P「そういえば律子も二十歳になるんだよな」黒井「ほう」(269)

冬馬「秋月って未成年だったのかよ」

北斗「冬馬とふたつ違いとは……」チラッ

冬馬「なんだよ?」

P「意外だろ」

北斗「ですね」

翔太「僕もっと大人かと思ってたよ」

冬馬「眼鏡でスーツだからな」

P「関係ない……とは言い切れない気がする」

黒井「なぜそんなことを私達に?」

P「えぇ。せっかく酒飲めるようになるんだし」

P「成人祝いに飲みに連れていきませんか?」

このSSは過去に立てた 
P「今日真美と亜美の誕生日なんだよ」冬馬「へぇ」
の設定を一部引き継いでいます。また特別編26話のネタバレを含むのでご注意ください

冬馬「あの女俺達を目の敵にしてるから無理なんじゃねーの」

北斗「そういった感情を水に流すためにもいいんじゃないか?」

P「どうです?黒井社長」

黒井「問題ないとは思うが、秋月律子が了承するかだな」

P「その辺りは任せてください」

冬馬「妙に自信満々だな」

P「765プロの絆を甘くみないことだな」

北斗「期待してますよプロデューサーさん」

P「仕事あがりで直行って形になりますけど大丈夫ですか?」

黒井「ノンノン。961プロはどこかの矮小事務所違って、その程度問題ではないのだよ」

P「なんて口の悪さだ……」

P「翔太もいいよな?」

翔太「僕は美味しいご飯があれば何でもいいよっ!」

黒井「ではセッティングのほうは貴様に任せるからな」

P「了解です。じゃあ続きやるか……ドベは冬馬だったよな?」

冬馬「なんで毎回俺が負けるんだよ……」

北斗「顔に出るからなお前は」

冬馬「つーか2枚交換ってきつすぎるぜ」

黒井「強者はより強者に。世の常だなはーっははは!」

翔太「世知辛い世の中だね……」

冬馬「んじゃカード切るから寄こせよ……はぁ」

北斗「律子ちゃんってお酒飲めるんですかね」

P「どうだろうなぁ。イメージ的には強そうだが」

黒井「あんな女ほど飲めないものだ」

翔太「べろんべろんに酔った律子さんは想像できないなー」

北斗「小鳥さんもあずさちゃんも飲むから、律子ちゃんも飲めないと大変でしょうね」

P「俺や社長もそこそこ飲めるしな」

冬馬「誕生日なら無礼講だよな?俺も四捨五入したら20だし飲んでもいいだろ?」

P「ダメに決まってるだろ……ほれ翔太1枚くれ」

翔太「せっかくジョーカー引いたのに……」

北斗「律子ちゃん呼ぶなら、あずさちゃんも呼びませんか?」

P「あんまり大人数になるのもなぁ」

北斗「でも俺達と律子ちゃん入れても6人でしょう?」

P「飲み会と聞けば音無さんが黙ってないからな……」

北斗「あぁ……そうでしたね……」

P「一応手は打つが、7人想定もしておいたほうがいいぞ」

黒井「冬馬よ……本当にこれが最強のカードなのか……」

冬馬「文句あんのかよ」

P「なんだったんですか?」

黒井「2枚の数字を足して23だ」

翔太「嘘っ……冬馬君の手札弱すぎ……?」

冬馬「うるせーな!これくらいの手札なら楽勝、だぜ!」

P「……で」

北斗「お前1位抜けしてないんじゃないか?」

冬馬「だ、大富豪は俺のもっとも苦手なゲームだからな。ハンデやったんだよ」

冬馬「次はポーカーで勝負しようぜ!」

P「俺もう帰らないとまずいし、今日はここまでにしよう」

冬馬「おい勝ち逃げは卑怯だろ」

翔太「続きはまた今度でもいいんじゃない?」

P「最近マークが厳しくなってるんだよな……外回りに行くときの視線が刺々しいんだよ」

黒井「ほぼ毎日通っているからな。高木もこんな使えない男を引いてしまうとは」

P「きっちりと仕事はこなしてるんですけどね……」

北斗「知らない女の子に取られたんじゃないかと思ってるのかもしれませんよ」

P「そんな境遇だと俺も嬉しいんだけどな」

北斗「そんな境遇だと思いますがね……」

P「はは、まさか」

冬馬「どんだけフラグ立ててんだよ」

黒井「また旗の話か。ビーチフラッグにはまだ早いぞ」

冬馬「誰がするか!そんなことしても喜ぶのは一人だけだろ!」

P「最近は雪歩も喜びそうなんだよな」

北斗「そんな……冗談でしょう?」

P「音無さんに洗脳されて……」

冬馬「あの人百合専じゃなかったのかよ」

P「百合?男同士も美味しいみたいなことは言ってたけど」

冬馬「うおぉ……」

P「まぁ俺は帰るよ。律子の件はまとまり次第連絡しますんで」

黒井「ウィ。こちらのスケジュールは以前渡した資料のままだ」

冬馬「資料?なんだそれ」

黒井「私とジュピターの今月の日程だ」

翔太「それってすごく大事なものなんじゃないの?」

北斗「というか犯罪な気がしますが」

黒井「見えないファウルはテクニックだ。961プロならそれくらい常識だぞ」

冬馬「それなら納得できるぜ」

北斗「冬馬はサッカー好きだもんな」

P「へぇ、初耳だな。フィギュア集めだけが趣味かと思ってたよ」

冬馬「一言多いんだよあんた!」

翔太「ちなみに冬馬君は料理も好きなんだよ」

冬馬「男の手料理、だぜ!今度何か作りに行ってやろうか?」

P「そんなの週刊誌にすっぱ抜かれたら俺も冬馬も終わるぞ」

北斗「ちなみに俺の趣味はなんだと思います?デート以外で」

P「ナンパと自分磨きか?」

北斗「俺はどういう目で見られてるんですか……」

冬馬「チャラ男だよな」

黒井「違いない」

北斗「俺の趣味はヴァイオリンとピアノです」

P「ダウト」

北斗「本当ですって!」

冬馬「驚くのも無理ねーがマジなんだぜ」

P「そんなスキルは伊織あたりでいいんだ。お前のピアノなんて誰も得しないんだよ」

冬馬「でも超凄かったぜ。カトレア思い出したくらいにな」

P「カトレア?」

冬馬「忘れてくれ……」

翔太「遠い目になって固まっちゃったね」

P「もしかして聞いちゃまずいことだったのか……?」

北斗「いつもの発作ですよ。気にしないでください」

黒井「外国の友人でもいるのか。さすがジュピターだな」

冬馬「いや、ハーフだし日本語しか話せないんだ」

P「いつもに増して目がイってるな」

翔太「ねぇプロデューサーさん」

P「ん、どうした?」

翔太「帰るって言ってから結構経つけど、まだ大丈夫なの?」

P「あっ」

冬馬「あーあ。また秋月と水瀬に怒られちまうな」

北斗「社長が余計なこと言うからですよ」

黒井「元は私の行動に文句をつけたからだろう!」

P「これ以上遅くなると本格的に雷が落ちるんで帰ります!お疲れ様でした!」

翔太「律子さんによろしくねー!」

冬馬「おっさんが悪い!」

黒井「お前達の責任だ!」

冬馬「ならポーカーで勝ったほうが正しいってことにしようぜ」

黒井「いいだろう。くだらん妄言ごと叩き伏せてやる」

北斗「チャオ☆……もういないとは。本当に切迫してるんだな」

冬馬「北斗と翔太も混ざれよ。ジェットストリームアタック仕掛けるぜ」

翔太「そんな技初めて聞いたよ!?」

P「律子達もう帰ってたり……いるな」

P「久々にあれ使うか……スーハースーハー」

ガチャ

P「た、ただいま戻りましたぁ……疲れた……」フラフラ

小鳥「あ、お帰りなさいプロデューサーさん」

律子「プロデューサー!あなたまた遊びに……」

P「ぜぇ……ぜぇ……すみませんちょっと、ソファ使わせて、ください……」

小鳥「ど、どうぞ」

律子「お疲れみたいですね……」

P「い、色々……営業してきたんで……ふぅ……はぁ」ドサッ

律子「そ、そうだったんですか。栄養ドリンク冷蔵庫にあるんで持ってきましょうか?」

P「い、いや……少し休めば大丈夫だ……はぁ……はぁ……」

小鳥(これは……)チラッ

P(音無さん!)チラッ

小鳥「」グッ

P「」グッ

小鳥「毎日お仕事頑張ってますもんねぇ。疲れが一気にきたのかもしれません」

律子「……私ったら変な勘違いしちゃって……」

P「ゲホッ……プ、プロデューサーは……影で活躍する職業だからな……」

小鳥「プロデューサーさんは私が介抱しときますから、律子さんはもうあがってもいいですよ」

律子「でも……」

P「はぁ……はぁ……」チラッチラッ

小鳥「ほ、ほら!律子さん明日も早いんですし!」

律子「じゃあ先にあがりますけど……。あの、プロデューサー」

P「な、なんだ?」

律子「無理しないでくださいね。仕事なら私に回してくれても構いませんから」

律子「それではお先です。お疲れ様でした」

パタン

P「……行きましたかね」

小鳥「みたいですね……」

P「っはぁー!久々に使いましたけど、これやっぱ効果ありますね!」

小鳥「私もよく使ってましたよ。怒られるのが確定してる時の切り札ですよね」

P「多用できないのが欠点ですが、初回だとほぼ間違いなく効きますから」

P「あ、律子からメールだ」

小鳥「どれどれ……心配してますねぇ」

P「帰りながらこの長文打ったのか……ちょっと罪悪感が……」

小鳥「真面目な律子さんですから、少し効きすぎたんでしょうね」

小鳥「で、本当は何してたんですか?」

P「敵情視察ということでひとつ……」

小鳥「……程ほどにしてくださいよ」

P「あ、誘うの忘れてた」

小鳥「誘う?夕食なら付き合いますよ?」

P「いや結構です」

小鳥「ぐぬぬ」

P「そういえばアイドル達はもう帰ったんですか?」

小鳥「少し前までプロデューサーさんを待ってたんですけど」

小鳥「もうっ!あの変態どこほっつき歩いてるのかしら!明日覚えてなさいよ!」プリプリ

小鳥「って言いながら帰っちゃいましたよ」

P「明日が怖いな……」

小鳥「さっきの手はもう使えませんからね」

P「なら他の手を使うまでです」

小鳥「ちなみにぷりぷり怒ってる伊織ちゃんの画像がここに……」

P「3千円」

小鳥「5千」

P「……」

小鳥「……」

P「……4千円で」

小鳥「毎度!」

小鳥「ところで助けた見返りはあるんですよね?」

P「今日はとっておきの新鮮なネタを提供しましょう」

小鳥「はよ!」

P「961プロの天ヶ瀬冬馬は料理が趣味らしいです」

P「毎日コンビニ弁当の俺を心配して手料理を振舞うことに」

小鳥「スーツ姿のプロデューサーさんが帰宅するとエプロンをつけた冬馬君がいて……!」

小鳥「風呂にする?飯にする?それとも?」

P「もちろんお前だよ!」キリッ

小鳥「」ゴソゴソ

小鳥「まぁまぁでしたね」

P「マスクしても目が笑ってますからね」

P「さて、それじゃ帰りますか」

小鳥「飲みに……」

P「行きませんよ」

小鳥「ピヨヨ」

翌日

P「仕込みはできた……頼みますよ」

ガチャ

P「おはようございまーす」

高木「おはよう。昨日も頑張ってたみたいだね」

P「今はアイドル達にとって大事な時期なので!」キリリ

高木「うんうん。若いのにやるじゃないか君ぃ」

春香「プロデューサーさん来たよ伊織」

真 「今日こそ真相を聞きださないと」

伊織「ねぇ」

P「ん?あぁおはよう伊織」

伊織「あんた最近帰り遅いけど何やってるのよ」

P「何って仕事だよ」

伊織「じゃあ昨日はどこまで行ってたの?」

P「それは……」

コイヲーハジメヨーヨー

P「おっと電話だ。失礼」

P「もしもし……何!?音無さんの親戚が八尺様に魅入られた!?わかったすぐ行く!」

伊織「ちょ、ちょっと」

P「すまん伊織急用が入ったからまた後にしてくれ!」

P「貴音!美希!響!お前達も手伝ってくれ!」

貴音「は、八尺様……私少々頭痛が痛いので本日は……」

美希「そこお腹だよ」

P「行くぞ!」

貴音「嫌です!八尺様は嫌です!助けてください響!」

響 「楽器くらいなんくるないさー自分完璧だからリコーダーも吹けるんさー」

美希「それは尺八って思うな」

響 「ほらほらー行くぞー」グイグイ

貴音「い、嫌だと言って……!ちょ、ほんと無理」

ギャーギャー

雪歩「プロデューサーってお寺生まれだったのかな……」

真 「ハッシャクサマってなんだろ?」

春香「貴音さんが怖がってるし、お化けとか?」

小鳥「八尺様は怖いわよ~」

伊織「どこから沸いてきたのよ」

真美「ピヨちゃんどこ行ってたんだYO!」

小鳥「ちょっと外にね」


P「なんとか撒いたか……」

響 「それでどこまで行くの?」

P「今日は吹き替えの仕事入ってただろ。このまま現場まで行くぞ」

貴音「え、あ、あの……八尺様は……」

P「飽きたから帰ったらしい。もう大丈夫だよ」

響 「よくわかんないけど解決なら安心だな!」

貴音「まこと、良きことです……本当に……」ポロポロ

P「お、おい泣くなよ……」

美希「あふぅ」

P「3人は仕事中で俺はフリー。そして音無さんはいない」

P「仕掛けるなら今だな……よし」

P「携帯取り出しぽぱぴぷぺー」

prrrrr……

律子《プロデューサー?どうしたんですか?》

P「でぇとちてくれま・す・か?」

プツッ

P「……」ピピピ

律子《何ですか》

P「いきなり切るなんて酷いじゃないか」

律子《いきなり意味不明なこと言われたら切りたくもなりますよ……》

律子《それで何の用です?あ、もしかして仕事の件ですか?》

P「律子の誕生日って6月の23日だったよな」

律子《はい。それが何か?》

P「その日の夜空いてないか?」

律子《特に予定入ったりはありませんけど》

律子《ってええ!?そ、それってまさか……!》

P「二十歳記念に飲みに行こうと思ってさ」

律子《ふ、二人きりでですか!?》

P「いや、俺の連れもいるけど」

律子《……ですよねー。あはは、はは……》

P「なんだ?都合悪かったか?」

律子《いーえ!どうせ誕生日に予定入ってない寂しい女ですよ!》

P「何怒ってるんだよ……」

律子《別に怒ってませんけど!?》

P「寂しいかはともかく、来れるんだな?」

律子《行ってもいいですけど……次の日休みですし》

P「よし!仕事終わったらそのまま行くから頼んだぞ!それじゃ」ピッ

P「これで面子は揃ったな。あとは余計な邪魔が入らなければ勝利条件達成だ」

響 「勝利条件?」

P「うわっ!?あ、いや、もう収録終わったのか?」

美希「その気になればNGなんて出さないの!」

響 「毎回そうならいいんだけどな……」

貴音「先ほど収録を終えましたので」

P「順調に済んで良かったよ。じゃあ帰るか」

響 「勝利条件ってなんだ?」

P「ゲームの話だよ」

響 「なんだゲームか」

黒井「ウィ……ウィ。アデュー!」ピッ

冬馬「何だって?」

黒井「23日……秋月律子の誕生日当日の夜に決まった」

北斗「次の日がオフで良かったですね」

冬馬「酒の話してたし社長達は飲むんだよな?」

黒井「まぁ程々にな」

北斗「どうせなら酔った律子ちゃんを見てみたいからな」

冬馬「宅飲みにしねぇ?それなら見えないファウルで……」

黒井「法律は守れ冬馬よ」

冬馬「頭の固いおっさんめ……」

翔太「そういえば誕生日プレゼントとかは用意するの?」

冬馬「そんなもん食パンでも渡せばいいだろ」

黒井「そうだな」

小鳥「じゃあねなんて言わないでー結婚してって言ってー♪」

トロケルーホドーワタシノーネムリニー

小鳥「私のものになってくれないと困る……あら?」

小鳥「もしもし?どうしたんですか律子さん?」

律子《あ、夜分にすみません。少し相談がありまして……》

小鳥「私にわかることならなんくるないですけど、何でしょう?」

律子《今度プロデューサーと飲みに行くんですけど、私お酒初めてで》

小鳥「詳しく」

律子《え、はい》

そして当日

ガチャ

律子「おはようございます」

春香「律子さん!お誕生日おめでとうございます!」

律子「きゃっ!」

亜美「貴重なりっちゃんの驚くシーンです!」

真美「本邦初公開となります!」

亜美「ホンポウってなに?」

真美「ロシア連邦のことっしょー」

亜美「やるねぇ真美君!」

真美「んっふっふー」

律子「な、なんだかグダグダだけどありがと……」

あずさ「それ~」パーン

千早「今頃クラッカー……」

高木「本当はきちんとした形で行いたかったんだが……」

律子「今日は仕事詰まってますからね」

高木「うん。でもせっかくだから、仕事前に祝おうと皆で決めたんだよ」

伊織「竜宮小町でケーキ作ったのよ。帰ったら食べなさいよね」

美希「はいこれ」

律子「これは?」

美希「プレゼント買ってきたの。律子にはお世話に」

律子「……」

美希「律子さんにはお世話になってるし奮発したんだよ」

律子「あ、ありがとう……嬉しいわ」

亜美「ケーキ見た目はアレだけど味は美味しいと思うから安心してNE!」

伊織「アレって何よ!この伊織ちゃんがデコレーションしてあげたのに!」

亜美「別にアレって言っただけだもんね~。んっふっふー」

伊織「ムキー!」

律子「ところであの二人は?」

真 「あぁ……」チラッ

小鳥「私も連れてってくださいよ!」

P「ダメですって!今日は律子だけって決めてるんですから!」

小鳥「あれだけ協力してあげたのに!」

P「それとこれとは話が別です!」

伊織「律子今夜プロデューサーと出かけるらしいじゃない」

真 「それでゴネてるんだよ」

律子「話したら不味かったのかしら……」

小鳥「嫌です嫌です!ぜぇっっっっ」

小鳥「っっっったいに!一緒に行きますから!」

P「何でそんなについて来たがるんですか!?」

小鳥「最近友達付き合いが減ってきて寂しいんです……」

千早「急に重くなってきたわよ」

春香「というかそろそろ出ないとダメなんじゃ……」

律子「プロデューサー」

P「そんな泣きそうな顔したって……あ、律子誕生日おめでとう」

小鳥「おめです」

真 「軽い!?軽すぎだよ二人とも!」

響 「おはようと同じノリだったぞ!」

律子「そろそろ仕事行かないと時間的にまずいですよ」

P「ほら!仕事ですよ、仕事!さっさと諦めて仕事してください!」

小鳥「律子さん!」

律子「は、はい?」

小鳥「どうやって現地まで行くんですか!?」

律子「どうやってって、プロデューサーと事務所から一緒に……」

P「ば、馬鹿!」

小鳥「ピヨッシャア!ワンチャンありますね!」

律子「はぁ……私もう行きますからね。ほら皆も集まって!今日のスケジュール組むわよ!」

P「くそっまさか律子から音無さんに話すとは完全に想定外だった」

P「あの人と飲むと毎回えらい目にあうからな……」

やよい「プロデューサー。お仕事行かなくていいんですか?」

P「ん?あ、もうこんな時間か」

P「今日はCMの撮影だったな。よし、やよいと真美亜美は俺と来てくれ」

真美「真美達3人の水着でCMとか変態すぎるっしょー」

亜美「大きい兄ちゃん達はエッチだなぁ」

P「どうせならあずささんや貴音の水着姿のほうが見たいんだけどな」

真美「今の本人に言っちゃおっかなー」

P「お、おい」

やよい「あの、お仕事……」

P「そ、そうだったな!はいこの話はヤメヤメ!TV局まで車で行くから準備したら降りてきてくれ」

亜美「ちぇっ」

P「はぁ……どうしたものか」

真美「お悩みのようですな兄ちゃん」

P「もし真美が友達と遊びにいく約束しててさ」

真美「うんうん」

P「音無さんがついてくるって言ったらどうやって止める?」

真美「一緒に行くに決まってんじゃん!」

P「断るのを前提としたら?」

真美「うーん……考えたことないや」

P「亜美は何かないか?」

亜美「気絶させれば?ドラマみたいにハンカチ使ってやっちゃいなYO!」

P「いいなそれ。それでいくか」

真美「真美にやらせて!あれやってみたい!」

P「真美には清く生きてほしいんだ……汚れ仕事は俺がやる」

真美「兄ちゃん……」

P「真美……」

亜美「なんか始まっちった」

やよい「それって危ないんじゃ……」

P「大丈夫だよ。音無さんは強い人だから」

やよい「で、でもぉ」

P「じゃあ峰打ちにするからさ」

やよい「それなら大丈夫なのかな……?」

高木「音無君今日は張り切ってるねぇ」

小鳥「仕事あがりにプロデューサーさんと律子さんと一杯行きますから!」

高木「えっ」

小鳥「律子さんお酒飲めるようになりましたからね!」

高木「私は誘われてないんだが……」

小鳥「あ、ちょっと今忙しいんで後で聞きます!」

小鳥「それそれー!喉が鳴るわよー!」

高木「社長なのに……」

黒井「では始めるぞ」

北斗「いつでもOKですよ」

冬馬「確かに食パンでも渡せばって言ったけどよ……」

翔太「あ、エプロン忘れちゃった」

黒井「予備を用意してあるからそれを着けろ」

冬馬「まさか作ることになるとは……」

翔太「こんな広いキッチンまであるなんて961プロすごいね!」

黒井「ウィ。私はパン作りなどよく知らんからな。お前が指示しろ」

冬馬「仕方ねぇな……家まで材料取ってくるよ」

北斗「全部社長が用意してくれてるじゃないか」

冬馬「こんな市販のドライイーストじゃダメだ。臭いパンが食いたいなら別だがよ」

冬馬「俺がネットで買った外国製のやつが余ってたはずだから持ってきてやる」

黒井「本格的だな」

冬馬「より完璧を目指すのがジュピターだろ?」

黒井「美味しいパンを作ろうぉう」

冬馬「生きてるパンをぅ作ろぉう」

北斗「テレレレン・テレレレン・テレンレレンレンテンレレン」

翔太「テレレレン・テレレレン・テンテンテテンテン」

黒井「赤ちゃんは裸で生まれてくる♪」

冬馬「ドジョウも裸でカエルも」

職員「社長!!こんな所にいらしたんですか!」

黒井「なんだ騒々しい。今まさにパンに命を吹き込んでいるところなのだ」

職員「パ、パン?何やら音楽権利団体の方が来て黒井社長をと……」

黒井「……」

冬馬「音楽権利ってジャスむぐ」

北斗「黙ってろ冬馬。喋れば喋るほど不利になる」

職員「社長?」

黒井「居ないと伝えろ」

職員「えっ」

黒井「伝えろ」

職員「しかし……」

黒井「私とジュピターが焼いたパンを食べたくはないのか」

職員「社長は海外出張中でした。私としたことが失念していたとは……いやいや」

黒井「……行ったか」

北斗「色々と危険すぎましたね」

黒井「ウィ。我々も用心する必要があるな」

翔太「ねぇこのパンちょっと臭くない?」

冬馬「手作りだとこんなもんだ。ほら続けるぜ」

P「よし、着替えたら下で集合な」

真美「兄ちゃん!見なさいこのセクシーな水着姿!」

亜美「間違い犯しちゃってもいいのよん?」

P「あと5年くらい成長してたら危なかったかもな」

真美「5年ってことは19?」

亜美「高校生でもないじゃん!うあうあー!」

P「あぁもう早く着替えてこいって。俺も挨拶してから行くから」

やよい「はい!」

P「さぁ最後の詰めだ。音無さんを突破しないとな」

やよい「戻りましたー!」

真美「たっだいまー!」

亜美「あり?皆もう帰っちゃったの?」

伊織「私以外はもうあがったわよ」

やよい「伊織ちゃんごめんね、待っててもらって」

真美「奥さんしてますなー」

伊織「それじゃ私達は帰るから」

真美「あ、途中まで一緒に行こうYO!真美達も帰る!」

亜美「べろちょろ!」

小鳥「おかえりなさいプロデューサーさん」

P「きましたね……」

P「仕事はいいんですか?」

小鳥「残業はありませんよ!全部終わらせましたから!」

P「そうですか……なら仕方ない」

P「音無さん。いや、小鳥」

小鳥「こ、こと、小鳥!?」

P「話があるんだ。二人だけになりたい」

小鳥「はははははい!で、ではそこの別室で……」

高木「あ、君!今日は律子君達と」

P「すみません後にしてください」

高木「君ぃ……」

小鳥「そ、それで話とは……!」

P「その前に目を瞑ってもらえますか?」

小鳥(キ、キ、キター!我が世の春がついにキター!)

小鳥「は、はい!いつでもどうぞ」

P「では……すみません!」

小鳥「むぐ!?むぐぐ!」

P「あれ?気絶しないな」

小鳥(プロデューサーさん!タップですよ、タップ!)ジタバタ

小鳥(あ、ちょっと気持ちよくなって……)ジタ…バタ…

小鳥「」

P「やっと効いたか……ハンカチは洗って返してくださいね」

P「ふぅ……あれ?皆は?」

律子「もう帰っちゃいましたよ」

P「なら都合がいいな。律子のほうは準備いいのか?」

律子「いいですけど、小鳥さんはどうしたんです?」

P「見たいアニメがあるからって帰ったよ」

律子「あの人社会人の意識あるんですかね……」

P「まぁまぁいいじゃないか。それじゃ戸締りして行こう」

律子「ところでプロデューサーの友達ってどんな人なんですか?」

P「音楽関係の仕事してる人だよ」

律子「い、いつの間にそんな人脈が……やりますね」

P「律子も知ってる人だから、きっと驚くぞ」

律子「……それって男性ですか?」

P「まぁそうだな」

律子「嫌な予感しかしないわ……」

P「ここだここ。あ、連れが先に入ってまして……はい、どうも」

P「えぇと……いたいた。お待たせしましたー!」

律子「やっぱり……」

北斗「チャオ☆律子ちゃん!」

翔太「こんばんは!」

冬馬「よう」

律子「961プロと食事する時が来るとは思ってなかったわ」

黒井「普段は敵同士だが、今日くらいは遺恨を忘れようではないか」

律子「よく言いますね」

P「せっかくの律子の誕生日なんだし、そうカリカリするなって」

律子「別にカリカリなんかしてませんけど……」

北斗「それじゃ皆飲み物頼みましょうか」

黒井「まずはビールだな」

P「律子ももちろんビールだよな」

律子「え、私はウーロン茶でいいですよ」

P「何言ってるんだ。飲める歳になったのに飲まないのは罪だぞ」

北斗「翔太はコーラで冬馬はメロンソーダでいいな」

冬馬「なぁ今日くらいいいだろ?」

北斗「あと3年経ったら好きなだけ飲めばいいさ」

冬馬「そんな機会一生ねーよ……」

律子「当たり前ですけど、私お酒飲んだことないんですよ?」

P「付き合いで飲むこともあるかもしれないだろ?丁度いい練習じゃないか」

北斗「じゃあ注文しますね」

黒井「行き渡ったか?」

P「それじゃいきますよ。律子!誕生日おめでとう!乾杯!」

北斗「おめでとう律子ちゃん!」

翔太「おめでとーう!」

冬馬「ん」

律子「これは?」

黒井「私とジュピターが作った食パンだ。ありがたく食うがいい」

律子「しょ、食パンですか?」

P「手作り食パンをプレゼントって何考えてるんだ……」

黒井「冬馬たっての希望でな」

冬馬「え、俺が作ろうって言ったんじゃ……」

P「そういえば料理が趣味って言ってたもんな」

律子「とりあえずありがとうございます……」

P「プレゼントは置いておくとして」

北斗「ほら、律子ちゃんも飲みなよ」

律子「じゃあ……うわ、苦い……」

P「ま、こんなもんか」

北斗「やっぱりリキュール系のほうが無難でしたかね?」

律子「これならコーラのほうがマシですよ……」

冬馬「じゃあそれ俺が貰って」

P「冬馬」

冬馬「わ、わかったよ……」

翔太「クロちゃん食べ物頼んでもいい?」

黒井「好きに頼め」

翔太「やった!」

P「しかし律子もこれで大人って感じだな」

北斗「今までも十分大人びてましたけどね」

律子「あずささんとひとつ違いになっちゃいましたね」

P「1ヶ月くらいでまた元に戻るけどな」

冬馬「三浦って21だったのかよ」

翔太「そう考えると小鳥さんって若く見えるよね」

P「今の本人の前では言うなよ」

黒井「誰だ!焼き鳥を串から外したのは!」

律子「食べやすいから取りましたけど何か?」

P「焼き鳥は串で食べるからいいんだろ」

律子「そんなの胃に入れば同じですよ」

P「ぐぬぬ」

冬馬「そういや特別編もう見たか?」

P「見た見た。良かったよ」

黒井「私だけオファーがなかった……」

冬馬「だって俺達961プロ辞めてる設定だしな」

北斗「むしろ黒井さんがいたほうがおかしかったですよ」

黒井「黒井さんなどと呼ぶな!」

翔太「あはは!クロちゃん顔真っ赤!」

黒井「やかましい!」

P「ドラマの黒井社長は外道でしたからね」

律子「実際も酷かったじゃないですか」

黒井「ええい!飲まねばやってられん!おいメルティマンゴーだ!」

翔太「ジュースみたいだね」

P「北斗もなんか頼むか?」

北斗「そうですね、生中お願いします」

冬馬「俺」

P「……」

冬馬「俺はメロンソーダで……」

律子「私どうもビールは好きになれません」

P「ならチューハイ頼んでみるか?ライチとかどうだ」

律子「ライチは嫌いじゃないですけど」

P「よし。店員さーん!」

北斗「律子ちゃんはしゃっくりが可愛かったよね」

律子「か、可愛いって」

冬馬「そうだ知ってるか?」

冬馬「しゃっくりって100回続いたら死ぬんだぜ」

律子「そんなの迷信だわ」

冬馬「マジだって!友達の爺ちゃんは100回目と同時に心臓発作で逝っちまったらしい」

律子「そもそも続く条件が曖昧よね」

翔太「条件?」

律子「100回続けるにしても、前のしゃっくりから何秒以内にとかは決まってないでしょ?」

P「夢のないこと言うなよ……」

黒井「これだから頭の固い765プロは困る」

律子「な、なんですか私が悪いって言うんですか!?」

翔太「そういえば収録終わって気づいたんだけどさ」

P「なんだ?」

翔太「春香さん冬馬君が誘ったライブに来てないよね」

冬馬「……」

北斗「……」

翔太「あれ?」

P「翔太……需要と供給って知ってるか」

翔太「知らないけど」

律子「中学生で習わなかったかしら……あ、これ美味しい」

P「あそこで残り少ない尺を割いてまでジュピターのライブを見に行く価値があると思うか?」

翔太「それはあるでしょー!だって僕達最後の見せ場なんだよ?」

P「……聞き方を変えるが、お前達の見せ場に視聴者は」

黒井「そこまでだ。もうやめてやれ」

北斗「黒井さん……」

黒井「黒井さんはやめろ!本当に解雇されたいか!」

翔太「つまりどういうこと?」

冬馬「男の顔より女の顔眺めてたほうが楽しいだろ?」

北斗「当然だな」

黒井「むしろ出演できただけ良かったと思え」

P「下手したらライバル枠は新幹少女に食われてましたからね」

律子「……」ゴクゴク

冬馬「あと特別編であのご尊顔がってあったけどよ」

P「あぁあったな」

冬馬「絶対社長が出ると思ってたのに、居酒屋の店員と765の社長だったな」

北斗「小川さんでしたっけ?快活そうな女性でしたね」

P「声が伊織そっくりでたまに驚くんだよ」

翔太「765プロの社長さんは普通のおじさんだったねー」

律子「むしろ黒井社長は顔出ししなくて良かったと思いますよ」ゴクゴク

黒井「なぜだ?」

律子「ふぅ……とことん妨害工作したゲス社長ですよ?」

律子「きっと特殊メイクでその悪人面が更に強化されますよ」

黒井「あ、悪人面だと……」

P「服装がまずチンピラだったしなぁ」

冬馬「紫のスーツはねーよな」

黒井「貴様も初期は色々言われていたが最終的に認められたな」

P「真面目が信条ですから」

冬馬「俺達は最初から悪評しかなかったぜ」

翔太「冬馬君が春香さんにぶつかって悪態ついたりするからでしょ!」

P「その辺りは実際とそんな変わらないよな」

冬馬「うるせーな」

黒井「続編に向けて何かアクションを起こすべきか……」

P「アクション?」

黒井「とりあえずビデオカメラでも回してみるか」

冬馬「いきなり765のパクリじゃねーか!」

黒井「そうすれば961プロの日常のようなタイトルで出せるだろう」

P「そんなの放送したら視聴率だだ下がりですよ……」

北斗「それに俺達961プロ辞めた設定ですから」

律子「あ、なくなっちゃった」

P「おぉ意外といけそうだな。次何する?カクテルいってみるか?」

律子「えっと、お任せします」

P「ファジーネーブルあたりで慣らすか」

黒井「そうだな」ジー

北斗「あ、もう撮るんですね」

P「ライバル事務所の職員が人気アイドルと宴会してるビデオって……」

北斗「週刊誌に売り込んだら凄い値がつきそうですね」

律子「これも中々……」ゴクゴク

翔太「あの、律子さんそんなハイペースで飲んでも大丈夫なの?」

律子「結構お酒強いみたいだから平気よ」

P「カクテルに合うつまみってなんだろ」

北斗「さっぱり系ですかね」

黒井「野菜スティックあたりでも頼めばいいだろう」ジー

P「こんなシーン撮っても面白みないと思いますけど……」

黒井「そこは編集すれば問題ない。少しは頭を使えよ」

P「ぐぬぬ」

翔太「僕焼き鳥もう1回頼もうかな」

冬馬「俺も食いたいから盛り合わせ頼んでくれ」

北斗「そういえばこの前好みの女性について語ったじゃないですか」

P「そんなことあったか?」

律子「あ、すみません。このライムチューハイを……」

冬馬「マジでよく飲むなこいつ……」

北斗「今回は逆に好みの男性について語りません?」

翔太「うわっ」

P「俺急用思いついたから帰るよ」

黒井「私もセレブな急用ができた」

北斗「ちょ、ちょっと!違いますって!律子ちゃんに聞くんですよ!」

冬馬「北斗……」

北斗「冬馬!」

冬馬「友達としてやっていこうぜ?」

北斗「おい!!」

翔太「やっぱり北斗君ってホモだったんだ!小鳥さんにメールしなきゃ!」

北斗「や、やめろよ翔太……それは洒落にならない」

翔太「もうメールしちゃった!」

P「というか音無さんのアドレス知ってるんだな」

律子「すみませーん!このいいちこっていうのください!」

冬馬「この前携帯取られて登録させられたんだよ」

P「へぇ……って律子?いいちこって焼酎だぞ?お前飲めるのか」

律子「イチゴみたいな名前ですし、なんとかなりますよ!」

冬馬「そういえば今日よく事務員から逃げ切ったな」

P「あぁ気絶させて事務所に寝かせてきたんだ」

黒井「暴力とは765プロは相変わらず野蛮だな」

P「峰打ちなんで大丈夫ですよ」

冬馬「峰打ちならセーフだな」

律子「ふむ、ふむ」ゴクゴク

黒井「程々にしておかないと次の日が辛いぞ」

律子「961プロのじょげんなんて受けません!」

P「まぁせっかく北斗が提案したんだし聞いてみるか?」

北斗「え、あぁ、どうぞ……」

冬馬「そんな気にすんなよホモクト」

翔太「そうだよっ!僕達ずっと友達だよホモクト君!」

北斗「二人ともここぞとばかりに言ってくれるな……」

黒井「ビデオカメラを持ち続けるのは意外とこたえるな。翔太よ代われ」

翔太「えぇー?仕方ないなぁ」

翔太「よっと。もしもーし律子さん今どんな感じー?」

律子「……」ゴクゴク

律子「あ、あの」

P「律子?聞こえてるか?」

律子「プロデューサー殿!」

P「な、なんだ?」

律子「芋って美味しいんですかね」

P「芋?」

律子「芋焼酎です」

P「あぁ酒か。麦よりは癖があって飲みにくいと思うぞ」

律子「じゃあそれ頼んでみますね」

P「じゃあって……どう見る北斗」

北斗「まわってきてるとは思いますが」

冬馬「なんだマジで酔い潰すのかよ」

P「堅物の律子が酔った姿なんて貴重だからな」

律子「おぉ本当にお芋みたいな匂いしますよ!ほら!」

P「ち、近いって」

律子「うんうん。ところで皆さんあまり飲んでないですね」

P「俺達は自分のペースで飲むから気にするな」

北斗「律子ちゃんは好きに飲んでいいからさ」

律子「納得いかないわ」

冬馬「は?」

律子「黒井社長達の分も頼みますね」

黒井「ウィ?」

律子「私だけ飲んでたらなんだか申し訳ないじゃないですか」

北斗「そんなことは……」

律子「ほら、あんたも頼みなさい!」

北斗「は、はい」

1律子「なんだか暑くなってきたわ……ちょっと上着脱ぎますね」スッ

北斗「」ガタッ

P「」ガタッ

黒井「翔太ァ!!」

冬馬「カメラ回せ!」

翔太「う、うん」

律子「ほら、プロデューサー達も飲んでくださいよ」

P「の、飲んだら律子ももっと飲むのか?」

律子「かもしれませんねぇ。お三方の努力次第?」

北斗「プロデューサーさん!」

P「あぁ!飲もう!店員さーん!」

冬馬「お前らだけにいい格好させられるかよ!」

黒井「ここは私の出番だな!」

翔太「冬馬君は僕と観戦してようね」

冬馬「くそっどさくさに紛れようとしたのに……」

りっちゃんおめでとう

小鳥「んぅ……」

小鳥「や、優しくしてください!」ガバッ

小鳥「ってあら?ここは事務所……?なんでこんなとこで寝てるの?」

小鳥「うぅ背中が痛い……今何時かしら」

小鳥「あ、メール」

sub:【速報】北斗君はホモだった!
本文:急に好みの男の話したいって言い出して怖いよ(i|!゜Д゚i|!)写真も貼っておくね!

小鳥「……ふふ、ふふふ。思い出したわ」

小鳥「神は見捨てなかった!ぬかったわね翔太君!」

小鳥「背景からどこの店か割り出しは可能ッ!」

小鳥「30分もあればいけるわよぉ!」

小鳥「はぁっはぁっ!つ、着いたわ……!」

小鳥「あっという間だったように見えるけどタクシーフル活用して急いだのよ!」

小鳥「あ、すみません友人と夫が先に入ってまして」

小鳥「さぁどこかし……」

P「ウェイェイ!」

律子「ダ・ザラッタッタ!ザラッタタォ!」

北斗「ベイベベイベ☆」

P「ダ・ザラッタッタ、ザラッタッターウゥ!」

黒井「ウゥイェ!ダ・ザラッタッタ!ザラッタッタオゥ!」

北斗「ベイベベイベ☆」

律子「ダ・ザラッタッタッタートゥ!」

小鳥「な、何これ」

「「「「ベイベベイベベイベベイベベイベベイベ♪」」」」

小鳥「どういうことなの……」

翔太「小鳥さん!」

小鳥「あ、二人とも」

冬馬「こいつら酒飲んでおかしくなっちまったんだ!どうにかしてくれ!」

小鳥「そ、そうね……!ここは大人の女性である私が一発ビシッと」

P「ズッタン!ズッズタン!」

律子「ピヨちゃーん!」ガバッ

小鳥「ピ、ピヨちゃん!?あの、律子さん?」

北斗「ズッタン!ズッズタン!」

黒井「音無君も来たのか!さぁさ飲むがいい!」

小鳥「え、あ、あの!?」

P「小鳥ァ!俺についてこい!」

小鳥「は、はい!」

冬馬「速攻で落とされてんじゃねーか!」

小鳥「ピェェェイ!君をー!好きでよかったー!」

P「このままずっとー!ずっとー!死ぬまでハッピー!」

北斗「気分はdo-dai律子ちゃん!」

律子「なんだかフラフラしてきたわ!」

北斗「じゃあ脱ごう!」ヌギヌギ

冬馬「おい!こんな場所で脱ぐなよ!」

黒井「ウィーーーーー!!」

翔太「プロレスラーじゃないんだから……」

店員「こ、この人達です!」

警察「警察ですが店の通報で……」

P「んだオラァ!やろうってのか!」

翔太「ちょっ何言ってるの!?」

小鳥「国家権力の犬がなんか言ってますよ!」

黒井「必要ないのだ!世界に貴様達は!」

律子「やれ!」ゴクゴク

P「ヒャア我慢できねぇ!」

北斗「ホォォォォォアァァァァ!」

警察「う、うわっ!やめろ!」

冬馬「逃げるぞ翔太!」

翔太「でも北斗君達が……」

冬馬「そんなもん切り捨てろ!行くぞ!」

翔太「う、うん!」ポイッ

prrrrr

高木「彼の携帯からだ!ついにきたか!私を呼ばないなんて酷いじゃないか!」

高木「もしもし?やっと誘ってくれたね!」

警察「○○交番ですが、高木順二郎さんですか?」

高木「え?」

警察「高木順二朗さんの携帯電話でしょうか?」

高木「は、はいそうですが……」

警察「そちらの職員を酔っ払いとして保護していますので交番まで来ていただけますか?」

高木「よ、酔っ払い!?」

警察「印鑑持参でよろしくお願いします」ガチャッ

高木「」

高木「はい……はい……本当にすみませんでした……」

警察「もっと社会人ということを自覚させてくださいね」

高木「申し訳ないです……」

P「ウェーイ!あ、社長!こいつらなんとかしてくださいよ!」

黒井「高木ィイイイイ!!貴様こんな場所で何をしている!!」

高木「黒井まで……」

律子「むにゃむにゃ」

小鳥「ぐーぐー」

北斗「ん……あ、あれ?何で俺はジャージなんか履いてるんだ?ここは?え?」

警察「じゃあここに印鑑押して……はいこれで終わりです。早く連れて帰ってください」

高木「お手数おかけしました……伊集院君は一人で大丈夫だね?」

北斗「え、は、はい……あの、これは一体……?」

高木「酒は飲んでも飲まれてはいけないよ。ほら君も車に乗ってくれ」

P「え?今から続きするんですか!?やったー!」

黒井「高木ィイイイ!」

北斗「お、お酒ですか……?うっ頭が……」

警察「君も帰りなさい。もう他の人に迷惑なんかかけるなよ」

北斗「……そういえばプロデューサーさん達と飲んで……」

北斗「あっ」

北斗「」ゴソゴソ

北斗「は、履いてない……!」

警察「はよ帰れ」

高木「なんで私がこんなことを……」

P「オロロロロ」

高木「ちょっ君!吐くなら先に言ってくれ!」

黒井「うっ」

高木「待て!待て黒井!今停めるからな!」

黒井「ウゥィ」

黒井「オロロロロロ」

高木「あぁ!」

律子「んん……臭い……あ」

P「げぇ……うぅ……」

律子「プロデューサー殿ぉ」ギュッ

高木「さぁ君の家についたよ」

P「きもちわる……」

高木「すまないが時間もないし、ここからは一人で帰ってくれ」

P「ぁい……」フラフラ

高木「明日がオフで良かったよ本当に。ではね」

P「うぅ……」ヨロヨロ

高木「次は律子君の家か……親御さんに怒られるんだろうな……私が」

高木「律子君そろそろ起きて……律子君?」

高木「い、いない!?」

高木「彼と一緒に降りてしまったのか……」

高木「……」

黒井「すやすや」

小鳥「ぐー……ぐー……」

高木「間違いは起こすなよ……」

P「ただいま……」

P「翔太、じゃないトイレ……」ガチャ

律子「おじゃましまーす」

律子「ねむい……」キョロキョロ

律子「ふとんはっけん~」

律子「ぐぅ」

ジャー

P「おぇ……」

P「」ヌギヌギ

P「おやすみぃ」バタ

ピヨピヨ

P「んあ?」パチリ

P「……何で俺は裸で寝てるんだ」

P「あぁそうか律子達と飲みに行ってそれで……それで帰ってそのまま寝ちゃったのか」

P「記憶が飛んでるけど楽しかった気がするしなんくる……」

律子「ぐぅ」

P「なんくる……ある……」ダラダラ

P(え?いや、え?なに?なんで律子がここにいるんだ?え?)

P(落ち着け……冷静になれ。そうだ!確かめればいいんだ!)

P「失礼」

律子「んぅ」コロン

P「ベ、ベージュ……!」

P(やばいやばいやばいなんてもんじゃない)

P(酒+朝+はだけた衣服=LMG!)

P「一度の火遊びをしてしまったのか……?鉄の心を貫いてきたこの俺が」

律子「んん……」モゾモゾ

P「ま、まずい……起きそうだ……」

律子「ん……?」パチ

P「や、やぁ律子」

律子「プロデューサー……?なんでここ……あれ?ここは?」

P「昨日は、なんだ、その……」

P「お、俺のマッチで燃え尽きてしまったんだな!」

律子「……」

P「なんちゃって……はは……は……」

律子「ぎやぁあああああああああああ!!」

P「うわぁああああああああああああ!?」

律子「ち、近寄らないで!変態!ド変態!変態大人!」

P「伊織の台詞をとるな!ってそんなことはいいから落ち着け!俺だって混乱してるんだ!」

律子「初めてのお酒の席で、そのまま襲われるとは思わなかったわ……!」

律子「責任とってくださいよ!」

P「仕方ないな……」

律子「え!?」

P「いくらだ」

バチーン!

P「じょ、冗談だよ……」ガクガクガク

律子「全っ然笑えません!」

P「と、とにかく!事実確認をはっきりさせるまでこの件は保留だ!」

律子「確認ってどうするんですか」

P「困ったときは961プロだろ」

律子「961……?そういえば一緒に飲んでましたね」

P「あぁ。行こう!」

冬馬「社長達ならいないぜ」

P「え、なんでだ?」

冬馬「今日オフだし、俺はたまたまトレーニングしにきただけだからな」

P「電話も繋がらないし困ったな……」

律子「天ヶ瀬君。昨日のこと覚えてるかしら」

冬馬「まぁ大体は……つーか何?あんたら昨日のスーツのままじゃん」

P「それについて確認したいんだが、昨日ってどんな感じだった?」

冬馬「酒飲んで騒いで警察の世話になってた」

律子「は?」

冬馬「俺と翔太は途中で逃げたから、それ以上は知らねーな」

P「逃げたのはともかくそんなに飲んでたのか……」

冬馬「あんたんとこの事務員なら何か知ってるんじゃないか?一緒に補導されてたし」

P「音無さんのことか?あの人はいなかっただろ」

冬馬「途中参加して一緒に騒いでたぜ」

P「ますます混乱してきた……」

律子「頭痛くなってきたわ……」

冬馬「じゃ、俺行くから」

P「あ、あぁ……」

P「とにかく音無さんに電話してみるか」ピッ

P「……出ないな……」

小鳥《もしもし……》

P「あ、音無さんですか?こんにちは。ちょっと確認したいことがあるんですが」

小鳥《手短にお願いします……頭割れそうなので……》

P「その様子じゃ本当に俺達と合流したんですね……」

小鳥《はい……もういいですか?脳みそ爆発しそうなんですよ……》

P「俺の人生がかかってるんでもう少しだけ。帰りってどうしました?」

小鳥《社長に送ってもらいましたよ……それでは……》プツッ

P「切られてしまった……」

律子「どうでした?」

P「社長が送ってくれたらしいが、社長って高木社長だよな」

律子「黒井社長も確か飲んでましたしね」

P「行くか……多分事務所にいるだろ」

律子「どう転んでも嫌な予感しかしないですね……」

P「お疲れ様です」

高木「あ、君。もう大丈夫なのかい?随分飲んでいたようだが」

P「やっぱりご存知なんですね……あの、俺って昨日社長の世話になったんでしょうか」

高木「う、うむ……」チラッ

律子「?」

高木「ひとつ確認したいんだが、君達今日どこから一緒に来たのかな?」

P「お……」

高木「お……?」

P「俺の家からです……」

高木「……そうか」

律子「な、なんですかその慈愛の眼差しは!」

高木「私が知る限りのことを話すよ」

社長の話によると、昨夜俺達は酒に溺れ警察の御用になったらしい。

冬馬の話に嘘偽りはなかった。

そして社長が身元引受人として呼び出され、ゲロを浴びながら俺達を車で送り届けてくれた。

律子は俺が降ろされたと同時に車内から姿を消していた……。

P「も、もうだめだ……完全に詰んでる……」

高木「そういえばビデオはもう確認したのかい?」

律子「ビデオ、ですか?」

高木「黒井が撮影していたらしい。それなら当時の状況もわかりそうだが」

高木「奴が持っていなかったから、てっきり君が預かっているのかと思ったんだけどね」

P「そんなのあったかな……」

律子「961プロも小鳥さんも持ってないのならプロデューサーでしょうね」

P「一度戻るか……失礼します社長」

P「結局たらい回しだったな」

律子「でもビデオなんてあったかしら……」

P「律子は記憶にないのか?」

律子「いえ全く……」

P「うーん……ビデオビデオ……ん、これか?」

律子「鞄の中に入ってたんですね」

P「警察の人がいれてくれたのかな……バッテリーはあるな」

P「じゃあ再生するぞ」

律子「は、はい!」

P(これでいい雰囲気になってたりしたら終わりだ……頼むぞ俺!)

…………

……………………

北斗「それでその後どうなったんですか?」

P「死んだ魚のような目をしてそのまま解散になったよ……」

黒井「そもそも貴様プレゼントを渡してないのか?」

P「何も考えてませんでした……」

翔太「食パンの僕達以下だよプロデューサーさん……」

北斗「まぁ疑いが晴れただけ十分と思いましょうよ」

P「ゲロまみれの状態で事に及ぶなんてありえないしな……」

P「でもどうしよう……これじゃ俺明日から律子に合わせる顔がないよ」

冬馬「……」


冬馬「……やるか」

北斗「そうだな」

P「な、何かいい案があるのか?」

黒井「ウィ。最初からこうすれば良かったのだ」

翔太「プレゼントはモノだけじゃないんだよプロデューサーさん!」

P「!! まさか……!」

冬馬「あぁ。俺達なりの方法で伝えようぜ!」

P「ついにこの時がきたのか……」

黒井「P.Kジュピターの復活だ!」

P.Kジュピターとは以前彼等5人で短期活動を前提に結成した超新星のスーパーアイドルユニットのことである。

1stシングルの『七彩ボタンEX』は、ライバルでもある765プロを感動の渦に巻き込んだ。

デビュー戦以降活動を休止していたP.Kジュピターだが、再び彼等は動き出す。

新たな伝説が今、生まれようとしている……。

P「でも俺達には時間がない。明日は仕事なんだぞ」

黒井「策は既に考えてある」

冬馬「マジかよ。どうするつもりなんだ?」

黒井「765プロ全員参加の番組があっただろう。なんと言ったか」

北斗「生っすかレボリューションですか?番組再編でリニューアルしたという」

黒井「ウィ。あれをジャックする」

翔太「そんなことできるの?」

黒井「961プロの力を使えばその程度容易いことだ」

P「確かに生っすかなら律子も見るでしょうけど……」

P「いや、むしろ全社員で現場まで行けば全員に見せることもできるのか」

冬馬「考えたな社長」

北斗「なるほど……」

翔太「踊る場所はどうするの?スタジオも乗っ取るの?」

黒井「うちの簡易スタジオを使う。証明でごまかせば雰囲気は出るだろう」

P「中継先をジャックするわけですか……」

北斗「生っすかは日曜日でしたよね?」

P「あぁ。猶予は1日もない」

黒井「とりあえず貴様は交通事故だな」

P「え!?」

北斗「入院したことにして、休みの大義名分を得るんですよ」

黒井「私が懇意にしている病院なら1日の入院などすぐにねじ込める」

冬馬「で、治療という名の徹夜レッスンをするわけだな」

黒井「ウィ。お前もわかってきたではないか」

翔太「曲はどうするの?また七彩ボタン踊るの?」

黒井「貴様が決めろ。何かないか」

P「そうですね……今回はジェントルよりワイルドにいくか」

冬馬「ワイルドよりデンジャラスか?」

P「あぁ」

黒井「オーバーマスターだな。それなら準備も楽だろう」

prrrr

高木「黒井からか……」

高木「嫌な予感がする。かつてない嫌な予感が」

高木「不幸……迫ってきてる着実に確実に私のほうに」ピッ

高木「……こんな遅くに何の用だ?」

黒井《高木!大変だ!貴様のところのプロデューサーが事故にあった!》

高木「な、なんだって!?それで彼の容態は……」

黒井《ということで検査入院することになった。なに、週明けには復帰できる》

高木「え?」

黒井《それまで奴の仕事は全て秋月律子に任せるんだなアデュー!》プツッ

ツーツー

高木「お、おい!……電源が切られてる……」

黒井「高木は懐柔した。後はレッスンだな」

P「衣装はまた961プロにお任せしていいんですか?」

黒井「アレは元々私が考案した衣装だからな。任せるがいい」

翔太「じゃあ、やろっか!」

P「あぁ!」

冬馬「振り付け考えてる暇はねーし、フェアリーのやつ真似するんだよな」

P「最近クインテットに対応させたからな。七彩の時より5人で踊るのは楽なはずだ」

黒井「時間が惜しい。ダンススタジオまで行くぞ」

P「はい!」

北斗「また鬼プロデューサーさんを見ることになるとはね」

冬馬「あれはあれでいいもんだぜ」

翌日765プロ

春香「えぇ!?プロデューサーさんが入院!?」

千早「どこの病院なんですか?」

美希「ハニー……ハニー……」ポロポロ

高木「黒井記念病院で1日の検査入院らしいから、命に別状はなさそうだよ」

貴音「……それは安心しましたが……また961プロですか」

真 「ところで律子は?」

高木「昨日精神的なショックを受けたらしくて、少し遅れて来るそうだ」

伊織「あいつに襲われたとかだったりして」

高木「……」

伊織「ちょ、ちょっと!なんとか言いなさいよ!」

響 「じゃぁ今日の予定はどうするんだ?」

高木「今日は午後の生っすか収録だけだから、そこは安心しなさい」

律子「おはようございます……」

あずさ「あ、律子さ……だ、大丈夫ですか?顔色よくないですけど……」

律子「だから961プロは嫌いなのよ……ぶつぶつ……」

亜美「さすがの亜美もスルーしちゃうこのテンションの低さ……」

千早「誕生日に何かあったのは間違いないみたいね」

真「あ、律子。プロデューサー今日休みなんだって」

律子「ぶつぶつ……え?そうなの?」

伊織「病院で検査受けてるそうよ。ついに頭のネジが飛んでいったのかしら」

律子「助かったわ……さすがに昨日の今日で合わせる顔がないもの……」

響 「何かあったの?」

律子「なかったわ」

春香「え?」

律子「何もなかった。何もなかったのよ」

伊織「ちょ、ちょっと律子?」

律子「小鳥さん!今日のスケジュールは!?」

小鳥「え、えっと今日は午後から生っすかの収録だけです!」

律子「じゃあ時間になったら下で集合!いいわね!?」

真美「は、はひ」

春香「落ち込んだり怒ったり本当にどうしちゃったんだろ……」

あずさ「961プロが嫌いみたいなこと言ってたけど……」

雪歩「と、とりあえずお茶用意しますね」

律子「お願いするわ……どうにも頭が回らないみたいで」

やよい「プロデューサー心配だね……」

伊織「まぁ1日だけの入院なら、そんなに心配しなくてもいいんじゃないかしら」

スタッフA「それじゃ本番いきまーす!」

スタッフA「5!4!3!……!」

春香「日曜午後の新発見!神出鬼没の生中継!生っすかサンデーレボリューション!」

千早「この番組は、BBS赤坂スタジオから全国のお茶の間の皆様へ毎週生放送でお届けしています」

貴音「さぁ今週もやってまいりました」

響 「テレビの前の皆ー!今日もよろしくねー!」

春香「ではでは、最初のコーナーはこちら!モニターをご覧ください!じゃじゃん!」

黒井《ウィ。私が今回最初のコーナーを務めさせて頂く黒井です。皆さん以後お見知りおきを》

春香「???」

千早「くっ黒井社長?」

黒井《さて……視聴者の皆さんには真の王者とはどういった存在か既におわかりでしょう》

律子「ちょ、ちょっと!スタッフさん!カメラ止めてください!」

スタッフA「身体が痺れて動けねぇ……」

スタッフB「俺達は……見ていることしかできないのか……!」

律子「はぁ!?」

黒井《この大アイドル時代に颯爽と現れ、圧倒的な力を見せつけた輝ける巨星ジュピター……》

黒井《ですが今回は彼等を更に上回るアイドルをお見せしましょう》

真美「こ、この感じは!」

あずさ「どうしましょう……」

黒井《皆さんは今日この瞬間!歴史の立会人となるのです!》

黒井《ただのアイドルではなく、本当のヒーロー!英雄を目撃するのですから!》

真「勝手なことべらべら喋って!早く姿を見せろ!」

黒井《それでは紹介いたしましょう!1726プロ所属!P.Kジュピター!!》

亜美「で、でたー!やっぱり兄ちゃんだYO!」

美希「ハニー!ハニーがいるの!」

雪歩「み、美希ちゃん!呼び方!」

千早「春香、カンペきてるわよ」

春香「え?あ!えぇっとそれではP.Kジュピターの皆さんに歌っていただきましょう!」

春香「オーバーマイスター!どうぞ~!」

春香「って何これ!?」

P(律子!受け取ってくれ!俺の気持ちを!)

P(鈍感と呼ばれる俺には、律子が何を欲しがってるかなんてわからない)

P(だから今俺にできる全てをお前にぶつける!)

キンキンキンデーレレーデレレーデレレレレレー

デーレレーデレレーデレレレレレレレ

P「カッコ悪いわよぉー!」

北斗「アタシを落とすのー☆」

冬馬「バーレてるのぉ!」

響 「今度は自分達のパクリじゃないか!」

「「「「「カッコつけたところでぇ!」」」」」

「「「「「次に出る台詞プランPね!」」」」」

美希「ハニー!かっこいいのー!」

あずさ「プランPってなんなのかしら~」

黒井&翔太「優しさ星井と思ってるぅー!」

北斗「やっぱアンタにはたっかねの!花ね☆」

冬馬「心に響ぃー!渡らな・く・ちゃ!」

「「「「「意味がなーいのよぉう!!」」」」」

千早「すごい……以前よりさらに歌唱力が上がってるわ」

伊織「あ、頭のネジどころか脳みそが飛んでいってたのね……」

「「「「「Thrillのない愛なんて!興味あるわけないじゃ・な・い!」

P「わっかんなーいかぁなぁーん!」クネクネ

美希「ハニー!」

黒井「かまげぇぇいいん!」

高木「」

小鳥「社長!しっかりしてください!」

千早「春香」

春香「あ、P.Kジュピターの皆さんでした!なんとジュピターも参加してるんですね!」

春香「ってだからなんでカンペなんて用意されてるの!?」

冬馬《はい!俺達単独でもアイドルの頂点は狙えると思うけど》

北斗《チャオ☆社長がこれ以上ないメンバーを呼んでくれたんですよ!》

翔太《さっきも歌ってたけど、僕達961プロの社長さんでもあるクロちゃんと……》

黒井《765プロのプロデューサーなのです!さぁ挨拶をしたまえ!》

P《初めまして皆さん!765プロのプロデューサー兼P.Kジュピターのメインボーカルを担当してます!》

春香「プロデューサーさん……」

美希「キャアアアなのおお!」

P《今日この場をお借りしたのは、俺の個人的事情が含まれていたんですが……》

小鳥「社長!社長!プロデューサーさんが何か言ってますよ!」

高木「も、もう帰らせてくれ……」

P《もう十分ハートは伝わったと思う!だから改めてこれだけ言わせてくれ!》

P《律子!誕生日おめでとう!これが俺にできる最高のプレゼントだ!》

春香「い、以上中継でした~!」

千早「続いてのコーナーは……」

律子「」

P「よし……よし!てごたえバッチリだ!」

冬馬「また作っちまったな……『レジェンド』をよ?」

北斗「この達成感はジュピターの頃には無かったものですね!」

翔太「僕なんだかすっごくドキドキしてるよっ!」

黒井「いい団結だった。掛け値なしに」

北斗「真面目な律子ちゃんだし、このプレゼントはきっと喜んでくれますよ」

冬馬「双子の時は繊細な時期に急展開なことしちまったからな」

黒井「ウィ。大人になった秋月律子なら伝わったはずだ」

黒井「私達の熱い魂(ソウル)をな……!」

P「うん、うん……それじゃ俺行ってくるよ!」

冬馬「へっまた美味しいトコ取りかよ」

北斗「ハメ外しすぎないでくださいね!」

黒井「報告楽しみにしているぞ」

翔太「ファイト!プロデューサーさん!」

P「あぁ!」

春香「それじゃ皆さーん!まったねー!」

千早「……」フリフリ

美希「またなのー!」

春香「……」ニコニコ

スタッフA「お疲れ様でしたー!」

春香「はぁ……つ、疲れた……精神的に……」

P「皆!お疲れ!」

真 「プロデューサー……」

P「今日もばっちりだったな!もうトップアイドルの貫禄あるじゃないか!」

あずさ「あ、あはは……」

P「ところで律子は?」

小鳥「体調が悪くなったそうで、先に事務所に戻ってますよ」

P「じゃあ俺も行ってきます!音無さん後は頼みます!」

小鳥「は、はい……」

バンッ!

P「律子!」

律子「……」

P「律子!聞いてくれたか?俺達の歌!」

律子「プロデューサー……」

P「あぁ皆まで言うな!わかってる、伝わったよ!お前の気持ち!」

P「俺の考えられる最高のプレゼントをしたつもりだ。もちろん他に何かあれば言ってくれ!」

律子「じゃあひとつだけ……」

P「どんとこい!真美達みたいに合鍵でもいいぞ!」

律子「今すぐユニット解散してください」

P「は?」

律子「今すぐにです」

P「ユニットってフェアリーか?」

律子「P.Kジュピターとかいうふざけたユニットです」

P「」

こうして伝説的復活を果たしたP.Kジュピターだが、再び解散を発表し周囲を騒がせた。

リーダーの天ヶ瀬冬馬はインタビューで解散理由を音楽性の違いと主張していたが

裏で某芸能プロによる工作があったのではないかと囁かれている。

なお、765プロの高木順二朗社長は関与を否定している。

黒井「日本のロックは既に死んでいたようだ……」

冬馬「俺、間違ってたのかな」

北斗「冬馬……」

翔太「プロデューサーさんは961プロへの出入り禁止にされちゃったしね……」

「「「「……」」」」

バンッ!

P「諦めるな!皆!」

黒井「貴様……なぜここに」

北斗「出入り禁止になってる筈じゃ……」

P「諦めるにはまだ早い!」

P「無理を通して道理を蹴っ飛ばすのが俺達P.Kジュピターだろ!」

冬馬「……」

P「日本は確かに俺達を受け入れてはくれなかった」

P「なら別の場所で活動しよう!」

翔太「別の場所って?」

黒井「……世界か」ニヤリ

北斗「世界ですか……まさかこんなに早くそんな話が出るとは思いませんでしたよ」

P「まずはネットの動画サイトで俺達の歌を投稿するんだ」

翔太「それならきっと僕達の良さを理解してくれる人がいるよね!」

冬馬「でも俺達はもう……」

P「冬馬!たった一度や二度の挫折がなんだ?お前の情熱はその程度のものだったのか?」

黒井「やるぞ!冬馬!」

北斗「冬馬!」

冬馬「皆……」

冬馬「へっ……ここまで期待されちゃ羅刹の名が泣くよな」

翔太「冬馬君!」

冬馬「やってやる!世界だろうが宇宙だろうが俺達が正しいってことを認めさせてやろうぜ!」

P「行こう!俺達の新しいステージへ!」

翌日秋月律子に計画を知られ、三度目の解散に追い込まれるP.Kジュピターの姿があった。

がんばれP.Kジュピター負けるなP.Kジュピター。明日はどっちだ。

おわり

保守支援ありがとうございます。初のりっちゃんメインSSで緊張しました。
明日はライブ楽しもう。俺は映画館組だけど……お疲れ様でした

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