出現した。

パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!



ゲリュオン「ッ!?」


ドガァァァァァアアアアアッ!!!!!



ゲリュオン「ガッ…………」グラァッ……


ドサァァァアアアッ!!!



突如現れた氷の壁に、勢いよくゲリュオンが衝突。転倒する。




いつの間にか先程いた場所より、更に前を走っていたようだが、それが不幸にも氷の壁出現地点のすぐ前だったため、止まることが出来なかったようだ。

サァァァァァアッ…………


ドスッ!!


魔力が尽き、浜面が装着していたケルベロスの装甲が霧散し、膝をつく。




浜面「ハァッ、ハァッ……やっぱりまだキツイな……少し意識が飛びそうになっちまった……」



息を荒げながら、浜面はゲリュオンの方を見る。


ゲリュオンは、ゆっくりと立ち上がろうとしている。



浜面「どうしたよ馬野郎……お前の力でこっから出られないのか?空間移動なら、氷の壁の向こうになんざ、楽に行けるだろ?」

ゲリュオン「ブルルルルルルッ…………」



『ふむ。なるほど、考えたものだ。確かにこの分厚い氷の壁を軽々と超えるのは、空間移動や空を飛ぶくらいの方法しかあるまい』



馬車の中から、再び声が聞こえてくる。
冷静に聞いてみれば、どうやら声の主は女性のようだ。




浜面「お褒めの言葉ありがとよ……さて。これでその馬や、馬車の中のアンタが空間移動を使えないことは確定した。

ならば、どうやって一瞬で移動したように見える、擬似的な空間移動を行っていたのか……それが可能な能力は一つ!!!」

ゲリュオン「…………」


『…………』







浜面「馬。お前の力は、『時を止める能力』だ。違うか?」








浜面が真相に辿り着く。

『何故、そう思ったんだい?』



浜面「まず始めに、お前等が俺の攻撃を、空間移動のように避けた時に思ったんだ。何故、空間移動が使えるのなら、走って移動しているのか?ってな。

俺の知り合いの空間移動能力者のように、能力を使って転々と移動すれば、そう捕まえられるものじゃないからな」



ゲリュオンは、基本移動の際は、自分の足で走って移動している。確かに空間移動の方が、追跡を逃れるには手っ取り早いハズだ。



浜面「二つ目。お前等が爆発の攻撃してきた時、砲撃音も何も聞こえなかったのに、いつの間にか砲弾が……しかも破裂した金属片が、撒かれた状態になっていた。
あれだけの数を、一度に転送出来るとはとても思えないからな。この現象は、もはや時を止めてる間に攻撃を行っていたとしか思えない」

『なるほど。どうやら、勝負を急ぎ過ぎて墓穴を掘ってしまったようだな……君の言うとおり、この巨馬の力は『時の流れを操る能力』だよ。
…………しかし、知ったところで何になる?』



ガチャ、ガチャガチャガチャッ!!!!!



ゲリュオンの馬車から、機関銃に砲台など、一通りの重火器が出てきた。



浜面「確かに、時を止めることが出来るなんざ、反則だ。しかも、俺にはもはや魔力が殆ど残ってねぇ。八方塞がりってヤツだな」

『そうか……せっかくこちらの能力の一部を解明出来たのに残念だったな。少しだけ君には興味が持てたよ。
だが、君は今は邪魔なだけだ。早々にご退場を願おうか』




浜面「あぁ……言われなくても、さっさとこっから退場してやるよ……八方塞がりでもなぁ……まだ上に逃げる手が残ってんだぜ!?」





ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!

ガシッ!!!



突如、空中から勢いよく飛んできた佐天が、浜面の身体をガッチリ抱きかかえる。

佐天「よし、捕まえた!!!脱出しますよ浜面さんっ!!!」バッ!!!


浜面「ハッハッハァー!!!じゃあなお前等!!!そこでしばらく、大人しく待ってたら、俺より遥かに強いヤツ等が来るからよぉ!!楽しみに待ってろよな!!!」


ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



浜面と佐天が高速で氷の壁の中から離脱していく。




ゲリュオン「ヒヒィィィィィイイイインッ!!!!」カッ!!!


ゲリュオンの瞳が妖しく光る。








チッ、チッ、チッ、カチッ…………

浜面「」

佐天「」



…………



突如、全ての動きが止まった。風は止み、全ての音は静まり、動くモノは何も無い。


ゲリュオンと馬車の中の女性を除いては。






『やれやれ……答えがわかったのにこんな簡単なこともわからなかったのかい?逃げられると思ったのか?』




ドドドドドドドドドドドォンッ!!!



ゲリュオンの馬車の砲台から、ミサイルのようなモノが撃ち出される。


ミサイルは浜面達の後方を囲むように迫っていく。



『さて……そろそろ時間切れだ。君達はどのようにここから逃げきるのかな?』



カチッ!!!




そして時は動き出す。

ゴォォォォォォオオオオッ!!!!!



浜面「うぉっ!?」


佐天「わっ!?いきなり何か出てきた!!!」



浜面達には、突然自分達を追ってくるミサイルが現れたように見えるだろう。




ゲリュオンが時を止められる時間は、およそ5秒間。


合計で5秒になるまでは、何度でも時止めを使えるが、5秒を使い切ると、30秒間時間停止が使えなくなる。


ただし、ゲリュオンの能力は、単純な時間停止では無く、時間の流れを操る能力なので、時間停止が使えない間も他の能力は使えるのだが、それはまた後の話に。

佐天「ここは私の腕の見せ所ですね!!!ウォリャァァァアアアッ!!!」ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



空中で佐天が更に加速する。
しかし、ミサイルはグングン二人に近づいて行く。



浜面「能力を使わなくても、銃は使えるんだぜ!?」チャキッ!!!

パラララララララララッ!!!!!


佐天に抱えられながら、両手にサブマシンガンを持った浜面が、向かってくるミサイルに向かって撃ちまくる。


ミサイルは、放たれた弾丸によって次々に相殺されていく。

パラララララララララッ!!!

パラララララララララッ!!!



浜面「おっしゃぁ!!!全弾撃墜だ!!涙子ちゃん!!あとはこのまま逃げ切るだけだぜ!?」


佐天「了解です!!舌噛まないように気をつけてくださいねぇ!?」ギュォォォォォォォォオオオオオッ!!!!!



更に速度を上げる佐天達が、どんどんゲリュオンから離れていく。


もはや、ゲリュオンに佐天達を追撃する手段は残っていないだろう。

ウィィィィィイインッ……ガチャッ!!!



ゲリュオン「ブルルルルルルッ……」



と思いきや、ゲリュオンの馬車から巨大な砲塔が現れた。




浜面「……オイオイ、何だあのデカイ大砲は……あんなもんあの馬車のどこに収納されてたんだよ!?」




バチバチッ……


突如、砲塔に電流が流れていく。


『超電磁砲か……番外個体の言っていた電気系統の能力の応用……一つ試してみるとしようか』バチバチッ!!




ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!!






凄まじい砲撃音と共に、一発の砲弾が、浜面と佐天へと飛んで行く。


その音速を容易く超える速度ゆえに、浜面達には全く反応できない。

結論から言えば、砲弾は浜面達には当たらなかった。





ゴォォォォォォォォォォォォォォオオオオオオオオッ!!!!!!!


佐天「グッ……ウワァァァァァアアアッ!!!!!」

浜面「ドワァァァァァァァァアアアアッ!!!!!」




ドゴォォォォオオオッ!!!!!


しかし、音速以上の速度で放たれた砲弾の放つソニックムーブにより、佐天と浜面は吹き飛ばされ、建物の中へと勢いよく墜落した。

『ふむ……中々の威力のようだな。これは使えそうだ。さぁ、ゲリュオン。早くこの氷に囲まれた場所から出るとしよう』バチバチッ……




ドォォォォォオオオオンッ!!!!!!!




再び放たれた、巨大な砲塔による超電磁砲により、浜面の作り出した氷の壁はいとも容易く崩壊した。



ゲリュオン「ヒヒィィィィィイイイインッ!!!!」


パカラッ、パカラッ、パカラッ、パカラッ!!!!!



道が開き、再びゲリュオンは走り出す。

浜面が全ての魔力を使い果たして作り上げた氷の壁も、わずか数分ゲリュオンの足止めをすることしか出来なかった。





時間を操る能力。

強力な重火器。


さらにそれを効率よく運用する馬車の中の女性とのコンビは、もはや誰にも止めることなど出来なかった。





14:25


ゲリュオン『ヒューズ・カザキリ』到着まで残り5分

投下終了です。


このスレでの浜面はここでリタイアです。次スレでのコンテニューに期待です。


そろそろこのスレも満杯になりますねー。まだ登場予定の魔物が半分も出てないのに……。

まぁ、何やかんや上手いことまとめて次スレに参りましょう。

次の投下でこのスレ最後の予定です。

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