ニノマエ「お前のSPECは一体何なんだ・・?」 安藤「自分の頭で考えろ。」 (89)

こんばんは。

1.このSSは、魔王-JUVENILE REMIX-と、SPEC-警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿-
  とのクロスSSです。

2.SPEC零のストーリーを基に改変を行っています。

3.魔王JRでの決起集会から19年後の設定になっています。

4.ナンシーのピュア度が上昇しています。


何か意見があれば、教えて頂けると幸いです。それでは、よろしくお願いします。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1385992359


7年前

ウーメラ砂漠上空、飛行機内にて・・・

「あ・・・あああ・・・」

「パパ・・・ママ・・・駄目だ・・・燃えないで・・・」

「止まれ・・・止まれ・・・」

「止まれ!! 止まれ!! 止まってよ!!!」

「うあああああああああぁあああああああ!!!!」



パチン


---


とある河原にて・・・

子猫「にゃーん。」

当麻「・・・飲みなっせ、たーんと飲みなっせ。
   あんたにミルクをあげてた人はもう来ないんだから・・・」

安藤「・・・当麻紗綾さんですか?」

当麻「誰、あんた?」

安藤「刑事の安藤といいます。」

当麻「だから何? あたし今、すげぇ気分悪いんだけど!」

安藤「あなたのお父さん、お母さん、陽太君は・・・殺された可能性が高いです。」

当麻「殺・・された?・・・誰に!!」

安藤「SPECを持つ者達にです。」


現在


中部日本餃子のCBC、店内にて・・・

ナンシー「にしても、あんたらしくもない。油断したね、当麻。」

安藤「当麻、この方は?」

当麻「あたしのFBI時代の友達っすよ。ナンシーです。」

ナンシー「初めまして、ナンシー大関です。」

安藤「初めまして。当麻と同じ部署の上司で、安藤といいます。
   先程は助けて頂き、ありがとうございました。ナンシー大関さんは日本語がしゃべれるんですね。」

ナンシー「ええ、こう見えても日系4世なんです。名前言いにくいんで、ナンシーで良いですよ。」


当麻「というかナンシー、何であんな場所にいて、私達を助けてくれたの?
   日本に観光に来てて偶然って訳でもないんだろ?」

ナンシー「私は、あんたを救いにきたんだよ。
     あんたがニノマエって奴に狙われるって予知夢をケイトが見たって言うからさ。」

当麻「ニノマエ?」

ナンシー「石油系メジャーのディアブロが抱えている、SPECホルダーの少年らしい。」

当麻「さっきタクシーで殺されかけたのも、そのニノマエの仕業って訳か!
   それで、ニノマエはどんなSPECを持ってやがるのさ?」

ナンシー「・・・時を止めるSPEC。」

当麻「何それ、ずるっ。無敵じゃん!」

安藤「(・・・)」

ナンシー「理由は分からないけど、ニノマエはあんたを[ピーーー]つもりで狙ってる。気を付けな。」

当麻「むぅー。せめて時を止めるSPECの仕組みとか、発動条件が分かればなー。」

ナンシー「分からない。とにかく一瞬で相手を殺して去っていく奴らしくて、ろくに目撃情報がない。
     神か魔王か、それとも化け物か。なんにしてもヤバい奴さ。もしかしたら、今この時も狙われてるかもしれない。」

当麻「何とかするよ・・・、あたしはこれでも刑事だからね、相手がいくら強くても逃げるわけにはいかない。」

ナンシー「当麻・・・」

当麻「うーん。なんかちょっと暗い空気になっちゃったな。そうだ、安藤さん。何か面白い事言ってくださいよ!」

安藤「いきなりすごい無茶ぶりがきたな! ・・・面白い事・・・うーん。」


安藤「あっ。そういえば、アメリカ在住の方に聞いてみたいことがあったんですけど・・・」

ナンシー「ん? なんですか?」

安藤「ごきぶりってアメリカでも嫌われてるんですか?」

当麻「安藤さん・・・ないわー。食事中かつ女の前でその話題のチョイスはないわー。だから安藤さん、顔の割にモテないんすよ。」

安藤「・・・悪い。俺も言った瞬間、ないと思った。」

当麻「そんなんだから行き遅れるんですって。安藤さんもう36でしょ。弟さんはもうとっくに結婚してるのに。」

安藤「・・・悪かったな、行き遅れてて。・・・ん?男が行き遅れるって、表現がおかしくないか?」


当麻「いやなんか安藤さん、たまに女っぽく見える時があるんすよ。」

安藤「なんだそれ・・・。 あ、すみません、ナンシーさん。ごきぶりのことなんて聞いてしまって・・・ 」

ナンシー「あはははっ。安藤さんって、面白いですね。 えーと、ごきぶりはアメリカでも嫌われてますよ。」

当麻「安藤さん、あの生き物が嫌われてるのは世界共通に決まってるじゃないですか。」

安藤「いや、俺もそう思うんだが、弟が以前言ってたんだよ。ごきぶりが嫌われてるのはあの名前のせいじゃないかって。
   ごきと来てぶりと濁音が続くからおぞましい。英語だとコックローチってかわいい響きになるから嫌われにくいんじゃないかってな。」

当麻「な訳ないでしょ。ごきぶりだろうが、コックローチだろうが、あの生き物は嫌われてますよ。」


すみません。言い忘れてました。

安藤が決起集会で犬養に勝って、生き残った設定になっています。


アドバイスありがとうございます。[ピーーー]って書くときは入れてみます。

安藤「『せせらぎ』とか、『さらしな』みたいな優しい音の名前でもか?」

当麻「当たり前ですよ。名前なんて関係ないっす。」

ナンシー「うーん。動きがめちゃくちゃ早いのが、嫌われる主な原因じゃないんですかね?
     あれが亀やダンゴムシみたいに遅い動きだったら、そんなに恐ろしくはないと思うんですよ。」

安藤「ナンシーさん、気が合いますね。俺もそう思います。」

当麻「いや、ねーよ。」

ナンシー「あははっ。ところで、安藤さんと当麻はもう付き合い長いんですか?」

当麻「ん? どうだったっけな。確か初めて会ったのは7年くらい前ですよね。」

安藤「ああ。でも、一緒に働き始めたのは1年前からだけどな。」


ナンシー「ちょうど、当麻が日本に帰った時くらいですね。」

当麻「そうそう。で、そこから今まで、安藤さんと野々村係長と一緒に未詳で働いてるってわけ。」

ナンシー「へぇ。野々村さんっていうのはどんな人なんだい?」

当麻「うーん、そうだなー・・・・・・・変なおじさん?」

安藤「おいっ、失礼だろ。・・・まあ多少は変な所もあるが、立派な方なんだぞ。」

当麻「分かってますって。ちょっと言ってみただけです。」

ナンシー「あははっ、当麻がそう言うなんて。野々村さんって慕われているんですね。」


当麻「ちょっ、ナンシー笑うなよ。恥ずかしくなってくるだろ。」

ナンシー「当麻は変なトコがピュアだな。あっ、そういえば彼氏とはどうなった?」

当麻「別に~~」

当麻はそう言いながら、左手の薬指にはめられた指輪を見せる。

安藤「おっ。ついに地居君と結婚するのか?」

当麻「う~ん。どうかな~~♪」

---

兄が腹話術で、弟が10分の1=1です。



---

とある駐車場にて・・・

上野真帆がディアブロの心臓をつかみ、握り潰そうとしていた・・・

ディアブロ「ぐあっ・・・お前が、心霊手術のSPECホルダー・・・」

真帆「親のかたき、恨み晴らさでおくべきか!」

ニノマエ「悪いけど、そいつはまだ死なせるわけにはいかないんだ。」

真帆「何奴!?」


そう真帆が言った瞬間、真帆はニノマエに脇腹を蹴り飛ばされた。
そしてその後、地面に向かって思い切り叩きつけられる。

真帆「ぐふっ・・・」

ニノマエ「お嬢さん、・・・君は、よく立派に戦ったよ。」

真帆「・・・っ!」

態勢を立て直そうとする真帆であったが、ニノマエに背中を踏みつけられ、身動きができない。

ニノマエ「恨みのためだけに生きていく人生は不幸だ。心から笑うことが二度とできないことを、僕は知ってる。」

ニノマエ「どうか安らかに眠って。いつか君の本当のかたきは僕がとる・・・」

ニノマエはナイフを使い、真帆の首を切断した。


ディアブロ「はあ、はあ、・・・・ニノマエさん、ありがとうございます・・・」

ニノマエ「1億ドル。さっさと払えよ。」

ディアブロ「は・・・はい・・・」

地居「お疲れ様です、ニノマエさん。」

ニノマエ「頼んでおいた件、どうなった?」

地居「大丈夫でした。もうすぐこちらにいらっしゃるそうです。」

ニノマエ「そうか、それは嬉しいな。当麻には僕の両親を殺したことを後悔しながら死んで欲しいからね。
     あいつを雇えて本当に良かったよ。」

地居「・・・」


---

とある橋の上にて・・

当麻とナンシーは安藤と別れ、橋の上で景色を見ていた・・・

ナンシー「いい風だね。」

当麻「そうだねー。」

ナンシー「・・当麻、売春街で私を助けてくれてありがとう。」

当麻「・・・そんなこともあったね。」

ナンシー「あん時、当麻が私を助けてくれなかったら、どうなってたか・・・」

当麻「FBI捜査官の仕事だったし、恩に着る必要ないよ。てか、今日のでチャラね。」

ナンシー「・・・いつか聞こうと思っていたんだけど、あんたのSPECは何なの?」

当麻「・・あたし自身にSPECはないよ。SPECのある人に助けてもらうだけ。」

当麻「そういう意味で言うと人望? なんつって。」

ナンシー「当麻は強いな。私はSPECを持った自分が怖い。
     いつ自分が暴走して化け物になるか分からない・・・」

当麻「ナンシーは大丈夫だよ。ナンシーほどピュアな女の子はいないもん。」

ナンシー「お世辞はやめてよ。」

当麻「なんで? 親友にお世辞を言う必要あるの? いや、むしろ姉妹に近いのに。」

ナンシー「あはははっ。まあいいや。 
     ・・・そろそろ行くよ。何かあったらすぐに私を呼びな。すぐに駆けつけてやるからさ。」

当麻「うん。ありがとう。」

ナンシー「(つか、一生恩返し・・・だね)」

---



---

とある道端にて・・・

当麻と別れたナンシーは、歩きながらホットドックを食べていた・・・

ナンシー「~~~♪」

ナンシー「!? 辛っ、なんで急にマスタードだらけに・・・」

突然、ナンシーが食べていたホットドックに大量のマスタードが塗りつけられていた。

ニノマエ「そんな体でも味なんて分かるんだ、ウケる。」

ナンシー「・・少年・・・・一瞬でマスタードを・・・」

ナンシー「!? まさか、お前ニノマエか!? 本当にまだ子供じゃないか!」

ニノマエ「だからって、舐めてかかると死ぬよ。てか[ピーーー]けど。」

ナンシー「・・・やれるもんなら、やってごらん。」


---

とある道端にて・・・

当麻と別れたナンシーは、歩きながらホットドックを食べていた・・・

ナンシー「~~~♪」

ナンシー「!? 辛っ、なんで急にマスタードだらけに・・・」

突然、ナンシーが食べていたホットドックに大量のマスタードが塗りつけられていた。

ニノマエ「そんな体でも味なんて分かるんだ、ウケる。」

ナンシー「・・少年・・・・一瞬でマスタードを・・・」

ナンシー「!? まさか、お前ニノマエか!? 本当にまだ子供じゃないか!」

ニノマエ「だからって、舐めてかかると死ぬよ。てか殺すけど。」

ナンシー「・・・やれるもんなら、やってごらん。」


ナンシー「恋かな~YES! 恋じゃな~いYES!」

ナンシーが往年の名曲を歌い出すと、道端に設置されていた監視カメラや、
近くの家電店のガラスケースに飾られていたビデオカメラが起動し、ニノマエの撮影を開始した。

そしてそのすぐ後、未詳事件特別対策係(通称、未詳)で、
当麻が操作していたパソコンのモニターが暗転した。

当麻「なんで、突然・・・」

そして、モニターは文字と映像を映し出す。

<ニノマエを見つけた。これから奴の行動を記録する。>

当麻「ナンシー!?」

モニターには、ニノマエとナンシーが対峙している姿が映っていた。

当麻「こいつがニノマエか!」

ニノマエは右腕を上げ、指を鳴らす構えをとる。

当麻「指パッチン・・・? (何かやばい気がする・・・)」

<後は任せたよん、マイシスター。>

当麻「! ナンシー、逃げろ!!!」


ニノマエとナンシーが対峙している場所にて・・・


ナンシー「・・・これが、私からの最後のコールだよ・・・」

ニノマエが指を鳴らそうとした、その時だった。

ニノマエ『ナンシーさんは、死なせない。』


ニノマエがそう言った時、何者かに頭部を警棒で殴られた。

ニノマエ「がっ・・・は・・・・」

??「意外と頑丈だな。気絶するかと思ったんだが。」

ナンシー「まさか、あなたは・・・」

??「ごきげんよう、おひさしぶり。といっても、数時間ぶりくらいですが。」

ナンシー「安藤さん!? どうしてここに・・・?」

安藤「ナンシーさん、すみませんがあなたをつけさせてもらいました。
   当麻を含めた私達3人の中で、あなたが現在一番狙われる恐れがありましたので。」

安藤「(ナンシーさんは俺と当麻を助けた。その行動はニノマエも想定外だったはずだ。
    そしてその行動をニノマエが許す訳がない。俺と当麻への見せしめのためにナンシーさんが狙われる可能性は非常に高かった。
    そのため、食事が終わった後も離れた所で彼女を見張っていた。)」

ニノマエ「・・お前・・・僕に一体何をした・・? お前は、・・SPECホルダーなのか・・・?」

安藤「教えるもんか。頭を使えよ、考えろ。」


ニノマエ「っ・・・!」

ニノマエは右腕をのばし、指を鳴らそうとする。
だがその行動は、頭部を殴られたことにより、鈍重な動きであった。

ニノマエ『やはり、それがお前のSPECの発動条件か。』

ニノマエがそう言った時には既に、安藤はニノマエの右手の指に向かって警棒で殴りつけていた。

ニノマエ「がああああああああああああああああああああ!!!」

安藤「お前の右手の指は潰させてもらった。これでもう指を鳴らすことはできない。」

ニノマエ「く、そ・・・なぜだ・・・なぜ、さっきから、僕の意識が飛ぶ時があるんだ・・・?
     そしてその時には必ずお前に攻撃されている・・・。お前のSPECは一体何なんだ・・?」


安藤「自分の頭で考えろ。・・・・・お前を逮捕する。」

ニノマエ「っう・・・・・・・・・・・」

ニノマエは悔しそうに一瞬だけ唇をかんだが、そのすぐ後、諦めたようにため息をついた。

ニノマエ「はあ。・・・本当は当麻相手に使いたかったんだけど、念のために用意をしておいて良かったよ。」

安藤「? お前、何を言ってる?」

ニノマエ「後は任せたよ、鯨。」

ニノマエがそう言うと、安藤の背後から大男が近づいてきた。


鯨「・・・」

安藤「!? 誰だ、お前は!?」

安藤「(・・やばい、俺の勘が言ってる。こいつはプロの殺し屋だ。纏っている空気が蝉さんと同じ・・・!)」

鯨「人は誰でも死にたがっている。・・・さあ、俺を見ろ。」

安藤「?・・お前は一体何を・・・」

≪死ね≫

安藤「え?」

≪清算しろ≫

安藤「まさか、そんな馬鹿な・・・お前らは・・・」


安藤の周りに、過去に死んだはずの人間が現れ、安藤に向かって語りかけてくる。

要「よくも、犬養さんの邪魔をしたな。」

マスター「お前が死ねば良かったのに。」

安藤「要・・・、マスター・・・・」

安藤「くそっ! ナンシーさん、今すぐここから逃げるんだ!」

ナンシー「でも・・安藤さんが・・・」

安藤「俺の事は良いから! 早く!」

ナンシー「っ!」

安藤はナンシーが逃げた方向を塞ぐように、鯨達の前に立つ。


---

そのころ、当麻は未詳の部屋から出て、ナンシーが撮影していた場所に向かっていた・・・

当麻「ナンシー、安藤さん、無事でいて!!」

---


要「犬養さんは本気でこの国を変えようとしていたんだ! この腐った国を変えられる、唯一の人だったのに!」

マスター「19年前の決起集会でお前が邪魔をしたせいで、全て台無しだ! 
      お前が邪魔をしてからのこの19年間、この国はどうなった。相変わらず政治家の大半は腐っている。政治は悪化していくばかりだ!」

安藤「・・・・う・・」

マスター「19年前に私は言った。甘やかされて傲慢な若者と、自分のことにしか興味のない人間ばかりが溢れるこの国を変えるには、統率が必要だと。」

マスター「自分の街や国に対する意識を強くし、市民・国民であることを自覚させる。
     そしてその集団が他人の為に祈り、行動する意識を持てば、世の中はきっと平和になる。そのためにはまず、統率が必要なんだ、と。」


安藤「あ・・・うあ・・・」

マスター「それが犬養には出来た。なのにお前が邪魔をしたせいで計画は失敗し、
     この国とこの国の人間達は、成長の機会を失ってしまった。全てお前が原因だ!!」

安藤「・・・・やめ、ろ・・・・・」

マスター「お前は言ったな。犬養は間違った人間だと。犬養は魔王であると。」

安藤「・・・・やめてくれ・・・・・」

マスター「間違っていたのはお前だ、安藤! 全ては、お前の自己満足だったんだ!!!」

安藤「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」


安藤は鯨に向かって、警棒で殴りかかる。
だがその攻撃はあっさりと鯨にかわされ、逆に鯨から顔面を殴られてしまう。

安藤「ぐはっ・・・・」

マスター「死ね。」

要「清算しろ。」

≪清算しろ。≫

安藤「・・・く、そおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!」

鯨『おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
  おおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!』

安藤は鯨に向かってSPECを使う。そしてその隙を突き、安藤は逃げ出した。


---

鯨「・・・・・俺は何を・・・、あいつはどこに・・・!?」

ニノマエ「鯨・・・、お前は安藤を追うんだ。あいつは必ず殺せ。なんとしても殺すんだ!」

鯨「・・・分かった。」

鯨は安藤を追い、駆け出した。

ニノマエ「(今の安藤と鯨のやりとりでなんとなくだが分かった。安藤のSPECは、相手に好きな言葉を話させるSPECだ。
     安藤のSPECを食らった相手は、自分が話していた時の意識が飛ぶ。さっき僕の意識が飛んだのも、安藤のSPECが原因だった訳か・・・!)」

ニノマエ「(絶対に逃がすもんか。王である僕に歯向かったことを後悔して死ね!)」

ニノマエ「・・・でもまあ、とりあえずEXILEのアイツを呼んで、Choo Choo TRAIN治療を受けないとな・・・」

---


---

とあるビルの屋上にて・・・

安藤「はあっ、はあっ・・・・ここまで来れば、追ってこないだろう・・・」

要「どこに逃げても無駄だよ。」

安藤「!?」

マスター「それに、お前がこの場所を選んだのは自殺するためなんだろう。自分の罪を認めて、はやく飛び降りろ。」

安藤「うるさい、静かにしろ!!」


鯨「・・・選べ・・・。」

安藤「!」

鯨「自殺をするか、殺されるかを。」

鯨は安藤に向かって銃を向ける。

要「死んで、清算しろ。」

安藤「あ・・・・」

マスター「清算しろ。」

安藤「あ・・あ・・・」


要「清算しろ。」

安藤「うあ・・あ・・・」

マスター「清算しろ。」

要「清算しろ。」

マスター「清算しろ。」

「清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。
清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。清算しろ。」


鯨「人は誰でも死にたがっている。」

安藤「・・人は・・・・誰でも・・・・死にたがっている・・・・・」

安藤はビルの端に向かって歩いていく。

要「清算だ。」

マスター「清算だ。」

安藤「そうだ・・・清算するんだ・・・・全て終わらせるんだ・・・・」

安藤「そうすれば・・・きっと楽に・・・・・」



----心臓が息の根を止めるまで、真実に向かってひた走れ!!!----


安藤「はっ・・・!」

安藤は歩みを止める。


----勝てるかどうかは問題ではない。
 負けると分かっていても、心臓が息の根を止めるまでひた走る。それが刑事だ。----

安藤「そうだ・・・そうだった・・・、自殺なんてしてる場合じゃない・・・・!」

安藤「(すみません、野々村さん。俺はまた自分を見失う所でした。)」

----対決するんだろ、兄貴。----

安藤「ああ。そうだよ、潤也。対決するんだ。」

安藤は鯨の方を向き、歩き出す。


安藤「要、そしてマスター。 お前達の言うとおり、俺の行動のせいでこの国は成長できなかったのかもしれない。
   だが、暴力で人を思い通りに動かしていた犬養を止めたことを、俺は間違っていたとは思わない!!!!」

安藤「自殺も殺されもしない。今の俺は刑事だ。」

安藤「行くぞ、鯨。 対決だ!!お前を逮捕する!!!」

鯨「・・・そうか。ならば死ね。」

鯨は安藤に向け、再び銃を向けた。


---

それから数時間後、とある部屋にて・・・

ニノマエ「それで、鯨と安藤の行方は掴めたの? 安藤は死んだ? 死んだよね?」

地居「それがですね・・・・」


今日はここまでです。

続きは今度の日曜までには投下したいと思います。

見てくださった方々、ありがとうございました。


すみません。日曜までに投下するとか言っておいて、この時間になってしまいました。

今から続きを投下していきます。


ニノマエと地居が会話をする数時間前・・・

ナンシーと合流した当麻は、安藤の行方を捜していた。


当麻「安藤さん! 安藤さんどこですか!」

当麻「(くそっ、見つからない!! 安藤さんだけじゃなく、ニノマエの姿も消えている・・・)」

当麻「ナンシー、防犯カメラはどう?」

ナンシー「駄目だった。ニノマエが現れた場所から半径300m圏内の、道端の防犯カメラの映像全てを解析したけど、
     安藤さんもニノマエも謎の大男も写ってない。おそらく、映像が改ざんされたみたい・・・」

当麻「ちくしょう!!」

当麻「(・・安藤さんは生きてる。あの人が死ぬはずがない!
    きっと今は隠れて機会を窺ってるはず・・・・なら、あたしが今するべきことは・・・)」

犬飼はおっぱいがどうとかいったのかいわないのか どっちなんだ1よ


当麻「・・・ナンシー、ニノマエを抱えてる石油系メジャー、なんて名前だっけ。」

ナンシー「ディアブロだけど・・・あんた、もしかして・・・」

当麻「ああ。ディアブロを利用させてもらう。ディアボロを拉致って、ニノマエをおびき寄せる。」

ナンシー「・・・ディアブロはニノマエの他にもSPECホルダーを抱えてる。一筋縄じゃいかないよ。」

当麻「だとしても、あたしは行く。ディアブロを拉致って、ニノマエをおびき寄せる。
    そして必ずニノマエを逮捕する! そうすれば、安藤さんも安心して姿を現せるはずだから・・・!」

ナンシー「そうかい。なら、私も手伝うよ。」

当麻「でも、ナンシー・・・」

ナンシー「はい、ストップ! あんたがなんて言おうと、私はあんたについてくからね。
     ディアブロの情報を集めるのにも、拉致するのにも私の力が必要だろ? てかあんた、私達の合言葉を忘れてない?」

当麻「! ああ・・・そうだったね。2人揃えば・・」

当麻・ナンシー「最凶!!!」

>>59

彼は、巨乳大好きと声高らかに言いました!


当麻とナンシーが会話したすぐ後、未詳の部屋にて・・・

野々村は当麻と通話をしていた。

野々村「わかった。安藤君の行方はこちらでも探してみる。
    でも当麻君、くれぐれも無理はするんじゃないよ、いいね。」

通話が終り、野々村は電話を切る。

野々村「安藤君・・・無事でいてくれよ・・・。」


---

2年前


野々村「安藤君、今日は助かったよ。付きあわせてしまってすまなかったね。」

安藤「いえ、大丈夫です。でも、どうしていきなりボウリングをしようと思ったんですか?」

野々村「いやあ、実は来週、雅ちゃんとボウリング場でデートをするんだけど、ボウリングのスキルに自信がなくてね。
    安藤君はボウリングがうまいって聞いてたんで、そのスキルをご教授願いたいと思ったんだ。」

安藤「あはは。いいですね、ボウリング場でデート。俺もしてみたいです。ボウリング場で乱闘ならしたことがあるんですが。」

野々村「? ボウリング場で・・・乱闘? ごめん、よく意味が分からないんだけど・・・、というかなんでそんなことをしたの?」

安藤「えーと、もう7年くらい前の話なんですけど、弟と、ある3人・・・いや2人の恨みを買ってしまいまして。
   色んな意味で命がけの戦いをボウリング場でやったんです。」


野々村「・・・・・・それってもしかして、かなり昔に安藤君がやってた、くっ付きそうでくっ付かない、
    友達以上恋人未満の男女2人組を、SPECを使ってカップルにする活動に関係ある?」

安藤君「そうです。でもよく分かりましたね。」

野々村「そりゃ分かるよ。あの活動を止めて安藤君を捕まえたの僕だもん。」

安藤「あはは。そうでした。正確に言うと、乱闘事件がきっかけで活動を1回止めたんですが、
   その2か月後にまた活動を再開したんです。そしてその時に野々村さんに捕まりました。」

野々村「・・捕まえた時に、活動をした理由について聞いたけど・・・なにが理由だったんだっけ?」

安藤「生きていると実感したかったのが理由です。その活動をするまでの約10年間、俺は目標もなく
   ただ生きているだけで、死んでいるのと同じ状態でした。でも、そのままじゃ嫌だったんです。人助けをして、
   その人が喜んでいる姿を見れば、生きていると実感できるかもしれないと思い、活動を始めました。」


野々村「・・うん、まあ、どうして人助けがカップル成立させるための活動になったのかとかツッコミたい所は多々あるけど、
    とりあえず置いとこう。だが・・そうだね、確かに君は、生きていると実感するために人助けがしたいと言っていた。」

安藤「はい。なので野々村さんに捕まった時は正直、これでまた死んでるみたいに生きる日々に戻るんだなって思ったんです。」

安藤「でも、野々村さんは、俺のSPECをもっと多くの人達を助けるために使わないかと言って、今の仕事に誘ってくれました。
   本当に感謝しています。」

野々村「いや、ちょっと、やめてよ安藤君。照れるじゃん。」

安藤「本当の事ですから。今の仕事をしていることで、俺は心から生きていると実感できてるんです。(ニコッ」


---

そして現在に戻る。

ニノマエが地居と会話してから数時間後、ディアブロのアジトにて・・・

ニノマエは壁に書かれた文字を見つめていた。

【馬鹿ニノマエへ ディアブロを返してほしければ、一人で文紀山に来い! 当麻より】

ニノマエ「・・・この僕と対決しようってのか、ウケる。」

---


数時間後、文紀山にて・・・


ディアブロは体全体を縄で縛られていた。

ディアブロ「あのぉー、あなたもSPECホルダーですよね? 月収1億で仲間になりませんか?」

当麻「うるさい、黙れ。某5部のボスみたいな名前しやがって。紛らわしいんだよ!」

ディアブロ「私に言われても・・・」

当麻「というかそもそも・・・・・・・・・って、おいでなすったか。」

ディアブロ「?」


当麻が視線を向けた先にはニノマエの姿があった。

ニノマエ「やっぱり、あんたもSPECホルダーだったか。」

当麻「あんたも・・・とか一緒にするんじゃねえよ、バケモノ。」

ニノマエ「うっせえ、サカナ顔!」

当麻「・・・サカナ顔?」

当麻「(そう言えば、昔陽太にも同じことを言われたけど、まさか・・・。
    いや、それにしては年齢が違いすぎるか・・・)」

ディアブロ「やれー、ニノマエさん!そのサカナ顔をぶっ殺してしまえー!!」

ニノマエ「いや、死ぬのはお前だよ、ディアブロ。まあ、後で当麻も殺すけど。」パチンッ

ニノマエが指を鳴らしたその直後、ディアブロの腹にはナイフが突き刺さっていた。


ディアブロ「なん、で・・・・なんで俺の腹にナイフが・・・・ぐふっ」

ディアブロはそう言った後、息を引き取った。

当麻「ニノマエ・・・あんたとディアブロは仲間じゃなかったの?」

ニノマエ「仲間? なわけないだろ。金とか母親とか、もらえるものは全てもらったし、用済みになったから殺したんだよ。
     生かしておくと、後々僕に歯向かう可能性が高かったし。」


ニノマエ「・・・それに、とある女の子と約束したんだ。君の本当のかたきは僕がとるってね・・・」

当麻「・・・とりあえず、あんたが狂ってることだけは分かった。ニノマエ、お前をぶっ潰す!!」

ニノマエ「クククッ アハハハハハハハハハハハハハ!!!!」

当麻「何が可笑しい。」

ニノマエ「・・・君が爆弾マニアってことは知ってる。僕を四方八方から焼き尽くすつもりだったんだろ?」

当麻「!」

ニノマエ「爆弾を地面に多く仕込んだみたいだね。ここがちょうどその中心かな?」

当麻「・・・・・・」


ニノマエ「なにその顔。次の手がないってくらい悲愴な表情だけど。」

当麻「っ・・・! あたしをなめるな!!!」

当麻は爆弾の爆破スイッチを押した。だが、何も起こらない。

ニノマエ「無駄だよ。さっきディアブロを刺すために時間を止めたとき、爆弾を探して、
     バッテリーを全て外しておいた。プラスチック爆弾だから起爆装置なしにはどうにもならないよね。」

当麻「くっ・・・!」

当麻「(・・・大丈夫だ・・ここまでは予想の範囲内。落ちつけ。
    ニノマエにもう手がないって感じの印象を植え付けるための表情をするんだ・・・)」

ニノマエ「あっ、そうそう。君の切り札、あっちで血を流して倒れているけど、助けなくて良いの?」

当麻「!?」


ニノマエが指を指した方向には、血を流して倒れているナンシーの姿があった。

ナンシー「あ・・・・・・が・・・・・・・・・・」

当麻「ナンシー!!」

当麻はナンシーのもとに駆け寄る。ナンシーは、両ひざと顔の頬を刺されていた。

ニノマエ「その女のSPECを使えば、バッテリーがない爆弾でも起爆させることができるんだろ?
     やっかいなんで喋れないようにしといたよ。」

当麻「あたしの姉妹をよくも・・・・ニノマエえええええええええええええええええええ!!!!!!!!」

当麻はニノマエに向かって銃を構える。


ニノマエ「遅いよ。」パチンッ

ニノマエが指を鳴らした直後、当麻の手から銃が消えた。

ニノマエ「僕に勝てるわけがない。」

そう言ってニノマエは、当麻から奪った銃を、近くの地面に向かって放り投げた。

ニノマエ「・・・さてと、じゃあそろそろ殺そうかな。安藤に会ったらよろしく言っておいて。」

当麻「・・は? お前何を言って・・・。何でそこで安藤さんが出てくる・・・?」

ニノマエ「あれ? 知らなかったの? 安藤は死んだよ。 
     残念ながら、公安零課って奴らに遺体を先に回収されたせいで、僕は遺体を見れなかったんだけどね。」


当麻「そんな・・・・・・嘘だ・・・・・」

ニノマエ「アハハッ。本当に知らなかったんだ、マジウケる。 同じ警察って組織なのに情報共有もされてないんだ。」

ニノマエ「(鯨と相討ちだったらしいんだけど、まあ、これは教えなくていいか。)」

当麻「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・殺す。」

ニノマエ「はい?」

当麻「殺す!!!」

当麻は左手を地面にかざす。すると、当麻の周りに黒い霧のようなものが発生した。


ニノマエ「何それキモッ!」

ニノマエ「(よく分かんないけど・・・・あれは、やばい!)」パチンッ

当麻「ああああああああああああああああああああ!!!!!!!」

当麻は痛みにより、叫ぶ。左手首がニノマエによって切断されていたからだ。

また、左手首が切断されたことで、当麻の周りに発生していた黒い霧は消失した。

ニノマエ「何をしようとしていたかは知らないけど、これでもう何もできないだろ。
     安藤と戦った時は、先手を取られまくって酷い目にあったからね。もう油断はしない。」

ニノマエ「というか、そのケガじゃもう何もできないだろ? あきらめて僕に殺されろよ。」

当麻「はあっ・・・はあっ・・・・嫌だね・・・・あきらめてたまるか・・・」

ニノマエ「はあ? もう打つ手がないくせに強がるなよ。」


当麻「たとえでたらめでも・・・・」

ニノマエ「ん?」

当麻「たとえでたらめでも、自分を信じて対決していけば、世界だって変えられる。」

当麻「・・・安藤さんがよく言ってた言葉だよ。
   自分を信じれば世界だって変えられるんだから、この状況を変えられない訳がないだろ。」

当麻は笑みを浮かべながらそう言った。

ニノマエ「負けて死んだ奴の言葉なんて信じてどうすんだよ。もういいや、死ねよ。」

ニノマエは右腕を上げる。

当麻「っ・・・・・・」


ニノマエが指を鳴らそうとした、その時だった。

ニノマエ『ごきげんよう、おひさしぶり。』

どこかで聞いたようなセリフが、ニノマエの口から発せられる。

当麻「え・・・・?」

ニノマエ『悪い、当麻。遅くなった。やっぱ死んでるとSPECが上手く使えないな。
     何度もニノマエにSPECを使おうと試行錯誤してたんだが・・・』


当麻「まさか・・・・・安藤さん・・・? 私のSPECはニノマエによって止められたのに何で・・・・」

ニノマエ『お前がSPECを使おうが使わまいが、関係ない。 俺がたかだか死んだくらいで、お前を助けにこない訳がないだろ。』

ニノマエ『まあ、俺の知り合いならこの場面で、「助けにきたぜ、感動したか?」って言うんだろうけどな。』

当麻「・・・・・・・・・・・・・・安藤さん、・・・・すみませんでした。あたしのせいで・・・」

ニノマエ『なんでお前が謝る? お前は何も悪くない。
     ・・・・・っと、すまん。あまりこの状態も長く持たないみたいだ。今のうちにニノマエを気絶させるなり、なんなりしてくれ。』


当麻「・・・・分かりました。」

当麻は、ニノマエが先程投げ捨てた拳銃を右手で拾う。

ニノマエ『じゃあな、当麻。またいつか会おうな。』

当麻「はい、必ず。」

当麻はニノマエの顔面に向かって拳銃を思いっきりぶん投げる。

その一撃によってニノマエは気絶し、地面に倒れた。

当麻「・・・終わった・・・・・。早くナンシーを助けないと。ってやば、
   手首の出血がとまらないんだけど・・・なんか布で巻くか・・・正直、もう立ってるのがつらい・・・・」

当麻は、ナンシーのもとに向かおうと歩きだす。


その時だった。突然、2発の銃声が鳴り響く。

当麻「えっ・・・・?」

当麻が気付いた時には既に、一発の銃弾が当麻の右足を貫いていた。

それにより、当麻は地面に倒れる。

もう一発の銃弾は、ナンシーの脇腹を貫いていた。

当麻「・・・一体・・・何が・・・・?」

当麻のもとに向かって、複数の男達が歩いてくる。


地居「さすが、現役SIT隊員だね。狙いが的確だ。」

志村「・・・いつまで、こんなことをさせる気だ。俺はもう、こんなことはしたくない・・・」

地居「あれ?そんなこと言っていいの? 君の大切な妹と尊敬する上司がどうなっても知らないよ。」

志村「っ・・・・!」

地居「でもまあ、今日の仕事は終わりだからもう帰っていいよ。」

志村「くっ・・・・・・・」

志村は、地居に向かって飛びつきそうな勢いで睨んだが、やがて諦め、この場から去って行った。

地居は志村が去ったのを確認した後、当麻に近づき、話しかけた。


地居「やあ、紗綾。今日も綺麗だね。」

当麻「あんた・・・どうして。というか、ニノマエの仲間だったの・・・?」

地居「うーん。仲間だとも言えるし、仲間じゃないとも言える。難しいね。」

当麻「・・は? それはどういう・・・」

当麻が疑問を問いかけようとしたその時だった。

地居は当麻の上にまたがり、当麻の頭のこめかみの部分を両手の拳でぐりぐりとねじ込んだ。

当麻「う・・・・・が・・・・・・・・・」

地居「本当に申し訳ないんだけど、ニノマエはこんな所で逮捕されるわけにはいかないんだ。
   ニノマエと紗綾には、もっと違う舞台で対決して欲しいと思ってる。だから、そうなるように記憶を操作させてもらうよ。」

当麻「・・・・あんたは、SPECホルダーだったのか・・・・。 っていうか、大分イカれてる奴だったんだね・・・・気付かなかったよ。」

地居「イカれてる? 俺は全然普通だよ。むしろ、自分のことは平和主義者だと思ってるんだけど。」

当麻「くたばれ・・・・地獄に落ちろ・・・・。」

地居「・・・愛してるよ、紗綾。世界で一番大好きだ。」

そう言って地居は拳に込める力を強めた。


地居「とりあえず紗綾の、安藤との記憶は全て消させてもらうよ。あいつ目障りだったし。俺の紗綾に近づくんじゃねえっつうの。」

当麻「う・・・・・・・・あ・・・・・・・・・・・」

地居「あと、ナンシーを殺したのはニノマエってことにしておく。
   死んだ場所も、ナンシーがニノマエを撮影した場所にしておこうかな。この場所で紗綾が俺に会ったことも記憶から消そう。」

当麻「が・・あ・・・・・・・・・あ・・・・・・・」

地居「あとは、ちょいちょい記憶を変えまして・・・・・・・っと。よし、良い子だ!!!」

当麻は気絶する。

地居「あっ、そこのお前達。紗綾のケガを左手首以外直しといて。左手は紗綾が倒れている場所の隣に置いとけよ。」

NAOTOとその仲間達「OK。」

NAOTOとその仲間たちは、Choo Choo TRAINを歌って踊り出す。

地居「俺は今、世界で一番、紗綾を愛してるぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおあおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
   おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」


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それから数週間後、未詳の部屋にて・・・


野々村「直らないねえ。その骨折。」

当麻の左腕には包帯が巻かれていた。

当麻「・・・骨粗しょう症なんです。」

野々村「ふーん。あっそう言えば、昨日妙な事件があったみたいだよ。」

当麻「何すか?」

野々村「海外の麻薬取引をSITが強襲したらしいんだが、SITの瀬文って隊長が部下の志村って奴を誤射したらしいんだ。
    ところがその隊長は、部下の志村は自分が撃った弾に当たったと言って譲らないらしい。」


野々村「まあ、ありえない話なんだが、志村の肉体から取り出された銃弾のライフルマークは、
    志村の持っていた弾のものだったらしい。」

当麻「マジですか!?」

野々村「お偉いさん達は、銃を誤射した後、銃を取り換えたと思っているらしいが・・・当麻君はどう思う?」

当麻「・・・・そういうことができるSPECホルダーがいてもおかしくないっすね・・・。
   その瀬文さんって、未詳に呼べませんか?」

野々村「私も同じことを思っていたよ。」

野々村「・・・・・・ところで、さっきから気になっていたんだけど・・・
    あっちの机の上にいるの、鷹だよね? 鳥類の・・・、あれ?僕の目がおかしいのかな?」

鷹「・・・グワ?」

当麻「そうっすよ。何か今朝ここに来る途中、頭の上におりてきたので捕まえました。」

野々村「えっ?・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」




以上で終わりです。ドラマのSPEC甲に繋がるように書こうとした結果、こんな感じになりました。

読んでくださった方々、ありがとうございました!

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