松実宅
ガチャ
玄「ただいまです」
宥「ただいま~」
玄「お姉ちゃん、お風呂沸かしておいて。私洗濯ものとってくるから」
宥「わかったよ~玄ちゃん」タタッ
玄「・・・」
玄(と、とりあえず憧ちゃんの靴下のことは後だ)
玄(早く洗濯ものとりこまないと)
玄「よいしょっと・・・ん?」
玄「これは・・・」
玄(お、お姉ちゃんのストッキング・・・)
玄「・・・」ゴクリ
玄「ちょ、ちょっとだけなら・・・」
玄「だ、大丈夫・・・嗅ぐだけ・・・嗅ぐだけだから・・・」スンスン
玄「・・・」
玄(れ、レノアの香りしかしない・・・期待外れだ・・・)
宥「玄ちゃ~ん、手伝おうか~」
玄「えっ、あっ、大丈夫だよお姉ちゃ~ん!!」アセアセ
玄「・・・」
玄(やっぱり洗った後のものじゃ意味ないよね・・・)
玄部屋
玄「・・・」
玄「・・・い、今ならお姉ちゃんもお風呂入ってるし・・・」
玄「よしっ、憧ちゃんの靴下・・・嗅いでみるぞっ」
玄「・・・」スンスン
玄「・・・っ!!」
玄(なにこの強烈な臭い・・・下水臭いっていうか・・・)
玄「・・・」
玄「・・・」スンスン
玄「・・・っっ!!!」
玄(や、やっぱり臭いっ!!)
玄(憧ちゃんの足ってこんなに臭かったんだ・・・)
玄「・・・」
玄(・・・で、でも・・・)
玄「・・・」フンフン
玄「・・・っっっ!!!!」
玄「く、癖になる・・・///」
玄「・・・」フンガフンガ
玄「・・・~~~~~~っ!!!」
玄(やばい・・・やばいよシズちゃん・・・)
玄(私もわかっちゃったよ・・・憧ちゃんの靴下の香り・・・)
玄「・・・」バフンバフンッ
玄「っ!! ごほっ、ごほっ!!」
玄「・・・ハァ、ハァ・・・」
玄(嗅ぎすぎはダメか・・・一種の麻薬みたいなものね・・・)
玄「と、とりあえずこれはどっかにしまっておこう・・・」ゴソゴソ
玄「よ、よし・・・」
玄「あっ・・・お姉ちゃんもうすぐあがってきちゃう」
玄「脱衣所に着替え用意しておかなくっちゃ」タタッ
ガラッ
玄「・・・よいしょっと」
玄「お姉ちゃ~ん、着替えここに置いておくよ~」
「あっ、玄ちゃんありがと~」
玄「よし、戻ってお夕食の準備しなくっちゃ・・・っと」
玄「・・・」
玄(お、お姉ちゃんの脱ぎ立ての黒ストッキング・・・)
玄(す、すっごい蒸れてそう・・・)
玄「・・・」
玄(だ、ダメだよ私!! い、いくら何でも身内であるお姉ちゃんのものを・・・っ)
玄「・・・」
玄「・・・ち、ちょっとだけなら・・・」ガサゴソ
玄「あっ、あった・・・これだ・・・」
玄(すっごい湿ってる・・・まぁ今夏だし、人間の足は一日にコップ一杯分の汗をかくっていうしね・・・)
玄(ど、どんな匂いがするんだろう・・・か、嗅ぎたい・・・)
玄(で、でもでもっ、ここだといずれお姉ちゃんがあがってきちゃうよ・・・)
玄「で、でもっ・・・もう我慢できない・・・っ」
玄「・・・ちょっと嗅ぐだけだし・・・」
玄「・・・」スンスン
玄「・・・ッ!!!!!」ビリビリッ
玄(こっ・・・この香りは・・・ッ!!)
玄(憧ちゃんのとは比較にならないほどの強烈な激臭・・・ッ)
玄(こんな臭いがお姉ちゃんの体から出てるとは到底思えない・・・)
玄「・・・」
玄(でも、なんだろう・・・)
玄「・・・」スンスン
玄(この匂いは・・・嗅いでいても辛くない・・・)
玄(むしろいつまででも嗅いでいたい・・・ッ)フンガフンガ
玄(こんな・・・こんな匂いが本当に存在するの・・・?)
ガラッ
玄「・・・っ!?」ビクッ
宥「ふ~・・・あったかかった~」
宥「ってあれ・・・玄ちゃん、どうしてここn」
玄「・・・」
宥「・・・」
玄「・・・お、お姉ちゃん・・・こ、こ、これはね・・・その・・・」
宥「・・・」
玄「・・・」
宥「・・・ひどいよ・・・」
玄「・・・お、お姉ちゃん・・・私・・・」
宥「ひどいよ玄ちゃん!! 私よりも先に靴下の臭いを嗅いじゃうなんてっ!!」
玄「・・・えっ」
玄「えっ・・・お姉ちゃん、えっ・・・?」
宥「お風呂あがったらじっくり嗅ごうと思ってたのに・・・」
玄「えっ・・・でもこれお姉ちゃんのじゃ・・・?」
宥「そうだよ・・・だって玄ちゃん、憧ちゃんの靴下嗅がせてくれなかったから・・・」
玄「あ・・・」
宥「だからまずは自分のものの臭いを嗅いでみようと思ってたのに・・・ううっ・・・」
玄「お、お姉ちゃん・・・っ!」
宥「玄ちゃんに私の初めて奪われちゃったぁ・・・うわぁぁああああん・・・」ポロポロ
玄「あわあわ・・・ど、どうしよう・・・」
宥「・・・っ・・・ひっく・・・」
玄「お、お姉ちゃん・・・その・・・」
宥「・・・うっ・・・玄ちゃん、責任とってよ・・・」
玄「えっ・・・責任・・・?」
宥「そ、そうだよ・・・私の初めて奪ったんだから、その責任・・・」
玄「せ、責任って・・・どういう・・・」
宥「玄ちゃんのムレムレニーソストッキングの臭い・・・嗅がせてよ・・・」
玄「・・・っ!? お、お姉ちゃん!?」
宥「・・・」ズイッ
玄「お、お、お姉ちゃん、ここじゃまずいよっ!!」
宥「場所なんて関係ないよ・・・」
玄「で、でもっ・・・お父さんたちもうすぐ帰ってくるし・・・っ」
玄「そ、それに、お姉ちゃんそのままの格好じゃ・・・その、風邪引いちゃう・・・」
宥「あっ・・・」
宥「・・・」
玄「・・・お、お姉ちゃん・・・?」
宥「いいよ・・・わかったよ・・・」
玄(お、お姉ちゃん・・・ホッ・・・)
宥「じゃあそのかわり・・・今日の夜、玄ちゃんの部屋行くから」
玄「・・・えっ」
宥「・・・だからそれまでお風呂入らないようにしてね・・・」
玄「えっ・・・お、お姉ちゃん」
宥「ふふっ・・・楽しみにしてるよ、玄ちゃん・・・ふふふっ・・・」
玄(・・・お、お姉ちゃんが怖いよ~~~~~っ!!)
夜
玄「・・・ううっ・・・」ドキドキ
玄(お、お姉ちゃんもうすぐ来るはずだよね・・・)
玄(わ、私・・・なんでこんな緊張してるんだろう・・・)
玄(ただお姉ちゃんに私の靴下の臭い・・・嗅いでもらうだけなのに・・・)
玄「・・・」
玄(でも・・・もしお姉ちゃんに拒絶されちゃったらどうしよう・・・)
宥『おえ・・・く、玄ちゃんのニーソくっさぁ!!!』
玄(・・・な、なんて言われたりしたら私・・・っ)
ガチャ
宥「玄ちゃ~ん・・・おまたせ」ニコリ
玄「お、お姉ちゃん・・・やっぱり来たんだ・・・」
宥「こないわけないよ・・・玄ちゃんのニーソが嗅げる絶好の機会なのに」
玄「・・・///」
宥「? どうしたの玄ちゃん」
玄「そ、そのっ・・・やっぱり嗅ぐの・・・? お姉ちゃん・・・」
宥「あったりまえだよ~。そのためにお母さんたちが寝るまでずっと我慢してたんだから~」
玄「・・・ううっ・・・」
宥「どうしたの玄ちゃん・・・?」
玄「わ、私・・・お姉ちゃんに嫌われないかどうか・・・不安で・・・」
宥「・・・」
宥「大丈夫だよ~。玄ちゃんみたいなかわいい子のニーソが、臭いわけないじゃない」
玄「・・・お、お姉ちゃん・・・」
宥「ほら・・・大丈夫だから、ね? ・・・早くお姉ちゃんに玄ちゃんのムレムレ変態ニーソの臭い嗅がせて?」
玄「へ、変態って・・・まぁいいや・・・」ヌギヌギ
玄「・・・はい、お姉ちゃん・・・これ」スッ
宥「・・・え、なにこれ玄ちゃん」
玄「えっ・・・だから私のニーソだよ・・・?」
宥「・・・玄ちゃん・・・わかってないなぁ・・・」
玄「・・・え、えっ?」
宥「せっかく本人がいるのに、わざわざ脱いだものを嗅ぐ人がどこにいるっていうの~」
玄「お、お姉ちゃん・・・それって・・・」
宥「ほら・・・早くもう一度履いて? 玄ちゃん」
宥「玄ちゃんのムレムレ変態びしょびしょ純情ビッチニーソの臭い・・・直に嗅いであげるから・・・」
玄「えっ・・・でも恥ずかしいよ、お姉ちゃん・・・」
宥「・・・」
玄「・・・お、お姉ちゃん?」
宥「早くベットに腰掛けなさい・・・お姉ちゃんの命令よ」キリッ
玄(い、いつもの温厚なお姉ちゃんじゃない・・・)
玄「・・・は、はい・・・」
ギギッ
宥「足こっちに寄こして・・・」
玄「・・・はい・・・」
宥「・・・」
宥「ふふっ・・・ほんとにびしょびしょに濡れちゃってるね・・・玄ちゃんのここ」クニクニ
玄「・・・んっ・・・///」
宥「待ってて・・・今お姉ちゃんが玄ちゃんの初めて・・・奪ってあげるから・・・」
宥「・・・じゃあ、嗅ぐよ・・・?」
玄「・・・う、うん・・・///」
宥「・・・」スン
玄「・・・ど、どう・・・お姉ちゃん・・・?」
宥(こっ・・・これは・・・!!)
宥「・・・」スンスン
宥「・・・っ///」
玄「お、お姉ちゃん・・・?」
宥「ふふっ・・・玄ちゃんのえっちでムンムンな臭いがプンプンする・・・」
玄「・・・え、えっち・・・?」
宥「そうだよ・・・玄ちゃんはお姉ちゃんに足の臭いをかがれて興奮する変態さんだよ」
玄「そっ・・・そんなこと・・・」
宥「・・・」フゴフゴ
玄「あっ・・・///」
宥「やっぱり・・・玄ちゃんはエロエロだね・・・」
玄「ちっ・・・違うってば・・・お姉ちゃんが・・・あんっ・・・///」
宥「くすくす・・・安心して玄ちゃん・・・」
宥「玄ちゃんの足の臭い・・・お姉ちゃんの大好物になっちゃったから・・・///」
玄「・・・っ///」
宥「・・・じゃあ、次は指の間をくぱぁって開いてごらん・・・」
玄「・・・こ、こう・・・?」
宥「そうそう・・・玄ちゃんのここはどんな匂いがするのかなァ・・・」
宥「・・・ほら、玄ちゃん・・・お姉ちゃんにお願いしないと」
玄「お、お願い・・・?」
宥「そうだよ・・・お姉ちゃんに『私のえっちな足指の隙間を犯してください』って」
玄「そ、そんな恥ずかしいこと言えないよぉ・・・」
宥「言わなきゃお姉ちゃん、もう帰っちゃうよ・・・?」
玄「うっ・・・ううっ・・・」
宥「ほら、ほんとはもっと嗅いでほしいんだよね? ド変態さんだもんね? 玄ちゃんは」
玄「お、お姉ちゃぁん・・・い、いじめないでよぉ・・・」
宥「いじめてなんかないよォ・・・これは教育だよ玄ちゃん」
玄「・・・き、教育・・・?」
宥「お姉ちゃんがかわいい妹のために色々なことを優しく教えてあげるのは当然だけど―――」
宥「それでも言うこと聞かないイケない子には、ときにはこうやって厳しくすることも必要なんだよ・・・玄ちゃん」
玄「・・・うっ・・・」
宥「ほら・・・お願いは?」
玄「・・・ううっ・・・わ、私の・・・」
宥「うん、玄ちゃんの・・・なに?」
玄「わ、私のえっちで変態な・・・」
宥「ふふっ・・・そうだよ、玄ちゃんはえっちでド変態な淫乱ビッチだよ」
玄「・・・ううっ・・・わ、私のえっちで淫乱でド変態なこの足指の隙間を・・・」
宥「そうそう・・・いい感じだよ・・・玄ちゃん」
玄「―――お、お姉ちゃんに無理やり犯されたいです・・・っ!!」
宥「・・・ふふふ、よくできました玄ちゃん」パチパチ
玄「・・・ううっ・・・お、お姉ちゃん早く・・・」
宥「玄ちゃんはほんとに我慢できない子だね・・・いいよ、玄ちゃんが嫌っていうまで嗅ぎ犯してあげる・・・///」
宥「・・・」スンスンスン
玄「・・・ぁ///」
宥「・・・」フゴフゴフゴ
玄「んぁ・・・そんな・・・鼻押しつけて嗅がないで・・・っ///」
宥「・・・んっ・・・嫌だよっ、やめないよっ!!」フンガフンガフンガ
玄「いやぁ・・・あんっ・・・お、お姉ちゃんっ・・・///」
宥「・・ふふっ、かわいい・・・ペロペロしちゃお・・・」ジュルリ ペロペロ
玄「あっ・・・そ、そんなに舐めたら汚いよぉ・・・」
宥「・・・ぁあ・・・玄ちゃんっ・・・!」ハムハム
玄「・・・んぁ・・・やだ・・・やめっ・・・て・・・
宥「・・・玄ちゃん・・・玄ちゃんっ・・・!!!」ハムハムッ
玄「らめぇ・・・ハムハムしちゃらめぇえええええええええッ!!!」
玄「―――・・・」
宥「ハァ・・・ハァ・・・」
玄「・・・っ!」ピクッ
玄「あ、あれぇ・・・私、どうして・・・」
宥「ハァ・・・あはっ・・・玄ちゃんおはよう・・・」
玄「お、お姉ちゃん・・・」
宥「ふふっ・・・玄ちゃんのニーソ、しゃぶりつくしちゃった・・・///」
玄「・・・あっ・・・///」
宥「今度また嗅がせてね・・・玄ちゃんの変態ニーソの匂い・・・///」
玄「うん・・・いつでもいいよ、お姉ちゃんなら・・・///」
こうして松実姉妹の長い長い夜は続いていく―――
第二部・完
少し休憩です。またきます
新子邸
憧「はぁ・・・ただいま」
望「あらおかえり憧」
憧「・・・ん・・・あぁ、お姉ちゃん帰ってたんだ」
望「うん、今日はほとんど何もすることがなくてね。早帰りできたの」
憧「ふーん」
望「なんか元気ないわね」
憧「・・・ちょっと具合悪くてさ、部活も早退してきた」
望「あら、大丈夫なの?」
憧「うん・・・風邪じゃないし、横になってればたぶん治ると思う」
望「そう。じゃあ早く着替えて休んできなさい。夕食の時間になったら起こすから」
憧「うん、さんきゅ・・・」
憧「・・・」
憧「あ、あのさ・・・お姉ちゃん・・・っ」
望「ん、なに?」
憧「わ、私って・・・さ・・・」
憧「小さい頃とか、その・・・足臭かったりした・・・?」
望「え、なに突然・・・」
憧「う、ううん! や、やっぱ何でもない! 寝てくる!」ダダッ
望「? 変な子ね」
憧部屋
憧「はぁ・・・私ったらなにわけわかんないこと聞いてるんだろ・・・」
憧「・・・」
憧「でも、女の子としてはさ・・・やっぱり足が臭うとか絶対許せないもん・・・」
憧「・・・すぅ・・・はぁ・・・えいっ」クンカクンカ
憧「うごぇ! げほっ、げほっ!!」
憧「・・・」
憧「あぁ・・・もうなんか泣きたい・・・」
憧「先にお風呂入ってきた方がいいかも・・・気になっちゃうし」
憧「特に足は念入りに洗わないとね・・・」ガチャ
憧「ふぅ・・・やっぱお風呂気持ちいい」
望「あぁ、あんたお風呂入ってたのね」
憧「え・・・あ、うん・・・なんか気分さっぱりしたくてさ」
望「・・・」
憧「ど、どうしたの、お姉ちゃん?」
望「憧、あんたもしかして・・・足の臭い気にしてんでしょ?」
憧「・・・っ!?」ギクッ
憧「な、なななななななんで・・・っ」
望「あぁその反応で確信したわ。やっぱり気にしてたんだ」
憧「そ、そそそそっそそそそそんなことないわよっ!!」
望「まぁ今更隠し事なんてしなさんな。姉妹でしょうが」
憧「うっ・・・うぅ・・・」ショボン
望「―――なるほどなるほど」
憧(とりあえず穏乃変態行為に関しては伏せて、大まかに事の経緯を説明したわ・・・)
望「んじゃ、とりあえずその臭いってやつを嗅がせてよ」
憧「イヤに決まってんでしょ」
望「うそよ、じょーだん冗談。あたしだって嗅ぎたくないわよ」
憧「・・・」
望「まぁ女の子ってどうしても足蒸れやすいからねぇ・・・」
望「あんたはまだいい方よ。社会人になってパンストとかブーツ履きだしたらもっと悲惨」
憧「まさかお姉ちゃんも悩んでたりするの・・・?」
望「そりゃ仕事上足袋は必須だからね・・・あれもけっこう蒸れんのよ」
憧「・・・そっか」
望「でも何も対策してないわけじゃないのよ?」
憧「た、対策なんてあるのっ!?」
望「まぁね。ためしに私の足袋でも嗅いでみる?」
憧「・・・う、うん」
望「・・・えっと・・・おお、あったあった」ガサゴソ
望「これが今日一日私が履いてた足袋。ちょっと嗅いでみなさい」
憧「・・・」スンスン
憧「・・・うーん」
望「・・・なによその微妙な反応は」
憧「まぁ私のよりは全然マシだってことだけは言えるわ」
望「あんたどんだけ臭いのよ・・・」
憧「い、いいでしょ!? さ、さっさと教えてよその対策ってやつ!」
望「まぁまず基本はいつでも足を清潔にしておくってことね」
憧「別に不潔にしてるつもりはないけど・・・」
望「普通じゃだめなのよ。たぶんあんたは遺伝だか何だか知らないけど、他の人よりも臭いやすい体質だと思うの」
憧「それってけっこうひどい言い草よね・・・」
望「拗ねないの。私だってあんたと姉妹なのにこんだけしか臭わないのよ?」
望「ってことは対策次第ではここまで抑えられるってことよ」
憧「・・・うん」
望「まぁまずはお風呂でちゃんと足の指の隙間まで念入りに洗うことね」
望「今あんたお風呂入ってきたんでしょ? ちゃんと洗った?」
憧「うん、さっきはね・・・でも今まではそこまで気にしてなかったから、かなり適当だったかも・・・」
望「そう。じゃまずそこを改善」
憧「・・・うん」
望「あと言っておくとね。足の臭いって汗の臭いじゃないのよ」
憧「え、じゃあなんなの?」
望「汗は基本無臭なの。けど、そこに雑菌が繁殖して汗と混じり合うと異臭を発するようになるわけ」
憧「へぇ・・・」
望「それで、この時期は特に足が蒸れやすいじゃない?」
望「だからこそ、家の中だけじゃなく外でもちゃんとしたケアが必要なのよ」
憧「外って・・・どこでやればいいの?」
望「トイレの個室でもどこでもいいわよ」
望「市販品で足拭きシートみたいなの売ってるから、まずそれ買ってきなさい」
望「あとはそうねぇ・・・あんたは制服だし無理かもしれないけど、ソックスを絹製にすると通気性がよくなって臭いにくくなるわ」
望「まぁとりあえず、足を常に清潔にして、なるべく蒸らしたままの状態を維持させないことが重要ね」
憧ちゃんに姉がいたのをこのSSで知ったわ
しかしお姉さんの足臭知識が正しくてワロタ
憧「瞬間的に臭いを消せるものってないの・・・?」
望「消臭スプレーとかあるにはあるけど、根本的な解決にはならないからおすすめはしないわ」
望「まぁまずは今さっき私が言った通りのこと、実践してみなさい」
憧「・・・うん、お姉ちゃんありがとう」
望「いいのよ。まさかあんたが足の臭いで相談もちかけてくるとは思いもしなかったけどw」
憧「う、うるさいなぁ・・・」
望「ま、がんばんなさい」
憧「・・・」
憧(よ、よしっ・・・がんばるぞ)
次の日
憧「・・・」
憧(あの後、急いでウ○ルシアとし○むら行ってきて、足拭きシートと、絹製の靴下買ってきた―――)
憧(んで今日の昼休みは、ちゃんと足全体をシートで拭きとって清潔にしといた―――)
憧「そして今、私は再びトイレの個室にいる―――」
憧(あれだけやったんだから、大丈夫なはず・・・)
憧「・・・」
憧「いくぞ、私・・・っ」スンスン
憧「あれ・・・臭い・・・とれてる・・・?」
憧「うそ・・・やった・・・ついにやったぞ・・・」
憧「やっほおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「っ!?」「ちょ、なに今の!?」「変人!?」
憧(あ、いけね・・・感激のあまりうっかり声あげちゃった・・・///)
憧(でも、これでやっと足の臭いの悩みから解放されるぞ・・・っ)
憧(早くシズに報告しないとなぁ!!)ワクワク
部室
憧「おーっすみんなぁ! 麻雀打ってるー!?」
憧「ってあれ、今日は私が一番のりか。ちぇ、つまんないの」
憧「てかシズはたしか私よりも先に教室を出て行ったわよね・・・?」
憧「てっきり先に部室行ったものだと思ってたけど・・・」
憧「―――うーん、みんな早く来ないかな・・・」
---------------------
カァーカァー
憧「・・・」
憧(結局誰ひとりこなかった・・・)
憧(みんな用事でもあったのかな・・・)
憧(・・・帰ろう)トボトボ
憧(せっかくみんなに自慢できると思ったのになァ・・・)
憧(シズもあんな臭い靴下なんかよりも、今の方がきっと喜んでくれると思うし)
憧(あのシズの無邪気な笑顔・・・また見たいな・・・なーんて///)
憧(・・・うーん、考えれば考えるほどシズに会いたくなってきたわ・・・っ)
憧(よしっ、今からシズん家に乗り込もう! シズのやつきっと驚くぞ~・・・ふふっ)
---------------------
ピーンポーン
憧「ごめんくださーい」
憧「・・・」
ドタバタッ
憧「・・・?」
憧(シズのやつまたドジしてんのかな・・・)
憧(階段から転げ落ちたりしてないといいけど・・・)
ガチャ
穏乃「あっ、すみません・・・お待たせしましたっ」
憧「よっ、シズ」
穏乃「あ、憧・・・!? ど、どうしたのさ急に・・・?」
憧「いや、シズ今日部活来なかったでしょ? だから心配になってさ、様子見に来たの」
穏乃「へぇ・・・そっか、あははっ・・・憧には悪いことしたね」
憧「別にいいのよ。それよりもさ、シズ聞いてっ! 私、足の臭いなくなったのよ!?」
穏乃「へ? あ、足の臭い・・・?」
憧「うん、昨日自分の足の臭さにあまりにもショックを受けちゃってさぁ・・・w」
憧「あれからお姉ちゃんにアドバイスしてもらって色々試したら、今全っ然臭わなくてさぁ! すごくない!?」
穏乃「へ、へぇ・・・それはすごいね」
憧「・・・? シズ、さっきからどうしたの?」
穏乃「ど、どうしたって・・・なにが?」
憧「いやなんか挙動不審だし・・・」
穏乃「そ、そんなことないよ・・・っ」
憧「ほんと・・・?」
穏乃「ほ、ほんとほんと・・・」
憧「・・・」
穏乃「・・・あはは」
憧「じゃあ、その背中に隠してるのはなに?」
穏乃「・・・っ!?」
憧「ちょっと見して」
穏乃「い、いやこれは・・・っ!!」
憧「別にいいじゃない・・・貸しなさいよっ!」ガシッ
穏乃「あっ・・・」
憧「これ・・・靴下・・・?」
穏乃「え・・・あ、うん・・・」
憧「・・・私のじゃないわよね・・・誰の?」
穏乃「え・・・えっと、お、お母さんのだよ・・・」
憧「・・・嘘でしょ」
穏乃「・・・っ!」
憧「まさかシズ・・・浮気してたの?」
穏乃「う、浮気って・・・べ、別に私と憧、付き合ってるとかそんなんじゃ・・・」
憧「でも、昨日はあんなに私の靴下の臭い好きだって言ったじゃない・・・っ!!」
穏乃「・・・」
憧「ねぇ、なんでよシズ!? 私の靴下じゃやっぱり物足りなかった!?」
穏乃「・・・」
穏乃「・・・」
憧「なんで黙ってるのよシズ・・・」
憧「・・・あっ、そうだ! 私の新しい靴下の臭い嗅いでみてよっ!」
穏乃「え・・・」
憧「これ嗅げばきっとそんな誰のとも知れない靴下なんか気にならなくなるはず・・・っ!!」ヌギヌギ
憧「ほら、嗅いでみて・・・!!?」
穏乃「・・・」
憧「ほら早くっ!!」
穏乃「・・・」スンスン
憧「・・・ど、どう?」
穏乃「うぉえ・・・」
憧「・・・え?」
穏乃「あ、憧・・・これほんとに憧の靴下なの・・・?」
憧「ええそうよ、だって今さっき目の前で脱いで見せたじゃないっ」
穏乃「こんなの・・・こんなの、靴下の臭いなんかじゃないよ・・・」
憧「え・・・」
穏乃「これじゃまるで腐ったドブネズミの腐乱臭だよ・・・っ!!」
憧「・・・ッ!?」
穏乃「憧には幻滅したよ・・・やっぱり見切りをつけといて正解だったかもね・・・」
憧「・・・そ、そんな・・・シズ・・・」
穏乃「もういいでしょ・・・帰ってよ」
憧「シズ・・・っ!!」
穏乃「帰ってって言ってんでしょ・・・っ!!」
バタンッ
憧「・・・そ、そんな・・・」
「ふふっ・・・」
憧「だ、誰・・・っ!?」
「・・・」
憧「あ、あんたは・・・」
1で
じゃあ1でいくっす
―――時は遡り・・・昨日
---------------------
穏乃「いやァ・・・さっきの灼先輩の顔おもしろかったー」
穏乃「ん? あれこれって・・・白いソックス?」
穏乃「なんで一足だけ・・・」
穏乃「・・・」
穏乃(そ、そういえば今日は玄先輩に取り上げられちゃって憧の靴下がないんだよね・・・)
穏乃「・・・」ゴクリ
穏乃「こ、これは浮気じゃないんだからね・・・」スンスン
穏乃「・・・ッ!!?」ビビバビブベボッ
「あの~すみませ~ん!」
穏乃「・・・ッ!?」ビクッ
「・・・ハァ、ハァ・・・あの、こちらで私の靴下を見かけませんでしたか?」
穏乃「えっと・・・これ・・・ですか?」
「あ、それです! ありがとうございますっ・・・って、あれ・・・」
穏乃「あ・・・」
穏乃「・・・の、和・・・?」
和「し・・・シズ・・・?」
穏乃「な、なんでここに・・・」
和「や、やっと会えた・・・っ!! シズっ!!」ダキッ
穏乃「あっ・・・ちょ、和っ・・・///」
和「よかった、ほんとによかった・・・」
穏乃(・・・む、胸が・・・当たってる・・・///)
和「ふぅ・・・元気でしたか? シズ」
穏乃「う、うん・・・まぁね。和は?」
和「私は・・・ちょっと元気じゃなかったです」
穏乃「そうなの・・・?」
和「だって・・・シズに会えなかったから・・・///」
穏乃「え・・・」
穏乃「の、和・・・」
和「・・・長野に行ってからも、私ずっとシズのこと考えていました」
和「周りはオカルトチックな雀士ばかりで・・・ちっとも馴染めなかったんです」
和「だから我慢できずに、ついに今日新幹線で来ちゃいました・・・///」
穏乃「和・・・そんなに私のこと思って・・・」
和「シズ・・・覚えてますか? 私たちがまだ小学生だった時にこの河原で何してたか・・・」
穏乃「ま、まさか和も覚えてた・・・の・・・?」
和「はいっ・・・もちろんですよ///」
穏乃「靴下の嗅ぎ合い・・・だよね」
和「ええ・・・懐かしいです」
原村さんって穏乃のことシズ呼びじゃなかったっけか
穏乃だった気がする
穏乃「じ、実はさ・・・さっきこの白ソックス・・・和のとは知らずについ嗅いじゃったんだ・・・」
和「ほ、本当ですか・・・? そ、それで感想は・・・」
穏乃「すっごい・・・すっごいよかったよっ!! この世のものとは思えないほどの、なんていうか神聖な香りだった!!」
和「穏乃・・・私、嬉しいです///」
穏乃「わ、私もだよ・・・和///」
和「じゃあまた昔みたいに・・・」
穏乃「あ・・・の、和・・・」
和「・・・?」
穏乃「わ、悪いんだけど・・・それはできない・・・」
和「え・・・」
穏乃「もう私、この人しかいないってパートナー・・・見つけちゃってるんだ・・・」
和「え、だ、誰ですか!? それは・・・」
穏乃「・・・憧だよ」
和「・・・っ!?」
>>124-125
さんきゅ
和「あ・・・憧・・・」
和「・・・」ギリッ
穏乃「・・・だから、ごめんね・・・」
和「・・・」
穏乃「和と会えたのは本当にうれしいよ・・・でも私、憧を裏切れない・・・」
和「穏乃・・・」
穏乃「それじゃ・・・またね・・・」スタスタ
和「・・・穏乃っ!!」ダキッ
穏乃「・・・っ!? の、和!?」
和「穏乃・・・私じゃ・・・不服ですか・・・?」
穏乃(の、和・・・背中に胸当たってるよ胸っ!!)
和「・・・どうなんですか?」
穏乃「そ、それは・・・そういう問題じゃなくて・・・」
和「じゃあどういう問題なんですか!?」
穏乃「・・・私は・・・私は憧を、裏切れないよ」
和「・・・」
和「穏乃は薄情ですね・・・一時でも距離が離れただけで、私のことは全て忘れてさようならですか・・・」
和「転校した後も、私が穏乃のことをどれだけ思っていたか・・・」
穏乃「・・・っ」
和「・・・シズ・・・わかりました。あなたがその気なら・・・」
穏乃「・・・の、和?」
和「実力行使で奪い去るだけです・・・っ!!」バッ
穏乃「・・・もがっ!! もっ、ももヴぁ!!」
和「さぁ味わってください・・・私のソックスの香りを・・・とくとっ!!」
和「ほらっ・・・ほらっ・・・」グイグイッ
穏乃「の、ど・・・か・・・っ」
穏乃(やばい・・・和の香りに脳みそが犯される・・・っ!!)
和「ほんとは私の方がいいんでしょう・・・? 穏乃・・・」グイグイッ
穏乃「そ、んな・・・私は・・・憧が・・・」
和「ふふっ・・・いくら強がったって無駄ですよ・・・」
和「・・・穏乃は昔も今も変わらず、私のソックスしか愛せないんですっ!!」
穏乃「・・・っ!」
和「ほらほらほらっ!! 私を愛してっ!! 私だけを・・・っ!!」
穏乃(やばい・・・も、もう限界だ・・・)
穏乃(ご、ごめん・・・憧・・・私・・・)
穏乃「」ガクリッ
和「・・・ふふっ・・・」
時は戻り、現在―――
---------------------
和「そして一晩中私の臭いをかがされた穏乃は・・・もうすでに私の虜となってしまいました・・・」
憧「あんた・・・外道がっ!!」
和「ははっ・・・なんとでも言ってください。負け犬さん♪」
憧「穏乃の体も心も穢して・・・あんただけは絶対許せないっ!!」
和「・・・は? 穢した? 逆でしょうが・・・」
和「―――あなたに穢されていた穏乃を、私が清めてあげたんですよっ!!」
憧「う、うるさい!!」
和「ふふっ・・・まぁあなたがなんと吠えたてようと、穏乃の心はもう元には戻りませんよ」
和「さぁ・・・さっさと帰ってくださいこの腐れビッチがっ!!」
ちょい休憩。30分に戻ってきます
ラストスパートです
憧「和と遊ぶんだ!」
↓
憧「あんただけは絶対許せないっ!!」
どうして・・・(´;ω;`)
---------------------
憧「くそっ・・・くそっ・・・!!」ダンッ
憧「和のやつ・・・許せないっ・・・」
憧「でも・・・シズはさっき・・・」
穏乃『憧には幻滅したよ・・・やっぱり見切りをつけといて正解だったかもね・・・』
憧「あれはシズの本心だったのかな・・・だとしたら私は・・・」ポロポロ
「なにを弱気になっているんだ、憧」
憧「・・・え? あ・・・晴絵・・・」
伝説(どやっ
灼「そうだよ・・・シズの心を取り戻せるのは、憧しかいない」
玄「憧ちゃんならきっとできるよっ」
宥「私たち信じてるよ~」
憧「み、みんな・・・」
話がこじれる予感しかしねえw
憧(そうだよ・・・シズは私の靴下の臭いを好きと言ってくれた・・・)
憧(それに・・・シズを想う私の気持ちって、こんなことで崩れちゃうほど弱かったのか・・・?)
憧(いいや違う・・・この想いだけは誰にも負けない・・・負けたくなんかないっ!!)
伝説「いい目だ・・・」
灼「憧、あんたは自分がどうするべきなのか・・・もう知ってるはずだよ」
憧「・・・うんっ」
玄「行けっ、憧ちゃん!!」
宥「ファイトだよ~」
憧「みんな、ありがとう・・・っ!!」ダダッ
憧(私は・・・私はこの足の臭さが嫌いだった・・・っ!!)
憧(けどっ、シズを失うのはもっと嫌だっ・・・!! それに・・・)
憧(・・・シズが好きになってくれた私は・・・あの足の臭かったころの私じゃないか・・・っ!!)
憧(いくぞ・・・私っ!!)
憧(決戦は・・・明日だっ!!)
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翌日・教室
憧「・・・シズ」
穏乃「・・・なに・・・もう話しかけてこないで」
憧「・・・っ」
憧「・・・シズ、今日の放課後・・・和を連れて部室に来て」
穏乃「・・・なんで」
憧「大事な話があるから・・・絶対だよ?」
穏乃「・・・」
憧「・・・」
放課後・部室
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和「ねぇ穏乃・・・なんで私がこんなところに・・・」
穏乃「ごめん和・・・でも、これもけじめなんだ」
和「・・・」
穏乃「たぶん憧は・・・今日和に決闘を申し込んでくる」
和「・・・」
穏乃「でもそこで、憧が和に打ちのめされれば・・・」
穏乃「・・・っ」
穏乃「も、もう二度と私たちの前に現れてくることもない、はず―――」
和「・・・なるほど、さすが穏乃ですね。そうとわかったら―――」
和「私も、本気で相手をしなければなりません」ヌギヌギ
ガチャ
憧「・・・シズ」
和「・・・ふふっ・・・来ましたね、負け犬ビッチ」
憧「・・・」
和「さぁ・・・始めるんでしょう? 私はもう準備できてますよ」
憧「・・・シズ」
穏乃「・・・」
憧「私、あんたを絶対に連れ戻すから―――」
穏乃「・・・っ」
和「戯言ですね・・・ほら、シズ。まずは私のソックスの臭いを嗅いでください」スッ
穏乃「・・・」スンスン
穏乃「・・・っ!!」ビビビビビッ!!!
憧「・・・っ!?」
穏乃「・・・くっ・・・うぅ・・・///」
憧(あ、あんな恍惚としたシズの表情・・・初めて見た・・・)
和「ふふっ、どうですか穏乃・・・? 私のソックスの香りは・・・」
穏乃()
穏乃「す、すごい・・・っ!! さすが和だ・・・///」
憧「・・・っ」
和「ふふっ・・・そうでしょう?」
和「ほら、穏乃もこう言っていることですし・・・もう諦めたらどうですか? 憧ビッチさん」
穏乃「・・・」
穏乃(・・・そうだよ、憧・・・もう諦めて・・・)
穏乃(私なんて・・・和の誘惑に屈して、君を見捨てたひどい奴でしょ・・・?)
穏乃(そんな奴のために、こんな頑張ることないって・・・)
穏乃(もうやめてよ・・・憧・・・)
憧「・・・」ヌギヌギ
和「・・・あら、続けるんですね。ほんと愚かな人です・・・」
憧「・・・」
憧「・・・シズ、さぁ嗅いで・・・これが私の全力投球よ・・・っ!!」
穏乃「・・・」スンスン
穏乃「」
和「・・・」ゴクリ
憧「シズ・・・どう?」
穏乃「・・・」プルプル
憧「・・・シズ・・・?」
和「し、穏乃・・・? まさか・・・」
憧「・・・泣いてる?」
穏乃「・・・っく・・・えっぐ・・・」ポロポロ
和「・・・し、穏乃!? ど、どうしたんですか・・・!?」
穏乃「・・・っ、和・・・ごめん・・・」
和「え・・・? それってどういう・・・」
穏乃「私、これまで・・・靴下を匂いの良し悪しだけで判断してた・・・」
穏乃「でも今、二人の靴下を同時に嗅いでわかったんだ・・・」
穏乃「靴下って・・・結局は、好きな人の香りが一番鼻に“くる”んだなって・・」
穏乃「匂いが良いか悪いかじゃない・・・人と人との相性の問題だったんだ・・・」
穏乃「二人の靴下は客観的に嗅いだら五分五分で、どっちも素晴らしい匂いだったと思う・・・」
穏乃「でも・・・やっぱり心の底から私が本気で“好き”って言えるのは―――憧のしかないって、そう思った」
憧「・・・し、シズっ」ポロッ
穏乃「私・・・ぶれまくってるよね・・・最低だよね・・・こんなに二人の心をもてあそんで・・・」
穏乃「でも、私・・・やっぱり憧の靴下が好きなんだ・・・っ」
穏乃「だから、和・・・ごめん・・・こんな最低な私を許してほしい・・・」
和「・・・」
和「・・・わかりました」
穏乃「・・・の、和・・・」
憧「・・・」
和「ごめんなさい、憧・・・今までひどいこと言って」
和「私、羨ましかった・・・あなたとシズ、傍目から見ても明らかに相性のよさそうな二人が・・・」
和「だから奪い取ってやりたいと思った・・・私も穏乃ことが本当に好きだったから―――」
和「でも・・・やっぱり両想いのパワーには敵わないってことですね・・・はは」
憧「・・・和・・・」
和「憧、シズをよろしくお願いします」
憧「・・・うん、任せて。私、ぜったいシズを幸せにするっ! 悲しませたりしないっ!」
和「・・・ありがとう。それからシズ―――」
和「今までのこと・・・ほんとにごめんなさい」ぺこり
穏乃「・・・和・・・ううん、こっちこそ本当に・・・」
和「最後にお願い・・・聞いてもらってもいいですか?」
穏乃「・・・なに?」
和「穏乃の靴下の臭い・・・嗅がせてほしいんです」
穏乃「・・・憧・・・?」
憧「・・・もちろんよっ、ほら、嗅がせてあげてっ」
穏乃「・・・う、うん・・・」ヌギヌギ
穏乃「・・・はい、和」スッ
和「・・・」
和「・・・」スンスン
和「・・・っ・・・っく・・・」ポロポロ
穏乃「の、和・・・大丈夫!?」
和「・・・えっぐ・・・だ、大丈夫です・・・っ」
憧「・・・ほ、ほんとに?」
和「え、ええ・・・ただ・・・き、気づいてしまったんです・・・わたし・・・」
穏乃「・・・」
和「し、穏乃のこと・・・本当に好きだったんだなって・・・っ」ニコッ
穏乃「の・・・和・・・」
和「今までご迷惑おかけしました。私、長野に帰ります」
穏乃「・・・」
和「お見送りはけっこうです。私、向こうでもがんばります。願わくば、自分のパートナーも見つけて見せますっ」
和「・・・二人とも、お元気で―――」
憧「うん・・・」
穏乃「和・・・さようなら・・・元気で・・・」
ガチャリ
靴下はいているのか
それからしばらくして手紙が来た。和はとても元気そうだった―――
向こうの麻雀部にもだいぶ慣れてきたようで、ちょっと気になる人も見つけたそうだ―――
そして私たちは―――
憧「・・・シズ・・・どう?」
穏乃「やっぱり憧の靴下は最高だよっ!!」パァアア
憧「そう、よかったっ!」
穏乃「~~~~♪」クンカクンカ
憧「・・・ふふっ」
憧「―――それでさ、シズ・・・私、あんたに頼みがあるんだけど」
穏乃「・・・? なに?」
憧「あの・・・えーっと・・・その、さ・・・///」
穏乃「・・・?」
憧「あ、ああああんたの靴下の匂い・・・私にも嗅がせてよ・・・///」
穏乃「・・・」
憧「・・・ダメ?」
穏乃「・・・っ」パァアア
穏乃「もっちろん!! おっけーだよ!!」
おわり
>>177-178
あのくるぶしがむき出しの小さい靴下履いてるもんだと思ってた
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