咲「そう言えば麻雀部の予算ってどうなってるんですか?」(231)

咲「豪華な合宿所使ったり、ずいぶん贅沢な気がしますけど」

まこ「そりゃーなんたってうちの部長は生徒議会長じゃけんのぅ」

優希「学校のお金使いたい放題だじぇー!」

久「ちょっと人聞きの悪い事言わないでくれる?ちゃんと公平に予算分配してるわよ」

和「でも確かに実績の無い部活にしては予算が多いような……」

久「やりくりやりくり。普段はあまり使わないからね」

京太郎「その割にはやたらと買い出しに行かされますが」

久「あ、買い出しで思い出したわ。須賀くん、お茶切れてるから買ってきて」

京太郎「……はい」

咲「行ってらっしゃい京ちゃん」

和「気をつけて」

優希「タコスも忘れずになー」

京太郎「うるせーやい」

まこ「やれやれ」

久「……」

まこ「ん?どうかしたんか?」

久「いえ、ちょっと全国大会での宿泊費の計算をね」

まこ「それこそ学校から出るじゃろうに」

久「無駄遣いは厳禁よ、無尽蔵にあるわけじゃないんだから」

まこ「へいへい、次の会計は大変そうじゃのう」

久「あら?会計と部長は兼任よ?」

まこ「うへぇ、和に任せるか……」

久(決勝までいくなら明らかに予算オーバーね……仕方ない、またあれやるしかないか)

久(多少会場遠くて相部屋を条件にしてもこれ以上は削りきれない)

咲「ツモ、リンシャンカイホウ」

まこ「またかい!」

優希「咲ちゃんばっかりあがってズルいじょ!」

和「こんなオカルトありえません」

咲「あはは……」

久(全国で勝ち抜くにはあの子達の力が不可欠、全力で臨んでもらうために手段は選んでいられない)

久「ごめんなさい、私はもう帰るわ」

まこ「何じゃ?下校時刻はまだまだじゃろ?」

久「三年生は色々忙しいの、じゃあねー」スタスタ

長野県某スタジオ

おっさん「いやー久ちゃん久しぶりだねー」

久「駄洒落ですか?」

おっさん「そんなわけないじゃん、冗談冗談」

久「……」

おっさん「まさか久ちゃんの方から来てくれるなんてね、助かるよ」

久「ギブ&何とやらですよ、きちんと報酬を貰えるなら文句は言いません」

おっさん「いいねいいね、話が早いのが久ちゃんのいいとこだよ。じゃ、これ台本」

久「『君が執事で私が主で』……わかりました」

おっさん「メインヒロインを頼むね」

久「はい」

久「ん、んんっ……いいぞパンダ……もっと舐めてくれ……」

おっさん「はいカーット!」

久「ふぅ」

おっさん「お疲れ様久ちゃん、良かったよ。おじさんビンビン」

久「はぁ……」

おっさん「じゃあこれ、約束の謝礼」

久「ありがとうございま……えっ!?」

おっさん「んん?」

久「少なすぎます!話が違うじゃないですか!」

おっさん「え、そう?いやまぁ文句があるならいいけどね、現役女子高生をエロゲーに出演させたなんて僕終わるから」

おっさん「まぁ久ちゃんもせっかくの全国大会が終わると思うけど」

久「……っ!」

竹井ハウス

久(どうしよう……これだけじゃ全然足りないわ……)

久(何で足りない分は日本酒で現物支給なのよ、未成年なのに……)

久(やけ酒でも飲みたい気分ね)

テンパイソクリーワーイワーイ♪

久「ん?まこからメール……?」

まこ『あんまり無理せんと、可愛い後輩達にも頼りんさい』

久「……」

久「……頼ってるわよ、十分」

翌日、部室

久「皆揃ったわね」

咲「は、はい」

和(ただならぬ雰囲気ですね)

優希「お腹空いたじぇ……」

まこ「なんやなんや怖い顔して、不祥事が発覚して全国大会は辞退とか言い出さんやろな」

咲「えぇっ!?」

優希「とうとう咲ちゃんがカンし過ぎで人を殺めてしまったのかー!」

咲「まだやってないよ!」

京太郎「いつか殺るのか」

久「違う違う、いえあまり違わないけど」

久「実はね、昨日の話にも繋がるんだけど、予算が足りないのよ」

和「予算?」

久「東京までの遠征滞在費、大会までの合宿費を考えると今のままではね」

咲「そんな……」

まこ「東京まで行って野宿なんざ勘弁してもらいたいのぅ」

優希「タコス代!タコス代は!?」

久「それはまぁ置いといて、このままだと本当に野宿するはめになるわ」

久「決勝までいくならね」

咲「が、学校から追加で予算貰えたりしないんですか?」

久「風越のような名門ならとにかく、うちじゃねぇ……」

和「……わ、私がお父さんに頼んで」

久「ストップ。生徒個人の家庭から出させるわけにいかないでしょ」

まこ「八方塞がりじゃのぅ」

久「いいえ、一つだけ手はあります」

京太郎「マジすか!?」

久「えぇ、私たち自身で何とかすればいい……清澄高校麻雀部、大アルバイト作戦よ!!」バーン!

優希「うえーー!?いやだじょーー!!」

和「ゆーき!」

優希「やだやだ!面倒臭ーい!」

久「はぁ……無理にとは言わないわ」

優希「やった!」

久「ただ優希だけはホテルに泊まれず、タコスも無しで戦うだけよ」

優希「んなー!?」

咲「ア、アルバイトなんて染谷先輩のお店でしかしたことないよ……」

まこ「うちもなかなかに厳しいからのぅ、出してやるから来いとは気安く言えんなぁ」

久「心配しないで、皆が出来そうなのを見繕ってきたわ」

京太郎「さっすが部長!何事も万全ですね!」

久「須賀くんは引っ越しと現場作業とビル清掃をローテーションでお願いね」

京太郎「はい?」

久「だって日当を重視するとそういうのしか……」

京太郎「俺にだって限界が」

和「須賀くん!頑張ってくださいね!」

京太郎「もちろん!今日から東京に出発するまで寝ないで働くぜ!」

和「その粋です、お願いしますね」

京太郎(あぁ、和が俺を頼ってくれている……)

咲「む……」

久「さて、まこと優希は指示した場所に行ってちょうだい。和は私についてきて」

和「はい」

まこ「了解じゃ」

咲「あ、あの、私は?」

久「咲は……今日はいいわ」

咲「はぁ……でも私だけ何もしないなんて」

久「そんな顔しないの、また咲にも何かしてもらうわ」

咲「はい……」

和「大丈夫ですよ宮永さん、きっと部長には何か考えがあるんです」

咲「うん!」

久「それじゃ行きましょうか和、まこと優希もよろしくね」

優希「アイアイサー!」

まこ「微妙に嫌な予感がするがのぅ」

京太郎(俺授業は……出んなって事だろうな……)

~~~

優希「うぅ~タコス食べないと元気出ないじぇ……」

まこ「帰りに買うたるからシャキッとしんさい」

優希「今欲しいじぇ……」

まこ「タコス係の京太郎がおらんけぇ、我慢せぇ」

優希「使えない奴だじぇ!」

まこ「そう言うたるなって……おっ、部長が指示したとこはここじゃな」

優希「み、見るからに怪しいビルだじょ」タジタジ

まこ「さーて鬼が出るか蛇が出るか」

優希「タコスの神様、私をお守りください」

まこ「タコスに呪われとるんやなかったんか」

~~~

久「着いたわ、ここで短期メイドを募集してたのよ」

和「立派なお屋敷ですね」

久「住人を知ったらもっと驚くわよ?」

和「はぁ……」

ハギヨシ「竹井久様、原村和様ですね?お待ちしておりました」シュタ

和「きゃあ!?」

久「び、びっくりしたでしょ?」

ハギヨシ「これは失礼。さぁお嬢様方がお待ちです、中へどうぞ」

久「行くわよ和」

和(エトペン、私を守って……)ギュッ

~~~

咲(皆頑張ってるのに私だけ何もしなくていいのかなぁ)テクテク

咲(でも一人じゃ練習も出来ないよ……)

酔っ払い「おうおう姉ちゃん、辛気臭い顔してどうした?」

咲「ぅひ」

酔っ払い「おっ、姉ちゃん可愛いな、一杯やるか?」

咲「い、いいです」

酔っ払い「そう言わずに、お酌してくれよ」

咲「ご、ごめんなさい!」タッ

酔っ払い「なんだよチクショー!」

咲(迷惑だなぁ、社会的に……ううん、いけないいけない)

~~~

京太郎「ふんっ……がっ!!」

親父「おらっ!わけぇの!腰が入ってねぇんだよ腰が!」ゲシッ

京太郎「す、すいません!」

親父「しっかりしろぃ!」

京太郎「はい!」

ガチムチ「おい京太郎!さっさとこいつ運べや!」

京太郎「うっす!」

親父(なかなかの根性だ……若いのに見所があるじゃねぇの)

京太郎(これは和のおっぱいこれは和のおっぱいこれは和のおっぱいこれは和のおっぱい)

京太郎「うおりゃー!!」グイッ

ガチムチ「ほう、やるじゃねぇか」

透華のお屋敷

ハギヨシ「ではこちらで着替えてお待ちください」

久「はーい」

和「メイド服がいっぱい……」

久「気に入った?」ニヤニヤ

和「か、可愛いじゃないですか」

久「動きにくそうで私はあんまりね」

和「ドライですね……」

一「無駄口叩いてないで、早くしてよ」

和「きゃあ!?」

一「いちいち驚かないでよ、とーかのお屋敷に僕たちがいるのは当然なんだから」

智紀「私たちの方が先輩……」

久「しばらくよろしくお願いね」

一(何でよりにもよってこの人たちが……)

久「あら似合うじゃない和」

和「部長も」

一「……いいから早くいくよ、仕事を教えるから」

智紀「ついてきて」

久「はーい」

ーーー

透華「おーほっほっほ!いい格好ですわね原村和!」

和「えぇ、生地も縫製もとても良い出来です、着心地は良好ですね」

透華「嫌味ですわ!理解しなさい!」

久(和って変にずれてるのよね……)

透華「おほん、まぁとにかく貴女方にしてもらう仕事で最も重要なのは」

透華「衣の遊び相手ですわ」

久(ほいきた)

和「遊び相手……つまり麻雀ですか?」

透華「察しが早くて助かりますわ。もちろん通常のメイド業務も可能な限りしていただきますが」

久「雇われの身は辛いわね~」

一「透華お嬢様の前で失礼だぞ!」

久「あらごめんなさい」

透華「一、構いませんわ。それに今はお父様はいません」

一「ご、ごめんとーか」

透華「では早速……原村和!紅茶を淹れてちょうだい!」

和「かしこまりました」

透華「ず、ずいぶん素直ですわね」

和「お茶の場所は……」

智紀「案内する」

透華「張り合いがありませんわよ!」

一「……」

給湯室

和「これとこれと」テキパキ

智紀「……早い」

久「いつも部室でやってるものね」

一「ふ、ふん、そんな庶民の舌じゃとーかは満足しないよ」

久「あら、和もなかなかのお嬢様よ?」

一「と、とーかは僕か萩原さんが淹れたのがお気に入りなんだ!原村和のなんて!」

久(ここも色々と面倒なのね……ま、私は私の目的が達成出来ればいいけど)

一「僕にだって、あれくらいの胸があれば……!」

智紀「ムリダナ」

マンション

優希「暗いじょ……染谷先輩、メガネビーム出して」

まこ「出るわけないじゃろ」

優希「咲ちゃんみたいに目からイオナズン出れば暗いとこも平気だじぇ!」

まこ「何言うとるんじゃ」

優希「ほんとだじぇ!咲ちゃんが本気になったら目からビビッと!」

まこ「暗い目で半笑いになりながらリンシャン牌ツモるのはよくみるがな……おっ、ここじゃ」

優希「まさか部長は私たちを売り飛ばして」

まこ「アホ言いなさんな、こんにちわー」ガチャ

武田俊「はい、どうぞ」

まこ「えーと、竹井久の紹介と言えばわかるんかいのぅ」

俊「あ、うん、聞いてるよ。座って座って」

愛「この子達が練習相手?ガキじゃない」

優希「むっ!そっちだって対して変わんないように見えるじぇ!お子様め!」

愛「……」イラッ

俊「え、えっと、取り敢えず麻雀打とうか?こっちはこっちで、変な豪運持ちと戦って練習したいから」

まこ(ヤクザか?いやでもそうは見えんのぅ……代打ち専門か?)

優希「東場だけで終わらせてやるじぇー!」

愛(……潰す)

~~~

和「お口に合うと良いのですが」

透華「ま、まぁまぁですわね」

一「……」

透華(こうなったら徹底的にコキ使ってやりますわ!)

透華「夕食もお願いしますわよ」

和「かしこまりました。ですがお嬢様の好みを私は把握しておりません」

透華「一、教えてあげなさい」

一「なっ……なんで僕が……はい」

透華「さて、貴女にも一働きしていただきますわよ」

久「えぇ、存分に」

衣の部屋

久(案外……いえ、ある意味思った通り子どもじみてるわね)

透華「衣、衣ー!遊び相手を連れてきましたわよー!」

純「おーう、待ちくたびれたぞ」

透華「なぜ貴女が」

純「二人麻雀じゃいまいち盛り上がらないし、衣とずっと二人ババ抜きだよ」

久(それは面白いの?)

透華「それで衣は?」

純「あっち見てみな、準備万端だ」

衣「待っていたぞ清澄の……リンシャン使い、咲を見いだしたその力、衣にも見せてもらおう」

久「……期待に添えられるといいけど」

ジャラジャラ

純「しっかし何でまた清澄の連中を採用したんだ?」

透華「仕方ありませんわ、私たちと卓を囲める程度の腕を持つとなると、限られますもの」

純「そりゃ確かに」

衣「衣が親だー!」

透華「清澄の部長さん、お手並み拝見と参りますわ」

久(見せてもらうのは私の方なんだけどねー、まぁ飛ばされないように頑張りますか)

純「……」

衣「ツモ!海底ラオ月!」

透華「うぐっ!」

純「どうなってんだよほんとに……」

久「さすがね天江さん」

衣「……」

久「何かしら?」

衣「お前、何を考えている?」

久「んー?」

衣「今まで衣に向かって来た者はことごとく心砕け地に伏した。あの夜以外は」

衣「だがお前は……お前はまるで心が無いようだ。否、別の何かを見ている」

久「……」

透華「気のせいでしてよ、衣の力から目を逸らせるはずありませんわ」

純「……あぁ」

久「観察していたわ」

衣「観察?」

久「えぇ、いくら何でも天江さん相手に無策じゃ臨めないもの。最初は観察に回らせてもらったわ」

久「別にチームの勝敗がかかっているわけでもなし、データを集めたっていいでしょう?」

衣「衣を前に……笑止千万!」

透華「どういう闘牌をしようとご自由ですが、あまりふざけた真似は許しませんよ」

久「失礼いたしました、ここからは全力で当たらせてもらいます」

衣「木端微塵の灰塵に帰す!」

久「怖い怖い」

純(データって……そういうタイプだったかこいつ?)

数局後

久「ふぅ……私がラスかぁ」

透華「あ、危なかったですわ……貴女の待ちは理解不能でしてよ」

久「ふふっ、どういたしまして」

衣「あえて気配を殺して……面白い打ち手だな!」

久「ありがとう」

和「失礼します」ガチャ

智紀「夕食」

衣「わーい!」

純「やっと飯か」

衣「次はノノカとも打ちたい!」

和「えぇ、わかりました」

食堂

衣「いただきまーす!」

ハギヨシ「衣様、お手拭きを」

衣「うむ」

透華「あら、これは」モグモグ

純「美味い美味い」ガツガツ

智紀「……美味しい」

一「ぼ、僕だってこれくらい!ていうか僕が手伝ったから」

透華「やりますわね、原村和。全国大会で負けたら私のメイドになりなさいな」

一「!?」

和「どうも……メイドにはなりませんけど」

久「和は咲っていう先約があるものね?」

和「な、ななな、何を言ってるんですか!?」

衣「ノノカ!これもノノカが作ったのか!?」

和「は、はい」

衣「ペンギンは!?今日はペンギンはいないのか!?」

和「更衣室に……」

透華「衣!落ち着きなさい!」

純「お客さんが来てはしゃいでるんだな」

智紀「……子ども」

透華「あぁもう、服が汚れますわ!原村和、手伝いなさい!」

一(原村原村って……なんだよとーか……)

~~~

衣「ローン!」

智紀「また衣がトップ」

和(宮永さん……どうやってこの人に……)

和「でも、次は倒します」キッ

衣「その粋や良し!兎を狩るが如く蹂躙するまで!」

智紀「兎は衣」

衣「なっ!?」

透華「全く、始めますわよ」

久「……」

純「あんたは入んねーの?」

久「和がギブアップしたらね、それにそろそろ変える時間だわ。専属ってわけじゃないもの」

純「ふーん」

衣「ロン!」

久「……」

更衣室

和「ふぅ……」

久「さすがに疲れたでしょ、メイドの仕事に加えて天江さんとの麻雀だものね」

和「あ、いえ、むしろ龍門渕さんの方が」

久「和に対抗意識剥き出しだったものね」

和「ですが勉強になります」

久「そうね、お給金が貰えて麻雀の練習も出来る、最高のアルバイトよ」

和「はい!」

玄関

衣「ノノカ、清澄の、もう帰るのか?泊まっていかないのか?透華に頼んでやろうか?」

和「ごめんなさい、明日も学校がありますから」

久「また明日も来るから」

衣「本当か!?絶対か!?」

和「えぇ、絶対です」

智紀「衣、嬉しそう」

透華「良かったですわね」

智紀「もし麻雀の強さだけで選んでいたら、こうはならなかった」

透華「べ、別にそういう訳じゃありませんわよ!私が原村和を倒したいだけですわ!」

衣「明日だぞ!絶対だぞ!ペンギンも約束だぞ!」

久「……行きましょう、和」

~~~

久「麻雀をしていなければ、普通の女の子なのね」テクテク

和「はい?」テクテク

久「何でもないわ、一人言よ」

和「明日の夕食は……」

久「あらあら、すっかりメイドが板についたのかしら?未来の旦那様がうらやましいわね」

和「ち、違います!旦那さん……なんて……」

咲『ただいま、原村さん!ううん、和ちゃん……』

和「……」

久「?」

純「そこのお二人さん」

一「ちょっと待ってよ」

久「貴女たち」

純「話がある、顔を貸してもらおうか」

一「純くん、どう見ても不良だよ……」

久「あらぁ?仕事はちゃんとしたはずよ」

純「いいから来いよ、近くにまだ開いてる雀荘がある」

和「……」

久「大丈夫、彼女たちだって面倒は避けるはずよ」



雀荘

久「打とうって事かしら?」

純「あぁ、お前はぶちのめす」

久「何か怒られるような事したかしら?」

純「とぼけんな、衣を観察してたって……麻雀の意味じゃねーだろ」

純「大方衣の様子を見て、清澄の大将に応用させようとしたか?」

純「怪物同士……それこそデータは少ないもんな」

和「部長……」

久「さぁどうかしら?単に私や和でも天江さんに対抗できるなら、全国の化け物とも戦えると思っただけかも」

純「別に予選で負けた恨みとかは無いけどよー……衣を利用するのだけは許さねぇ」

久「だったらお屋敷から追い出す?」

純「んな事しても衣が泣くだろ、だからこれはほとんどただの八つ当たりだ。お前はボコボコにしてやる」

久「ふーん……そっちの貴女も同じ理由?」

一「それもあるけど」キッ

和「……私?」

一「とーかの専属は……僕だ!」

和「はぁ……」

一「何でとーかはいつもお前なんか……」

純「国広くん、熱くなってないで座ろうよ」

一「わ、分かってるよ!純くんだって!」

久「仲良しさんねぇ」

純「うるせー!とにかくぶっ倒す!」

久「ちょっと失礼……」ゴソゴソ

和「打たないと納得してもらえないようですね」

一(清澄の人は強かったし、原村和が全力ののどっちになったら僕じゃ敵わない、でも!)

純(悪いな衣、余計なお世話してさ)

久「メイド服でお下げ腕捲りはさすがにね……やっぱり制服が一番だわ。さ、始めましょうか」

~~~

京太郎「い、いかん、死ぬ……天使が……和が見える……」フラフラ

京太郎「初日からこれじゃとても無理ですよ部長……」ガクッ

ガチムチ「おう京ちゃん!しっかりしろ!あと少しだ!」

京太郎「へ、へい!」

親父(やはり根性がある……奴こそ逸材か)

京太郎「うおー!!」トンテンカン

ガチムチ「よーしそうだ!終わったら一杯おごってやるからな!」

京太郎「はい!」

京太郎(うぅ……和に会いたい……この際咲でも文句は言わん……)

~~~

優希「うえへぇータコス力0だじぇー」

まこ「どうどう……それにしても変な相手じゃったなぁ」

優希「東場の私がかわされるなんてありえないじぇ!」

まこ「ツモはさすがに邪魔しきれんみたいやったがのぅ」

優希「何回か鳴かれて邪魔されたじょ」

まこ「化け物はまだまだおるいうこっちゃな……ほなまた明日な」

優希「先輩、タコス」

まこ「う……覚えとったか」

宮永家

咲「皆大丈夫かなぁ……心配だよ」

咲「そう言えば前、京ちゃんに言われたな……咲は何をやらせてもダメって。だから部長もお仕事くれなかったのかな」

咲「結局私には麻雀しかないのかな……お姉ちゃん……」

咲「お姉ちゃん……お姉ちゃん……」

咲「だ、ダメだ!月刊麻雀の高校生特集読まなきゃ!」ガサガサ

咲「あぁ、お姉ちゃん凄く良い笑顔……いつかまた私にもこんな風に笑ってくれないかなぁ」

咲「そしたら家族皆で……また……」

咲「……スヤスヤ」

我ながら終着点が見えない
全部ヴェイガンが人間じゃないから悪い
一先ずおやすみなさい、僕も一巻最初の10ページまでの咲ちゃんが帰ってくる日を待っています
ともきーペロペロ

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