アニ「エレン…好きなんだ。アンタの事」 (19)
なんであんなことをしたのか、今でも分からない
二人っきりになった時、頭の中が真っ白になって、顔に火が付いて、つい
ただ、何を言ったのか、何をしたのか定かじゃない
体は自分の意思とは無関係に動いて、頭の中はフワフワして、今思えば夢だったんじゃないかと思えるほどで
ただ、今も目を瞑るとエレンの顔が次々に浮かんできて、私の胸を締め付ける
どうしてあんなことをしてしまったんだろうという後悔が浮かんでは消えを繰り返し―――
憲兵「―――それが、アニ=レオンハートを殺害したときの状況か?」
ミカサ「はい」
憲兵「つまり、突発的で衝動的な行動だったと」
ミカサ「分かりません」
憲兵「明確な殺害の意思は無かったのだろう」
ミカサ「分かりません、あったかもしれません」
憲兵「分からない、という事はさっきの証言のように、当時の記憶は曖昧であると」
ミカサ「はい」
憲兵「おい」
憲兵2「はい、記録します」
ミカサ「………」
憲兵「本日の取調べを終了とする。おい、連れて行け」
憲兵3「はい」
コツコツコツ
ミカサ(………)
憲兵3「………」
ガチャン
憲兵3「入れ」
ミカサ「はい」
ガチャン
ミカサ「………」
憲兵3「………」
ミカサ「………」
ミカサ(……今の取調べは明らかに不自然)
ミカサ(私に明確な意思が無い事を念押ししてきた、その上その発言を私に強要し、決め付けた…)
ミカサ(……これでいいの?)
――――――――
憲兵2「……これでどうですか?」ペラッ
憲兵「うむ……まぁ、こんな所だろう」
憲兵2「それにしても、上官も一体どういうつもりなんでしょうね」
憲兵「おい、口を慎め」
憲兵2「大丈夫でしょう、ココなら」
憲兵「おい」
憲兵2「…わ、分かりましたよ」
憲兵2「それでは、失礼します」
憲兵「…おい、分かっていると思うが」
憲兵2「はい、分かってますよ。絶対に他言したりはいたしませんよ、ではお先に失礼します」
憲兵「………」
憲兵(……これでいいのか?)
憲兵(上官の命令とは言え、アッカーマンが行ったことは明らかな殺人。しかも、その理由もどうしようも無い物だ)
憲兵(私は何のために憲兵になったのだ? 私は、私は……)
憲兵(…いや、もうよそう。 今はただ、アッカーマンの執行猶予を得ることだけを考えれば良い)
―――――
―――
―
ジャン「………」
エレン「………」
ジャン「………なぁ」
エレン「………」
ジャン「おい……」
エレン「……なんだよ」
ジャン「あ… いや……」
エレン「………」
ジャン「……まさか、お前と同室になるなんてな、最悪な気分だ」
エレン「……じゃあ野宿でもしてろよ」
ジャン「あぁ?お前がすりゃあいいじゃねぇか」
エレン「……そうか、そうだな」
ジャン「あぁ?あ、いや、待てよ、待てって」
エレン「……何がしたいんだよお前」
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