杏子「ちょっとちょっと、何やってんのさ」さやか「魔女退治」(180)

杏子「え、いやアレ使い魔だし」

さやか「いや魔女退治だから」

杏子「だからアレ使い魔だし」

さやか「目的としては魔女退治だから」

杏子「結果的に使い魔退治だし」

さやか「いやいやいやそういうの無しでしょ」

杏子「は?」

さやか「使い魔だって危ないかもしれないじゃん」

杏子「は?」

さやか「使い魔だって危ないかもしれないじゃん」

杏子「いやそれおかしいだろ」

さやか「え?」

杏子「使い魔だったら危なくないかもしれないじゃん」

さやか「え?」

杏子「は?」

sssp://img.2ch.net/ico/anime_karake.gif
VIP法王「落ち着け」

さやか「いやそれおかしいでしょ」

杏子「なにが」

さやか「使い魔でも危ないよ」

杏子「4、5人食わせりゃグリーフシード孕むじゃん」

さやか「じゃあ危ないじゃん」

杏子「は?」

さやか「え?」

杏子「危なくてもいいじゃん」

さやか「いやそれおかしいでしょ」

杏子「危なくてもいいじゃん」

さやか「魔女に襲われる人たちを見殺しにする気!?」

杏子「それちょっと違うじゃん」

さやか「いや違わないし」

杏子「違うし」

sssp://img.2ch.net/ico/anime_karake.gif
VIP法王「落ち着けって」

さやか「どこが」

杏子「結構違うし」

さやか「どこが」

杏子「アレだよ」

さやか「アレってなによ」

杏子「ほら食物連鎖ってやつ」

さやか「いや食べ物じゃないし」

杏子「物の例えだよばーか」

まどか「・・・」

さやか「バカって言ったほうがバカだし」

杏子「そういうのうざいし」

さやか「はぁ?」

杏子「バカって言われてバカって言い返したほうがバカだし」

さやか「はぁ?」

sssp://img.2ch.net/ico/anime_karake.gif
VIP法王「うんこ」

杏子「弱い人間を魔女が食う、その魔女をアタシたちが食う」

さやか「なにそれ」

杏子「食物連鎖」

さやか「いや食べ物じゃないし」

杏子「は?」

さやか「いや食べ物じゃないし」

杏子「イラってきた」

まどか「・・・」

さやか「なんなの?」

杏子「ていうかさ」

杏子「まさかとは思うけど、人助けとか正義のために契約したわけじゃないよねぇ?」

さやか「そうですけど」

杏子「は?」

さやか「そうですけど」

杏子「あっそう」

さやか「なにその反応冷たい」

杏子「いやバカだなーと思って」

さやか「バカって言ったほうがバカだし」

杏子「そういうのうざいし」

さやか「はぁ?」

杏子「どりゃあ!!!!」ザシュッ

さやか「いった!!!!!!!!」ブシュウ

杏子「頭冷やせよ」

さやか「ちょっといきなりなんなの?」

まどか「さやかちゃん大丈夫!?」

さやか「いやすごい痛いんですけど」

杏子「全治3か月だから」

さやか「いきなり斬りつけるってひどいじゃない」

杏子「ムカつくから」

さやか「カッとなって?」

杏子「うん」

さやか「やーい犯罪者」

杏子「は?」

さやか「カッとなって?」

杏子「うん」

さやか「ほら」

杏子「なにが」

さやか「犯罪者」

杏子「は?」

さやか「よく言うから」

杏子「うぜーチョーウゼー」

さやか「なんなの?」

杏子「だいたい口の利き方がなってないよねぇ」

さやか「口の利き方ってなに」

杏子「敬語とか」

さやか「敬語使ってほしいの?」

杏子「は?」

さやか「敬語つかってほしいの?」

杏子「じゃ使えよ」

さやか「お犯罪者にございます」

杏子「は?」


ほむら「・・・」

まどか「あれ、ほむらちゃん?」

ほむら(来るタイミング盛大に間違えたわ・・・
     というか話の進み遅すぎよ・・・)

杏子「だいたい口の利き方がなってないよね、先輩に向かってさぁ」

さやか「先輩なの?」

杏子「そうだよ」

さやか「いやどっちが先かわかんないじゃん」

杏子「アタシの方が先だし」

さやか「わかんないじゃん」

杏子「聞いたからわかるし」

さやか「誰に?」

杏子「キュゥべえに」

さやか「そうなの?」

QB「そうだよ」

さやか「ちょっとショックだわ」

杏子「だいたい口の利き方がなってないよね」

さやか「ごめん」

杏子「いいよ」

さやか「黙れぇっ!!」ダッ

杏子「いやそういうのダメでしょ」キィン

さやか「ごめん」ズバッ

杏子「いいよ」ガキィン

杏子「まぁアレだ」

杏子「言って聞かせてわからねえ、殴ってもわからねえバカとなりゃあ
    あとは殺しちゃうしかないよねぇ!」ジャラッ

さやか「いやもうちょっと対処法あるでしょ」

杏子「マジ?」

さやか「いや言ってみただけ」

杏子「だと思った」

さやか「ちょっとまどかにカッコつけてきます」スタスタ

まどか「さやかちゃん・・・?」

さやか「あたしは・・・負けない!」キリッ

まどか「・・・」

杏子「終わった?」

さやか「うん」

杏子「チャラチャラ踊ってんじゃねえよウスノロ!!」バッ

まどか「どうして魔女じゃないのに・・・味方同士で戦わなきゃならないの!?
     ねぇ、止めさせてよキュゥべえ!」

QB「君でも普通に止められるよ」

まどか「えっ」

ほむら(状況が理解できないわ・・・)

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VIP法王(まったくだわ)

さやか「くっ・・・」ブシュゥ

杏子「これで終わりだよっ!!」ブンッ

さやか「え?」

杏子「え?」

さやか「なにが」

杏子「いや」

杏子「アンタの命っていうかこの闘いっていうか」

さやか「はっきりしなさいよ」

杏子「いやアレだよ」

さやか「アレってなによ」

杏子「どっちでもいいじゃん」

さやか「は?」

杏子「は?」

さやか「あたし優柔不断とか苦手なんで」

杏子「じゃあこの闘いってことで」

さやか「それって」

杏子「なに」

さやか「平和的解決もできるじゃん」

杏子「する気ないじゃん」

さやか「負けました」

杏子「はええよ」

さやか「だって死にたくないし」

杏子「それわかる」

さやか「でしょ」

杏子「まあアレだ」

杏子「てめぇ、何しやがった!」ギロッ

ほむら(キラーパス!?)

杏子「そうか、アンタが噂のイレギュラーってやつか」

ほむら「え、あの・・・」

さやか「転校生・・・邪魔するなっ!!」バッ

ほむら「待って!邪魔なんてしてないわ!!」アセアセ

さやか「たしかに」

杏子「やーい早とちり」

さやか「はぁ?」

杏子「邪魔なんて?」

さやか「してなかった」

杏子「ほら」

さやか「なにが」

杏子「早とちり」

さやか「はぁ?」

杏子「は?」

さやか「いやそういうの無いから」

杏子「あるし」

さやか「ないから」

杏子「ないし」

杏子「あ、あるし」

さやか「今ミスったでしょ」

杏子「ミスってないし」

さやか「ほらやっぱりないんじゃん」

杏子「あるし!」

さやか「ムキになってる」

杏子「なってないし!」

さやか「ほーらよちよち」ナデナデ

杏子「やめろ!」ゴン

さやか「いたっ」バタン

まどか「さやかちゃん!?」

QB「大丈夫、気絶してるだけだ」

杏子「おいアンタ、一体誰の味方なんだ?」

ほむら「・・・」

杏子「聞いてないし」

ほむら「えっ?」

杏子「聞いてないし」

ほむら「あ、私は冷静な人の味方で無駄な争いをするバカの敵・・・」

杏子「は?」

ほむら「えっ・・・」

杏子「なんでもない」

ほむら「・・・あなたはどっちなの?佐倉杏子」

杏子「は?」

ほむら「えっ・・・」

杏子「なんでもない」

ほむら「いやなんでもあるでしょ、どうして名前知ってるんだとか
     どこかで会ったことあるのかとか・・・」

杏子「どこかで会ったことあるのか?」

ほむら「さあね」

杏子「聞き損じゃん」

ほむら「・・・ごめんなさい」

杏子「いやそういうのマジきついから」

ほむら「・・・」

杏子「イラるわマジ」

ほむら「・・・」

杏子「・・・まるで手札が見えないとあっちゃ、今日は退いたほうがよさそうだな」

ほむら「賢明ね」

杏子「は?」

ほむら「えっ」

杏子「見せてくれないのかよ」

ほむら「まぁ・・・」

杏子「ミステリアス気取ってるのかよ」

ほむら「いや、相手に戦略見せるのは・・・」

杏子「マジ引くわそういうの」

ほむら「ごめんなさい・・・」

杏子「疲れたから帰るわ」ダッ

ほむら「・・・」


ほむら「・・・あああああああああ!!!!」

まどか「ほむらちゃん!?」

ほむら「なんなのよ今の二人!?ふざけすぎでしょ!!
     どうしてあんなに緊張感がないの!!??」

まどか「ほむらちゃん、落ち着いて!」

ほむら「はぁ、はぁ・・・ごめんなさい、ちょっと取り乱したわ」

まどか「さやかちゃん、最近急にあんな感じになっちゃって・・・」

ほむら「そ、そうなのね」

ほむら(美樹さやか、佐倉杏子・・・
     二人とも、今回はおかしすぎるわ・・・)

ほむら(まどかも、なんてことはないわよね・・・?)

ほむら「そんな事より鹿目まどか、あなたはどこまで愚かなの?」

ほむら「あなたは魔法少女と関わり合いを持つべきじゃないと
     さんざん言い聞かせたはずよ?」

まどか「ごめんなさい・・・」

ほむら「愚か者が相手なら、私は手段を選ばないわ」スタスタ

まどか「ほむらちゃん・・・」

ほむら(・・・とりあえず、まどかは普通なようね・・・安心したわ)




-ゲームセンター

杏子「よぉ、今度は何さ」タッタッ

ほむら「こ

杏子「プレイ中に話しかけるんじゃねえ!!!」

ほむら「えっ」

杏子「・・・」タタタン

ほむら「・・・」

DDR「clear!!」

杏子「で、何さ」

ほむら「この

杏子「待ってくれ、今結果出るから」

ほむら「・・・」

DDR「perfect!!
    You are the first place!!」

杏子「で、何さ」

ほむら「この街

杏子「名前入力するから待ってくれ」タタタン

ほむら「・・・」

杏子「で、何さ」

ほむら「この街をあなたに預けたい」

杏子「は?」

ほむら「え?」

杏子「市長なの?」

ほむら「え?」

杏子「市長なの?」

ほむら「違うけど・・・」

杏子「期待させんな」

ほむら「・・・」

ほむら「魔法少女はあなたみたいな子こそふさわしいわ。
     美樹さやかでは務まらない・・・
     それと、今後彼女には手出ししないで」

杏子「なんで?」

ほむら「なんでもよ」

杏子「いやそういうの無しだから」

ほむら「えっ」

杏子「そういうのムカつく」

ほむら「・・・」

杏子「あと次の曲始まるから話しかけんな」

ほむら「・・・」


ほむら「・・・2週間後、この街にワルプルギスの夜が来る」

杏子「!」ピクッ

ほむら(反応した!?)

杏子「・・・なぜわかる」

ほむら「・・・秘密。そいつさえ倒せば私はこの街から出て行く。
     あとはあなたの好きにすればいい」

杏子「ワルプルギスの夜ねぇ・・・
    一人じゃあ厳しいが、二人ならなんとかなるかもな」

杏子「食うかい?」スッ

ほむら「なんでここだけ普通なのよ・・・」

杏子「は?」

ほむら「あっ・・・ごめんなさい、いただくわ」スッ

杏子「アタシのRockyに何しやがる!!」バッ

ほむら「え、だって食うかいって言って・・・」

杏子「アタシのRockyに何しやがる!!」バッ

ほむら「・・・」



さやか(恭介のやつ、退院したなら連絡くれてもいいのに・・・)

-恭介宅

さやか(練習してるんだ・・・あたしの願い、役に立ったのかな・・・)ニコッ

杏子「おい」

さやか「あっ犯罪者!」

杏子「は?」

さやか「カッとなって?」

杏子「うん」

さやか「ほら」

杏子「なにが」

さやか「犯罪者」

杏子「うるせえ」

さやか「犯罪者さん何の用?」

杏子「せっかく来たのに会いもしないで帰るのかい?
    今日一日追いかけ回してたくせに」

さやか「なんで知ってるの」

杏子「追いかけ回したから」

さやか「ストーカー」

杏子「は?」

さやか「あんた」

杏子「は?」

さやか「犯罪者」

杏子「そういうのマジ無理だから」

さやか「犯罪者さん何の用?」

杏子「この家の坊やなんだろ?契約した理由。
    ったく、くだらねえ事にたった一度のチャンス使いやがって・・・
    魔法ってのは自分だけの望みを叶えるためのもんだ。
    他人の為に使ったってロクなことにはならない。
    巴マミから教えてもらわなかったのかい?」

さやか「長い」

杏子「は?」

さやか「長いから聞いてない」

杏子「まあ一言で言うとアンタはバカ」

さやか「バカって言ったほうがバカだし」

杏子「そういうのうざいし」

さやか「はぁ?」

杏子「惚れた男をモノにするならもっといい方法があるじゃないか。
    せっかく手に入れた魔法でさぁ、
    今すぐ家に乗り込んで、坊やの手足を潰してやりな。
    もう一度アンタ無しでは何も出来ない身体にしてやるんだ」

さやか「長い」

杏子「は?」

さやか「長いから聞いてない」

杏子「まあ一言で言うと坊やに重傷負わせろ」

さやか「お前だけは絶対に許さない・・・!!」ゴォッ

杏子「場所を移そうか」ニヤッ

さやか「え?」

杏子「え?」

さやか「え?」

杏子「ほら場所移したりしないと坊や危ないじゃん」

さやか「なんで微妙に優しいの」

杏子「いやアレだから」

さやか「アレってなによ」

杏子「坊や危ないじゃん」

さやか「知ってる」

杏子「じゃあ場所移すじゃん」

さやか「なんで微妙に優しいの」

杏子「場所移すじゃん」ギロッ

さやか「はい」



-歩道橋

杏子「ここなら遠慮はいらないよねぇ」

さやか「は?」

杏子「え?」

さやか「下に車とか通るよ」

杏子「遠慮いらないじゃん」

さやか「落ちたら危ないじゃん」

杏子「は?」

さやか「え?」

杏子「何するの」

さやか「殺し合い」

杏子「なら死んでも仕方ないじゃん」

さやか「だって死にたくないし」

杏子「それわかる」

さやか「でしょ」

杏子「まあアレだ」

杏子「場所を移そうか」




まどか「待って!さやかちゃ・・・いない」

ほむら「じゃああなたの仲・・・いない」

QB「・・・」

まどか「・・・」

ほむら「・・・」

QB「・・・」

まどか「帰ろっか」

ほむら「ええ」





-路地裏

杏子「ここなら遠慮はいらないよね」

さやか「は?」

杏子「え?」

さやか「飲み会帰りのおじさんとかいるよ」

杏子「遠慮いらないじゃん」

さやか「酒臭いじゃん」

杏子「は?」

さやか「え?」

まどか「待って、さやかちゃん!」

QB「どうにか間に合ったね」

ほむら(帰り道に偶然見つけただけだけど・・・)

まどか「ダメだよこんなの、絶対おかしいよ!」

さやか「邪魔しないで、まどかには関係ない話なんだから」

杏子「アタシらも関係ないじゃん」

さやか「え?」

杏子「酒の話」

さやか「そっちじゃないし」

杏子「え?」

さやか「え?」

杏子「逆に何の話」

さやか「ほらアレよアレ」

杏子「アレってなんだよ」

さやか「魔法少女の内輪もめ的な」

杏子「は?」

さやか「ほらアレ」

杏子「つまり一般人は関係ないって?」

さやか「それ」

杏子「たしかに」

さやか「まぁだから二人とも帰っていいよ」

ほむら「私は魔法少女よ!!!」

さやか「え?」

杏子「え?」

ほむら「え?」

ほむら「ほら、この服どう見ても魔法少女の服じゃない!!」

杏子「え?」

さやか「え?」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・」

ほむら「・・・美樹さやかには手を出すなって言ったはずよ」

まどか(強引に進めた・・・)

杏子「アタシじゃなくてあっちがふっかけてきたんだぜー?」

さやか「は?」

杏子「だってそうじゃん」

さやか「は?」

杏子「そうじゃん」

さやか「たしかに」

ほむら「同じことよ。私が相手をする」

杏子「ふん」モグモグ

杏子「じゃあコイツを食い終わるまで待ってやる」カラッ

ほむら「じゅうぶn・・・もう食べ終わってるじゃない!!」

杏子「どりゃあ!!」ザシュッ

さやか「いった!!!!!!!!」ブシュウ

杏子「頭冷やせよ」

さやか「ちょっといきなりなんなの?」

まどか「さやかちゃん大丈夫!?」

さやか「いやすごい痛いんですけど」

杏子「全治3か月だから」

まどか「・・・」

ほむら(まどかが考えることを諦めたわ・・・
     仕方ないから、流れ的に私が美樹さやかのソウルジェムを投げるしかないわね)

ほむら「さやかちゃん、ゴメン!(裏声)」ビシュッ

さやか「あっ、転校生!何するのy・・・」バタッ

ほむら「まずいっ・・・」シュン

まどか「さ、さやかちゃん?どうしたの?」

QB「よりにもよって友達を放り投げるなんてどうにかしてるよ、ほむら
   しかも自分で取りにいくなんて」

杏子「どういうことだよ・・・こいつ、死んでるじゃねえか!!」

さやか「いや死んでないし」

QB「えっ」

杏子「は?」

さやか「てか友達じゃないし」

まどか「・・・」

さやか「本物はこっちでした」パァァ

杏子「さやかちゃん、ゴメン!(裏声)」ビシュッ

さやか「あっ、あんた何するのy・・・」バタッ

杏子「どういうことだよ・・・こいつ、死んでるじゃねえか!!」

QB「よりにもよって友達を放り投げるなんてどうにかしてるよ、杏子」

杏子「友達じゃないし」

さやか「友達じゃないし」

QB「・・・」

杏子「生きてるし」

まどか「・・・」

さやか「なんで投げたの」

杏子「ノリ」

さやか「軽すぎ」

杏子「まあな」

さやか「褒めてないし」

杏子「は?」

さやか「は?」


ほむら「はぁ、はぁ・・・」

ほむら「なんで2個もあるのよ・・・
     ていうか2個投げてなんで普通に動いてるのよ・・・」

さやか「本物はこっちでした」パァァ

ほむら「もうなんなのよおおおお!!!!」



ほむら「はぁ・・・とりあえず、私から説明するわ。
     魔法少女が体をコントロールできるのはソウルジェムから半径100m圏内。
     契約によって、私たちの体は外付けのハードウェアになってしまったのよ。
     そいつが言うには、魔力の効率がいいから・・・らしいけど。
     キュゥべえの役目は、私たちの魂を抜き取ってソウルジェムに変えることなのよ」

まどか「そんな・・・!!」

杏子「長い」

さやか「長い」

ほむら「・・・つまり、これが私たちの魂ってこと」

杏子「・・・それじゃアタシ達、ゾンビにされたようなもんじゃないか!!」

QB「むしろ便利だろう?心臓が破れても、ありったけの血を抜かれても
   魔力で修理すればまた動くようになるんだから。
   ソウルジェムさえ砕かれない限り、君たちは無敵だ。
   弱点ばかりの人体よりも、戦いでは有利になるじゃないか」

さやか「一理ある」

QB「えっ」

杏子「確かに」

さやか「やーいゾンビ」

杏子「は?」

さやか「魔法少女?」

杏子「うん」

さやか「ほら」

杏子「なにが」

さやか「ゾンビ」

杏子「は?」

さやか「外付けだから」

杏子「あんたもだ」

さやか「確かに」

QB「・・・」

まどか「・・・」

ほむら「・・・」




-さやか宅

さやか「こんな身体になっちゃって、
     あたしどんな顔して恭介に会えばいいのかな・・・」

杏子『いつまでもショボくれてんじゃねーぞボンクラ!!』

さやか「・・・ん」シャッ

杏子『ちょっと面貸しな、話がある』

さやか『めんどい』

杏子『は?』

さやか『口頭で』

杏子『長いから無理』

さやか『長いなら行かない』

杏子『じゃ長くない』

さやか『じゃ口頭で』

杏子『じゃ話さない』

さやか『それちょっと寂しい』

杏子『じゃ出てこい』



-教会への道

さやか「・・・あんたさ、後悔してるの?こんな身体にされちゃったこと」

杏子「アタシはね、まあいいかって思ってるんだ。
    なんだかんだでこの力で好き勝手できてるワケだしね」

さやか「いや嘘でしょ」

杏子「は?」

さやか「実はショックでした的なアレでしょ」

杏子「違うし」

さやか「違わないし」

杏子「違わないのアンタだろ」

さやか「確かに」

さやか「でも自業自得ですけど」

杏子「そうさ、自業自得にしちゃえばいいんだよ。
    自分の為だけに生きてれば、全部自分のせいだ。
    他人を恨むこともないし後悔なんてあるわけない・・・」

さやか「いや嘘でしょ」

杏子「は?」

さやか「実は後悔しました的なアレでしょ」

杏子「違うし」

さやか「違わないし」

杏子「違わないのアンタだろ」

さやか「確かに」

杏子「・・・そう思えば大抵のことは背負えるもんさ」バタン

杏子「ちょいと長い話になる。食うかい?」シュッ

さやか「・・・」スッ

杏子「よけんなよ」シュッ

さやか「・・・」スッ

杏子「おい」シュッ

さやか「・・・」スッ

杏子「・・・」シュッ

さやか「・・・」スッ

杏子「・・・」ブンッ

さやか「」ゴスッ

さやか「痛っ・・・」

杏子「・・・」

さやか「・・・」

杏子「・・・」

さやか「・・・」

杏子「・・・ここはね、あたしの親父の

さやか「長い」

杏子「・・・」

さやか「・・・」

杏子「寝てろ」

さやか「zzz」

杏子「・・・ここはね、あたしの親父の教会だったんだ。

    正直すぎて・・・優しすぎる人だった。
    親父は、新しい世界には新しい信仰が必要だって言い始めて
    ある時教義にないことまで信者に説教したのさ。
    もちろん信者は離れていった。本部からも破門されたさ」

杏子「そうなりゃ、あとは底なしの貧乏生活だ。

    あたし達は一家揃って食事すら満足に出来なくなっちまった。
    親父は間違ったこと言ってないのに、誰も取り合ってくれないのが悔しかった・・・
    リンゴ一つすら、妹に買ってあげられない自分が情けなかった・・・
    だから、キュゥべえに頼んだのさ。親父の話をみんなが聞いてくれますようにって」

杏子「その次の日からは、信者はどっと来たさ。

    お金も貯まって、妹にだって何でも買ってあげられるようになった。
    それであたしは魔法少女になった。最初は張り切ってたんだ。
    親父の説法とあたしの魔女退治で、表と裏からこの世界を救うって・・・」

杏子「でも、ある時カラクリがバレちまった。

    信者が魔法で集まったと知って、親父はブチ切れてさ。
    あたしの事、人の心を惑わす魔女だって言った。
    そのまま転落さ。親父は酒に溺れて頭もイカれて・・・
    最後は家族で無理心中。あたし一人だけ残して」

杏子「他人のことを考えないで勝手に願いを叶えた結果がこれさ。

    だからあたしは、自分の為だけに魔法を使うことを心に誓ったんだ。
    奇跡を願えば、同じ量の絶望が撒き散らされる。
    それで差し引き0になって、この世の中は成り立ってるんだ」

杏子「アンタもあたしも同じ間違いから始まったんだ。

    アンタはこれ以上後悔する必要ないよ、対価として高すぎるモンを
    支払っちまってるわけなんだからさ。
    これからはその釣り銭を取り戻していきなよ」

さやか「zzz」

杏子「聞けよ」ブンッ

さやか「」ゴスッ

さやか「痛っ・・・」

杏子「・・・ここはね、あたしの親父の

さやか「長い」

杏子「まあ一言で言うと自分の為だけに生きろ」

さやか「・・・あたし、あんたのこと色々と誤解してた。
     その点は謝るよ」

さやか「でもね・・・あたしは人の為に祈った事を後悔してない。
     高すぎる物を支払ったとも思ってない」

杏子「いや嘘だろ」

さやか「は?」

杏子「実は後悔しました的なアレだろ」

さやか「違うし」

杏子「違わないし」

さやか「確かに」

杏子「バカ野郎!!」ブンッ

さやか「」ゴスッ

さやか「痛っ・・・」

杏子「・・・」

さやか「今のなんで投げたの」

杏子「ノリ」

さやか「・・・」

さやか「それからさ、そのリンゴどうやって手に入れたの?」

杏子「盗んだ」

さやか「いや知ってるし」

杏子「は?」

さやか「知ってたし」

杏子「ならなんで聞くん」

さやか「いや盗んじゃダメでしょ」

杏子「は?」

さやか「盗んじゃダメでしょ」

杏子「いやそれおかしいだろ」

さやか「おかしくないでしょ」

杏子「盗んだっていいかもしれないじゃん」

さやか「え?」

杏子「結構盗んだっていいかもしれないじゃん」

さやか「いやダメでしょ」

杏子「は?」

さやか「え?」

杏子「アタシ達は魔法少女なんだぞ!?他に同類なんていないんだぞ!?」

さやか「あたしは自分のやり方で戦い続けるよ。
     それがあんたの邪魔になるならまた殺しにくればいい。
     あたしは負けないしもう恨んだりもしないよ」スタスタ

杏子「でも実は」

さやか「は?」

杏子「でも実は」

さやか「まあちょっと恐かったりします」




-

さやか「仁美、話ってなに?」

仁美「私、ずっと前から上条君のことをお慕いしてましたの」

さやか「は?」

仁美「さやかさんと上条君は幼馴染でしたわね」

さやか「いやちょっと待って」

仁美「私、もう自分に嘘はつかないって決めたんですの」

さやか「いや嘘ついてるでしょ」

仁美「さやかさん、あなたはどうですか?
    本当の気持ちと向き合えますか?」

さやか「それおかしいでしょ・・・」

仁美「私は抜け駆けも横取りもしたくありません。
    ですから、一日だけお待ちしようと思います」

さやか「・・・」

仁美「明日の放課後に、上条君に告白します」

さやか「でも実h

仁美「それまでに、後悔なさらぬよう決めてください。
    上条君に気持ちを伝えるべきかどうか」

さやか「・・・」ブンッ

仁美「」ゴスッ

仁美「痛っ・・・」

さやか「・・・」

仁美「・・・」




さやか「・・・」

まどか「今日の魔女退治も、ついていっていいかな」

さやか「・・・まどか」

まどか「さやかちゃんに一人ぼっちになってほしくなくて・・・
     だから・・・」

さやか「お一人様ご来店です」

まどか「えっ」

さやか「・・・なんであんた、そんなに優しいかな。
     あたしにはそんな価値ないのに・・・」

まどか(今のすっごい気になる・・・)

さやか「・・・あたしね、今日後悔しそうになっちゃった。
     あの時仁美を助けなければってほn

さやか「長い」

さやか「まぁ一言で言うと後悔してます」

まどか「・・・」




杏子「今日のアイツは魔女と戦ってる、無駄な狩りじゃないさ」

ほむら「意外だわ、そんな理由であなたが獲物を譲るなんて」

杏子「は?」

ほむら「え?」

杏子「全然譲ったとかじゃないし」

杏子「先越されたから見守っててやるだけだし」

杏子「全然さやかの為に残しておいたとかじゃないし」

ほむら「・・・」

さやか「くっ・・・」

杏子「あのバカ、手こずりやがって」

さやか「は?」

杏子「は?」

さやか「バカって言ったほうがバカだし」

杏子「バカって言われてバカって言い返す方がバカだし」

まどか「きゃあああぁぁ!!」

ほむら「まどか!!!」カチッ

さやか「バカって言われてバカって言い返されてバカって言い返す方がバカだし」

杏子「そういうのうざいし」

さやか「はぁ?」

ドォォォォン

杏子「とにかく見てらんねえっつうの」

さやか「見てたじゃん」

杏子「そういう意味じゃないし」

さやか「はぁ?」

杏子「見ててつまんねえって意味だし」

さやか「別に楽しませるものじゃないし」

杏子「は?」

さやか「は?」

杏子「いいからもうすっこんでなよ、手本見せてやるからさ」

ほむら「もう倒したわよ・・・」

杏子「・・・」

さやか「・・・」

まどか「・・・」

杏子「・・・」ブンッ

ほむら「・・・」スッ

さやか「邪魔しないで、一人でやれるわ・・・」

ほむら「いや、だからもう倒した・・・」

さやか「はあああああぁぁぁ!!!!」ダッ

残骸「」ドスゥッ

まどか「さやかちゃんっ!?」

ほむら「・・・」

杏子「オイ、もうやめ・・・」

さやか「あはは、本当だぁ。
     その気になれば痛みなんて完全に消しちゃえるんだぁ・・・」グリグリィ

ほむら「・・・ダメージ受けてないじゃない!!」

さやか「は?」

杏子「は?」

まどか「は?」

ほむら「!?」ビクッ

さやか「いやそういうの無しでお願いします」

杏子「まじキツいわ」

まどか「ほむらちゃん、助けてくれてありがとうね」

ほむら(なに、今の・・・
     一瞬まどかまで変になってなかった・・・?)

さやか「やり方さえわかっちゃえばこっちのもんだね。
     これなら負ける気がしないわ」

さやか「あげるよ。それが目当てだったんでしょう?」ブンッ

杏子「は?」

さやか「え?」

杏子「じゃあこれ目当てじゃなかったらどうするん」

さやか「どうもしないし」

杏子「いやおかしいだろ」

さやか「なにが」

杏子「いや魔女譲ったのに見返り無しておかしいだろ」

さやか「見返りそれじゃん」

杏子「じゃあこれ目当てじゃなかったらどうするん」

さやか「それ目当てでしょ」

杏子「確かに」

ほむら(グリーフシード、私が持ってるんだけど・・・)

まどか「さやかちゃん・・・」

さやか「何してんのまどか、帰るよ・・・!」フラッ

まどか「さやかちゃん、無理しないでつかまって・・・」

さやか「お縄」スッ

まどか「いや、手錠とかじゃなくて・・・」

杏子「あのバカ・・・」ギュッ

ほむら(だからグリーフシードは私が持ってるんだけど・・・)




ほむら「ワルプルギスの夜の出現予測はこの範囲。
     いずれのパターンにも対応できる防衛線を張るためには
     最低でも二カ所の霊脈をおさえる必要があるわ」

杏子「長い」

ほむら「・・・地図を見て。理解できたらそれでいいわ」

杏子「いや話じゃなくて今食ってる麺のこと」

ほむら「・・・」

杏子「その出現予測の根拠はなんだい」

ほむら「統計よ」

杏子「短い」

ほむら「・・・出現した位置の分布を調べて、それをもとに考えたのよ」

杏子「いや話じゃなくて今食ってる麺のこと」

ほむら「・・・」

杏子「この街にワルプルギスが来たなんて話、聞いたことないよ?」

杏子「信用しろとは言わないけどさ、もうちょっと手の内見せてくれないわけ?」

QB「それは是非僕からもお願いしたいね、暁美ほむら?」

杏子「・・・」

ほむら「・・・」

QB「・・・」

杏子「・・・」

ほむら「・・・」

QB「・・・」

杏子「・・・あっ」

杏子「どこから湧いて出やがったテメエ・・・」ジャキッ

ほむら(なんで今の言うのに時間かかったのよ・・・)

QB「美樹さやかの消耗が予想以上に早い。
   魔法を使うだけでなく彼女自身が呪いを生み始めた」

杏子「人をゴキブリみたいに言うんじゃねえ!!」

QB「言ったのは君が僕に対してじゃないか」

杏子「人をゴキブリみたいに言うんじゃねえ!!」

QB「・・・
   このままだとワルプルギスの夜よりも先に
   厄介なことがおこるかもしれない。
   注意した方がいいよ」

杏子「人を厄介みたいに言うんじゃねえ!!」

QB「・・・」

杏子「人を厄介みたいに言うんじゃねえ!!」

ほむら「・・・消えなさい」

QB「うん・・・」




さやか「うああああああ!!!」ザシュッ

さやか「はぁ、はぁ・・・」ドサッ

ほむら「どうして分からないの?
     余裕がないのなら魔女だけを狙って仕留めなきゃダメよ。
     ・・・使いなさい。ソウルジェムはもう限界のはずよ」

さやか「長い」

ほむら(本当に追いつめられてるのかしら、この子・・・)

ほむら「とにかく、それでソウルジェムを浄化しなさい」

さやか「いや話じゃなくてあたしの枝毛のこと」

ほむら「・・・」

さやか「今度は何を企んでるのさ」

ほむら「いい加減にして!もう他人を疑ってる場合じゃないでしょ!?
     あなた、このままだと死ぬわよ!?」

さやか「・・・それでもいいさ」

ほむら「え?」

さやか「え?」

ほむら(しまった、あまりにも普通に話が進んだからびっくりしちゃったわ・・・
     死にたくないし、とか言うと思ってたのに・・・)

ほむら「なんでもないわ」

さやか「あたしはあんた達とは違う魔法少女になるって決めたんだ。
     だから誰かを見捨てたり利用もしない、見返りだっていらない。
     それでもし魔女が殺せなくなった時は・・・あたしは用済みさ。
     魔女に勝てないあたしなんてこの世界には要らないよ」

ほむら「・・・私はあなたを助けたいだけなの。
     なのにどうして信じてくれないの?」

さやか「あんたが嘘つきだからよ」

ほむら「・・・!」

さやか「この前あたしがダメージ受けてないって嘘ついたじゃん」

ほむら「あれは本当よ!!!!!!!!」ゴスッ

さやか「は?」

ほむら(痛っ、壁殴っちゃったわ・・・)

さやか「あんた、何もかも諦めた目をしてる。
     いつも空っぽの言葉を喋ってる。
     本当はさ、あたしの為とか言いながら全然別のこと考えてるでしょ。
     ごまかしきれるもんじゃないよ、そういうの」

ほむら「・・・あなたって、鋭いわ」スッ

ほむら「ええ、図星よ。
     私はあなたを助けたいわけじゃない・・・
     あなたが破滅していく姿をまどかに見せたくないだけ。
     全てはあの子の為なのよ?」ゴォッ

さやか「え?」

ほむら「え?」

さやか「枝毛のこと考えてるのかと思った」

ほむら「誰があなたの枝毛のことなんか考えるのよ!!!!」

さやか「いやまどかの」

ほむら「まどかに枝毛がある・・・?気付かなかったわ・・・」ゴクリ

ほむら「まぁ・・・それはオイシイ情報として置いといて。
     これ以上まどかを悲しませるくらいなら・・・
     いっそこの場で私が殺してあげるわ、美樹さやか!!」ゴォォ

杏子「っ!!」ガシッ

ほむら「!?」

杏子「何やってる!?さっさと逃げろ!!」

さやか「いや掴むほう間違ってるし」ジタバタ

杏子「マジか」ググッ

さやか「いや力入れると痛いし」ジタバタ

杏子「マジか」ググッ

さやか「いや折れそうだし」ジタバタ

杏子「ちょっと面白いかも」ブンブン

さやか「なにこれ」グルングルン

杏子「メリーゴーランド的な」ブンブン

さやか「一理ある」グルングルン

ほむら「・・・」

杏子「・・・この状態だとあの妙な技も使えないんだな?」ブンブン

ほむら「いや、普通に使える・・・」

杏子「は?」ピタッ

さやか「は?」ピタッ

ほむら「もうイヤ・・・帰るわ・・・」グスン

杏子「・・・」

さやか「・・・」

さやか「もうちょっと早く回せる?」

杏子「わかった」ブンブン



ホストA「・・・稼いだ金はきっちり貢がせないと。
     女ってバカだからさぁ・・・」

ホストB「犬か何かだと思って躾けないとダメっすよね」

ホストA「油断するとすぐ籍入れたいだの言い出すからねー」

ホストB「捨てる時がホントウザいっすよねぇ・・・」

さやか「ねえ、その女の人の話もっと聞かせてよ」

ホストA「お嬢ちゃん中学生?夜更かしはよくないぞ」

さやか「その女の人、あんたのことが大事で
     喜ばせたくて頑張ってたんでしょ?
     なのに犬と同じなの?
     ありがとうって言わないの?
     役に立たなきゃ捨てちゃうの?」

ホストA「何コイツ・・・知り合い?」

ホストB「いや・・・」

さやか「ねえ、この世界って守る価値あるの?
     あたし何のために戦ってたの?
     教えてよ、今すぐあんたが教えてよ・・・」

さやか「でないとあたし、どうにかなっちゃうよ?」




杏子「やっと見つけた!」タタッ

杏子「アンタさぁ、いつまで強情張ってる気?」

さやか「・・・悪いね、手間かけさせちゃって」

杏子「な、なんだよ。らしくないじゃんかよ・・・」


さやか「うん、別にもうどうでもよくなっちゃったからね」

杏子「っ!?」ゾクッ

さやか「結局あたしは一体何が大切で、何を守ろうとしてたのか
    なにもかも、わけ分かんなくなっちゃった」

さやか「希望と絶望のバランスは差し引きゼロだって話、今ならよく解るよ」

さやか「確かにあたしは何人か救いもしたけど
    その分心には恨みや妬みが溜まって」

さやか「一番大切な友達さえ傷つけて・・・」


さやか「誰かの幸せを祈ったぶん、他の誰かを呪わずにはいられない。
    あたしたち魔法少女ってそういう仕組みだったんだね」


杏子「さ、さやか・・・」


さやか「あたしって、ほんとバカ」



杏子「え?」

さやか「え?」

杏子「いやバカって認めたからさ」

さやか「比喩だし」

杏子「そういうの無理だから」

さやか「は?」

杏子「てか長い」

さやか「まあ一言で言うと後悔してます的な」

杏子「あといきなりゾクッてきたの風邪っぽい」

さやか「バカは風邪ひかないし」

杏子「バカって言ったほうがバカだし」

さやか「そういうのうざいし」

杏子「は?」

さやか「バカって言われてバカって言い返したほうがバカだし」

ほむら「・・・」

杏子「おうイレギュラー」

ほむら「どういうこと・・・?
     ちょっと、ソウルジェムを見せてくれる?」

さやか「エッチ」

杏子「スケッチ」

さやか「ワンタッチ」

ほむら「早くしなさい!」

さやか「ほい」ポイッ

ほむら「・・・」パシッ

ほむら「・・・ほとんど穢れてない?わけがわからないわ・・・」

QB「・・・そろそろかな」

ほむら「何よキュゥべえ、そろそろって」

さやか「はっ!?」パチッ

杏子「おっ!?」パチッ

QB「戻ったみたいだね」

ほむら「・・・説明しなさい」

QB「あぁ、この二人は魔女の口づけを受けていたのさ」

ほむら「え??」

QB「無駄話の魔女、性質は『冗長』。
   この魔女に口づけを受けてしまった者は
   話をわけのわからない方向に持っていき、長期化させる傾向にある」

ほむら「はぁ・・・」

QB「その魔女の口づけが、時間経過で無くなった。というわけさ」

ほむら「どうして教えてくれなかったのよ」

QB「聞かれなかったからさ。
   それに、僕も最近やっと気付いたものでね」

ほむら「ソウルジェムがほとんど穢れてないのは?」

QB「魔女に操られていたから、二人とも無意識のうちに行動をしていたようなものだ。
   魔力を使う以外に穢れが溜まる理由がないのさ。
   ちゃんと浄化もしていたみたいだし」

ほむら「じゃあ、消耗が早いって言ったのは?
     呪いを生み始めたって言ったのはなんなのよ?」

QB「魔女の口づけの消耗が早いと言ったのさ。
   それに、呪いを生み始めたというのは口づけの消耗の高速化に伴って
   話を冗長化させる範囲が広くなったということさ」

ほむら「・・・」

QB「恐らく、さやかは杏子と出会う少し前。
   杏子は、それよりも前に受けたみたいだね」

杏子「ん~、なんだかよくわかんねえけど楽しかったな!」

さやか「確かにそうかも!あんたとはいいコンビになれそうだわ~」

杏子「冗長コンビか?アリだな!」

さやか「もう一回口づけしてもらってくる?」

杏子「まっさか!もうこりごりだよ」アハハ

さやか「だよねぇ~」アハハ

杏子「でも、最後らへん結構真面目じゃなかったか?」

QB「それはそうさ。効果が切れかけてたんだから」

さやか「なるほど~」

ほむら「何自分達で勝手に納得してるのよ!!!!!!!!!!!」クワッ

ほむら「私がどれだけ惑わされたと思ってるのよ!!!!!!!!!!」

ほむら「今すぐ謝りなさいよ!!!!!!!!!!!!」

杏子「えっ・・・どうするよ、さやか」

さやか「まぁ、色々迷惑かけちゃったわけだし謝っておこうよ」

杏子「そうだなぁ」

さやか「ごめんね、転校生」ペコッ

杏子「悪かったよ」ペコッ

ほむら「・・・はぁ、まあ許してあげるわ」

まどか「さやかちゃん・・・?」

杏子「おい、アンタの友達来たぞ」

さやか「あれ、まどか?」

まどか「さやかちゃん!どうしたの?ソウルジェムは?ねぇ、さやかちゃん!」ガバッ

さやか「いや、ここにあるけど・・・」

まどか「は?」

ほむら「っ!?」

まどか「だからそれはソウルジェムまがい的なアレでしょ」

さやか「アレって何よまどか~」

まどか「この前のレプリカ的なアレでしょ」

さやか「・・・」

杏子「なぁさやか、これって・・・」

さやか「・・・っぽいね」

ほむら「ま、まどか・・・あなたまで魔女の口づけを・・・?」

QB「どうやら、そうみたいだね」

まどか「本物がないと死んじゃうのに生きてるふしぎ」

杏子「イレギュラー、後は頼んだ。ラーメン食いに行こうぜさやか!」スタコラ

さやか「そうだね、転校生よろしく!んじゃ行きますか!」スタコラ

QB「僕は別の子を勧誘しに行くよ、治ったら教えてくれるかい」スタコラ

まどか「ほむらちゃんって実は枝毛体質だったりするアレでしょ」

ほむら「・・・いやああああああああああああああ!!!!!!!!!!」



おわり

最後息切れ感あってすみませんでした
マミさん出なくてすみませんでした
お付き合いいただきありがとうございました

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